JP2008181069A - 現像装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 現像剤搬送路の狭窄部において、現像剤の安定した搬送を可能とした現像装置および現像方法を提供する。
【解決手段】 現像ローラ40に現像剤42を供給しつつ、現像剤42を第1および第2の現像剤搬送部材49および50により撹拌搬送しながら第1および第2の現像剤搬送路47および48を循環させ、第1および第2の現像剤搬送路47および48のうち、現像ローラ40が収納された第1の現像剤搬送路47の狭窄部67に対応する第1の現像剤搬送部材49の部分に現像剤界面下降部72を設け、狭窄部67における現像剤の界面を低くして撹拌搬送する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置において、感光体上に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像装置および画像形成装置に関する。
従来、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤で像担持体(感光体)表面に形成された静電潜像の現像を行う現像装置がある。このような現像装置において、二成分現像剤を収容する現像容器ではトナーが画像形成によって消費されていく一方で、キャリアは消費されずに現像容器内に残っていた。この残されたキャリアは、画像形成の繰返しにより、キャリア表面の樹脂コート材料の剥れや、キャリア表面へのトナー成分の付着が生じ、現像剤としての帯電性能等が低下し、トナーの帯電不良によるかぶりや濃度ムラなどが発生し、画質の低下を招く原因となっていた。
このような現像剤の劣化を抑制し、現像機能を長期に安定化することを目的として、キャリアとトナーの混合物からなる現像剤を、あるいはキャリアとトナーを別々に現像容器内に、トナー消費量に応じて補給する一方で、オーバーフローにより現像剤を排出口より排出するトリクル方式が提案されている。トナーは画像形成により消費されていくが、キャリアは現像容器内に残るので、現像剤のトナー濃度を一定に保とうとすると現像容器内の現像剤は増えていくことになる。このため過剰となった現像容器内の現像剤を取り除くために、現像容器壁面に設けられた現像剤排出口から現像容器外に排出が行われる。トリクル方式では、現像剤の補給および排出を行うことで、現像容器内で劣化していく現像剤が新たに供給されるトナーおよびキャリアに置換されていくので、現像剤の帯電性能が維持され画質の劣化を抑えることができるようになっている。
このトリクル方式のように新たな現像剤を補給する場合、現像剤の帯電を目的としてただ撹拌していたのでは、通常は補給口付近のトナー濃度が高くなる。そこで、一般的にトリクル方式のような現像剤を補給する現像装置においては、容器内の現像剤を撹拌しながら搬送するものが多く提案されており、例えば、現像装置の現像剤搬送路に回転軸と回転軸の外周に沿って螺旋状に設けられた回転翼とからなる現像剤搬送部材が配置されており、この現像剤搬送部材が回転することで、現像剤の撹拌と搬送が行われる現像装置がある。この現像装置では、現像ローラに現像剤を供給するために、現像ローラと現像剤搬送部材を互いに近づけて配置してあり、また、現像ローラが現像容器に留め具等によって取り付けられるため、現像容器は、現像剤搬送路の上面を下方に突出させて上面に窪みを設け、その窪み内に留め具等を収納できるようにした形状となっている。もしくは、現像ローラの両端には、現像剤が漏れ出さないようにシール部材が配置されている。
また、このトリクル方式を用いている現像装置では、現像剤の撹拌・搬送だけでなく、現像容器内の現像剤量を適切な範囲内に維持することが望まれる。これは、現像剤が多くなりすぎると、十分撹拌されにくくなることで帯電性能が落ち、濃度ムラやかぶりなどが発生し、逆に少なくなりすぎると、現像ローラへの現像剤の供給が不足して濃度ムラや白ぬけなどの画像欠陥が生じるためである。
この問題に対して、現像剤量を適切な範囲内に維持するために、現像装置の現像剤搬送路に回転軸と回転軸の外周に沿って螺旋状に設けられた回転翼とからなる現像剤搬送部材が配置され、現像剤搬送路壁面には現像剤排出口が任意の箇所に設けられており、この現像剤排出口が配置されている領域に対応する現像剤搬送部材の部分の回転翼の外径を小さく、あるいはピッチを小さく構成した現像装置が提案されている(例えば特許文献1)。
この現像装置では、現像剤搬送部材の回転翼の外形を小さく、あるいはピッチを狭くすることで現像剤の搬送量を通常部分(例えば、現像剤排出口が配置されている領域以外)よりも少なくなるようにして局所的に現像剤を盛り上げている。
特開2000−81787号公報
従来の現像装置では、留め具やシール部材などが配置される部分において、現像剤搬送路の上面が下方に突出し、そのため現像剤搬送路が狭く、即ち底面からの高さが低くなっている。従って、特にこの狭くなった部分(狭窄部)の上面(突出部)が現像ローラよりも現像剤搬送路側に突出している場合には、現像剤搬送部材によって搬送される現像剤が狭窄部において詰まりやすく、詰まった現像剤が現像ローラ側に溢れ出して濃度ムラが発生するという問題がある。
また、特許文献1の現像装置では、上記のような突出部が形成される場合には、さらに以下のような問題が残る。例えば、現像剤排出口から安定した現像剤の排出を行うために、現像剤排出口を狭窄部近くの下流側の容器壁面の上方の任意の箇所に設けた場合である。すなわち、現像剤搬送路の形状が突出部によって狭くなり(狭窄部)、この狭窄部よりも下流側でまた広くなるといった形状の場合、現像剤排出口が配置されている領域において盛り上がった現像剤の界面の上流側の裾野の広がりが突出部に接触し、突出部によって狭くなった現像剤搬送路の出口部分を塞ぐことになる。従って、狭窄部内で現像剤が詰まりやすくなり、その結果、狭窄部の入り口の突出部においても現像剤が詰まることになる。あるいは、盛り上がった現像剤の界面の上流側の裾野の広がりが突出部に接触していると、この狭窄部から現像剤が抜け出る際には、圧縮された現像剤が吹き出されるので、その下流域の現像剤の界面の盛上りが揺らいでしまい、現像剤排出口から安定した排出が行えなくなる。
従って、本発明は、現像剤の安定した搬送を可能とした現像装置およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の現像装置は、現像ローラと、前記現像ローラに供給される現像剤を収容し、且つ一部に底面からの高さが低くなった狭窄部を有し、前記狭窄部を通じて一方向に前記現像剤が搬送される現像剤搬送路と、前記現像剤搬送路内に配置され、且つ前記現像剤搬送路内の現像剤を撹拌しながら搬送する現像剤搬送部材とを備え、前記現像剤搬送部材は、前記狭窄部に対応する部分に、前記狭窄部よりも搬送上流における前記現像剤の界面より前記狭窄部における前記現像剤の界面が低くなる現像剤界面下降部を備えることを特徴としている。
本発明によれば、現像剤の安定した撹拌・搬送を可能とした現像装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の現像装置を備えた画像形成装置の概略構成図である。図1に示すように、画像形成装置1は、読取り対象の画像を読み取る画像読取り部2と、画像を形成する画像形成部3とを備えている。
画像読取り部2は、透過性の原稿載置台5、キャリッジ6、キャリッジ6に設けられた露光ランプ8、反射ミラー10、反射光を取り込んで光による画像情報をアナログ信号に変換するCCD12(Charge Coupled Device)を備えている。
画像形成装部3は、感光体16、感光体16上に静電潜像を形成するレーザーユニット14、感光体16の周囲に順次に配役されている帯電装置18、現像装置20、転写装置22、クリーナー26、除電ランプ28を備えている。
原稿載置台5におかれた原稿、もしくは自動原稿送り装置4によって送られてくる原稿にキャリッジ6と露光ランプ8からなる露光手段によって原稿載置台5の下方から光が当てられると、原稿からの反射光は反射ミラー10によって誘導され反射光像がCCD12に投影される。CCD12に取り込こまれた画像情報はアナログ信号で出力されたのち、デジタル信号に変換され、画像処理が施された後、レーザーユニット14へ送信される。
画像形成が始まると、帯電装置18は所定の放電位置で放電して回転する感光体16の外周面に所定の電荷を供給する。帯電装置18によって軸方向に均一の電位に帯電された感光体16の外周面に、送信されてきた画像情報に従ってレーザーユニット14からレーザービームを照射する。レーザービームが照射されることによって原稿の画像情報に対応した静電潜像が感光体外周面に形成・保持されると、現像装置20によって感光体外周面に現像剤(例えばトナー)が提供され、静電潜像はトナー像に変換、即ち現像される。
この現像装置20には現像ローラ40が回転自在に設けられており、この現像ローラ40が感光体16に対向配置されて回転することにより、感光体16へトナーを供給する。感光体16の外周面にトナー画像が形成されると、給紙装置30より搬送されてきた用紙上に転写装置22によって画像が静電的に転写される。その後、用紙は搬送ベルト32を経由して定着装置34に搬送され、用紙上に転写されたトナー像は定着装置34によって用紙上に固着、すなわち定着する。トナー画像が定着することで画像形成が完了した用紙は、排紙ローラ35によってトレイ36へ排出される。
一方、転写装置22よりも感光体16の回転方向の下流に位置するクリーナー26によって、転写されずに残った感光体上のトナーが除去されたのち、除電ランプ28によって感光体16の外周面の残留電荷が除去される。
次に、本発明に係る第1の実施の形態の現像装置20について説明する。図2は、本発明に係る第1の実施の形態の現像装置20の概略構成斜視図、図3は図2の現像装置20の現像ローラ40が配置されている位置における現像ローラ40の回転軸に垂直な断面図、図4は現像装置20の内部の説明図であり、図3のY1−Y1線に沿う断面図を、図5は図3のY2−Y2線に沿う断面図を表す。なお、図4における現像ローラ40の断面は簡略してあり、現像剤排出口54の位置は点線で示してある。また、図5では、第1および第2の現像剤搬送部材49および50の回転翼49aおよび50aを簡略化して図示しており、以降も同様とする。
図2乃至図5に示すように、現像装置20は、現像ローラ40と、現像剤42を収容する現像容器44と、第1および第2の現像剤搬送部材49および50とを有し、現像ローラ40と第1および第2の現像剤搬送部材49および50は、図示しない駆動モーターにより回転する。現像容器44は、現像ローラ40を収容する現像ローラ収容部45を有し、この現像ローラ収容部45に隣接して現像ローラ40の軸方向に延びる第1の現像剤搬送路47と現像ローラ収容部45に隣接し、且つ第1の現像剤搬送路47に平行に配置され、軸方向両端部分を除いた部分が仕切り壁46によって第1の現像剤搬送路47と仕切られ、両端部分で第1の現像剤搬送路47と連通した第2の現像剤搬送路48を有している。
また、現像容器44の第1の現像剤搬送路47の容器外壁面には現像剤42の界面が一定の高さ以上のとき現像剤42を排出する現像剤排出口54が配置され、第2の現像剤搬送路48の容器外壁面上部には新しい現像剤が供給される現像剤補給口52が配置され、第2の現像剤搬送路の底部には撹拌・搬送される現像剤42のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ55が配置されている。
現像剤42は、トナー、磁性キャリアからなる二成分現像剤であり、トナーは結着樹脂と着色剤とを主成分として構成されている。結着樹脂としてはポリスチレン、スチレンアクリル共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、パラフィンワックス等を使用することができる。また、帯電制御剤、クリーニング助剤、離型性促進剤、流動性促進剤等を必要に応じて含有させることができる。キャリアとしては、フェライトやマグネタイト、酸化鉄等の磁性粒子を用いたり、これらを芯材として、樹脂を被覆したものを用いたりすることができる。キャリアに被覆する樹脂としてはフッ素系、アクリル系、シリコー樹脂等のものを用いることができ、これらの単独や複数の種類を組み合わせたものを使用することができる。また、樹脂に磁性粉を含有させたものなども用いることができる。
現像ローラ40は、ベアリング56を介して現像容器44に回転自在に取り付けられる。現像ローラ回転軸60には、感光体16と現像ローラ40間の距離を一定に保つためのガイドリング58が取り付けられている。また、現像ローラ40は、二重構造となっており、固定支持された磁石ローラ(不図示)と、磁石ローラの外周に回転可能な円柱状のスリーブを配設してなる。磁石ローラの磁石ローラ軸62は、固定部材64によって固定されている。また、現像ローラ40の両端部近傍には現像ローラの端から例えば、ベアリング56や現像容器44の外部に現像剤が漏れるのを防止するシール部材66が取り付けられている。
現像容器44は、ガイドリング58や固定部材64等の留め具が配置される部分(B−C区間)において、第1および第2の現像剤搬送路47および48は、現像ローラ40の外径よりも下方に突出した突出部65を有し、第1および第2の現像剤搬送路47および48は、B−C区間において、突出部65によって搬送上流の搬送路よりも狭く、すなわち、現像剤搬送路の底面からの高さが低くなっている。(以下、この突出部65によって現像剤搬送路が狭くなっている部分を狭窄部67という。)また、図4に示すように、第1の現像剤搬送路47側には、現像ローラ40の端から現像剤42が漏れるのを防止するためのシール部材66が取り付けられており、第1の現像剤搬送路47は、シール部材66によっても狭くなっている。従って、第1の現像剤搬送路47では、狭窄部67とは、突出部65によって第1の現像剤搬送路47が狭められているB−C区間に加えて、シール部材66によって第1の現像剤搬送路47が狭められているD−B区間を含むD−C区間までをいう。
第1および第2の現像剤搬送部材49および50は、それぞれ第1および第2の現像剤搬送路47および48内に配置されている。この第1および第2の現像剤搬送部材49および50は、現像ローラ40の軸方向に延びる回転軸49aおよび50aとこの回転軸49aおよび50aの外周に沿って螺旋状に設けられた回転翼49bおよび50bとからなる。
第1および第2の現像剤搬送部材49および50は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等のプラスチック、それらにガラス繊維を混ぜ込んで強度を向上させたもの、あるいはステンレスの芯を有するもの等を用いることができる。
この第1および第2の現像剤搬送部材49および50が回転することで、図4では左から右へ、図5では矢印に示すように、現像剤42は反時計回りに撹拌・搬送される。すなわち、第1の現像剤搬送路47においては図面の左から右へ、第2の現像剤搬送路48においては右から左へ、仕切り板46の両端部分においては第1の現像剤搬送路47から第2の現像剤搬送路48へ、第2の現像剤搬送路48から第1の現像剤搬送路47へ撹拌・搬送されながら現像容器44内を循環する。
そして、図3および図4における破線68は現像剤42の界面(以下、現像剤界面68)を表す。なお、この現像剤界面68は、基本的には、現像容器44に収容されている現像剤42の上面のことである。
現像剤42は、現像容器44内で撹拌されることで摩擦帯電し、図3に示すように、現像ローラ内の磁石ローラ(不図示)の磁力によって現像剤界面68から穂立ちして現像ローラ40の外周面上に吸着される。磁石ローラの磁力で引き付けられた現像剤42は、磁力線に沿って穂立ちをなす磁気ブラシを形成し、この磁気ブラシを感光体ドラム16に摺擦または近接させることで現像が行われる。
また、本実施の形態では、現像剤補給口52より現像剤42が補給され、搬送されている現像剤42が狭窄部67よりも搬送下流の現像容器44の、例えば、壁面上部に設けられた現像剤排出口54よりオーバーフローにより排出される。排出された現像剤42は、現像剤回収容器(不図示)に回収される。
現像剤排出口54は、現像剤42の排出を安定して行うため、例えば、狭窄部67より上流側の現像剤搬送部材のピッチP1で通常搬送される現像剤界面68の高さよりも上方の容器壁面に配置されている。そこで、現像剤排出口54からオーバーフローによって一定の高さ以上のときに現像剤42を排出するために、現像剤排出口54が配置されている側の現像剤搬送部材、例えば図4では、第1の現像剤搬送部材49は、現像剤排出口54が配置された領域に対応する領域(現像剤搬送方向において少なくとも一部が現像剤排出口と重なる位置)において、局所的に現像剤界面68が一定の高さ以上に盛り上がるよう、現像剤42の搬送量を少なくする現像剤盛上げ部70を備えている。
現像剤盛上げ部70は、第1の現像剤搬送部材49を構成する回転軸49aと回転翼49bのうち、例えば、回転翼49bの外形を小さく、且つピッチを狭くした形状となっている。
また、第1の現像剤搬送部材49は、狭窄部67において、狭窄部67よりも搬送上流における現像剤界面68より、狭窄部67を搬送される現像剤界面68が下降するよう、現像剤の搬送速度を速く、あるいは現像剤の搬送容量を大きくする現像剤界面下降部72を備えている。
本実施の形態では、図4に示すように、現像剤界面下降部72は、狭窄部67において、第1の現像剤搬送部材49の回転翼49bのピッチが、現像ローラが配置されている、狭窄部67よりも搬送上流の部分(以下、通常部分という)のピッチP1よりも大きなピッチP2となっている。このように、狭窄部67に対応する回転翼49bのピッチP2を通常部分のピッチP1よりも大きくとることで、この領域(D−C間)の現像剤42の搬送速度を増加させて現像剤界面高さ68を低く調整することができる。
本実施の形態における第1の現像剤搬送部材49の寸法は、通常部分の回転翼49bの径Rは20mmあるいは24mm、通常部分の回転軸49aの軸径φは12mm、ピッチP1は20mmあるいは25mmに設定されている。この場合、少なくともピッチP2の寸法はピッチP1の寸法の1.1〜2.5倍の範囲にすることにより現像剤界面高さ68を下降させ、安定な現像剤の搬送ができることが好ましい。また、ピッチP2がピッチP1の1.5倍の寸法のとき、特に良好な結果が得られている。
また、本実施の形態では、現像剤界面下降部72と現像剤盛上げ部70との間は通常のピッチP1となっている。
上記第1の実施の形態の現像装置によれば、狭窄部67に対応する第1の現像剤搬送部材49の部分に、回転翼49bのピッチを通常部分のピッチP1よりも大きなピッチP2を有する現像剤界面下降部72を設け、この狭窄部67における現像剤42の搬送速度を増加させて現像剤界面68を通常部分よりも低くしている。その結果、現像剤界面68が狭窄部67の入り口の突出部65のB側端部あるいはシール部材66のD側の端部に詰まるのを防ぐことができるので、詰まった現像剤42が現像ロ−ラ側に溢れだして濃度ムラを生じることなく安定した撹拌・搬送が可能となる。
また、現像剤界面下降部72によって狭窄部67の現像剤界面68を低くすることで、現像剤盛上げ部70により現像剤界面68が盛り上がっていたとしても、その盛上りの裾野が狭窄部67の出口部分(突出部65のC側端部の位置)を塞ぐのを防ぐことができる。その結果、現像剤42が狭窄部67あるいは狭窄部67の入り口部分の突出部65に詰まるのを防ぐことができる。また、狭窄部67で圧縮された現像剤42が吹き出すことがなくなるために、その下流にある現像剤界面68の盛上りの揺らぎを防ぐことができるので、現像剤排出口54から安定した排出を行うことができる。
なお、現像剤界面68をどの程度下降させるかは、現像容器内の現像剤の量にもより、少なくとも搬送時の現像剤界面68が狭窄部67の突出部65より低くなるようにするのが望ましい。
〔第1の実施の形態の変形例1〕
図6は第1の実施の形態に係る現像装置の変形例を示すものであり、図3のY1−Y1線に沿った断面図を表す。本実施の形態の各部について、以下、上記第1の実施の形態の現像装置の各部と同一部分に同一符号を付し、本実施の形態の特徴部分のみを説明する。
図4および図5で示した上記第1の実施の形態の現像剤搬送部材49の回転翼49bのピッチは、現像剤界面下降部72と現像剤盛上げ部70との間に通常のピッチP1の領域を設けているが、本実施の形態では、図6に示すように、現像剤界面下降部72を狭窄部67よりさらに下流域にまで延長して、現像剤界面下降部72と現像剤盛上げ部70が連続して設けられている。
図6では、現像剤界面下降部72と現像剤盛上げ部70は連続しているが、これに限ったものではなく、現像剤盛上げ部70と連続していなくとも、現像剤界面下降部72が、狭窄部67の出口、すなわち突出部65のC側端部よりも下流域にかけて形成されていればよい。
上記第1の実施形態の変形例1の現像装置によれば、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる他に、第1の現像剤搬送部材49の現像剤界面下降部72を狭窄部67だけでなく、さらに搬送下流域にまで延長して設けているので、現像剤盛上げ部70による現像剤界面68の盛上りの裾野が狭窄部67の出口部分を塞ぐのをより確実に回避することができる。
〔第1の実施の形態の変形例2〕
図7は第1の実施の形態に係る現像装置の変形例2を示すものであり、図7(a)は、図3のY1−Y1線に沿った断面図を表し、図7(b)は、現像剤搬送部材の概略斜視図を表す。以下、上記第1の実施の形態の現像装置の各部と同一部分に同一符号を付し、本実施の形態の特徴部分のみを説明する。
本実施の形態では、図7(a)および図7(b)に示すように、横板74が、狭窄部67より上流側の第1の現像剤搬送部材の回転翼49bに一定の間隔で設けられている。なお、狭窄部67および狭窄部67より下流側の現像剤搬送部材49には横板74を設けない。
上記第1の実施形態の変形例2の現像装置によれば、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることに加えて、狭窄部67より上流側において現像剤42の撹拌能力を向上させることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明に係る第2の実施の形態の現像装置について説明する。
図8は第2の実施の形態に係る現像装置の内部の説明図であり、図3のY1−Y1線に沿った断面図を表し、図9は、図3のY2−Y2線に沿った断面図を表す。以下、上記第1の実施の形態と同一部分に同一符号を付して本実施の形態の特徴部分のみを説明する。
本実施の形態では、図8および図9に示すように、現像剤界面下降部72は、狭窄部67において第1の現像剤搬送部材の回転軸49aの軸径が、通常部分(狭窄部67より搬送上流の部分)の回転軸の軸径φ1よりも細いφ2となっている。このように、回転軸49aの軸径d2を通常部分の軸径d1よりも細くすることによって、この狭窄部67おいて撹拌搬送できる現像剤42の搬送容量を増加させ、現像剤界面高さ68を通常部分の現像剤界面よりも低く調整することができる。
また、現像剤界面下降部72の回転翼49bの外径およびピッチは、通常部分の外径R・ピッチP1にそれぞれ等しいものとする。
本実施の形態における第1の現像剤搬送部材49の寸法は、通常部分の回転翼49bの径Rは20mmあるいは24mm、通常部分の回転軸49aの軸径φ1は12mm、ピッチP1は20mmあるいは25mmに設定されている。この場合、少なくとも現像剤界面下降部72の回転軸49aの軸径φ2の寸法は軸径φ1の寸法の2/6〜5/6倍の範囲にすることにより現像剤界面高さ68を下降させ、安定な現像剤の搬送ができることが好ましい。本実施の形態では、ABS樹脂を用いているので、通常部分の回転軸49aの軸径φ1が12mm、現像剤界面下降部72の回転軸49aの軸径φ2は8mmに設定した。なお、軸径φ2の最小軸径については、第1の現像剤搬送部材49の材質や軸方向長さ等によって必要な強度を保っていればよいので、さらに強度のある材料を用いればより細くすることも可能である。
また、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の変形例1と同様に、現像剤界面下降部72が、狭窄部67出口、すなわち突出部65のC側端部よりも下流域まで形成されてもよい。
上記第2の実施の形態の現像装置によれば、狭窄部67に対応する第1の現像剤搬送部材49に回転軸49aの軸径が通常部分の軸径φ1よりも細い軸径φ2を有する現像剤界面下降部72を設けることで、狭窄部67では軸径が細くなった分、現像剤42を搬送可能な搬送容量を増加させることができる。そのため、狭窄部67において、現像剤界面68を通常部分よりも低くすることができ、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
〔第2の実施の形態の変形例〕
図10は第2の実施の形態に係る現像装置の変形例を示すものであり、図3のY1−Y1線に沿った断面図を表す。以下、上記第2の実施の形態の現像装置の各部と同一部分に同一符号を付し、本実施の形態の特徴部分のみを説明する。
第2の実施の形態では、図8および図9に示すように、現像剤界面下降部72の回転翼49bのピッチは、通常部分のピッチP1と同様であったが、本実施の形態では、図10に示すように、現像剤界面下降部72は、第1の現像剤搬送部材49の回転軸49aの軸径が通常部分の軸径φ1よりも細い軸径φ2であることに加えて、さらに回転翼49bのピッチが、通常部分のピッチP1よりも大きなピッチP2となっている。
また、本実施の形態においても、上記第1の実施の形態の変形例1と同様に、現像剤界面下降部72が、狭窄部67出口、すなわち突出部65のC側端部よりも下流域まで形成されてもよい。
上記第2の実施の形態の変形例の現像装置によれば、狭窄部67に対応する第1の現像剤搬送部材49に、回転軸49aの軸径が通常部分の軸径φ1よりも細い軸径φ2を有し、且つ回転翼49bのピッチが通常部分のピッチP1よりも大きなピッチP2を有する現像剤界面下降部72を設けている。その結果、狭窄部67における現像剤42の搬送可能な搬送容量および搬送速度を増加させることができ、より効果的に現像剤界面68を通常部分よりも低くすることができるので、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態のような、上記現像剤界面下降部72を、現像ローラ40が収納された第1の現像剤搬送路47の第1の現像剤搬送部材49に設けた例に限定されるものではない。例えば、第2の現像剤搬送路48が第1の現像剤搬送路と同様の狭窄部67を有する場合、狭窄部67に対応する第2の現像剤搬送部材50の部分に現像剤界面68を低くする現像剤界面下降部72を設けてもよい。これにより、現像剤42が狭窄部67の入り口で詰まってしまい、その下流域において搬送される現像剤の量が減少するおそれがあるという問題を回避でき、安定した現像剤の搬送が可能となる。
また、上述した実施の形態においては、現像剤排出口54の設けられる場所も第1の現像剤搬送路47に限ったものではなく、第2の現像剤搬送路48に設けてもよい。特に第2の現像剤搬送路48が狭窄部67を有している場合には、狭窄部67に対応する第2の現像剤搬送部材50の部分に現像剤界面68を低くする現像剤界面下降部72を設けることで、現像剤排出口54が第2の現像剤搬送路48の狭窄部67の搬送下流近傍にある場合には、現像剤界面68が盛り上がっていたとしても、その盛上りの裾野によって狭窄部67に現像剤42が詰まるのを防ぐことができる。また、狭窄部67で圧縮された現像剤42が吹き出すことがなくなるために、その下流にある現像剤界面68の盛上りの揺らぎを防ぐことができるので、現像剤排出口54から安定した排出を行うことができる。一方、現像剤排出口54が第2の現像剤搬送路48の狭窄部67の搬送上流近傍にある場合には、盛上りの裾野によって狭窄部67に現像剤42が詰まるのを効果的に防ぐことができ、安定した搬送が可能となる。
以上のように、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々、変形して実施してもよく、また、上記実施の形態を適宜、組み合わせて実施してもよい。
本発明に係る第1の実施の形態の現像装置を備えた画像形成装置の概略構成図。 本発明に係る第1の実施の形態の現像装置の概略構成斜視図。 本発明に係る第1の実施の形態の現像装置を現像ローラの配置位置で、現像ローラの回転軸に垂直に切断した断面図。 図3のY1−Y1に沿う現像装置の断面図。 図3のY2−Y2に沿う現像装置の断面図。 第1の実施の形態に係る現像装置の変形例1を示す図で、図3のY1−Y1に対応する現像装置の断面図。 第1の実施の形態に係る現像装置の変形例2を示す図で、図7の(a)は図3のY1−Y1に対応する現像装置の断面図、図7の(b)は現像剤搬送部材の拡大斜視図。 第2の実施の形態に係る現像装置を示す図で、図3のY1−Y1に対応する現像装置の断面図。 第2の実施の形態に係る現像装置を示す図で、図3のY2−Y2に対応する断面図。 第2の実施の形態に係る現像装置の変形例を示す図で、図3のY1−Y1に対応する断面図。
符号の説明
20 現像装置
40 現像ローラ
44 現像容器
47 第1の現像剤搬送路
48 第2の現像剤搬送路
49 第1の現像剤搬送部材
49a 第1の現像剤搬送部材の回転軸
49b 第1の現像剤搬送部材の回転翼
50 第2の現像剤搬送部材
50a 第2の現像剤搬送部材の回転軸
50b 第2の現像剤搬送部材の回転翼
52 現像剤補給口
54 現像剤排出口
56 ベアリング
58 ガイドリング
60 現像ローラ回転軸
62 磁石ローラ軸
64 固定部材
66 シール部材
67 狭窄部
68 現像剤界面
70 現像剤盛上げ部
72 現像剤界面下降部

Claims (13)

  1. 現像ローラと、
    前記現像ローラに供給される現像剤を収容し、且つ一部に底面からの高さが低くなった狭窄部を有し、前記狭窄部を通じて一方向に前記現像剤が搬送される現像剤搬送路と、
    前記現像剤搬送路内に配置され、且つ前記現像剤搬送路内の現像剤を撹拌しながら搬送する現像剤搬送部材とを備え、
    前記現像剤搬送部材は、前記狭窄部に対応する部分に、前記狭窄部よりも搬送上流における前記現像剤の界面より前記狭窄部における前記現像剤の界面が低くなる現像剤界面下降部を備えることを特徴とする現像装置。
  2. 前記現像剤界面下降部では、前記狭窄部における前記現像剤の界面は、前記狭窄部の高さよりも低くなることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記現像剤界面下降部は、前記狭窄部における前記現像剤の界面を低くするために、前記狭窄部より搬送上流における前記現像剤の搬送速度よりも、前記狭窄部における前記現像剤の搬送速度を速くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
  4. 前記現像剤界面下降部は、前記狭窄部における前記現像剤の界面を低くするために、前記狭窄部より搬送上流における前記現像剤の搬送容量よりも、前記狭窄部における前記現像剤の搬送容量を多くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
  5. 前記現像剤搬送部材は、回転軸と前記回転軸の外周に沿って螺旋状に設けられた回転翼とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像装置。
  6. 現像ローラと、
    前記現像ローラに供給される現像剤を収容し、且つ、一部に底面からの高さが低くなった狭窄部を有し、前記狭窄部を通じて一方向に前記現像剤が搬送される現像剤搬送路と、
    前記現像剤搬送路内に配置され、且つ回転軸と前記回転軸の外周に沿って螺旋状に設けられた回転翼を有し、前記現像剤搬送路内の現像剤を撹拌しながら搬送する現像剤搬送部材とを備え、
    前記現像剤搬送部材は、前記狭窄部よりも搬送上流の前記現像剤搬送部材の前記回転翼のピッチより、前記狭窄部に対応する部分の前記回転翼のピッチを広くしてなる現像剤界面下降部と、
    を備えることを特徴とする現像装置。
  7. 現像ローラと、
    前記現像ローラに供給される現像剤を収容し、且つ、一部に底面からの高さが低くなった狭窄部を有し、前記狭窄部を通じて一方向に前記現像剤が搬送される現像剤搬送路と、
    前記現像剤搬送路内に配置され、且つ回転軸と前記回転軸の外周に沿って螺旋状に設けられた回転翼を有し、前記現像剤搬送路内の現像剤を撹拌しながら搬送する現像剤搬送部材を備え、
    前記現像剤搬送部材は、前記狭窄部より搬送上流の前記現像剤搬送部材の前記回転軸の軸径よりも、前記狭窄部に対応する部分の前記回転軸の軸径を細くしてなる現像剤界面下降部と、
    を備えることを特徴とする現像装置。
  8. 前記現像剤界面下降部は、前記狭窄部よりも搬送上流の前記現像剤搬送部材の前記回転翼のピッチより、前記狭窄部における前記回転翼のピッチを広くしたものであることを特徴とする請求項7に記載の現像装置。
  9. 前記狭窄部は、前記現像剤搬送路の上面を下方に突出させることにより形成され、更に、前記突出による前記現像剤搬送路上面の窪み内に前記現像ローラ内の磁石ローラの留め具が配置されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の現像装置。
  10. 前記狭窄部は、前記現像剤搬送路の上面を下方に突出させることにより形成され、更に、前記突出による前記現像剤搬送路上面の窪み内にガイドリングが配置されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の現像装置。
  11. さらに、前記狭窄部の搬送下流における前記現像剤搬送路容器外壁に設けられ、前記現像剤の界面が一定の高さ以上のとき前記現像剤が排出される現像剤排出口を備え、
    前記現像剤搬送部材は、前記現像剤排出口に対応する部分に設けられ、前記現像剤の界面を局所的に一定の高さ以上にする現像剤盛上げ部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の現像装置。
  12. さらに、前記狭窄部の搬送上流における前記現像剤搬送路容器外壁に設けられ、前記現像剤の界面が一定の高さ以上のとき前記現像剤が排出される現像剤排出口を備え、
    前記現像剤搬送部材は、前記現像剤排出口に対応する部分に設けられ、前記現像剤排出口が配置された領域において、前記現像剤の界面を局所的に一定の高さ以上にする現像剤盛上げ部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の現像装置。
  13. 請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
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JP2015060018A (ja) * 2013-09-18 2015-03-30 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 現像装置およびそれを備えた画像形成装置

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