JP2008181008A - 温度検出装置、elパネル、el表示装置、電子機器、温度検出方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

温度検出装置、elパネル、el表示装置、電子機器、温度検出方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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満 多田
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Abstract

【課題】自発光素子の駆動温度を正確に検出する技術を実現する。
【解決手段】有効表示領域内に陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子が分散的に複数個配置されている場合、陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子のそれぞれに対し、表示用の画素データ又は温度検出用の画素データのいずれか一方を選択的に供給する。次に、陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に検出できるように検出用スイッチを開閉制御する。この後、温度検出用の画素データで発光駆動される特定位置のEL素子の両極間に出現する電圧を検出する。かかる後、事前に測定された検出電圧と画素温度との対応関係に基づき、検出電圧を画素温度に変換する。
【選択図】図2

Description

この明細書で説明する発明は、EL(Electro Luminescence)素子の駆動温度を正確に検出する技術に関する。
なお、発明は、温度検出装置、ELパネル、EL表示装置、電子機器、温度検出方法及びコンピュータプログラムとしての側面を有する。
発光時の重要なパラメータであるEL素子の電流−電圧(I−V)特性は、駆動温度の影響を受けることが知られている。ところが、EL素子の駆動温度は、環境温度やEL素子自体の発熱等の影響を受け易い。このため、EL素子の電流−電圧(I−V)特性は、常に変動することが知られている。
この駆動温度の変動は、EL素子の発光輝度を変化させる要因の一つとして作用する。例えばEL素子を定電流駆動する場合でも、駆動温度が変化してEL素子の両極間に印加される電圧が変化すると発光輝度が変化する。
従って、EL素子の駆動温度を正確に検出することは、ELパネルの発光特性を安定させるためにも重要である。
以下、現在提案されている温度検出技術を例示する。
特開2003−315770号公報 この特許文献には、パネル表面に設置した温度検出器(センサーデバイス)により、環境温度を検出して表示輝度を制御する技術が開示されている。この検出技術の場合、専用の温度検出器が必要とされる。しかし、温度検出器の設置は、ELパネルの製造コストを上げる問題がある。
また、この検出技術では、映像信号によるEL素子自体の発熱が考慮されていない。従って、EL素子の駆動温度を正確に検出することはできなかった。
発明者らは、ELパネルを構成するEL素子の駆動温度を検出する温度検出装置として、以下に示す処理機能部を搭載するものを提案する。
(a)有効表示領域内に陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子が分散的に複数個配置されている場合、陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子のそれぞれに対し、表示用の画素データ又は温度検出用の画素データのいずれか一方を選択的に供給する画素データ置換部
(b)陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に取り出す検出用スイッチ
(c)検出用スイッチの開閉動作を制御するスイッチ制御部
(d)温度検出用の画素データで発光駆動される特定位置のEL素子の両極間に出現する電圧を検出する電圧検出部
(e)事前に測定された対応関係に基づき、検出された電圧を画素温度に変換する温度変換部
発明者らの提案する発明では、有効表示領域内の複数画素を画像表示と温度検出に兼用する。すなわち、一部の画素(温度検出兼用画素)を、画像表示時には表示用の画素データで発光駆動し、温度検出時には温度検出用の画素データで発光駆動する。
温度検出時には、選択した特定位置の画素を構成するEL素子の両極間に出現する電圧だけを検出し、該当画素の駆動温度を検出する。この駆動温度は、有効表示領域内の特定位置の駆動温度そのままである。従って、発明方法の適用により、有効表示領域の複数位置について駆動温度を正確に検出することができる。すなわち、駆動温度の分布を検出できる。
以下、発明をアクティブマトリクス駆動型の有機ELディスプレイ装置(EL表示装置)に適用する場合について説明する。
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する形態例は、発明の一つの形態例であって、これらに限定されるものではない。
(A)形態例1
(A−1)パネル構造
図1に、有機ELパネル1の構造例を示す。この形態例の場合、有効表示領域3内に複数個の温度検出兼用画素5を配置する。温度検出兼用画素5は、温度検出にも通常の画像表示にも使用できる画素をいう。なお、この明細書においては、有効表示領域3を構成する全画素のうち温度検出兼用画素以外の画素を通常画素と呼ぶ。
前述したように、温度検出兼用画素5は、温度検出時以外は通常画素と同様に発光する。従って、通常画素と同様に発熱する。また、温度検出兼用画素5は、通常画素と同様に、環境温度(直射日光や周辺温度)の影響も受ける。結果的に、温度検出兼用画素5の駆動温度を検出すれば、有効表示領域3の駆動温度を正確に検出することができる。
加えて、この形態例の場合、複数個の温度検出兼用画素5は有機ELパネル1の面内に分散的に配置する。理由は、表示内容や使用態様によっては、画面内における駆動温度の分布が一様にならない場合があるためである。
例えば高輝度表示が継続する画面領域と低輝度表示が継続する画面領域では発熱量が異なり、駆動温度に差が生じる可能性がある。
また例えばパネル面が鉛直方向と平行に設置されている場合には、熱対流の影響により、パネル面の上側と下側には温度差が発生することがある。
ただし、有効表示領域3内の特定の温度検出兼用画素5について駆動温度を検出するためには、特定位置の両極間電圧VELだけを検出できる仕組みが必要となる。
図2に、このための仕組みを形成した有機ELパネル1の詳細構成を示す。具体的には、1つの温度検出兼用画素5に対し、1つの行選択スイッチ素子T1を配置する。
ここで、同じ走査線上に位置する温度検出兼用画素5に対応する行選択スイッチ素子T1は、いずれも共通の制御線に接続される。この接続構成により、走査線単位で両極間電圧VELの読み出しが可能となる。
ただし、この制御だけでは複数個の両極間電圧VELが出力端子に読み出されてしまう。そこで、行選択スイッチ素子T1の出力端子を列方向に束ねた出力線にそれぞれ1つずつ列選択スイッチ素子T3を配置する。この接続構成により、特定画素の両極間電圧VELだけを出力端子から読み出すことができる。
(A−2)ディスプレイ装置の全体構成
図3に、有機ELディスプレイ装置11の主要構成部分を示す。有機ELディスプレイ装置11は、有機ELパネル1(図2)、データ線ドライバ13、走査線ドライバ15、点灯期間ドライバ17、リセットドライバ19、温度検出部21及びタイミングジェネレータ23を主要な構成要素とする。
(a)有機ELパネル
有機ELパネル1は、有機EL素子を発光素子とする自発光型の表示パネルである。有機ELパネル1の有効表示領域3には、画素回路(通常画素回路31と温度検出兼用画素回路33)がパネル解像度に応じてマトリクス状に配置されている。この形態例の場合、有機ELパネル1はカラー表示用であり、各画素回路は発光色別に配置される。
ただし、複数色の発光層を積層した構造を有する有機EL素子Dが各画素回路を構成する場合、1つの画素が複数の発光色に対応する。
図4に、温度検出兼用画素回路33と駆動回路の具体的な接続関係を示す。なお、通常画素回路31と駆動回路との接続関係は、有機EL素子Dと温度検出部21との接続関係を除き、温度検出兼用画素回路33と同じである。
温度検出兼用画素回路33は、スイッチ素子T11、キャパシタC、電流駆動素子T12、デューティ制御素子T13、リセット素子T14及び有機EL素子Dで構成される。
スイッチ素子T11は、画素データ(測定用画素データ)に対応する信号電圧Vsig のキャパシタ(記憶回路)Cへの書き込みを制御する薄膜トランジスタである。
ここで、画素データ(測定用画素データ)は、データ線ドライバ13よりデータ線DLを通じて与えられる。また、スイッチ素子T11の開閉動作は、走査線ドライバ15より走査線WLを通じて供給される書き込み信号WSにより制御される。
なお、キャパシタCに書き込まれた信号電圧Vsig は、次フレームで新たな信号電圧Vsig が書き込まれるまで電流駆動素子T12のゲート端子とドレイン端子の間に保持される。
このため、Nチャネル型の薄膜トランジスタで構成される電流駆動素子T12は、キャパシタCに保持されている信号電圧Vsig (=Vgd)により定まる大きさの駆動電流を有機EL素子Dに供給するように動作する。
デューティ制御素子T13は、有機EL素子Dの1フレーム内の点灯時間割合(デューティ)を制御する薄膜トランジスタである。デューティ制御素子T13は、有機EL素子Dに対して直列に接続されており、電流駆動素子T12から有機EL素子Dに供給される駆動電流の供給と停止を制御する。
デューティ制御素子T13の制御信号Sdsは、点灯期間ドライバ17からデューティ制御線を通じて供給される。
リセット素子T14は、信号電圧Vsig の書き込み時に、有機EL素子Dの陽極電位(ドレイン電位Vd )を固定電位Vrsにリセットするトランジスタである。リセット素子T14の制御信号Srsは、リセットドライバ19よりリセット線を通じて供給される。
なお、有機EL素子Dの陽極端子と温度検出部21との間には、発光時(有機EL素子Dに駆動電流が流れる場合)に発生する両極間電圧VELを検出するための配線が形成されている。この配線が、温度検出兼用画素回路33に特有の画素構造である。
(b)データ線ドライバ
データ線ドライバ13は、信号電圧Vsig の書き込み対象である通常画素回路31及び温度検出兼用画素回路33が接続されたデータ線DLに印加する回路デバイスである。各データ線DLに対する信号電圧Vsig の印加は水平走査期間単位で実行される。
(c)走査線ドライバ
走査線ドライバ15は、信号電圧Vsig の書き込みタイミングを与える回路デバイスである。走査線ドライバ15は、水平同期信号HSが入力されるたび1つの走査線WLを選択し、当該走査線WL上に位置する通常画素回路31及び温度検出兼用画素回路33を書き込み可能な状態に制御する。この制御信号が書き込み信号WSである。
(d)点灯期間ドライバ
点灯期間ドライバ17は、1フレーム期間内で実際に有機EL素子Dの点灯時間割合を制御する回路デバイスである。この制御信号がデューティ制御信号Sdsである。一般に、点灯期間割合が大きいほど画面輝度は高くなる。一方、点灯期間割合が小さいほど動画応答性が改善される。
(e)リセットドライバ
リセットドライバ19は、信号電圧Vsig の書き込み時に、有機EL素子Dの陽極電位(ドレイン電位Vd )をリセット電位Vrsにリセットする回路デバイスである。この制御信号がリセット信号Srsである。
(f)温度検出部
温度検出部21は、駆動温度の検出タイミングに、検出対象に選択した温度検出兼用画素回路33を構成する有機EL素子Dの駆動温度を検出する処理デバイスである。図5に示すように、有機EL素子Dの両極間電圧VELは、同じ駆動電流を流す場合にも駆動温度に依存して発生する電圧が変動する特性がある。
そこで、温度検出部21は、駆動温度の検出タイミング毎に一定階調値の測定用画素データで温度検出兼用画素回路33を発光制御し、有機EL素子Dの陽極端子に現れる陽極電位(ドレイン電位Vd )の変化を検出する。陽極電位(ドレイン電位Vd )を検出対象とするのは、この形態例の場合、有機EL素子Dの陰極電位Vcathode は固定であり、陽極電位(ドレイン電位Vd )を検出すれば両極間電圧VELの変化を検出できるためである。
図6に、温度検出部21の内部構成例を示す。温度検出部21は、測定用画素データ発生部41、測定対象画素指定部43、測定用画素データ置換部45及び温度変換部47で構成する。
測定用画素データ発生部41は、温度検出用に一定階調値の測定用画素データを発生する回路デバイスである。この形態例の場合、測定用画素データには、事前に設定した固定値を使用する。
また、この測定用画素データ発生部41は、駆動温度の測定タイミング信号を生成し、測定対象画素指定部43、測定用画素データ置換部45及び温度変換部47に供給する。
測定タイミング信号を使用するのは、温度検出兼用画素回路33には、温度測定用の画素データと表示用の画素データを切り替えて供給する必要があるためである。
図7に、測定タイミング信号の一例を示す。図7の場合、測定タイミング信号は、10秒に1回、駆動温度の測定期間を設定する。なお、図7は、温度測定期間の長さを強調して表現しているが、実際の測定期間は、温度測定用の画素データによる発光制御が行われる1フレーム分で良い。
測定対象画素指定部43は、測定対象とする温度検出兼用画素回路33を指定する信号を測定タイミング毎に発生する回路デバイスである。ここで、測定対象画素指定部43は、特許請求の範囲における「スイッチ制御部」として機能し、画素位置を測定位置信号として出力する。
測定用画素データ置換部45は、測定タイミング信号で指定された駆動温度の測定時に限り、測定位置信号で指定された温度検出兼用画素回路33に対応する画素データを測定用画素データで置換し、その他の期間では入力された画素データをそのまま出力する回路デバイスである。勿論、測定用画素データの挿入位置は、温度検出兼用画素回路33の配置位置による。
温度変換部47は、測定タイミング信号により指定された有機EL素子Dの点灯期間内に、有機EL素子Dの点灯期間内に検出される両極間電圧VEL(又は陽極電位(ドレイン電位Vd ))を駆動温度に変換する回路デバイスである。
図8に、温度変換部47の内部構成例を示す。図8に示すように、温度変換部47は、ボルテージフォロア回路51、アナログディジタル変換回路(A/D変換回路)53及び温度情報出力部55で構成する。すなわち、温度変換部47は、ボルテージフォロア回路51、アナログディジタル変換回路(A/D変換回路)53及び温度情報出力部55で構成される。
ここで、ボルテージフォロア回路51を用いるのは、有機EL素子Dに供給される駆動電流の大きさが微小(ナノオーダー)なためである。すなわち、微小な駆動電流を用いて両極間電圧VELの変化を検出するのは困難なためである。
なお、ボルテージフォロア回路51を通じて検出された陽極電位(ドレイン電位Vd )は、アナログディジタル変換回路53においてそれぞれディジタル値に変換される。なお、陰極電位Vcathode は固定であるので、陽極電位(ドレイン電位Vd )が分かると両極間電圧VELが確定する。
温度情報出力部55は、測定タイミング信号の入力時点に算出された両極間電圧VELに対応する温度情報を参照テーブルより読み出して出力する回路デバイスである。
図9に、参照テーブルの一例を示す。この参照テーブルは、温度検出用のダミー画素データで有機EL素子Dが発光制御される場合に両電極間に発生する両極間電圧VELの温度特性を事前に測定しておいたものである。
図9に示すように、両極間電圧VELが高ければ駆動温度が低いことを示し、両極間電圧VELが低ければ駆動温度が高いことを示す。例えば両極間電圧VELが9.3[V]である場合、温度情報出力部55は、−10℃を示す温度情報を出力する。また例えば両極間電圧VELが9.3[V]である場合、温度情報出力部55は、60℃を示す温度情報を出力する。なお、温度情報出力部55は、検出された温度情報に測定位置情報を付した状態で出力する。
(g)タイミングジェネレータ
タイミングジェネレータ23は、画素データDinに基づいて前述した各種のドライバにタイミング信号を供給する回路デバイスである。タイミングジェネレータ23は、例えば水平同期信号、垂直同期信号、動作クロックその他を供給する。
(A−2)ディスプレイ装置の駆動動作
以下、前述した機能構成を有する有機ELディスプレイ装置11で実行される駆動動作を説明する。図10に、測定対象として指定された特定位置の温度検出兼用画素回路33の駆動に使用される信号波形と画素回路内の電位の変化を示す。なお、図10に示す駆動信号波形は、温度検出時と画像表示時とで共通である。
(a)書き込み期間の動作
まず、画素データ(測定用画素データを含む。)の書き込み期間の駆動動作を説明する。このとき、データ線DLには、対応する水平走査期間の開始時点から信号電圧Vsig (図10(A))が印加される。
勿論、温度測定時には、測定用画素データに対応する信号電圧Vsig がデータ線にDLに印加され、それ以外の期間では、本来の画素データに対応する信号電圧Vsig がデータ線にDLに印加される。なお、水平走査期間の開始時点は、水平同期信号HS(図10(B))により与えられる。
この信号電圧Vsig の印加に同期して、走査線WLには「H」レベルの書き込み信号WS(図10(C))が印加される。これにより、スイッチ素子T1がオン制御され、キャパシタCに対する信号電圧Vsig の書き込みが可能になる。
なお、信号電圧Vsig の書き込み時には、キャパシタCの他端側の電位をリセット電位Vrsに制御する。キャパシタCの他端側の電位が不定では、キャパシタCに書き込まれる電圧が本来の信号電圧Vsig と同じにならないためである。そこで、信号電圧Vsig の書き込みに合わせてリセット信号Srs(図10(D))が「H」レベルに制御される。
結果的に、書き込み期間における電流駆動素子T2のゲート電位Vg (図10(E))は、書き込み電圧の増加と共に上昇を開始する。一方、同期間における電流駆動素子T2のドレイン電位Vd (図10(F))は、リセット電位Vrsに保持される。
この他、書き込み期間中のデューティ制御信号Sds(図10(G))は、「L」レベルに制御される。これにより、デューティ制御素子T3をオフ制御される。
(b)点灯期間の動作
次に、測定用画素データにより点灯制御中の有機EL素子Dの駆動動作を説明する。
データ線DLには、有機EL素子Dの点灯期間に対応する水平走査期間の開始時点から次の走査線WLに対応する信号電圧Vsig (図10(A))が印加される。
ただし、次の走査線WLに対応する温度検出兼用画素回路33が存在しない場合、通常画素回路31に対応する信号電圧Vsig だけが印加される。
この場合、走査線WLには「L」レベルの書き込み信号WS(図10(C))が印加されているので、現在注目している温度検出兼用画素回路33のスイッチ素子T1はオフ制御される。
すなわち、データ線DLと温度検出兼用画素回路33は電気的に切り離された状態に制御される。
この形態例の場合、デューティ制御信号Sds(図10(G))は、書き込み期間の終了後直ちに「H」レベルに切り替えられる。このため、電流駆動素子T2は、キャパシタCに蓄積された信号電圧Vsig に応じた駆動電流の供給を開始する。
この駆動電流の供給に伴い、有機EL素子Dの両電極間には両極間電圧VELが発生し、時間の経過と共に徐々に増加する。これに伴い、電流駆動素子T2のドレイン電位Vd (図10(F))は、リセット電位Vrsから徐々に増加し、一定電位に収束する。
この際、温度検出部21は、測定位置信号(図10(H))により行選択スイッチ素子T1及び列選択スイッチT2を開閉制御し、測定対象に指定した温度検出兼用画素回路33に出現するドレイン電位Vd (すなわち、両極間電圧VEL)だけを検出する。両極間電圧VELの駆動温度特性は有機EL素子Dの種類によっても異なるが、おおよそ図11に示すような線形関係となる。
なお、図11では、常温での両極間電圧VELを「1」として、各温度における両極間電圧VELを相対的に表している。
温度検出部21は、検出された両極間電圧VELに基づいて現在温度を特定し、温度情報として出力する。
なお、実際の有機EL素子Dには、製造バラツキや劣化等の影響があり、参照テーブルで用意した温度関係と一致しないこともあり得る。
このような場合には、有機ELディスプレイ装置をある基準温度(例えば常温)で使用する際に発生したオフセット量を保存し、オフセット量だけ両極間電圧VELの検出値と駆動温度との関係を補正することが望ましい。
検出された温度情報は、測定位置情報(パネル面内の位置情報)と共に、温度情報を必要とする有機ELディスプレイ装置の信号処理部や外部機器に供給される。この形態例の場合、駆動温度の検出精度が高いため、検出された温度情報を用いる処理の精度を高めることができる。
(c)消灯期間の動作
消灯期間では、デューティ制御信号Sdsが再び「L」レベルに駆動制御される。結果的に、有機EL素子Dに対する駆動電流の供給は停止される。すなわち、有機EL素子Dの発光輝度は駆動電流の減少と共に低下し、やがて消灯する。
有機EL素子Dに駆動電流が流れなければ、その両電極間にも両極間電圧VELが発生しない。従って、図10(F)に示すように、電流駆動素子T2のドレイン電位Vd は低下する。また、ドレイン電位Vd の低下に伴って、電流駆動素子T2のゲート電位Vg (図10(E))も低下する。なお、この期間には測定対象である両極間電圧VELが発生しないため、温度検出部21による温度測定は実行されない。
(A−3)形態例の効果
この形態例の場合には、有機EL素子の両極間電圧VELを直接的に監視することにより、環境温度や有機EL素子自体の発熱現象を含めた駆動温度の変動を正確に検出することができる。
しかも、温度検出兼用画素回路33は、有効表示領域3を構成する画素回路の一つであり、測定タイミング以外は表示内容に応じて発光制御される。このため、表示内容に応じた発熱の影響も含めて駆動温度を正確に測定することができる。
すなわち、パネル面に温度センサーを配置する場合や有効表示領域3の外側にダミー画素を配置して駆動温度を検出する場合に比して、検出される駆動温度に含まれる誤差成分を小さくすることができる。
しかも、駆動温度に関する情報は、有効表示領域3の複数個所について求められる。従って、有効表示領域3内に発生した温度分布のばらつきも正確に検出することができる。
特に、可搬型の電子機器の場合には、日光の直射や気温変等の使用環境影響を受け易く、また使用態様も様々である。
このため、パネル面内の温度分布を検出できることで一層正確な温度制御が可能になる。なお、この形態例で提案する温度検出手法では、有効表示領域3の一領域を温度検出に兼用するため、温度検出デバイスの設置位置や配線を工夫する必要性を低減できる。結果的に、携帯型の電子機器や環境温度の変化が比較的多いモバイル用途の電子機器に搭載して好適である。
(B)温度情報の利用例
以下では、前述した方式により検出される温度情報を輝度特性の補正処理に使用する場合について説明する。
(B−1)輝度特性の補正原理
(a)輝度特性の劣化原因
まず、補正対象とする輝度特性の劣化原因について説明する。
図12に、通常画素回路31の画素構造を示す。通常画素回路31の画素構造は、既に説明した温度検出兼用画素回路33と基本的に同じなので説明は省略する。
前述したように、有機EL素子Dの両極間電圧VELは、駆動温度に応じて変動する特性が認められる。前述の形態例では、この特性を利用して駆動温度を検出したのであるが、両極間電圧VELの変動は輝度特性も変動させてしまう。
図13に、一般的な駆動方法を採用する場合に電流駆動素子T12のドレイン・ゲート間電圧に発生する温度変化を示す。
実線は、有機EL素子Dの駆動温度が低い場合の電位の変化を示す。一方、破線は、有機EL素子Dの駆動温度が高い場合の電位の変化を示す。
図13に示すように、有機EL素子Dの発光が開始するのに伴い、駆動電流に応じた両極間電圧VELが発生し、ドレイン電位Vd の上昇が開始される。このとき、ゲート電位Vg も、上昇するドレイン電位Vd に押し上げられるように上昇を開始する。
ただし、ドレイン電位Vd の上昇には、電位ロスが不可避的に発生する。原因は、キャパシタCの周りに存在する寄生容量の影響である。すなわち、信号電圧Vsig をキャパシタCに保持したまま変化しようとしても、キャパシタCに保持されている電荷の一部が寄生容量に逃げてしまう。結果的に、発光後のゲート・ドレイン間電圧Vgd’ は、書き込み時よりも小さくなってしまう。
このゲート・ドレイン間電圧Vgdの変化は、発光時における電位上昇時にキャパシタCに維持できる電位量をゲインGb (<1)で表すと次式で表すことができる。
Vgd’ =Vgd −(1−Gb )・a
なお、変数aは、電位上昇時におけるドレイン電位Vd の上昇電圧を意味する。
前式より、ドレイン電位Vd の上昇電圧(変数a)が小さいほど、発光の開始前後でゲート・ドレイン間電圧Vgdの変化が小さく済むことが分かる。
また前式より、ドレイン電位Vd の上昇電圧(変数a)が駆動温度によらず一定であれば、画面輝度に温度特性が現れないことが分かる。
ところが、前述したように、有機EL素子Dの両極間電圧VELは、駆動電流Id が同じでも駆動温度が異なると大きく変化する。例えば駆動温度が高いほど両極間電圧VELは小さくなる。
ところが、一般的な駆動方法の場合、有機EL素子Dの陰極端子に印加される陰極電位Vcathode は固定されている。
このため、駆動温度が異なると、図13に示すように、ドレイン電位Vd の上昇電圧を与える変数aが変化する現象が発生する。すなわち、同じ画素データに対応する信号電圧Vsig をキャパシタCを書き込んだ場合にも、駆動温度に応じて発光輝度が変化する現象が発生する。
図14に、発光輝度が有する駆動温度特性を示す。図14に示すように、駆動温度が高いほど有機EL素子の発光輝度が上がり、駆動温度が低いほど有機EL素子の発光輝度が下がる現象が発生する。なお、図14は、駆動温度が常温(約20℃)の場合の発光輝度を1として、各駆動温度での発光輝度を正規化して表している。
(b)発明者らが提案する補正手法の原理
そこで、発明者らは、使用環境等により不可避的に発生する駆動温度の変化にかかわらず画面輝度を安定化させるため、駆動温度の変化に応じて有機EL素子Dの陰極端子に印加する陰極電位Vcathode を可変制御する手法を提案する。
具体的には、有機EL素子Dの点灯開始後に発生するドレイン電位Vd の上昇電圧(変数a)が駆動温度によらず一定になるように制御する手法を提案する。
すなわち、有機EL素子Dの両極間電圧VELの駆動温度特性(図11)を打ち消すように、有機EL素子Dの陰極端子に印加する陰極電位Vcathode を駆動温度に応じて可変制御する手法を提案する。図15に、陰極電位Vcathode
に求められる駆動温度特性を示す。
図15に示すように、陰極電位Vcathode を制御することにより、電流駆動素子T2のドレイン電位Vd に現れる点灯開始後の上昇電圧は、図16に示すように駆動温度によらずほぼ一定の特性を示すようになる。この結果、同じ画素データが書き込まれたのであれば、駆動温度に関わらず画面輝度を一定に保つことが可能になる。
(c)補正原理を適用したディスプレイ装置の全体構成
図17に、有機ELディスプレイ装置61の主要構成部分を示す。なお、図17は、図3との対応部分に同一符号を付して示す。
有機ELディスプレイ装置61は、有機ELパネル1、データ線ドライバ13、走査線ドライバ15、点灯期間ドライバ17、リセットドライバ19、タイミングジェネレータ23、輝度特性補正部63及び温度検出部65を主要な構成要素とする。
有機ELディスプレイ装置61に特有の構成は、輝度特性補正部63及び温度検出部65の2つである。以下、これら2つのデバイスについて説明する。図18に、温度検出兼用画素回路33と輝度特性補正部63及び温度検出部65との接続関係を示す。なお、通常画素回路31と各駆動部との接続関係は、温度検出部65との接続関係を除いて図18に示す接続関係と同じになる。
輝度特性補正部63は、有機EL素子Dの両極間電圧VELに現れる駆動温度特性を打ち消すように、有機EL素子Dの陰極端子に印加する陰極電位Vcathode を制御する回路デバイスである。
図19に、輝度特性補正部63の内部構成例を示す。輝度特性補正部63は、陰極電位決定部71及び陰極電位可変部73で構成する。
陰極電位決定部71は、有機EL素子Dが有する駆動温度特性を打ち消すように陰極電位を決定する処理デバイスである。図20に、陰極電位決定部71が参照する参照テーブル例を示す。
図20に示す参照テーブルの場合、陰極電位決定部71は、−10℃の駆動温度に対応するカソード電位Vcathode (ディジタル値)を1Vに決定する。また、陰極電位決定部71は、60℃の駆動温度に対応するカソード電位Vcathode を3Vに決定する。
陰極電位可変部73は、有機EL素子Dの陰極端子に供給する電位が決定された陰極電位Vcathode になるように可変的に制御する回路デバイスである。図21に、陰極電位可変部73の内部構成例を示す。
図21に示す陰極電位可変部73は、ディジタルポテンショメータ81及びボルテージフォロア回路(オペアンプOP1、抵抗R11、R13及びPNP型のバイポーラトランジスタT11)83で構成する。ディジタルポテンショメータ81は、例えば256ステップ(8ビット)で電圧を発生する半固定型の抵抗器で構成される。
温度検出部65は、有機EL素子Dの両電極間に現れる両極間電圧VELの検出により駆動温度を検出する処理デバイスである。基本的な回路構成は、図6で説明した温度検出部21の内部構成と同じである。
ただし、この形態例の場合には、陰極電位Vcathode が可変制御される。このため、温度検出部65は、有機EL素子Dの陽極電位(ドレイン電位Vd )と陰極電位Vcathode の両方を監視する手法を採用する。
図22に、温度検出部65の内部構成例を示す。なお、図22には、図6との対応部分に同一符号を付して示す。図22に示すように、新規の構成部分は、温度変換部91である。図23に、温度変換部91の内部構成例を示す。なお、図23には、図8との対応部分に同一符号を付して示す。
図23に示す温度変換部91に特有の構成は、ボルテージフォロア回路51及びA/D変換回路53が2組用意される点と、ディジタル値として検出された陽極電位(ドレイン電位Vd )と陰極電位Vcathode の差電圧を算出する差電圧算出部101が温度情報出力部55の前段に配置される点である。なお、陰極電位Vcathode を領域別に制御できる場合には、測定領域に対応した陰極電位Vcathode
を入力する。
この形態例の場合、陰極電位Vcathode が可変制御されたとしても、両極間電圧VELは駆動電圧にのみ依存するので、測定対象とする領域の駆動温度を正確に検出することができる。
(d)ディスプレイ装置の駆動動作及び効果
有機ELディスプレイ装置61で実行される基本的な駆動動作は、前述した形態例と同じである。ただし、この形態例の場合には、同じ画素データであれば点灯開始後の上昇電圧(変数a)が同じになるように、有機EL素子Dの駆動温度に応じて各領域の陰極電位Vcathode が制御される。
図24に、この制御動作の様子を示す。図24に示すように、有機EL素子Dの両電極間に発生する両極間電圧VELが駆動温度に応じて変動しても、その変動量を打ち消すように陰極電位Vcathode
が増減制御されている。
従って、図24に示すように、点灯開始後のドレイン電位Vd の上昇電圧(変数a)は、駆動温度が変わってもほぼ一定となる。
この結果、駆動温度が異なる場合にも、点灯開始後におけるキャパシタCの保持電圧Vgd’の温度依存特性は解消され、画素データDinの値が同じであれば常に同じ発光輝度で有機EL素子Dを点灯制御することが可能になる。
すなわち、有機ELパネル13の表示輝度を一定に制御できる。このため、温度変化により画質が変化しない有機ELディスプレイ装置を実現することができる。
特に、環境温度の影響を受けやすいモバイル用途や大画面型の有機ELディスプレイ装置の場合には高い効果を期待できる。
また、この形態例に係る有機ELディスプレイ装置の場合、発光輝度の維持制御を陰極電位Vcathode の制御で実現する。このため、画素データDinをガンマ変換する場合のように階調情報が失われるおそれもない。従って、高い画像品質を維持することができる。
(C)他の形態例
(C−1)温度検出兼用画素回路の配置位置
前述した形態例のおいては、温度検出兼用画素回路33を有効表示領域3の中央付近も含めて配置する場合について説明した。
しかし、有効表示領域3の中央付近は、測定タイミングの周期や発光フレーム数によっては、画質の低下が知覚され易くなる。
従って、測定タイミングの周期や発光フレーム数が画質に影響を与える可能性がある場合には、有効表示領域3の周辺部分に温度検出兼用画素回路33を配置することが望ましい。例えば有効表示領域3の上辺と下辺に沿って配置したり、右辺と左辺に沿って配置しても良い。
(C−2)製品例
(a)ドライブIC
前述した有機ELディスプレイ装置(有機ELパネルモジュール及び温度検出部)は、いずれも1つのパネル上に形成することもできるが、処理回路部分と画素マトリクスとを別々に製造し、流通することもできる。
例えば、ドライバICブロックや温度検出部はそれぞれ独立したドライブIC(integrated
circuit)として製造し、有機ELパネルとは独立に流通することもできる。勿論、ドライバICブロックと温度検出部とで1つのドライブICを構成することもできる。
(b)表示モジュール
前述した形態例における有機ELディスプレイ装置は、図25に示す外観構成を有する表示モジュール111の形態で流通することもできる。
表示モジュール111は、支持基板115の表面に対向部113を貼り合わせた構造を有している。対向部113は、ガラスその他の透明部材を基材とし、その表面にはカラーフィルタ、保護膜、遮光膜等が配置される。
なお、表示モジュール111には、外部から支持基板115に信号等を入出力するためのFPC(フレキシブルプリントサーキット)117等が設けられていても良い。
(c)電子機器
前述した形態例における有機ELディスプレイ装置は、電子機器に実装された商品形態でも流通される。
図26に、電子機器121の概念構成例を示す。電子機器121は、前述した有機ELディスプレイ装置123及びシステム制御部125で構成される。システム制御部125で実行される処理内容は、電子機器121の商品形態により異なる。
なお、電子機器121は、機器内で生成される又は外部から入力される画像や映像を表示する機能を搭載していれば、特定の分野の機器には限定されない。
この種の電子機器121には、例えばテレビジョン受像機が想定される。図27に、テレビジョン受像機131の外観例を示す。
テレビジョン受像機131の筐体正面には、フロントパネル133及びフィルターガラス135等で構成される表示画面137が配置される。表示画面137の部分が、形態例で説明した有機ELディスプレイ装置に対応する。
また、この種の電子機器121には、例えばデジタルカメラが想定される。図28に、デジタルカメラ141の外観例を示す。図28(A)が正面側(被写体側)の外観例であり、図28(B)が背面側(撮影者側)の外観例である。
デジタルカメラ141は、撮像レンズ(図28は保護カバー143が閉じた状態であるので、保護カバー143の裏面側に配置される。)、フラッシュ用発光部145、表示画面147、コントロールスイッチ149及びシャッターボタン151で構成される。このうち、表示画面147の部分が、形態例で説明した有機ELディスプレイ装置に対応する。
また、この種の電子機器121には、例えばビデオカメラが想定される。図29に、ビデオカメラ161の外観例を示す。
ビデオカメラ161は、本体163の前方に被写体を撮像する撮像レンズ165、撮影のスタート/ストップスイッチ167及び表示画面169で構成される。このうち、表示画面169の部分が、形態例で説明した有機ELディスプレイ装置に対応する。
また、この種の電子機器121には、例えば携帯端末装置が想定される。図30に、携帯端末装置としての携帯電話機171の外観例を示す。図30に示す携帯電話機171は折りたたみ式であり、図30(A)が筐体を開いた状態の外観例であり、図30(B)が筐体を折りたたんだ状態の外観例である。
携帯電話機171は、上側筐体173、下側筐体175、連結部(この例ではヒンジ部)177、表示画面179、補助表示画面181、ピクチャーライト183及び撮像レンズ185で構成される。このうち、表示画面179及び補助表示画面181の部分が、形態例で説明した有機ELディスプレイ装置に対応する。
また、この種の電子機器121には、例えばコンピュータが想定される。図31に、ノート型コンピュータ191の外観例を示す。
ノート型コンピュータ191は、下型筐体193、上側筐体195、キーボード197及び表示画面199で構成される。このうち、表示画面199の部分が、形態例で説明した有機ELディスプレイ装置に対応する。
これらの他、電子機器121には、オーディオ再生装置、ゲーム機、電子ブック、電子辞書等が想定される。
(C−3)他の表示デバイス例
形態例の説明においては、有機EL素子の駆動温度を直接的に検出する機能を有機ELディスプレイ装置に搭載する場合について説明した。
しかし、温度検出機能は、その他の自発光表示装置に対しても適用することができる。例えば無機ELディスプレイ装置、LEDを配列する表示装置その他のダイオード構造を有する発光素子を画面上に配列した表示装置に対しても適用できる。
(C−4)制御デバイス構成
前述の説明では、温度検出部をハードウェア的に実現する場合について説明した。
しかし、温度検出部の一部又は全部は、ソフトウェア処理として実現することができる。
(C−5)その他
前述した形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される又は組み合わせられる各種の変形例及び応用例も考えられる。
温度検出兼用画素の配置例を示す図である。 温度検出兼用画素の温度情報を個別に検出するために必要なパネル構造例を示す図である。 有機ELディスプレイ装置の機能構成例を示す図である。 画素回路と駆動回路の接続関係を示す図である。 有機EL素子の両電極間に発生する両極間電圧の温度変化を説明する図である。 温度検出部の内部構成例を示す図である。 温度測定タイミング信号例を示す図である。 温度変換部の内部構成例を示す図である。 検出電圧と駆動温度との対応関係を記録した参照テーブル例を示す図である。 駆動信号波形と電流駆動素子の端子電位の対応関係を示す図である。 駆動温度と両極間電圧との関係を説明する図である。 画素回路の構造例を示す図である。 電流駆動素子の端子電位に現れる温度特性を説明する図である。 駆動温度と発光輝度との関係を説明する図である。 有機EL素子の陰極電位の制御手法を説明する図である。 陰極電位の制御により得られる効果を説明する図である。 有機ELディスプレイ装置の他の機能構成例を示す図である。 画素回路と駆動回路の接続関係を示す図である。 輝度特性補正部の内部構成例を示す図である。 輝度特性の温度特性補正用に参照するテーブル例を示す図である。 陰極電位可変部の内部構成例を示す図である。 温度検出部の内部構成例を示す図である。 温度変換部の内部構成例を示す図である。 電流駆動素子の端子電位に現れる温度特性を示す図である。 表示モジュールの構成例を示す図である。 電子機器の機能構成例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。 電子機器の商品例を示す図である。
符号の説明
1 有機ELパネル
3 有効表示領域
5 温度検出兼用画素
11 有機ELディスプレイ装置
21 温度検出部
41 測定用画素データ発生部
43 測定対象画素指定部
45 測定用画素データ置換部
47 温度変換部
61 有機ELディスプレイ装置
63 輝度特性補正部
65 温度検出部
71 陰極電位決定部
73 陰極電位可変部
91 温度変換部

Claims (8)

  1. EL(Electro Luminescence)パネルを構成するEL素子の駆動温度を検出する温度検出装置であって、
    有効表示領域内に陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子が分散的に複数個配置されている場合、陽極電位の取り出し用配線が接続された前記EL素子のそれぞれに対し、表示用の画素データ又は温度検出用の画素データのいずれか一方を選択的に供給する画素データ置換部と、
    陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に取り出す検出用スイッチと、
    前記検出用スイッチの開閉動作を制御するスイッチ制御部と、
    温度検出用の画素データで発光駆動される特定位置のEL素子の両極間に出現する電圧を検出する電圧検出部と、
    事前に測定された対応関係に基づき、検出された電圧を画素温度に変換する温度変換部と
    を有することを特徴とする温度検出装置。
  2. 請求項1に記載の温度検出装置において、
    EL素子の陰極電位が固定の場合、前記電圧検出部は、EL素子の陽極電位を検出することにより、EL素子の両極間に発生する電圧を検出する
    ことを特徴とする温度検出装置。
  3. 請求項1に記載の温度検出装置において、
    EL素子の陰極電位が可変制御される場合、前記電圧検出部は、EL素子の陽極電位と陰極電位との差分を検出することにより、EL素子の両極間に発生する電圧を検出する
    ことを特徴とする温度検出装置。
  4. EL(Electro Luminescence)パネル内に温度検出兼用画素が分散的に複数配置された有効表示領域と、
    前記温度検出兼用画素を構成するEL素子の陽極電位に接続される陽極電位の取り出し用配線と、
    陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に取り出せるように、前記取り出し用配線上に形成された検出用スイッチと
    を有することを特徴とするELパネル。
  5. EL(Electro Luminescence)素子をマトリクス状に配置した有効表示領域と、
    前記有効表示領域の各画素を駆動する画素駆動部と、
    有効表示領域内に陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子が分散的に複数個配置されている場合、陽極電位の取り出し用配線が接続された前記EL素子のそれぞれに対し、表示用の画素データ又は温度検出用の画素データのいずれか一方を選択的に供給する画素データ置換部と、
    陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に取り出す検出用スイッチと、
    前記検出用スイッチの開閉動作を制御するスイッチ制御部と、
    温度検出用の画素データで発光駆動される特定位置のEL素子の両極間に出現する電圧を検出する電圧検出部と、
    事前に測定された対応関係に基づき、検出された電圧を画素温度に変換する温度変換部と
    を有することを特徴とするEL表示装置。
  6. EL(Electro Luminescence)素子をマトリクス状に配置した有効表示領域と、
    前記有効表示領域の各画素を駆動する画素駆動部と、
    有効表示領域内に陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子が分散的に複数個配置されている場合、陽極電位の取り出し用配線が接続された前記EL素子のそれぞれに対し、表示用の画素データ又は温度検出用の画素データのいずれか一方を選択的に供給する画素データ置換部と、
    陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に取り出す検出用スイッチと、
    前記検出用スイッチの開閉動作を制御するスイッチ制御部と、
    温度検出用の画素データで発光駆動される特定位置のEL素子の両極間に出現する電圧を検出する電圧検出部と、
    事前に測定された対応関係に基づき、検出された電圧を画素温度に変換する温度変換部と、
    システム制御部と
    を有することを特徴とする電子機器。
  7. EL(Electro Luminescence)パネルを構成するEL素子の駆動温度を検出する温度検出方法であって、
    有効表示領域内に陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子が分散的に複数個配置されている場合、陽極電位の取り出し用配線が接続された前記EL素子のそれぞれに対し、表示用の画素データ又は温度検出用の画素データのいずれか一方を選択的に供給する処理と、
    陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に検出できるように検出用スイッチを開閉制御する処理と、
    温度検出用の画素データで発光駆動される特定位置のEL素子の両極間に出現する電圧を検出する処理と、
    事前に測定された対応関係に基づき、検出された電圧を画素温度に変換する処理と
    を有することを特徴とする温度検出方法。
  8. EL(Electro Luminescence)パネルを構成するEL素子の駆動温度の検出を制御するコンピュータに、
    有効表示領域内に陽極電位の取り出し用配線が接続されたEL素子が分散的に複数個配置されている場合、陽極電位の取り出し用配線が接続された前記EL素子のそれぞれに対し、表示用の画素データ又は温度検出用の画素データのいずれか一方を選択的に供給する処理と、
    陽極電位の取り出し用配線が接続された複数個のEL素子のうち指定されたEL素子の陽極電位だけを選択的に検出できるように検出用スイッチを開閉制御する処理と、
    温度検出用の画素データで発光駆動される特定位置のEL素子の両極間に出現する電圧を検出する処理と、
    事前に測定された対応関係に基づき、検出された電圧を画素温度に変換する処理と
    を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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