JP2008180850A - 液晶装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造後、画素電極と対向電極とで仕事関数が異なってしまった場合におけるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶パネルを具備する液晶装置の製造方法を提供する。
【解決手段】TFT基板及び対向基板に、液晶に駆動電圧を印加する画素電極、対向電極をそれぞれ形成するステップS1と、いずれか一方の電極に、ハロゲン処理を行うステップS4と、画素電極及び対向電極上に、無機配向膜をそれぞれ形成するステップS5と、を具備することを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に、液晶が介在される液晶パネルを具備する液晶装置の製造方法に関する。
周知のように、例えば光透過型の液晶装置の液晶パネルは、ガラス基板、石英基板等からなる2枚の基板間に液晶が介在されて構成されている。
また、液晶パネルは、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等のスイッチング素子及び画素電極をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に介在された液晶層による光学応答を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能としている。
また、TFTを配置したTFT基板と、このTFT基板に相対して配置される対向基板とは、別々に製造される。TFT基板及び対向基板は、例えば石英基板上に、所定のパターンを有する半導体薄膜、絶縁性薄膜又は導電性薄膜を積層することによって構成される。層毎に各種膜の成膜工程とフォトリソグラフィ工程を繰り返すことによって形成されるのである。
このようにして形成されたTFT基板及び対向基板は、パネル組立工程において高精度(例えばアライメント誤差1μm以内)に貼り合わされる。このパネル組立工程の一例を説明すると、先ず、各基板の製造工程において夫々製造されたTFT基板の画素電極上、及び対向基板の対向電極上に、液晶分子を基板面に沿って配向させるための、例えばSiO等から構成された無機配向膜が形成される。
無機配向膜は、プレチルト角に相当する所定の角度を以て、対象基板に蒸着されて形成されることにより、形成後、ラビング処理を不要として、液晶のプレチルト角を規定することができる。尚、このような無機配向膜の形成方法は、斜方蒸着法と称される。
次いで、例えば液晶封入方式により、TFT基板と対向基板との間に液晶が介在される場合には、TFT基板と対向基板との一方の基板上に、接着剤となるシール材が、一部に注入口となる切り欠きを有するよう略周状に塗布され、このシール材が用いられてTFT基板に対し、対向基板が貼り合わされる。
次いで、アライメントが施されてそれぞれ圧着硬化された後、真空下においてTFT基板のシール材の注入口の近傍に、規定量の液晶がそれぞれ滴下され、その後、大気解放されることにより、注入口を介して液晶がTFT基板と対向基板との間にそれぞれ注入され、最後に、注入口が、封止材により封止されて、液晶パネルが製造される。
ところで、このように製造される液晶パネルは、スイッチング素子をオンにすることによって画素電極に画像信号を供給し、画素電極と対向電極との相互間の液晶層に、画像信号に基づく電圧を印加して、液晶分子の配列を変化させる。これにより、画素の透過率を変化させ、画素電極及び液晶層を通過する光を画像信号に応じて変化させ画像表示を行う。
ここで、液晶パネルでは、印加信号の直流成分の印加等により、例えば液晶成分の分解、液晶中の不純物による汚染が発生し、表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良が現れる。
具体的には、液晶パネルでは、周知のように、容量性を考慮して、画素電極には一定期間のみ駆動電圧が印加される。しかしながら、画素電極に駆動電圧が印加されない期間においては、結合容量の影響及び電荷のリークによって、画素に保持される電圧は徐々に低下する。
この場合、正極性駆動の際における電極印加電圧の低下の方が、負極性駆動時における電極印加電圧の低下よりも大きくなるため、液晶に対しTFT基板及び対向基板の剥き出しになった画素電極、対向電極の部位に、マイナスまたはプラスの電荷が蓄積されやすくなる。
よって、TFT基板及び対向基板の各画素電極、対向電極に電荷が蓄積されると、上述した不純物のイオン(以下、不純物イオンと称す)は、液晶に対し剥き出しになった画素電極、対向電極の部位と液晶との界面に残留しやすくなる。その結果、不純物イオンが各界面に吸着されてしまう。
よって、TFT基板の剥き出しになった画素電極の部位と、対向基板の剥き出しになった対向電極の部位とで、不純物イオンの吸着量に、極端な偏りが生じると、過多に一方の電極に吸着されたイオンによって両電極間に発生する、即ち液晶に印加される直流成分の影響が大きくなり、表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良を加速してしまうという問題があった。
そこで、一般的には、各画素電極の駆動電圧の極性を、例えば画像信号におけるフィールド毎に反転させる、周知の反転駆動を行うことにより、表示画像の焼き付き等の表示不良を防止する技術が周知である。
また、特許文献1には、反射型液晶装置において、印加信号の直流成分の印加以外にも、画素電極の材料と対向電極の材料とが異なっている場合において発生するイオン吸着の偏りを、画素電極上に、該画素電極を構成する金属材料とは標準電位の符号が反対である異種金属膜を被覆して防止することにより、表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良を防止する技術が提案されている。
特開2003−57674号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、画素電極上に透過率の低い金属膜を被覆するため、画素電極及び対向電極に、透明電極を用いる透過型の液晶パネルには適用することができないといった問題があった。
ここで、TFT基板に形成される画素電極と、対向基板に形成される対向電極とで、製法やプロセスに起因して、形状や表面積が変わってしまうため、画素電極と対向電極とで仕事関数が異なってしまう場合がある。
画素電極と対向電極とで仕事関数が異なってしまうと、液晶に対し剥き出しになった画素電極の部位と、剥き出しになった対向電極の部位とで、画素電極と対向電極とで仕事関数が同じ場合と比して、不純物イオンの吸着量に、極端な偏りが生じやすくなってしまい、表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良が発生しやすくなってしまうといった問題がある。
以下、具体例を図9〜図12に示す。図9は、対向基板側の対向電極の仕事関数が、TFT基板側の画素電極の仕事関数よりも大きくなった状態を概略的に示す図、図10は、対向電極に対し画素電極が、マイナス側にシフトした状態を示す図、図11は、TFT基板側の画素電極の仕事関数が、対向基板側の対向電極の仕事関数よりも大きくなった状態を概略的に示す図、図12は、対向電極に対し画素電極が、プラス側にシフトした状態を示す図である。
例えば、図9に示すように、TFT基板100の画素電極よりも対向基板200の対向電極の仕事関数が大きくなってしまうと、TFT基板100にマイナスのイオンが吸着し、対向基板200にプラスのイオンが吸着することにより液晶パネルに発生するイオン吸着の偏りにより、図10に示すように、対向電極の電位(*1)に対する画素電極の電位(*2)が、マイナス側にシフトしてしまうとともに(*3)、対向電極の電位(*1)と同じ電位であった既知のセンター電位も、マイナス側にシフトしてしまう(*4)。
センター電位がマイナス側にシフトしてしまうと(*4)、フリッカが生じやすくなってしまい、また、画素電極の電位(*2)がマイナスにシフトしてしまうと(*3)、対向電極の電位(*1)はシフトしないため、液晶層に対し、直流成分が画素電極の電位のマイナス側へのシフト分だけ常に印加されてしまい、表示画像の焼き付きが発生しやすくなってしまう。
また、例えば図11に示すように、対向基板200の対向電極よりもTFT基板100の画素電極の仕事関数が大きくなってしまうと、対向基板200にマイナスのイオンが吸着し、TFT基板100にプラスのイオンが吸着することにより液晶パネルに発生するイオン吸着の偏りにより、図12に示すように、画素電極の電位(*6)が、プラス側にシフトしてしまうとともに(*7)、対向電極の電位(*5)と同じ電位であったセンター電位も、プラス側にシフトしてしまう(*8)。
センター電位がプラス側にシフトしてしまうと(*8)、フリッカが生じやすくなってしまい、また、画素電極の電位(*6)がプラス側にシフトしてしまうと(*7)、対向電極の電位(*5)はシフトしないため、液晶層に対し、直流成分が画素電極の電位のプラス側へのシフト分だけ常に印加されてしまい、表示画像の焼き付きが発生しやすくなってしまう。
このように、画素電極と対向電極とで仕事関数が異なってしまった場合、上述した反転駆動では、表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良を完全に防止することができない。また、反転駆動は、液晶パネルの有効画素領域における光透過率を低下させてしまうため、画素電極と対向電極とで仕事関数が異なってしまった場合において、イオン吸着の偏りに起因する表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良を防ぐのに、他の手法が望まれていた。
本発明は上記事情及び問題点に着目してなされたものであり、製造後、画素電極と対向電極とで仕事関数が異なってしまった場合におけるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶パネルを具備する液晶装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係る液晶装置の製造方法は、第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に、液晶が介在される液晶パネルを具備する液晶装置の製造方法であって、前記第1の基板及び前記第2の基板に、前記液晶に駆動電圧を印加する電極をそれぞれ形成する電極形成工程と、前記第1の基板と前記第2の基板とのいずれか一方の前記電極に、湿式の表面処理を行う湿式表面処理工程と、前記第1の基板及び前記第2の基板の前記電極上に、無機配向膜をそれぞれ形成する無機配向膜形成工程と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、第1の基板及び第2の基板に電極を形成した後、第1の基板と第2の基板とで、製法やプロセスに違いにより、電極の形状や表面積の違いが発生し、電極の仕事関数が異なってしまったとしても、いずれかの基板に湿式表面処理を行うことにより、第1の基板と第2の基板とで各電極の仕事関数を、一定範囲内において一致させることができる。よって、第1の基板と第2の基板とで電極の仕事関数に違いが生じ、液晶中に介在されたプラスイオンが仕事関数の大きい電極の界面に溜まるとともに、液晶中に介在されたマイナスイオンが仕事関数の小さい電極の界面に溜まることによるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶装置の製造方法を提供することができる。
また、前記湿式表面処理工程は、ハロゲンを用いた溶液中に、前記第1の基板と前記第2の基板とのいずれかを浸漬させるハロゲン処理工程であることを特徴とする。
本発明によれば、第1の基板及び第2の基板に電極を形成した後、第1の基板と第2の基板とで、製法やプロセスに違いにより、電極の形状や表面積の違いが発生し、電極の仕事関数が異なってしまったとしても、いずれかの基板にハロゲン処理を行うことにより、第1の基板と第2の基板とで各電極の仕事関数を、一定範囲内において一致させることができる。よって、第1の基板と第2の基板とで電極の仕事関数に違いが生じ、液晶中に介在されたプラスイオンが仕事関数の大きい電極の界面に溜まるとともに、液晶中に介在されたマイナスイオンが仕事関数の小さい電極の界面に溜まることによるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶装置の製造方法を提供することができる。
さらに、前記湿式表面処理工程は、酸を用いた溶液中に、前記第1の基板と前記第2の基板とのいずれかを浸漬させる酸処理工程であることを特徴とする。
本発明によれば、第1の基板及び第2の基板に電極を形成した後、第1の基板と第2の基板とで、製法やプロセスに違いにより、電極の形状や表面積の違いが発生し、電極の仕事関数が異なってしまったとしても、いずれかの基板に酸処理を行うことにより、第1の基板と第2の基板とで各電極の仕事関数を、一定範囲内において一致させることができる。よって、第1の基板と第2の基板とで電極の仕事関数に違いが生じ、液晶中に介在されたプラスイオンが仕事関数の大きい電極の界面に溜まるとともに、液晶中に介在されたマイナスイオンが仕事関数の小さい電極の界面に溜まることによるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶装置の製造方法を提供することができる。
また、前記電極形成工程後、前記湿式表面処理工程に先立って、前記第1の基板及び前記第2の基板の各前記電極の仕事関数を測定する仕事関数測定工程を具備し、前記湿式表面処理工程は、前記第1の基板及び前記第2の基板の各前記電極の内、前記仕事関数が相対的に低い方の前記電極に対して行うことを特徴とする。
本発明によれば、第1の基板及び第2の基板に電極を形成した後、第1の基板と第2の基板とで、製法やプロセスに違いにより、電極の形状や表面積の違いが発生し、電極の仕事関数が異なってしまったとしても、仕事関数が相対的に低い方の電極を具備する基板に湿式表面処理を行うことにより、仕事関数が相対的に低い方の電極の仕事関数を、仕事関数が相対的に高い方の電極の仕事関数に、一定範囲内において一致させることができる。よって、第1の基板と第2の基板とで電極の仕事関数に違いが生じ、液晶中に介在されたプラスイオンが仕事関数の大きい電極の界面に溜まるとともに、液晶中に介在されたマイナスイオンが仕事関数の小さい電極の界面に溜まることによるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶装置の製造方法を提供することができる。
さらに、前記第1の基板及び前記第2の基板の各前記電極は、透明電極であることを特徴とする。また、前記液晶パネルは、光透過型の液晶パネルであることを特徴とする。
本発明によれば、第1の基板及び第2の基板の各電極が透明電極であって、液晶パネルが光透過型の液晶パネルの場合において、第1の基板及び第2の基板に電極を形成した後、第1の基板と第2の基板とで、製法やプロセスに違いにより、電極の形状や表面積の違いが発生し、電極の仕事関数が異なってしまったとしても、いずれかの基板に湿式表面処理を行うことにより、第1の基板と第2の基板とで各電極の仕事関数を、一定範囲内において一致させることができる。よって、第1の基板と第2の基板とで電極の仕事関数に違いが生じ、液晶中に介在されたプラスイオンが仕事関数の大きい電極の界面に溜まるとともに、液晶中に介在されたマイナスイオンが仕事関数の小さい電極の界面に溜まることによるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶装置の製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照にして本発明の実施の形態を説明する。尚、以下に示す実施の形態において液晶装置の液晶パネルは、光透過型の液晶パネルを例に挙げて説明する。
また、液晶装置において対向配置される一対の基板の内、一方の基板は、第1の基板である素子基板(以下、TFT基板と称す)を、また他方の基板は、TFT基板に対向する第2の基板である対向基板を例に挙げて説明する。
(第1実施の形態)
先ず、本実施の形態の製造方法により製造される液晶装置の液晶パネル全体の構成について説明する。図1は、本実施の形態の製造方法により製造される液晶装置における液晶パネルの平面図、図2は、図1中のII-II線に沿って切断した断面図、図3は、図1の液晶パネルにおける画素電極及び無機配向膜と、その近傍を示す部分拡大断面図である。
図1、図2に示すように、液晶パネル1は、例えば、石英基板やガラス基板等を用いたTFT基板10と、該TFT基板10に対向配置される、例えばガラス基板や石英基板等を用いた対向基板20との間に、液晶50が介在されて構成される。対向配置されたTFT基板10と対向基板20とは、シール材52によって貼り合わされている。
TFT基板10の液晶50と接する領域に、液晶パネル1の表示領域40を構成するTFT基板10の表示領域10hが構成されている。また、表示領域10hに、画素を構成するとともに、後述する対向電極21とともに液晶50に駆動電圧を印加する、透明電極、例えば既知のITOから構成された画素電極9がマトリクス状に配置されている。
また、対向基板20の液晶50と接する領域に、液晶50に画素電極9とともに駆動電圧を印加する透明電極、例えば既知のITOから構成された対向電極21が設けられており、対向電極21の表示領域10hに対向する領域に、液晶装置における液晶パネル1の表示領域40を構成する対向基板20の表示領域20hが構成されている。
TFT基板10の画素電極9上に、無機配向膜から構成された配向膜(以下、無機配向膜と称す)16が設けられており、また、対向基板20上の全面に渡って形成された対向電極21上にも、無機配向膜26が設けられている。
詳しくは、図3に示すように、画素電極9上に、SiOやSiO等のシリコン酸化物等の絶縁物により構成された複数本の柱状の構造を有する無機配向膜16が、画素電極9に垂直な面に対し所定の角度θ傾くよう、上述した斜方蒸着法により形成されている。その結果、液晶50は、無機配向膜16により垂直配向している。
尚、このように、無機配向膜16が、斜方蒸着法により形成されていることにより、画素電極9に、液晶50に対して剥き出しになる部位9mが形成されている。
また、このことは、図示しないが、無機配向膜26であっても同様であり、対向電極21上に、SiOやSiO等のシリコン酸化物等の絶縁物により構成された複数本の柱状の構造を有する無機配向膜26が、対向電極21に垂直な面に対し所定の角度θ傾くよう、上述した斜方蒸着法により形成されている。その結果、液晶50は、無機配向膜26により垂直配向している。
また、無機配向膜26が、斜方蒸着法により形成されていることにより、対向電極21にも、液晶50に対して剥き出しになる図示しない部位が形成されている。
また、TFT基板10の表示領域10hにおいては、複数本の図示しない走査線と複数本の図示しないデータ線とが交差するように配線され、走査線とデータ線とで区画された領域に画素電極9がマトリクス状に配置される。そして、走査線とデータ線との各交差部分に対応して図示しない薄膜トランジスタ(TFT)が設けられ、このTFT毎に画素電極9が電気的に接続されている。
TFTは走査線のON信号によってオンとなり、これにより、データ線に供給された画像信号が画素電極9に供給される。この画素電極9と対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。
対向基板20に、液晶装置における液晶パネル1の表示領域40を規定する額縁としての遮光膜53が設けられている。
液晶50がTFT基板10と対向基板20との間に、既知の液晶注入方式で注入される場合、シール材52は、シール材52の1辺の一部において欠落して塗布されている。
シール材52の欠落した箇所は、該欠落した箇所から貼り合わされたTFT基板10及び対向基板20との間において、シール材52により囲まれた領域に液晶50を注入するための切り欠きである液晶注入口108を構成している。液晶注入口108は、液晶注入後、封止剤109によって封止される。
シール材52の外側の領域に、TFT基板10の図示しないデータ線に画像信号を所定のタイミングで供給して該データ線を駆動するドライバであるデータ線駆動回路101と外部回路との接続のための外部接続端子102とが、TFT基板10の液晶注入口108が位置する1辺に沿って設けられている。尚、外部接続端子102は、対向基板20に設けられていても構わない。
外部接続端子102に、液晶パネル1を具備する液晶装置を、プロジェクタ等の電子機器と電気的に接続する、図示しない特定の長さを有する柔軟なフレキシブル配線基板(Flexible Printed Circuits、以下FPCと称す)の一端が接続される。FPCの他端がプロジェクタ等の電子機器に接続されることにより、液晶パネル1と電子機器とは電気的に接続される。
外部接続端子102が設けられたTFT基板10の1辺に隣接する2辺に沿って、TFT基板10の図示しない走査線及びゲート電極に、走査信号を所定のタイミングで供給することにより、ゲート電極を駆動するドライバである走査線駆動回路103、104が設けられている。走査線駆動回路103、104は、シール材52の内側の遮光膜53に対向する位置において、TFT基板10上に形成されている。
また、TFT基板10上に、データ線駆動回路101、走査線駆動回路103、104、外部接続端子102及び上下導通端子107を接続する配線105が、遮光膜53の3辺に対向して設けられている。
上下導通端子107は、シール材52のコーナー部の4箇所のTFT基板10上に形成されている。そして、TFT基板10と対向基板20相互間に、下端が上下導通端子107に接触し上端が対向電極21に接触する上下導通材106が設けられており、該上下導通材106によって、TFT基板10と対向基板20との間で電気的な導通がとられている。
次に、このように構成された液晶装置の製造方法、具体的には、液晶パネル1における画素電極9、対向電極21、無機配向膜16、26の形成方法について、図4、図5を用いて説明する。図4は、本実施の形態の液晶装置の製造方法を示すフローチャート、図5は、本実施の形態における画素電極、対向電極に対しハロゲン処理を施した場合と、施さない場合とにおける駆動10時間後の電位変動を示す図表である。
尚、画素電極9、対向電極21、無機配向膜16、26の形成方法以外の液晶装置の製造方法については、周知であるため、その説明は省略する。
図4に示すように、先ず、ステップS1において、既知の半導体薄膜、絶縁性薄膜又は導電性薄膜を積層することによって複数の薄膜が形成されたTFT基板10、対向基板20に対し、上述した画素電極9、対向電極21をそれぞれ形成する電極形成工程を行う。
尚、電極形成工程後、上述したように、製法やプロセスに起因して、画素電極9と対向電極21とで、形状や表面積が変わってしまうため、画素電極9と対向電極21とで仕事関数が異なってしまう場合がある。
そこで、ステップS2においては、既知の手法により、画素電極9及び対向電極21の仕事関数を測定する仕事関数測定工程を行う。尚、本実施の形態においては、仕事関数測定工程の結果、例えば図5に示すように、画素電極9の仕事関数が、4.8eV(エレクトロンボルト)、対向電極21の仕事関数が6.0eVであったとする。
次いで、ステップS3において、画素電極9の仕事関数と、対向電極21の仕事関数とに差があるか否かを判定する。具体的には、画素電極9の仕事関数と、対向電極21の仕事関数とに一定範囲である0.5eVより大きな差があるか否かを判定する。
一方、本実施の形態のように、画素電極9の仕事関数が、4.8eV、対向電極21の仕事関数が6.0eVで、仕事関数が0.5eVより大きな差がある場合は(6.0−4.8=1.2eV>0.5eV)、ステップS4に移行する。他方、ステップS2における仕事関数測定工程の結果、画素電極9の仕事関数と、対向電極21の仕事関数とに差がない場合、即ち、仕事関数が0.5eV以下の差の場合、ステップS5にジャンプする。
ステップS4では、画素電極9の仕事関数と、対向電極21の仕事関数とに差があると、上述したように、液晶50に対して剥き出しになった画素電極9の部位9mと、液晶50に対して剥き出しになった対向電極21の部位とで、不純物イオンの吸着量に、極端な偏りが生じやすくなってしまい、液晶パネル1における表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良が発生しやすくなってしまうという問題があることから、画素電極9の仕事関数と対向電極21の仕事関数とを、差が0.5eV以下となるよう略一致させる湿式表面処理工程であるハロゲン処理工程を行う。
具体的には、仕事関数が相対的に小さい方の電極に対して、湿式の表面処理であるハロゲン処理を行い、仕事関数が相対的に小さい方の電極の仕事関数を、仕事関数が相対的に大きい方の電極の仕事関数に略一致させる。
より具体的には、画素電極9の方が、対向電極21よりも仕事関数が相対的に小さい場合、画素電極9に対して、仕事関数が対向電極21の仕事関数と略一致するよう、ハロゲン処理を行う。尚、ハロゲン処理は、周知のように、仕事関数を大きくする作用がある。
ハロゲン処理の一例を挙げると、画素電極9を具備するTFT基板10を、ハロゲンを用いた溶液である臭素水(1.0wt%)に、常温で5〜10分間浸漬させることにより行う。尚、ハロゲンを用いた溶液としては、フッ素水、塩素水、ヨウ素水、またはこれらの混合物からなる溶液等であっても構わない。
また、ハロゲン処理は、例えばTFT基板10を10枚ほどカセットに収容させて、臭素水が貯留されたバッチ槽にカセットを浸漬させるバッチ処理により、一度に複数毎の処理を行うようにしても良い。さらに、ハロゲン処理後、TFT基板10に対し、水洗処理、乾燥処理が施される。
ステップS4におけるハロゲン処理の結果、画素電極9の仕事関数は、図5に示すように、5.7eVとなり、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差が、0.5eV以下となることが(6.0−5.7=0.3eV≦0.5eV)、実験の結果、分かった。
よって、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差が、0.5eVよりも大きいままで、液晶パネル1を製造し、該液晶パネル1を駆動すると、図5に示すように、10時間駆動後の画素電極9の電位は、対向電極21の電位に対し、0.18Vもマイナス側にシフトしてしまうことが、実験の結果分かり、上述したような表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良が発生してしまう。
しかしながら、本実施の形態のように、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差を、0.5eV以下として、液晶パネル1を製造し、該液晶パネル1を駆動すると、図5に示すように、10時間駆動後の画素電極9の電位は、対向電極21の電位に対し、0.05Vしかマイナス側にシフトしないことが実験の結果分かり、上述したような表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良を防止することができることが分かった。
図4に戻って、最後に、ステップS5では、画素電極9、対向電極21上に、上述したように、斜方蒸着法により、無機配向膜16、26をそれぞれ形成する無機配向膜形成工程を行う。
このように、本実施の形態においては、画素電極9、対向電極21の形成後、各電極9、21の仕事関数を測定し、仕事関数の差が0.5eVよりも大きい場合は、仕事関数の小さい方の電極を具備する基板に対して、ハロゲン処理を行うと示した。
このことによれば、各電極9、21を形成した後、製法やプロセスに違いにより、電極の形状や表面積の違いが発生し、電極9と電極21とで仕事関数が0.5eVよりも大きな差になってしまったとしても、仕事関数が相対的に低い方の電極を具備する基板に湿式の表面処理であるハロゲン処理を行うことにより、仕事関数が相対的に低い方の電極の仕事関数を、仕事関数が相対的に高い方の電極の仕事関数に、一定範囲内において一致させることができる。
よって、TFT基板10と対向基板20とで電極の仕事関数に違いが生じ、液晶50中に介在されたプラスイオンが仕事関数の大きい電極の界面に溜まるとともに、液晶中に介在されたマイナスイオンが仕事関数の小さい電極の界面に溜まることによるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶装置の製造方法を提供することができる。
尚、以下変形例を示す。
本実施の形態においては、画素電極9の仕事関数が、対向電極21の仕事関数よりも相対的に小さいとして、画素電極9に対し、ハロゲン処理を行うと示したが、これに限らず、対向電極21の仕事関数が、画素電極9の仕事関数よりも相対的に小さい場合、対向電極21に対し、本実施の形態と同様のハロゲン処理を行ったとしても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、ハロゲン処理後、再度、画素電極9及び対向電極21の仕事関数を測定して、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差が、0.5eV以下となっていることを確認した後、無機配向膜16、26を形成しても構わない。
(第2実施の形態)
図6は、本実施の形態の液晶装置の製造方法を示すフローチャート、図7は、本実施の形態における画素電極、対向電極に対し酸処理を施した場合と、施さない場合とにおける駆動10時間後の電位変動を示す図表である。
この第2実施の形態の液晶装置の製造方法は、上述した第1実施の形態の液晶装置の製造方法と比して、仕事関数が相対的に低い方の電極に対し、ハロゲン処理の代わりに酸処理を行う点のみが異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態の液晶装置と同様の構成部材には同じ符号を付し、その説明は省略する。
尚、本実施の形態においても、画素電極9、対向電極21、無機配向膜16、26の形成方法以外の液晶装置の製造方法については、周知であるため、その説明は省略する。
図6に示すように、先ず、ステップS1において、図4のステップS1と同様に、電極形成工程を行う。
次いで、ステップS2においては、図4のステップS2と同様に、既知の手法により、画素電極9及び対向電極21の仕事関数を測定する仕事関数測定工程を行う。尚、本実施の形態においては、仕事関数測定工程の結果、例えば図7に示すように、画素電極9の仕事関数が、5.9eV、対向電極21の仕事関数が4.8eVであったとする。
次いで、ステップS3において、図4のステップS3と同様に、画素電極9の仕事関数と、対向電極21の仕事関数とに差があるか否かを判定する。具体的には、画素電極9の仕事関数と、対向電極21の仕事関数とに0.5eVより大きな差があるか否かを判定する。
一方、本実施の形態のように、画素電極9の仕事関数が、5.9eV、対向電極21の仕事関数が4.8eVで、仕事関数が0.5eVより大きな差がある場合は(5.9−4.8=1.1eV>0.5eV)、ステップS10に移行する。他方、ステップS2における仕事関数測定工程の結果、画素電極9の仕事関数と、対向電極21の仕事関数とに差がない場合、即ち、仕事関数が0.5eV以下の差の場合、ステップS5にジャンプする。
ステップS10では、画素電極9の仕事関数と対向電極21の仕事関数とを、差が0.5eV以下となるよう略一致させる湿式表面処理工程である酸処理工程を行う。
具体的には、仕事関数が相対的に小さい方の電極に対して、湿式の表面処理である酸処理を行い、仕事関数が相対的に小さい方の電極の仕事関数を、仕事関数が相対的に大きい方の電極の仕事関数に略一致させる。
より具体的には、本実施の形態においては、対向電極21の方が、画素電極9よりも仕事関数が相対的に小さいことから、対向電極21に対して、仕事関数が画素電極9の仕事関数と略一致するよう、酸処理を行う。尚、酸処理は、周知のように、仕事関数を大きくする作用がある。
酸処理の一例を挙げると、対向電極21を具備する対向基板20を、酸を用いた溶液である硝酸水溶液(6.0wt.%)に、常温で5〜10分間浸漬させることにより行う。尚、酸を用いた溶液としては、塩酸、硫酸、リン酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、またはこれらの混合物等からなる溶液である一般的な無機プロトン酸を用いた溶液や、酢酸、シュウ酸、安息香酸、ギ酸、クエン酸、コハク酸またはこれらの混合物等からなる溶液である一般的な有機酸を用いた溶液であっても構わない。
また、酸処理も、例えば対向基板20を10枚ほどカセットに収容させて、硝酸水溶液が貯留されたバッチ槽にカセットを浸漬させるバッチ処理により、一度に複数毎の処理を行うようにしても良い。さらに、酸処理後、対向基板20に対し、水洗処理、乾燥処理が施される。
ステップS10における酸処理の結果、対向電極21の仕事関数は、図7に示すように、5.7eVとなり、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差が、0.5eV以下となることが(5.9−5.7=0.2eV≦0.5eV)、実験の結果、分かった。
よって、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差が、0.5eVよりも大きいままで、液晶パネル1を製造し、該液晶パネル1を駆動すると、図7に示すように、10時間駆動後の画素電極9の電位は、対向電極21の電位に対し、0.15Vもプラス側にシフトしてしまうことが、実験の結果分かり、上述したような表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良が発生してしまう。
しかしながら、本実施の形態のように、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差を、0.5eV以下として、液晶パネル1を製造し、該液晶パネル1を駆動すると、図7に示すように、10時間駆動後の画素電極9の電位は、対向電極21の電位に対し、0.03Vしかプラス側にシフトしないことが実験の結果分かり、上述したような表示画像の焼き付き、フリッカ等の表示不良を防止することができることが分かった。
図6に戻って、最後に、ステップS5では、図4のステップS5と同様に、画素電極9、対向電極21上に、上述したように、斜方蒸着法により、無機配向膜16、26をそれぞれ形成する無機配向膜形成工程を行う。
このように、本実施の形態においては、画素電極9、対向電極21の形成後、各電極9、21の仕事関数を測定し、仕事関数の差が0.5eVよりも大きい場合は、仕事関数の小さい方の電極に対して、酸処理を行うと示した。
このことによれば、各電極9、21を形成した後、製法やプロセスに違いにより、電極の形状や表面積の違いが発生し、電極9と電極21とで仕事関数が0.5eVよりも大きな差になってしまったとしても、仕事関数が相対的に低い方の電極を具備する基板に湿式の表面処理である酸処理を行うことにより、仕事関数が相対的に低い方の電極の仕事関数を、仕事関数が相対的に高い方の電極の仕事関数に、一定範囲内において一致させることができる。
よって、TFT基板10と対向基板20とで電極の仕事関数に違いが生じ、液晶50中に介在されたプラスイオンが仕事関数の大きい電極の界面に溜まるとともに、液晶中に介在されたマイナスイオンが仕事関数の小さい電極の界面に溜まることによるイオンの偏りにより発生する液晶装置におけるフリッカや焼き付き等の表示不良を、確実に防止することができる液晶装置の製造方法を提供することができる。
尚、以下変形例を示す。
本実施の形態においては、対向電極21の仕事関数が、画素電極9の仕事関数よりも相対的に小さいとして、対向電極21に対し、酸処理を行うと示したが、これに限らず、画素電極9の仕事関数が、対向電極21の仕事関数よりも相対的に小さい場合、画素電極9に対し、本実施の形態と同様の酸処理を行ったとしても、上述した本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態においても、酸処理後、再度、画素電極9及び対向電極21の仕事関数を測定して、画素電極9と対向電極21との仕事関数の差が、0.5eV以下となっていることを確認した後、無機配向膜16、26を形成しても構わない。
尚、以下、別の変形例を、図8を用いて示す。図8は、第1実施及び第2実施の形態の液晶装置の製造方法の変形例を示すフローチャートである。
上述した第1実施の形態及び第2実施の形態においては、画素電極9、対向電極21形成後に、画素電極9、対向電極21の仕事関数をそれぞれ測定すると示した。
これに限らず、先ず初めに、各電極9、21を形成後、そのまま無機配向膜16、26を形成する工程を経て、液晶パネル1を製造した後、液晶パネル1を駆動させて、画素電極9と対向電極21との間の電位の方向や大きさのズレを確認する工程を行い、該ズレの情報から、同一プロセスで製造する液晶パネル1における画素電極9と対向電極21とのいずれかに、上述したハロゲン処理または酸処理を行って、画素電極9と対向電極21との仕事関数を略一致させても構わない。
具体的には、図8に示すように、先ず、ステップS11において、上述したように、各電極9、21に何等湿式の表面処理を施さない状態において、液晶パネル1を製造した後、該液晶パネル1を駆動させて、画素電極9と対向電極21との間の電位の方向や大きさのズレを確認する電位ズレ確認工程を行う。
次いで、ステップS1において、次に製造する液晶パネル1に対して、上述した図4、図6のステップS1同様、画素電極9、対向電極21を形成する。尚、この際、画素電極9、対向電極21の形成は、先にステップS11で製造した液晶パネルの画素電極9、対向電極21と同一プロセスで製造する。
次いで、ステップS12において、ステップS11で行ったズレ確認工程により、画素電極9に対する対向電極21の電位の方向や大きさのズレから、画素電極9または対向電極21に上述したハロゲン処理または酸処理を行う。
具体的には、画素電極9に対する対向電極21の電位が、一方、マイナス側にずれていた場合は、画素電極9に対して、電位のズレの大きさを考慮した条件により、ハロゲン処理または酸処理を行う。他方、プラス側にずれていた場合は、対向電極21に対して、電位のズレの大きさを考慮した条件により、ハロゲン処理または酸処理を行う。
最後に、ステップS5において、図4、図6のステップS5と同様に、画素電極9、対向電極21上に、上述したように、斜方蒸着法により、無機配向膜16、26をそれぞれ形成する無機配向膜形成工程を行う。
このような製造方法によっても、上述した第1及び第2実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、この手法は、画素電極9、対向電極21の仕事関数が測定できない場合により有効である。
また、以下、別の変形例を示す。
上述した第1及び第2実施の形態においては、液晶装置の液晶パネルは、光透過型の液晶パネルを例に挙げて説明したが、これに限らず、本実施の形態の製造方法は、反射型の液晶パネルに適用しても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上述した第1及び第2実施の形態においては、無機配向膜16、21は、垂直配向モードの液晶50の配向に用いると示したが、これに限らず、斜方蒸着の角度θによっては、水平配向モードの液晶の配向に用いても構わない。
また、液晶装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上述した液晶装置は、TFT(薄膜トランジスタ)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールを例に挙げて説明したが、これに限らず、TFD(薄膜ダイオード)等のアクティブ素子(能動素子)を用いたアクティブマトリクス方式の液晶表示モジュールであっても構わない。
本実施の形態の製造方法により製造される液晶装置における液晶パネルの平面図。 図1中のII-II線に沿って切断した断面図。 図1の液晶パネルにおける画素電極及び無機配向膜と、その近傍を示す部分拡大断面図。 第1実施の形態の液晶装置の製造方法を示すフローチャート。 第1実施の形態における画素電極、対向電極に対しハロゲン処理を施した場合と、施さない場合とにおける駆動10時間後の電位変動を示す図表。 第2実施の形態の液晶装置の製造方法を示すフローチャート。 第2実施の形態における画素電極、対向電極に対し酸処理を施した場合と、施さない場合とにおける駆動10時間後の電位変動を示す図表。 第1実施及び第2実施の形態の液晶装置の製造方法の変形例を示すフローチャート。 対向基板側の対向電極の仕事関数が、TFT基板側の画素電極の仕事関数よりも大きくなった状態を概略的に示す図。 対向電極に対し画素電極が、マイナス側にシフトした状態を示す図。 TFT基板側の画素電極の仕事関数が、対向基板側の対向電極の仕事関数よりも大きくなった状態を概略的に示す図。 対向電極に対し画素電極が、プラス側にシフトした状態を示す図。
符号の説明
1…液晶パネル、9…画素電極、10…TFT基板、16…無機配向膜、20…対向基板、21…対向電極、26…無機配向膜、50…液晶。

Claims (6)

  1. 第1の基板と該第1の基板に対向する第2の基板との間に、液晶が介在される液晶パネルを具備する液晶装置の製造方法であって、
    前記第1の基板及び前記第2の基板に、前記液晶に駆動電圧を印加する電極をそれぞれ形成する電極形成工程と、
    前記第1の基板と前記第2の基板とのいずれか一方の前記電極に、湿式の表面処理を行う湿式表面処理工程と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の前記電極上に、無機配向膜をそれぞれ形成する無機配向膜形成工程と、
    を具備することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 前記湿式表面処理工程は、ハロゲンを用いた溶液中に、前記第1の基板と前記第2の基板とのいずれかを浸漬させるハロゲン処理工程であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  3. 前記湿式表面処理工程は、酸を用いた溶液中に、前記第1の基板と前記第2の基板とのいずれかを浸漬させる酸処理工程であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  4. 前記電極形成工程後、前記湿式表面処理工程に先立って、前記第1の基板及び前記第2の基板の各前記電極の仕事関数を測定する仕事関数測定工程を具備し、
    前記湿式表面処理工程は、前記第1の基板及び前記第2の基板の各前記電極の内、前記仕事関数が相対的に低い方の前記電極に対して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶装置の製造方法。
  5. 前記第1の基板及び前記第2の基板の各前記電極は、透明電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶装置の製造方法。
  6. 前記液晶パネルは、光透過型の液晶パネルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項の記載の液晶装置の製造方法。
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