JP2008179946A - 支保工用スクレッパ - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリートによる凹凸を削り取りトンネル壁面を平滑にする作業の確実性及び作業容易性の向上、更には作業の迅速性の向上。
【解決手段】 コンクリートC1を削り取るスクレッパ本体1と、該スクレッパ本体1を揺動可能に支持する支持部2A及び操作機器に対して取り付けるための連結部2Bを有した支持体2とを備えた。
【選択図】 図4

Description

本発明は、掘削されたトンネルの壁面を支持する多数の支保工をトンネルの掘削方向に沿って並列状に建て込んだ後、吹き付けされたコンクリートによる凹凸を平滑に削り取るための支保工用スクレッパに関する。
現在、トンネルを施工する際には、一般的に次の方法で行っている。
1.掘削
2.コンクリートの一次吹き付け
3.支保工の建て込み
4.コンクリートの二次吹き付け
5.コンクリートによる凹凸を削り取りトンネル壁面を平滑にする
6.ボルトによるコンクリート及び支保工の固定
7.覆工コンクリートの打設
前記したトンネルの施工方法によれば、コンクリートの吹き付けにより岩盤表面を外気に触れないようにして岩盤の風化を防ぐことができる。
又、一次及び二次吹き付けしたコンクリートと支保工とで一体とする支保構造を構築することにより、トンネルを支持して地山の崩落を防ぐことができる。
特に、コンクリートによる凹凸を削り取りトンネル壁面を平滑にすることにより、応力集中の発生を防ぎ、しかも覆工コンクリートの巻厚が一定になり品質が向上し、その上、覆工コンクリートの打設時のコンクリートの食い込みが抑えられるのでコストの低減が図れる。
ところで、前記したように応力集中の発生を防ぐ、品質の向上、コストの低減ということを実現するために、「5.コンクリートによる凹凸を削り取りトンネル壁面を平滑にする」ことにおいて、その確実性及び作業容易性、更には作業の迅速性が求められる。
前記コンクリートによる凹凸を削り取る手段としては、例えば、次の特許文献1に記載のスクレッパ(スクレーパ)等を用いて削り取ることが挙げられる。
特開2001-207787号公報
特許文献1に記載のスクレッパ(スクレーパ)は、地山を掘削してトンネルを形成するTBM(トンネルボーリングマシン)に設けられて、該TBMによる掘削時に生じる「ずり(掘削土)」土を掻き取るようにしたものである。
しかしながら、特許文献1では、掘削されたトンネルの壁面を支持する多数の支保工をトンネルの掘削方向に沿って並列状に建て込んだ後、吹き付けされたコンクリートによる凹凸を平滑に削り取るということに関して想定されておらず、その確実性及び作業容易性、更には作業の迅速性を実現できないものであると推察できる。
本発明は、コンクリートによる凹凸を削り取りトンネル壁面を平滑にする作業の確実性及び作業容易性の向上、更には作業の迅速性の向上を実現することを課題とし、この課題を解決する支保工用スクレッパの提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明が採用した技術的手段は、掘削されたトンネルの壁面を支持する多数の支保工をトンネルの掘削方向に沿って並列状に建て込んだ後、吹き付けされたコンクリートによる凹凸を平滑に削り取るための支保工用スクレッパであって、コンクリートを削り取るスクレッパ本体と、該スクレッパ本体を揺動可能に支持する支持部及び操作機器に対して取り付けるための連結部を有した支持体とを備えてなり、前記スクレッパ本体は、その削り取り方向を揺動方向と交差する方向にしていることを特徴とする支保工用スクレッパにしたことである。
又、支保工に吹き付けられたコンクリートを効果的に削り取るということから、前記スクレッパ本体が2枚の板状体からなり、該板状体は、その縁部側がコンクリートを削り取る部位であり、該削り取る部位の長手側が揺動方向と平行であることを特徴とする支保工用スクレッパにすることが好ましい。
又、支保工間に吹き付けられたコンクリートを効果的に削り取るということから、前記スクレッパ本体が隣り合う支保工に亘って架け渡される長さの板状をなし、その平面部側がコンクリートを削り取る部位であり、該削り取る部位の長手側が揺動方向に平行であることを特徴とする支保工用スクレッパにすることが好ましい。
本発明でいう支保工とは、例えば、H鋼やアングル鋼等の各種鋼材をトンネルの断面形状に曲げ加工したものである。
又、本発明でいう操作機器とは、例えば、油圧ショベル等のような、角度や方向性の変更操作が可能なアームと、該アームに対して着脱可能なバケットとを有した建設機械であり、且つ前記バケットに換えて支保工用スクレッパを取り付けられるものであればよい、
又、本発明でいう支持体の連結部とは、例えば、前記アームに対して取り付けるためのアタッチメントを一体に備えたものや、アタッチメントを介してアームに取り付けるようなものが挙げられる。
本発明によれば、コンクリートによる凹凸を削り取りトンネル壁面を平滑にする作業の確実性及び作業容易性の向上、更には作業の迅速性の向上が実現できる。
以下、本発明に係る支保工用スクレッパ(以下「スクレッパ」という)を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4に示すスクレッパAは、支保工Cに吹き付けられたコンクリートC1を効果的に削り取るためのものであり、図5〜図7に示すスクレッパBは、支保工C及び支保工C間に吹き付けられたコンクリートC1を効果的に削り取るためのものである。
スクレッパAは、コンクリートを削り取るスクレッパ本体1と、該スクレッパ本体1を揺動可能に支持する支持部2A及び操作機器に対して取り付けるための連結部2Bを有した支持体2とを備えて構成されている。
スクレッパ本体1は、略長方形とする2枚の鋼を用いた板状体11,12とからなり、該板状体11,12を互いに間隔をあけて平面部11A,12Aが正対するように配置すると共に、該平面部11A,12A同士を連結板13で連結した一体構造としている。
又、スクレッパ本体1は、板状体11,12の長手側の縁部11B,12Bを、コンクリートC1を削り取る部位にし、該縁部11B,12Bの対面方向をコンクリートC1の削り取り方向にしている。
又、前記縁部11B,12Bは、図2及び図3において上下両方にあり、スクレッパAの使用方向を上下いずれも使用できるようにしている。
図中、符号14は、前記支持部2Aがスクレッパ本体1を支持するための軸部であり、該軸部14が前記平面部11A,12Aに亘って固着されている。
尚、以下では、前記縁部を刃先部といい換えて説明し、該刃先部に符号11B,12Bを付す。
前記板状体11,12は、少なくとも刃先部11B,12Bに相当する部位を焼入れ及び焼戻ししてコンクリートC1を削り取る刃先部11B,12Bとして構成したもの、あるいは、焼入れ及び焼戻しを施した板材を刃先部11B,12Bに相当する部位に溶接してコンクリートC1を削り取る刃先部11B,12Bを構成したものであり、この構成によりコンクリートC1の固さに負けない強度を有する刃先部11B,12Bを形成している。
支持体2は、その支持部2Aが前記板状体11,12の間に位置し、スクレッパ本体1側の端部に前記軸部14に対して同心で回動可能に嵌合する嵌合管21を有し、反対側の端部には、油圧ショベル等の建設機械(図示せず)のアーム(図示せず)に取り付けるアタッチメントDが挿入される挿入管からなる連結部2Bを有して構成されている。
この構成により、前記建設機械のアームに対して着脱でき、スクレッパ本体1を削り方向と交差する方向に揺動可能に支持することができる。
尚、本形態では、前記連結部2BにアタッチメントDが挿入されて連結するようにしており、この構成によりスクレッパAの着脱が抜き差しにより容易にできるようになっているが、本発明では、この形態に限定されるものではない。
本形態のスクレッパAによれば、図4に示すように、スクレッパ本体1の長手方向を支保工Cの長手方向と交差するように対面させて、刃先部11B,12BをコンクリートC1に接触させた位置にする。
このとき、支持体2に対してスクレッパ本体1が揺動するので、刃先部11B,12Bを所定位置にする操作を容易に行える。
そして、スクレッパ本体1を支保工Cの長手方向に沿って移動させながら、コンクリートC1に対して押付けることにより、支保工Cに付着したコンクリートC1を削り取ることができる。
このとき、支持体2に対してスクレッパ本体1が揺動するので、図4に示すように刃先部11B,12Bを支保工Cのケレン面C2に対して平行に接触させることができるので、コンクリートC1を残さず確実に凹凸なく平滑に削り取ることができる。
次に、本形態のスクレッパBの構成を説明すると、スクレッパ本体1は、長手方向が隣り合う支保工Cに亘って架け渡される長さの板状をなし、支保工Cと対面する平面部15がコンクリートC1を削り取る部位であり、該平面部15が支保工Cと、該支保工C間のコンクリートC1と対面するようにされている。
又、スクレッパ本体1は、その短手側方向をコンクリートC1の削り取り方向にしている。
又、スクレッパ本体1は、少なくとも平面部15に相当する部位を焼入れ及び焼戻ししてコンクリートC1を削り取る平面部15として構成したもの、あるいは、焼入れ及び焼戻しを施した板材を平面部15に相当する部位に溶接してコンクリートC1を削り取る平面部15を構成したものであり、この構成によりコンクリートC1の固さに負けない強度を有する平面部15を形成している。
図中、符号16は、支持体2に対してスクレッパ本体1を揺動可能に軸支するための軸部であり、該軸部16は、その軸心方向をスクレッパ本体1の短手方向と平行にしている。
支持体2は、前記軸部16に軸支される支持部2Aと、アタッチメントDが抜き差し可能に挿入される挿入管からなる連結部2Bを有して構成されている。
支持部2Aは、前記軸部16が貫通する貫通孔23Aが開孔された板状のものであり、前記連結部2Bのスクレッパ本体1側端部に固着されている。
この構成により、前記建設機械のアームに対して着脱でき、スクレッパ本体1を削り方向と交差する方向に揺動可能に支持することができる。
図中、符号24は、バランスウエイトである。
尚、本形態では、前記連結部2BにアタッチメントDが挿入されて連結するようにしており、この構成によりスクレッパBの着脱が抜き差しにより容易にできるようになっているが、本発明では、この形態に限定されるものではない。
本形態のスクレッパBによれば、図7に示すように、スクレッパ本体1の平面部15をその長手方向が支保工Cの長手方向と交差するように、且つ支保工間に架け渡されるように対面させて、該平面部15をコンクリートC1に接触させた位置にする。
このとき、支持体2に対してスクレッパ本体1が揺動するので、平面部15を所定位置にする操作を容易に行える。
そして、スクレッパ本体1を支保工Cの長手方向に沿って移動させながら、コンクリートC1に対して押付けることにより、支保工Cに付着したコンクリートC1を削り取ると共に、支保工C間のコンクリートC1を削り取ることができる。
このとき、支持体2に対してスクレッパ本体1が揺動するので、図7に示すように、平面部15を支保工Cのケレン面C2に対して平行に接触させることができるので、該ケレン面C2ばかりでなく、支保工C間のコンクリートC1を凹凸なく平滑に、しかもケレン面C2と同面に削り取ることができる。
なお、本発明は、例示した実施の形態に限定するものでは無く、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
本発明に係る支保工用スクレッパ(A)の平面図。 同、側面図。 同、正面図。 支保工用スクレッパ(A)の使用状態を示す。 本発明に係る支保工用スクレッパ(B)の底面図。 同、側面図。 支保工用スクレッパ(B)の使用状態を示す。
符号の説明
A:スクレッパ(支保工用スクレッパ)
B:スクレッパ(支保工用スクレッパ)
C:支保工
C1:コンクリート
C2:ケレン面
1:スクレッパ本体
2:支持体
11:板状体
12:板状体
14:軸部
11A:刃先部(縁部)
12B:刃先部(縁部)
15:平面部
16:軸部
2A:支持部
2B:連結部
21:嵌合管
23A:貫通孔

Claims (3)

  1. 掘削されたトンネルの壁面を支持する多数の支保工をトンネルの掘削方向に沿って並列状に建て込んだ後、吹き付けされたコンクリートによる凹凸を平滑に削り取るための支保工用スクレッパであって、
    コンクリートを削り取るスクレッパ本体と、該スクレッパ本体を揺動可能に支持する支持部及び操作機器に対して取り付けるための連結部を有した支持体とを備えてなり、
    前記スクレッパ本体は、その削り取り方向を揺動方向と交差する方向にしていることを特徴とする支保工用スクレッパ。
  2. 前記スクレッパ本体が2枚の板状体からなり、該板状体は、その縁部側がコンクリートを削り取る部位であり、該削り取る部位の長手側が揺動方向と平行であることを特徴とする請求項1に記載の支保工用スクレッパ。
  3. 前記スクレッパ本体が隣り合う支保工に亘って架け渡される長さの板状をなし、その平面部側がコンクリートを削り取る部位であり、該削り取る部位の長手側が揺動方向に平行であることを特徴とする請求項1に記載の支保工用スクレッパ。
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