JP2008179918A - 低臭気セルロースエステル繊維およびその製造方法 - Google Patents

低臭気セルロースエステル繊維およびその製造方法 Download PDF

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Tomoko Ichikawa
智子 市川
Akihisa Sato
瑛久 佐藤
Yoshitaka Aranishi
義高 荒西
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Abstract

【課題】 酢酸、プロピオン酸など遊離カルボン酸を低減させ、臭気が少なく色調が良好なセルロースエステル繊維を提供する。
【解決手段】 遊離カルボン酸が35ppm以下であり、エステル側鎖の少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基であるセルロースエステルを主成分とし、比表面積が0.01〜1.0m/gであり、色調の指標であるb値が0〜7であることを特徴とするセルロースエステル繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースエステル繊維およびその製造方法に関するものである。より詳しくは酢酸、プロピオン酸など遊離カルボン酸を低減し、臭気が少なく色調が良好なセルロースエステル繊維およびその製造方法に関するものである。
セルロースエステルやセルロースエーテルなどのセルロース系材料は、地球上で最も大量に生産されるバイオマス材料として、また自然環境下にて生分解可能な材料として、昨今、大きな注目を集めている。加えて、セルロース系材料は屈折率が低いため、それを繊維にした場合には鮮明発色性に優れるという長所も併せ持っている。
セルロース系繊維は、溶融紡糸法によって繊維化することができないため、溶媒を使用する湿式あるいは乾式の製糸方法によって製造されているが、この溶媒には有害なものが多く環境負荷が懸念される。また、溶液紡糸では生産速度が遅く、溶媒の回収による費用増加もあるためコストが高いことも課題である。
このため環境負荷の低減および生産性向上を目的として、セルロース混合脂肪酸エステルを溶融紡糸して繊維を得る技術が提案されている(特許文献1参照)。この技術は、セルロースに脂肪酸エステル(アルキル基)を導入することで、セルロースに熱可塑性を付与するというものである。
セルロース混合脂肪酸エステルは溶融紡糸する際に熱履歴を与えることで、着色などが生じるため、亜リン酸エステルなどの着色防止剤を添加することが知られている。これらによって、セルロース混合脂肪酸エステルの酸化を抑制することは可能であるが、セルロース混合脂肪酸エステルの側鎖の熱分解により生じる酢酸などの有機カルボン酸の発生を抑制することができない。溶融紡糸時あるいは製品として使用している際に有機カルボン酸が繊維中から析出してくると、臭気などが問題となる。
射出成形などによって得られた成形物において、カルボジイミドを添加することで臭気を低減するという手法が提案されている(特許文献2参照)。溶融紡糸によって繊維化する際には、射出成形により成形物を得る場合と比べて高い熱流動性が必要である。高い熱流動性を得るために、高い成形温度にする際にはフリーのポリカルボジイミドなどの反応性化合物が多いと、不溶成分の増大、色調不良などの問題が生じる恐れがある。また、長期の繊維としての使用において、カルボジイミドなどがブリードアウトしてしまうという問題がある。
以上のことから、依然としてセルロースエステル繊維のカルボン酸による臭気は充分に低減できていないというのが現状である。
特開2004−182979号公報(第1頁) 特開2006−183009号公報(第1頁、第23頁)
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、酢酸、プロピオン酸など遊離カルボン酸を低減し、臭気が少なく色調が良好なセルロースエステル繊維およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、低臭気なセルロースエステル繊維を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の構成を有するものである。
(1)遊離カルボン酸が35ppm以下であり、エステル側鎖の少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基であるセルロースエステルを主成分とし、比表面積が0.01〜1.0m/gであり、色調の指標であるb値が0〜7であることを特徴とするセルロースエステル繊維。
(2)エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、オキサジン系化合物、アジリジン系化合物、イソシアネート系化合物から選択される少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする前記(1)に記載のセルロースエステル繊維。
(3)エステル側鎖の少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基であるセルロースエステルを主成分とするセルロースエステル組成物を溶融紡糸して繊維化した後に60℃以上の温水で該繊維を洗浄することを特徴とするセルロースエステル繊維の製造方法。
本発明によれば、熱流動性および曳糸性に優れ、溶融紡糸による繊維化が容易であり、セルロースエステルを主成分とする臭気の少なく色調が良好なセルロースエステル繊維を得ることができる。
以下、本発明の低臭気セルロースエステル繊維についてさらに詳細に説明する。
本発明におけるセルロースエステル繊維は遊離カルボン酸が35ppm以下であり、エステル側鎖の少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基であるセルロースエステルを主成分とし、比表面積が0.01〜1.0m/gであることを特徴とするものである。
本発明のセルロースエステル繊維は、セルロースエステルを主成分とするものである。セルロースエステルを主成分とする繊維は、セルロースエステル特有の優れた発色性を得ることができるため好ましい。本発明のセルロースエステル繊維は、セルロースエステルを70重量%以上含有することが好ましい。セルロースエステルの含有量が70重量%以上では、セルロースエステル繊維が持つ鮮明発色性などが効果的に発現されるため好ましい。セルロースエステルの含有量は85重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
本発明におけるセルロースエステルは、セルロースのグルコース単位あたり3つある水酸基の少なくとも一部がエステル結合で置換されているものである。セルロースのグルコース単位あたり3つある水酸基のうち、2つ以上がエステル結合で置換されたセルロースエステルであることが好ましく、残りの水酸基は置換されていないもの、カルバメート結合、エーテル結合で置換されているものが好ましく用いられるがこれに限定されない。
本発明のセルロースエステルは、セルロースのグルコース単位あたり3つある水酸基の少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基であるセルロースエステルであることが好ましい。少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基とすることにより、より柔軟な繊維を得ることができる。
少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基で置換されているセルロースエステルの具体例としては、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートブチレートおよびセルロースブチレートなどを例示することができるが、なかでもセルロースにアシル基炭素数が2であるアセチル基とアシル基炭素数が3であるプロピオニル基が結合したセルロースアセテートプロピオネート、およびセルロースにアシル基炭素数が2であるアセチル基とアシル基炭素数が4であるブチリル基が結合したセルロースアセテートブチレートからなる繊維は、適度な吸湿性や良好な力学特性を有するため、本発明では特に好ましく用いられる。
セルロースエステルとして、セルロースアセテートプロピオネートおよび/またはセルロースアセテートブチレートを用いる場合、セルロースエステル全置換度(アセチル置換度+アシル置換度)は下記式(I)を満たすことが好ましい。すなわち、セルロースエステル全置換度(アセチル置換度+アシル置換度)が2.5以上3.0以下の範囲にあれば、溶融成形時の熱流動性が良好であるため、繊維の着色を防止することができ、色調が良好な繊維が得られるため好ましい。セルロースエステル全置換度は、より好ましくは2.6以上2.9以下である。
(I)2.5≦アセチル置換度+アシル置換度≦3.0
アセチル置換度とアシル置換度は、繊維および布帛とした場合でも熱軟化温度が高く、適度な吸湿性を有するために、下記式(II)、(III)を満たすことが好ましい。
(II)1.5≦アセチル置換度≦2.5
(III)0.5≦アシル置換度≦1.5
本発明におけるセルロースエステルの重量平均分子量(Mw)は5万〜25万であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が5万以上の場合、セルロースエステル繊維の強度が高くなるため好ましい。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは6万以上であり、更に好ましくは8万以上である。重量平均分子量(Mw)が25万以下の場合、柔軟な繊維が得られるため好ましい。重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは22万以下であり、さらに好ましくは20万以下である。重量平均分子量(Mw)とは、GPC測定により算出した値をいい、実施例にて詳細に説明する。
本発明においてセルロースエステルを主成分とする繊維は、溶融紡糸法によって製造されることが、製糸効率及び製造時に有害な薬剤を使用しなくて良いという製糸環境の面からも望ましい要件である。また、溶融紡糸法を適用するにあたっては、セルロースエステルの他に可塑剤を含有することができる。可塑剤については、公知の可塑剤を適宜用いることができるが、セルロースエステルとの相溶性が良い多価アルコール系可塑剤が好ましく、グリセリン骨格を有したエステル化合物やポリアルキレングリコール、カプロラクトン系化合物などが特に好ましく用いられるが特に限定はされない。
具体的なグリセリン骨格を有したエステル化合物としては、グリセリンアセテートステアレート、グリセリンアセテートパルミテート、グリセリンアセテートラウレート、グリセリンアセテートカプレート、グリセリンアセテートオレート、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンテトラプロピオネート、ジグリセリンテトラブチレート、ジグリセリンテトラカプリレートおよびジグリセリンテトララウレートなどが挙げられる。
ポリアルキレングリコールの具体的な例としては、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
これらの可塑剤を単独もしくは併用して使用することができる。
これらの可塑剤は、溶融紡糸にあたって揮発しにくいことが重要であり、数平均分子量(Mn)が200以上であることが好ましい。しかし、数平均分子量(Mn)が高すぎる場合には可塑化効率が低下し、またセルロースエステルとの相溶性が不良となる場合があるので10000以下であることが好ましい。可塑剤の数平均分子量(Mn)は、より好ましくは300〜5000であり、最も好ましくは400〜2000である。数平均分子量(Mn)とは、GPC測定により算出した値をいい、実施例にて詳細に説明する。
可塑剤量は、得られる繊維がセルロースエステルとしての特性を維持するという観点から、セルロースエステルと可塑剤からなる組成物全体に対して5〜25重量%の範囲であることが好ましい。可塑剤量は10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上が更に好ましい。また、可塑剤量は20重量%以下であることが好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維には、酢酸、プロピオン酸に代表される有機カルボン酸と反応することができる官能基を有する化合物を1種以上含むことができる。該化合物は、エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、オキサジン系化合物、アジリジン系化合物、イソシアネート系化合物を挙げることができるが、これに限定されない。カルボン酸と反応させることで、繊維中の遊離カルボン酸量を低減することができるため、繊維からカルボン酸由来の臭気が低減されるため好ましい。該化合物はエポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物であることがより好ましい。
カルボン酸と反応させる化合物の分子量は400〜2000であることが好ましい。400以上であることで、セルロースエステル繊維の製造過程および使用時にブリードあるいは揮発が抑制されるため、好ましい。2000以下であることで、カルボン酸との反応性が向上するため好ましい。該化合物の260℃での加熱減量率は5%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。260℃での加熱減量率とは、TG−DTAなどの装置で測定できる値であり、化合物を室温から10℃/分で昇温した時の260℃での重量減少率を示す。
カルボン酸と反応させる化合物は1分子内に1つあるいは複数の官能基を有することができる。また、異なる種類の官能基を1分子内に有していても良い。
本発明に用いることのできる遊離カルボン酸と反応する化合物のうちカルボジイミド化合物の例としては、例えば、N,N’−ジ−o−トリイルカルボジイミド、N,N’−ジフェニルカルボジイミド、N,N’−ジオクチルデシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジメチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−tert.−ブチルフェニルカルボジイミド、N−トリイル−N’−フェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ニトロフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−アミノフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−ヒドロキシフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−シクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジ−o−トリイルカルボジイミド、p−フェニレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヘキサメチレン−ビス−ジシクロヘキシルカルボジイミド、エチレン−ビス−ジフェニルカルボジイミド,N,N’−ベンジルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−フェニルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−フェニルカルボジイミド、N−オクタデシル−N’−トリルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−トリルカルボジイミド、N−フェニル−N’−トリルカルボジイミド、N−ベンジル−N’−トリルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−エチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−o−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−イソブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−エチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミド、芳香族ポリカルボジイミドなどが挙げられる。さらには、これらのカルボジイミド化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択して添加すればよいが、反応性および耐熱性の点でN,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドが好ましい。
特に、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジ−tert.−ブチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジエチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2−イソブチル−6−イソプロピルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリメチルフェニルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,4,6−トリイソブチルフェニルカルボジイミドは重量が減少する温度が高いため、耐熱性や品位の低下を抑制できるため好ましく用いられる。ポリカルボジイミド中のカルボジイミド基の上限は20であることが好ましい。
本発明に用いることのできる遊離カルボン酸と反応する化合物のうち、エポキシ化合物の例としては、例えば、N−グリシジルフタルイミド、N−グリシジル−4−メチルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−3−メチルフタルイミド、N−グリシジル−3,6−ジメチルフタルイミド、N−グリシジル−4−エトキシフタルイミド、N−グリシジル−4−クロルフタルイミド、N−グリシジル−4,5−ジクロルフタルイミド、N−グリシジル−3,4,5,6−テトラブロムフタルイミド、N−グリシジル−4−n−ブチル−5−ブロムフタルイミド、N−グリシジルサクシンイミド、N−グリシジルヘキサヒドロフタルイミド、N−グリシジル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、N−グリシジルマレインイミド、N−グリシジル−α,β−ジメチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−エチルサクシンイミド、N−グリシジル−α−プロピルサクシンイミド、N−グリシジルベンズアミド、N−グリシジル−p−メチルベンズアミド、N−グリシジルナフトアミド、N−グリシジルステラミド、N−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−エチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−フェニル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−ナフチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、N−トリル−3−メチル−4,5−エポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸イミド、オルソフェニルフェニルグリシジルエーテル、2−メチルオクチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−(2−キセニルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、シクロヘキシルグリシジルエーテル、α−クレシルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイド、オクチレンオキサイド、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどが挙げられ、さらには、テレフタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジメチルジグリシジルエステル、フェニレンジグリシジルエーテル、エチレンジグリシジルエーテル、トリメチレンジグリシジルエーテル、テトラメチレンジグリシジルエーテル、ヘキサメチレンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのエポキシ化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択して用いれば良いが、反応性の点でエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、オルソフェニルフェニルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、N−グリシジルフタルイミド、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルなどが好ましい。
本発明に用いることのできる遊離カルボン酸と反応する化合物のうちオキサゾリン化合物の例としては、例えば、2−メトキシ−2−オキサゾリン、2−エトキシ−2−オキサゾリン、2−プロポキシ−2−オキサゾリン、2−ブトキシ−2−オキサゾリン、2−ペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−ヘプチルオキシ−2−オキサゾリン、2−オクチルオキシ−2−オキサゾリン、2−ノニルオキシ−2−オキサゾリン、2−デシルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロペンチルオキシ−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシルオキシ−2−オキサゾリン、2−アリルオキシ−2−オキサゾリン、2−メタアリルオキシ−2−オキサゾリン、2−クロチルオキシ−2−オキサゾリン、2−フェノキシ−2−オキサゾリン、2−クレジル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェノキシ−2−オキサゾリン、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−プロピル−2−オキサゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−ペンチル−2−オキサゾリン、2−ヘキシル−2−オキサゾリン、2−ヘプチル−2−オキサゾリン、2−オクチル−2−オキサゾリン、2−ノニル−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリン、2−シクロペンチル−2−オキサゾリン、2−シクロヘキシル−2−オキサゾリン、2−アリル−2−オキサゾリン、2−メタアリル−2−オキサゾリン、2−クロチル−2−オキサゾリン、2−フェニル−2−オキサゾリン、2−o−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−o−フェニルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−エチルフェニル−2−オキサゾリン、2−m−プロピルフェニル−2−オキサゾリン、2−p−フェニルフェニル−2−オキサゾリンなどが挙げられ、さらには、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4,4’−ジエチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−プロピル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−シクロヘキシル−2−オキサゾリン)、2,2’−ビス(4−ベンジル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−p−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−m−フェニレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−デカメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2’−テトラメチレンビス(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2’−9,9’−ジフェノキシエタンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−シクロヘキシレンビス(2−オキサゾリン)、2,2’−ジフェニレンビス(2−オキサゾリン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサゾリン化合物など、例えばスチレン・2−イソプロペニル−2−オキサゾリン共重合体などが挙げられる。これらのオキサゾリン化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択して用いることができる。
本発明に用いることのできる遊離カルボン酸と反応する化合物のうちオキサジン化合物の例としては、例えば、2−メトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−エトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−プロポキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ブトキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ヘプチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−オクチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−ノニルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−デシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロペンチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−シクロヘキシルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−アリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−メタアリルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン、2−クロチルオキシ−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンなどが挙げられ、さらには、2,2’−ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−メチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−プロピレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−ブチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−ヘキサメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−p−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−ナフチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)、2,2’−P,P’−ジフェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)などが挙げられる。さらには、上記した化合物をモノマー単位として含むポリオキサジン化合物などが挙げられる。これらのオキサジン化合物の中から1種または2種以上の化合物を任意に選択して用いることができる。
さらには、既に例示したオキサゾリン化合物および上述のオキサジン化合物などの中から1種または2種以上の化合物を任意に選択し併用して用いてもよいが、耐熱性および反応性やセルロースエステルとの親和性の点で2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)や2,2’−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好ましい。
本発明に用いることのできるアジリジン化合物の例としては、例えば、モノ,ビスあるいはポリイソシアネート化合物とエチレンイミンとの付加反応物などが挙げられる。
また、イソシアネート系化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、または、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
また、本発明に用いることのできる遊離カルボン酸と反応する化合物として上述したカルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物、イソシアネート系化合物などのうち、2種以上の化合物を併用することもできる。
本発明に用いることができる遊離カルボン酸と反応する化合物としては、セルロースエステル組成物中に0.05〜6重量%含むことが好ましい。0.05重量%以上含むことで、遊離カルボン酸と反応する官能基を多く含むことができ、遊離カルボン酸の量を低減することが可能となる。また、6重量%以下にすることで、セルロースエステル組成物からなる繊維の色調の悪化を抑制することができるため好ましい。0.1重量%以上がより好ましく、2重量%以上がさらに好ましい。5重量%以下が好ましい。
本発明には脱臭剤を併用することができる。脱臭剤としては、活性炭、活性白土、酸性白土、天然ゼオライト、木炭、竹炭、シリカゲル、珪藻土、麦飯石、モンモリロナイト、合成疎水性ゼオライト、親水性ゼオライト、ベントナイト、セピオライト、シリカなどの多孔性活性物質、酸化チタン、フタロシアニン系人口酵素などの触媒物質、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄などの金属酸化物、活性アルミナ、水酸アパタイト、リン酸ジルコニウム、硫酸第一鉄、酸化亜鉛、炭酸亜鉛などが挙げられる。これらを一種あるいは複数併用してもよい。
本発明のセルロースエステル繊維は、ホスファイト系着色防止剤を含有していることが好ましい。ホスファイト系着色防止剤を含有している場合、着色防止効果が非常に顕著であり、得られる繊維の色調が良好になるためである。
ホスファイト系着色防止剤の具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル−4−メチル)[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジイルビスホスホナイト、ビス(2.6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2−t―ブチル−4−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(4−t−ブチル−2−クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2.6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2.4−ジ−t−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが好ましい。
ホスファイト系着色防止剤の配合量は、セルロースエステル組成物に対して0.005〜0.5重量%の範囲であることが好ましい。配合量を0.005重量%以上とすることでセルロースエステル繊維の着色を抑制することができる。ホスファイト系着色防止剤の配合量は、より好ましくは0.01重量%以上であり、さらに好ましくは0.05重量%以上である。一方、ホスファイト系着色防止剤の配合量を0.5重量%以下とすることでセルロースエステル繊維の劣化を抑制することができ、繊維特性が良好となる。ホスファイト系着色防止剤の配合量は、より好ましくは0.3重量%以下であり、さらに好ましくは0.2重量%以下である。
本発明のセルロースエステル繊維は、上述した成分以外にも、アシル基が異なる脂肪酸エステルを含む他の樹脂や、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、消臭剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、糸摩擦低減剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、酸化防止剤、着色顔料、静電剤、抗菌剤など酸化防止剤、難燃剤および滑剤などの添加剤を含んでいても構わない。
本発明のセルロースエステル繊維の単繊維繊度は、0.5〜20dtexであることが好ましい。単繊維繊度が0.5dtex以上であれば、染色により鮮明で深みのある発色性を得ることができる。単繊維繊度は1dtex以上であることがより好ましく、1.3dtex以上であることが更に好ましい。一方、単繊維繊度が20dtex以下であれば、柔軟性を得ることができる。単繊維繊度は15dtex以下であることが好ましく、10dtex以下であることがより好ましく、5dtex以下であることがさらに好ましい。セルロースエステル繊維は、上記の単繊維繊度であれば、モノフィラメントでもマルチフィラメントでも良く、また、長繊維以外に短繊維(ステープル)でも構わない。
本発明で得られる繊維に含まれる遊離カルボン酸量は35ppm以下である。遊離カルボン酸とは繊維中に含まれるカルボン酸のうち、セルロースの水酸基と共有結合で結合していないものをいう。酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸などが挙げられるが、特に限定されない。遊離カルボン酸量が35ppm以下であることで、十分臭気を低減することができる。30ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であることがより好ましく、15ppm以下であることがさらに好ましい。遊離カルボン酸量は臭気を低減するという観点から少ないほど好ましく、最も好ましい値は0ppmである。
本発明で得られる繊維の比表面積は0.01〜1.0m/gである。比表面積とは組成物1gあたりの全表面積である。0.01m/g以上であることで、温水で洗浄することでカルボン酸を効率よく除去することができるため、カルボン酸と反応する化合物を添加しただけの時より、得られる繊維の色調が良好になり好ましい。1.0m/g以下であることで、得られた繊維の強伸度などの物性が良好になるため好ましい。比表面積は0.08m/g以上であることが好ましく、0.2m/g以上であることがさらに好ましい。また、0.4m/g以下であることがより好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維は、繊維の断面形状に関して特に制限がなく、真円状の円形断面であっても良いし、多葉形、扁平形、楕円形、W字形、S字形、X字形、H字形、C字形、田字形、井桁形などの異形断面にすることもできる。異型断面にすることで、布帛の比表面積を高くすることができるため、よりカルボン酸を除去することができるため好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維では、黄味の色調の指標であるb値は0〜7であることが重要である。これにより、衣料用途などの色調が重要な用途にも使用可能となる。b値は好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。
セルロースエステル繊維のb値の改善については酢酸コバルトなどの青味付け化合物を併用させることももちろん可能である。あまり多量に用いると染色時に色が濁りセルロースエステル繊維の特徴である鮮明な発色性が損なわれたり、糸切れの原因となりうるため、添加量はセルロースエステル繊維に対して0〜500ppmにすることが好ましい。
本発明のセルロースエステル繊維の繊維物性は、特に限定されるものではないが、高次加工での工程通過性などの観点から、強度が0.5〜2.0cN/dtex、伸度が8〜50%であることが好ましい。伸度が8%以上であれば、製織や製編時など高次加工工程において毛羽や糸切れの発生が少なくなる。伸度は10%以上であることがより好ましく、15%以上であることがさらに好ましい。一方、伸度が50%以下であれば、布帛の大きさの変化が小さくなる。伸度は40%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。
次に、本発明のセルロースエステル繊維の製造方法について説明する。
ポリマーとしては炭素数3〜19のアシル基で少なくとも置換されたセルロースエステルを主成分とするセルロースエステル組成物が用いられる。このセルロースエステル組成物は、前述した可塑剤、カルボン酸と反応する化合物、ホスファイト系着色防止剤を含んでいても構わず、発明の効果を損ねない範囲でその他の樹脂や添加剤を含んでいても構わない。
これらの成分は、例えば、2軸混練機などを用いて、溶融紡糸を行う前に混練しても構わないし、溶融紡糸を行う際にスタティックミキサーなどを用いて混合しても構わない。セルロースエステルの詳細は前述した化合物と同じである。
本発明では、溶融紡糸を行う前に、このセルロースエステル組成物を乾燥させ、組成物の含水分率を0.03〜0.3%としておくことが好ましい。含水分率が0.03%以上にすることで、組成物の乾燥後の取り扱いが容易になり好ましい。含水分率が0.3%以下である場合、溶融紡糸時、水分により発泡することもなく、安定して紡糸を行うことができ、得られるマルチフィラメントなどの繊維の機械的特性も良好となる。含水分率は、より好ましくは0.2%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下であり、最も好ましくは0.08%以下である。本発明における含水分率とはセルロースエステル組成物をカールフィッシャー電量滴定法水分計を用いて180℃にて測定した水分率を示す。
本発明では、このセルロースエステル組成物を、溶融紡糸して繊維を得ることができる。溶融紡糸を行うことにより、セルロースエステル組成物の溶融状態から冷却固化に至るまでに十分に発達した繊維構造を形成させることが可能となり、加えて環境負荷が小さく、生産性にも優れる。溶融紡糸の方法としては、例えば、エクストルーダーを用いた押出などを好適な手段として採用することができる。
溶融紡糸における紡糸温度は220℃〜280℃の範囲であることが好ましい。紡糸温度を220℃以上とすることにより、紡糸口金より吐出された繊維糸条の伸長粘度が十分に低下するため、メルトフラクチャー(紡糸口金孔通過時においてポリマーの剪断応力が高いと流線乱れが発生し、紡糸口金より吐出された糸条の形状が不規則になる現象)起因の短ピッチの周期斑が現れず、均一な繊維を得ることができる。さらには紡糸口金より吐出された繊維糸条の細化過程がスムーズになるため、繊維特性が良好となり、また紡糸張力が過度に高くならないため糸切れが多発せず、製糸性が安定する。また、紡糸温度を280℃以下とすることにより、セルロースエステル組成物の熱分解を抑制することができるため、得られる繊維の分子量低下による機械的特性不良や着色による品位悪化が発生しにくくなる。紡糸温度は、より好ましくは230℃〜270℃であり、さらにより好ましくは240℃〜260℃である。
紡糸された繊維の引取方法は、特に制限されるものではなく、回転するローラーを用いて引き取っても良いし、ネットなどで捕集しても構わない。ローラーを用いて引き取る場合の紡糸速度は500m/min〜3000m/minであることが好ましい。紡糸速度を500m/min〜3000m/minとすることにより、発達した繊維構造を形成することが可能となり、繊維特性に優れた繊維を得ることができる。紡糸速度は、より好ましくは1000m/min〜2500m/minである。また、繊維を引き取った後に連続して延伸を施し、巻き取っても構わない。
本発明によって得られるセルロースエステル繊維の物性は、特に限定されるものではないが、高次加工での工程通過性などの観点から、強度0.5〜2.0cN/dtexが好ましく、0.8cN/dtex以上2.0cN/dtex以下がさらに好ましい。また、伸度が8〜60%であることが好ましく、10%以上60%以下であることがさらに好ましい。
溶融紡糸によって得られた繊維は、引き取り後から最終製品に至るいずれかの工程において、繊維中の遊離カルボン酸量を低減することを目的として、温水で洗浄することが好ましい。洗浄は繊維形態、布帛形態のいずれであってもかまわない。
洗浄する温水の温度は60℃以上であり、60〜95℃であることが好ましく、70〜90℃であることがより好ましい。洗浄する水のpHは8〜10であることが好ましく、8〜9であることがより好ましい。
温水にさらす時間は2〜240分が好ましい。2分以上にすることで、十分繊維中の遊離カルボン酸量を減らすことができ、240分以内で繊維が劣化することがないため好ましい。温水にさらす時間は4分以上がより好ましい。120分以下がより好ましく、60分以下がさらに好ましい。
溶融紡糸によって得られた繊維は、引き取り後から最終製品に至るいずれかの工程において、可塑剤を溶出することが好ましい。可塑剤を溶出することによって、最終的に得られる繊維の耐熱軟化性が向上する。可塑剤の溶出は遊離カルボン酸の洗浄と同時に行うことができる。
本発明のセルロースエステル繊維の製造方法に関して最も好適な例は、アセチル基の置換度(DSace)が1.8〜2.4であり、プロピオニル基の置換度(DSacy)が0.5〜0.8であり、重量平均分子量が8万〜20万のセルロースアセテートプロピオネート70〜85重量%、数平均分子量(Mn)が200〜4000であるポリエチレングリコール10〜25重量%、カルボン酸と反応可能な化合物0.05〜5重量%およびホスファイト系着色防止剤0.05〜0.2重量%を2軸エクストルーダーにより200〜240℃の温度で溶融混練し、ペレット化した後、乾燥し、エクストルーダータイプの紡糸機によって、紡糸温度240〜260℃、引取速度1000〜2500m/minで溶融紡糸を行い、油剤を付着させた後巻き取って繊維とし、得られた繊維を布帛にした後、60〜95℃の温水で20〜60分間洗浄することである。
本発明のセルロースエステル繊維は衣料用繊維、産業用繊維および不織布などとして用いることができる。特に、遊離カルボン酸量が少なく低臭気であることからメディカル用途に、色調が良好で発色性が良いことからインナー用途に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。実施例中の各特性値は、次の方法で求めたものである。
(A)セルロースエステルの置換度
乾燥したセルロースエステル0.9gを秤量し、アセトン35mlとジメチルスルホキシド15mlを加え溶解した後、さらにアセトン50mlを加えた。撹拌しながら0.5N−水酸化ナトリウム水溶液30mlを加え、2時間ケン化した。熱水50mlを加え、フラスコ側面を洗浄した後、フェノールフタレインを指示薬として0.5N−硫酸で滴定した。別に試料と同じ方法で空試験を行った。滴定が終了した溶液の上澄み液を100倍に希釈し、イオンクロマトグラフを用いて、有機酸の組成を測定した。測定結果とイオンクロマトグラフによる酸組成分析結果から、下記式により置換度を計算した。
TA=(B−A)×F/(1000×W)
DSace=(162.14×TA)/
[{1−(Mwace−(16.00+1.01))×TA}+{1−(Mwacy−(16.00+1.01))×TA}×(Acy/Ace)]
DSacy=DSace×(Acy/Ace)
TA:全有機酸量(ml)
A:試料滴定量(ml)
B:空試験滴定量(ml)
F:硫酸の力価
W:試料重量(g)
DSace:アセチル基の置換度
DSacy:炭素数3以上のアシル基の置換度
Mwace:酢酸の分子量
Mwacy:炭素数3以上のカルボン酸の分子量
Acy/Ace:酢酸(Ace)と炭素数3以上のカルボン酸(Acy)とのモル比
162.14:セルロースの繰り返し単位の分子量
16.00:酸素の原子量
1.01:水素の原子量。
(B)GPCによるセルロースエステルの重量平均分子量(Mw)測定
セルロースエステルの濃度が0.15重量%となるようにテトラヒドロフランに完全に溶解させ、GPC測定用試料とした。このGPC測定用試料を用い、下記の条件のもと、Waters2690でGPC測定を行い、ポリスチレン換算により重量平均分子量(Mw)を求めた。なお測定回数は3回であり、その平均値をMwとした
・カラム :東ソー製TSK gel GMHHR−Hを2本連結
・検出器 :Waters2410 示差屈折計RI
・移動層溶媒:テトラヒドロフラン
・流速 :1.0mL/分
・注入量 :200μL。
(C)GPCによる可塑剤の数平均分子量(Mn)測定
可塑剤の濃度が0.15重量%となるようにテトラヒドロフランに完全に溶解させ、GPC測定用試料とした。このGPC測定用試料を用い、下記の条件のもと、Waters2690でGPC測定を行い、ポリスチレン換算により数平均分子量(Mn)を求めた。なお測定回数は3回であり、その平均値をMnとした
・カラム :東ソー製TSK gel GMHHR−Hを2本連結
・検出器 :Waters2410 示差屈折計RI
・移動層溶媒:テトラヒドロフラン
・流速 :1.0mL/分
・注入量 :200μL。
(D)単繊維繊度
長さ100mのかせを作り、重量を測定し100倍することでマルチフィラメントのトータル繊度を測定し、これを単繊維数で除して単繊維繊度を求めた。
(E)比表面積
比表面積は全ての表面積(m)を重量(g)で除して求めることができる。具体的には繊維の単位長さ(1m)あたりの表面積を単位長さ(1m)あたりの重量(単繊維繊度/10000g)で除して求めた。
(F)強伸度
温度20℃、湿度65%の環境下において、島津製作所製オートグラフAG−50NISMS形を用い、試料長20cm、引張速度20cm/minの条件で引張試験を行って、最大荷重の示す点の応力(cN)を繊度(dtex)で除した値を強度(cN/dtex)とした。またそのときの伸度を伸度(%)とした。なお測定回数は5回であり、その平均値を強度と伸度とした。
(G)色調(b値)
得られた繊維をプレートに巻き、スガ試験器株式会社製SMカラーコンピューターでL、a、b値を測定し、黄色みを表すb値を色調として用いた。なお、プレートに巻いた繊維量は、例えば、繊度110dtexでは繊維180mを横幅6cmのプレートに縦幅4cmに巻き、プレート上の糸の厚みが平均して約2mmになるようにしたものを用いて測定を行った。また、カラーコンピューターの光の入射角は45度を用いた。
色調はb値が0〜7のときに問題がないとして○とした。
(H)遊離カルボン酸量
バイアル瓶に入れた試料3gに精製水30mlを加え、30分超音波洗浄、30分80℃で密閉加熱した後、室温で48時間浸漬することで、遊離カルボン酸を抽出した。得られた抽出液を延伸分離機で限外濾過膜(分子量10000以上除去)に通した後、アセトンで2倍に希釈し測定液を作成した。測定液はSIM−GS−MS法にて遊離カルボン酸を定量した。
(I)臭気
繊維または成形物を密閉した容器に入れ、容器ごと80℃で30分加熱を行った。その後、蓋を開けたときに臭気を感じるものを×、かすかな臭気を感じるものを△、ほとんど臭気を感じないものを○とした。○、△を問題ないとした。
[合成例1]
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ、相対粘度13.8)100重量部に、酢酸240重量部とプロピオン酸67重量部を加え、50℃の温度で30分間混合した。混合物を室温まで冷却した後、氷浴中で冷却した無水酢酸172重量部と無水プロピオン酸168重量部をエステル化剤として、硫酸4重量部をエステル化触媒として加えて、150分間撹拌を行い、エステル化反応を行った。エステル化反応において、温度が40℃を超えるときは、水浴で冷却した。反応後、反応停止剤として酢酸100重量部と水33重量部の混合溶液を20分間かけて添加して、過剰の無水物を加水分解した。その後、酢酸333重量部と水100重量部を加えて、80℃の温度で1時間加熱撹拌した。反応終了後、炭酸ナトリウム6重量部を含む水溶液を加えて、析出したセルロースアセテートプロピオネートを濾別し、続いて水で洗浄した後、60℃の温度で4時間乾燥した。得られたセルロースアセテートプロピオネートのアセチル基およびプロピオニル基の平均置換度は各々2.0と0.7であり、重量平均分子量(Mw)は17.8万であった。
[合成例2]
セルロース(日本製紙(株)製溶解パルプ)100重量部を1000重量部の脱イオン水に浸して10分間おく。これをガラスフィルターで濾別して水を切り、1400重量部の酢酸に分散させ、時々振り混ぜて10分間おく。続いて、新しい酢酸を用いて同じ操作を再び繰り返す。
フラスコに1800重量部の酢酸と1.8重量部の濃硫酸をとり、撹拌した。これに360重量部gの無水酢酸を加え、温度が40℃をこえないように水浴で冷却しながら60分撹拌した。反応終了後、酢酸水溶液をゆっくり添加後、室温で一晩撹拌をした。その後、炭酸ナトリウム2g含む水溶液を加えて析出したセルロースエステルを濾別、続いて水で洗浄した後、60℃で4時間乾燥した。得られたセルロースジアセテートの置換度は2.5、重量平均分子量(Mw)は17.5であった。
実施例1
合成例1で製造したセルロースアセテートプロピオネート77.9重量%と数平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.0量%さらにホスファイト系着色防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%、およびカルボン酸と反応する化合物としてトリスグリシジルイソシアヌレート5重量%を二軸エクストルーダーにて230℃の温度で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースエステル組成物ペレットを得た。このペレットの260℃、120s−1での溶融粘度は267Pa・sであった。
このペレットを80℃の温度で8時間の真空乾燥を行い(乾燥後の含水分率は550ppm)、紡糸温度260℃にて吐出量10.0g/minの条件で0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を36ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を、温度25℃、風速0.25m/secの冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、1000m/minで回転する第1ゴデットローラーにて引き取った後ワインダーにて巻き取った。製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。
得られた繊維の物性を表1に示すが、良好な強伸度を有していた。この繊維を用いて幅約10cmの筒編みを作製し、70℃×20minの弱アルカリ性の水溶液で精練を行った。このときに、可塑剤であるポリエチレングリコールと繊維中の遊離カルボン酸を溶出した。得られた繊維の物性は表1の通りである。
続いて、色調測定、遊離カルボン酸量、及び臭気の測定を行ったところ、色調が良好かつ臭気がほとんどしないことが分かった。
実施例2、3、7
カルボン酸と反応する化合物として、トリグリシジルイソシアヌレートを用いる代わりにビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(実施例2)、日清紡社製ポリカルボジイミド(カルボジライトLA−1)(実施例3)、スチレン・2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン共重合体(実施例7)を用いる以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1、2に示す。色調は良好であり、臭気はほとんど感じられないことが分かった。
実施例4
カルボン酸と反応する化合物としてスチレン・2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン共重合体、添加量を1重量%に変更した以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。色調は良好であった。若干酢酸の臭気が感じられるものの問題のないレベルであった。
実施例5,6
実施例1と同様に、合成例1で製造したセルロースアセテートプロピオネート77.9重量%と数平均分子量600のポリエチレングリコール(PEG600)17.0量%さらにホスファイト系着色防止剤としてビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト0.1重量%、およびカルボン酸と反応する化合物として2,2’−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)(実施例5)、フェニルグリシジルエーテル(実施例6)5重量%を二軸エクストルーダーにて230℃の温度で混練し、5mm程度にカッティングしてセルロースエステル組成物ペレットを得た。このペレットの260℃、120s−1での溶融粘度は267Pa・sであった。
このペレットを80℃の温度で8時間の真空乾燥を行い(乾燥後の含水分率は550ppm)、紡糸温度260℃にて吐出量10.0g/minの条件で0.23mmφ−0.30mmLの口金孔を36ホール有した口金より紡出した。この紡出糸条を、温度25℃、風速0.25m/secの冷却風によって冷却し、油剤を付与して収束させた後、1000m/minで回転する第1ゴデットローラーにて引き取った後ワインダーにて巻き取った。製糸性は良好であり、糸切れは発生しなかった。
得られた繊維の物性を表1に示すが、良好な強伸度を有していた。この繊維を用いて幅約10cmの筒編みを作製した後、精練工程は行わなかった。
続いて、色調測定、遊離カルボン酸量、及び臭気の測定を行ったところ、色調が良好であった。また、若干酢酸の臭気が感じられたが問題のないレベルであった。
実施例8〜10
実施例1で合成したセルロースエステルの代わりに市販のセルロースアセテートプロピオネート(DSace=0.2,DSPr=2.5)(実施例8、10)セルロースアセテートブチレート(DSace=2.0,DSPr=0.7)(実施例9)、カルボン酸と反応する化合物の種類をビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(実施例8,10)、トリグリシジルイソシアヌレート(実施例9)、可塑剤の種類として非水溶性可塑剤であるグリセリンジアセテートモノオレート(実施例10)、可塑剤の添加量として9重量%(実施例8,10)13重量%(実施例9)を用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。色調は良好であり、臭気はほとんど感じられないことが分かった。
実施例11,12
紡出糸の品種を100T−72F丸断面(実施例11)、100T−12F三角断面(実施例12)に変更した以外は、実施例2と同様に評価を行った。結果を表2に示す。色調は良好であり、臭気はほとんど感じられないことが分かった。
Figure 2008179918
Figure 2008179918
比較例1
カルボン酸と反応する化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様に評価を行った結果を表3に示す。色調は良好なものの、臭気が感じられた。
比較例2
セルロースエステルとして、合成例2のエステル側鎖が炭素数2のアセチル基にのみ置換されたセルロースジアセテートを用い、可塑剤としてPEG600を28重量%、カルボン酸と反応する化合物としてビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド5重量%用いた以外は実施例1と同様に評価を行った。熱流動性が低く、溶融紡糸によって繊維化することができなかった。
比較例3
実施例1と同様にペレット化及び乾燥した後、射出成形により立方体(一辺20cm)を作成した。精練工程を通したが、比表面積が小さいため、カルボン酸が多く残存し、臭気が感じられた。
比較例4
カルボン酸と反応する化合物としてポリカルボジイミドを7重量%用いた以外は、実施例1と同様に評価を行った。臭気を低減する効果は高いものの、色調が顕著に悪化することが分かった。
Figure 2008179918
本発明の熱可塑性セルロースエステル繊維は、衣料用繊維、産業用繊維および不織布などとして用いることができ、特に遊離カルボン酸が少なく低臭気かつ色調が良好であることから特に衣料用繊維として好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 遊離カルボン酸が35ppm以下であり、エステル側鎖の少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基であるセルロースエステルを主成分とし、比表面積が0.01〜1.0m/gであり、色調の指標であるb値が0〜7であることを特徴とするセルロースエステル繊維。
  2. エポキシ系化合物、カルボジイミド系化合物、オキサゾリン系化合物、オキサジン系化合物、アジリジン系化合物、イソシアネート系化合物から選択される少なくとも一つの化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のセルロースエステル繊維。
  3. エステル側鎖の少なくとも一部が炭素数3〜19のアシル基であるセルロースエステルを主成分とするセルロースエステル組成物を溶融紡糸して繊維化した後に60℃以上の温水で該繊維を洗浄することを特徴とするセルロースエステル繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015084696A1 (en) * 2013-12-04 2015-06-11 Dow Global Technologies Llc Process for preparing a mixture of a cellulose derivative and a liquid diluent
JP2016516916A (ja) * 2013-03-15 2016-06-09 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 不織布基材

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