JP2008179509A - シリコン精錬装置、シリコン精錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物汚染のないシリコン精錬方法を提供する。
【解決手段】 送りローラ21と収集ローラ22の間に掛け渡した蒸着物収集ベルト24を溶融容器13の上方で回転させ、溶融容器13から放出される不純物蒸気をシリコン蒸気と共に蒸着物収集ベルト24に付着させ、溶融容器13の上方から移動させ、冷却装置25により蒸着物収集ベルト24の収集ローラ22に密着された部分が冷却され、収集ローラ22によってシリコン付着物を蒸着物収集ベルト24から剥離させる。剥離装置27で蒸着物収集ベルト24の表面を摩擦し、より確実に強制的に剥離させても良い。
【選択図】 図1

Description

本発明はシリコン精錬装置に係り、特に、シリコン原料中のリン濃度を減少させるシリコン精錬装置に関する。
半導体用ウエハーの原料として使用されるポリシリコンは、超高純度を要求されるため、金属シリコンを塩化処理して得たトリクロロシラン等のシリコン塩化物を精製し高純度化し、それを結晶化炉で表面温度が約1000℃に加熱したシリコン種結晶上にCVD法で成長させるいわゆるシーメンス法により製造されている。純度は11nineと極めて高純度である。一方、太陽電池用のシリコンは6nine程度で良いため、従来、半導体用シリコンの製造工程で発生するスクラップが原料とされていた。
しかし、近年、太陽電池の生産量は増加の一途をたどっており、太陽電池の主原料である高純度シリコンの需要が急拡大しており、シリコンスクラップだけでは需要増を満たせず、太陽電池用シリコンの不足が顕著になっている。
そこで市販の高純度金属シリコンを出発原料とし、冶金学的なプロセスで含有する不純物を除去して太陽電池用高純度シリコンを製造する技術が研究されている。
その代表的なプロセスはNEDOで開発された方法で、凝固精製に電子ビーム溶解精錬とプラズマ溶解精錬を組み合わせた方法である。すなわちPとBについては、平衡分配係数が1に近く、凝固精製しにくいため、Pは電子ビーム真空精錬法により蒸発除去し、Bについては水蒸気を添加したプラズマ溶解法によるB2O3として蒸発除去する。
ところで、Pの蒸発除去反応に限らず、シリコンからAl、Ca等比較的蒸気圧の高い元素の蒸発による除去反応は、表面反応が律速であり、表面温度を容湯内部より優先して加熱することができる電子ビーム溶解精錬法は、これら元素の低減方法として、最適な方法として選択される。
特性に影響が大きいリンを除去するために、電子ビーム真空溶解法が開発されており、電子ビームを照射し、原料シリコンを溶融させると、溶融シリコン中からリンが蒸気となって除去される。
しかし、リン蒸気と一緒にシリコン蒸気が発生し、シリコン蒸気が真空容器の壁面に付着する際に、リンが付着物中に取り込まれてしまう。
真空容器中に付着したシリコン付着物が剥離し、溶融シリコン中に落下するため、電子ビーム真空溶解法を量産設備に応用しようとすると、溶融シリコンの純度が高くならないという問題がある。
例えば、リン濃度が25ppmであるシリコン原料を0.1ppmに精製する場合、付着物中のリンの濃度が溶融シリコンの濃度の4倍の時、溶融シリコンの出口付近で、溶融シリコンの体積の1/1000混入したとしても、溶融シリコンのリン濃度は0.1ppm上昇してしまい、目標値を上回ってしまう。
シリコン精錬方法の先行技術や、本発明の装置に類似する先行技術は、例えば下記文献がある。
特開平9−309716号公報 特開2005−67916号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決するために創作されたものであり、不純物汚染のないシリコン精錬方法を提供することにある。
溶融容器内で原料シリコンを溶融させ、蒸気圧がシリコンよりも大きな不純物を優先的に蒸発させ純度を高めようとする場合、シリコン蒸気も一緒に発生し、溶融容器の開口から真空槽内に放出され、真空槽の内壁等に付着してしまう。
本発明の発明者等が、電子ビーム真空溶解法によるシリコンの精錬実験を行なった際、実験終了後、真空槽内に大気を導入し、真空槽の扉を開けたところ、真空槽内を非常に細かい金属片(シリコンの薄片)が舞っているのが観察された。
通常、真空槽の内壁に成長した付着物は、ある程度厚くなると、真空槽の加熱サイクルにともなう熱歪み等が原因で剥離し始める。付着物がシリコンの場合、他の物質よりも薄くても剥離が発生してしまう。
これは、シリコンの熱膨張係数(3.6×10-6/℃)と、真空槽壁面や防着板のSUS304の熱膨張係数(17.3×10-6/℃)との差が大きいことが原因と推定される。
そのような推定が正しいとすると、例えば、シリコンと金属の熱膨張係数の差を利用し、付着物を回収する技術を開発することができる。
本発明は、上記知見に基づいて創作されたものであり、真空槽と、溶融容器と、前記溶融容器内に配置されたシリコン原料を加熱、溶融させる加熱溶融装置と、前記真空槽内に配置された送りローラと収集ローラと、前記収集ローラを冷却する冷却装置と、前記溶融容器上に配置され、前記送りローラと前記収集ローラの間に掛け渡された蒸着物収集ベルトと、前記送りローラと前記収集ローラのいずれか一方又は両方を回転させ、前記蒸着物収集ベルトを回転させるモータとを有し、前記蒸着物収集ベルト(の材質)は熱膨張係数がシリコンよりも大きな物質で構成され、前記蒸着物収集ベルトは、前記溶融容器の開口と対面しながら、前記溶融容器上を通過した後、裏面が前記収集ローラの円筒側面と接触し、前記蒸着物収集ベルトの前記収集ローラに密着された部分が前記冷却装置により冷却され、前記収集ローラの上方に移動されるように構成され、前記収集ローラを冷却する冷却装置を有し、前記冷却装置により、前記蒸着物収集ベルトの前記収集ローラに密着された部分が冷却されるように構成されたシリコン精錬装置である。
また、本発明は、前記蒸着物収集ベルトは金属で構成されたシリコン精錬装置である。
また、本発明は、前記蒸着物収集ベルトの前記収集ローラで冷却された部分に当接された剥離装置を有するシリコン精錬装置である。
また、本発明は、溶融容器内にシリコン原料を配置し、加熱、溶融させ、溶融シリコンから不純物蒸気とシリコン蒸気を発生させながら、蒸着物収集ベルトを、前記溶融シリコン上を移動させ、前記不純物蒸気と前記シリコン蒸気を前記蒸着物収集ベルトに到達させ、前記蒸着物収集ベルトに不純物が濃縮したシリコン付着物を形成し、前記蒸着物収集ベルトを部分的に冷却し、前記蒸着物収集ベルトを前記シリコン付着物よりも大きく収縮させ、前記シリコン付着物を剥離させた後、前記溶融シリコン上を再移動させるシリコン精錬方法である。
また、本発明は、前記冷却された前記蒸着物収集ベルト表面を摩擦し、前記シリコン付着物を剥離させるシリコン精錬方法である。
下記表1に、主要な実用金属及び実用合金の熱膨張係数(線膨張係数)を示す。
Figure 2008179509
蒸着物収集ベルトは、SUS304等の代表的なオーステナイト系ステンレス鋼、SUS430等のフェライト系ステンレス鋼、又は一般的な炭素鋼等で形成されるから、10×10-6/℃ 以上であり、シリコンの熱膨張係数との差が大きく、高温の状態で成長したシリコン付着物は、低温になったときに剥離される。
下記表2は、販売されている冶金グレードのシリコン原料に含まれる不純物とその濃度、及び、真空槽中でシリコン原料を溶融させ保持したときの、真空槽内壁面の付着物中の各不純物の濃度を示す。
Figure 2008179509
表2の不純物元素は、真空中でシリコンを溶融保持した場合、真空槽内壁面の付着物に不純物が濃縮されていることが分かる。
このように、真空槽内の付着物には不純物が濃縮されている。特に、量産設備として繰り返し使用する場合、付着物は成長し、また、シリコン溶湯からの輻射熱による加熱と停止時の冷却の熱サイクルを受けるため、熱応力が加わり剥離し始める。もし、それが操業中のシリコン溶湯上に落下した場合、溶湯に溶け込み、汚染の原因となり、精錬効果が低減することになる。
剥離片が溶融シリコン上に落下しないので、溶融シリコンの純度低下が防止され、短時間で高純度のシリコンを得ることができる。
図1の符号10は、本発明の精錬装置10を示している。
この精錬装置10は、真空槽11を有している。真空槽11の内部底壁上には、溶融容器13が配置されており、真空槽11内部の溶融容器13の上方には、蒸着物収集装置12が配置されている。
蒸着物収集装置12は、蒸着物収集ベルト24と、それぞれ円筒形の送りローラ21と収集ローラ22とを有している。
送りローラ21と収集ローラ22は、溶融容器13の上方に、水平に、互いに平行に対面して配置されている。
蒸着物収集ベルト24は、送りローラ21と収集ローラ22の間に掛け渡されており、蒸着物収集ベルト24の裏面は、送りローラ21と収集ローラ22の外周側面の半分にそれぞれ密着されている。
送りローラ21に密着した部分と収集ローラ22に密着した部分の間のうち各ローラ21、22よりも上方に位置する部分の表面は真空槽11の天井側に向き、下方に位置する部分は底壁側に向いている。
溶融容器13は真空槽11の天井に向いた部分に開口31を有している。開口は例えば幅より長さが2倍以上の長方形であり、送りローラ21と収集ローラ22は、開口21の長手方向の一端と他端であって、長手方向両端部よりも外側に配置されている。従って、蒸着物収集ベルト24のローラ21、22に密着した部分の間の長さは、開口31の長手方向よりも長い。
蒸着物収集ベルト24の幅は開口31の幅より広くされており(1.2倍以上、更に好ましくは1.5倍以上広くされている。)、従って、蒸着物収集ベルト24の送りローラ21に密着した部分と収集ローラ22に密着した部分の間の部分が開口31の鉛直上方に位置し、開口31には、蒸着物収集ベルト24のローラ21、22よりも下の部分の表面が面している。
送りローラ21と収集ローラ22の一方又は両方の回転軸は、真空槽の外側からモータ(図面未表示)により回転駆動できるように構成されている。
蒸着物収集ベルト24と各ローラ21、22の間は密着しており、ローラ21、22が回転すると、蒸着物収集ベルト24は、蒸着物収集ベルト24と各ローラ21、22の間は摺動せずに回転するように構成されている。例えば収集ローラ22の回転軸にモータが取り付けられている場合、収集ローラ22の回転によって蒸着物収集ベルト24が回転し、蒸着物収集ベルト24によって、送りローラ21が回転される。
各ローラ21、22の回転方向は、蒸着物収集ベルト24の開口31と対面する部分が送りローラ21から収集ローラ22に向けて移動する方向であり、各ローラ21、22のこの方向の回転により、蒸着物収集ベルト24の収集ローラ22方向に移動した部分は、開口31の鉛直上方位置を開口31と対面しながら通過し、収集ローラ22に到着する。
蒸着物収集ベルト24の収集ローラ22に到着した部分は、収集ローラ22の円筒側面と接触し、円筒側面と密着しながら上方に移動する。
収集ローラ22には冷却装置25が接続され、収集ローラ22内に所定温度に冷却された冷媒体が供給され、冷媒体が収集ローラ22の内部を流れるように構成されており、蒸着物収集ベルト24の収集ローラ22に密着した部分は、冷媒体によって冷却されながら上方に移動する。なお、収集ローラ22内を流れた冷媒体は、冷却装置25に戻り、冷却された後、収集ローラ22内に再供給される。
蒸着物収集ベルト24の上方に移動した部分は、収集ローラ22の上端で収集ローラ22から離間される。
収集ローラ22の近傍には、例えば付加的に剥離装置27を配置しても良い。剥離装置としては例えばワイヤーブラシや板バネとし、軽く抑えつける構造のものが望ましい。
収集ローラ22から離間した蒸着物収集ベルト24は送りローラ21に向かって移動し、送りローラ21に到着すると下方に移動され、再度、開口31と対面しながら開口31の鉛直上方位置を通過し、収集ローラ22に到着する。
このように、蒸着物収集ベルト24は送りローラ21と収集ローラ22の間を無限移動しており、開口31の鉛直上方位置では、送りローラ21から収集ローラ22に向かって蒸着物収集ベルト24が移動し続けている。
この生成装置によるシリコンの精製方法を説明する。
溶融容器13内にシリコン片やシリコン塊から成るシリコン原料を配置し、真空槽11に接続された真空排気系33によって真空槽11内を真空排気する。
真空槽11内には加熱溶融装置15が配置されており、モータを動作させ、蒸着物収集ベルト24を回転させながら、加熱溶融装置15によって溶融容器13内のシリコン原料を加熱し、溶融シリコン30を形成する。ここでは、加熱溶融装置は電子ビーム銃であり、溶融容器13内のシリコン原料に電子ビームを照射して、加熱・溶融させている。
溶融シリコン30が生成されると、シリコンよりも蒸気圧が高い不純物の蒸気が優先して発生する。
このとき、シリコンの蒸気も一緒に発生し、シリコン蒸気と不純物蒸気は、溶融容器13の上部の開口31から真空槽11内に放出され、鉛直上方に飛行すると、開口31上を移動する蒸着物収集ベルト24の表面に衝突し、そこに付着し、P等の不純物が濃縮したシリコン付着物が形成される。なお、電子ビームは磁場で曲げられ、加熱溶融装置15は蒸気が直接到達しないように構成されている。
蒸着物収集ベルト24のローラ21、22に密着した部分の間は水平に張られており、従って、平面の状態の外側側面にシリコン蒸気が到達し、蒸着物収集ベルト24が開口31上を移動する間に、シリコン付着物は平坦な蒸着物収集ベルト24表面上に成長し、厚みが増大する。
蒸着物収集ベルト24は収集ローラ22から離れると雰囲気からの間接的な輻射熱で温度が上昇し始める。特に送りローラ21も雰囲気からの間接的な輻射熱等により表面温度が上昇しているため、それに接触する時にも温度が上昇する。さらに送りローラ21を通過すると、溶融シリコンからの輻射熱により温度が上昇し、比較的短時間で定常状態に達し、溶融容器13の開口31上を通過することになる。その間にシリコン付着物が成長する。
蒸着物収集ベルト24は内面が冷却媒体により冷却されている収集ローラ22に接触すると、温度が低下する。蒸着物収集ベルト24は、熱膨張係数がシリコンよりも大きな材料で構成されており、温度が低下するとシリコン付着物よりも収縮するため、熱応力が発生し、そのためシリコン付着物は剥離する。
さらに、収集ローラ22に密着する位置で蒸着物収集ベルトは外側表面が凸に曲げられるのに対し、シリコン付着物は硬く、平面を保とうとするため、剥離がより確実に進むことになる。
なお、付加的にワイヤーブラシ等の補助的な剥離装置27を設けることにより、より確実に付着物を除去できる。
収集ローラ22の下方には、受け皿28が配置されており、蒸着物収集ベルト24から剥離したシリコン付着物は、受け皿28上に落下する。受け皿28上に落下したシリコン付着物は、真空槽11の外部に搬出され回収される。
なお、シリコン付着物の膜厚が厚くなり過ぎると蒸着物収集ベルト24から剥離しやすくなり、溶融シリコン上に落下してしまう虞がある。剥離片の落下による溶融シリコンの純度低下を防止するためには、剥離する可能性が高まる膜厚に達する前に、収集ローラ22に到着するように、蒸着物収集ベルト24の移動速度の下限を設定すれば良い。
一方、速すぎると、十分予熱されないまま溶融容器13の開口31上を通過し、その間に蒸着物収集ベルト24の温度が上昇し続けることになり、最初に蒸着したシリコン膜との間に熱応力が発生し剥離しやすくなる。
このような要因によるシリコン付着物の剥離落下による溶融シリコンの汚染を防止するため、ベルトの移動速度は0.02m/分から2m/分、さらに望ましくは0.05m/分から1m/分の範囲とする。
なお、送りローラ21の内部や送りローラ21の近傍にベルト加熱装置を設け、蒸着物収集ベルト24が溶融容器13の開口31上を通過し始める前に昇温させておき、その後の温度変化を少なくすることにより、上記要因による蒸着物の剥離落下による汚染を減じることができる。
加熱温度としては、電子ビーム出力、溶融容器13の開口31の面積、蒸着物収集ベルト24と開口31との間の距離等により異なるが、200℃以上、500℃以下の範囲内とするのが望ましい。
次に、蒸着物収集ベルト24の材質について説明する。蒸着物収集ベルト24の材質としてはシリコンの熱膨張係数との差が適度に大きく、特に2倍以上のものが望ましい。また、耐熱性、耐疲労特性等を考慮し、さらにエンドレスベルト状に製作する際の溶接施工性等も考慮し、例えばSUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼が最適な材料として選択できる。蒸着物収集ベルト24の厚さとしては、薄すぎると溶接施工が難しく、耐久性も劣るため、0.2mm以上、さらに望ましくは0.3mm以上とする。一方、厚すぎるとエンドレスベルトとしての弾力性が乏しくなるため、1mm以下さらに望ましくは0.8mm以下とする。表面は、溶融容器13の開口31上を通過する間の蒸着シリコンの保持力を高めるため、ヘアーライン加工あるいはサンドブラスティング等の方法により、適度に凹凸を付けるのが望ましい。
一定量の蒸気の放出後は、溶融容器13内部の溶融シリコン30は、リン等の不純物濃度が低下しており、高純度のシリコンが得られると、溶融シリコンを固化させ、太陽電池の原料を得ることができる。
太陽電池の原料よりも不純物濃度が高い場合、同じ真空槽11内の別の蒸着物収集ベルトを使用した精錬や、別の精錬装置内での精錬によって、更に不純物濃度を低下させることができる。
また、溶融シリコン30は溶融容器13の長手方向の一端から連続的に取り出し、他端にシリコン原料を供給することができる。この場合、取り出し位置の不純物濃度は低い方が望ましいから、収集ローラ22に位置38にシリコン原料を供給し、シリコン付着物の落下の虞がない、溶融容器13の送りローラ21に近い位置37から溶融シリコンを連続的又は間欠的に取り出すことができる。
また、上記実施例では、収集ローラ22内に冷媒体を流して蒸着物収集ベルト24を冷却していたが、収集ローラ22とは別に蒸着物収集ベルト24に接触する冷却部材を設け、冷却部材内に冷媒体を循環させて蒸着物収集ベルト24を冷却しても良い。この場合、収集ローラ22によって蒸着物収集ベルト24が湾曲される前に冷却し、シリコン付着物を剥離させても良い。
<実施例1>
金属精製用の開口部の形状が10cm×40cmの水冷銅ルツボを真空槽の底部に設け、真空槽内の上部に幅15cm長さ60cmの平面形状を有する0.5mm厚さのSUS304製の蒸着物収集ベルト24を収集ローラ22と送りローラ21間に渡した蒸着物収集装置を配置した。ベルトの表面は#240番のエメリー紙で長さ方向に研磨することにより、ヘアーライン仕上げ状態とした。収集ベルトの移動速度は0.1m/分とした。収集ローラの内側には2L/分の水量で水を流し冷却した。
このようなシリコン精錬装置を用いて、水冷銅ルツボに純度99.99%、リン濃度25ppmの原料シリコンを2kg装入し、電子ビーム溶解を行った、電子ビームの照射電力を最高の80kWにしてから1時間保持した後、照射を止めて冷却した。冷却後シリコンインゴットを取り出し、リン濃度を分析した結果、0.05ppmであり、リン濃度としては太陽電池用シリコンの純度レベルを十分満足していた。
さらに、全く同じ条件で5回溶解精錬を繰り返し実施した。その結果、シリコン中のリン濃度は0.04〜0.07ppmの範囲内に納まり、いずれの溶解でも太陽電池用シリコンの純度レベルを十分満足していた。
<実施例2>
蒸着物収集ベルトが収集ローラに接触する位置の外側にワイヤブラシ製のワイパーを設置したことを除き、実施例1と同じ構成の精錬装置を用いて、精錬試験を行った。シリコン原料も同じとし、溶解量、電子ビームの照射パターン等も実施例1と同じとして繰り返し5回の試験を行った。得られたシリコン中のリン濃度は0.03〜0.06ppmであり、実施例1より僅かではあるがリン濃度がさらに低下する傾向が見られた。
<実施例3>
実施例2と同じ精錬蒸着物収集装置を配置し、ルツボ形状寸法も同じシリコン精錬装置を用いて試験を行った。ただし、実施例2ではバッチ式で溶解精錬を行ったのに対し、シリコン原料を蒸着物収集装置の収集ローラ側から0.02kg/分連続的に供給し、送りローラ側から連続的にオーバーフローさせる方式で、精錬試験を行った。また、ルツボ内に滞留しているシリコン量は2kgとなるようにルツボを作製した。原料シリコンは実施例1および実施例2と同じものを使用し、電子ビームの電力も同じ80kWとした。得られたシリコンのリン濃度は0.06〜0.08ppmであり、実施例1や2より高めではあるが、太陽電池用シリコンの純度レベルを満足していた。
<比較例1>
実施例1〜実施例3と同じ寸法形状の水冷銅ルツボを用いて、溶解量も同じ2kgとして電子ビームの電力も80kWで1時間照射した。ただし、水冷銅ルツボの開口部の上部には蒸着物収集装置は設置しなかった。
このようにして溶解した後のシリコン中のリン濃度は初回の溶解では、0.2ppmと比較的低い濃度となったが、繰り返し溶解を行った場合、回数とともに増加する傾向が見られ、5回目では0.5ppm程度に高まった。
このような精錬効果の低減を防ぐためには、溶解バッチ毎に真空槽内に蒸着している付着物を手作業で綺麗に清掃除去する必要があり、作業性が極めて悪いことが分かった。
<比較例2>
実施例3と同じように連続的にシリコン原料を供給する方式で比較試験を行った。ただし、上部にはSUS304製の固定式の蒸着物収集板を配置して行った。その他、シリコンのルツボ内滞留量、シリコンの単位時間当たり供給量、電子ビーム等は全て実施例3の条件と同じに設定した。
精錬開始後、2時間程度までは、実施例3とほぼ同じリン濃度のシリコンが得られたが、時間が長くなるにつれて、リン濃度が上昇し、5時間後では、ほぼ2倍の1.5ppmの値となった。
本発明の精錬装置の一例を説明するための図 溶融容器と蒸着物収集ベルトの位置関係を説明するための図
符号の説明
11……真空槽
13……溶融容器
15……加熱溶融装置
21……送りローラ
22……収集ローラ
24……蒸着物収集ベルト
25……冷却装置
30……溶融シリコン
31……開口

Claims (5)

  1. 真空槽と、
    溶融容器と、
    前記溶融容器内に配置されたシリコン原料を加熱、溶融させる加熱溶融装置と、
    前記真空槽内に配置された送りローラと収集ローラと、
    前記収集ローラを冷却する冷却装置と、
    前記溶融容器上に配置され、前記送りローラと前記収集ローラの間に掛け渡された蒸着物収集ベルトと、
    前記送りローラと前記収集ローラのいずれか一方又は両方を回転させ、前記蒸着物収集ベルトを回転させるモータとを有し、
    前記蒸着物収集ベルトは熱膨張係数がシリコンよりも大きな物質で構成され、
    前記蒸着物収集ベルトは、前記溶融容器の開口と対面しながら、前記溶融容器上を通過した後、裏面が前記収集ローラの円筒側面と接触し、前記蒸着物収集ベルトの前記収集ローラに密着された部分が前記冷却装置により冷却され、前記収集ローラの上方に移動されるように構成され、
    前記収集ローラを冷却する冷却装置を有し、
    前記冷却装置により、前記蒸着物収集ベルトの前記収集ローラに密着された部分が冷却されるように構成されたシリコン精錬装置。
  2. 前記蒸着物収集ベルトは金属で構成された請求項1記載のシリコン精錬装置。
  3. 前記蒸着物収集ベルトの前記収集ローラで冷却された部分に当接された剥離装置を有する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のシリコン精錬装置。
  4. 溶融容器内にシリコン原料を配置し、加熱、溶融させ、溶融シリコンから不純物蒸気とシリコン蒸気を発生させながら、蒸着物収集ベルトを、前記溶融シリコン上を移動させ、前記不純物蒸気と前記シリコン蒸気を前記蒸着物収集ベルトに到達させ、前記蒸着物収集ベルトに不純物が濃縮したシリコン付着物を形成し、
    前記蒸着物収集ベルトを部分的に冷却し、前記蒸着物収集ベルトを前記シリコン付着物よりも大きく収縮させ、前記シリコン付着物を剥離させた後、前記溶融シリコン上を再移動させるシリコン精錬方法。
  5. 前記冷却された前記蒸着物収集ベルト表面を摩擦し、前記シリコン付着物を剥離させる請求項4記載のシリコン精錬方法。
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