JP2008177014A - プラズマディスプレイ用ガラスセラミックス材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】主としてソーダライムガラス基板を用いたプラズマディスプレイパネル、プラズマアドレス液晶表示パネル等の隔壁層の形成やその他の電気・電子回路の絶縁性被膜形成に関し、高精細パターン形成か可能な感光性ペースト用ガラスセラミックス材料が求められている。
【解決手段】重量%で軟化点が480〜540℃のガラス微粒子(A)が35〜80、軟化点が570〜640℃のガラス微粒子(B)が1〜30、シリカ微粒子が20〜65であるプラズマディスプレイ用隔壁材料であって、ガラス微粒子(A)が重量%でSiOを0〜9、Bを50〜55、Alを0〜11、ZnOを0〜12、RO(LiO+NaO+KO)を21〜25、Pを0〜10、ZrOを0〜3、さらにMgO、CaO、SrO、BaOのうちから選択される、少なくとも1種を5〜17含み、屈折率が1.53〜1.56であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、主としてプラズマディスプレイパネル、プラズマアドレス液晶表示パネル等の隔壁層の形成やその他の電気・電子回路の絶縁性被膜形成における高精細パターン形成に用いられる感光性ペースト用ガラスセラミックス材料に関する。
近年の電子部品の発達に伴い、プラズマディスプレイパネル、液晶表示パネル、エレクトロルミネッセンスパネル、蛍光表示パネル、エレクトロクロミック表示パネル、発光ダイオード表示パネル、ガス放電式表示パネル等、多くの種類の表示パネルが開発されている。その中でも、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す)が薄型かつ大型の平板型カラー表示装置として注目を集めている。PDPにおいては、表示面として使用される前面基板と背面基板の間に多くのセルを有し、そのセル中でプラズマ放電させることにより画像が形成される。このセルは、無機材料の隔壁で区画形成されており、画像を形成する各画素での表示状態を制御するため、各画素単位に電極が形成されている。
このPDPの背面基板には、放電セルを区画形成するための隔壁が形成されているが、近年、高精細化への要求が高まり、それに伴って隔壁層を高アスペクト比、且つ高精度に形成する要求が高まっている。
また、PDPの製造においては、600℃前後の高温で焼成されることからガラス基板には高価な高歪点ガラスが使用されているが、PDPメーカーからはより安価なソーダライムガラスへの変更が望まれており、560℃以下の低温で焼成可能なプラズマディスプレイ用ガラスセラミックス材料の開発が期待されている。
従来、無機材料のパターン加工を行う場合、サンドブラスト法が多く用いられている。しかし、サンドブラスト法は研削材の跳ね返りや帯電による過度の研削、所謂サイドエッチングと称される現象により、高アスペクト比、且つ高精度の隔壁層を形成できない欠点があった。
そこで、ガラスペースト中に有機樹脂を加え、耐研削性を高める手法が提案されている(特許文献1参照)。
また、感光性ガラスペーストを用いてフォトリソグラフィ技術により隔壁層を高アスペクト比、且つ高精度に形成する方法が提案されている(特許文献2〜4参照)。
また、適正焼成温度範囲を広くする手法として軟化点が800℃のガラス微粒子を20重量%程度加えた例が提案されている(特許文献4参照)。
さらに、組成では、熱軟化温度や耐水性の向上を目的に酸化鉛および酸化ビスマスを採用する系が提案されている(特許文献2,4参照)。
特開2003−257322号公報 特許第3402070号公報 特許第3696725号公報 特許第3716787号公報
前述した例えば特開2003−257322号公報に記載の情報は、有機樹脂を加えたことで、確かに耐研削性は高められるが、切削効率が低下する問題があった。
また、特許第3402070号公報、特許第3696725号公報、特許第3716787号公報に示されている感光性ペーストにはガラス微粒子以外の無機材料が使用されていないため、パターン形成後の焼成工程で焼成温度が所望の温度より少し高くなってしまうとガラス微粒子が軟化・流動してしまい、高精度に隔壁層を形成できない不具合が発生する。
また、特許第3716787号公報に示されている、軟化点が800℃のガラス微粒子を20重量%程度加えた例では、軟化点が700℃を超えるガラスを製造するためには1500℃もの高温が必要であり、効率的ではない。
さらに、組成においてみれば、特許第3716787号公報、特許第3402070号公報で使用されている酸化鉛及び酸化ビスマスは人体や環境に与える弊害が大きく、近年その採用を避ける趨勢にある。
このように、プラズマディスプレイパネル、プラズマアドレス液晶表示パネル等の隔壁層の形成やその他の電気・電子回路の絶縁性被膜形成における高精細パターン形成に用いられる感光性ペースト用ガラスセラミックス材料として、種々の問題点を解決するものは未だ得られているとはいえない。
本発明は、重量%で軟化点が480〜540℃のガラス微粒子(A)が35〜80、軟化点が570〜640℃のガラス微粒子(B)が1〜30、シリカ微粒子が20〜65であるプラズマディスプレイ用隔壁材料であって、ガラス微粒子(A)が重量%でSiOを0〜9、Bを50〜55、Alを0〜11、ZnOを0〜12、RO(LiO+NaO+KO)を21〜25、Pを0〜10、ZrOを0〜3、さらにMgO、CaO、SrO、BaOのうちから選択される、少なくとも1種を5〜17含み、屈折率が1.53〜1.56であることを特徴とするプラズマディスプレイ用隔壁材料である。
また、ガラス微粒子(B)が重量%でSiOを2〜12、Bを50〜58、Alを10〜20、ZnOを0〜6、LiOを0〜2.8、さらにMgO、CaO、SrO、BaOのうちから選択される、少なくとも1種を10〜22含み、屈折率が1.53〜1.56であることを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用隔壁材料である。
また、シリカ微粒子が非結晶シリカ、結晶シリカのうち、少なくとも1種であり、該シリカ微粒子の屈折率が1.46〜1.56であることを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用隔壁材料である。
また、ガラス微粒子(A)が30℃〜300℃における熱膨張係数が(95〜115)×10−7/℃、のガラス微粒子を用いることを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用隔壁材料である。
さらに、ガラス微粒子(B)が30℃〜300℃における熱膨張係数が(50〜70)×10−7/℃、のガラス微粒子を用いることを特徴とする上記のプラズマディスプレイ用隔壁材料である。
さらにまた、上記のプラズマディスプレイ用隔壁材料を用いることを特徴とするPDP用背面基板である。
本発明によれば、主としてソーダライムガラス基板を用いたプラズマディスプレイパネル、プラズマアドレス液晶表示パネル等の隔壁層の形成やその他の電気・電子回路の絶縁性被膜形成に関し、高精細パターン形成か可能な感光性ペースト用ガラスセラミックス材料を提供できる。
本発明は、重量%で軟化点が480〜540℃のガラス微粒子(A)が35〜80、軟化点が570〜640℃のガラス微粒子(B)が1〜30、シリカ微粒子が20〜65で構成することにより、540〜600℃で焼成可能で、プラズマディスプレイパネルの隔壁材料に好適に使用できることを見出した。
ガラス微粒子(A)が35重量%未満では緻密な焼結体を得ることができず、他方80重量%を超えると焼結体が軟化・流動し易くなる。ガラス微粒子(B)はプラズマディスプレイ用隔壁材料(ガラス微粒子(A)とガラス微粒子(B)とシリカ微粒子の混合体)の熱膨張係数を調整するとともに、焼成温度を540〜600℃の範囲の任意の温度に調整する目的で1〜30重量%加える。1重量%未満では熱膨張係数及び焼成温度を任意の範囲に調整する効果が得られず、30重量%を超えると相対的にガラス微粒子(A)とシリカ微粒子の含有量が少なくなり、所望の熱膨張係数および焼成温度が得られない。シリカ微粒子が20重量%未満では焼結体が軟化・流動し易くなり、他方65重量%を超えると緻密な焼結体を得ることができない。
本発明で使用されるガラス微粒子(A)は、重量%でSiOを0〜9、Bを50〜55、Alを0〜11、ZnOを0〜12、RO(LiO+NaO+KO)を21〜25、Pを0〜10、ZrOを0〜3、さらにMgO、CaO、SrO、BaOのうちから選択される、少なくとも1種を5〜17、含み、屈折率が1.53〜1.56であることを特徴とする無鉛・無ビスマス低融点ガラスである。
SiOはガラス形成成分であり、別のガラス形成成分であるBと共存させることにより、安定したガラスを形成することができるもので、9%(重量%、以下においても同様である)まで含有できる。9%を越えると、ガラスの流動性が低下し、緻密な焼結体を得ることが困難となる。
はSiO同様のガラス形成成分であり、ガラス溶融を容易とし、ガラスの熱膨張係数において過度の上昇を抑え、かつ、焼成時にガラスに適度の流動性を与え、SiOとともにガラスの屈折率を調整するものである。ガラス中に50〜55%で含有させるのが好ましい。50%未満ではガラスの流動性が不充分となり、焼結性が損なわれる。他方55%を越えるとガラスの軟化点が高くなり過ぎ、焼結性を損う。より好ましくは50〜53%の範囲である。
Alはガラスに適度の流動性を与え、かつ、ガラスの耐化学性を高める作用があり、0〜11%含有させる。11%を越えるとガラスの流動性が悪化し、焼結性を損う。より好ましくは1〜11%の範囲である。
ZnOはガラスの軟化点を下げ、熱膨張係数を適宜範囲に調整するもので、ガラス中に12%まで含有できる。12%を越えるとペースト中の感光性成分と反応して短時間でペーストの粘度が上昇するようになる。より好ましくは0〜6%の範囲である。
MgO、CaO、SrO、BaOはガラスに適度に流動性を与え、ガラスの耐化学性を高める効果があり、これらのうちから選択される少なくとも1種を5〜17%含有させる。5%未満ではガラスの対化学性が不十分となり、ガラス中のアルカリイオンの溶出量が多くなってペーストの粘度が上昇するようになる。他方17%を越えるとガラスの熱膨張係数が高くなり過ぎる。
O(LiO+NaO+KO)はガラスの軟化点を下げ、適度に流動性を与え、熱膨張係数を適宜範囲に調整するものであり、21〜25%の範囲で含有させることが好ましい。21%未満では上記作用を発揮し得ず、他方25%を越えると熱膨張係数を過度に上昇させるとともに、ガラス中のアルカリイオンの溶出量が多くなってペーストの粘度が上昇するようになる。
また、LiO、NaO、KOの重量比率をLiO/KOの重量比が0.2以上、0.5以下、NaO/KOの重量比が0.6以上、1.5以下とすることが好ましく、ガラス中のアルカリイオンの溶出量を抑制できる。この範囲を逸脱するとガラス中のアルカリイオンの溶出量が多くなってペーストの粘度が上昇するようになる。
はガラス形成成分であり、別のガラス形成成分であるSiOと共存させることにより、安定したガラスを形成するとともに耐化学性を高めることができるもので、0〜10%含有させる。10%を越えると軟化点が高くなり、流動性が不充分となり、焼結性が損なわれる。また、SiOとの共存量はSiO+Pが2〜10%とすることが好ましい。2%未満ではガラスの形成が不安定となり、他方10%を越えるとガラスの流動性が低下し、緻密な焼結体を得ることが困難となる。
ZrOは、ガラスの耐化学性を高める効果があり、0〜3%の範囲で含有させる。より好ましくは、0.1%〜3%の範囲である。
ガラス微粒子(B)は、重量%でSiOを2〜12、Bを50〜58、Alを10〜20、ZnOを0〜6、LiOを0〜2.8、さらにMgO、CaO、SrO、BaOのうちから選択される、すくなくとも1種類以上を10〜22、含み、屈折率が1.53〜1.56であることを特徴とする無鉛・無ビスマス低融点ガラスである。
SiOはガラス形成成分であり、別のガラス形成成分であるBと共存させることにより、安定したガラスを形成することができるもので、2〜12%(重量%、以下においても同様である)含有させる。2%未満ではガラスの形成が困難となり、他方、12%を越えると、ガラスの流動性が低下し、緻密な焼結体を得ることが困難となる。
はSiO同様のガラス形成成分であり、ガラス溶融を容易とし、ガラスの熱膨張係数において過度の上昇を抑え、かつ、焼成時にガラスに適度の流動性を与え、SiOとともにガラスの屈折率を調整するものである。ガラス中に50〜58%で含有させるのが好ましい。50%未満ではガラスの流動性が不充分となり、焼結性が損なわれる。他方58%を越えるとガラスの軟化点が高くなり過ぎ、焼結性を損う。
Alはガラスに適度の流動性を与え、かつ、ガラスの耐化学性を高める作用があり、10〜20%含有させる。10%未満ではガラスの流動性が大きくなり、且つ十分な耐化学性が得られない。20%を越えるとガラスの流動性が悪化し、焼結性を損う。より好ましくは12〜19%の範囲である。
ZnOはガラスの軟化点を下げ、熱膨張係数を適宜範囲に調整するもので、ガラス中に6%まで含有できる。6%を越えるとペースト中の感光性成分と反応して短時間でペーストの粘度が上昇するようになる。
MgO、CaO、SrO、BaOはガラスに適度に流動性を与え、ガラスの耐化学性を高める効果があり、これらのうちから選択される少なくとも1種類以上を10〜22%含有させる。10%未満ではガラスの流動性が不十分となり、560℃以下での焼成が困難となる。他方22%を越えるとガラスの熱膨張係数が高くなり過ぎる。
LiOはガラスの軟化点を下げ、適度に流動性を与え、熱膨張係数を適宜範囲に調整するものであり、2.8%まで含有できる。2.8%を越えると熱膨張係数を過度に上昇させるとともに、ガラス中のアルカリイオンの溶出量が多くなってペーストの粘度が上昇するようになる。
ガラス微粒子(A)は30℃〜300℃における熱膨張係数を(95〜115)×10−7/℃、の範囲とすることが望ましい。(95)×10−7/℃未満ではガラス微粒子(B)及びシリカ微粒子と混合した際の熱膨張係数が低くなり、ガラス基板(熱膨張係数80×10−7/℃)との整合性が得られず、他方(115)×10−7/℃を超えるとガラス微粒子(B)及びシリカ微粒子と混合した際の熱膨張係数が高くなり過ぎ、ガラス基板との整合性が得られなくなる。また、軟化点は480℃以上540℃以下とする。480℃未満では流動性が大きくなり、焼結体が軟化・流動し易くなる。他方、540℃を越えると流動性が低下し、緻密な焼結体を得ることが困難となる。
ガラス微粒子(B)は、30℃〜300℃における熱膨張係数を(50〜70)×10−7/℃、の範囲とすることが望ましい。(50)×10−7/℃未満ではガラス微粒子(A)及びシリカ微粒子と混合した際の熱膨張係数が低くなり、ガラス基板(熱膨張係数80×10−7/℃)との整合性が得られず、他方(70)×10−7/℃を超えるとガラス微粒子(A)及びシリカ微粒子と混合した際の熱膨張係数が高くなり過ぎ、ガラス基板との整合性が得られなくなる。
また、軟化点は570℃以上640℃以下とする。570℃未満では流動性が大きくなり、焼結体が軟化・流動し易くなる。他方、640℃を越えると流動性が低下し、緻密な焼結体を得ることが困難となる。
さらに、ガラス微粒子(A)とガラス微粒子(B)の屈折率を1.53〜1.56の範囲とする。シリカ微粒子の屈折率の範囲内(1.46〜1.56)に設定することで微粒子と感光性有機成分の屈折率とを整合させることができるため、高アスペクト比、且つ高精度のパターン加工が可能となる。
さらにまた、上記の感光性ペースト用隔壁材料を使っているPDP用パネルである。上述の感光性ペースト用隔壁材料を使うことにより、高アスペクト比、且つ高精度の隔壁層パターン加工が可能なPDP用パネルとすることができる。
以下、実施例により説明する。
(低融点ガラス微粒子の作製)
ガラス微粒子(A)は、SiO源として微粉珪砂を、B源としてほう酸を、Al源としてアルミナを、ZnO源として亜鉛華を、MgO源として酸化マグネシウムを、CaO源として炭酸カルシウムを、SrO源として炭酸ストロンチウムを、BaO源として炭酸バリウムを、LiO源として炭酸リチウムを、NaO源として炭酸ナトリウムを、KO源として炭酸カリウムを、P源としてリン酸ホウ素を、ZrO源としてジルコンを要した。これらを所望の低融点ガラス組成となるべく調合したうえで、白金ルツボに投入し、電気加熱炉内で1100〜1200℃、1〜2時間で加熱溶融して表1の実施例A1〜A8、表3の比較例C1〜C4に示す組成のガラスを得た。
ガラス微粒子(B)は、SiO源として微粉珪砂を、B源としてほう酸を、Al源としてアルミナを、ZnO源として亜鉛華を、MgO源として酸化マグネシウムを、CaO源として炭酸カルシウムを、SrO源として炭酸ストロンチウムを、BaO源として炭酸バリウムを、LiO源として炭酸リチウムを要した。これらを所望の低融点ガラス組成となるべく調合したうえで、白金ルツボに投入し、電気加熱炉内で1200〜1300℃、1〜2時間で加熱溶融して表2の実施例B1〜B8、表3の比較例D1〜D4に示す組成のガラスを得た。
(プラズマディスプレイ用隔壁材料の作製)
ガラス微粒子(A)とガラス微粒子(B)とシリカ微粒子とを所望のプラズマディスプレイ用隔壁材料となるべく混合して表4の実施例R1〜R8、表5の比較例S1〜S4に示すプラズマディスプレイ用隔壁材料を得た。
(ガラスセラミックスの形成)
上記のプラズマディスプレイ用隔壁材料の一部を直径12mmφ、厚さ5mmに加圧成形し、500〜650℃の各温度で40分間焼成することによりガラスセラミックスを得た。
得られたガラスセラミックスを破砕し、破断面を浸透性の染料に浸し、ついでその断面を肉眼および顕微鏡により観察し、染料が浸透していない場合については緻密な焼結体が得られたと判断して、緻密な焼結体が得られる最低焼成温度[T1]とした。
また、得られたガラスセラミックスについて肉眼により観察し、ガラスセラミックスのエッジ部分が軟化・流動して丸みを帯びている場合を焼結体が軟化・流動を始めたと判断して、焼結体が軟化・流動を始める温度[T2]とした。
さらに、T1とT2の間を適正焼成温度範囲として、[T2−T1]が40℃以上の場合を○、40℃未満の場合を×と判定した。
(感光性ペーストの作製)
残余の感光性ペースト用ガラスセラミックス材料を感光性化合物を含む有機成分に分散し、感光性ペーストを得た。
得られた感光性ペーストについて、分散直後のペースト粘度[V1]と5℃冷温室に24時間静置した後のペースト粘度[V2]を測定し、[V2/V1]が1.2未満の場合を感光性成分との反応が無いと判断して◎を、1.2〜1.5の範囲に有る場合を感光性成分との反応が有るが、実用上の問題は無いと判断して○を、1.5を超える場合を感光性成分との反応が有ると判断して×とした。
(結果)
感光性ペースト用ガラスセラミックス材料、および、各種試験結果を表4に示す。なお、表1のA1〜A8にプラズマディスプレイ用隔壁材料の実施例R1〜R8に使用したガラス微粒子(A)のガラス組成を、表2のB1〜B8にプラズマディスプレイ用隔壁材料の実施例R1〜R8に使用したガラス微粒子(B)のガラス組成を、表3のC1〜C4およびD1〜D4に比較例S1〜S4に使用した低融点ガラス組成を示す。
表4における実施例R1〜R8に示すように、本発明の組成範囲内においては、緻密な焼結体が得られる最低焼成温度が540〜600℃の範囲にあり、且つ、適正焼成温度範囲が40℃以上と広い。また、感光性成分との反応によるペースト粘度の上昇が抑制されており、プラズマディスプレイパネル、プラズマアドレス液晶表示パネル等の隔壁層の形成やその他の電気・電子回路の絶縁性被膜形成における高精細パターン形成に用いられる感光性ペースト用ガラスセラミックス材料に好適に使用できる。
他方、本発明の組成範囲を外れる表5における比較例S1〜S4は、最低焼成温度が540〜600℃の範囲を逸脱する。或いは540〜600℃の範囲にあっても、適正焼成温度範囲が40℃未満と狭く、或いは、感光性成分との反応によるペースト粘度の上昇が認められ、高精細パターン形成に用いられる感光性ペーストとして使用されるプラズマディスプレイ用隔壁材料として適用し得ない。

Claims (6)

  1. 重量%で軟化点が480〜540℃のガラス微粒子(A)が35〜80、軟化点が570〜640℃のガラス微粒子(B)が1〜30、シリカ微粒子が20〜65であるプラズマディスプレイ用隔壁材料であって、ガラス微粒子(A)が重量%でSiOを0〜9、Bを50〜55、Alを0〜11、ZnOを0〜12、RO(LiO+NaO+KO)を21〜25、Pを0〜10、ZrOを0〜3、さらにMgO、CaO、SrO、BaOのうちから選択される、少なくとも1種を5〜17含み、屈折率が1.53〜1.56であることを特徴とするプラズマディスプレイ用隔壁材料。
  2. ガラス微粒子(B)が重量%でSiOを2〜12、Bを50〜58、Alを10〜20、ZnOを0〜6、LiOを0〜2.8、さらにMgO、CaO、SrO、BaOのうちから選択される、少なくとも1種を10〜22含み、屈折率が1.53〜1.56であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ用隔壁材料。
  3. シリカ微粒子が非結晶シリカ、結晶シリカのうち、少なくとも1種であり、該シリカ微粒子の屈折率が1.46〜1.56であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイ用隔壁材料。
  4. ガラス微粒子(A)が30℃〜300℃における熱膨張係数が(95〜115)×10−7/℃、のガラス微粒子を用いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ用隔壁材料。
  5. ガラス微粒子(B)が30℃〜300℃における熱膨張係数が(50〜70)×10−7/℃、のガラス微粒子を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ用隔壁材料。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ用隔壁材料を用いることを特徴とするPDP用背面基板。
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