JP2008177003A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 セルの発電性能低下を短期回復できる限界までセルの加湿処理を行わなくても済む燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 燃料電池システム(100)は、固体高分子型の燃料電池(30)と、燃料電池のセル抵抗を検出する抵抗センサ(32)と、燃料電池からのアノードオフガスの露点を検出する露点センサ(40)と、セル抵抗と露点との関係に応じて燃料電池の乾燥回避処理を行う乾燥回避手段(50)とを備える。この構成によれば、セル抵抗と露点との関係に基づいてセルの発電性能低下を短期に回復できる限界を求めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池を備える燃料電池システムに関する。
燃料電池は、一般的には水素および酸素を燃料として電気エネルギを得る装置である。この燃料電池は、環境面において優れており、また高いエネルギ効率を実現できることから、今後のエネルギ供給システムとして広く開発が進められてきている。
例えば、固体高分子型燃料電池は、プロトン伝導性を有する固体高分子型電解質からなる電解質層の両側に、それぞれアノードおよびカソードが設けられた膜−電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)が、セパレータによって挟持された構造を有している。
この燃料電池においては、アノードに供給された燃料ガスに含まれる水素が触媒を介してプロトンと電子とに解離される。このプロトンは、電解質層を介してカソード側へと移動する。水素の解離によって生じた電子は、外部回路に取り出されて直流の電気エネルギとして利用される。カソードには、酸素を含有する酸化剤ガスが供給される。カソードにおいては、触媒を介してプロトン、電子および酸素が反応して水が生成される。
固体高分子電解質の含水量が低下すると、固体高分子電解質のイオン伝導性が低下する。したがって、発電継続のためには、固体高分子電解質の含水率を所定の水準に維持する必要がある。そこで、燃料電池の内部抵抗、オフガスの相対湿度等に応じて酸化剤ガスの背圧を制御して電解質膜の含水率を所定の水準に維持する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−175821号公報
ところで、燃料電池の発電効率を向上させるためには、セルの発電性能を短期に回復できる限り、電解質膜の加湿処理を行わないことが好ましい。しかしながら、特許文献1の技術では、セルの発電性能を短期に回復できる限界がわからない。
本発明は、セルの発電性能を短期回復できる限界までセルの加湿処理を行わなくても済む燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、固体高分子型の燃料電池と、燃料電池のセル抵抗を検出する抵抗センサと、燃料電池からのアノードオフガスの露点を検出する露点センサと、セル抵抗と露点との関係に応じて燃料電池の乾燥回避処理を行う乾燥回避手段とを備えることを特徴とするものである。本発明に係る燃料電池システムにおいては、セル抵抗と露点との関係に基づいて燃料電池の発電性能低下を短期に回復できる限界を求めることができる。したがって、燃料電池の発電性能を短期回復できる限界まで燃料電池の乾燥回避を行わなくても済む。その結果、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
露点の変化量をセル抵抗の変化量で除してマイナス1を乗じた値を露点変化/抵抗変化比と定義した場合、乾燥回避手段は、露点変化/抵抗変化比が所定のセル抵抗を境界にしてより小さい値に切り替わった場合に、燃料電池の乾燥回避処理を行ってもよい。この場合、燃料電池における非発電領域の拡大を抑制することができる。
乾燥回避手段は、露点変化/抵抗変化比が所定のセル抵抗を境界にしてより小さい値に切り替わりかつセル抵抗が所定の値を超えた場合に、燃料電池の乾燥回避処理を行ってもよい。この場合、露点変化/抵抗変化比の一時的な低下が無視される。すなわち、燃料電池の状態の検出精度が向上する。
露点の変化量をセル抵抗の変化量で除してマイナス1を乗じた値を露点変化/抵抗変化比と定義した場合、乾燥回避手段は、露点変化/抵抗変化比が露点変化/抵抗変化比の理論値よりも小さい所定の値になった場合に、燃料電池の乾燥回避処理を行ってもよい。この場合、燃料電池の乾燥を抑制することができる。
乾燥回避手段は、露点変化/抵抗変化比が前記燃料電池の理論値よりも小さい所定の値になりかつセル抵抗が所定の範囲の値になった場合に、燃料電池の乾燥回避処理を行ってもよい。この場合、露点変化/抵抗変化比の一時的な低下が無視される。すなわち、燃料電池の状態の検出精度が向上する。
乾燥回避手段は、燃料電池に供給される酸化剤ガスの相対湿度を上昇させる手段であってもよい。この場合、燃料電池の含水率を増加させることができる。
本発明によれば、セルの発電性能を短期回復できる限界までセルの加湿処理を行わなくても済む。それにより、燃料電池の発電効率を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(実施の形態)
図1および図2を参照しつつ、本発明の一実施の形態に係る燃料電池システム100について説明する。図1は、燃料電池システム100の全体構成を示す模式図である。図2は、後述するセル33の模式的断面図である。図1に示すように、燃料電池システム100は、燃料ガス供給手段10、酸化剤ガス供給手段20、燃料電池30、温度センサ31、抵抗センサ32、露点センサ40、圧力調整弁50および制御部60を備える。
燃料ガス供給手段10は、水素を含有する燃料ガスを燃料電池30に供給するための装置である。燃料ガス供給手段10は、制御部60の指示に従って燃料ガスを燃料電池30に供給する。酸化剤ガス供給手段20は、酸素を含有する酸化剤ガスを燃料電池30に供給するための装置である。酸化剤ガス供給手段20は、制御部60の指示に従って酸化剤ガスを燃料電池30に供給する。
温度センサ31は、燃料電池30のセル温度を検出し、その検出結果を制御部60に与える。抵抗センサ32は、燃料電池30のセル抵抗を検出し、その検出結果を制御部60に与える。露点センサ40は、燃料電池30において発電反応に供された後の燃料ガスであるアノードオフガスの露点を検出し、その検出結果を制御部60に与える。圧力調整弁50は、制御部60の指示に従って、燃料電池30内における酸化剤ガスの背圧を調整する。
制御部60は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)等から構成される。制御部60は、温度センサ31、抵抗センサ32および露点センサ40から与えられる検出結果に基づいて、燃料電池システム100を制御する。
次に、燃料電池30の詳細について説明する。燃料電池30は、複数のセル33が積層されたスタック構造を有する。本実施の形態においては、セル33は、固体高分子型燃料電池構造を有する。図2に示すように、セル33は、プロトン伝導性を有する固体高分子からなる電解質膜331の一方の面にアノード触媒層332、ガス拡散層333およびセパレータ334が順に積層され、他方の面にカソード触媒層335、ガス拡散層336、セパレータ337が順に積層された構造を有する。
電解質膜331は、例えば、パーフルオロスルフォン酸型ポリマーからなる。アノード触媒層332は、水素のプロトン化を促進する触媒層である。カソード触媒層335は、プロトンと酸素との反応を促進する触媒層である。アノード触媒層332およびカソード触媒層335は、例えば、白金担持カーボンからなる。ガス拡散層333は水素を含有する燃料ガスを透過する層である。ガス拡散層336は、酸素を含有する酸化剤ガスを透過する層である。ガス拡散層333,336は、例えば、カーボンペーパからなる。セパレータ334には、燃料ガス流路が設けられている。セパレータ337には、酸化剤ガス流路が設けられている。
セパレータ334の燃料ガス流路には、燃料ガス供給手段10から燃料ガスが供給される。この燃料ガスは、ガス拡散層333を透過してアノード触媒層332に到達する。燃料ガスに含まれる水素は、アノード触媒層332の触媒を介してプロトンと電子とに解離する。プロトンは、電解質膜331を伝導してカソード触媒層335に到達する。
一方、セパレータ337の酸化剤ガス流路には、図1の酸化剤ガス供給手段20から酸化剤ガスが供給される。この酸化剤ガスは、ガス拡散層336を透過してカソード触媒層335に到達する。カソード触媒層335においては、触媒を介してプロトンと酸素とが反応する。それにより、発電が行われるとともに、水が生成される。この生成水の一部は、電解質膜331に保持される。生成水の残りは、酸化剤ガス流路および燃料ガス流路から排出される。
燃料電池30の運転温度が比較的低い場合には、電解質膜331の含水率は所定の水準に維持されている。しかしながら、燃料電池30の運転温度が比較的高くなると、燃料電池30内が乾燥しやすくなる。それにより、電解質膜331の含水率が所定の水準を下回ることがある。この場合、電解質膜331の含水率が低下した範囲において発電性能が低下する。以下、図3(a)〜図3(c)を参照しつつ、電解質膜331の含水率が低下する様子を示す。
図3(a)〜図3(c)は、セル33の模式的な平面図である。セル33に供給される反応ガスに含まれる水分とセル33において生成される水分とによって電解質膜331の含水率が所定の水準に維持されている場合、図3(a)に示すように、セル33の略全面において良好な発電が行われる。図3(a)の状態を、以下、状態Aと称する。
しかしながら、セル33の高温運転等によって電解質膜331から水分が持ち去られると、電解質膜331の一部の領域の含水率が低下する。この場合、セル33における有効発電面積が縮小する。それに伴い、セル33の発電性能が低下する。例えば、酸化剤ガスが供給される入口付近において含水率が低下しやすい。図3(b)の状態を、以下、状態Bと称する。また、図3(c)に示すように、さらに乾燥が進行すると発電が行われないまたはほとんど発電が行われない非発電領域が出現する。図3(c)の状態を、以下、状態Cと称する。
続いて、図4を参照しつつ、状態A〜状態Cにおけるセル電圧およびセル抵抗について説明する。図4の縦軸はセル電圧およびセル抵抗を示し、図4の横軸は時間を示す。図4に示すように、状態Aにおいてはセル電圧およびセル抵抗は略一定値を維持する。しかしながら、電解質膜331の一部の領域が乾燥してセル33の状態が状態Bに移行すると、セル抵抗が増加する。電解質膜331の含水率が低下するからである。この場合、セル電圧が低下する。状態Bにおいては、電解質膜331の乾燥を回避する処理が行われれば、電解質膜331の状態は比較的短期に状態Aに戻る。
電解質膜331の乾燥がさらに進行してセル33の状態が状態Cに移行すると、非発電領域が急激に拡大する。それに伴い、セル抵抗が急激に増加するとともにセル電圧が急激に低下する。この場合、非発電領域では生成水が減少するので、電解質膜331の含水率が所定の水準まで回復するには比較的長時間を要する。
本実施例においては、アノードオフガスの露点とセル抵抗との関係を用いてセル33の状態を検出する。電解質膜331の含水率とアノードオフガスの露点との間に相関関係があるからである。図5は、状態A〜状態Cにおけるアノードオフガスの露点とセル抵抗との関係を示す図である。図5(a)の縦軸はアノードオフガスの露点Dpを示し、図5(a)の横軸はセル抵抗Rを示す。図5(b)の縦軸はアノードオフガスの露点の単位変化量ΔDpをセル抵抗の単位変化量ΔRで除してマイナス1を乗じた値(以下、露点変化/抵抗変化比と称する)を示す。すなわち、図5(b)の縦軸は、図5(a)における露点Dpとセル抵抗Rとの相関関係直線の傾きの絶対値を示している。図5(b)の横軸は時間を示す。
図5(a)に示すように、状態Aにおいては、燃料電池30の発電が長時間継続されても露点変化/抵抗変化比は略一定値を維持する。また、セル抵抗は、ある一定値よりも小さい値を維持する。セル33に供給される反応ガスに含まれる水分とセル33において生成される水分とによって、電解質膜331の含水率が所定の水準に維持されるからである。
一方、状態Bにおける露点変化/抵抗変化比は、状態Aにおける露点変化/抵抗変化比に比較して小さくなっている。状態Bにおいては、有効発電面積縮小に伴ってセル抵抗が増加するからである。また、状態Bにおいて有効発電面積が大幅に増加してセル抵抗がさらに増加すると、セル33の状態が状態Cに移行する。この場合、露点変化/抵抗変化比は、状態Bにおける露点変化/抵抗変化比に比較してさらに小さい値に切り替わる。
以上のことから、図5(b)の関係を導き出すことができる。まず、露点変化/抵抗変化比が所定値(図5(b)では値b)よりも大きければ、電解質膜331は状態Aを維持している。すなわち、セル33は、略全面において良好な発電を維持している。この値bよりも大きい値のことを、「露点変化/抵抗変化比の理論値」と称する。
また、露点変化/抵抗変化比が所定範囲(図5(b)では値a〜値b)にありかつセル抵抗が所定範囲(図5(b)では値c〜値e)にある場合、電解質膜331は状態Bを維持している。さらに、露点変化/抵抗変化比が所定値(図5(b)では値a)よりも小さければ、電解質膜331の状態は状態Cとなっている。このように、アノードオフガスの露点とセル抵抗との関係が検出されれば、電解質膜331が状態A〜状態Cのどの状態にあるのかを検出することができる。なお、図5(b)における値a〜値eは、燃料電池30の各種設計事項、燃料電池30の運転条件等によって決定される値である。
本実施の形態においては、制御部60は、電解質膜331の状態が状態Cになることを検出した場合に、燃料電池30における酸化剤ガスの背圧が増加するように圧力調整弁50を制御する。それにより、セル33の状態を状態Bに維持することができる。この場合、燃料電池30の発電性能を短期回復できる限界まで電解質膜331の加湿処理を行わなくても済む。その結果、燃料電池30の発電効率低下を抑制することができる。
図6は、圧力調整弁50による酸化剤ガスの背圧増加に至るまでの制御を示すフローチャートの一例である。図6に示すように、まず、制御部60は、温度センサ31からセル温度を取得し、セル温度が規定温度を超えているか否かを判断する。以下、規定温度として80℃を例にして説明する(ステップS1)。ステップS1においてセル温度が80℃を超えていると判定された場合、制御部60は、露点変化/抵抗変化比が所定値よりも小さいか否かを判定する(ステップS2)。この場合、制御部60は、電解質膜331の状態が状態Bから状態Cに移行したか否かを判定することができる。なお、ステップS2において、制御部60は、所定値として図5(b)における値aを用いることができる。
ステップS2において露点変化/抵抗変化比が所定値よりも小さいと判定された場合、制御部60は、セル抵抗Rが所定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS3)。この場合、露点変化/抵抗変化比の一時的な低下が無視される。すなわち、電解質膜331の状態の検出精度が向上する。それにより、不要な制御が抑制される。なお、ステップS3において、制御部60は、所定値として図5(b)における値dを用いることができる。
ステップS3においてセル抵抗Rが所定値よりも大きいと判定された場合、制御部60は、燃料電池30における酸化剤ガスの背圧が増加するように圧力調整弁50を制御する(ステップS4)。それにより、電解質膜331の非発電領域拡大を抑制することができる。その後、制御部60は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS1においてセル温度が80℃を超えていると判定されなかった場合、ステップS2において露点変化/抵抗変化比が所定値よりも小さいと判定されなかった場合、および、ステップS3においてセル抵抗Rが所定値よりも大きいと判定されなかった場合、制御部60は、フローチャートの実行を終了する。したがって、不要な制御を抑制することができる。
なお、ステップS2において露点変化/抵抗変化比が値aよりも小さくなったか否かが判定されているが、露点変化/抵抗変化比がある所定の値からより小さい値に切り替わったか否かが判定されてもよい。セル33の状態が状態Bから状態Cに切り替わったか否かを判定することができるからである。また、ステップS2において、値aよりも大きい値を用いてもよい。この場合、電解質膜331に非発電領域が出現する前に電解質膜331の含水率を増加させることができる。
(他の制御例)
なお、制御部60は、電解質膜331の状態が状態Bに移行した場合に、燃料電池30における酸化剤ガスの背圧が増加するように圧力調整弁50を制御してもよい。この場合、燃料電池30における非発電領域出現をあらかじめ防止することができる。図7に、その場合のフローチャートを示す。
図7に示すように、まず制御部60は、温度センサ31からセル温度を取得し、セル温度が80℃を超えているか否かを判定する(ステップS11)。ステップS1においてセル温度が80℃を超えていると判定された場合、制御部60は、露点変化/抵抗変化比が所定値よりも小さいか否かを判定する(ステップS12)。この場合、制御部60は、電解質膜331の状態が状態Bになっているか否かを判定することができる。なお、ステップS12において、制御部60は、所定値として図5(b)における値b〜値aの範囲の値を用いることができる。
ステップS12において露点変化/抵抗変化比が所定値よりも小さいと判定された場合、制御部60は、セル抵抗Rが所定の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS13)。この場合、露点変化/抵抗変化比の一時的な低下が無視される。すなわち、電解質膜331の状態の検出精度が向上する。なお、ステップS13において、制御部60は、所定の範囲として図5(b)における値c〜値eの範囲を用いることができる。
ステップS13においてセル抵抗Rが所定の範囲にあると判定された場合、制御部60は、燃料電池30における酸化剤ガスの背圧が増加するように圧力調整弁50を制御する(ステップS14)。それにより、電解質膜331の乾燥を抑制することができる。その後、制御部60は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS11においてセル温度が80℃を超えていると判定されなかった場合、ステップS12において露点変化/抵抗変化比が所定値よりも小さいと判定されなかった場合、および、ステップS13においてセル抵抗Rが所定の範囲にあると判定されなかった場合、制御部60は、フローチャートの実行を終了する。したがって、不要な制御を抑制することができる。
なお、本実施の形態においては酸化剤ガスの背圧増加によって電解質膜331の含水率低下を抑制しているが、他の手段によって電解質膜331の含水率低下を抑制してもよい。例えば、燃料電池30に供給される反応ガスにスプレー等によって水分を供給してもよく、反応ガスに水分を供給するとともに反応ガス流量を増加させてもよい。ただし、セル33の状態を状態Cから状態Bに戻す場合には、電解質膜331の含水率回復にかかる時間は短いことが好ましい。セル33の状態が状態Cになると、非発電領域が急激に拡大しやすいからである。したがって、この場合には酸化剤ガスの背圧増加処理を用いることが好ましい。酸化剤ガスの背圧増加処理を用いれば、酸化剤ガスの相対湿度上昇にかかる時間が短くなるからである。
なお、本実施の形態においては、圧力調整弁50および制御部60が乾燥回避手段に相当する。
以下、上記実施の形態に係る燃料電池システム100を用いて、アノードオフガスの露点とセル抵抗との関係を測定した。具体的には、燃料電池30に供給される反応ガスの露点を変化させて露点変化/抵抗変化比を測定した。燃料電池30には、電解質膜331として膜厚20μmのフッ素系の電解質を用い、を用い、アノード触媒層332およびカソード触媒層335として白金担持カーボンを用い、ガス拡散層333,336としてカーボンペーパを用いた。運転条件は、80℃で高温時を模擬してカソードの加湿を無加湿とした。また、電流密度を1.6A/cm、セルの運転圧力を両極背圧40kPaG(ゲージ)とした。実施例1については2時間の連続運転とし、実施例2,3については1時間の連続運転とした。
(実施例1)
実施例1においては、反応ガスの露点を80℃から45℃に低下させて、露点変化/抵抗変化比を測定した。
(実施例2)
実施例2においては、反応ガスの露点を80℃から35℃に低下させて、露点変化/抵抗変化比を測定した。すなわち、実施例2においては、実施例1に比較して反応ガスへの加湿量を少なくした。
(実施例3)
実施例3においては、反応ガスの露点を80℃から25℃に低下させて、露点変化/抵抗変化比を測定した。すなわち、実施例3においては、実施例1,2に比較して反応ガスへの加湿量を少なくした。
(分析1)
露点変化/抵抗変化比の測定結果を図8に示す。図8の縦軸はアノードオフガスの露点を示し、図8の横軸はセル抵抗を示す。図8に示すように、実施例1においては、燃料電池30の発電が長時間継続されても露点変化/抵抗変化比は略一定値を維持した。また、セル抵抗は、ある一定値よりも小さい値を維持した。すなわち、電解質膜331の含水率が所定の水準を維持すれば、露点変化/抵抗変化比は、理論値を維持することが立証された。
実施例2および実施例3においては、セル抵抗が所定値に到達するまで露点変化/抵抗変化比は略一定値を維持した。この場合の露点変化/抵抗変化比は、実施例1の露点変化/抵抗変化比に比較して小さくなった。また、セル抵抗が所定値を超えた後は、露点変化/抵抗変化比はさらに小さい値になった。したがって、電解質膜331の乾燥に伴い、露点変化/抵抗変化比が切り替わることが立証された。以上のことから、アノードオフガスの露点とセル抵抗との関係を検出することによって、電解質膜331の状態を検出することができることが立証された。
(実施例4)
実施例4においては、一度フラッディングさせた後に反応ガスの露点を低下させた。
(実施例5)
実施例5においては、フラッディングさせずに反応ガスの露点を低下させた。
(分析2)
測定結果を図9に示す。図9の縦軸はアノードオフガスの露点を示し、図9の横軸はセル抵抗を示す。図9に示すように、同一のアノードオフガス露点に対して、実施例4においては実施例5に比較してセル抵抗が増加した。すなわち、フラッディングの履歴を有する燃料電池30においてはセル抵抗が増加した。しかしながら、実施例4に係る露点変化/抵抗変化比は、実施例5に係る露点変化/抵抗変化比と略同一となった。したがって、フラッディング等の履歴にかかわらず、アノードオフガスの露点とセル抵抗との関係を検出することによって電解質膜331の状態を検出することができることが立証された。
本発明の一実施の形態に係る燃料電池システムの全体構成を示す模式図である。 セルの模式的断面図である。 電解質膜の含水率低下を説明するための図である。 状態A〜状態Cにおけるセル電圧およびセル抵抗について説明するための図である。 状態A〜状態Cにおけるアノードオフガスの露点とセル抵抗との関係を示す図である。 フローチャートの一例を示す図である。 フローチャートの他の例を示す図である。 露点変化/抵抗変化比の測定結果を示す図である。 露点変化/抵抗変化比の測定結果を示す図である。
符号の説明
10 燃料ガス供給手段
20 酸化剤ガス供給手段
30 燃料電池
31 温度センサ
32 抵抗センサ
40 露点センサ
50 圧力調整弁
60 制御部
100 燃料電池システム

Claims (6)

  1. 固体高分子型の燃料電池と、
    前記燃料電池のセル抵抗を検出する抵抗センサと、
    前記燃料電池からのアノードオフガスの露点を検出する露点センサと、
    前記セル抵抗と前記露点との関係に応じて前記燃料電池の乾燥回避処理を行う乾燥回避手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記露点の変化量を前記セル抵抗の変化量で除してマイナス1を乗じた値を露点変化/抵抗変化比と定義した場合、
    前記乾燥回避手段は、前記露点変化/抵抗変化比が所定のセル抵抗を境界にしてより小さい値に切り替わった場合に、前記燃料電池の乾燥回避処理を行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記乾燥回避手段は、前記露点変化/抵抗変化比が所定のセル抵抗を境界にしてより小さい値に切り替わりかつ前記セル抵抗が所定の値を超えた場合に、前記燃料電池の乾燥回避処理を行うことを特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 前記露点の変化量を前記セル抵抗の変化量で除してマイナス1を乗じた値を露点変化/抵抗変化比と定義した場合、
    前記乾燥回避手段は、前記露点変化/抵抗変化比が露点変化/抵抗変化比の理論値よりも小さい所定の値になった場合に、前記燃料電池の乾燥回避処理を行うことを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  5. 前記乾燥回避手段は、前記露点変化/抵抗変化比が前記燃料電池の理論値よりも小さい所定の値になりかつ前記セル抵抗が所定の範囲の値になった場合に、前記燃料電池の乾燥回避処理を行うことを特徴とする請求項4記載の燃料電池システム。
  6. 前記乾燥回避手段は、前記燃料電池に供給される酸化剤ガスの相対湿度を上昇させる手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池システム。
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JP (1) JP2008177003A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010257882A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2010282800A (ja) * 2009-06-03 2010-12-16 Toyota Motor Corp 燃料電池システム

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