JP2007188774A - 燃料電池セル - Google Patents

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Abstract

【課題】氷点下環境での拡散層及び膜−電極アッセンブリ内の残留水の凍結を少ないエネルギで防止する燃料電池セルを提供する。
【解決手段】電解質膜10を挟持するように少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリ28を有し、膜−電極アッセンブリ28が拡散層16、18とガス流路24、26が形成されたセパレータ20、22とにより挟持される燃料電池セル1であって、ガス流路内のガス温度が氷点下環境となった際に、拡散層16、18を加熱して拡散層表面温度を0度以上として、ガス流路内のガス温度が0度以下になるように拡散層16、18の加熱を制御することにより、燃料電池セル1の発電停止中に、膜−電極アッセンブリ及び拡散層16、18の残留水の凍結を防止して、残留水をガス流路内に霜柱状に凍結させる加熱機構2と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池セルに関し、特に燃料電池の凍結対策に関する。
環境問題や資源問題への対策の一つとして、酸素や空気等の酸化性ガスと、水素やメタン等の還元性ガス(燃料ガス)あるいはメタノール等の液体燃料等とを原料として電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換して発電する燃料電池が注目されている。一般的に、固体高分子電解質型燃料電池は、膜−電極アッセンブリ(MEA:Membrane-Electrode Assembly)とセパレータとを積層したものから構成される。膜−電極アッセンブリは高分子イオン交換膜からなる高分子電解質膜の両側に、それぞれ水素極(アノード極)及び空気極(カソード極)を対設した構造をとる。
固体高分子型燃料電池の発電時では、水素極側では、水素ガスを燃料ガス(アノードガス)として供給し、水素イオンと電子にする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中を空気極側に移動し、電子は外部回路を通じて空気極に到達する。空気極側では、酸素ガスあるいは空気を酸化剤ガス(カソードガス)として供給し、水素イオン、電子及び酸素が反応して水を生成する反応が行われる。
ところで、前記固体高分子形燃料電池は、イオン伝導性を維持するために、前記電解質膜を適度に加湿しておく必要があることから、水素ガス及び酸素ガスは予め加湿した状態で燃料電池に供給されるため、燃料電池内部に水が存在する。燃料電池内部に水が存在すると氷点下環境では、燃料電池の停止状態の際に、燃料電池内の水が凍結することでガス閉塞を引き起こす問題がある。ガス閉塞を引き起こしたまま燃料電池を始動させようとしても水素極及び空気極に原料ガスの供給が不十分なために、燃料電池の始動性を悪化させる。
例えば燃料電池を車両用として用いる場合には、あらゆる環境下における始動性が重要となるため、燃料電池内部の水の凍結を防止するため以下の技術が提案されている。
特許文献1には、燃料電池発電停止後、水素ガス経路あるいは酸素ガス経路の少なくとも一方に乾燥ガスを供給し、乾燥ガスに燃料電池内の残留水分を含有させて燃料電池から排出する方法が提案されている。
また、特許文献2には、冷却水循環経路、反応生成水または排ガス中の水分を回収する経路、またはこれらの循環経路との間を循環させる相互循環経路のいずれかにヒータを備え、前記循環経路内の水温が規定温度以下である場合、前記ヒータによって、前記循環経路内の水を加熱し、循環させることで燃料電池の凍結を抑制する方法が提案されている。
また、特許文献3には、燃料電池の拡散層を加熱するヒータを備え、拡散層内の温度が規定温度以下である場合、燃料電池の始動時に前記ヒータを加熱することにより、燃料電池内の凍結した水を解凍する方法が記載されている。
特開2002−208422号公報 特開2003−282106号公報 特開2003−163020号公報
しかし、特許文献1の方法では燃料電池の発電停止時の燃料電池温度が十分に高ければ短時間で燃料電池内の残留水分を排出することが出来るが、発電停止時の燃料電池温度が低いと残留水を減らすための排出に長時間を要してしまい、燃料電池を搭載した車両の運転を停止するために長時間を要してしまう。
また、特許文献2の方法では、循環経路内の水を加熱し拡散層内の水分の凍結を確実に防ぐために使用させるヒータは大きなエネルギが必要とされる。
また、特許文献3の方法では、燃料電池の発電の際に拡散層部分で凍結した水を解凍するためには、拡散層内部に大きなエネルギを必要とするヒータを備える必要があり、前記ヒータが拡散層内の原料ガスの拡散を妨害し、通常の燃料電池の発電を阻害してしまう。
本発明は、燃料電池の運転停止後において、氷点下環境下での拡散層及び膜−電極アッセンブリ内の残留水の凍結を少ないエネルギで防止する燃料電池セルを提供する。
本発明は、電解質膜を挟持するように少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリが拡散層とガス流路が形成されたセパレータとにより挟持される燃料電池セルであって、前記ガス流路内のガス温度が氷点下環境となった際に、前記拡散層を加熱して前記拡散層表面温度を0度以上として、前記ガス流路内のガス温度が0度以下になるように前記拡散層の加熱を制御することにより、前記燃料電池セルの発電停止中に、前記膜−電極アッセンブリ及び前記拡散層の残留水の凍結を防止して、前記残留水を前記ガス流路内に霜柱状に凍結させる加熱機構と、を有する。
また、前記燃料電池セルであって、前記加熱機構に電熱材料を有し、前記拡散層の加熱が前記電熱材料により行われることが好ましい。
また、前記燃料電池セルであって、前記拡散層の加熱が、前記燃料電池セルの電池反応により行われることが好ましい。
また、前記燃料電池セルであって、氷点下環境下において前記燃料電池セルの発電を停止する際に、前記ガス流路内に外気を取り込むことによって前記ガス流路内の温度を0度以下にさせる吸入機構をさらに有することが好ましい。
また、本発明は、電解質膜を挟持するように少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリが拡散層とガス流路が形成されたセパレータとにより挟持される燃料電池セルの凍結防止方法であって、前記ガス流路内のガス温度が氷点下環境となった際に、前記拡散層を加熱して前記拡散層表面温度を0度以上として、前記ガス流路内のガス温度が0度以下になるように前記拡散層の加熱を制御することにより、前記燃料電池セルの発電停止中に、前記膜−電極アッセンブリ及び前記拡散層の残留水の凍結を防止して、前記残留水を前記ガス流路内に霜柱状に凍結させる工程と、を有する。
本発明に係る燃料電池セルでは、氷点下環境となった際に拡散層を加熱して拡散層表面温度を0度以上として、ガス流路内のガス温度が0度以下になるように拡散層の加熱を制御することにより、氷点下環境での拡散層及び膜−電極アッセンブリ内の残留水の凍結を少ないエネルギで防止することが出来る。
本発明の実施の形態について以下説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池セルの構成の一例を示す。図1に示すように燃料電池セル1は、電解質膜10と水素極12と空気極14とを有する膜−電極アッセンブリ28(MEA:Membrane-Electrode Assembly)と、水素極拡散層16と、空気極拡散層18と、水素極セパレータ20と、空気極セパレータ22と、水素極ガス流路24と、空気極ガス流路26と、MEA28及び各拡散層16,18の残留水の凍結を防止して残留水を各ガス流路24,26内に霜柱状に凍結させる加熱機構2とを有する。
また、図1に示すように燃料電池セル1に備えられる加熱機構2は、水素極ヒータ30と、空気極ヒータ32と、水素極拡散層温度センサ34と、空気極拡散層温度センサ36と、水素極ガス流路温度センサ38と、空気極ガス流路温度センサ40と、電源42と、出力制御部44とを有する。
加熱機構2は、各拡散層16,18を加熱して各拡散層16,18の表面温度を0度以上に加熱する水素極ヒータ30と空気極ヒータ32とを有する加熱手段と、各ガス流路24,26内のガス温度が0度以下になるように各拡散層16,18の加熱を制御する電源42と出力制御部44とを有する制御手段と、各拡散層16,18の表面温度と各ガス流路24,26内のガス温度を検出する水素極拡散層温度センサ34と空気極拡散層温度センサ36と水素極ガス流路温度センサ38と空気極ガス流路温度センサ40とを有する温度検出手段とを有している。
燃料電池セル1は、電解質膜10の一方の表面に第1触媒層である水素極12が、もう一方の表面に第2触媒層である空気極14が電解質膜10を挟んでそれぞれ対向するように形成されたMEA28(MEA:Membrane-Electrode Assembly)と、MEA28を挟んで両面に設けられた水素極拡散層16及び空気極拡散層18と、前記拡散層16,18の両外側を挟持する櫛型状の水素極セパレータ20及び空気極セパレータ22とを備える。櫛型状の各セパレータ20,22の空洞部は、水素極12及び空気極14にそれぞれ水素ガス、空気等の原料を供給するための水素極ガス流路24、空気極ガス流路26となっている。
また、燃料電池セル1に備えられる加熱機構2において、水素極ヒータ30が水素極拡散層16内を加熱するために水素極拡散層16内に埋め込まれ、水素極拡散層温度センサ34は水素極拡散層16の表面温度を検出するために水素極拡散層16の例えば表面に設置され、また水素極ガス流路温度センサ38は水素極セパレータ20内の水素極ガス流路24内のガス温度を検出するために水素極ガス流路24内に設置される。一方、空気極14側も同様に空気極ヒータ32が空気極拡散層18内を加熱するために空気極拡散層18内に埋め込まれ、空気極拡散層温度センサ36は空気極拡散層18の表面温度を検出するために空気極拡散層18の例えば表面に設置され、また空気極ガス流路温度センサ40は空気極セパレータ22内の空気極ガス流路26内のガス温度を検出するために空気極ガス流路26内に設置される。電源42は水素極ヒータ30と空気極ヒータ32に電力を供給するためのものであり、負荷ケーブルにより接続されている。出力制御部44は各温度センサ34,36,38,40の温度検出に基づいて電源42の出力を制御するものであり、制御ケーブルにより接続されている。
本実施形態に係る燃料電池セル1の発電の際に、電解質膜10の水素イオン伝導性を高めるために、水分を含有させた水素ガスが燃料電池セル1に供給される。水分を含有した水素ガスは水素極ガス流路24を通り水素極拡散層16によりガス拡散して水素極12に供給される。この際に、水素ガスに含有された水分が水素極拡散層16中に滞留する。一方空気ガスも同様な流れで空気極14に供給されるため、空気ガスに含有された水分が空気極拡散層18中に滞留する。また燃料電池セル1の発電によって水が生成するため、MEA28内に生成した水分が滞留する。このようにして前記拡散層16,18及びMEA28内に滞留した水分の凍結を防止する手段、特に前記拡散層16,18内で滞留する水の凍結を防止する手段について以下に説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る燃料電池セルの加熱機構による温度制御フローである。燃料電池セル1の発電停止後に、ステップS12で水素極ガス流路温度センサ38により水素極ガス流路24内の温度が検出され0度以下と判定されたときに、S14で電源42から水素極ヒータ30に電力が供給され、水素極拡散層16が加熱される。次にS16で水素極拡散層温度センサ34により水素極拡散層16の表面温度が検出され、水素極拡散層16の表面温度が0度以下の状態であれば、S14で電源42から水素極ヒータ30に電力の供給が継続される。一方、S16で水素極拡散層16の表面温度が0度を超えたときは、S18で水素極ガス流路温度センサ38により水素極ガス流路24内の温度が検出され、水素極ガス流路24内の温度が0度より高い温度状態になる場合には、S20で出力制御部44により電源42から水素極ヒータ30への電力の供給が行われないように制御される。その後S22で水素極拡散層温度センサ34により水素極拡散層16の表面温度が検出され、水素極拡散層16の表面温度が0度以下の状態であれば、再度S14で電源42から水素極ヒータ30に電力が供給され、水素極拡散層16の加熱が開始される。またS18で水素極ガス流路温度センサ38により水素極ガス流路24内の温度が検出され、水素極ガス流路24内の温度が0度以下の状態であれば、S14で電源42から水素極ヒータ30に電力の供給が継続される。このようにして水素極拡散層16の表面温度が0度より高い温度でかつ、水素極ガス流路24内のガス温度が0度以下の状態に保たれるようにする。
上記のように水素極拡散層16の表面温度を0度より高い温度でかつ、水素極ガス流路24内のガス温度を0度以下の状態に保たれることによって、水素極ガス流路24と水素極拡散層16との界面において、前記界面に近い水素極拡散層16内の残留水が毛細管現象により水素極ガス流路24側に吸い上げられ、0度以下の状態に保たれた水素極ガス流路24内で凍結する。これにより前記界面に近い水素極拡散層16内の残留水の濃度が減少するため、その濃度勾配により水素極拡散層16内の残留水が前記界面の方に移動し、前記同様に水素極ガス流路24内で凍結する。このようにして水素極拡散層16の残留水を、燃料電池セル1の発電停止中に水素極ガス流路24内で霜柱状に結晶成長させることができる。水素極ガス流路24の容積は水素極拡散層16の残留水量に対して充分大きな容積であるため、水素極ガス流路24内に霜柱状に結晶成長させても、燃料電池セル1の氷点下発電時に致命的なガス閉塞を引き起こすことはない。一方、空気極14側でも同様にして空気極ガス流路26内で霜柱状に結晶成長させることができる。さらに各拡散層16,18内の残留水の濃度の減少が進行することに伴い、MEA28内の残留水も濃度勾配により前記界面の方に移動し各ガス流路24,26内で霜柱状に結晶成長させることができる。
従来は、燃料電池セル1の発電の際に、各拡散層16,18内で凍結した水を解凍するために大きな容量を持つ各ヒータ30,32を各拡散層16,18内に備える必要があり、大きな容量を持つ各ヒータ30,32が拡散層内の原料ガスの拡散を妨害し、通常の燃料電池の発電を阻害してしまうのに対して、本発明の実施形態においては、各ヒータ30,32は各拡散層16,18内の表面温度を0度より高い温度に保つだけの容量を備えていれば良いので、各ヒータ30,32は小型のものでよい。従って通常の燃料電池セル1の発電時に水素極12、空気極14に供給される原料ガスの拡散を各ヒータ30,32が阻害することはほとんどない。
さらに、本実施形態に係る燃料電池セル1を搭載した車両の運転停止時に乾燥ガスを供給して燃料電池内の残留水を排除する場合でも、上記のような制御手段を有することによって、各拡散層16,18内の残留水を乾燥ガスにより排除する必要はなく、水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内の残留水を排除する程度のみの時間でよいため、車両の運転停止時間を早くすることが出来る。
加熱機構2に用いられる水素極ヒータ30、空気極ヒータ32は、水素極拡散層16、空気極拡散層18の表面温度を0度以上として水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内のガス温度を0度以下の状態に保つことが出来るものであれば特に制限はないが、ニッケルクロム、銅ニッケル、銅マンガン、ニッケル等の電熱材料であることが好ましい。また電熱材料と各拡散層16,18との絶縁性と、電熱材料の耐食性を確保するために電熱材料の周りにシリコーン、ガラス繊維、テフロン(登録商標)等によりコーティングされていることが好ましい。また水素極拡散層16、空気極拡散層18の表面温度を0度以上として水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内のガス温度を0度以下の状態に保つように制御できるのであれば、水素極ヒータ30、空気極ヒータ32の設置場所は特に制限されるものではない。
さらに水素極ヒータ30、空気極ヒータ32の代替に、燃料電池セル1の発電による発熱反応を利用してもよい。上記で説明したように、図2のS12で、各ガス流路温度センサ38,40で各ガス流路24,26内の温度が検出され0度以下と判定されたときに、S14で電源42から各ヒータ30,32に電力が供給され、各拡散層16,18が加熱される代わりに、燃料電池セル1に水素ガスと酸素ガスが供給され、燃料電池セル1の発電による発熱を利用し、MEA28が加熱される。次にS16で各拡散層温度センサ34,36により各拡散層16,18の表面温度が検出され、各拡散層16,18の表面温度が0度以下の状態であれば、S14で燃料電池セル1の発電が継続される。一方、S16で各拡散層16,18の表面温度が0度を超えたときは、S18で各ガス流路温度センサ38,40により各ガス流路24,26の温度が検出され、各ガス流路24,26の温度が0度より高い温度状態になる場合には、S20で出力制御部44、例えば負荷装置(可変抵抗)により燃料電池セル1の発電が行われないように制御される。その後S22で各拡散層温度センサ34,36により各拡散層16,18の表面温度が検出され、0度以下の状態であれば、再度S14で燃料電池セル1の発電が行われ、MEA28の加熱が開始される。またS18で各ガス流路温度センサ38,40により各ガス流路24,26の温度が検出され、各ガス流路24,26の温度が0度以下の状態であれば、S14で燃料電池セル1の発電が継続される。このようにして各拡散層16,18の表面温度が0度より高い温度でかつ、各ガス流路24,26のガス温度が0度以下の状態に保たれるようにする。
このように各拡散層16,18の加熱を燃料電池セル1の電池反応を利用することにより、各ヒータ30,32を必要としないため、低温凍結防止対策としての燃料電池セル1の部品点数を減らすことが出来るため、製造が容易であり、コストを削減することが出来る。
加熱機構2に用いられる水素極拡散層温度センサ34、水素極拡散層温度センサ36は各拡散層16,18内の表面温度を検出することができる場所であれば、水素極拡散層温度センサ34、水素極拡散層温度センサ36の設置場所は特に制限されるものではない。また水素極ガス流路温度センサ38、空気極ガス流路温度センサ40も、各ガス流路24,26内のガス温度を検出することができる場所であれば、水素極拡散層温度センサ38、水素極拡散層温度センサ40の設置場所は特に制限されるものではない。
加熱機構2に用いられる出力制御部44は、各温度センサ34,36,38,40により検出した温度により電源42の出力を制御するものであれば、特に制限されるものではない。また出力制御部44に一定の閾値を設定することにより、各拡散層16,18内の水が消失したことによる無駄な各ヒータ30,32の通電を行わない機構をさらに備えるものでもよい。具体的には、電源42の出力と各拡散層16,18内の温度との関係が、急激に変わると、各拡散層16,18内の水分が消失したことを示す機構である。
加熱機構2に用いられる電源42は、各ヒータ30,32を通電させるための電源であれば特に制限させるものではない。また電源42にタイマーを設置することにより、各拡散層16,18内の水が消失したことによる無駄な各ヒータ30,32の通電を行わない機構をさらに備えるものでもよい。さらにタイマーを設置した場合でも、各拡散層16,18内の水が消失したことによる無駄な各ヒータ30,32の通電を行わないために、前記一定の閾値を設定した場合の出力制御部44と併用してもよい。
燃料電池セル1に用いられる電解質膜10は、特に制限はないが、パーフルオロスルホン酸系や炭化水素系等の固体高分子電解質膜が好ましい。具体的には、ジャパンゴアテックス(株)のゴアセレクト(Goreselect、登録商標)、デュポン社(Du Pont社)のナフィオン(Nafion、登録商標)、旭化成(株)のアシプレックス(Aciplex、登録商標)、旭硝子(株)のフレミオン(Flemion、登録商標)等のパーフルオロスルホン酸系固体高分子電解質膜を使用することが出来る。燃料電池セル1に用いられる電解質膜10の膜厚は例えば、5μm〜150μm、好ましくは10μm〜50μmの範囲である。
水素極12、空気極14は白金(Pt)等を担持したカーボン等の触媒担持粒子とナフィオン(登録商標)等の固体高分子電解質とを含む電極触媒である。水素極12、空気極14の膜厚は例えば、0.1μm〜50μm、好ましくは1μm〜20μmの範囲である。
水素極12、空気極14は、例えば電極触媒をエタノール、プロピレングリコール等の溶媒に分散させたインクを用いて、湿式塗布により電解質膜10上あるいは水素極拡散層16、空気極拡散層18上に形成し、塗布膜形成後、水素極12、空気極14を電解質膜10あるいは水素極拡散層16、空気極拡散層18上に形成した後、加熱、圧着して、燃料極12、空気極14と電解質膜10あるいは拡散層16との接合面を強固にして定着させ、燃料電池セル1の外部に水素と空気が漏れ出さないようにシール構造がとられている。
水素極拡散層16、空気極拡散層18としては、導電性が高く、燃料及び空気等の原料ガスの拡散性が高い材料であれば特に制限はないが、多孔質導電体材料であることが好ましい。導電性の高い材料としては、例えば、金属板、金属フィルム、導電性高分子、カーボン材料等が挙げられ、カーボンクロス、カーボンペーパ、ガラス状カーボン等のカーボン材料が好ましく、カーボンクロス、カーボンペーパ等の多孔質カーボン材料であることがより好ましい。各拡散層16,18の膜厚は例えば、50μm〜500μm、好ましくは100μm〜300μmの範囲である。
また、水素極拡散層16、空気極拡散層18内の残留水をアノード極ガス流路、カソード極ガス流路に移行しやすくするために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の撥水性樹脂溶液である撥水ペーストにより撥水処理がされてもよい。
水素極セパレータ20、空気極セパレータ22は、耐食処理が施された金属板または焼成カーボン等のカーボン系材料等で構成され、櫛形形状である。櫛型形状のセパレータ20,22の空洞部は、水素極12及び空気極14にそれぞれ水素ガス、空気等の原料を供給するための水素極ガス流路24、空気極ガス流路26を形成している。
本発明に係る他の実施形態について以下に説明する。
図3は、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す。燃料電池セル3は、上記実施形態に係る燃料電池セル1の構成に加え、各ガス流路24及び26内に外気を取り込むことによって各ガス流路24及び26内の温度を0度以下にさせる吸入機構4をさらに有する。
図3に示すように燃料電池セル3に備えられる吸入機構4は、ファン46と配管部48とを有し、ファン46は配管部48によって、水素極ガス流路24、空気極ガス流路26に接続されている。ファン46は燃料電池の発電を停止する際に、配管部48を通して外気をアノード極ガス流路24、カソード極ガス流路26に供給するためのものである。
図4は、本発明の他の実施形態に係る燃料電池の加熱機構と吸入機構とによる温度制御フローである。氷点下環境の際、燃料電池セル3の発電停止後に、S24でファン46が作動され、外気が水素極ガス流路24、空気極ガス流路26に導入される。導入される外気は0度以下であるため、水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内の温度を早期に0度以下とすることが出来る。S26で水素極ガス流路温度センサ38及び空気極ガス流路温度センサ40により水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内の温度が検出され0度以下と判定された際に、S28で電源42から水素極ヒータ30、空気極ヒータ32に電力が供給され、水素極拡散層16、空気極拡散層18が加熱される。その後図2で示した前記実施例と同様に行い(図4では、S30〜36)、水素極拡散層16、空気極拡散層18の表面温度が0度以上でかつ、水素極ガス流路24、空気極ガス流路26のガス温度が0度以下の状態に保たれることよって、水素極拡散層16、空気極拡散層18内の残留水を水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内に霜柱状に凍結させることができる。
ファン46を有することによって、積極的に外気を導入し、水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内のガス温度を早期に0度以下にすることができるため、燃料電池セル3の発電停止後の水素極拡散層16、空気極拡散層18内の残留水を短時間で水素極ガス流路24、空気極ガス流路26内に移行させ結晶成長させることができる。
ファン46は、外気を水素極ガス流路24、空気極ガス流路26に導入するものであれば特に制限されるものではない。また代替物として、一般的に燃料電池セル3の空気極14に酸素を導入するために用いられるエアブロアであってもよい。
上記これらの実施形態に係る燃料電池セルを複数積層した燃料電池積層体として用いることも出来る。
また、上記これらの実施形態に係る燃料電池セルは、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、家庭用電源等として用いることが出来る。
本発明の実施形態に係る燃料電池セルの構成の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池セルの加熱機構による温度制御フローである。 本発明の他の実施形態に係る燃料電池セルの構成の一例を示す概略図である。 本発明の他の施形態に係る燃料電池セルの加熱機構及び吸入機構による温度制御フローである。
符号の説明
1,3 燃料電池セル、2 加熱機構、4 吸入機構、10 電解質膜、12 水素極、14 空気極、16 水素極拡散層、18 空気極拡散層、20 水素極セパレータ、22 空気極セパレータ、24 水素極ガス流路、26 空気極ガス流路、28 膜−電極アッセンブリ(MEA)、30 水素極ヒータ、32 空気極ヒータ、34 水素極拡散層温度センサ、36 空気極拡散層温度センサ、38 水素極ガス流路温度センサ、40 空気極ガス流路温度センサ、42 電源、44 出力制御部、46 ファン、48 配管部。

Claims (5)

  1. 電解質膜を挟持するように少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリが拡散層とガス流路が形成されたセパレータとにより挟持される燃料電池セルであって、
    前記ガス流路内のガス温度が氷点下環境となった際に、前記拡散層を加熱して前記拡散層表面温度を0度以上として、前記ガス流路内のガス温度が0度以下になるように前記拡散層の加熱を制御することにより、前記燃料電池セルの発電停止中に、前記膜−電極アッセンブリ及び前記拡散層の残留水の凍結を防止して、前記残留水を前記ガス流路内に霜柱状に凍結させる加熱機構と、
    を有することを特徴とする燃料電池セル。
  2. 請求項1記載の燃料電池セルであって、前記加熱機構に電熱材料を有し、前記拡散層の加熱が前記電熱材料により行われることを特徴とする燃料電池セル。
  3. 請求項1記載の燃料電池セルであって、前記拡散層の加熱が、前記燃料電池セルの電池反応により行われることを特徴とする燃料電池セル。
  4. 請求項1記載の燃料電池セルであって、氷点下環境下において前記燃料電池セルの発電を停止する際に、前記ガス流路内に外気を取り込むことによって前記ガス流路内の温度を0度以下にさせる吸入機構をさらに有することを特徴とする燃料電池セル。
  5. 電解質膜を挟持するように少なくとも一対の電極を設けた膜−電極アッセンブリを有し、前記膜−電極アッセンブリが拡散層とガス流路が形成されたセパレータとにより挟持される燃料電池セルの凍結防止方法であって、
    前記ガス流路内のガス温度が氷点下環境となった際に、前記拡散層を加熱して前記拡散層表面温度を0度以上として、前記ガス流路内のガス温度が0度以下になるように前記拡散層の加熱を制御することにより、前記燃料電池セルの発電停止中に、前記膜−電極アッセンブリ及び前記拡散層の残留水の凍結を防止して、前記残留水を前記ガス流路内に霜柱状に凍結させる工程と、
    を有することを特徴とする燃料電池セル凍結防止方法。
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