JP2008175675A - 長大構造物の健全性判定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】GPSを利用して被測定物である長大構造物の健全性を判定する長大構造物の健全性判定システムを提供することにある。
【解決手段】長大構造物の健全性判定システム10は、高架路盤11の両側部11a,11bに千鳥状に設置されたGPS受信装置18と、GPS受信装置18の受信機17がGPS衛星15から受信した観測データに基づいてGPSアンテナ16A〜16C間の基線ベクトル20A〜20Cを算出するコンピュータ19とを備えている。コンピュータ19は、基線ベクトル20A〜20Cによって画成された基準三角形25と実測三角形26との比較要素の相違点を用いて高架路盤11の残留変形を測定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、長大構造物の健全性判定システムに関し、更に詳細には、GPSを利用して長大構造物の健全性を判定するシステムに関する。
特許文献1には、ビルなどのような高い建物がある場所でもGPSを利用して国土調査や用地測量を行うことのできるGPS測量機が開示されている。この特許文献1に開示されたGPS測量機は、GPS衛生からの衛星電波を受信するGPSアンテナと、衛星電波を受信処理するGPS受信機と、GPSアンテナの三次元座標を算出するコンピュータとを基本的に備え、測量すべき場所の周囲に高い建物があるとGPS衛生からの電波を受信し難くなることからビルの屋上から張り出したGPSアンテナの地上位置を鉛直器で決定することにより測量するものである。このGPS測量機によると、測量地点が地上のどの位置であってもGPSアンテナがその直上(建造物の屋上から張り出した位置)にあるのでGPSアンテナの周辺には障害物がなく、その結果GPSアンテナがGPS衛星からの電波を確実に受信することができる。
特開平9−203636号公報
しかし、この特許文献1に開示されたGPS測量機は、GPS衛生からの電波を受信し難い市街地で如何にしてGPS測量を行うか、という課題に対して解決を与える測量技術であり、GPSを利用して構造物の変形やゆがみを検出し、その健全性を判定するものではなかった。近年、種々の災害に遭遇した構造物を引き続き使用することができるかを判定するには、専門の調査員や検査官が当該建造物の変形やゆがみ、或いは亀裂の発生やその程度を詳細に調査していた。このような調査は、調査員や検査官の人数が少ないこともあってすぐにはできず、また検査を始めてもその判定結果がでるまで非常に日数が掛かるという問題があった。
本発明の目的は、GPSを利用して長大構造物の健全性を即座に判定することができる長大構造物の健全性判定システムを提供することにある。
本発明は、GPSアンテナ及び受信機からなるGPS受信装置を、幅寸法に比較して長さ寸法の大きい長大構造物の複数の測定ポイントに設置して前記長大構造物の残留変形を測定し、前記長大構造物の健全性を判定するシステムにおいて、該長大構造物の健全性判定システムが、前記GPS受信装置によりGPS衛星から受信した観測データに基づいて前記GPS受信装置間の基線ベクトルを算出する計算機を備え、各前記GPS受信装置は、前記基線ベクトルに囲繞された区域が少なくとも1つの三角形を形成するように前記長大構造物に配置され、前記計算機が、前記基線ベクトルによって画成された初期の基準三角形を記憶する形状記憶手段と、前記基準三角形の記憶時から所定時間経過後に算出した前記基線ベクトルによって画成される実測三角形を前記基準三角形と比較する比較手段と、前記比較手段によって比較した前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素の相違点を用いて前記長大構造物の残留変形を測定する測定手段とから構成されていることにある。
本発明に係る長大構造物の健全性判定システムにおける一実施形態としては、各前記GPS受信装置は、前記基線ベクトルに囲繞された区域が前記長大構造物の長手方向に連続した三角形を形成するように前記長大構造物の両側部に千鳥状に配置され、前記計算機の前記形状記憶手段が、前記基線ベクトルによって画成された連続する初期の基準三角形を記憶し、前記計算機の前記比較手段が、連続する前記基準三角形の記憶時から所定時間経過後に算出した前記基線ベクトルによって画成される連続する前記実測三角形と連続する前記基準三角形とを比較し、前記計算機の前記測定手段が、前記比較手段によって比較した連続する前記基準三角形と連続する前記実測三角形との比較要素の相違点を用いて前記長大構造物の残留変形を測定することである。
また、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムにおける他の実施形態としては、前記長大構造物の健全性判定システムが、前記長大構造物の近傍における地上の座標確定ポイントに設置された基準局を備え、該基準局が誤差推定値を測定し、前記GPS受信装置が前記誤差推定値を用いて擬似距離を補正しつつ測位計算を実行することである。
さらに、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムにおける他の実施形態としては、前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との各辺の長さ寸法である。
さらに、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムにおける他の実施形態としては、前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との各内角である。
さらに、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムにおける他の実施形態としては、前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との比高である。
さらに、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムにおける他の実施形態としては、前記長大構造物が、橋梁、高架道路、及び鉄道用軌道のいずれかである。
本発明に係る長大構造物の健全性判定システムによれば、長大構造物の残留変形の測定手段として、実測三角形を基準三角形と比較したときの比較要素の相違点を用いるから、災害が起こった後の長大構造物の捻れや、座屈等の変形を見落とすことなく調査することができ、災害が起こった後の長大構造物の健全性を確実に且つ即座に判定することができる。また、耐用年数が経過した後の長大構造物の傾きや捻れ、座屈等の変形を調査することもでき、その構造物の今後の使用可能性を判定することができる。このシステムは、GPSを利用して基準三角形と実測三角形とを形象し、それら三角形の相違点を抽出するから、目視では不可能なわずかな残留変形を確実に検出することができる。また、このシステムは、基線ベクトルに囲繞された区域が三角形を形成するように各GPS受信装置を長大構造物の長手方向における両側部に千鳥状に配置するだけなので、システムの設定に手間がかからず、さらに、システムを容易に移設することができる。
また、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムによれば、長大構造物の近傍における地上の座標確定ポイントに設置された基準局が誤差推定値を測定し、GPS受信装置が誤差推定値を用いて擬似距離を補正しつつ測位計算を実行するので、測定精度を向上させることができ、自然災害や人的災害が起こった後または耐用年数が経過した後の長大構造物のわずかな残留変形を確実に検出することができる。
さらに、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムによれば、基準三角形と実測三角形との比較要素が、基線ベクトルによって画成されたそれら三角形の各辺の長さ寸法であるので、実測三角形の各辺の長さ寸法が基準三角形のそれと相違すれば、自然災害または人的災害が起こった後の長大構造物や耐用年数が経過した長大構造物に傾きや捻れ、座屈等の残留変形を生じたことが直ちに分かり、基準三角形と実測三角形との各辺の長さ寸法を比較することによって長大構造物の健全性を確実に判定することができる。
さらに、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムによれば、基準三角形と実測三角形との比較要素が、基線ベクトルによって画成されたそれら三角形の各内角であるので、実測三角形の各内角の角度が基準三角形のそれと相違すれば、自然災害または人的災害が起こった後の長大構造物や耐用年数が経過した長大構造物に傾きや捻れ、座屈等の残留変形を生じたことが直ちに分かり、基準三角形と実測三角形との各内角の角度を比較することによって長大構造物の健全性を確実に判定することができる。
さらに、本発明に係る長大構造物の健全性判定システムによれば、基準三角形と実測三角形との比較要素が、基線ベクトルによって画成されたそれら三角形の比高であるので、実測三角形の垂直方向の高さ寸法が基準三角形のそれと相違すれば、自然災害または人的災害が起こった後の長大構造物や耐用年数が経過した長大構造物に傾きや捻れ、座屈等の残留変形を生じたことが直ちに分かり、基準三角形と実測三角形との比高を比較することによって長大構造物の健全性を確実に判定することができる。
以下、本発明に係る長大構造物の健全性判定システム(以下、健全性判定システム、と称する)を図に示される実施の形態について更に詳細に説明する。この明細書において「長大構造物」とは、土木、建築構造物において幅寸法に比較して長さ寸法が大きい、橋梁、高架路盤、及び鉄道用軌道を指すものとする。高架路盤は、支柱で支持された鋼製又はコンクリート製の路盤であり、該路盤上に舗装や路面などを形成して自動車道路とし、或いは軌道を敷設して高架鉄道又は輸送設備として利用する例を含む。図1は、この発明の第1の実施形態に係る健全性判定システム10により健全性を判定する長大構造物の一例である高架路盤11の一部を概略的に示す正面図、図2は、図1に示される高架路盤11の概略的な平面図である。図1,図2に概略的に示される高架路盤11は、エキスパンションジョイント12により接続された複数のブロック13a,13b,13c,13dを備え、これらブロック13a,13b,13c,13dは、それらの接続端部を複数のコンクリート支柱14に架け渡して支持されている。
この健全性判定システム10は、GPS衛星15(図3参照)が発信した衛星電波を受信するGPSアンテナ16A〜16C、及びこれらGPSアンテナ16A〜16Cに接続されたGPS受信機17からなるGPS受信装置18と、GPS受信機17に接続されたコンピュータ19(計算機)(図4参照)とから構成されている。図1の健全性判定システム10におけるGPS測位法は、スタティック測位(干渉測位)を採用している。この健全性判定システム10では、複数台のアンテナ16A〜16Cと受信機17とを使用して同時時間帯に観測することにより、多数の基線ベクトル20A〜20Cを同時に求めることができる。測定される基線ベクトル20A〜20Cの数は、図4に示されるように3本である。基線ベクトル20A〜20Cに囲繞された区域は1つの三角形21を呈する。図1,図2に示される健全性判定システム10では、GPS受信装置18とコンピュータ19とが省略されている。
GPS衛星15とGPSアンテナ16A,16Bとの相関関係の一例は図3に示され、GPSアンテナ16A〜16Cどうしの間に延びる基線ベクトル20A〜20Cのイメージは、図4に示されている。GPS衛星15は、地上約20200kmの上空を周期約11時間58分2秒で周回している。衛星15は、6つの軌道面に4機ずつ計24機配備され、地球上のどの位置からでも常時4機以上の衛星15が幾何学的配置のもとで観測できるように運用されている。衛星15は、衛星電波(搬送波、PRNコード、航法メッセージ)を生成し、生成した衛星電波を3つのブロックに分割して発信している。
GPSアンテナ16A〜16Cは、高架路盤11(被測定構造物)の両側部11a,11bに千鳥状に設置されている。具体的には、各GPSアンテナ16A〜16Cは、支柱14で支持された各ブロック13a,13b,13cに1つ配置され、各GPSアンテナ16A〜16Cを結ぶ線分(基線ベクトル20A〜20C)が三角形を形成するように高架路盤11の両側部11a,11bに千鳥状に配置、固定されている。なお、各GPSアンテナは、これらを結ぶ線分が三角形を形成するように配置する必要はなく、線分が四角形、菱形、或いは台形を形成するように配置されていてもよい。アンテナ16A〜16Cは、GPS衛星15で生成された衛星電波を受信し、受信した衛星電波をGPS受信機17に出力する。
GPS受信機17は、入力された衛星電波を増幅かつ周波数変換し、十分なレベルの電波とした後、コード同期回路でコードの同期(電波伝搬時間の検出)を行う。受信機17は、受信しようとする衛星と同一のC/Aコードパターン基準搬送波(レプリカ)を発生させ、そのタイミングを調整して衛星電波と同期をとる。受信機17では、生成したコードと受信した衛星コードとの相関がもっとも高くなるように時刻を移動させる。相関がもっとも高くなったときにレプリカと衛星電波とが同期し、受信機17が航法メッセージを復調する。次に、受信機17は、測位に用いる搬送波位相を再生する。受信機17は、衛星電波からコードと航法メッセージとを除去し、フィルタリングをかけた後、再生搬送波(サイン波)を得る。再生搬送波は位相同期回路に出力され、受信機17が発生させた搬送波レプリカと比較して2つの波間の位相差(衛星からの搬送波の位相と受信機内搬送波レプリカの位相との差)が測定される。位相差は、位相カウンタに入力され、位相カウンタで積算される。位相差の測定は、受信機時計の秒信号に合わせてあらかじめ設定された時刻間隔(エポック間隔)で行われる。
スタティック測位(干渉測位)では、図4に示すように、高架路盤11の両側部11a,11bの複数の測定ポイントPにGPSアンテナ16A〜16CとGPS受信機17とからなるGPS受信装置18を千鳥状に設置して観測を行い、GPS衛星15が天空を移動する位置変化を利用して整数値バイアスを決定する。整数値バイアスによる基線ベクトル20A〜20Cの多重解は、図3に示すように、3組の二重位相差をとる4個の衛星15の位置によって決まる。なお、衛星15の移動によって多重解も移動するが、真の解だけは不動点となる。これを利用し、一定時間連続して観測することで不動点を見つけ出し、基線ベクトル20A〜20Cと整数値バイアスとを同時に確定する。スタティック側位は、位相差積算値を観測量として側位計算を行う。しかし、整数倍の不確定性があるため、衛星15と受信機17との時計誤差を完全に除去しなければならない。そこで、スタティック測位では、位相差積算値を衛星15どうしで差をとるとともに、位相差積算値を受信機17どうしで差をとることによって、衛星15と受信機17とに起因する誤差を解消している。
コンピュータ19は、中央処理装置(CPU)とキャッシュメモリとを有する。コンピュータ19は、インターフェイス(有線22)または無線によってGPS受信機17に接続されている(図4参照)。コンピュータ19には、キーボード23やディスプレイ24が設置され、大容量ハードディスクが内蔵されている。コンピュータ19には、図示していないが、プリンタがインターフェイスを介して接続されている。キャッシュメモリの内部アドレスファイルには、このシステムを実行するためのプログラムと、GPS受信機17が観測した観測データを使用して基線解析計算を実行する基線解析アプリケーションとが格納されている。中央処理装置は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、内部アドレスファイルに格納されたプログラムを起動し、プログラムに従ってこのシステムの形状記憶手段や比較手段、測定手段、判定手段、出力手段を実行する。
コンピュータ19では、キーボード23を介して内部アドレスファイルに格納された各データを随時変更することができる。なお、コンピュータ19は、携帯用のそれを測定時に持ち込んで、GPS受信機17に接続することもでき、GPS受信機17に接続した状態で高架路盤11の一側部11aに設置することもできる。基線解析アプリケーションは、GPS受信機17が記録した搬送波位相や擬似距離等のデータを解析して基線ベクトルを計算する機能の他に、観測計算を作成するための衛星観測条件計算機能や三次元網平均計算機能を有し、各種測量用ツールを保有している。
次に、コンピュータ19による基線ベクトル20A〜20Cの解析の一例を説明する。コンピュータ19は、GPS受信機17から観測ポイントP毎の観測データ(位相データや擬似距離、航法メッセージ)を読み込んだ後、観測時刻(エポック)毎に2つの観測ポイントPにおける同じ衛星毎の位相差を計算する(受信機間一重位相差)。次に、2つの衛星15に関する一重位相差の差をとり、二重位相差を計算する。さらに、エポック間での二重位相差の差をとり、三重位相差(あるエポックの二重位相差とその1つ前のエポックの二重位相差との差)を計算する(位相差の計算)。GPS受信機17から読み込んだ航法メッセージの軌道情報からエポック毎の衛星位置を計算する(衛星位置の計算)。三重位相差と衛星15の位置データとから最小二乗法によって概略の基線ベクトルを計算する(概略の基線ベクトル計算)。そして、三重位相差によって求めた基線ベクトルを近似値として、二重位相差による整数値バイアスの推定と基線ベクトルの計算とを最小二乗法によって行う(整数値バイアス推定と基線ベクトル計算)。整数値バイアスの推定を行った後、整数値バイアスを整数値に固定して最小二乗法によって基線ベクトルを再び計算する(バイアスの整数化)。最終的に計算された基線ベクトルと衛星位置とをもとに理論的な観測値(二重位相差)を作る(統計量の計算)。最終的に計算された基線ベクトルの結果に対して標準偏差等の統計量の評価を行い、基線ベクトル20A〜20Cを決定する。
図5,6は、コンピュータ14のディスプレイ24に表示された基準三角形25と実測三角形26とを示す図である。図6では、それら三角形25,26が三次元座標に表示されている。このシステム10では、高架路盤11の両側部11a,11bに千鳥状にGPSアンテナ16A〜16CとGPS受信機17とを設置した直後、受信機17から入力された観測データを使用してコンピュータ19が基線ベクトル20A〜20Cを決定する。コンピュータ19は、基線ベクトル20A〜20Cを使用して、ベクトル20A〜20Cによって画成される二次元または三次元空間上の初期基準三角形25を形象する。コンピュータ19は、基準三角形25を形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。コンピュータ19は、基準三角形25を格納してから所定期間経過後に再び基線ベクトル20A〜20Cを決定し、再度決定した基線ベクトル20A〜20Cを使用して、ベクトル20A〜20Cによって画成される二次元または三次元空間上の実測三角形26を形象する。コンピュータ19は、実測三角形26を形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。実測三角形26を形象するための所定期間に特に限定はなく、期間を自由に決めることができる。たとえば、期間を週単位や月単位、年単位で定めることができるのみならず、地震や台風、地殻変動等の自然災害または火災や土地の掘削による陥没等の人的災害が起こった直後とすることもできる。
コンピュータ19は、それぞれ基準三角形25と実測三角形26とを比較する(比較手段)。比較手段により基準三角形25と実測三角形26とを比較したコンピュータ19は、基準三角形25と実測三角形26との比較要素の相違点を抽出し、抽出した相違点によって高架路盤11の残留変形を測定し(測定手段)、さらに、残留変形の値によって高架路盤11の健全性を判定する(判定手段)。なお、健全性とは、高架路盤11が継続して使用可能か、今後何年の使用に耐えられるか、どの部分の補強が必要か等を意味する。また、基準三角形25と実測三角形26との比較要素は、基準三角形25と実測三角形26との各辺の長さ寸法、各内角の角度、比高(垂直方向の高さ寸法)、基準三角形25に対する連続する実測三角形26の水平方向の移動寸法である。
コンピュータ19は、図5に示されるように基準三角形25と実測三角形26とを平面画像としてディスプレイ24に表示する。ディスプレイ24には、図示していないが、基準三角形25の各辺(A−B辺、B−C辺、A−C辺)の長さ寸法が表示され、実測三角形26の各辺(a−b辺、b−c辺、a−c辺)の長さ寸法が表示され、さらに、基準三角形25の各辺の長さ寸法と実測三角形26の各辺の長さ寸法との差(A−B辺の長さ寸法とa−b辺の長さ寸法との差、B−C辺の長さ寸法とb−c辺の長さ寸法との差、A−C辺の長さ寸法とa−c辺の長さ寸法との差)が表示される(出力手段)。
また、ディスプレイ24には、基準三角形25の内角の角度(θA,θB,θC)が表示され、実測三角形26の内角の角度(θa,θb,θc)が表示され、さらに、基準三角形25の各内角と実測三角形26の各内角との差(角度θAと角度θaとの差、角度θBとθbとの差、θCとθcとの差)が表示される(出力手段)。コンピュータ19は、図5の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形25と実測三角形26との各辺の長さ寸法、各辺の長さ寸法の差、内角の角度、これら内角の角度の差をメモリに格納する。
コンピュータ19は、図6に示すように、三次元座標を用いて基準三角形25と実測三角形26とを立体画像としてディスプレイ24に表示する。ディスプレイ24には、図示していないが、基準三角形25の各点(A点、B点、C点)のX,Y,Z軸における座標が表示され、実測三角形26の各点(a点、b点、c点)のX,Y,Z軸における座標が表示される。さらに、基準三角形25の各点に対する実測三角形26の各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法±(基準三角形25のA点に対する実測三角形26のa点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形25のB点に対する実測三角形26のb点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形25のC点に対する実測三角形26のc点のX,Y,Z軸方向への移動寸法)が表示される。コンピュータ19は、図6の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形25と実測三角形26との各点の座標、それら三角形25,26の各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法をメモリに格納する。コンピュータ19は、図5,6の画像をプリンタにより印刷し、各辺の長さ寸法の差や内角の角度の差、各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法をプリンタにより印刷する(出力手段)。
コンピュータ19は、基準三角形25の各辺の長さ寸法と実測三角形26のそれとの差、基準三角形25の内角の角度と実測三角形26のそれとの差、基準三角形25の比高と実測三角形26のそれとの差(A点、B点、C点のY軸方向の移動量)から、高架路盤11の健全性を判定し、判定結果(健全性あり、または、健全性なし)を出力する。健全性を判断するそれら差の基準値はあらかじめコンピュータ19に設定されている。コンピュータ19は、判定結果をメモリに格納する。なお、それらの基準値は、測定する構造物の大きさや種類、アンテナ16A〜16Cの設置位置、災害の大小、構造物に築年数等の各要素によって異なり、例示の基準値に限定されず、自由に設定することができる。コンピュータ19では、それら基準値がキーボード23を使って設定、変更される。
前述した実施形態に係る長大構造物の健全性判定システム10では、実測三角形25と基準三角形26とを比較したときの比較要素の相違点を用いて高架路盤11の残留変形を測定し、残留変形の値から高架路盤11の健全性を判定するから、自然災害や人的災害が起こった後の高架路盤11の傾きや捻れ、座屈等の変形を見落とすことなく調査することができ、それら災害が起こった後の高架路盤11の健全性を確実に判定することができる。また、耐用年数が経過した後の高架路盤11の傾きや捻れ、座屈等の変形を調査することができ、高架路盤11の今後の使用可能性を判定することができる。この健全性判定システム10は、GPSを利用して基準三角形25と実測三角形26とを形象し、それら三角形25,26の相違点を抽出するから、目視では不可能なわずかな残留変形を確実に検出することができる。また、基線ベクトル20A〜20Cに囲繞された区域が三角形21を形成するように各GPSアンテナ16A〜16Cを高架路盤11の両側部11a,11bに千鳥状に配置するだけなので、システム10の設定に手間がかからず、さらに、健全性判定システム10を容易に移設することができる。
この健全性判定システム10は、実測三角形26の各辺の長さ寸法が基準三角形25の各辺の長さ寸法と相違する場合、実測三角形26の各内角の角度が基準三角形25のそれと相違する場合、実測三角形26の垂直方向の高さ寸法が基準三角形25のそれと相違する場合、実測三角形26の各点が基準三角形25の各点に対して水平方向へ移動する場合、自然災害または人的災害が起こった後の高架路盤11や耐用年数が経過した高架路盤11に傾きや捻れ、座屈等の残留変形が生じたことが判るから、基準三角形25と実測三角形26とを比較することによって高架路盤11の健全性を確実に判定することができる。
図7には、この発明の他の実施形態に係る長大構造物の健全性判定システム30が示されている。図7に示される健全性判定システム30におけるGPS測位法は、ディファレンシャル測位を採用したもので、高架路盤11(被測定構造物)の近傍における地上31の座標確定ポイントQに基準局32(GPSアンテナ及び受信機からGPS受信装置)が設置されている。測定される基線ベクトル20A〜20Cは、図1〜図4に示される実施形態と同様に3本であり、従って図4に示されるようにこれら基線ベクトル20A〜20Cにより囲繞された区域は1つの三角形21を呈する。GPS受信機17は、入力された衛星電波を増幅かつ周波数変換し、十分なレベルの電波とした後、コード同期回路でコードの周期(電波伝搬時間の検出)を行う。受信機17は、受信しようとする衛星15と同一のC/Aコードパターン基準搬送波(レプリカ)を発生させ、そのタイミングを調整して衛星電波と同期をとる。受信機17では、生成したコードと受信した衛星コードとの相関がもっとも高くなるように時刻を移動させる。相関がもっとも高くなったときにレプリカと衛星電波とが同期し、受信機15が航法メッセージを復調する。このとき、受信機17内で発生したC/Aコード時刻が衛星電波の到達時間となり、それによって受信機17が電波伝搬時間を算出する。受信機17は、電波伝搬時間に光速をかけて疑似距離を算出する。しかし、この疑似距離には、受信機時計の誤差が残る。
ディファレンシャル測位では、疑似距離の前記誤差を補正することによって測位精度を向上させる。最初に、疑似距離の誤差を推定するため、測地座標が正確に求められた座標確定ポイントQに基準局32を設置し、基準局32が各衛星15からの衛星電波を観測して観測距離(実際の疑似距離L1)を求める。一方、基準局32の測地座標は正確にわかっており、航法メッセージで送られる軌道情報から計算した衛星位置座標に基づいて、衛星15と基準局32のアンテナ(観測ポイントQ)との間の幾何学的距離L2が算出される。したがって、擬似距離L1から幾何学的距離L2を引くことにより、擬似距離誤差の誤差推定値L3(補正量)を求めることができる。ディファレンシャル測位では、観測している各衛星15についての誤差推定値L3を、衛星15を介して各観測ポイントPのGPS受信機17に送信する。受信機17は、この誤差推定値L3を使用してそれが受信した擬似距離L4を補正し、測位計算を行う。なお、基準局32は、各衛星15についての誤差推定値L3を直接受信機17に送信することも、またコンピュータ19を介して受信機17に送信することもできる。
このシステム30では、GPSアンテナ16A〜16CとGPS受信機17とを設置し、さらに基準局32を設置した直後、受信機17から入力された観測データを使用してコンピュータ19が基線ベクトル20A〜20Cを決定し、これに基づいて基準三角形25と実測三角形26をディスプレイ24に表示することから高架路盤11における健全性の判定までの一連の解析及び動作は、前述した実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
この発明に係る長大構造物の健全性判定システムでは、各GPSアンテナを結ぶ線分(基線ベクトル)が高架路盤11の長手方向に連続する三角形を形成するように、各GPSアンテナを高架路盤11の両側部11a,11bに千鳥状に配置されていてもよい。具体的には、各GPSアンテナ16A〜16Dが、図8に示されるように高架路盤11の長手方向に連続する2つの三角形21a,21bを形成するように配置されている。高架路盤11の両側部11a,11bに千鳥状にGPSアンテナ16A〜16DとGPS受信機17とを設置した直後、受信機17から入力された観測データを使用してコンピュータ19が基線ベクトル20A〜20Eを決定する。コンピュータ19は、基線ベクトル20A〜20Eを使用して、ベクトル20A〜20Eによって画成される二次元または三次元空間上の連続する2つの初期基準三角形25A,25Bを形象する。コンピュータ19は、連続する2つの基準三角形25A,25Bを形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。コンピュータ19は、連続する2つの基準三角形25A,25Bを格納してから所定期間経過後に再び基線ベクトル20A〜20Eを決定し、再度決定した基線ベクトル20A〜20Eを使用して、ベクトル20A〜20Eによって画成される二次元または三次元空間上の連続する2つの実測三角形26A,26Bを形象する。コンピュータ19は、連続する2つの実測三角形26A,26Bを形象すると、それをメモリに格納する(形状記憶手段)。実測三角形26A,26Bを形象するための所定期間に特に限定はなく、期間を自由に決めることができる。たとえば、期間を週単位や月単位、年単位で定めることができるのみならず、地震や台風、地殻変動等の自然災害または火災や土地の掘削による陥没等の人的災害が起こった直後とすることもできる。
コンピュータ19は、比較手段によって連続する2つの基準三角形25A,25Bと連続する2つの実測三角形26A,26Bとを比較して、これら三角形25A,25B,26A,26Bの比較要素の相違点を抽出し、抽出した相違点によって高架路盤11の残留変形を測定し(測定手段)、さらに、残留変形の値によって高架路盤11の健全性を判定する(判定手段)。基準三角形25A,25Bと実測三角形26A,26Bとの比較要素は、それら各三角形25A,25B,26A,26Bの各辺の長さ寸法、各内角の角度、比高(垂直方向の高さ寸法)、連続する基準三角形25A,25Bに対する連続する実測三角形26A,26Bの水平方向の移動寸法である。
コンピュータ19は、図9に示すように、連続する2つの基準三角形25A,25Bと連続する2つの実測三角形26A,26Bとを平面画像としてディスプレイ24に表示する。ディスプレイ24には、図示していないが、基準三角形25A,25Bの各辺(A−B辺、B−C辺、A−C辺、B−D辺、C−D辺)の長さ寸法が表示され、実測三角形26A,26Bの各辺(a−b辺、b−c辺、a−c辺、b−d辺、c−d辺)の長さ寸法が表示され、さらに、基準三角形25A,25Bの各辺の長さ寸法と実測三角形26a,26Bの各辺の長さ寸法との差(A−B辺の長さ寸法とa−b辺の長さ寸法との差、B−C辺の長さ寸法とb−c辺の長さ寸法との差、A−C辺の長さ寸法とa−c辺の長さ寸法との差、B−D辺の長さ寸法とb−d辺の長さ寸法との差、C−D辺の長さ寸法とc−d辺の長さ寸法との差)が表示される(出力手段)。
また、ディスプレイ24には、基準三角形25A,25Bの内角(θA,θB1,θC1,θD,θB2,θC2)が表示され、実測三角形26A,26Bの内角(θa,θb1,θc2,θd,θb2,θc2)が表示され、さらに、基準三角形25A,25Bの各内角と実測三角形26A,26Bの各内角との差(角度θAと角度θaとの差、角度θB1とθb1との差、θC1とθc1との差、角度θDと角度θdとの差、角度θB2とθb2との差、θC2とθc2との差)が表示される(出力手段)。コンピュータ19は、図9の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形25A,25Bと実測三角形26A,26Bとの各辺の長さ寸法、各辺の長さ寸法の差、内角の角度、これら内角の角度の差をメモリに格納する。
コンピュータ19は、図10に示すように、三次元座標を用いて連続する2つの基準三角形25A,25Bと連続する2つの実測三角形26A,26Bとを立体画像としてディスプレイ24に表示する。ディスプレイ24には、図示していないが、基準三角形25A,25Bの各点(A点、B点、C点、D点)のX,Y,Z軸における座標が表示され、実測三角形26A,26Bの各点(a点、b点、c点、d点)のX,Y,Z軸における座標が表示される。さらに、基準三角形25A,25Bの各点に対する実測三角形26A,26Bの各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法±(基準三角形25AのA点に対する実測三角形26Aのa点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形25A,25BのB点に対する実測三角形26A,26Bのb点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形25A,25BのC点に対する実測三角形26A、26Bのc点のX,Y,Z軸方向への移動寸法、基準三角形25BのD点に対する実測三角形26Bのd点のX,Y,Z軸方向への移動寸法)が表示される。コンピュータ19は、図10の画像をメモリに格納するとともに、基準三角形25A,25Bと実測三角形26A,26Bとの各点の座標、それら三角形25A,25B,26A,26Bの各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法をメモリに格納する。コンピュータ19は、図9、図10の画像をプリンタにより印刷し、各辺の長さ寸法の差や内角の角度の差、各点のX,Y,Z軸方向への移動寸法をプリンタにより印刷する(出力手段)。
コンピュータ19は、基準三角形25A,25Bの各辺の長さ寸法と実測三角形26A,26Bのそれとの差、基準三角形25A,25Bの内角の角度と実測三角形26A,26Bのそれとの差、基準三角形25A,25Bの比高と実測三角形26A,26Bのそれとの差(A点、B点、C点、D点のY軸方向の移動量)から、高架路盤11の健全性を判定し、判定結果(健全性あり、または、健全性なし)を出力する。健全性を判断するそれら差の基準値はあらかじめコンピュータ19に設定されている。この長大構造物の健全性判定システムでは、これらGPSアンテナを結ぶ線分(基線ベクトル)が高架路盤11の長手方向に連続する2つの三角形21a,21bを形成するように各GPSアンテナ16A〜16Dを高架路盤11の両側部11a,11bに千鳥状に配置した場合を例にしたが、この発明の長大構造物の健全性判定システムでは、高架路盤11の長手方向に連続する複数の三角形21a,21b,………を形成するように各GPSアンテナを配置することもできる。このような実施形態の場合に、GPS受信機17から入力された観測データを使用してコンピュータ19が基線ベクトルを決定し、これに基づいて連続する複数の基準三角形と連続する複数の実測三角形をディスプレイ24に表示する解析と動作から、その後の高架路盤11における健全性の判定までの一連の解析及び動作は、前述した実施形態と同じである。
図1及び図7に示すシステム10,30では、GPSアンテナ16A〜16Cを支柱14で支持された高架路盤11の両側部11a,11bに設置して、該高架路盤11の健全性を判定する場合を例として説明したが、この発明に係る健全性判定システムにおける長大構造物として鉄道用軌道を判定対象物とすることができる。鉄道用軌道に発生した変形や捻れの有無を判定する場合には、図11,図12に示されるように、GPS受信装置18が、2本のレール42を支持している多数の枕木41を利用して鉄道用軌道40の延長方向に対して少なくとも1つの三角形を形成するように所定の間隔で、好ましくは千鳥状に複数設置される。各GPS受信装置18は、列車の走行に支障を起こさない取り付け箇所として、図11,図12のように枕木41の端部に適当な取り付け具を用いて設置される。このように複数のGPS受信装置18を鉄道用軌道40に設置することにより前述した実施形態と同様に鉄道用軌道40の変形や捻れなどの発生を確実かつ容易に判定することができる。
また、長大構造物として橋梁についてもこの健全性判定システムを適用することができる。橋梁の場合は、橋梁の側部における適所に少なくとも1つの三角形を形成するように所定の間隔で、好ましくは千鳥状にGPS受信装置18を複数設置することにより、前述した実施形態と同様に橋梁の捻れや変形などの発生を確実かつ容易に判定することができる。
長大構造物の健全性判定システムの一実施形態として、高架路盤の健全性を判定すべくGPS受信装置が設置された高架路盤を概略的に示す正面図である。 図1の高架路盤を概略的に示す平面図である。 GPS衛星とGPSアンテナとの相関関係の一例を示す構成説明図である。 GPSアンテナどうしの間に延びる基線ベクトルのイメージ図である。 ディスプレイに表示された基準三角形と実測三角形とを示す構成説明図である。 ディスプレイに表示された基準三角形と実測三角形とを三次元的に示す図である。 他の実施形態に係る長大構造物の健全性判定システムで用いるディファレンシャル側位の説明図である。 GPSアンテナどうしの間に延びる基線ベクトルのイメージ図である。 ディスプレイに表示された連続する2つの基準三角形と連続する2つの実測三角形とを示す構成説明図である。 ディスプレイに表示された連続する2つの基準三角形と連続する2つの実測三角形とを三次元的に示す図である。 長大構造物として鉄道用軌道の健全性を判定すべくGPS受信装置を設置した鉄道用軌道を部分的に示す平面図である。 図11の12−12線で切断して鉄道用軌道を示す断面図である。
符号の説明
10,30 建造物健全性判定システム
11 高架路盤(長大構造物)
11a,11b 高架路盤の側部
12 エキスパンションジョイント
13a〜13c 高架路盤のブロック
14 支柱
15 GPS衛星
16A〜16D GPSアンテナ
17 GPS受信機
18 GPS受信装置
19 コンピュータ(計算機)
20A〜20E 基線ベクトル
25,25A,25B 基準三角形
26,26A,26B 実測三角形
31 地上
32 基準局
P 測定ポイント
Q 座標確定ポイント

Claims (7)

  1. GPSアンテナ及び受信機からなるGPS受信装置を、幅寸法に比較して長さ寸法の大きい長大構造物の複数の測定ポイントに設置して前記長大構造物の残留変形を測定し、前記長大構造物の健全性を判定するシステムにおいて、
    該長大構造物健全性判定システムが、前記GPS受信装置によりGPS衛星から受信した観測データに基づいて前記GPS受信装置間の基線ベクトルを算出する計算機を備え、
    各前記GPS受信装置は、前記基線ベクトルに囲繞された区域が少なくとも1つの三角形を形成するように前記長大構造物に配置され、
    前記計算機が、前記基線ベクトルによって画成された初期の基準三角形を記憶する形状記憶手段と、前記基準三角形の記憶時から所定時間経過後に算出した前記基線ベクトルによって画成される実測三角形を前記基準三角形と比較する比較手段と、前記比較手段によって比較した前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素の相違点を用いて前記長大構造物の残留変形を測定する測定手段とを有する長大構造物の健全性判定システム。
  2. 各前記GPS受信装置は、前記基線ベクトルに囲繞された区域が前記長大構造物の長手方向に連続した三角形を形成するように前記長大構造物の両側部に千鳥状に配置され、
    前記計算機の前記形状記憶手段が、前記基線ベクトルによって画成された連続する初期の基準三角形を記憶し、前記計算機の前記比較手段が、連続する前記基準三角形の記憶時から所定時間経過後に算出した前記基線ベクトルによって画成される連続する前記実測三角形と連続する前記基準三角形とを比較し、前記計算機の前記測定手段が、前記比較手段によって比較した連続する前記基準三角形と連続する前記実測三角形との比較要素の相違点を用いて前記長大構造物の残留変形を測定する請求項1に記載の長大構造物の健全性判定システム。
  3. 前記長大構造物の健全性判定システムは、前記長大構造物の近傍における地上の座標確定ポイントに設置された基準局を備え、該基準局が誤差推定値を測定し、前記GPS受信装置が前記誤差推定値を用いて擬似距離を補正しつつ測位計算を実行する請求項1又は2に記載の長大構造物の健全性判定システム。
  4. 前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との各辺の長さ寸法である請求項1〜3のいずれかに記載の長大構造物の健全性判定システム。
  5. 前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との各内角である請求項1〜3のいずれかに記載の長大構造物の健全性判定システム。
  6. 前記基準三角形と前記実測三角形との比較要素が、前記基線ベクトルによって画成された前記基準三角形と前記実測三角形との比高である請求項1〜3のいずれかに記載の長大構造物の健全性判定システム。
  7. 前記長大構造物が、橋梁、高架道路、及び鉄道用軌道のいずれかである請求項1〜6のいずれかに記載の長大構造物の健全性判定システム。
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