JP2008175339A - 制御弁 - Google Patents
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Abstract
【課題】弁座とシート部の摩耗を抑制する。
【解決手段】低圧側弁座19を円錐形状とし、この低圧側弁座19に接離する弁体31の低圧側シート部313aを所定の曲率の曲面にする。そして、弁体31の対称軸Bを含む断面における低圧側シート部313aの曲率中心Oを、弁体31の対称軸Bからずらしている。これにより、低圧側シート部313aが低圧側弁座19に片当たりなく当接した状態では、弁体31は低圧側シート部313aの曲率中心Oを中心にして回転することはできない。したがって、低圧側シート部313aと低圧側弁座19間で滑りが発生せず、低圧側シート部313aと低圧側弁座19の摩耗が抑制される。
【選択図】図3
【解決手段】低圧側弁座19を円錐形状とし、この低圧側弁座19に接離する弁体31の低圧側シート部313aを所定の曲率の曲面にする。そして、弁体31の対称軸Bを含む断面における低圧側シート部313aの曲率中心Oを、弁体31の対称軸Bからずらしている。これにより、低圧側シート部313aが低圧側弁座19に片当たりなく当接した状態では、弁体31は低圧側シート部313aの曲率中心Oを中心にして回転することはできない。したがって、低圧側シート部313aと低圧側弁座19間で滑りが発生せず、低圧側シート部313aと低圧側弁座19の摩耗が抑制される。
【選択図】図3
Description
本発明は、弁体が弁座に接離して流体通路を開閉する制御弁に関するものである。
特許文献1にて提案された燃料噴射弁は、噴孔を開閉するノズルニードルの開閉弁作動を制御する制御弁を備えている。この制御弁は、ガイド部(摺動部)によって弁体を保持する構成ではないため、図4に示すように、ボデー1に形成された弁座19を円錐形状とし、弁体31のシート部313aを球面とすることにより、弁座19とシート部313aの片当たりや偏摩耗を抑制して、耐摩耗性やシール性を向上させるようにしている。
また、この制御弁は、弁体31を開弁向きに押すピストン44がボデー1の孔に挿入されており、弁体31とピストン44との当接部をともにフラットにすることにより、弁座19に対する弁体31の傾斜を抑制するようにしている。
米国特許第6250563号明細書
しかしながら、従来の制御弁は、弁体31のシート部313aが球面であり(換言すると、シート部313aの曲率中心Oが弁体31の対称軸B上にある)、また弁体31はガイド部によって保持されていないため、弁体31が弁座19に当接した状態でも弁体31はシート部313aの曲率中心Oを中心にして矢印Eで示すように回転(すなわち、弁体31が傾斜)可能であり、したがって、弁座19とシート部313a間で滑りが発生して弁座19とシート部313aの摩耗が促進される虞がある。
また、弁体31とピストン44との当接部をフラットにしているが、このようにフラット面同士で荷重(変位)を伝達する構造では、わずかな形状精度の狂いによりエッジで相手部材を押すことになり、その時の作用点Dはピストン44の対称軸Cから離れ、ピストン44にモーメント成分が発生する。これにより、ピストン44の摺動抵抗が大きくなり、駆動力の伝達ロスが大きくなる。
本発明は上記点に鑑みて、弁座とシート部の摩耗を抑制することを目的とする。また、駆動力伝達ロスを低減することを他の目的とする。
本発明は、円錐形状の弁座(19)が形成されたボデー(1)と、シート部(313a)が弁座(19)に接離して流体通路を開閉する弁体(31)とを備え、弁体(31)の対称軸(B)を含む断面におけるシート部(313a)の曲率中心が弁体(31)の対称軸(B)からずれていることを特徴とする。
このようにすれば、シート部(313a)が弁座(19)に片当たりなく当接した状態では、弁体(31)は図4の矢印Eのように回転することはできないため、弁座(19)とシート部(313a)間で滑りが発生せず、弁座(19)とシート部(313a)の摩耗が抑制される。
この場合、弁体(31)を開弁向きに押すピストン(44)を備え、弁体(31)においてピストン(44)に対向するピストン対向面(313b)を凸形状にすれば、ピストン(44)が弁体(31)を押す時の作用点はピストン(44)の対称軸に近くなるため、ピストン(44)に作用するモーメントが小さくなり、駆動力の伝達ロスが低減される。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る制御弁を備える燃料噴射装置の全体構成を示す断面図、図2は図1のA部の拡大断面図である。
燃料噴射弁は、内燃機関(より詳細にはディーゼルエンジン。図示せず)のシリンダヘッドに装着され、蓄圧器(図示せず)内に蓄えられた高圧燃料を内燃機関の気筒内に噴射するものである。
図1、図2に示すように、燃料噴射弁のノズルボデー1は、蓄圧器からの高圧燃料が導入される燃料入口部11と、燃料噴射弁内部の燃料を燃料タンク100に向けて流出させる燃料出口部12とを備えている。
ノズルボデー1の軸方向一端側に、開弁時に燃料を噴射するノズル2が配置されている。このノズル2は、ノズルボデー1に摺動自在に保持されたノズルニードル21と、ノズルニードル21を閉弁向きに付勢するノズルスプリング22と、ノズルニードル21のピストン部21aが挿入された円筒状のノズルスリーブ23とを有している。なお、ノズルスリーブ23は、本発明の筒状部材に相当する。
ノズルボデー1の軸方向一端には、高圧燃料通路13を介して燃料入口部11と連通する噴孔24が形成され、この噴孔24から高圧燃料を内燃機関の気筒内に噴出させるようになっている。ノズルボデー1には噴孔24の上流側にテーパ状の弁座25が形成され、また、ノズルニードル21には反ピストン部側にシート部21bが形成され、このシート部21bが弁座25に接離することにより噴孔24が開閉される。
円柱状のピストン部21aは、ノズルスリーブ23に摺動自在に且つ液密的に挿入されており、ピストン部21aとノズルスリーブ23とにより、内部の燃料圧力が高圧と低圧に切り替えられる制御室26が形成されている。そして、ノズルニードル21は、制御室26内の燃料圧力により閉弁向きに付勢されるとともに、燃料入口部11から高圧燃料通路13を介して噴孔24側に導かれる高圧燃料により開弁向きに付勢される。
ノズルボデー1の軸方向中間部には、制御室26の圧力を制御する制御弁3が収納されるバルブ室14が形成されている。制御室26は、連絡通路15を介してこのバルブ室14と常時連通されている。
バルブ室14は、高圧燃料通路13を介して燃料入口部11と接続されている。また、バルブ室14は、低圧燃料通路16を介して燃料出口部12に接続されている。
ノズルボデー1には、バルブ室14に臨む高圧側弁座18と低圧側弁座19が形成されている。高圧側弁座18は、高圧燃料通路13がバルブ室14に開口する部位を囲む部分であり、平面になっている。低圧側弁座19は、低圧燃料通路16がバルブ室14に開口する部位を囲む部分であり、円錐形状になっている。
制御弁3は、弁体31とバルブスプリング32とを有している。弁体31は、バルブスプリング32の内側に位置するとともに高圧側弁座18に対向する円柱状の高圧側弁部311と、バルブスプリング32の一端を支持するスプリング受け部312と、低圧側弁座19に対向する低圧側弁部313とを有している。また、弁体31は、対称軸B周りに対称な形状になっている。
高圧側弁部311の端部には、高圧側弁座18に接離してバルブ室14と高圧燃料通路13との間を開閉する高圧側シート部311aが形成されている。
低圧側弁部313には、低圧側弁座19に接離してバルブ室14と低圧燃料通路16との間を開閉する低圧側シート部313aと、第2ピストン44(詳細後述)が当接可能なピストン対向面313bが形成されている。
図3は弁体31近傍の断面図であり、この図3に示すように、弁体31の対称軸Bを含む断面において低圧側シート部313aは所定の曲率の曲面になっており、弁体31の対称軸Bを含む断面における低圧側シート部313aの曲率中心Oは、弁体31の対称軸Bからずれている。
ピストン対向面313bは、低圧側シート部313aとは異なる曲率になっており、その曲率中心は弁体31の対称軸B上にある。また、ピストン対向面313bは、第2ピストン44に向かって凸形状になっており、中央部が最も突出している。
図1に戻り、バルブスプリング32は、バルブ室14と高圧燃料通路13との間が開かれるとともにバルブ室14と低圧燃料通路16との間が閉じられる向きに弁体31を付勢している。
ノズルボデー1の軸方向他端側には、制御弁3を駆動するアクチュエータ4が収納されるアクチュエータ室17が形成されている。このアクチュエータ室17は、低圧連絡通路16aを介して低圧燃料通路16に接続されている。
アクチュエータ4は、ピエゾ素子が多数積層されて電荷の充放電により伸縮するピエゾスタック41と、ピエゾスタック41の伸縮変位を制御弁3の弁体31に伝達する伝達部とを備えている。
伝達部は以下のように構成されている。ともに円柱状に形成された第1ピストン43および第2ピストン44がアクチュエータスリーブ42に摺動自在に且つ液密的に挿入されており、第1ピストン43と第2ピストン44との間には、燃料が充填された液室45が形成されている。
第1ピストン43は、第1スプリング46によりピエゾスタック41側に向かって付勢されており、ピエゾスタック41により直接駆動されるようになっている。そして、ピエゾスタック41の伸長時には、第1ピストン43により液室45の圧力が高められるようになっている。
第2ピストン44は、第2スプリング47により制御弁3の弁体31側に付勢されており、液室45の圧力を受けて作動して弁体31を駆動するようになっている。そして、第2ピストン44は、ピエゾスタック41の伸長時には、高圧化された液室45の圧力を受けて作動して、バルブ室14と高圧燃料通路13との間が閉じられるとともにバルブ室14と低圧燃料通路16との間が開かれる位置に弁体31を駆動する。一方、ピエゾスタック41の収縮時、すなわち液室45の圧力が低いときには、第2ピストン44は、第2スプリング47に抗して制御弁3のバルブスプリング32により第1ピストン43側に押し戻される。
燃料タンク100と燃料出口部12とを接続するリターン経路110には、低圧燃料通路16側の圧力を制御する背圧弁120が配置されている。因みに、蓄圧器内に蓄えられた高圧燃料の圧力が100MPa以上であるのに対し、背圧弁120は低圧燃料通路16側の圧力を1MPa程度に制御する。
ピエゾスタック41には、ピエゾ駆動回路130を介して電力が供給されるようになっている。このピエゾ駆動回路130は、ピエゾスタック41への通電タイミングが、電子制御回路(以下、ECUという)140により制御される。
ECU140は、図示しないCPU、ROM、EEPROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを備え、マイクロコンピュータに記憶したプログラムに従って演算処理を行うものである。そして、ECU140には、吸入空気量、アクセルペダルの踏み込み量、内燃機関回転数、蓄圧器内の燃料圧等を検出する各種センサ(図示せず)から信号が入力される。
次に、上記燃料噴射弁の作動を説明する。ピエゾスタック41に通電されると、ピエゾスタック41が伸長して第1ピストン43が駆動され、第1ピストン43により液室45の圧力が高められる。高圧化された液室45の圧力により第2ピストン44が制御弁3の弁体31側に向かって駆動される。
そして、第2ピストン44にて弁体31が駆動されることにより、高圧側シート部311aが高圧側弁座18に当接してバルブ室14と高圧燃料通路13との間が閉じられるとともに、低圧側シート部313aが低圧側弁座19から離れてバルブ室14と低圧燃料通路16との間が開かれる。したがって、制御室26の燃料は、連絡通路15、バルブ室14、および低圧燃料通路16を介して燃料タンク100へ戻される。
これにより、制御室26の圧力が低下してノズルニードル21を閉弁向きに付勢する力が小さくなるため、ノズルニードル21が開弁向きに移動し、シート部21bが弁座25から離れて噴孔24が開かれ、噴孔24から内燃機関の気筒内に燃料が噴射される。
ここで、図3に示すように、形状精度の狂いにより第2ピストン44における弁体31側の端面44aが第2ピストン44の対称軸Cに対して垂直になっていない場合でも、ピストン対向面313bが第2ピストン44に向かって凸形状になっているため、第2ピストン44が弁体31を押す時の作用点Dは対称軸Cに近くなる。したがって、第2ピストン44に作用するモーメントが小さくなり、第2ピストン44の摺動抵抗が小さくなり、駆動力の伝達ロスが低減される。
その後、ピエゾスタック41への通電が停止されると、ピエゾスタック41が縮むため第1ピストン43は第1スプリング46によりピエゾスタック41側に戻される。また、バルブスプリング32により、弁体31および第2ピストン44が第1ピストン43側に戻される。
これにより、高圧側シート部311aが高圧側弁座18から離れてバルブ室14と高圧燃料通路13との間が開かれるとともに、低圧側シート部313aが低圧側弁座19に当接してバルブ室14と低圧燃料通路16との間が閉じられる。したがって、蓄圧器からの高圧燃料が、高圧燃料通路13、バルブ室14、および連絡通路15を介して制御室26に導入される。
これにより、制御室26の圧力が上昇してノズルニードル21を閉弁向きに付勢する力が大きくなるため、ノズルニードル21が閉弁向きに移動し、シート部21bが弁座25に着座して噴孔24が閉じられ、燃料噴射が終了する。
ここで、図3に示すように、弁体31の対称軸Bを含む断面における低圧側シート部313aの曲率中心Oが弁体31の対称軸Bからずれているため、低圧側シート部313aが低圧側弁座19に片当たりなく当接した状態では、弁体31は低圧側シート部313aの曲率中心Oを中心にして回転することはできない。したがって、低圧側シート部313aと低圧側弁座19間で滑りが発生せず、低圧側シート部313aと低圧側弁座19の摩耗が抑制される。
(他の実施形態)
上記実施形態では、燃料噴射弁に内蔵された制御弁に本発明を適用する例を示したが、本発明は他の用途の制御弁にも適用することができる。
上記実施形態では、燃料噴射弁に内蔵された制御弁に本発明を適用する例を示したが、本発明は他の用途の制御弁にも適用することができる。
1…ノズルボデー、19…低圧側弁座、31…弁体、313a…低圧側シート部、B…対称軸、O…曲率中心。
Claims (2)
- 円錐形状の弁座(19)が形成されたボデー(1)と、シート部(313a)が前記弁座(19)に接離して流体通路を開閉する弁体(31)とを備え、
前記弁体(31)の対称軸(B)を含む断面において前記シート部(313a)は所定の曲率の曲面になっており、前記弁体(31)の対称軸(B)を含む断面における前記シート部(313a)の曲率中心(O)が前記弁体(31)の対称軸(B)からずれていることを特徴とする制御弁。 - 前記弁体(31)を開弁向きに押すピストン(44)を備え、前記弁体(31)において前記ピストン(44)に対向するピストン対向面(313b)が凸形状になっていることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007011167A JP2008175339A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | 制御弁 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007011167A JP2008175339A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | 制御弁 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2007011167A Withdrawn JP2008175339A (ja) | 2007-01-22 | 2007-01-22 | 制御弁 |
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2007
- 2007-01-22 JP JP2007011167A patent/JP2008175339A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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