JP2008175315A - リニアガイド装置および潤滑ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】案内レールの軌道面に対して潤滑剤を十分に供給できると共にその製造コストも安価となる新規なリニアガイド装置および潤滑ユニットの提供。
【解決手段】リニアガイド装置100のスライダ20の端面に潤滑ユニット30を備えると共に、当該潤滑ユニット30は、前記スライダ20の端面に着脱されるケース32と、当該ケース32内に軸支されて案内レール10の各軌道面11,12に対して転がり接触する含油部材31とを有する。これによって、案内レール10の各軌道面11,12に対して潤滑油を効果的に供給できると共に、その軌道面11,12との摩擦力も軽減することができる。また、この潤滑ユニット30はスライダ20の端面に取り付けられるため、既存のスライダ20などをそのまま利用することが可能となり、これにより、製造コストも安価となる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、工作機械や産業機械などに好適に適用される直動案内装置の1つであるリニアガイド装置および潤滑ユニットに関するものである。
一般に係るリニアガイド装置は、直線状の案内レール上に下向きコ字形をしたスライダが複数の転動体(ボール)を介してスライド自在に係合した構造となっている。
そして、これら各転動体は、スライダと案内レールとによって形成される循環路内を高速で転動しながら循環することになるため、その転動体と循環路の軌道面との間での動摩擦力などを軽減すべく潤滑剤(潤滑油)の維持・供給が不可欠なものとなっている。
このようなリニアガイド装置に対する潤滑剤の供給方法としては、従来から様々な工夫が施されている。
例えば、以下の特許文献1に示すリニアガイド装置(直動案内装置)では、スライダの端部に潤滑剤を含んだ潤滑剤含有ポリマ部材を配置し、その潤滑剤含有ポリマ部材を案内レールに接触させてその軌道面に潤滑剤を供給するようにしている。
また、以下の特許文献2に示すリニアガイド装置(直動案内ユニット)では、スライダに潤滑剤含有部材を収容したケースを取り付け、この潤滑剤含有部材に含浸された潤滑剤をこれに摺接する潤滑用転動体の表面を介して案内レールの軌道面に供給するようにしている。
特開平10−176713号公報 特開2000−145771号公報
ところで、前記特許文献1に示すような潤滑剤供給方式では、潤滑剤含有ポリマ部材が案内レールに対して常時摺接した状態となっていることから、大きな動摩擦力が発生してしまう。そのため、前記特許文献1では、この潤滑剤含有ポリマ部材の一部分を潤滑性が要求される案内レールの軌道面にのみ接触させることで動摩擦力を軽減しているが、両者が常時摺接した滑り接触であることには変わりがないため、その動摩擦力の軽減には限界がある。
一方、前記特許文献2に示すような潤滑剤供給方式では、案内レールの軌道面に対して転がり接触する潤滑用転動体を介して潤滑油を供給するようになっているため、特許文献1のような滑り接触による潤滑油供給方式に比べて動摩擦力を軽減することは可能である。 しかしながら、この潤滑用転動体と案内レールの軌道面とは、原則的には点接触状態であって極めて狭い範囲でしか接触しないため、その軌道面全体に行き渡るように十分な潤滑剤を供給することが難しい。このため、潤滑油の供給が常時不足気味であり十分な動摩擦力軽減効果を得ることが困難である。
さらに、このような潤滑剤供給方式では、ケース内に潤滑剤含有部材を収容すると共にこのケースに潤滑用転動体を転動体保持部によって回転自在に保持する必要があるため、その構造も複雑なものとなり、製造コストも高くなる傾向になる。
そこで、本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、案内レールの軌道面に対して潤滑剤を十分に供給できると共にその製造コストも安価となる新規なリニアガイド装置および潤滑ユニットを提供するものである。
前記課題を解決するために請求項1の発明は、
案内レールと、当該案内レールを跨ぐようにスライド自在に係合するスライダとを有するリニアガイド装置であって、前記スライダの一端面または両端面に、前記案内レールの各軌道面に潤滑油を付与すべく潤滑ユニットを備えると共に、当該潤滑ユニットは、前記スライダの端面に着脱されるケースと、当該ケース内に軸支されて前記案内レールの各軌道面に対して転がり接触する含油部材とを有することを特徴とするリニアガイド装置である。
また、請求項2の発明は、
請求項1に記載のリニアガイド装置において、前記含油部材は、前記案内レールの軌道面に対して転がり接触するころ状の含油体と、当該含油体を前記ケース内に回転自在に軸支する回転軸とを有することを特徴とするリニアガイド装置である。
また、請求項3の発明は、
請求項1に記載のリニアガイド装置において、前記案内レールの軌道面は、断面矩形状をした前記案内レールの両側にそれぞれ上下一組ずつその長手方向に沿って平行に設けられていると共に、前記含油部材は、前記案内レールの各軌道面に対してそれぞれ転がり接触すべくころ状をした複数の含油体と、当該含油体のうち前記案内レールの両側に位置する上下一組の含油体をそれぞれ前記ケース内に同軸上に軸支する回転軸とを有することを特徴とするリニアガイド装置である。
また、請求項4の発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、前記含油部材または含油体は、潤滑油含有ポリマからなることを特徴とするリニアガイド装置である。
また、請求項5の発明は、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、前記含油部材または含油体は、潤滑油を浸透保持する繊維交絡体または多孔質材料からなることを特徴とするリニアガイド装置である。
また、請求項6の発明は、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、前記スライダまたは潤滑ユニットに、当該潤滑ユニット内の含油部材に対して潤滑油を供給する潤滑油供給口を形成したことを特徴とするリニアガイド装置である。
また、請求項7の発明は、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、前記潤滑ユニットに、当該潤滑ユニット内の含油部材を前記案内レールの軌道面に対して押し付けるように付勢する付勢部材を備えたことを特徴とするリニアガイド装置である。
また、請求項8の発明は、
リニアガイド装置の案内レールの各軌道面に潤滑油を付与するための潤滑ユニットであって、前記スライダの一端面または両端面に着脱されるケースと、当該ケース内に軸支されて前記案内レールの各軌道面に対して転がり接触する含油部材とを有することを特徴とする潤滑ユニットである。
請求項1の発明によれば、スライダの端面に取り付けられた潤滑ユニットの含油部材が前記案内レールの各軌道面に対して転がり接触するようになっていることから、各軌道面に対して潤滑油を効果的に供給できると共に、その軌道面との摩擦力も軽減することができる。
また、この含油部材は、ケース内に軸支されて潤滑ユニットとしてスライダの端面に取り付けられるため、既存のスライダなどをそのまま利用することが可能となり、これにより、製造コストも安価となる。また、その含油部材などの交換も容易にできる。
また、請求項2の発明によれば、前記含油部材は、前記案内レールの軌道面に対して転がり接触するころ状の含油体と、当該含油体を前記ケース内に軸支する回転軸とからなるため、各軌道面に対して潤滑油をより効果的に供給できると共に、その軌道面との摩擦力もより確実に軽減することができる。
また、請求項3の発明によれば、一般的な構成をした案内レール、すなわち転動体と接触する軌道面を両側面およびその上部の両角部にそれぞれ長手方向に沿って平行に設けた案内レールの軌道面に対して含油部材を転がり接触することができるため、一般的な構成をした案内レールの各軌道面に対して潤滑油を効果的に供給できると共に、その軌道面との摩擦力も軽減することができる。
また、この含油部材を、前記案内レールの各軌道面に対してそれぞれ転がり接触すべくころ状をした複数の含油体と、当該含油体のうち前記案内レールの両側に位置する上下一組の含油体をそれぞれ前記ケース内に同軸上に軸支する回転軸とで構成したことから、その収容スペースも狭小となって潤滑ユニットを小型化することができる。
また、請求項4の発明によれば、前記含油部材または含油体を潤滑油含有ポリマから構成したため、前記案内レールの各軌道面に対して潤滑剤を効果的に供給することができる。また、射出成形などの公知の樹脂成型法によって前記含油部材または含油体を容易に製造することができる。
また、請求項5の発明によれば、前記含油部材または含油体を、潤滑油を浸透保持する繊維交絡体または多孔質材料から形成したため、請求項4の発明と同様、前記案内レールの各軌道面に対して潤滑剤を効果的に供給することができる。
また、請求項6の発明によれば、前記スライダまたは潤滑ユニットのケースに、当該ケース内の含油部材に対して潤滑油を供給する潤滑油供給口を形成したため、適宜新たな潤滑剤を補給することができる。
また、請求項7の発明によれば、前記潤滑ユニットのケースに、前記含油部材を前記案内レールの軌道面に対して押し付けるように付勢する付勢部材を備えたため、前記含油部材が空回りすることなく常に前記案内レールの軌道面に対して転がり接触するようになる。これにより、前記案内レールの各軌道面に対して潤滑剤を確実に供給することができる。
一方、請求項8の発明によれば、請求項1と同様に含油部材が前記案内レールの各軌道面に対して転がり接触して各軌道面に対して潤滑油を効果的に供給できると共に、その軌道面との摩擦力も軽減することができる。
また、この含油部材は、ケース内に軸支されて潤滑ユニットとしてスライダの端面に取り付けられるため、既存のスライダなどをそのまま利用することが可能となる。また、その含油部材などの交換も容易にできる。
次に、本発明に係るリニアガイド装置100の実施の一形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るリニアガイド装置100の実施の一形態を示す全体斜視図、図2はその分解斜視図、図3はそのリニアガイド装置100の長手方向一部破断面図である。
図示するようにこのリニアガイド装置100は、直線状に延びる案内レール10と、この案内レール10上にこれを跨ぐようにスライド移動自在に係合された断面下向きコ字形のスライダ20とから主に構成されている。
この案内レール10は、図1および図3に示すように断面矩形状に形成された金属から形成されており、その両側面にはそれぞれ断面半円形状をした下段軌道面11,11がその長手方向に沿って連続して形成されている。そして、図3に示すように、この案内レール10側の下段軌道面11,11とそれぞれ対向するようにスライダ20の内面両側部に形成されたスライダ側下段軌道面21、21(図3では一方のみ図示)と、そのスライダ20内をその長手方向に貫通するように形成された下段通過孔22、22(図3では一方のみ図示)によって左右一対の下部循環路23、23(図3では一方のみ図示)が形成され、その下部循環路23、23内にそれぞれ収容された複数の転動体(ボール)Bがこの下段軌道面11,11に沿って転動しながらその下部循環路23、23内を長手方向に循環するようになっている。
また、さらにこの案内レール10の上端両角部には、前記下段軌道面11,11と平行になるように断面扇形状をした上段軌道面12,12がその長手方向に沿って連続して形成されている。そして、同じくこの上段軌道面12,12とそれぞれ対向するようにスライダ20の内面両側部に形成されたスライダ側上段軌道面24,24(図3では一方のみ図示)と、そのスライダ20内をその長手方向に貫通するように形成された上段通過孔25,25(図3では一方のみ図示)とによって上部循環路26、26(図3では一方のみ図示)が形成され、同じくその上部循環路26,26内にそれぞれ収容された複数の転動体(ボール)Bがこの上段軌道面12,12に沿って転動しながらその上部循環路26,26内をその長手方向に循環するようになっている。
また、図1および図2に示すようにこのスライダ20の両端面には、そのスライダ20の端面形状とほぼ相似形な潤滑ユニット30,30がそれぞれ一対のボルト40,40によって着脱自在に取り付けられている。
この潤滑ユニット30は、案内レール10を挟んでその両側面に位置する一対の含油部材31,31と、この含油部材31,31を収容するケース32と、そのケース32の端面を塞ぐシール板33とから主に構成されており、そのスライダ20の動きに伴って前記案内レール10側の上下各軌道面11,11,12,12に対して転がり接触しながら潤滑剤(潤滑油)を塗布供給するようになっている。
すなわち、この含油部材31は、図4および図5に示すように、断面楕円形のころ形状をした一対の含油体34,34と、太軸の連結体35と、回転軸36とから主に構成されており、この一対の含油体34,34をその連結体35を介して上下にダルマ状に連結すると共に、その連結体35の軸部を回転軸36によって上下に貫通し、その回転軸36の上下端を、前記案内レール10を挟むようにそのケース32内の両端にそれぞれ回転自在に軸支して収容した構造となっている。
なお、図4に示すようにこのケース32はスライダ20の長手方向に分割可能な一対の分割ケース32a、32aからなっており、その分割ケース32a、32aの各分割面の端面にそれぞれ形成された軸受孔37、37…内に前記含油部材31の回転軸36の上下端をそれぞれ嵌め込むようにして組み合わせることでその含油部材31をケース32内に容易かつ確実に組み込んで収容することができるようになっている。
そして、図6に示すようにこの含油部材31,31の各含油体34,34の外周面が前記案内レール10側の上下各軌道面11,11,12,12にそれぞれ密着するように常時転がり接触することで各軌道面11,11,12,12に対して潤滑剤(潤滑油)を塗布供給することができるようになっている。
ここで、この含油体34,34を有する含油部材31,31としては、前記案内レールの各軌道面11,11,12,12に対して潤滑油を供給できる材料および構造であれば特に限定されるものではなく、従来から公知の潤滑剤含有ポリマなどの合成樹脂材料の他に、例えば、超高密度ポリエチレンを加圧加熱成形した焼結樹脂(高分子焼結多孔体)などの多孔質材料にタービン油などの潤滑剤を含浸させたものや、あるいはポリプロピレンなどの化学繊維や羊毛などの天然繊維を用いたフェルトなどの繊維交絡体(不織布)に鉱油系グリースなどの潤滑剤を含浸させたものでも良い。
そして、この含油体34,34を有する含油部材31,31の材料となる公知の潤滑剤含有ポリマも特に限定されるものでなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどの基本的に同じ化学構造を有するポリα−オレフィン系ポリマの群から選定したポリマに、潤滑油としてポリα−オレフィン油のようなパラフィン系炭化水素油、ナフテン系炭化水素油、鉱油、ジアルキルジフェニルエーテル油のようなエーテル油、フタル酸エステル・トリメット酸エステルのようなエステル油などのいずれかを混合して加熱溶融した後、所定の型に注入して加圧しながら冷却固化させて成形したものなどを用いることができ、さらに、予め酸化防止剤、錆止め剤、摩耗防止剤、泡消し剤、極圧剤などの各種添加剤を加えたものを用いることができる。
また、これらポリマの群は、基本構造は同じでその平均分子量が異なっており、1×10〜5×10の範囲に及んでいる。その中で平均分子量という1×10〜1×10という比較的低分子量のものと、1×10〜5×10という超高分子量のものとを単独もしくは必要に混合して用いることができる。
また、この含油部材31,31の機械的強度を向上させるため、上述のポリα−オレフィン系ポリマに、以下のような熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂を添加したものでも良い。
このような熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリスチレン、ABS樹脂などの公知の各樹脂を使用することができる。
一方、熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂などの公知の各樹脂を使用することができる。
また、これらの樹脂は、単独または混合して用いても良く、さらに、ポリα−オレフィン系ポリマとそれ以外の樹脂とを、より均一な状態で分散させるため、必要に応じて適用な相溶化剤を加えてあっても良い。
また、この含油部材31,31を作製するに際し、回転軸36を含油体34,34および連結体35に組み込む方法としては、回転軸36を圧入する他にインサート成形などによって含油体34,34および連結体35を回転軸36に一体成形しても良いし、あるいは回転軸36部分も含めた一体成形によって形成しても良い。
そして、このような構成をした本発明のリニアガイド装置100にあっては、スライダ20が案内レール10上をスライド移動すると、これに伴ってそのスライダ20端面に取り付けられた潤滑ユニット30内の含油部材31,31がその案内レール10側の上下各軌道面11,11,12,12にそれぞれ密着するように常時転がり接触することで確実かつ良好に各軌道面11,11,12,12に対して潤滑剤(潤滑油)を塗布・供給することができる。
これによって、その軌道面11,11,12,12を転動する転動体Bとの摩擦力が確実に軽減されるため、摩耗や異音、摩擦熱などがなくなり、直動案内装置として安定した性能を長期に亘って発揮することができる。
また、この含油部材31,31は、ケース32内に軸支されて潤滑ユニット30としてスライダ20の端面に着脱自在に取り付けられるため、既存のスライダ20などをそのまま利用することが可能となり、これによりリニアガイド装置を新規に設計して製造する場合に比べて製造コストも大幅に安価となる。また、その潤滑ユニット30やその含油部材31,31などが古くなってしまった場合には、潤滑ユニット30やその含油部材31,31のみを取り替えれば良いため、そのメンテナンス作業や交換作業も極めて容易にできる。
また、この含油部材31,31を、前述したようなころ状をした上下一組の含油体34,34を連結体35で連結し、回転軸36で軸支して取り付けるようにしたことから、その収容スペースも狭小となって潤滑ユニット30を小型化することができる。
また、含油部材31を前述したような潤滑油含有ポリマから構成すれば、前記案内レール10の各軌道面11,11,12,12に対して潤滑剤を効果的に供給できるだけでなく、射出成形などの公知の樹脂成型法によってその含油部材31を容易に製造することができる。
なお、本実施の形態では、含油部材31全体を前述したような潤滑油含有ポリマや多孔質体あるいはフェルトなどの繊維交絡体(不織布)などの含油材料で形成した例で示したが、少なくとも前記案内レール10の各軌道面11,11,12,12に対して直接接触する含油体34,34をこれらの含油材料で形成すれば良く、他の部材はステンレスやアルミなどの金属などであっても良い。特に、回転軸36や連結体35にはある程度の機械的な強度や耐久性、耐摩耗性などが要求されることから、これらは金属などから構成するのが望ましい。
また、この含油部材31をケース32内に取り付ける際には、図7に示すようにその含油部材31の含油体34,34が多少のしめしろをもって案内レール10側に接触するように取り付けることが望ましい。すなわち、このようなしめしろを与えることで含油体34,34が案内レール10の各軌道面11,11,12,12に対して常に適度な圧力で押し付けられるように作用するため、その含油体34,34がスライダ20上を走行する際に確実に回転状態を保つことができる。これによって含油部材31が案内レール10の各軌道面11,11,12,12と接触せずに回転しないといった事態を回避することができるため、その軌道面11,11,12,12に対してより確実に潤滑剤を供給することができる。
また、このようにその含油部材31の含油体34,34が多少のしめしろをもって案内レール10側に接触するように取り付ける他に、図8に示すように潤滑ユニット30のケース32を、外ケース32bとその内部の含油部材31を軸支する内ケース32cとの2つのケースで形成し、その内ケース32cにこれを案内レール10側に押し出すように作用する付勢部材50を設ければ、前記と同様あるいはさらに顕著な効果を得ることができる。さらに、このような付勢部材50を設ければ、含油体34,34が摩耗・変形したり、製作誤差によってその外径寸法などが変化しても常に含油部材31が案内レール10の各軌道面11,11,12,12と接触することになるため、確実に潤滑剤を供給することができる。
そして、このような付勢部材50としては、コイルバネや板バネ、ゴムなどの公知の弾性体を用いることができることは勿論、図8に示すようにこの内ケース32cを合成樹脂で形成すると共に、その外ケース32b側にこの内ケース32cと一体成形された合成樹脂製の一対の舌片32d、32dを形成すれば、その舌片32d、32dのバネ作用によって同様な作用・効果を得ることができる。しかも、このようにその舌片32d、32dを内ケース32cと一体成形すれば、コイルバネや板バネ、ゴムなどの弾性体を用いた場合に比べて部品点数も少なくなるため、製作コストや組み付け性などの点で有利となる。
また、図9に示すように、前記スライダ20または潤滑ユニット30のケース32に、そのケース32内の含油部材31に対して外部から潤滑油を供給する潤滑油供給口(供給孔)60を形成すれば、その潤滑油供給口60を用いてその潤滑ユニット30内の含油部材31に対して適宜新たな潤滑剤を補給することができる。
これによって、長期の使用による潤滑油切れなどにも迅速に対応できるため、潤滑ユニット30の点検や交換頻度なども少なくすることが可能となる。
そして、このように前記スライダ20または潤滑ユニット30のケース32に潤滑油供給口60を形成した場合、含油部材31側に供給された潤滑油をその含油体34,34表面に確実に到達させるためにその含油部材31として例えば図10に示すような構造のものを用いることが望ましい。
すなわち、図10に示す含油部材31は、回転軸36として、図示するように上端が開口すると共にその周面にいくつかの連通孔36a、36a…が形成された内部中空のパイプ体を用いると共に、その周囲の含油体34,34および連結体35を前述したようなフェルトなどの繊維交絡体(不織布)や焼結樹脂のような多孔質材料で一体的に形成したものである。
そして、図9に示すようにこの回転軸36の上端に前記潤滑油供給口60の出口をこれと連通するように臨ませることで、その潤滑油供給口60から供給された鉱油などの潤滑油がその回転軸36内からその連通孔36a、36a…を通過してその周囲の含油体34,34および連結体35に到達し、その表面から案内レール10の各軌道面11,11,12,12に供給されることになる。
これによって、その潤滑油供給口60から供給された潤滑油を含油体34,34および連結体35から確実にその案内レール10の各軌道面11,11,12,12に供給することができる。
なお、このとき回転軸36内部は、このように中空の状態であっても良いが、同じく繊維交絡体(不織布)の1つであるフェルトなどを詰め込んでおけば、完全な中空の場合に比べて潤滑油の貯油量は多少減るものの、潤滑油の保持能力が大幅に向上するため一度潤滑油を補給すれば、少しずつ長期に亘って潤滑油をその案内レール10の各軌道面11,11,12,12に供給することができる。これによって、含油部材31への注油の頻度を大幅に少なくすることができる。
また、本実施の形態では、スライダ20の両端面にそれぞれ潤滑ユニット30,30を取り付けた例で示したが、この潤滑ユニット30は、スライダ20の一端面にのみ設けるようにしても良いことは勿論である。
また、本実施の形態では、潤滑ユニット30の構成部品として別個シール板33を備えた例で説明したが、このシール板33は省略しても良く、あるいはケース32を構成する分割ケース32a、32aの一方と予め一体化したものであっても良い。
本発明に係るリニアガイド装置の実施の一形態を示す全体斜視図である。 本発明に係るリニアガイド装置の実施の一形態を示す分解斜視図である。 本発明に係るリニアガイド装置の実施の一形態を示す長手方向一部破断面図である。 本発明に係る潤滑ユニットの実施の一形態を示す分解斜視図である。 含油部材の構造を示す分解斜視図である。 本発明に係るリニアガイド装置および潤滑ユニットの実施の一形態を示す正面図である。 含油部材の含油体と案内レールとの接触状態を示す概念図である。 本発明に係る潤滑ユニットの他の実施の形態を示す部分拡大図である。 本発明に係る潤滑ユニットの他の実施の形態を示す部分拡大図である。 含油部材の他の構造例を示す分解斜視図である。
符号の説明
100…リニアガイド装置
10…案内レール
11…下段側軌道面
12…上段側軌道面
20…スライダ
30…潤滑ユニット
31…含油部材
32…ケース
32a…分割ケース
32b…外ケース
32c…内ケース
32d…舌片
33…シール板
34…含油体
35…連結体
36…回転軸
36a…連通孔
37…軸受孔
50…付勢部材
60…潤滑油供給口
B…転動体

Claims (8)

  1. 案内レールと、当該案内レールを跨ぐようにスライド自在に係合するスライダとを有するリニアガイド装置であって、
    前記スライダの一端面または両端面に、前記案内レールの各軌道面に潤滑油を付与すべく潤滑ユニットを備えると共に、
    当該潤滑ユニットは、前記スライダの端面に着脱されるケースと、当該ケース内に軸支されて前記案内レールの各軌道面に対して転がり接触する含油部材とを有することを特徴とするリニアガイド装置。
  2. 請求項1に記載のリニアガイド装置において、
    前記含油部材は、前記案内レールの軌道面に対して転がり接触するころ状の含油体と、当該含油体を前記ケース内に回転自在に軸支する回転軸とを有することを特徴とするリニアガイド装置。
  3. 請求項1に記載のリニアガイド装置において、
    前記案内レールの軌道面は、断面矩形状をした前記案内レールの両側にそれぞれ上下一組ずつその長手方向に沿って平行に設けられていると共に、
    前記含油部材は、前記案内レールの各軌道面に対してそれぞれ転がり接触すべくころ状をした複数の含油体と、当該含油体のうち前記案内レールの両側に位置する上下一組の含油体をそれぞれ前記ケース内に同軸上に軸支する回転軸とを有することを特徴とするリニアガイド装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、
    前記含油部材または含油体は、潤滑油含有ポリマからなることを特徴とするリニアガイド装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、
    前記含油部材または含油体は、潤滑油を浸透保持する繊維交絡体または多孔質材料からなることを特徴とするリニアガイド装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、
    前記スライダまたは潤滑ユニットに、当該潤滑ユニット内の含油部材に対して潤滑油を供給する潤滑油供給口を形成したことを特徴とするリニアガイド装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のリニアガイド装置において、
    前記潤滑ユニットに、当該潤滑ユニット内の含油部材を前記案内レールの軌道面に対して押し付けるように付勢する付勢部材を備えたことを特徴とするリニアガイド装置。
  8. リニアガイド装置の案内レールの各軌道面に潤滑油を付与するための潤滑ユニットであって、
    前記スライダの一端面または両端面に着脱されるケースと、当該ケース内に軸支されて前記案内レールの各軌道面に対して転がり接触する含油部材とを有することを特徴とする潤滑ユニット。
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