JP2008174697A - 熱伝導性オイル組成物、放熱剤及び電子部品又は電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた熱伝導性、耐熱性を有する熱伝導性オイル組成物、放熱剤及び畜熱しにくい電子部品、電子機器を提供する。
【解決手段】(A)耐熱性オイル(例、フェニルエーテル系オイル)、(B)(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子(例、微粒子状のアルミナ)の表面が(b2)導電性ポリマー(例、ポリアニリン)で被覆された熱伝導性微粒子からなる、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上である熱伝導性オイル組成物、放熱剤。前記熱伝導性オイル組成物を放熱用に使用した電子部品、電子機器。
【選択図】なし

Description

本発明は優れた熱伝導性と耐熱性を有する熱伝導性オイル組成物、放熱剤及び蓄熱しにくい電子部品又は電子機器に関する。
耐熱性オイルと熱伝導性微粒子とを主成分とする非硬化性の熱伝導性オイル組成物は、コンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等の電子部品・チップから発生する熱、あるいは、これらの電子部品・チップを有する半導体パッケージから発生する熱、回路基板等の電子装置から発生する熱を外部へ放散するための放熱剤として使用されている。近年電子部品・チップの高性能化により発熱量が増える問題が増大してきており、このため放熱剤中の熱伝導性を高める要求が増大している。しかし熱伝導性を高めるためには熱伝導性微粒子の含有量を大きくすることが必要であるが、そうすると放熱剤の粘度あるいは稠度が大きくなり塗布作業が困難となり、あるいは薄膜にしくいので問題がある。
特開2002−201483の背景技術欄には種々の熱伝導性オイル組成物が提案されている。その一つとして、熱伝導性微粒子の含有量を高めるために、オルガノシランで表面処理した熱伝導性微粒子を配合した組成物があるが、充分な効果があるとはいえない。特開2002−201483では、熱伝導性微粒子と界面活性剤を配合した熱伝導性組成物が提案されているが、界面活性剤は耐熱性が良好でないので熱伝導性組成物も耐熱性が良好でない。
特開2002−201483
本発明者らは、上記問題のない熱伝導性オイル組成物を開発すべく鋭意研究して、優れた熱伝導性と耐熱性を有する熱伝導性オイル組成物、放熱剤を発明することができた。
本発明の課題は、優れた熱伝導性と耐熱性を有する熱伝導性オイル組成物、放熱剤を提供すること及びそうした組成物、放熱剤を使用することにより蓄熱しにくい電子部品、電子機器を提供することである。
この課題は、請求項1の、(A)耐熱性オイル100重量部、(B)(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の表面が(b2)導電性ポリマーで被覆された熱伝導性微粒子300〜2000重量部からなり、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上であることを特徴とする熱伝導性オイル組成物。
請求項2の、(b2)導電性ポリマーが25℃における導電率が0.001S/cm以上であることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性オイル組成物。
請求項3の、(b2)導電性ポリマーが、π−共役二重結合を有する含窒素有機高分子であることを特徴とする請求項2記載の熱伝導性オイル組成物。
請求項4の、(A)耐熱性オイルがフェニルエーテル系オイル又はシリコーンオイルであり、(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子が金属酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の熱伝導性オイル組成物。
請求項5の、熱伝導性オイル組成物の熱伝導率が1W/m・K以上又は熱抵抗が1℃/W以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱伝導性オイル組成物。
請求項6の、熱伝導性オイル組成物が放熱剤である請求項5記載の熱伝導性オイル組成物。
請求項7の、熱された電子部品が請求項5又は請求項6記載の熱伝導性オイル組成物を介して放熱部材に接していることを特徴とする電子部品又は電子機器により達成できる。
本発明の熱伝導性オイル組成物及び放熱剤は、熱伝導性、耐熱性が優れる。このため本発明の熱伝導性オイル組成物、放熱剤を使用した電子部品又は電子機器は、蓄熱しにくく、信頼性、耐久性に優れる。
(A)成分の耐熱性オイルは、(B)成分の(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の表面が(b2)導電性ポリマーで被覆された熱伝導性微粒子の分散媒であり、微粒子状の(B)成分をペースト状、クリーム状あるいはグリース状にする作用がある。耐熱性オイルには、芳香族炭化水素系オイル、フェニルエーテル系オイル、パーフルオロポリエーテルオイル、芳香族カルボン酸エステル系オイル、ポリオールエステル系オイル、シリコーンオイルなどがある。
芳香族炭化水素系オイルとしては、芳香族炭化水素基、特にはフェニル基を全有機基の5モル%以上有し、望ましくは10モル%以上有し、より望ましくは40モル%以上有する芳香族炭化水素系オイルが望ましい。例えばオクチルベンゼン、ドデシルベンゼンがある。
フェニルエーテル系オイルには、例えばフェニルエーテルオイルと、フェニル基にアルキル基が結合したアルキルフェニルエーテルオイルがある。具体的には常温で液状のジフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル、モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテルがあり、前記アルキル基としてメチル基、エチル基、ヘキシル基、オクチル基などがある。
芳香族カルボン酸エステル系オイルとしては、例えばフタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸イソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジトリデシル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリイソデシル、(ドデシルサリチル酸)ドデシルフェニルエステル、(ヘキシルジヒドロキシ安息香酸)ヘキシルヒドロキシフェニルエステル、(ノニルジヒドロキシ安息香酸)ドデシルヒドロキシフェニルエステル、(ヘキシルヒドロキシナフトエ酸)ヘキサデシルフェニルエステルがある。
これらの中では特に耐熱性の優れるフェニルエーテル系オイルが望ましい。
別の望ましい耐熱性オイルとして、シリコーンオイルがある。シリコーンオイルの場合はフェニル基がなくても耐熱性に優れるのでフェニル基の有無は問わない。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、フロロシリコーンオイルがある。
どの耐熱性オイルも2種類以上を混合して使用してもよい。
耐熱性オイルは、低分子量成分を含有すると、熱伝導性オイル組成物が加熱された時に揮発やブリードにより電子部品や電子装置、それらの周辺を汚染しかねないので、低分子量成分の含有率は低い方が望ましい。例えば、熱風循環式オーブン中で150℃で1時間加熱したときの揮発分が0.5重量%以下であることが望ましく、0.1重量%以下であることがより望ましい。
(B)成分の(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の表面が(b2)導電性ポリマーで被覆された熱伝導性微粒子は、本発明の熱伝導性オイル組成物に熱伝導性ないし放熱性を付与する作用がある。熱伝導性微粒子には、熱伝導性が優れた無機系微粒子や金属系微粒子があるが、本発明の熱伝導性オイル組成物の体積抵抗率は1×10Ω・cm以上であるため、無機系微粒子が望ましい。(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上である無機系微粒子として、例えば、微粒子状のシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛がある。どれも2種類以上を混合して使用してもよい。
(B)成分は、(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の表面の一部(例えば50%以上)ないし全部が(b2)導電性ポリマーで被覆されていることが必要である。これにより熱伝導性微粒子を耐熱性オイルに多量に含有させることが可能となり、本発明の熱伝導性オイル組成物は耐熱性が低下することなく優れた熱伝導性を有するようになる。
(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円球状、角柱状、フレーク状、針状、無定形が例示される。その粒径は、肉眼で単一粒子が見えにくい程度であれば特に制限されないが、適度な熱伝導性を有するためには平均粒径が0.1μmから30μmの範囲内であることが望ましく、0.2μmから15μmの範囲であることがより望ましい。高い熱伝導率を得るため、2種類以上の平均粒径を有する熱伝導性微粒子を併用しても良い。
(B)成分の配合量は、本発明の熱伝導性オイル組成物の使用目的からすると、高い熱伝導率が発現するような量である必要があるが、多すぎるとペースト状、クリーム状、グリース状のいずれにもならず、使用しにくい。したがって(A)成分100重量部に対し300〜2000重量部であり、400〜1400重量部が望ましい。
(B)成分は、(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の表面の一部(例えば50%以上)ないし全部が(b2)導電性ポリマーで被覆されている。(b2)導電性ポリマーは、π−共役二重結合を有する有機高分子であり、炭化水素系導電性ポリマーとヘテロ原子含有系導電性ポリマーに大別できる。炭化水素系導電性ポリマーとして、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリジアセチレン、それらの置換体などがある。
ヘテロ原子含有系導電性ポリマーとして、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリチエニレンビニレン、それらの置換体などがある。
前記置換体は、π−共役二重結合を有する有機高分子の炭素原子結合水素原子の一部がアルキル基、カルボン酸エステル基のような疎水性基で置換されたものであり、有機溶剤可溶性になったものが望ましい。
π−共役二重結合を有する有機高分子は、導電性の点でドーパントによりドープされたものが望ましい。ドーパントは無機酸と有機酸が代表的であるが、他のものでもよい。
(b2)導電性ポリマーは、25℃における導電率が0.001S/cm以上であることが望ましく、特には0.1S/cm以上であることが望ましい。
導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリピロールのような窒素原子含有導電性ポリマーが望ましい。
(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上である熱伝導性微粒子の表面をこれらの導電性ポリマーで被覆する方法としては、ドープ済みの導電性ポリマーを有機溶剤に溶解した溶液中に該熱伝導性微粒子を浸漬し、有機溶剤を乾燥して除去する方法;ドープしていない導電性ポリマーを有機溶剤に溶解した溶液中に該熱伝導性微粒子を浸漬し、有機溶剤を乾燥して除去後、ドーパントによりドープする方法;導電性ポリマーの前躯体であるモノマーと該熱伝導性微粒子の混合物を作り、該モノマーを酸化重合し、生成物を粉砕する方法などがある。
本発明の熱伝導性オイル組成物は、上記成分からなるので耐熱性及び耐酸化性に優れているが、更に耐熱性及び/又は耐酸化性を高めるため、耐熱安定剤及び/又は酸化防止剤を配合してもよい。耐熱安定剤や酸化防止剤の種類は限定されず、脂肪族カルボン金属塩、芳香族カルボン酸金属塩、アルキルフェノレート、マレイン酸及びそのモノエステル金属塩、アルキルメルカプタン、メルカプト酸及びそのエステル金属塩、無機酸金属塩、金属酸化物(例えば酸化鉄、酸化セリウム)、金属水酸化物(例えば水酸化セリウム)、ヒンダードフェノール(例えば2,6−ジターシャルブチ−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジターシャルブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−ターシャルブチルフェノール))などがある。
これらの耐熱安定剤、酸化防止剤の添加量は限定されないが、本発明の熱伝導性オイル組成物100重量部当たり0.01〜10重量部が望ましく、0.1〜5.0重量部がより望ましい。
本発明の熱伝導性オイル組成物には、本発明の目的に反しない限りその他の種々の添加物を配合することができる。具体的には耐摩耗剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、金属不活性剤、金属腐食防止剤、防錆剤、増稠剤、チクソ剤、消泡剤、紫外線吸収剤、着色剤、溶剤などがある。
本発明の熱伝導性オイル組成物は、(A)耐熱性オイル、(B)(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の表面が(b2)導電性ポリマーで被覆された熱伝導性微粒子を均一になるまで混合することにより容易に製造することができる。本発明の熱伝導性オイル組成物の外観は、ペースト状、クリーム状、グリース状などである。
本発明の熱伝導性オイル組成物は、電気絶縁性であることが望ましく、そのためには体積抵抗率が1×10Ω・cm以上であることが必要である。また熱伝導率が1W/m・K以上又は熱抵抗が1℃/W以下であることが望ましい。
本発明の熱伝導性オイル組成物を放熱したい電子部品、電子機器や部材に適用するときは、適用方法は特に制限されず、ディスペンシング、印刷、スプレー、はけ塗り、ブレードコーテイング、滴下、注入などがある。
本発明の熱伝導性オイル組成物により放熱する電子部品、電子機器として、例えばコンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等の電子部品;これらの電子部品を有する半導体パッケージ、回路基板;これらの半導体パッケージ、回路基板を有する電子機器がある。
本発明の熱伝導性オイル組成物は、プラスチック製容器、金属缶、ガラス瓶、プラスチック製チューブ、プラスチック製カートリッジなどに入れて保管することが望ましい。
保存安定性を向上する目的で冷蔵保管をしても良く、保管温度として−5℃以下が例示される。
実施例と比較例中の熱伝導性オイル組成物の特性は下記の方法により測定した。なお部とあるのは重量部を示す。
[粘度]
東機産業株式会社製の回転式粘度計TV−20を用い、ロータの回転数1rpm、温度25℃で測定した。
[熱伝導率、熱抵抗]
10mm×10mm角のシリコンウエファー間に30〜100μmの範囲内で二つの異なる厚さになるよう熱伝導性オイル組成物を挟みこんで試験体とした。各厚さの試験体について株式会社日立製作所製の樹脂材料熱抵抗測定装置を用いて熱抵抗(単位;℃/W)を測定した。厚さ(単位;m)と熱抵抗の関係をグラフにプロットして直線を引き、その傾きを熱伝導率(単位;W/mK)として算出した。熱抵抗は厚さが50μmにおける値とした。
[体積抵抗率]
10cm角で厚さが0.3mmであるアルミニウム板上に厚さ1mmとなるように熱伝導性オイル組成物を塗布して試験体とした。この試験体を直径50mmの円形電極2枚の間にはさんで密着させ、電極の端子間に500ボルトの電圧を印加して抵抗を測定し、体積抵抗率(単位;Ω・cm)を算出した。
[実施例1]
トルエン(和光純薬工業製の試薬)60部に有機溶剤可溶性ポリアニリン(テイーエーケミカル株式会社製、電気伝導度5S/cm、ドーパント:ドデシルベンゼンスルホン酸)4部を溶解して均一な溶液とした。これに平均粒子径が18μmのアルミナ微粒子(体積抵抗率1×1016Ω・cm)70部及び平均粒子径が0.5μmのアルミナ微粒子(体積抵抗率1×1016Ω・cm)30部を混合した後、真空度0.095MPa、温度100℃の撹拌羽根付きミキサーにより攪拌しながらトルエンを留出除去してポリアニリンで表面が被覆されたアルミナ微粒子を調製した。
次に撹拌羽根付きミキサー中で耐熱性オイルとして40℃における動粘度が100mm/sであるメチルジフェニルエーテルオイル(株式会社松村石油研究所製、商品名LB−100)50部とポリアニリンで表面が被覆されたアルミナ微粒子450部を混合して熱伝導性オイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は410Pa・sであった。この熱伝導性オイル組成物について、体積抵抗率、熱伝導率及び熱抵抗を測定して、表1にまとめて示した。
[比較例1]
実施例1において導電性ポリマーで被覆されていないアルミナ微粒子を用いた以外は同様にして熱伝導性オイル組成物を調製しようとした。
この混合物は湿った粉状でありグリース状とすることはできず、上記特性を測定することができなかった。結果を表2に示した。
[実施例2]
実施例1においてメチルジフェニルエーテルオイルの代わりに粘度が300mPa・sであるジメチルシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SH200)を用いた以外は同様にして熱伝導性オイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は570Pa・sであった。この熱伝導性オイル組成物について、体積抵抗率、熱伝導率及び熱抵抗を測定して、表1にまとめて示した。
[比較例2]
実施例2において導電性ポリマーで被覆されていないアルミナ微粒子を用いた以外は同様にして熱伝導性オイル組成物を調製しようとした。
この混合物は湿った粉状でありグリース状とすることはできず、上記特性を測定することができなかった。結果を表2に示した。
[実施例3]
トルエン(和光純薬工業製の試薬)60部に有機溶剤可溶性ポリピロール(株式会社明成商会製、電気伝導度3000S/cm、ドーパント:過塩素酸)4部を溶解して均一な溶液とした。これに平均粒子径が30μmの酸化マグネシウム微粒子(体積抵抗率3×1015Ω・cm)100部を混合した後、真空度0.095MPa、温度100℃の撹拌羽根付きミキサーにより攪拌しながらトルエンを留出除去してポリピロールで表面が被覆された酸化マグネシウム微粒子を調製した。
次に撹拌羽根付きミキサー中で耐熱性オイルとして50℃における動粘度が100mm/sであるメチルジフェニルエーテルオイル(株式会社松村石油研究所製、商品名LB−100)100部とポリピロールで表面が被覆された酸化マグネシウム微粒子400部を混合して熱伝導性オイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は630Pa・sであった。この熱伝導性オイル組成物について、体積抵抗率、熱伝導率及び熱抵抗を測定して、表1にまとめて示した。
[比較例3]
実施例3において導電性ポリマーで被覆されていない酸化マグネシウム微粒子を用いた以外は同様にして熱伝導性オイル組成物を調製しようとした。
この混合物は湿った粉状でありグリース状とすることはできず、上記特性を測定することができなかった。結果を表2に示した。
[比較例4]
実施例2において導電性ポリマーで被覆されていない酸化マグネシウム微粒子290部を用いた以外は同様にして熱伝導性オイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は650Pa・sであった。この熱伝導性オイル組成物について、体積抵抗率、熱伝導率及び熱抵抗を測定して、表2にまとめて示した。
[実施例4]
実施例1においてメチルジフェニルエーテルオイルの代わりに粘度が120mPa・sであるメチルフェニルシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SH550)を用いた以外は同様にして熱伝導性オイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は480Pa・sであった。この熱伝導性オイル組成物について、体積抵抗率、熱伝導率及び熱抵抗を測定して、表1にまとめて示した。
Figure 2008174697
Figure 2008174697
本発明の熱伝導性オイル組成物、放熱剤は、優れた熱伝導性と耐熱性を有するので、熱せられたコンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等の電子部品、これらの電子部品・チップを有する半導体パッケージ、回路基板等の電子装置の熱を放熱部材に効率よく伝える媒体として有用である。本発明の電子部品、電子機器は、蓄熱しにくい電子部品、電子機器として有用である。

Claims (7)

  1. (A)耐熱性オイル100重量部、(B)(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子の表面が(b2)導電性ポリマーで被覆された熱伝導性微粒子300〜2000重量部からなり、体積抵抗率が1×10Ω・cm以上であることを特徴とする熱伝導性オイル組成物。
  2. (b2)導電性ポリマーの25℃における導電率が0.001S/cm以上であることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性オイル組成物。
  3. (b2)導電性ポリマーがπ−共役二重結合を有する含窒素有機高分子であることを特徴とする請求項2記載の熱伝導性オイル組成物。
  4. (A)耐熱性オイルがフェニルエーテル系オイル又はシリコーンオイルであり、(b1)体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上の熱伝導性微粒子が金属酸化物微粒子であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の熱伝導性オイル組成物。
  5. 熱伝導性オイル組成物の熱伝導率が1W/m・K以上又は熱抵抗が1℃/W以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の熱伝導性オイル組成物。
  6. 熱伝導性オイル組成物が放熱剤である請求項5記載の熱伝導性オイル組成物。
  7. 熱された電子部品が請求項5又は請求項6記載の熱伝導性オイル組成物を介して放熱部材に接していることを特徴とする電子部品又は電子機器。
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