JP2007039621A - 熱伝導性シリコーンオイル組成物、放熱剤および電子機器 - Google Patents

熱伝導性シリコーンオイル組成物、放熱剤および電子機器 Download PDF

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勝利 峯
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Abstract

【課題】優れた熱伝導性、耐熱性を有し、かつ、基油や液状物質のブリードアウトが極めて少ない熱伝導性シリコーンオイル組成物、放熱剤および畜熱しにくい電子機器を提供する。
【解決手段】(A)シリコーンオイル(例えばジメチル・メチルフェニルシリコーンオイル)、(B)熱伝導性微粒子(例えば球状アルミナ、銀フレーク)および(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤からなることを特徴とする熱伝導性シリコーンオイル組成物、放熱剤。該熱伝導性シリコーンオイル組成物、放熱剤を使用した電子機器。
【選択図】なし

Description

本発明は優れた熱伝導性、耐熱性を有し、かつ、基油のブリードアウトが少ない熱伝導性シリコーンオイル組成物、放熱剤および蓄熱しにくい電子機器に関する。
オイルと熱伝導性微粒子とを主成分とする非硬化性の熱伝導性オイル組成物は、コンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等の電子部品・チップから発生する熱、あるいは、これらの電子部品・チップを有する半導体パッケージから発生する熱、回路基板等の電子装置から発生する熱を外部へ放散するための放熱剤として使用されている。近年電子部品・チップの高性能化により発熱量が増える問題が増大してきているが、電子部品、電子装置の小型化にともない熱伝導性組成物の塗布面積を縮小させる必要性が増大している。
特に、熱伝導性グリースや、使用温度で軟化して流動性を有するようになる熱伝導性組成物は、塗布部の形状追従性が優れているため接続抵抗が小さくなり、その結果、放熱性が著しく優れるという利点のため好適に使用されているが、基油ないし液状物質が経時的にブリードアウトして周辺の基板材料、電子部品、回路基板等を汚染するという大きな問題がある。このため硬化性の熱伝導性組成物の使用が試みられているが、硬化性の熱伝導性組成物を使用すると、硬化温度や硬化物の硬さに起因する応力が必ず発生し、熱伝導性組成物の硬化物と電子部品もしくは電子装置間が剥離して熱抵抗が増大し、その結果、放熱性が大きく低下するという問題がある。
熱伝導性組成物の形状追従性の確保と液状物質のブリードアウトの発生を低減するため、硬化物の硬さを極めて小さくしたゲル状の熱伝導性組成物も実用化されているが、ゲル状硬化物はもともと液状物質と固体状物質の両方が共存する状態であるため、液状成分の経時的なブリードアウト現象は不可避である。
基油ないし液状物質の経時的なブリードアウトは、周辺材料・機器の汚染という問題のみならず、熱伝導性組成物の組成変化をもたらし、熱伝導性も経時的に低下し、電子部品、電子装置も経時的に性能が低下するという問題を引き起こしている。そのため、かかる問題の解消が要求されている。また、電子部品、電子装置から発生する熱の増大から、熱伝導性組成物の放熱性と耐熱性の向上も合わせて要求されている。特許文献1に開示されている高熱伝導性グリース組成物は、平均粒径の異なる2種類の熱伝導性無機粉末(例、酸化亜鉛粉末)と基油(例、ポリ−α−オレフィン、鉱油、合成油)と少量の非イオン界面活性剤(例、デカグリセルペンタオレエート)からなり、良好なディスペンス性と高熱伝導性を有しているが、基油や液状物質のブリードアウト防止性が不十分であり、上記問題の解決に適していない。その従来技術として記載されている特許文献2に係る熱伝導性グリース組成物は基油や液状物質のブリードアウト防止に無意識、無配慮であり、上記問題の解決に適していない。
特開2002−201483号公報 特許第2938428号公報
そこで、本発明者らは上記問題のない熱伝導性オイル組成物を開発すべく鋭意研究して、優れた熱伝導性と耐熱性を有し、かつ、基油や液状物質のブリードアウトがきわめて少ない熱伝導性フェニルエーテル系オイル組成物を発明して既に特許出願した。本発明では、優れた熱伝導性と耐熱性を有し、かつ、基油や液状物質のブリードアウトが極めて少ない熱伝導性シリコーンオイル組成物、放熱剤および蓄熱しにくい電子機器を提供する。
この目的は、[1](A)シリコーンオイル、(B)熱伝導性微粒子および(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤からなることを特徴とする熱伝導性シリコーンオイル組成物。
[2]シリコーンオイルがアルキルメチルシリコーンオイル、ジメチル・メチルフェニルシリコーンオイル、または、ジメチル・ジフェニルシリコーンオイルであり、熱伝導性微粒子が熱伝導性無機質微粒子または金属微粒子であり、ソルビトール系チクソ剤がベンジリデンソルビトール類であり、アマイド系チクソ剤が脂肪酸アマイドであることを特徴とする[1]記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
[3](B)熱伝導性微粒子は、体積比で(A)シリコーンオイル1.0に対し0.5以上、2.0以下であり、(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤は、(A)シリコーンオイル100重量部当たり0.01〜10重量部であることを特徴とする[1]または[2]記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
[4](B)熱伝導性微粒子が平均粒径0.1μm〜30μmの範囲内の熱伝導性微粒子と補強性シリカからなり、補強性シリカは(A)シリコーンオイル100重量部当たり0.1〜15重量部であることを特徴とする[3]記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
[5]熱伝導性オイル組成物の熱伝導率が1W/m・K以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
[6]さらに熱安定剤および/または酸化防止剤を含有することを特徴とする[1]または[2]のいずれか記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
[7](A)シリコーンオイル、(B)熱伝導性微粒子および(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤からなることを特徴とする放熱剤。
[8]シリコーンオイルがアルキルメチルシリコーンオイル、ジメチル・メチルフェニルシリコーンオイル、または、ジメチル・ジフェニルシリコーンオイルであり、熱伝導性微粒子が熱伝導性無機質微粒子または金属微粒子であり、ソルビトール系チクソ剤がベンジリデンソルビトール類であり、アマイド系チクソ剤が脂肪酸アマイドであることを特徴とする[7]記載の放熱剤。
[9]熱伝導率が1W/m・K以上であることを特徴とする[7]または[8]記載の放熱剤。
[10]熱された電子部品が[5]記載の熱伝導性オイル組成物または[9]記載の放熱剤を介して放熱部材に接していることを特徴とする電子機器。;により達成される。
本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物および放熱剤は、熱伝導性、耐熱性に優れ、かつ、基油や液状物質の経時的なブリードが極めて少ないため電子部品、電子機器を汚染することがない。このため本発明の熱伝導性組成物、放熱剤を使用した電子機器は、蓄熱しにくく、外観上の問題がなく、信頼性に優れるという特徴を有する。
シリコーンオイルは、(B)熱伝導性微粒子の分散媒であり、粉末状の成分(B)をペースト状、クリーム状あるいはグリース状にする作用がある。シリコーンオイルはケイ素原子と酸素原子が交互に結合した主鎖と、主鎖のケイ素原子に結合した有機基を側鎖および末端に有する耐熱性の液状ポリマーであり、側鎖の有機基はアルキル基、芳香族基、その他の有機基である。一般的な有機系オイルよりも耐熱性に優れるシリコーンオイルでは芳香族基は含有していなくとも良く、たとえば両末端トリメチルシリル基封止アルキルメチルシロキサン(アルキル基の炭素数は1〜30)が例示される。より耐熱性を高めるため芳香族基を有する場合には、芳香族基としてフェニル基を含むジメチル・メチルフェニルシリコーンオイル、または、ジメチル・ジフェニルシリコーンオイルが例示され、特に芳香族基は全有機基の5%以上50以下であることが好ましい。また末端や側鎖にアルキル基、芳香族基以外の有機基を含んでいても良い。これらの有機基にはアルケニル基、エポキシ含有アルキル基、メルカプトアルキル基、フッ化アルキル基が例示される。末端にアルコキシ基、水酸基が結合していてもよい。
シリコーンオイルは、低分子量成分を含有すると、熱伝導性オイル組成物が加熱された時に揮発やブリードにより電子部品や電子装置、それらの周辺を汚染しかねないので、低分子量成分の含有率は低い方が好ましい。例えば、熱風循環式オーブン中で150℃で1時間加熱したときの揮発分が0.5重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以下であることがより好ましい。
(B)熱伝導性微粒子は、本発明の熱伝導性組成物に熱伝導性ないし放熱性を付与する作用がある。これには、熱伝導性が優れた無機系微粒子や金属系微粒子がある。無機系微粒子として、微粒子状のシリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック、黒鉛、ダイヤモンドが例示され、金属系微粒子として、微粒子状の白金、金、銀、銅、パラジウム、インジウム、アルミニウム、ニッケル、スズ、鉛、亜鉛、ビスマス、鉄、コバルト、および、これら金属の合金が例示される。いずれも2種類以上を混合して使用してもよい。微粒子状のシリカは、石英粉末、フュームドシリカ、沈降法シリカが例示される。フュームドシリカや沈降法シリカのような補強性シリカは、一次粒子の粒径がミリミクロンオーダの超微粒子状であり増ちょう剤としても機能するので、石英、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素のような熱伝導性が優れた無機系微粒子とフュームドシリカや沈降法シリカのような補強性シリカとを併用することが好ましい。(B)熱伝導性微粒子は、有機系微粒子の表面の一部ないし全部が熱伝導性物質で被覆されたものでもよい。これらの熱伝導性微粒子は、その表面が撥水処理、親水処理または官能基の付加処理がなされていても良い。
(B)熱伝導性微粒子(フュームドシリカや沈降法シリカのような補強性シリカを除く)の形状は特に限定されず、球状、楕円球状、角柱状、フレーク状、針状、無定形が例示される。その粒径は、肉眼で単一粒子が見えにくい程度であれば特に制限されないが、適度な熱伝導性を有するためには平均粒径が0.1μmから30μmの範囲内であることが好ましく、0.2μmから15μmの範囲であることがより好ましい。高い熱伝導率を得るため、2種類以上の平均粒径を有する熱伝導性微粒子を併用しても良い。フュームドシリカや沈降法シリカのような補強性シリカは、数mμの一次粒子が多数連結して2次粒子を形成したものであり、BET法比表面積が40〜400m/g位である。補強性シリカはオルガノシランやオルガノジシラザンにより疎水化処理したものでもよい。補強性シリカは、(C)チクソ剤とあいまって組成物を増ちょうする作用がある。
(B)熱伝導性微粒子(フュームドシリカや沈降法シリカのような補強性シリカを除く)の配合量は、本発明の熱伝導性オイル組成物の使用目的からすると、高い熱伝導率が発現するような量である必要があり、多すぎるとペースト状、クリーム状、グリース状のいずれにもならず、使用しにくいので体積比で(A)シリコーンオイル1.0に対し、0.5以上、2.0以下であることが好ましく、1以上、1.5以下であることがより好ましい。フュームドシリカや沈降法シリカのような補強性シリカの配合量は、(A)シリコーンオイル100重量部当たり0.1〜15重量部であることが好ましく、2〜12重量部であることがより好ましい。
(C)チクソ剤は、本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物から基油や液状成分がブリードアウトすることを低減するために必須の成分である。ソルビトール系チクソ剤およびアマイド系チクソ剤から選択することができる。ソルビトール系チクソ剤として、ベンジリデンソルビトール類が好ましく、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、炭素原子数3以上のアルキル置換ジベンジリデンソルビトールが例示される。アマイド系チクソ剤として、ラウリン酸アマイド、ステアリン酸アマイドなどの飽和脂肪酸モノアマイド、オレイン酸アマイドなどの不飽和脂肪酸モノアマイド、N−ラウリルラウリン酸アマイド、N−ステアリルステアリン酸アマイドなどの置換アマイド、メチロールステアリン酸アマイドなどのメチロールアマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドなどの飽和脂肪酸ビスアマイド、メチレンビスオレイン酸アマイドなどの不飽和脂肪酸ビスアマイド、m−キシリレンビスステアリン酸アマイドなどの芳香族ビスアマイド、脂肪酸アマイドのエチレンオキシド付加体、脂肪酸エステルアマイド、脂肪酸エタノールアマイド、N−ブチル−N’−ステアリル尿素などの置換尿素等が例示される。2種類以上のチクソ剤を併用しても良い。
(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤の配合量は、本発明の熱伝導性オイル組成物から基油や液状物質が経時的にブリードアウトすることを低減するのに十分な量であり、(A)シリコーンオイル100重量部当たり0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5.0重量部であることがより好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物は耐熱性および耐酸化性に優れているが、更に耐熱性および/または耐酸化性を高めるため、耐熱安定剤および/または酸化防止剤を配合してもよい。耐熱安定剤や酸化防止剤の種類は限定されないが、脂肪族カルボン金属塩、芳香族カルボン酸金属塩、アルキルフェノレート、マレイン酸およびそのモノエステル金属塩、アルキルメルカプト(注:アルキルメルカプタンと思います)、メルカプト酸およびそのエステル金属塩、無機酸金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、2,6−ジターシャルブチ−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジターシャルブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−ターシャルブチルフェノール)が例示される。
これらの耐熱安定剤、酸化防止剤の添加量は限定されないが、本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物100重量部当たり0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5.0重量部であることがより好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物には、本発明の目的に反しない限り種々の添加物を配合することができる。具体的には紫外線吸収剤、着色剤、溶剤が例示される。
本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物は、(A)シリコーンオイル、(B)熱伝導性微粒子および(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤を均一になるまで混合することにより容易に製造することができる。(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤が常温で固体の場合は、予めシリコーンオイルの全量または一部の量とともに混合し、その融点以上の温度で溶解してから添加することが好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物は、電気絶縁性、半導電性、導電性のいずれでもよい。(B)熱伝導性微粒子の種類と配合量を選択することにより電気絶縁性、半導電性、導電性のいずれかにすることができる。電気絶縁性である場合には、体積抵抗率が1×1010Ω・cm以上であることが好ましい。半導電性である場合は1×10Ω・cm〜1×1010Ω・cmの範囲であることが好ましい。導電性、すなわち、電気伝導性である場合は、体積抵抗率が1×10Ω・cm以下であることが好ましい。
本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物を放熱したい電子部品、電子機器や部材に塗布するときは、塗布方法は特に制限されず、ディスペンス塗布、印刷塗布、スプレー塗布、はけ塗り等によることができる。本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物は、プラスチック製容器、金属缶、ガラス瓶、チューブ、カートリッジなどに入れて保管することが好ましい。保存安定性を向上する目的で冷蔵保管をしても良く、保管温度として−5℃以下が例示される。
実施例と比較例中の熱伝導性シリコーンオイル組成物の特性は下記の方法により測定した。部とあるのは、重量部である。
[粘度]
東機産業株式会社製の回転式粘度計TV−20を用い、ロータの回転数4rpm、温度25℃で測定した。
[液状物質のブリードアウト、熱伝導性シリコーンオイル組成物の耐熱性]
4.0mm径の開口部を有する厚さ150μmの金属製のマスクを用いて、松浪硝子株式会社製のフロスト処理されたマイクロスライドガラス板(品番S2216、厚さ1.3mm)上に熱伝導性シリコーンオイル組成物を25℃で印刷塗布して試験体とした。
170℃の強制循環式オーブン中に試験体を水平にして100時間静置し、該ガラス板上にひろがった液状物質の外側までの直径(単位;mm)を測定してブリードアウトとした。オーブンから取出し冷却した該ガラス板上の熱伝導性オイル組成物を指で触診して耐熱性として示した。
[熱伝導率]
10mm×10mm角のシリコンウエファー間に厚さが40μmまたは80μmになるよう熱伝導性シリコーンオイル組成物を挟みこんで試験体とした。各試験体について熱抵抗(単位;℃/W)を測定し、各厚さ(単位;m)と熱抵抗の関係をグラフにプロットして直線を引き、その傾きを熱伝導率(単位;W/mK)として算出した。
[体積抵抗率]
幅10mm、長さ50mmの開口部を有する厚さ100μmの金属製マスクを用いて、熱伝導性シリコーンオイル組成物を電気絶縁性のFR−4ガラス繊維強化エポキシ樹脂基板上に印刷塗布して試験体とした。50mm長の測定端間で10ボルトの電圧を印加して抵抗を測定し、体積抵抗率(単位;Ω・cm)を算出した。
[実施例1]
撹拌羽根付きミキサー中でシリコーンオイルとして25℃における粘度が200mPa・sである両末端トリメチルシリル基封止ジメチル・メチルフェニルシリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SH550。全側鎖有機基中のフェニル基の割合が約20%。揮発性の低分子量成分をメタノールとエタノールの混合溶媒(メタノール:エタノール=7:3)を用い抽出洗浄して揮発分を低減したもの)99部、ソルビトール系チクソ剤としてビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール1部を250℃で混合し、常温に冷却後、熱伝導性微粒子としてBET法比表面積が200m/gであり比重が2.2であるフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名アエロジル200)10部、および平均粒径が8μmであり比重が3.9である球状アルミナ(昭和電工株式会社製、商品名AS−50)400部を混合して熱伝導性シリコーンオイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は220Pa・sであった。この熱伝導性シリコーンオイル組成物について、液状物質のブリードアウト、耐熱性、熱伝導率および体積抵抗率を測定して、表1にまとめて示した。
[比較例1]
実施例1の熱伝導性シリコーンオイル組成物においてソルビトール系チクソ剤を添加しない以外は同様にして熱伝導性シリコーンオイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は160Pa・sであった。この熱伝導性シリコーンオイル組成物について、液状物質のブリードアウト、耐熱性、熱伝導率および体積抵抗率を測定して、表1にまとめて示した。
[実施例2]
撹拌羽根付きミキサー中でシリコーンオイルとして25℃における粘度が1000mPa・sであるメチルドデシル・メチル(2−フェニルプロピル)シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング株式会社製、商品名SH203)98部、アマイド系チクソ剤としてエチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド1部、酸化防止剤として4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−ターシャルブチルフェノール)1部を250℃で混合し、常温に冷却後、BET法比表面積が200m/gであり比重が2.2であるフュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名アエロジル200)10部、および平均粒径が8μmであり比重が3.9である球状アルミナ(昭和電工株式会社製、商品名AS−50)400部を混合して熱伝導性シリコーンオイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は380Pa・sであった。この熱伝導性シリコーンオイル組成物について、液状物質のブリードアウト、耐熱性、熱伝導率および体積抵抗率を測定して、表1にまとめて示した。
[比較例2]
実施例2の熱伝導性シリコーンオイル組成物においてアマイド系チクソ剤を添加しない以外は同様にして熱伝導性シリコーンオイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は240Pa・sであった。この熱伝導性シリコーンオイル組成物について、液状物質のブリードアウト、耐熱性、熱伝導率および体積抵抗率を測定して、表1にまとめて示した。
[実施例3]
実施例2の熱伝導性シリコーンオイル組成物において、平均粒径8μmの球状アルミナの代りに、平均粒径が8μmであり比重が10.5であるフレーク化銀(メタロ−株式会社製、商品名AA−0076)を用いた以外は実施例2と同様にして熱伝導性シリコーンオイル組成物を調製した。
この組成物はグリース状であり、粘度は180Pa・sであった。この熱伝導性シリコーンオイル組成物について、液状物質のブリードアウト、耐熱性、熱伝導率および体積抵抗率を測定して、表1にまとめて示した。
Figure 2007039621
本発明の熱伝導性シリコーンオイル組成物は、優れた熱伝導性と耐熱性を有し、基油や液状物質が経時的にブリードアウトしにくいので、熱せられたコンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等の電子部品、これらの電子部品・チップを有する半導体パッケージ、回路基板等の電子装置の熱を放熱部材に効率よく伝える媒体、いわゆる、放熱剤として有用である。本発明の放熱剤は、熱せられたコンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等の電子部品、これらの電子部品・チップを有する半導体パッケージ、回路基板等の電子装置の熱を放熱部材に効率よく伝えるための媒体として有用である。本発明の電子機器は、蓄熱しにくい電子機器として有用である。

Claims (10)

  1. (A)シリコーンオイル、(B)熱伝導性微粒子および(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤からなることを特徴とする熱伝導性シリコーンオイル組成物。
  2. シリコーンオイルがアルキルメチルシリコーンオイル、ジメチル・メチルフェニルシリコーンオイル、または、ジメチル・ジフェニルシリコーンオイルであり、熱伝導性微粒子が熱伝導性無機質微粒子または金属微粒子であり、ソルビトール系チクソ剤がベンジリデンソルビトール類であり、アマイド系チクソ剤が脂肪酸アマイドであることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
  3. (B)熱伝導性微粒子は、体積比で(A)シリコーンオイル1.0に対し0.5以上、2.0以下であり、(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤は、(A)シリコーンオイル100重量部当たり0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
  4. (B)熱伝導性微粒子が平均粒径0.1μm〜30μmの範囲内の熱伝導性微粒子と補強性シリカからなり、補強性シリカは(A)シリコーンオイル100重量部当たり0.1〜15重量部であることを特徴とする請求項3記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
  5. 熱伝導性シリコーンオイル組成物の熱伝導率が1W/m・K以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
  6. さらに熱安定剤および/または酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物。
  7. (A)シリコーンオイル、(B)熱伝導性微粒子および(C)ソルビトール系チクソ剤またはアマイド系チクソ剤からなることを特徴とする放熱剤。
  8. シリコーンオイルがアルキルメチルシリコーンオイル、ジメチル・メチルフェニルシリコーンオイル、または、ジメチル・ジフェニルシリコーンオイルであり、熱伝導性微粒子が熱伝導性無機質微粒子または金属微粒子であり、ソルビトール系チクソ剤がベンジリデンソルビトール類であり、アマイド系チクソ剤が脂肪酸アマイドであることを特徴とする請求項7記載の放熱剤。
  9. 熱伝導率が1W/m・K以上であることを特徴とする請求項7または請求項8記載の放熱剤。
  10. 熱された電子部品が請求項5記載の熱伝導性シリコーンオイル組成物または請求項9記載の放熱剤を介して放熱部材に接していることを特徴とする電子機器。
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