JP2008174467A - マレイン酸イルソグラジンの安定な水溶液製剤 - Google Patents

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順久 上竹
Toshihiko Sueishi
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Abstract

【課題】粘膜防御性胃潰瘍剤などに有用なトリアジン系の医薬であるマレイン酸イルソグラジンを安定な水溶液として提供すること。
【解決手段】マレイン酸イルソグラジンが常温にて液状の1価のアルコールと液状の多価アルコールと水とからなる水性成分に溶解しており、(1)マレイン酸イルソグラジンの濃度が0.01〜1%w/vであり、前記水性成分が、(2)1価のアルコールが5〜40%であり、(3)多価アルコールが20〜60%であり、かつ(4)1価のアルコールと多価アルコールの合計が全体量に対して40〜80%水溶液製剤。
【選択図】図1

Description

本発明は、難溶性薬物であるマレイン酸イルソグラジンを水溶液化し、更に保存安定性に優れていることを特徴とする水溶液製剤に関するものである。
マレイン酸イルソグラジン[2,4−ジアミノ−6−(2,5−ジクロロフェニル)−S−トリアジンマレエート]は、粘膜防御性胃潰瘍剤として臨床の場で用いられている。マレイン酸イルソグラジンは、固形製剤として経口投与されるが、水にほとんど溶けないために吸収速度のバラツキが大きいという問題がある。この問題を解決するために、結晶の粒子径を5〜10ミクロンまで超微細化する方法(特公昭59−25765)や無定形化組成物とする方法(特開平9-124485)などの提案がなされている。
また、イルソグラジンまたはその塩を有効成分とした角膜疾患治療剤(特開2006−306757)として、実施例にマレイン酸イルソグラジンにポリソルベート80とエタノールを加えた点眼剤が例示されている。この実施例では、マレイン酸イルソグラジンは溶解しておらず、懸濁液の状態である。
従って、マレイン酸イルソグラジンを水溶液化する方法はなんら提案されていない。
他方、マレイン酸イルソグラジンは、口内炎の治療効果も認められている。従来は、固形製剤を経口投与しているため、肝臓での有効成分の代謝効果を受け易く、かつ全身性の投与の為、口内炎以外の部位にまで効果が及び副作用が起きやすいという問題があった。このため、マレイン酸イルソグラジンを用いて口内炎を治療する為には、水溶液として直接患部にスプレーする、或いはうがいする等の局所投与できる水溶性製剤の開発が待たれていた。
更に、マレイン酸イルソグラジンは、血管新生抑制効果も有することが知られているが、難水溶性であり吸収性が低いことから効果が十分でなく、注射等で直接体内に投与できる水溶液剤が求められていた。
特公昭59−25765号公報 特開平9−124485号公報 特開2006−306757号公報
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、マレイン酸イルソグラジンを安定な水溶液として提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意努力した結果、1価のアルコールと多価アルコールとを適当な割合で用いることにより、マレイン酸イルソグラジンの水への溶解性を飛躍的に向上できることを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。更に、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸から選ばれるヒドロキシ酸を加えることにより、水溶液に溶けたイルソグラジンの安定性が改善されることを見出した。
こうして、上記課題を解決するための発明に係る水溶液製剤は、マレイン酸イルソグラジンが常温にて液状の1価のアルコールと液状の多価アルコールと水とからなる水性成分に溶解し、(1)マレイン酸イルソグラジンの濃度が0.01〜1%w/vであり、前記水性成分が(2)1価のアルコールが5〜40%であり、(3)多価アルコールが20〜60%であり、かつ(4)1価のアルコールと多価アルコールの合計が全体量に対して40〜80%であることを特徴とする。
上記発明においては、グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸からなる群から選ばれる1種或いは2種以上の有機酸を含有することが好ましい。
また、1価のアルコールが、エタノールまたはプロパノールからなる群から選択される1種または2種であることが好ましい。
また、多価アルコールが、ポリエチレングリコール300〜600、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコールからなる群から選ばれる1種或いは2種以上を含有することが好ましい。
本発明によれば、マレイン酸イルソグラジンを安定な水溶液として提供することができる。この水溶液製剤は、従来のマレイン酸イルソグラジンの用法の他に、口内炎に対する局所投与、血管新生抑制効果を奏するための注射剤などとして用いることができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
マレイン酸イルソグラジンは0.1%以上の濃度にすると、1価のアルコールや多価アルコールのみで溶解することが出来ない。本発明では、第一成分として1価のアルコール、第二成分として多価アルコールを配合することにより、マレイン酸イルソグラジンを水溶液化することに成功した。
マレイン酸イルソグラジンの濃度は、0.01〜1%w/vであることが好ましく、0.1〜0.8%w/vであることが更に好ましい。マレイン酸イルソグラジンの濃度が0.01%未満以下では薬理効果が期待できず、また1%を越えると低温で保存すると結晶が析出し易くなるので好ましくない。
「常温にて液状」とは、25℃において液体であることを示し、1価のアルコールとして、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クロロブタノール等が例示できるが、ヒトに投与することを考慮すると安全性の面からエタノール、或いはプロパノールを用いることが好ましい。1価のアルコールの濃度は、5〜40%が好ましい。1価のアルコールの濃度が5%未満では後述の多価アルコールを併用してもマレイン酸イルソグラジンが溶けず、40%よりも高いとアルコールの刺激が強くなり好ましくない。
液状の多価アルコールとして、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール等が例示できるが、ヒトに投与することを考慮すると安全性の面からPEG(分子量300〜600)、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコールを用いることが好ましい。また、多価アルコールの濃度は20〜60%が好ましい。
更に、1価のアルコールと多価アルコールの合計が全体量に対して40〜80%であることが好ましい。
上記水性成分の組成比は、図1の三成分系の三角図内の囲みで表す事ができる。
水溶液化するうえで最も好ましい様態は、マレイン酸イルソグラジン0.1〜0.8%、1価アルコール10〜30%、多価アルコール30〜50%であって、1価のアルコールと多価アルコールの合計が全体量に対して40〜80%にあることを特徴とする水溶液製剤である。
本発明では、更にグリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸から選ばれる1種或いは2種以上含有することにより、マレイン酸イルソグラジンの水溶液中における安定性が改善できる。これらのうち、クエン酸を用いることが安全性の面から好ましい。クエン酸の濃度は0.01〜3%が例示できるが、医薬品の使用前例の範囲で加えることが出来る。
また、本発明では、製剤学的に既知の添加物(例えば、保存剤、pH調整剤、清涼化・芳香剤、界面活性剤、キレート剤、酸化防止剤など)を配合することが出来る。より具体的には、保存剤として、パラオキシ安息香酸エステル類、デヒドロ酢酸、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸等が例示できる。pH調整剤として、リン酸塩、塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸水素塩等が例示できる。清涼化・芳香剤として、メントール、ハッカ油、レモン油、オレンジ油等を例示できる。界面活性剤として、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を例示できる。キレート剤として、エデト酸やその塩類等を例示できる。酸化防止剤として、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等を例示できる。
次に実施例及び試験例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下の実施例は、あくまで本発明の中に含まれる具体例を幾つか示したものに過ぎず、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<溶解確認実験>
下記表1〜表4に示す各成分を攪拌し、最終的に精製水を加えて、全量を100mLとした。その後、それぞれのサンプルについて、溶け残りの有無を目視で確認した。
Figure 2008174467
Figure 2008174467
Figure 2008174467
Figure 2008174467
実験例1〜12については比較例であり、1価アルコール或いは多価アルコールを100%或いは80%水溶液として用いても、単独溶媒ではマレイン酸イルソグラジンの溶け残りがあったことを示している。
実験例13〜20については比較例であり、1価アルコールと多価アルコールの総和が35%以下、または90%以上の場合には、マレイン酸イルソグラジンの溶け残りがあったことを示している。
実験例21〜28については実施例であり、一価のアルコールが5〜40%、かつ多価アルコールが20〜60%の範囲でマレイン酸イルソグラジンが澄明に溶解したことを示している。
上記試験結果より、一価のアルコールが5〜40%、多価アルコールが20〜60%であり、かつ1価のアルコールと多価アルコールの合計が全体量に対して40〜80%である範囲において、マレイン酸イルソグラジンが澄明に溶解することが明らかとなった。
<熱安定性試験>
下表5に示す各成分を加えたサンプルを調製し、50℃にて6週間保存した後、マレイン酸イルソグラジンの含量をHPLCを用いて測定した。
Figure 2008174467
マレイン酸イルソグラジンの残存率は、次式に従って求めた。
残存率=経時サンプリング時のピーク面積÷調製直後のピーク面積×100
結果を表6および図2に示した。表には、保存期間経過後の残存率(%)を示した。
実施例1〜4中のマレイン酸イルソグラジンは、6週間後において約90%以上の残存率であった。一方、比較例中のマレイン酸イルソグラジンは、6週間後において約66%の残存率であった。
Figure 2008174467
上記の結果より、クエン酸、酒石酸、および乳酸は、溶解したマレイン酸イルソグラジンの熱安定性を改善することが分かった。
このように本実施形態によれば、マレイン酸イルソグラジンを安定な水溶液として提供することができる。この水溶液製剤は、従来のマレイン酸イルソグラジンの用法の他に、口内炎に対する局所投与、血管新生抑制効果を奏するための注射剤などに用いることができる。
1価アルコールと多価アルコールと水とからなる三成分系の成分組成比を示す三角図である。本発明の範囲は、図中の斜線で囲まれる領域である。 本実施形態のマレイン酸イルソグラジン水性製剤の熱安定性試験の結果を示すグラフである。

Claims (4)

  1. マレイン酸イルソグラジンが常温にて液状の1価のアルコールと常温にて液状の多価アルコールと水とからなる水性成分に溶解し、
    (1)マレイン酸イルソグラジンの濃度が0.01〜1%w/vであり、
    前記水性成分が
    (2)1価のアルコールが5〜40%であり、
    (3)多価アルコールが20〜60%であり、かつ
    (4)1価のアルコールと多価アルコールの合計が全体量に対して40〜80%であることを特徴とする水溶液製剤。
  2. グリコール酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸からなる群から選ばれる1種或いは2種以上の有機酸を含有することを特徴とする請求項1記載の水溶液製剤。
  3. 1価のアルコールが、エタノールまたはプロパノールからなる群から選択される1種または2種であることを特徴とする請求項1または2に記載の水溶液製剤。
  4. 多価アルコールが、ポリエチレングリコール300〜600、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコールからなる群から選ばれる1種或いは2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水溶液製剤。
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