JP2008173860A - 静電型アクチュエータ、静電型アクチュエータの製造方法、液体吐出ヘッド、画像形成装置、マイクロポンプ及び光学デバイス - Google Patents

静電型アクチュエータ、静電型アクチュエータの製造方法、液体吐出ヘッド、画像形成装置、マイクロポンプ及び光学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】空隙内圧と大気圧の差圧解消や信頼性向上を目的とする空隙内へのガス導入を効率的に行うための共通連通路の開口断面積が十分大きくない。
【解決手段】1つのアクチュエータ基板1上に構成された、変形可能な振動板11及びこの振動板11に空隙13を介して対向する電極14を備え、複数の空隙13が個別連通路15Aを介して連通している共通連通路15を有し、共通連通路15及び個別連通路15Aの一部は、電極14を形成する電極形成層24及び空隙13を形成する空隙形成層27と、電極形成層24より下側のシリコン基板21上の絶縁層22が取り除かれて形成されている。
【選択図】図8

Description

本発明は静電型アクチュエータ、静電型アクチュエータの製造方法、液体吐出ヘッド、画像形成装置、マイクロポンプ及び光学デバイスに関する。
一般に、プリンタ/ファックス/コピア或いはこれらの機能を複合した画像形成装置としては、例えば、記録液(液体)の液滴を吐出する液体吐出ヘッド(液滴吐出ヘッド)で構成した記録ヘッドを含む液体吐出装置を用いて、媒体(以下「用紙」ともいうが材質を限定するものではなく、また、被記録媒体、記録媒体、転写材、記録紙なども同義で使用する。)を搬送しながら、液体としての記録液(以下、インクともいう。)を用紙に付着させて画像形成(記録、印刷、印写、印字も同義語で用いる。)を行なうものがある。
なお、画像形成装置は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することをも意味する。また、液体吐出装置とは、液体吐出ヘッドから液体を吐出する装置を意味し、画像形成を行うものに限定されるものではない。
液体吐出ヘッドとしては、電気機械変換素子などの圧電型アクチュエータを用いたもの、電気熱変換素子に膜沸騰を利用するサーマル型アクチュエータを用いたもの、振動板と電極間の静電力を利用する静電型アクチュエータを用いたものなどがあり、この中でも静電型アクチュエータを用いたヘッドは、小型化、高速化、高密度化、省電力化において他の方式のヘッドに比べて優位であるという利点を有している。
このような、静電型アクチュエータを用いた液体吐出ヘッドにおいては、振動板と電極との間の空隙(ギャップ)の寸法(ギャップ長)精度がその特性に大きく影響を及ぼし、特に、画像形成装置に使用する液体吐出ヘッドの場合、各アクチュエータの特性のバラツキが大きければ、印字精度、画質の再現性が著しく低下することとなる。そこで、特許文献1に記載されているような2枚の基板を接合する構成ではギャップ精度が低下することから、特許文献2に記載されているように犠牲層エッチングでギャップを形成することが行われる。
特開平11−263012号公報 特開2001−18383号公報
一方、静電型アクチュエータにおける空隙内圧と大気圧の差圧の解消、あるアクチュエータの信頼性向上を目的として、空隙内へのガス導入のために各空隙を連通する連通路を設けることが行われ、疎水膜を形成するガスを効率的に振動室に導入するために、例えば特許文献3に開示されているように凹部及び電極を形成した電極基板を掘り込むことによって断面積の大きな連通路の形成することが知られている。
特開2003−72070号公報
さらに、この連通路の断面積を大きくするために、特許文献4に記載されているように、犠牲層エッチングで形成される振動板と電極との間の複数の空隙が共通連通路で相互に連通され、この共通連通路の高さは電極を形成する電極形成層まで掘り込むことによって空隙の高さよりも高く形成することにより、共通連通路の断面積を更に大きくすることが記載されている。
特開2006−115624号公報
また、特許文献5には、振動板変形による当接時に振動板が対向する電極側にスティッキングし振動板の振動変形が阻害されることを防止するために、ギャップ内の流体を加熱する加熱手段を備えることが記載されている。
特開2004−074656号公報
上述したように、空隙内圧と大気圧の差圧解消や信頼性向上を目的とする空隙内へのガス導入を行うために空隙を大気と連通する共通連通路を形成する場合、共通連通路の開口断面積が小さいと、疎水膜形成のガス導入などを効率的に行うことができない。
この場合、上述した特許文献4に記載されているように、犠牲層エッチングで空隙を形成するときに電極形成層まで掘り込むことによって共通連通路の断面積を大きくすることはできるものの、これでも電極形成層の高さの制限を受けることになり、未だ十分に大きな断面積の共通連通路を確保することができていないという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、空隙内圧と大気圧の差圧解消や信頼性向上を目的とする空隙内へのガス導入を効率的に行うことができる静電型アクチュエータ、この静電型アクチュエータの製造方法、この静電型アクチュエータを備えた液体吐出ヘッド、この液体吐出ヘッドを搭載した画像形成装置、及びこの静電型アクチュエータを用いたマイクロポンプ、光学デバイスを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る静電型アクチュエータは、振動板及び電極は一つの基板上に構成され、複数の空隙が連通している共通連通路を有し、この共通連通路の少なくとも一部は、電極を形成する電極形成層及び空隙を形成する空隙形成層と、電極形成層より下側の層が取り除かれて形成されている構成としたものである。
ここで、共通連通路と空隙との間に個別連通路が設けられ、この個別連通路は、電極を形成する電極形成層及び空隙を形成する空隙形成層と、電極形成層より下側の層が取り除かれて形成されている構成とすることができる。
また、電極形成層より下側の層が基板と電極形成層との間に介在する絶縁層である構成、或いは、電極形成層より下側の層が基板と電極形成層との間に介在する絶縁層及び基板自体である構成とすることができる。さらに、電極形成層より下側の層には複数のスリット溝が形成され、この複数のスリット溝で共通連通路の一部を形成している構成とすることが好ましい。
本発明に係る静電型アクチュエータの製造方法は、電極形成層より下側の層に共通連通路の一部を形成する連通路溝を形成し、この連通路溝内をエッチング除去可能な材料で埋め込んで平坦化した後、連通路溝内のエッチング除去可能な材料に直接接する状態でエッチング除去可能な電極形成層を積層し、更にこの電極保護層のうちの共通連通路に対応する部分に直接接する状態で空隙を形成するエッチング除去可能な空隙形成層を積層した後、共通連通路に対応する部分をエッチングで除去する構成とした。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、本発明に係る静電型アクチュエータを備えたものである。ここで、記録液を供給する液体タンクが一体化されている構成とすることができる。
本発明に係る画像形成装置は、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えたものである。
本発明に係るマイクロポンプは、液体を輸送する本発明に係る静電型アクチュエータを備えたものである。
本発明に係る光学デバイスは、光の反射方向を変化させる本発明に係る静電型アクチュエータを備えたものである。
本発明に係る静電型アクチュエータによれば、振動板及び電極は一つの基板上に構成され、複数の空隙が連通している共通連通路を有し、この共通連通路の少なくとも一部は、電極を形成する電極形成層及び空隙を形成する空隙形成層と、電極形成層より下側の層若しくは電極形成層より下側の層及び基板又は基板が取り除かれて形成されている構成としたので、断面積の大きな連通路を得ることができ、空隙内圧と大気圧の差圧解消や信頼性向上を目的とする空隙内へのガス導入を効率的に行うことができる。
本発明に係る静電型アクチュエータの製造方法によれば、電極形成層より下側の層に共通連通路の一部を形成する連通路溝を形成し、この連通路溝内をエッチング除去可能な材料で埋め込んで平坦化した後、連通路溝内のエッチング除去可能な材料に直接接する状態でエッチング除去可能な電極形成層を積層し、更にこの電極保護層のうちの共通連通路に対応する部分に直接接する状態で空隙を形成するエッチング除去可能な空隙形成層を積層した後、共通連通路に対応する部分をエッチングで除去する構成としたので、本発明に係る静電型アクチュエータを効率的に製造することができる。
本発明に係る液体吐出ヘッドによれば、本発明に係る静電型アクチュエータを備えているので、信頼性の高い静電型液体吐出ヘッドを得ることができる。
本発明に係る画像形成装置によれば、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、信頼性の高い静電型液体吐出ヘッドを備える画像形成装置が得られる。
本発明に係るマイクロポンプによれば、本発明に係る静電型アクチュエータを備えているので、信頼性の高いマイクロポンプが得られる。
本発明に係る光学デバイスによれば、本発明に係る静電型アクチュエータを備えているので、信頼性の高い光学デバイスが得られる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る静電型アクチュエータを含む本発明に係る液体吐出ヘッドの斜視説明図、図2は同ヘッドの分解斜視説明図、図3は図1の面S1に沿う液室長辺方向の断面説明図、図4は図1の面S2に沿う液室長辺方向の断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、基板の面部に設けたノズル孔から液滴を吐出させるサイドシュータタイプのものであり、第1の基板であるアクチュエータ基板1と第2の基板である流路基板2と第3の基板であるノズル基板3を順次積層して構成し、これら3枚の基板1、2、3を接合することで、液滴を吐出するノズル4がノズル連通路5を介して連通する液室(吐出室)6、液室6に液体(インク)を供給するための流体抵抗部7及び共通液室8を形成している。各液室6は液室間隔壁9で仕切られている。
アクチュエータ基板1は、液室6の一部の壁面を形成する振動板(変形可能領域)11を形成する振動板部材12と、この振動板部材12の振動板11に犠牲層エッチングによって形成した空隙(ギャップ)13を介して対向する個別電極(下部電極)14を備え、これらの振動板部材12と個別電極14によって各液室6に対応する本発明に係る静電型アクチュエータを構成している。
また、アクチュエータ基板1にはノズル4の並び方向に、各空隙13を相互に連通させるとともにアクチュエータ基板1自体の外部又に連通させるための共通連通路(連通管)15を形成し、この共通連通路15に個別連通路15Aを介して空隙13を連通させ、また、共通連通路15の他端部にはアクチュエータ基板1の外部に開口するガス導入孔16を形成している。
このアクチュエータ基板1の詳細は後述するが、シリコン基板21上に絶縁膜22を介して個別電極14となるエッチング可能な電極形成層24を形成し、この電極形成層24上に絶縁膜25を形成し、この絶縁膜25上に空隙13を形成するための空隙形成層である犠牲層27を形成し、この犠牲層27上に絶縁膜28を形成して、この絶縁膜28に犠牲層除去孔29を形成し、この犠牲層除去孔29から犠牲層27を除去して空隙13を形成する。
また、個別連通路15A及び共通連通路15は、空隙形成層である犠牲層27、電極保護膜である絶縁膜25、電極形成層24、電極形成層24の下側の層である絶縁膜22を取り除いて形成している。これにより、共通連通路15及び個別連通路15Aの高さは空隙13を形成するための犠牲層27、電極形成層24、絶縁膜25の高さに、絶縁膜22への掘り込み深さを加えたものとなる。
さらに、アクチュエータ基板1には流路基板2の共通液室8に外部からインクを供給するための供給口18を形成している。
アクチュエータ基板1の上に接合する流路基板2は、例えば、結晶面方位(110)のシリコン基板に、液室(吐出室)6と、各々の液室6に流体抵抗部7を介して連通する共通液室10を設けている(実際に溝部又は凹部である。)。
流路基板2の上に接合するノズル基板3は、例えば、厚さ50μmのニッケルを用い、ノズル4はドライ又はウェットエッチングやレーザー加工など周知の方法で形成することができる。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、各液室6内に記録液(インク)が満たされた状態で、図示しない制御部からの画像データに基づいて、記録液の吐出を行いたいノズル4に対応する個別電極14に対して、発振回路により40Vのパルス電圧を印加する。この電圧を印加することにより個別電極14の表面にプラス電荷が帯電し、個別電極14と、振動板電極を含む振動板11との間に静電力による吸引作用が働いて、振動板11が下方へ撓む。これにより、液室6の容積が広げられることから、その容積分の記録液が共通液室8より流体抵抗部7を介して液室6へ流入する。
その後、個別電極14へのパルス電圧を0Vにする(印加を止める)ことにより、静電力により下方へ撓んだ振動板11は自身の剛性により元の位置に戻る。これにより、液室6内の圧力が急激に上昇して、液室6に連通するノズル4より記録液の液滴が吐出される。そして、この動作を繰り返してノズル4から記録液を連続的に吐出することにより、液滴吐出ヘッドに対向して配置した被記録媒体(用紙)に画像を形成する。
ここで、静電型アクチュエータにおいて、個別電極14と振動板11との間に作用する静電力は、次に示す(1)式で与えられる。ここで、F:電極間に働く静電力、ε:誘電率、S:電極の対抗する面の面積、d:電極間距離、V:印加電圧である。
Figure 2008173860
つまり、静電力Fは、電極間距離dの2乗に反比例し、印加電圧Vの2乗に正比例していることが分かる。すなわち、静電型アクチュエータ、又はそれを搭載した液滴吐出ヘッドの駆動電圧の低電圧化を図るためには、個別電極14と振動板11との間隔(空隙の高さ:ギャップ長)を小さく形成することが重要となるので、空隙13を犠牲層エッチングで形成することにより、微小な空隙間隔を精度良くバラツキなく安定して形成することができ、各アクチュエータ間での動作特性のバラツキが少ない静電型アクチュエータを得ることができ、また、この静電型アクチュエータを液滴吐出ヘッドに適用することで、ノズル間での液滴吐出特性にバラツキが少なくなって、高品質画像を形成することができるようになる。
次に、アクチュエータ基板1の詳細について図5ないし8をも参照して説明する。なお、図5は同基板を透過状態で示す平面説明図、図6は図5のA−A線に沿う断面説明図、図7は図5のB−B線に沿う断面説明図、図8は連通路周辺の拡大説明図である。
このアクチュエータ基板1の振動板部材12は、前述したように絶縁膜28及び多層膜30で構成され、この多層膜30は、絶縁膜28上に振動板電極(上部電極)32、撓み防止膜(窒化膜)33、膜剛性調整膜34及び樹脂膜35を順次積層形成して構成している。
この振動板部材12は、図5に示すように、各液室6間の隔壁部9に対応して形成される隔壁部31で分離される変形可能な各振動板11を有している。ここで、1つの振動板11の短辺長a及び長辺長bは、例えば、短辺長aが60μm、長辺長bが1000μmとしている。
一方、前述したように、シリコン基板21表面に形成した絶縁膜22上には、各振動板11に対向して個別的に分離された個別電極14が形成され、この個別電極14の表面には絶縁膜25が形成されている。
これらの振動板11と個別電極14との間の空隙13は、犠牲層エッチングで形成する。犠牲層エッチングは、絶縁膜25上に空隙13の高さの厚みを有する犠牲層27を形成した後、絶縁膜28、振動板電極32、撓み防止膜(窒化膜)33を順次積層形成して、これらを貫通する犠牲層除去孔29を形成し、この犠牲層除去孔29を介して空隙13部分の犠牲層27を除去して行なう。
この犠牲層除去孔29は、図5にも示すように、振動板11の長辺方向で、等間隔に振動板11の短辺長a以下の間隔で、かつ、対向する辺の同位置に形成している。犠牲層エッチングは、等方性のため、振動板11の中央に犠牲層除去孔29が並んでいる方が犠牲層の除去効率は高いが、振動板11に犠牲層除去孔29があると、アクチュエータの振動特性に影響を及ぼす可能性があるため、犠牲層除去孔29は振動板11の外側に配置することが好ましい。また、犠牲層除去孔29を複数配置することにより、効率的に犠牲層27を除去することができて空隙13を効率良く形成することができる。
また、犠牲層エッチング後は、犠牲層除去孔29は膜剛性調整膜34で完全封止する。その後、図示しないが、外部電極への取出しのため配線層と、共通液室8に記録液を供給する供給口18を形成し、このアクチュエータ基板1の全面に蒸着重合法などで接液膜としての樹脂膜35が形成される。
さらに、アクチュエータの信頼性を確保するため、ここで形成した共通連通路15及びガス導入孔16を介して、外部より空隙13内に疎水膜形成材料である、例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を導入する。
これにより、図8に示すように、共通連通路15及び個別連通路15Aの高さH1は、「電極形成層24の厚さ+絶縁膜25の厚さ+犠牲層27の厚さ+絶縁膜22の除去深さ」となる。これに対して、図9に示すように、絶縁膜22を除去しない場合には、共通連通路15aの高さH11は、「電極形成層24の厚さ+絶縁膜25の厚さ+犠牲層27の厚さ」となる(H11<H1)。
つまり、空隙を形成するための犠牲層27、絶縁膜25、電極形成層24だけで共通連通路15aを形成した場合に比べて、共通連通路15及び個別連通路15Aの高さが高くなるので、断面積が大きくなり、大きなコンダクタンスを確保することができる。
これによって、例えば、共通連通路を介して外部から空隙内への疎水膜形成材料を導入する場合、疎水膜形成材料のガスの導入を効率的に行うことができる。また、共通連通路を外部に開口させた状態で、犠牲層除去孔を封止することにより、大気圧と空隙内部圧力の差圧による振動板の撓みを解消することもできる。さらに、共通連通路を十分な容積を有するバッファ室内に連通させることにより、環境温度、大気圧の変動による外部と空隙内部との差圧解消を応答性良く行なうことができる。
次に、本発明に係る静電型アクチュエータのアクチュエータ基板1の製造工程について図10ないし図15をも参照して説明する。なお、図10ないし図12は図5のA−A線に沿う断面に相当する断面説明図、図13ないし図15は図5のB−B線に沿う断面に相当する断面説明図である。
まず、図10(a)及び図13(a)に示すように、例えば厚さ400μmのシリコン(Si)基板21の表面(ここでは両面)に厚さ1.6μmの絶縁膜(熱酸化膜)22を形成する。そして、この絶縁膜22の共通連通路15及び個別連通路15Aを形成する部分をリソエッチ法で取り除いて連通路溝61を形成する。連通路溝61は、空隙13に対応する部分では共通連通路15及び個別連通路15Aの一部を形成し、個別連通路15A、15A間に対応する部分では共通連通路15の一部だけを形成する。
このとき、後の犠牲層エッチングでシリコン基板21がエッチングされないようにするため、絶縁膜22の一部(例えば厚さ100nm程度)は残すようにしている。その後、この絶縁膜22上に連通路溝61が完全に埋め込まれるポリシリコン膜62を成膜する。なお、ポリシリコン膜62で連通路溝61を完全に埋め込むためには連通路溝61の短辺長(ここでは、個別連通路15Aに対応する部分を含む最も広い幅を短辺長とする。)の1/2以上の成膜が必要である。
次に、図10(b)及び図13(b)に示すように、ポリシリコン膜62をCMP法などで研磨して、連通路溝61以外の部分の絶縁膜22を露出させる。つまり、連通路溝61内だけをエッチング除去可能な材料であるポリシリコン膜62で埋め込む。
次に、図10(c)及び図13(c)に示すように、個別電極14を形成する電極形成層24としてPドープポリシリコンを厚さ0.3μmに成膜する。ポリシリコン(電極形成層)24を、リソエッチ法によって分離溝40を形成して、個別電極14と、連通路となる部分42とに分離及びパターニングするとともに、後にシリコン基板21を貫通し供給口18を形成する部分43に対応する部分を除去する。このとき、共通連通路15の一部及び個別連通路15Aを形成する連通路溝61を埋めているポリシリコン膜62上に電極形成層24が直接成膜される。なお、連通路を形成する部分42も、連通路溝61と同様に、空隙13に対応する部分では共通連通路15及び個別連通路15Aの一部を形成し、個別連通路15A、15A間に対応する部分では共通連通路15の一部だけを形成することになる。
その後、CVD酸化膜を厚さ0.2μmで堆積させて、ポリシリコン(電極形成層)で形成された個別電極14、隔壁を構成する部分41と、連通路となる部分42上に絶縁膜25を形成する。このとき、絶縁膜25は個別電極14及び連通路となる部分42をそれぞれ分離している分離溝40内にも形成される。その後、連通路となる部分42上の絶縁膜25をリソエッチ法によって除去して開口26を形成して、連通路となる部分42を露出させる。
次に、図11(a)及び図14(a)に示すように、絶縁層(膜)25上に犠牲層27としてノンドープポリシリコンを空隙間隔である0.2μm厚さにCVD法により成膜する。そして、ポリシリコンをリソエッチ法により空隙13となる部分45と、隔壁を構成する部分46と、連通路となる部分48とに分離及びパターニングするとともに、供給口18となる部分43に対応する部分を除去する。
このとき、ポリシリコンからなる犠牲層27で形成される連通路を形成する部分48と、空隙形成層(犠牲層27)の下層部を構成するポリシリコンからなる電極形成層24で形成される連通路を形成する部分42は、中間膜である絶縁膜25に開口26を形成しているので、電極形成層24を形成するポリシリコン上に犠牲層27を形成するポリシリコンが直接成膜される。
このように、犠牲層を形成する材料をポリシリコンとすることにより、犠牲層の除去工程として一般的に知られた汎用技術を用いることができ、他材料との選択性があり、プロセスの自由度が高く、低コストで、量産性に優れ、安定したアクチュエータを得ることができる。
その後、犠牲層27で形成して、空隙となる部分45、隔壁を構成する部分46、連通路となる部分48上に、CVD酸化膜を堆積させて絶縁膜28を厚さ0.1μmで形成する。
次に、図11(b)及び図14(b)に示すように、絶縁膜28上に振動板電極層32となるPドープポリシリコン層を厚さ0.1μmで形成し、このポリシリコン層を、リソエッチ法により、振動板電極層32と、隔壁を構成する部分49とに分離するとともに、供給口18となる部分43は除去して開口を形成する。
このとき、同時に、犠牲層27と同じ材料からなる振動板電極層32が犠牲層エッチング時にエッチングされないようにするため、後に形成する犠牲層除去孔29よりも大きな開口径を有する開口50を形成する。そして、振動板電極層32上に振動板部材12の撓み防止層33として、LP−CVD法により0.15μmの厚さの窒化膜33aを堆積させる。この窒化膜からなる撓み防止層33は、開口50内にも形成されることで振動板電極層32の開口50の端面側を被覆する。
その後、図11(c)及び図14(c)に示すように、リソエッチ法により撓み防止層33である窒化膜33a及び絶縁膜28を通じて開口径2μmの犠牲層除去孔29を形成し、また、供給口18となる部分の窒化膜33a、絶縁膜28及び絶縁膜25を除去して供給口18の加工孔51を形成する。
そして、例えば、SFプラズマ処理やXeFガスによるドライエッチなどの犠牲層エッチングを行なって空隙13となる部分45の犠牲層27、連通路となる部分48の犠牲層27、連通路となる部分42の電極形成層24、連通路となる連通路溝61のポリシリコン膜62を完全に除去することにより、空隙13と個別連通路15A及び共通連通路15を形成する。なお、ここでは、犠牲層エッチングをドライエッチで行なっているが、TMAH溶液、KOH溶液のウェットエッチを用いても構わない。
このように、犠牲層27の下層部を、個別電極14を形成するエッチング除去可能な電極形成層24、個別電極14を保護するための中間層である絶縁膜25、絶縁膜22に掘り込んだ連通路溝61内のエッチング除去可能な層(ポリシリコン膜)62で形成し、連通15、15Aに対応する、連通路溝61のエッチング除去可能な層(ポリシリコン膜)62に電極形成層24を直接成膜し、更に絶縁膜25を除去して開口26を形成することで下層の電極形成層24を露出させて、空隙13を形成するための犠牲層27、電極形成層24、ポリシリコン膜62を連続させた状態にした後、犠牲層エッチングを行なって、空隙13を形成するための犠牲層27と犠牲層27の下側に位置する下層膜である連通路15、15Aに対応する部分の電極形成層24、絶縁膜22の連通路溝61内のポリシリコン膜62を同時に除去することにより、形成された共通連通路15及び個別連通路15Aの高さは、下層部(絶縁膜25と電極形成層24と連通路溝61の深さの合計)の高さ分だけ、空隙13の高さよりも高くなることとなり、犠牲層27、絶縁膜25及び電極形成層24だけで共通連通路15を形成した場合よりも、断面積の大きな共通連通路15を形成でき、共通連通路15のコンダクタンスを十分確保することができる。
このように、下層部は犠牲層と同じ材料からなる下層膜(電極形成層及び電極形成層下側の絶縁膜に形成した連通路溝内の埋め込み材料:ポリシリコン膜)と、この下層膜と犠牲層との間に介在する中間膜で構成され、中間膜には連通路を形成する開口が形成されることにより、空隙を形成する犠牲層エッチングの一工程で、空隙と連通路を同時に形成することができるため、寸法ばらつきの少ない、信頼性の高いアクチュエータを得ることができ、また製造工程を短縮することができる。
また、空隙と高さの異なる十分なコンダクタンスが得られる連通路を、空隙と同じ工程で形成できるため、量産化と低コスト化を図ることができる。
次に、図12(a)及び図15(a)に示すように、犠牲層除去孔29の封止、及び振動板部材12の剛性調整を目的として、常圧CVD法により剛性調整膜34を形成する。このときの膜厚は、犠牲層除去孔29を封止可能な膜厚、例えば、厚さ0.6μmとする。なお、この工程を実施することにより空隙13は封止され、外気と完全に遮断される。
その後、図12(b)及び図15(b)に示すように、リソエッチ法により供給口18となる部分の剛性調整膜34と絶縁膜22、28を除去した後、異方性エッチ、例えば、ICPエッチャーにより、シリコン基板21を表面から背面まで貫通するようにエッチングして、供給口18を形成する。ここで、異方性エッチで供給口18を形成することにより、加工形状制御性、微細加工性及び加工精度、並びに高密度化の面等において高い効果を得ることができる。
次に、図12(c)及び図15(c)に示すように、このアクチュエータ基板1の表面全体に、被覆性の優れた蒸着重合法により接液膜としての樹脂膜35を厚さ1μmで成膜する。その後、図示しない電極配線取り出しパッド部のみリソエッチ法により開口する。ここで、樹脂膜35として用いる材料としては、例えば、PBO膜(ポリベンゾオキサゾール)、ポリイミド膜、ポリパラキシリレンなどが挙げられるが、液滴に対する耐腐食性があり、蒸着重合法で形成できる材料であれば他のものでも良い。
その後、図示しないが、前述のガス導入孔16より、共通連通路15及び個別連通路15Aを介して空隙13へ疎水性膜を形成する材料として、例えば、HMDSを導入した後、ガス導入孔16を、例えば、エポキシ系接着剤等を用いて封止する。この場合、封止剤は、空隙13へは侵入せず、共通連通路15内部で止まるようにする。
このように、共通連通路15を封止剤で封止することにより、空隙13内へ導入したガスが外部へ拡散することを防止し、かつ、外界からの異物や水分等の混入を防止することができ、信頼性の高いアクチュエータを得ることができる。
以上の工程により、本発明に係る静電型アクチュエータを形成したアクチュエータ基板1が完成する。
そして、このアクチュエータ基板1と、前述の流路基板2と、ノズル基板3を順次積層することにより、本発明に係る静電型アクチュエータを含む本発明に係る液体吐出ヘッドを製造することができる。
このように、電極形成層より下側の層(本実施形態では絶縁膜22)に共通連通路の一部を形成する連通路溝を形成し、この連通路溝内をエッチング除去可能な材料で埋め込んで平坦化した後、連通路溝内のエッチング除去可能な材料に直接接する状態でエッチング除去可能な電極形成層を積層し、更にこの電極保護層のうちの共通連通路に対応する部分に直接接する状態で空隙を形成するエッチング除去可能な空隙形成層を積層した後、共通連通路に対応する部分をエッチングで除去するので、本発明に係る静電型アクチュエータを効率的に製造することができる。
ここで、凹部及び電極を形成した電極基板と振動板を形成した振動板基板とを接合し、電極基板を掘り込むことによって断面積の大きな連通路の形成する静電型アクチュエータの構成との関係を説明すると、このような静電型アクチュエータでは電極基板の連通路に対応する部分が振動板基板と接合されなくなって接合強度が不十分になるおそれがある。これに対して、本実施形態に係る静電型アクチュエータは、1枚の基板上に振動板と電極を構成し、アクチュエータ基板内に連通路を形成するので、流路基板との接合においても連通路に対応する部分も接合に寄与するため、連通路の面積によって接合強度が影響を受けることはない。
また、電極基板と振動板基板を接合する構成では、空隙内へのガス導入等は、電極基板と振動板基板の接合後にしか行なえずプロセス的に制約を受ける。一般に、空隙内へ導入するガスは、水分などによる振動板と電極と吸着を防止するため、HMDS等により、疎水性を有する膜を空隙内壁部に形成する。この場合、接合後にガス導入を行なうと、空隙以外の箇所、例えば液室内部へも混入する可能性があり、この疎水膜が吐出特性に影響を及ぼすおそれがある。したがって、液室内部へガス混入防止を必要とする場合、プロセス、あるいは構成の工夫が必要となることから、コストが増加する。これに対して、本実施形態に係る静電型アクチュエータでは1枚のアクチュエータ基板内に連通路が構成されるので、別基板(流路基板)との接合前後どちらでも空隙へのガス導入が可能であることから、プロセスの自由度が高くなる。
次に、犠牲層エッチングで電極形成層を除去して連通路を形成する静電型アクチュエータとの対比において説明すると、この構成では、前述したように、電極形成層を取り除いても、連通路高さは電極形成層の厚みによる制限を受けることになり、十分に大きな開口断面積を得ることができない。また、連通路上に取り除いた膜厚分の段差が生じるため、上層の膜(上下部電極保護膜、犠牲層、振動板電極層)のパターニング時、半導体の工程で一般的に適用されている写真工程のスピンコート法によるレジスト塗布では、段差部の影響で均一なレジスト膜厚が得られず、特別な方法を適用しなければならず、プロセスの煩雑化、及びコスト増加につながる。更に、アクチュエータ基板に段差部が生じることで、流路基板との接合面積が減少し、接合強度に影響を与えるおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る構成及び製造工程(連通路溝をエッチング可能な材料で埋め込む)を適用することによって、開口断面積の大きな連通路を有し、段差部による接合強度不足を生じない静電型アクチュエータを得ることができる。
次に、本発明に係る静電型アクチュエータの第2実施形態について図16及び図17を参照して説明する。なお、図16は同実施形態に係る静電型アクチュエータの連通路周辺の断面拡大図、図17は同静電型アクチュエータの製造工程の説明に供する断面説明図である。
この静電型アクチュエータにおいては、共通連通路15及び個別連通路15Aを構成する絶縁膜22の取り除き部分である連通路溝61は、隔壁部64と側壁面で形成される3本のスリット溝63で形成している。なお、隔壁部64は2本としているが3本以上設けることもできる。
つまり、図17に示すように、この静電型アクチュエータの製造工程においても、絶縁膜22に形成した連通路溝61内にポリシリコン膜62を成膜して埋め込んだ後、電極形成層24を成膜することになる。この場合、連通路溝61は完全に段差なくポリシリコン膜62で埋め込まなければならない。
このとき、図18及び図19に示す第1実施形態に係る静電型アクチュエータのように、連通路溝61を1つの凹部で形成した場合、連通路溝61の短辺長W1を埋めようとするとポリシリコン膜62の膜厚d1は、前述したように、(連通路溝短辺長W1/2)以上にする必要がある。
これに対して、この第2実施形態に係る静電型アクチュエータのように、連通路溝61を複数本のスリット溝63で形成した場合、1つのスリット溝63の幅をスリット溝幅SW1とした場合、ポリシリコン膜62の膜厚d2は、(スリット溝幅SW1/2)以上とすればよくなる。これにより、第1実施形態に比べて、大幅にポリシリコン膜62の膜厚を薄膜化できることになる。
このように、この第2実施形態の構成では第1実施形態に比べて、ポリシリコン膜成膜工程において、成膜膜厚を薄膜化できることから、プロセス時間の短縮、材料費削減効果が得られるとともに、ポリシリコン膜製膜工程後の研磨工程においても研磨量が少なくなるため、プロセス時間短縮、材料費削減効果が得られ、プロセスの安定化が図れる。
また、第1実施形態では、連通路溝短辺長W1が変わるとポリシリコン膜62の成膜膜厚d1を最適化する必要があるが、第2実施形態では、連通路溝短辺長W2が変動してもスリット溝幅SW1を固定しておけば、ポリシリコン膜62の膜厚d2は変更する必要がない。このように、第2実施形態では、連通路溝短辺長W2に依存せず、ポリシリコン膜厚d2を設定でき、第1実施形態に比べ、プロセス負荷を低減でき、かつプロセスの安定化を得ることができる。
次に、本発明に係る静電型アクチュエータの第3実施形態について図20及び図21を参照して説明する。なお、図20は同実施形態に係る静電型アクチュエータの連通路周辺の断面拡大図、図21は同静電型アクチュエータの製造工程の説明に供する断面説明図である。
この静電型アクチュエータおいては、共通連通路15及び個別連通路15Aの一部を形成する連通路溝61は、絶縁層22を貫通して基板21まで除去して形成した隔壁部66で区切られる3本のスリット溝65によって形成している。つまり、共通連通路の一部を形成する電極形成層より下側の層が、基板21と電極形成層24との間に介在する絶縁層22及び基板21自体である構成としている。そして、シリコン基板21のスリット溝65の壁面にはシリコン基板21がエッチングされないように酸化膜67を形成している。
この場合、共通連通路15及び個別連通路15Aは、「空隙形成層(犠牲層27)の厚さ+電極形成層24の厚さ+絶縁膜25の厚さ+絶縁膜22の厚さ+基板21の除去深さ」となり、第1、第2実施形態に比べて、更に断面積が大きくなり、連通路15、15Aのコンダクタンスが十分確保でき、自由度の高い設計が可能となる。
この第3実施形態の製造工程について、前記第1、第2実施形態の製造工程と異なる工程について図21を参照して説明する。
図21(a)に示すように、厚さ400μmのSi基板21上に絶縁膜(熱酸化膜)22を1.6μm厚さで成膜し、リソエッチ法で、連通路15、15Aの一部となるスリット溝65を絶縁膜22及び基板21に形成する。ここでは、連通路の狙いのコンダクタンスに合せてSi基板21のエッチ深さを任意に設定する。絶縁膜22のエッチングには、酸化膜ドライエッチャーを用い、Si基板21にエッチングには、エッチレートの大きいICPエッチャーなどを用いると、効率よく、且つ高精度にエッチングが行なえる。
次に、図21(b)に示すように、犠牲層エッチング時に犠牲層と同じ材料のSi基板21のエッチングを防ぐため、スリット溝65に露出しているSi基板21表面に熱酸化によりシリコン酸化膜67を極薄く形成する。シリコン酸化膜67の膜厚は、犠牲層エッチ時にSi基板21が露出しない膜厚であればよく、100nm程度あれば十分である。シリコン酸化膜67は、犠牲層エッチ時の耐性を有する膜で次工程以降に影響を与えない膜であれば、熱酸化法以外の膜、例えばCVD法膜でも良い。
次に、図21(c)に示すように、スリット溝65をポリシリコン膜62で完全に埋まるようにポリシリコン膜62を成膜する。スリット溝65を完全埋め込むためには、ポリシリコン膜62は、第2実施形態と同様に、スリット幅SW3(図20)の1/2以上の膜厚で足り、ポリシリコン膜62の成膜時の膜厚d3を極力薄くでき、プロセス時間、プロセス負荷を低減する効果が得られる。
その後のポリシリコン膜62の研磨工程からの製造工程は、第1実施形態の静電型アクチュエータの製造工程と同様である。
このように、基板を連通路の一部として用いることにより、第1、第2実施形態に比べ、シリコン基板のエッチングが一工程増えるが、第1、第2実施形態のように犠牲層、下部電極層(電極形成層)、及び下層の絶縁膜厚さに制約を受けることなく、連通路の高さを設定できるため、より大きな連通路断面積を形成できる。したがって、第1、第2実施形態よりもコンダクタンスを大きくでき、外部からの空隙13へのスムーズな疎水膜形成材料の導入が可能となる。
加えて、アクチュエータ基板1の空隙13を外部から密閉した場合、コンダクタンスが十分な連通路15、15Aを介して、十分な体積をもつバッファ室を設けておくことにより、環境温度、大気圧の変動による外部と空隙13内部のとの差圧解消を応答性良く行なうことができる。
なお、上記実施形態では、基板が導電性で絶縁膜を介して電極形成層を形成する構成の静電型アクチュエータについて説明しているが、ガラス基板などの絶縁性基板を用いて、絶縁性基板上に直接電極形成層を成膜する場合(絶縁膜が介在しない場合)には、絶縁性基板に前述した連津路溝(スリット溝を含む)を形成することもでき、この場合にも連通路の開口断面積を更に大きくすることができ、本発明に係る作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの他の実施形態としての液体カートリッジ一体型液体吐出ヘッドについて図23を参照して説明する。
この液体カートリッジ一体型ヘッド80は、ノズル81等を有する本発明に係るヘッド部82と、このヘッド部82に対して記録液(インク)を供給するインクタンク(液体タンク)83とを一体化したものである。これにより、信頼性の高い静電型アクチュエータを備えた液体カートリッジ一体型液体吐出ヘッドを得ることができる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドを搭載した本発明に係る画像形成装置の一例について図24及び図25を参照して説明する。なお、図24は同画像形成装置の全体構成を説明する側面説明図、図25は同装置の要部平面説明図である。
この画像形成装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド101とガイドレール102とでキャリッジ103を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ104で駆動プーリ106Aと従動プーリ106B間に架け渡したタイミングベルト105を介して矢示方向(主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ103には、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の記録液の液滴(インク滴)を吐出する独立した4個の本発明に係る液体吐出ヘッド107k、107c、107m、107yで構成した記録ヘッド107を主走査方向に沿う方向に配置し、液滴吐出方向を下方に向けて装着している。なお、ここでは独立した液体吐出ヘッドを用いているが、各色の記録液の液滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。また、色の数及び配列順序はこれに限るものではない。
キャリッジ103には、記録ヘッド107に各色のインクを供給するための各色のサブタンク108を搭載している。このサブタンク108にはインク供給チューブ109を介して図示しないメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
一方、給紙カセット110などの用紙積載部(圧板)111上に積載した被記録媒体(用紙)112を給紙するための給紙部として、用紙積載部111から用紙112を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙ローラ)113及び給紙ローラ113に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド114を備え、この分離パッド114は給紙ローラ113側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙112を記録ヘッド107の下方側で搬送するための搬送部として、用紙112を静電吸着して搬送するための搬送ベルト121と、給紙部からガイド115を介して送られる用紙112を搬送ベルト121との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ122と、略鉛直上方に送られる用紙112を略90°方向転換させて搬送ベルト121上に倣わせるための搬送ガイド123と、押さえ部材124で搬送ベルト121側に付勢された先端加圧コロ125とを備えている。また、搬送ベルト121表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ126を備えている。
ここで、搬送ベルト121は、無端状ベルトであり、搬送ローラ127とテンションローラ128との間に掛け渡されて、副走査モータ131からタイミングベルト132及びタイミングローラ133を介して搬送ローラ127が回転されることで、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。なお、搬送ベルト121の裏面側には記録ヘッド107による画像形成領域に対応してガイド部材129を配置している。
また、搬送ローラ127の軸には、スリット円板134を取り付け、このスリット円板134のスリットを検知するセンサ135を設けて、これらのスリット円板134及びセンサ135によってエンコーダ136を構成している。
帯電ローラ126は、搬送ベルト121の表層に接触し、搬送ベルト121の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。
また、キャリッジ103の前方側には、スリットを形成したエンコーダスケール142を設け、キャリッジ103の前面側にはエンコーダスケール142のスリットを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ143を設け、これらによって、キャリッジ103の主走査方向位置を検知するためのエンコーダ144を構成している。
さらに、記録ヘッド107で記録された用紙112を排紙するための排紙部として、搬送ベルト121から用紙112を分離するための分離部と、排紙ローラ152及び排紙コロ153と、排紙される用紙112をストックする排紙トレイ154とを備えている。
また、背部には両面給紙ユニット155が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット155は搬送ベルト121の逆方向回転で戻される用紙112を取り込んで反転させて再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙する。
さらに、キャリッジ103の走査方向の一方側の非印字領域には、記録ヘッド107のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構156を配置している。この維持回復機構156は、記録ヘッド107の各ノズル面をキャピングするための各キャップ157と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード158と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行なうときの液滴を受ける空吐出受け159などを備えている。
このように構成した画像形成装置においては、給紙部から用紙112が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙112はガイド115で案内され、搬送ベルト121とカウンタローラ122との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド123で案内されて先端加圧コロ125で搬送ベルト121に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、図示しない制御回路によってACバイアス供給部(高圧電源)から帯電ローラ126に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト121が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト121上に用紙112が給送されると、用紙112が搬送ベルト121に静電力で吸着され、搬送ベルト121の周回移動によって用紙112が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ103を往路及び復路方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド107を駆動することにより、停止している用紙112にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙112を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙112の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙112を排紙トレイ154に排紙する。
また、両面印刷の場合には、表面(最初に印刷する面)の記録が終了したときに、搬送ベルト121を逆回転させることで、記録済みの用紙112を両面給紙ユニット155内に送り込み、用紙112を反転させて(裏面が印刷面となる状態にして)再度カウンタローラ122と搬送ベルト121との間に給紙し、タイミング制御を行って、前述したと同様に搬送ベル121上に搬送して裏面に記録を行った後、排紙トレイ154に排紙する
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ103は維持回復機構155側に移動されて、キャップ157で記録ヘッド107のノズル面がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ157で記録ヘッド107をキャッピングした状態でノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行い、この回復動作によって記録ヘッド107のノズル面に付着したインクを清掃除去するためにワイパーブレード158でワイピングを行なう。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド107の安定した吐出性能を維持する。
このように、この画像形成装置によれば、信頼性の高い液体吐出ヘッドを備えた画像形成装置を得ることができる。
次に、本発明に係る静電型アクチュエータを備えたマイクロデバイスとしてのマイクロポンプについて図25を参照して説明する。なお、同図は同マイクロポンプの要部断面説明図である。
このマイクロポンプは、本発明に係る静電型アクチュエータで構成したアクチュエータ基板201と、流路基板202とを有し、流路基板202には流体が流れる流路203を形成している。アクチュエータ基板201は、流路203の壁面を形成する振動板部材212と、この振動板部材212の変形可能領域(振動板)211に犠牲層エッチングで形成した空隙(ギャップ)213を介して対向する個別電極214とを備えている。
このアクチュエータ基板201の構成も前記液体吐出ヘッドの実施形態と同様であり、シリコン基板221上に絶縁膜222を形成し、この絶縁膜222上に個別電極214を形成して絶縁膜225で被覆し、この絶縁膜225上に犠牲層227を形成し、更に振動板212のうちの一部の膜を形成した後犠牲層エッチングを行なって空隙213を形成し、図示しないが、空隙213に個別連通路を介して連通する共通連通路を形成したものである。
このマイクロポンプの動作原理を説明すると、前述した液体吐出ヘッドの場合と同様に、個別電極214に対して選択的にパルス電位を与えることによって振動板211との間で静電力による吸引作用が生じるので、振動板211が電極214側に変形する。ここで、振動板211を図中右側から順次駆動することによって流路203内の流体は、矢印方向へ流れが生じ、流体の輸送が可能となる。
このように、本発明に係る静電型アクチュエータを備えることで、信頼性の高い静電型アクチュエータを備え、安定した液体輸送が可能な小型で低消費電力のマイクロポンプを得られる。なお、輸送効率を上げるために、変形可能領域間に1又は複数の弁、例えば逆止弁などを設けることもできる。
次に、本発明に係る静電型アクチュエータを備えた光学デバイスの一例について図26を参照して説明する。なお、同図は同デバイスの概略構成図である。
この光学デバイスは、表面が光を反射可能でかつ変形可能な振動板に相当するミラー300を含むアクチュエータ基板301を有している。ミラー300の表面は反射率を増加させるため誘電体多層膜や金属膜を形成する(これらは樹脂膜表面に形成する)と良い。
アクチュエータ基板301は、絶縁膜322を形成したベース基板321上に、変形可能なミラー300と、このミラー300の変形可能領域(振動板)311に所定の空隙313を介して対向する電極314とを備えている。また、電極314上には絶縁膜325を形成し、空隙313は犠牲層327をエッチングして形成している。その他の構成についても、振動板がミラー面を有する構成となっている点が、前述の液体吐出ヘッドの実施形態で説明した静電型アクチュエータと異なるだけであるので、詳細な図示及び説明は省略する。
この光学デバイスの原理を説明すると、前述した静電型アクチュエータの場合と同様に、電極314に対して選択的にパルス電位を与えることによって、電極314と対向するミラー300の変形可能領域311間で静電力による吸引作用が生じるので、ミラー300の変形可能領域311が凹状に変形して凹面ミラーとなる。したがって、光源330からの光がレンズ331を介してミラー300に照射された場合、ミラー300を駆動しないときには、光は入射角と同じ角度で反射するが、ミラー300を駆動した場合は駆動された変形可能領域311が凹面ミラーとなるので反射光は発散光となる。これにより光変調デバイスが実現できる。
このように、本発明に係る静電型アクチュエータを備えることで、小型で低消費電力の光学デバイスを得ることができる。
そこで、この光学デバイスを応用した例を図27をも参照して説明する。この例は、上述した光学デバイスを2次元に配列し、各ミラー300の変形可能領域311を独立して駆動するようにしたものである。なお、ここでは、4×4の配列を示しているが、これ以上配列することも可能である。
したがって、前述した図26と同様に、光源330からの光はレンズ331を介してミラー300に照射され、ミラー300を駆動していないところに入射した光は、投影用レンズ332へ入射する。一方、電極314に電圧を印加してミラー300の変形可能領域311を変形させている部分は凹面ミラーとなるので光は発散し投影用レンズ332にほとんど入射しない。この投影用レンズ332に入射した光はスクリーン(図示しない)などに投影され、スクリーンに画像を表示することができる。
なお、上記実施形態においては、液体吐出ヘッドとしては、インク以外にも、例えば、液体レジストを液滴として吐出する液体吐出ヘッド、DNAの試料を液滴として吐出する液体吐出ヘッドなどの他の液体吐出ヘッドにも適用できる。また、静電型アクチュエータは、マイクロポンプ、光学デバイス(光変調デバイス)、マイクロスイッチ(マイクロリレー)、マルチ光学レンズのアクチュエータ(光スイッチ)、マイクロ流量計、圧力センサなどにも適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る静電型アクチュエータを備えた本発明に係る液体吐出ヘッドの斜視説明図である。 同ヘッドの分解斜視説明図である。 図1の面S1に沿う断面説明図である。 図1の面S2に沿う断面説明図である。 同静電型アクチュエータを構成するアクチュエータ基板の要部平面説明図である。 図5のA−A線に沿う断面説明図である。 図5のB−B線に沿う断面説明図である。 図7の要部拡大断面説明図である。 比較例の説明に供する図7と同様な要部拡大断面説明図である。 本発明に係る製造方法を適用した同アクチュエータ基板の製造工程の説明に供する図5のA−A線に沿う断面に相当する断面説明図である。 図10に続く工程の説明に供する説明図である。 図11に続く工程の説明に供する説明図である。 同じく同アクチュエータ基板の製造工程の説明に供する図5のB−B線に沿う断面に相当する断面説明図である。 図13に続く工程の説明に供する説明図である。 図14に続く工程の説明に供する説明図である。 本発明に係る静電型アクチュエータの第2実施形態の連通路周辺の断面拡大図である。 同静電型アクチュエータの製造工程の説明に供する断面説明図である。 同実施形態の作用説明に供する第1実施形態に係る静電型アクチュエータの連通路周辺の断面拡大図である。 同じく第1実施形態の静電型アクチュエータの製造工程の説明に供する断面説明図である。 本発明に係る静電型アクチュエータの第3実施形態の連通路周辺の断面拡大図である。 同静電型アクチュエータの製造工程の説明に供する断面説明図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの他の例の説明に供する斜視説明図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を説明する側面説明図である。 同画像形成装置の要部平面説明図である。 本発明に係るマイクロポンプの一例を説明する模式的説明図である。 本発明に係る光学デバイスの一例を説明する説明図である。 同光学デバイスの応用例の説明に供する斜視説明図である。
符号の説明
1…アクチュエータ基板
2…流路基板
3…ノズル基板
4…ノズル
5…ノズル連通路
6…液室(吐出室)
7…流体抵抗部
9…液室間隔壁
10…共通液室
11…振動板
12…振動板部材
13…空隙
14…個別電極
15…共通連通路
15A…個別連通路
21…シリコン基板
22…絶縁層(膜)
24…電極形成層
25…絶縁膜(中間膜)
26…開口
27…犠牲層
28…絶縁膜
29…犠牲層除去孔
32…振動板電極(上部電極)
33…膜撓み防止膜(窒化膜)
34…膜剛性調整膜
35…樹脂膜
80…液体カートリッジ
107k、107c、107m、107y…記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
201、301…アクチュエータ基板

Claims (11)

  1. 変形可能な振動板及びこの振動板に空隙を介して対向する電極を備える静電型アクチュエータにおいて、
    前記振動板及び電極は一つの基板上に構成され、
    複数の前記空隙が連通している共通連通路を有し、
    この共通連通路の少なくとも一部は、前記電極を形成する電極形成層及び前記空隙を形成する空隙形成層と、前記電極形成層より下側の層が取り除かれて形成されている
    ことを特徴とする静電型アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記共通連通路と空隙との間に個別連通路が設けられ、この個別連通路は、前記電極を形成する電極形成層及び前記空隙を形成する空隙形成層と、前記電極形成層より下側の層が取り除かれて形成されていることを特徴とする静電型アクチュエータ。
  3. 請求項1又は2に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記電極形成層より下側の層が前記基板と前記電極形成層との間に介在する絶縁層であることを特徴とする静電型アクチュエータ。
  4. 請求項1又は2に記載の静電型アクチュエータにおいて、前記電極形成層より下側の層が前記基板と前記電極形成層との間に介在する絶縁層及び基板自体であることを特徴とする静電型アクチュエータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の静電型アクチュエータにおいて、前記電極形成層より下側の層には複数のスリット溝が形成され、この複数のスリット溝で前記共通連通路の一部を形成していることを特徴とする静電型アクチュエータ。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の静電型アクチュエータを製造する製造方法であって、前記電極形成層より下側の層に前記共通連通路の一部を形成する連通路溝を形成し、この連通路溝内をエッチング除去可能な材料で埋め込んで平坦化した後、前記連通路溝内のエッチング除去可能な材料に直接接する状態でエッチング除去可能な前記電極形成層を積層し、更にこの電極保護層のうちの前記共通連通路に対応する部分に直接接する状態で前記空隙を形成するエッチング除去可能な前記空隙形成層を積層した後、前記共通連通路に対応する部分をエッチングで除去することを特徴とする静電型アクチュエータの製造方法。
  7. ノズルから液滴を吐出させるための静電型アクチュエータを備えた液体吐出ヘッドにおいて、前記静電型アクチュエータが請求項1ないし5のいずれかに記載の静電型アクチュエータであることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項7に記載の液体吐出ヘッドにおいて、記録液を供給する液体タンクが一体化されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 液滴を吐出する液体吐出ヘッドを搭載した画像形成装置において、前記液体吐出ヘッドが請求項7又は8に記載の液体吐出ヘッドであることを特徴とする画像形成装置。
  10. 静電型アクチュエータによって液体を輸送するマイクロポンプにおいて、前記静電型アクチュエータが請求項1ないし5のいずれかに記載の静電型アクチュエータであることを特徴とするマイクロポンプ。
  11. 静電型アクチュエータによって光の反射方向を変化させる光学デバイスにおいて、前記静電型アクチュエータが請求項1ないし5のいずれかに記載の静電型アクチュエータであることを特徴とする光学デバイス。
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