JP2008172028A - 有機トランジスタおよび有機トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機半導体層の劣化を抑制することができ、且つ製造が容易な有機トランジスタおよび有機トランジスタの製造方法を提供すること。
【解決手段】有機トランジスタ10によれば、スペーサ層22の一方の面が、電極形成面17、または電極形成面17上に形成されたソース電極18またはドレイン電極19などの各部材に接着され、他方の面が保護層24に接着されることにより、スペーサ層22の貫通穴23と保護層24と有機半導体層20との間に形成される隙間26が密閉される。したがって、大気中の浮遊物質などが隙間26に入り込み有機半導体層20に吸着することが防止され、大気中の浮遊物質に起因する有機半導体層20の劣化が防止される。
【選択図】図1
【解決手段】有機トランジスタ10によれば、スペーサ層22の一方の面が、電極形成面17、または電極形成面17上に形成されたソース電極18またはドレイン電極19などの各部材に接着され、他方の面が保護層24に接着されることにより、スペーサ層22の貫通穴23と保護層24と有機半導体層20との間に形成される隙間26が密閉される。したがって、大気中の浮遊物質などが隙間26に入り込み有機半導体層20に吸着することが防止され、大気中の浮遊物質に起因する有機半導体層20の劣化が防止される。
【選択図】図1
Description
本発明は有機トランジスタおよび有機トランジスタの製造方法に関し、特に、有機半導体層の劣化を抑制することができ、且つ製造が容易な有機トランジスタおよび有機トランジスタの製造方法に関するものである。
従来、電界効果型トランジスタのチャネル層には、シリコンやガリウム砒素などの無機半導体が多用されてきたが、この無機半導体に代えて、有機半導体をチャネル層に用いた電界効果型トランジスタが提案されている。
有機半導体は、無機半導体材料に比べて低温プロセスでの形成が可能であるため、プラスチックなど高温に弱い基板の上にトランジスタを形成できるなど、有意な特徴を有する。しかし、大気中に放置すると有機半導体層が劣化して性能が低下し、または性能が不安定になるという問題点がある。
有機トランジスタにおける性能の劣化や不安定性は、大気中の酸素、水蒸気、浮遊物質などが、有機半導体膜表面および膜中、有機半導体膜とソース/ドレイン電極との界面、あるいは、有機半導体膜とゲート絶縁膜界面などに混入または吸着するために発生すると考えられている。このため、これらを大気から隔離するための保護層が設けられる。
このような保護層は、例えば、スピン塗布法・印刷法などのウェットプロセスにより有機半導体膜上に形成することができるが、その場合、保護膜材料を溶解させている有機溶剤により有機半導体膜が侵されるおそれがある。また、フィルムの貼り付けや熱融着によって保護層を形成する場合、使用した接着剤や融着時に加える熱が有機半導体膜を侵すおそれがある。
このような事態を避けるために、特開2005−223107号公報(特許文献1)では、保護膜材料として、ポリマーラテックスを用いることが提案されている。ポリマーラテラックスは、水分散型であるため、塗布溶剤に溶かしてスピンコートにより塗布したとしても、通常の有機ポリマーに比較して、塗布溶剤による有機半導体膜へのダメージを抑制できるのである。
特開2005−223107号公報
しかしながら、上述したポリマーラテラックスで構成される保護膜は、酸素や水蒸気などに対し十分なガスバリア性が得られず、有機半導体層の劣化を十分に抑制できないという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、有機半導体層の劣化を抑制することができ、且つ製造が容易な有機トランジスタおよび有機トランジスタの製造方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の有機トランジスタは、基板に配設されたゲート電極と、そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、ゲート絶縁層上において、前記ソース電極とドレイン電極との間に形成された有機半導体層と、前記ソース電極、ドレイン電極が形成された電極形成面に対向して配置される保護層と、上方からみたときに前記有機半導体層を囲うように、前記電極形成面と前記保護層との間に配置され、保護層と前記電極形成面とを連結するスペーサ層とを備え、前記スペーサ層と、保護層と、電極形成面とにより形成される隙間は、密封されたものであることを特徴とする。
請求項2記載の有機トランジスタは、請求項1記載の有機トランジスタにおいて、前記保護膜と前記有機半導体層とが接触していないことを特徴とする。
請求項3記載の有機トランジスタは、請求項1または2に記載の有機トランジスタにおいて、前記スペーサ層と、保護層と、有機半導体層とにより形成される隙間に、不活性ガスが封入されていることを特徴とする。
請求項4記載の有機トランジスタは、請求項1から3のいずれかに記載の有機トランジスタにおいて、前記スペーサ層は、シート状部材で構成されると共に、厚み方向に貫通する貫通穴を有するものであり、前記有機半導体層は、前記スペーサ層の貫通穴内周側に配置されたものであることを特徴とする。
請求項5記載の有機トランジスタは、請求項1から4のいずれかに記載の有機トランジスタにおいて、前記スペーサ層は、シート状の両面接着材で構成され、そのスペーサ層の一面は、前記電極形成面側と接着され、スペーサ層の他方の面は前記保護層と接着されたものであることを特徴とする。
請求項6記載の有機トランジスタは、請求項1から3のいずれかに記載の有機トランジスタにおいて、前記スペーサ層は、厚み方向に貫通する貫通穴を有するホトレジストまたは高分子樹脂膜で構成され、前記有機半導体層は、前記スペーサ層の貫通穴内周側に配置されたものであることを特徴とする。
請求項7載の有機トランジスタは、請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタにおいて、前記保護層は、表面に無機材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする。
請求項8記載の有機トランジスタは、請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタにおいて、前記保護層は、表面に金属材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする。
請求項9記載の有機トランジスタは、請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタにおいて、前記保護層は、表面に無機材料と金属薄膜とがそれぞれ1層以上積層された樹脂膜で構成されることを特徴とする。
請求項10記載の有機トランジスタの製造方法は、ゲート電極と、そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを備える基板を準備する基板準備工程と、厚み方向に貫通する貫通穴を有するシート状のスペーサ層を、ソース電極およびドレイン電極上に積層するスペーサ層積層工程と、そのスペーサ層の貫通穴内周側に、有機半導体材料を配置し、有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、その有機半導体層形成の後、不活性ガス雰囲気下または窒素ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層を積層し、その保護層とスペーサ層の貫通穴と前記有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスを封止するガス封止工程とを備えることを特徴とする。
請求項11記載の有機トランジスタの製造方法は、ゲート電極と、そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを備える基板を準備する基板準備工程と、そのソース電極およびドレイン電極上に、シート状のスペーサ層を積層するスペーサ層積層工程と、そのスペーサ層の、ソース電極とドレイン電極に挟まれた部分に貫通穴を形成する穴加工工程と、その貫通穴に有機半導体材料を配置し、有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、その有機半導体層形成の後、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層を積層し、その保護層とスペーサ層の貫通穴と前記有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスを封止するガス封止工程とを備えることを特徴とする。
請求項12記載の有機トランジスタの製造方法は、ゲート電極と、そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを備える基板を準備する基板準備工程と、その基板におけるソース電極とドレイン電極との間に有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、厚み方向に貫通する貫通穴を有するシート状のスペーサ層を、その貫通穴内に前記有機半導体層が配置されるようにして、ソース電極およびドレイン電極上に積層するスペーサ層積層工程と、そのスペーサ層積層工程の後、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層を積層し、その保護層とスペーサ層の貫通穴と前記有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスを封止するガス封止工程とを備えることを特徴とする。
請求項13記載の有機トランジスタの製造方法は、請求項10から12のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法において、前記スペーサ層は、シート状の両面接着材で構成されるものであって、前記スペーサ層積層工程は、そのスペーサ層の一面を前記基板側に接着し、前記ガス封止工程は、前記保護層を、前記スペーサ層の他方の面に接着することを特徴とする。
請求項14記載の有機トランジスタの製造方法は、請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法において、前記保護層は、表面に無機材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする。
請求項15記載の有機トランジスタの製造方法は、請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法において、前記保護層は、表面に金属材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする。
請求項16記載の有機トランジスタの製造方法は、請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法において、前記保護層は、表面に無機材料と金属薄膜とが積層された樹脂膜で構成されることを特徴とする。
請求項1記載の有機トランジスタによれば、スペーサ層と保護層と電極形成面との間に形成される隙間は密封されているから、大気中の浮遊物質などの吸着に起因する有機半導体層の劣化を抑制することができるという効果がある。
請求項2記載の有機トランジスタによれば、請求項1記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、保護膜と有機半導体層とが接触していないので、保護層との接触に起因する有機半導体層の劣化を抑制することができるという効果がある。
請求項3記載の有機トランジスタによれば、請求項1または2に記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、スペーサ層と、保護層と、有機半導体層とにより形成される隙間に不活性ガスが封入されているので、酸素、水蒸気などに起因する有機半導体層の劣化を抑制することができるという効果がある。
請求項4記載の有機トランジスタによれば、請求項1から3のいずれかに記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、スペーサ層は、シート状部材で構成されると共に、厚み方向に貫通する貫通穴を有するものであり、有機半導体層は、スペーサ層の貫通穴内周側に配置されたものであるので、スペーサ層と保護層と有機半導体層との隙間が密封された構成の有機トランジスタを容易に製造することができるという効果がある。
請求項5記載の有機トランジスタによれば、請求項1から4のいずれかに記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、スペーサ層は、シート状の両面接着材で構成され、そのスペーサ層の一面は、電極形成面側と接着され、スペーサ層の他方の面は保護層と接着されているので、スペーサ層と保護層と有機半導体層との隙間が密封された構成の有機トランジスタを容易に製造することができるという効果がある。
請求項6記載の有機トランジスタによれば、請求項1から3のいずれかに記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、スペーサ層は、ホトレジストまたは高分子樹脂膜で構成されているので、そのスペーサ層の一面を、電極形成面側と密着させ、スペーサ層の他方の面を保護層と接着させることにより、スペーサ層と保護層と有機半導体層との隙間が密封された構成の有機トランジスタを容易に製造することができるという効果がある。
請求項7記載の有機トランジスタによれば、請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、保護層は、表面に無機材料が成膜された樹脂膜で構成されるので、保護層により空気、水蒸気の透過が確実に抑制され、有機半導体層の劣化をより抑制することができるという効果がある。
請求項8記載の有機トランジスタによれば、請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、保護層は、表面に金属材料が成膜された樹脂膜で構成されるので、保護層により空気、水蒸気、光の透過が確実に抑制され、これらに起因する有機半導体層の劣化をより抑制することができるという効果がある。
請求項9記載の有機トランジスタによれば、請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタの奏する効果に加え、保護層は、表面に無機材料と金属薄膜とがそれぞれ1層以上積層された樹脂膜で構成されるので、保護層により空気、水蒸気、光の透過が確実に抑制され、これらに起因する有機半導体層の劣化をより抑制することができるという効果がある。
請求項10記載の有機トランジスタの製造方法によれば、有機半導体層形成の後、不活性ガス雰囲気下または窒素ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層が積層されて、その保護層とスペーサ層の貫通穴と有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスが封止されるので、酸素、水蒸気などに起因する有機半導体層の劣化を抑制することができる有機トランジスタを、容易に製造できるという効果がある。
請求項11記載の有機トランジスタの製造方法によれば、有機半導体層形成の後、不活性ガス雰囲気下または窒素ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層が積層され、その保護層とスペーサ層の貫通穴と有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスが封止されるので、酸素、水蒸気などに起因する有機半導体層の劣化を抑制することができる有機トランジスタを、容易に製造できるという効果がある。
請求項12記載の有機トランジスタの製造方法によれば、スペーサ層積層の後、不活性ガス雰囲気下または窒素ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層が積層され、その保護層とスペーサ層の貫通穴と有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスが封止されるので、酸素、水蒸気などに起因する有機半導体層の劣化を抑制することができる有機トランジスタを、容易に製造できるという効果がある。
請求項13記載の有機トランジスタの製造方法によれば、請求項10から12のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法の奏する効果に加え、スペーサ層は、シート状の両面接着材で構成されるものであって、スペーサ層積層工程では、そのスペーサ層の一面が基板側に接着され、ガス封止工程では、スペーサ層の他方の面が保護層と接着されるので、保護層と有機半導体層との隙間がスペーサ層により密封された構成の有機トランジスタを容易に製造することができるという効果がある。
請求項14記載の有機トランジスタの製造方法によれば、請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法の奏する効果に加え、保護層は、表面に無機材料が成膜された樹脂膜で構成されるので、保護層により、空気、水蒸気の透過が確実に抑制され、有機半導体層の劣化が抑制された有機トランジスタを容易に製造することができるという効果がある。
請求項15記載の有機トランジスタの製造方法によれば、請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法の奏する効果に加え、保護層は、表面に金属材料が成膜された樹脂膜で構成されるので、保護層により、空気、水蒸気、光の透過が確実に抑制され、有機半導体層の劣化が抑制された有機トランジスタを容易に製造することができるという効果がある。
請求項16記載の有機トランジスタの製造方法によれば、請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法の奏する効果に加え、保護層は、表面に無機材料と金属薄膜とがそれぞれ1層以上積層された樹脂膜で構成されるので、保護層により、空気、水蒸気、光の透過が確実に抑制され、有機半導体層の劣化が抑制された有機トランジスタを容易に製造することができるという効果がある。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態である有機トランジスタ10を断面方向から見た構成を概略的に示す断面図である。なお、図1においては、有機トランジスタ10の構成上の特徴を明確にすべく、いくつかの構成要素においては、その大きさなどについて互いに異なるようにして描いている。
図1に示す有機トランジスタ10は、基板12と、基板12に配設されたゲート電極14と、基板12上においてゲート電極14を被覆するゲート絶縁層16と、ゲート絶縁層16上に形成されたソース電極18およびドレイン電極19と、ゲート絶縁層16上において、ソース電極18とドレイン電極19との間に形成された有機半導体層20と、スペーサ層22と、保護層24とが設けられた有機トランジスタである。
基板12は、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)などのプラスチックシート及びガラス類など、種々の材料で構成することができる。
ゲート電極14は、金、銀、銅、アルミ、タングステンなどの金属材料、あるいはITOなどの透明導電材料など種々の導電性材料で構成することができる。ゲート電極14に制御電圧を印加することで、ソース電極18とドレイン電極19との間に流れる電流が制御される。ゲート絶縁層16は、ゲート電極14を埋設する層であって、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリイミドのような高分子樹脂材料、酸化アルミニウム、酸化シリコンなどの無機酸化物、あるいはそれらの複合材料などから構成することができる。
ソース電極18及びドレイン電極19は、ゲート絶縁層16上面に形成された電極である。これらソース電極18及びドレイン電極19は、互いに間隔をおいて配設され、この間隔に有機半導体層20が形成されている。ソース電極18およびドレイン電極19は、金、銀、銅などの金属材料、あるいはITO(スズドープした酸化インジウム)などの透明導電材料、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)などの導電性高分子材料など、種々の導電性材料で構成することができる。なお、本実施形態では、ソース電極18、ドレイン電極19が形成された面を電極形成面17と称する。
有機半導体層20は、ソース電極18とドレイン電極19との間において、両者に接触して形成された層であって、正孔または電子をキャリアとして伝導する半導体特性を有する有機半導体材料で構成される。有機半導体材料としては、例えば、ペンタセンまたはナフタセンなどの低分子有機化合物や、ポリチオフェンやポリフェニレンビニレンの高分子有機化合物が挙げられるが、これらの材料に限定されるものではない。
スペーサ層22は、電極形成面17と保護層24との間に挟持されるものであり、厚み方向に貫通する貫通穴23が設けられている。スペーサ層22は可撓性を有するシート状材料、ホトレジスト、高分子樹脂膜から構成される。スペーサ層22は、上方からみたときに有機半導体層20を囲うように、電極形成面17と保護層24との間に配置され、電極形成面17と保護層24とを連結する。なお、ここで「上方から」とは、保護層24側から有機トランジスタ10をみる方向を意味しており、図1に示す矢印A方向を意味している。
スペーサ層22と、保護層24と、電極形成面17とにより形成される隙間は、密封されており、このため、有機半導体層20が大気と触れることがなく、また、隙間26に大気中の浮遊物質などが入り込むことが抑制されるので、大気中の酸素、水蒸気、浮遊物質に起因する有機半導体層20の劣化を防止できる。
好ましくは、スペーサ層22は、この貫通穴23の内周側に有機半導体層20が配置されるように、電極形成面17に積層されている。このスペーサ層22は、電極形成面17に積層されたとき、基板12からの高さが、有機半導体層20よりも高くなるような厚みを有する。例えば、有機半導体層20の厚みが1μm程度である場合、スペーサ層22の厚みは1μm以上になるように構成される。このようにすれば、スペーサ層22の介在により、保護層24と有機半導体層20とが離隔され、保護層24と有機半導体層20とが非接触となる。よって、保護層24との接触に起因する有機半導体層20の劣化を防止できる。
また、このように構成されたスペーサ層22の一方の面が、電極形成面17、または電極形成面17上に形成されたソース電極18またはドレイン電極19などの各部材に接着され、スペーサ層22の他方の面が保護層24に接着される。これにより、スペーサ層22の貫通穴23と保護層24と有機半導体層20との間に密封された隙間26を容易に形成することができる。
スペーサ層22を、アクリル系、シリコーン系、ゴム系の両面接着材、例えば、(株)寺岡製作所製の両面テープ(テープNo.7470)で構成する場合、準備した両面接着剤にレーザ光などで貫通穴23を設けることにより、スペーサ層22を形成することができる。また、スペーサ層22をPETフィルムなどの高分子樹脂フィルムから構成する場合は、レーザ光で貫通穴23を設けることで、スペーサ層22を形成することができる。
また、スペーサ層22をホトレジスト、例えば、日本化薬(株)製のSU−8レジスト(商品名)で構成する場合、ホトリソグラフィ法で貫通穴23を加工することで、このような貫通穴23を有するスペーサ層22を形成できる。
また、スペーサ層22は光感光性のない高分子樹脂膜で構成することができ、例えば、高分子樹脂膜溶液を電極形成面17とソース電極18、ドレイン電極19の上にスピンコート塗布したのちに乾燥させ、レーザ光で貫通穴23を設けることでスペーサ層22を形成できる。
さらに、隙間26には、ガスGが封入されている。このガスGは、N2(窒素)、He(ヘリウム),Ne(ネオン),Ar(アルゴン)などの不活性ガスで構成される。このようにすれば、空気中の酸素、水蒸気などに起因する有機半導体層20の劣化を抑制することができる。
保護層24は、ポリエチレンテレフタレート、ポリオフィレン、ポリオレンなどの樹脂で構成されたバリアフィルムであり、電極形成面17に対向して配置される。この保護層24をスペーサ層22に接着することにより、スペーサ層22の貫通穴23の開口部が密閉され、隙間26が密封される。
より好適には、この保護層24は、シリカ、アルミナなどの無機材料が蒸着により成膜された樹脂膜で構成される。このようにすれば、空気、水蒸気の透過を確実に抑制し、有機半導体層20の劣化をより確実に防止できる。また、無機材料に代えてアルミなどの金属材料が成膜されている場合には、さらに、空気、水蒸気の透過の抑制に加えて、外からの光が保護層24で反射され、光に起因する有機半導体層20の劣化も防止できる。また、保護層24として、無機材料または金属材料が成膜された樹脂膜を用いる場合、その成膜面を有機半導体層20に対向させて保護層24を配置することにより、樹脂膜からの脱ガスが有機半導体層20に悪影響を及ぼすことを防止できる。
さらに好適には、この保護層24は、表面に無機材料と金属薄膜とがそれぞれ1層以上積層された樹脂膜で構成されてもよい。このようにすれば、空気、水蒸気、光の透過をより、確実に抑制することができる。保護層24として用いることができるバリアフィルムの具体例としては、例えば、凸版印刷(株)製の透明蒸着フィルムであるGXフィルム(商品名)、GLフィルム(商品名)が挙げられる。
次に、図2から図4を参照して、上記のように構成された有機トランジスタ10の製造方法について説明する。図2は、図1に示す有機トランジスタ10の製造方法の第1例を説明する図である。
まず、図2(a)に示すように、ゲート電極14と、ゲート絶縁層16と、ソース電極18およびドレイン電極19とが設けられた基板12を準備する(基板準備工程)。なお、基板12上にゲート線14、ゲート絶縁層16、ソース電極18およびドレイン電極19を形成するまでの工程は、公知の工程と同様であるので、ここでは説明を省略する。
次に、図2(b)に示すように、厚み方向に貫通する貫通穴23を有するシート状のスペーサ層22をソース電極18またはドレイン電極19上に積層する(スペーサ層積層工程)。スペーサ層22が両面接着材で構成されている場合、接着面を保護する保護フィルム(図示せず)を剥がしてからスペーサ層22を積層するだけで、スペーサ層22と電極形成面17側の各部材(電極形成面17,または電極形成面17上に形成されたソース電極18,ドレイン電極19などの各部材)とを接着できるので、作業が容易である。これに対し、シート状スペーサ層22が片面ないしは両面に接着性を持つ材料ではなく、接着性のないPETフィルムやPENフィルムなどのプラスチックシートで構成されている場合は、スペーサ層22の一面、または電極形成面17側の上面に接着材を塗布してから、スペーサ層22を積層すればよい。
なお、スペーサ層22が可撓性を有するシート状部材で構成されている場合、スペーサ層22を電極形成面17上に積層して接着すると、スペーサ層22は、電極形成面17上に設けられた部材の凹凸形状に応じて変形し、スペーサ層22のほぼ全面が電極形成面17、または電極形成面17上に形成された各部材に密着される。
ただし、電極形成面17上に形成された各部材の間隔が極めて狭い場合、図2(b)に示すように、スペーサ層22の一部が電極形成面17に非接触となる部分も生じ得るが、少なくとも貫通穴23周辺において、スペーサ層22が電極形成面17側に密着していればよい。
このスペーサ層積層工程において積層されたスペーサ層22の貫通穴23は、図2(b)に示すように、ソース電極18とドレイン電極19との互いに対向する一端を露出せしめる大きさを有している。このようにすれば、次の工程において、貫通穴23内周側に有機半導体層20を形成したとき、その有機半導体層20が、ソース電極18およびドレイン電極19の一端を覆う構成とすることができる。
次に、図2(c)に示すように、スペーサ層22の貫通穴23内周側に有機半導体材料21を滴下して配置し、図2(d)に示すように、貫通穴23内周側に有機半導体層20を形成する(有機半導体層形成工程)。ここで、滴下された有機半導体材料21は水平方向に広がるが、貫通穴23が障壁となって、貫通穴23内に留まる。よって、有機半導体20の面積が制限され、性能の良い有機トランジスタ10を製造することができる。もし、このような障壁を設けずに有機半導体材料21を滴下すると、有機半導体材料21が必要以上に広がり、有機半導体層20の面積が大きくなるおそれがある。すると、ソース電極18とドレイン電極19との間を大回りして流れる電流が生じ、性能が低下するという問題が生じ得るのである。なお、この有機半導体層形成工程においては、有機半導体材料21を滴下することに代えて有機半導体材料21を蒸着することとしてもよい。
次に、図2(e)に示すように、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層22上に保護層24を積層し、その保護層24とスペーサ層22の貫通穴23と有機半導体層20との間に形成される隙間26にガスG(窒素やアルゴンなどのような不活性ガス)を封止する(ガス封止工程)。スペーサ層22が両面接着材で構成されている場合、スペーサ層22の接着面を保護する保護フィルム(図示せず)を剥がして保護層24を積層するだけで、スペーサ層22と保護層24とを密着させることができるので、作業が容易である。これに対し、スペーサ層22が接着材で構成されていない場合は、保護層24の一面に接着剤を塗布し、その接着剤でスペーサ層22と保護層24を接着してもよい。
有機トランジスタ10の製造方法の第1例によれば、隙間26に窒素やアルゴンなどのような不活性ガスを容易に封入することができ、有機半導体層20の劣化が抑制された有機トランジスタ10を容易に製造することができる。
次に、図3を参照して、図1に示す有機トランジスタ10の製造方法の第2例を説明する。図3は、有機トランジスタ10の製造方法の第2例を説明する図である。まず、ゲート電極14と、ゲート絶縁層16と、ソース電極18およびドレイン電極19とが設けられた基板12を準備する(基板準備工程)。この第2例の基板準備工程は、図2(a)に示した第1例の基板準備工程と同一の工程であるため、ここでは図示および説明を省略する。
この第2例の製造方法では、図3(a)に示すように、貫通穴23を有さないシート状のスペーサ層22をソース電極18またはドレイン電極19上に積層する(スペーサ層積層工程)。スペーサ層22が両面接着材で構成されている場合、接着面を保護する保護フィルム(図示せず)を剥がしてからスペーサ層22を積層するだけで、スペーサ層22と電極形成面17側の各部材(電極形成面17,または電極形成面17上に形成されたソース電極18,ドレイン電極19などの各部材)とを接着できるので、作業が容易である。これに対し、シート状スペーサ層22が接着材でなく、PETフィルムやPENフィルムで構成されている場合は、スペーサ層22の一面、または電極形成面17側の上面に接着材を塗布してから、スペーサ層22を積層すればよい。
あるいは、ホトレジストや高分子樹脂でスペーサ層22が構成されている場合、スピンコートやディップコートなどの塗布法で電極形成面17、電極形成面17上に形成されたソース電極18,ドレイン電極19などの上にスペーサ層22を簡易に形成することができる(スペーサ層積層工程)。このように、スピンコートやディップコートなどで塗布することによりスペーサ層22を積層すれば、スペーサ層22を、電極形成面17、ソース電極18、ドレイン電極19へ隙間なく密着させることができる。
図3(a)に示すように、積層されたスペーサ層22が貫通穴23を有しないシート状部材の場合や、スピンコートやディップコートで形成された光感光性のない高分子樹脂膜の場合、例えばレーザ光を照射することにより、図3(b)に示すように貫通穴23を形成する(穴加工工程)。あるいは、スペーサ層22がホトレジストで構成される場合は、公知のホトリソ工程を行い、貫通穴23を形成する(穴加工工程)。
この貫通穴23は、ゲート電極14の直上であって、ソース電極18とドレイン電極19に挟まれた部分に形成される。またこの貫通穴23は、ソース電極18とドレイン電極19との互いに対向する一端を露出せしめる大きさを有する。このようにすれば、次の工程において、貫通穴23内周側に有機半導体層20を形成させたとき、その有機半導体層20が、ソース電極18およびドレイン電極19の一端を覆う構成とすることができる。
次に、図3(c)および図3(d)に示すように、その貫通穴23に有機半導体材料21を配置し、有機半導体層20を形成する(有機半導体層形成工程)。そして、図3(d)に示すように、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層22上に保護層24を積層し、その保護層24とスペーサ層22の貫通穴23と有機半導体層20との間に形成される隙間26にガスG(窒素やアルゴンなどのような不活性ガス)を封止する(ガス封止工程)。なお、この第2例の有機半導体層形成工程およびガス封止工程は、第1例の有機半導体層形成工程およびガス封止工程と同一の工程であるため、ここでは説明を省略する。
有機トランジスタ10の製造方法の第2例によれば、第1例の製造方法と同様に、隙間26に窒素やアルゴンなどのような不活性ガスを容易に封入することができ、有機半導体層20の劣化が抑制された有機トランジスタ10を容易に製造することができる。
次に、図4を参照して、図1に示す有機トランジスタ10の製造方法の第3例を説明する。図4は、有機トランジスタ10の製造方法の第3例を説明する図である。まず、ゲート電極14と、ゲート絶縁層16と、ソース電極18およびドレイン電極19とが設けられた基板12を準備する(基板準備工程)。この第3例の基板準備工程は、第1例の基板準備工程と同一の工程であるため、ここでは図示および説明を省略する。
次に、図4(a)に示すように、基板12のソース電極18およびドレイン電極19が形成された面において、ソース電極18とドレイン電極19との間に有機半導体20を形成する(有機半導体層形成工程)。
次に、図4(b)に示すように、厚み方向に貫通する貫通穴23を有するシート状のスペーサ層22を、その貫通穴23内に有機半導体層20が配置されるようにして、ソース電極18およびドレイン電極19上に積層する(スペーサ層積層工程)。このとき、スペーサ層22が両面接着剤から構成される場合は、接着剤の両面を保護するフィルムの片面のみを剥がすことで容易に貼り付けることができる。スペーサ22層がどちらの面にも接着性を持たないフィルムから構成される場合は、フィルムの接着させたい面に接着剤を塗布した後、貼り付けることができる。このとき、基板12からの高さが、有機半導体層20よりも高い位置まで、貫通穴23が有機半導体層20周囲を取り囲むことができるように、スペーサ層22は有機半導体層20よりも厚く構成されている。
次に、図4(c)に示すように、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層22上に保護層24を積層し、その保護層24とスペーサ層22の貫通穴23と有機半導体層20との間に形成される隙間26にガスG(窒素やアルゴンなどのような不活性ガス)を封止する(ガス封止工程)。この第3例のガス封止工程は、第1例のガス封止工程と同一の工程であるため、ここでは説明を省略する。
有機トランジスタ10の製造方法の第3例によれば、第1例および第2例の製造方法と同様に、隙間26に窒素やアルゴンなどのような不活性ガスを容易に封入することができ、有機半導体層20の劣化が抑制された有機トランジスタ10を容易に製造することができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、実施形態の有機トランジスタ10は、隙間26にガスGとして、窒素やアルゴンなどのような不活性ガスが封入されたものであったが、ガスGに代えて、例えば、フッ素系の液体や真空グリースを封入して構成してもよい。
また、実施形態の有機トランジスタ10においては、スペーサ層22の貫通穴23と有機半導体層20とが一対一に対応していたが、例えば、1つの貫通穴23内周側に複数個の有機半導体層20が配置された構成であってもよい。
また、実施形態の有機トランジスタ10においては、スペーサ層22はシート状に構成されていたが、必ずしもシート状に構成されていなくても良い。スペーサ層22としては、電極形成面17と保護層24との間において、有機半導体層20を取り囲むことにより、密封された隙間26を形成するものであればよく、例えば、有機半導体層20を取り囲む環状の部材であってもよい。
10 有機トランジスタ
12 基板
14 ゲート電極
16 ゲート絶縁層
17 電極形成面
18 ソース電極
19 ドレイン電極
20 有機半導体層
22 スペーサ層
23 貫通穴
24 保護層
26 隙間
G ガス
12 基板
14 ゲート電極
16 ゲート絶縁層
17 電極形成面
18 ソース電極
19 ドレイン電極
20 有機半導体層
22 スペーサ層
23 貫通穴
24 保護層
26 隙間
G ガス
Claims (16)
- 基板に配設されたゲート電極と、
そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、
そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極と、
ゲート絶縁層上において、前記ソース電極とドレイン電極との間に形成された有機半導体層と、
前記ソース電極、ドレイン電極が形成された電極形成面に対向して配置される保護層と、
上方からみたときに前記有機半導体層を囲うように、前記電極形成面と前記保護層との間に配置され、保護層と前記電極形成面とを連結するスペーサ層とを備え、
前記スペーサ層と、保護層と、電極形成面とにより形成される隙間は、密封されたものであることを特徴とする有機トランジスタ。 - 前記保護膜と前記有機半導体層とが接触していないことを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタ。
- 前記スペーサ層と、保護層と、有機半導体層とにより形成される隙間に、不活性ガスが封入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の有機トランジスタ。
- 前記スペーサ層は、シート状部材で構成されると共に、厚み方向に貫通する貫通穴を有するものであり、
前記有機半導体層は、前記スペーサ層の貫通穴内周側に配置されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機トランジスタ。 - 前記スペーサ層は、シート状の両面接着材で構成され、そのスペーサ層の一面は、前記電極形成面側と接着され、スペーサ層の他方の面は前記保護層と接着されたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の有機トランジスタ。
- 前記スペーサ層は、厚み方向に貫通する貫通穴を有するホトレジストまたは高分子樹脂膜で構成され、
前記有機半導体層は、前記スペーサ層の貫通穴内周側に配置されたものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の有機トランジスタ。 - 前記保護層は、表面に無機材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタ。
- 前記保護層は、表面に金属材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタ。
- 前記保護層は、表面に無機材料と金属薄膜とがそれぞれ1層以上積層された樹脂膜で構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の有機トランジスタ。
- ゲート電極と、そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを備える基板を準備する基板準備工程と、
厚み方向に貫通する貫通穴を有するシート状のスペーサ層を、ソース電極およびドレイン電極上に積層するスペーサ層積層工程と、
そのスペーサ層の貫通穴内周側に、有機半導体材料を配置し、有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、
その有機半導体層形成の後、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層を積層し、その保護層とスペーサ層の貫通穴と前記有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスを封止するガス封止工程とを備えることを特徴とする有機トランジスタの製造方法。 - ゲート電極と、そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを備える基板を準備する基板準備工程と、
そのソース電極およびドレイン電極上に、シート状のスペーサ層を積層するスペーサ層積層工程と、
そのスペーサ層の、ソース電極とドレイン電極に挟まれた部分に貫通穴を形成する穴加工工程と、
その貫通穴に有機半導体材料を配置し、有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、
その有機半導体層形成の後、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層を積層し、その保護層とスペーサ層の貫通穴と前記有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスを封止するガス封止工程とを備えることを特徴とする有機トランジスタの製造方法。 - ゲート電極と、そのゲート電極を被覆するゲート絶縁層と、そのゲート絶縁層上に形成されたソース電極およびドレイン電極とを備える基板を準備する基板準備工程と、
その基板におけるソース電極とドレイン電極との間に有機半導体層を形成する有機半導体層形成工程と、
厚み方向に貫通する貫通穴を有するシート状のスペーサ層を、その貫通穴内に前記有機半導体層が配置されるようにして、ソース電極およびドレイン電極上に積層するスペーサ層積層工程と、
そのスペーサ層積層工程の後、不活性ガス雰囲気下においてスペーサ層上に保護層を積層し、その保護層とスペーサ層の貫通穴と前記有機半導体層との間に形成される隙間に不活性ガスを封止するガス封止工程とを備えることを特徴とする有機トランジスタの製造方法。 - 前記スペーサ層は、シート状の両面接着材で構成されるものであって、
前記スペーサ層積層工程は、そのスペーサ層の一面を前記基板側に接着し、
前記ガス封止工程は、前記保護層を、前記スペーサ層の他方の面に接着することを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法。 - 前記保護層は、表面に無機材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法。
- 前記保護層は、表面に金属材料が成膜された樹脂膜で構成されることを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法。
- 前記保護層は、表面に無機材料と金属薄膜とがそれぞれ1層以上積層された樹脂膜で構成されることを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法。
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JP2009252943A (ja) * | 2008-04-04 | 2009-10-29 | Konica Minolta Holdings Inc | 有機薄膜トランジスタ装置、およびその製造方法 |
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WO2019033847A1 (zh) * | 2017-08-15 | 2019-02-21 | 京东方科技集团股份有限公司 | 有机薄膜晶体管结构及制作方法、气体传感器及相关装置 |
-
2007
- 2007-01-11 JP JP2007003887A patent/JP2008172028A/ja not_active Withdrawn
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