JP2008171731A - リチウム二次電池用電極とその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用電極とその製造方法 Download PDF

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英章 粟田
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Abstract

【課題】充放電サイクル特性に優れるリチウム二次電池用電極とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明リチウム二次電池用電極は、活物質薄膜を備え、この活物質薄膜がリチウムを吸蔵・放出する活物質を含有するリチウム二次電池用電極である。この活物質薄膜はリチウムを含有している。この活物質薄膜中のリチウムの含有率Xは7%<X<35%とする。但し、Liの含有率Xは、前記活物質薄膜における活物質中に実際に吸蔵されたLi原子の数/その活物質中に吸蔵できるLi原子の最大数(最大理論容量)である。
【選択図】なし

Description

本発明は、リチウム二次電池用電極とその製造方法に関するものである。特に、不可逆容量が小さく、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池用電極に関するものである。
近年のエレクトロニクス製品の高度化とさらなる小型・軽量化に伴い、薄型・小型・高容量タイプの高性能電池のニーズが高まっている。中でも潜在的に長寿命・高効率・高容量であるリチウム二次電池が注目され、開発されている。
このリチウム二次電池の負極材料として、理論容量が大きく、かつリチウム(Li)を吸蔵して合金化するSiやSnなどを負極活物質として用いることが提案されている。このような活物質は、いずれも初期の充放電において不可逆容量が大きいという問題がある。また、このような活物質は充電時にリチウムを吸蔵することにより膨張し、集電体から剥離する問題がある。そのため、このような電極を用いた二次電池は充放電により電池容量が低下してしまい、良好な充放電サイクル特性が得られない。
そこで、予め不可逆容量分を電気化学的、つまり充電反応により電極に充電しておく方法(特許文献1)や、電極にリチウム箔を貼り付けて不可逆容量分を補う方法(特許文献2)がある。その他、原料を気相中に放出して供給する方法を用いてSiまたはSiを主成分とする微結晶および非晶質の少なくとも一方からなる負極活物質層を形成し、この負極活物質層の表面の少なくとも一部に、原料を気相中に放出して供給する方法を用いて、リチウム化合物を被膜する技術もある(特許文献3)。
特開2002−83594号公報 特開平2−310327号公報 特開2005−166469号公報
しかし、上記の従来技術においては、各々次のような問題があった。
まず、特許文献1に係る技術では、電気化学的方法(充電反応)により活物質にリチウムを吸蔵させている。そのため、この充放電は、高価な電解液を使用して、電池と同じような構成をなして行う必要がある上、リチウムが充電された電極を再度電池として組み直す必要があり、作業が煩雑である。
次に、特許文献2に係る技術では、活性の高いリチウム箔をアルミニウム(活物質)などに圧着させ、この圧着物をリチウムの溶融温度以上で保持させて、活物質にリチウムを吸蔵させて合金化している。そのため、リチウムの溶融温度以上、特に200℃以上で保持する必要があり、大量の熱エネルギーを消費する。
さらに、特許文献3に係る技術では、リチウム化合物から負極活物質層へのリチウムの拡散について、具体的にどの程度行われていれば好ましいかが、何ら開示されていない。また、この技術で得られる電池は、50サイクル目における容量維持率が70%台であり、必ずしも良好な結果が得られていない。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、充放電サイクル特性に優れるリチウム二次電池用電極とその製造方法とを提供することにある。
本発明リチウム二次電池用電極は、活物質薄膜を備え、この活物質薄膜がリチウムを吸蔵・放出する活物質を含有するリチウム二次電池用電極である。この活物質薄膜はリチウムを含有しており、この活物質薄膜中のリチウムの含有率Xが7%<X<35%を満たすことを特徴とする。但し、Liの含有率Xは、前記活物質薄膜における活物質中に実際に吸蔵されたLi原子の数/その活物質中に吸蔵できるLi原子の最大数(最大理論容量)である。
このようなリチウム含有率の活物質薄膜を用いることで、充放電サイクル特性に優れた電池を構成することができる。
本発明電極の一形態としては、前記活物質がSiであることが好ましい。
シリコン(Si)はリチウムを吸蔵・離脱する能力がグラファイト(黒鉛)よりも大きく電池のエネルギー密度を高くすることができる。
一方、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法は、集電体上に、リチウムを吸蔵・放出する活物質を含有する活物質薄膜を形成する方法である。この方法において、活物質薄膜中のリチウムの含有率Xが7%<X<35%となるように、気相合成法にて、活物質薄膜にリチウムを含有させることを特徴とする。但し、Liの含有率Xは、前記活物質薄膜における活物質中に実際に吸蔵されたLi原子の数/その活物質中に吸蔵できるLi原子の最大数(最大理論容量)である。
この製造方法によれば、気相合成法を用いて活物質薄膜にリチウム電池を含有させている。そのため、特許文献1の技術のように、一旦、電池を構成して充電により活物質薄膜にリチウムを含有させる必要がない。また、特許文献2の技術のように、活物質薄膜にリチウム箔を圧着し、この圧着物をリチウムの融点以上に加熱する必要もない。そして、活物質薄膜に含まれるリチウムを所定の含有率とした電極を用いることで、充放電サイクル特性に優れる電池を構成することができる。
本発明製造方法の一形態として、前記活物質薄膜へのリチウムの含有は、リチウムの含有されていない活物質薄膜を形成し、その活物質薄膜上にリチウム薄膜を形成することで行うことが好ましい。
活物質薄膜上にリチウム薄膜を形成すれば、リチウム薄膜中のリチウムが活物質薄膜に拡散し、活物質薄膜中にリチウムが含有された状態を容易に形成できる。
本発明電極および電極の製造方法によれば、充放電サイクル特性に優れるリチウム二次電池を構成することができる。
以下、本発明の構成をより詳しく説明する。
[電極の構成と電極の製法]
本発明電極は、代表的には、集電体と、集電体上に形成された活物質薄膜とを備える。活物質薄膜は、リチウムイオンの吸蔵・放出を行う活物質およびリチウムを含有する。また、リチウムと合金を形成しない金属を活物質薄膜に含んでいてもよい。さらに、集電体と活物質薄膜との間に界面層を備えていてもよい。
本発明電極は、リチウム二次電池の負極層として好適に利用できる。負極層の活物質としては、リチウム金属と合金を形成することのできる金属の単体、若しくは複数の混合物又は合金が好適に使用できる。
リチウムと合金を形成することのできる金属としては、Si、Sn、Ge、Al、Pb、Bi、Zn、In或いはこれらの合金などが挙げられる。電極は、リチウムと合金を形成することができる金属を含むことで、充放電反応の際、リチウムを合金化して吸蔵することができる。特にSiは理論容量が大きく、活物質として好適に利用できる。
また、リチウムと合金を形成することのできない金属としては、Cu、Fe、Ni、Co、Mo、W、Ta、Mnなどが挙げられる。リチウムと合金を形成することのできない金属が活物質薄膜に含まれていることで、活物質がリチウムを吸蔵することによる膨張、リチウムを放出することによる収縮を軽減することができる。それに伴い、活物質薄膜の微粉化および集電体からの剥離を防止することができる。中でも、Ni、Co、Feが好適に利用できる。
活物質薄膜は、気相堆積法である蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザアブレーション法等により形成することができる。特に、成膜速度が速い蒸着法が好適に利用できる。
界面層は、集電体と活物質薄膜との密着性を向上させることに寄与する層である。この界面層は、Siなどの活物質で構成されることが好ましいが、さらにNi、Co、Feなどが添加されていてもよい。例えば、集電体の上に界面層を設け、その界面層の上に順次、活物質薄膜、リチウム薄膜を形成して電極を構成する。この場合、活物質薄膜が集電体から剥離しにくく、その電極で電池を構成すれば、充放電サイクル特性に優れた電池とすることができる。
界面層は、スパッタリング法やイオンプレーティング法で形成できる。中でもより成膜速度の速いイオンプレーティング法が好ましい。とりわけ、このイオンプレーティング法は、不活性ガスからなるプラズマ中で界面層を形成することが好ましい。このような条件で界面層を形成すれば、界面層中の不活性ガス濃度を低くでき、充放電サイクル特性に優れる電極を作製することができる。
一方、活物質薄膜へのリチウムの含有は、活物質薄膜上にリチウム薄膜を形成することで行う。リチウム薄膜の形成は、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、レーザアブレーション法などの気相法により行う。充電初期に負極層に吸蔵される不可逆容量分のリチウムは、充放電サイクルが進行しても負極層中に止まっていれば良好なサイクル寿命が得られる。この不可逆容量分のリチウムが正極層より充放電反応により供給されたリチウムである場合、そのリチウムは負極層から放出されやすい。これに対して、気相法により形成されたリチウム薄膜から供給されたリチウムは、負極層から放出され難い。そのため、気相法により形成されたリチウム薄膜から活物質薄膜中にリチウムを供給することで、充放電サイクル特性に優れた電極を構成することができる。
このように活物質薄膜上にリチウム薄膜を形成することで、リチウム薄膜中のリチウムは活物質薄膜中に拡散し、リチウムが含有された合金相の活物質薄膜が構成される。この合金相の活物質薄膜を負極層に用いることで、負極層と電解質層との界面でのリチウムイオンの移動抵抗が低減される効果があり、第1サイクル目の充電初期における合金化材料の高抵抗化が緩和される。また、リチウムと合金を形成することができる金属単体を負極層とした場合には、第1サイクル目の充放電サイクルにおいて、充電容量に対して放電容量が大幅に小さくなる問題があるが、予めリチウム金属と合金化材料とを合金化した負極層材料を用いることにより、この不可逆容量は殆どなくなる。
リチウム薄膜から活物質薄膜へリチウムを拡散させるには、単に室温にて電極を放置するだけでもよい。室温にてリチウム薄膜から活物質薄膜へのリチウムの拡散を行うには、1時間以上電極を静置することが好ましい。より好ましい静置時間は、10時間以上である。単に電極を静置するだけであれば、格別の設備を必要とせず電極の生産上好ましい。但し、この電極をリチウムの融点以下の温度に加熱すれば、リチウムの拡散を一層促進することができる。
ここで、活物質薄膜に含有されるリチウムの含有率Xは、活物質薄膜(界面層がある場合は、界面層と活物質薄膜)における活物質中に実際に吸蔵されたLi原子の数/その活物質中に吸蔵できるLi原子の最大数(最大理論容量)で表され、7%<X<35%となるようにする。この下限を下回ると、充放電時に活物質層を膨張収縮させることができず、活物質薄膜に微細な切れ目を形成しにくくなる。この切れ目がある程度形成されれば、後の充放電において活物質の膨張収縮により生じる応力が緩和されるため、活物質薄膜が集電体から剥離することが抑制される。逆に上限を超えると、リチウム吸蔵時の活物質の体積変化が大きくなりすぎ、活物質薄膜が微粉化したり、集電体から剥離する傾向がある。より好ましい含有率Xは14%≦X≦28%である。
この含有率Xの調整は、活物質薄膜に含まれる活物質(界面層がある場合、界面層と活物質薄膜に含まれる活物質)の換算膜厚とリチウム薄膜の膜厚との関係を変えることで容易に調整することができる。換算膜厚は、界面層がない場合、活物質薄膜に含まれる活物質を活物質薄膜と同一面積の薄膜とした場合の厚みであり、界面層がある場合、界面層と活物質薄膜に含まれる活物質を、活物質薄膜と同一面積の薄膜とした場合の厚みである。例えば、後述する実施例から明らかなように、活物質がSiで、その換算膜厚が6μmの場合、リチウム薄膜の膜厚を4、6、8、10μmと変えると、含有率Xは14、21、28、35%と変わる。なお、Li原子の数は、リチウム薄膜の厚みと面積がわかれば、Li原子のサイズが既知であるため求めることができる。
[本発明電極を利用した電池]
本発明電極を用いたリチウムイオン電池は、代表的には、正極層、負極層、電解質層、正極集電体、負極集電体を備える。通常、いずれの層も薄膜状に形成されている。このうち、正極層と負極層は、電池を平面視した場合に、互いに重複する箇所がある積層構造の場合でもよいし、重複する箇所がない構造でもよい。前者の場合、電池の面積を小さくしやすく、後者の場合、電解質層の厚さ方向にピンホールが生じていても、両電極層間の短絡が抑制しやすい。電池を平面視した場合、両電極層に重複する箇所がない電極の構成としては、正極層と負極層とを各々櫛歯状に形成して、互いに嵌め合わされるように並列することが挙げられる。
(正極層)
正極層は、リチウムイオンの吸蔵及び放出を行う活物質を含む層で構成する。具体的には、酸化物、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)及びオリビン型鉄リン酸リチウム(LiFePO4)よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物を好適に使用することができる。また、正極層は、硫化物、例えばイオウ(S)、硫化リチウム、硫化鉄(FeS2)及び硫化チタニウム(TiS2)よりなる群より選ばれる1つ、若しくはこれらの混合物であっても良い。
(電解質層)
電解質層にはイオン伝導性があり、電子伝導性が無視できるほど小さい材料を用いる。リチウムイオン電池用の電解質層の場合、Liイオン伝導体であり、電解質層のLiイオン伝導度(20℃)が10-5S/cm以上あり、かつLiイオン輸率が0.999以上である固体電解質層が好ましい。特に、Liイオン伝導度が10-4S/cm以上あり、かつLiイオン輸率が0.9999以上であれば良い。固体電解質層の材質としては硫化物系が良く、Li、P、Sより構成される固体電解質層が好ましく、さらに酸素を含有していても良い。例えば、Li3PO4や、Li3PO4に窒素を混ぜたLiPON、Li2S-SiS2、Li2S-P2S5、Li2S-B2S3等のリチウムイオン伝導性硫化物ガラス状固体電解質や、これらのガラスにLiIなどのハロゲン化リチウム、Li3PO4などのリチウム酸素酸塩をドープしたリチウムイオン伝導性固体電解質などが固体電解質層の材料として好適に利用できる。
(セパレータ、非水電解液)
固体電解質の代わりに、非水電解液とセパレータを用いてもよい。非水電解液は、非プロトン性有機溶媒とその溶媒に溶けるリチウム塩からなるものが利用できる。有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンを挙げることができる。これらは、一種でもよいし、複数種を混合して用いることもできる。
リチウム塩としては、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiAsF6、LiSbF6、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiAlCl4、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ酸リチウムなどを挙げことができる。これらは、一種でもよいし、複数種を混合して用いることもできる。
セパレータとしては、イオンの透過性に優れ、機械的強度のある絶縁性薄膜を用いることができる。セパレータ材料としては、耐非水電解質性からポリプロピレンやポリエチレンといったポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニレンテレフタレートといったポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ガラス繊維、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、セルロース等が挙げられる。セパレータ形状としては、シート、微孔膜、不織布等が用いられる。
(集電体)
正極層、負極層の各々には、通常、集電体が接合されている。集電体には金属箔などが適する。負極集電体材料としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、及びこれらの合金から選択される1種が挙げられる。これらの金属は、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しないため、リチウムとの金属間化合物による不具合、具体的には、充放電による膨張・収縮によって、負極層が構造破壊を起こし集電性が低下したり、負極層の接合性が低下して負極層が集電体から脱落し易くなるといった不具合を防止できる。正極集電体の具体例としては、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、これらの合金、ステンレスから選択される1種が挙げられる。
集電体の表面は粗面化されていることが好ましい。集電体表面に凹凸をつけることで活物質薄膜との接触面積を大きくして、密着性を向上させることができる。また、活物質薄膜は集電体表面の凹凸に沿って形成される。そして、活物質がリチウムを吸蔵・放出することにより活物質が膨張収縮して活物質薄膜の表面の凹部に沿って切れ目が形成されるので、粗面化されていないときと比較して当該薄膜をより高密度に柱状に分割することが可能である。集電体を粗面化する方法は、例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法、電解めっき法等が利用できる。また、サンドペーパーやサンドブラストにより集電体表面を粗面化することもできる。
[電極の作製]
Arガスを導入した成膜装置内で、イオンプレーティング法により粗面化したCu箔上にSi薄膜界面層を形成した。このCu箔は、厚さ18μmの圧延Cu箔の表面を中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1μm程度になるように電解めっき法により粗面化したものである。まず真空排気した後にArガスを導入して雰囲気圧力を1Paとした成膜室内にCu箔を配置する。次に、この成膜装置に200Wの電力を投入してArプラズマを発生させた状態で、Si原料に電子ビームを照射して同原料を溶融して蒸発させることにより、Cu箔上にSi薄膜界面層を形成した。このSi薄膜界面層の厚さは1μmである。
次に、蒸着法により、前記Si薄膜界面層上にSi-Ni合金薄膜を形成した。具体的には、真空排気して雰囲気圧力を2×10-3Paとした成膜装置内で、Si原料及びNi原料に電子ビームを照射して、前記原料を溶融して蒸発させることにより、Ni濃度が約10質量%のSi-Ni合金薄膜を形成した。Si-Ni合金薄膜の厚さは6μmである。
上記のSi薄膜界面層とSi-Ni合金薄膜とからなるSi-Ni合金電極に含まれるSi量をSi-Ni合金薄膜(Si薄膜界面層)と同一面積の膜厚に換算すると6μmであった。
(実施例1)
作製したSi-Ni合金電極上に蒸着法によりLi薄膜4μmを形成した。膜厚4μmのLiは、Si-Ni合金電極に含まれるSi(Si換算膜厚6μm)がリチウムを吸蔵することのできる最大理論容量の14%にあたる。形成したLi薄膜は、成膜後10時間経過でSi-Ni合金電極中に拡散し、Li含有率Xが14%のSi-Ni合金電極が作製できた。
(実施例2)
作製したSi-Ni合金電極上に蒸着法によりLi薄膜6μmを形成した。膜厚6μmのLiは、Si(Si換算膜厚6μm)がリチウムを吸蔵することのできる最大理論容量の21%にあたる。形成したLi薄膜は、成膜後10時間経過でSi-Ni合金電極中に拡散し、Li含有率Xが21%のSi-Ni合金電極が作製できた。
(実施例3)
作製したSi-Ni合金電極上に蒸着法によりLi薄膜8μmを形成した。膜厚8μmのLiは、Si-Ni合金電極に含まれるSi(Si換算膜厚6μm)がリチウムを吸蔵することのできる最大理論容量の28%にあたる。形成したLi薄膜は、成膜後10時間経過でSi-Ni合金電極中に拡散し、Li含有率Xが28%のSi-Ni合金電極が作製できた。
(比較例1)
作製したSi-Ni合金電極上に蒸着法によりLi薄膜2μmを形成した。膜厚1μmのLiは、Si-Ni合金電極に含まれるSi(Si換算膜厚6μm)がリチウムを吸蔵することのできる最大理論容量の7%にあたる。形成したLi薄膜は、成膜後10時間経過でSi-Ni合金電極中に拡散し、Li含有率Xが7%のSi-Ni合金電極が作製できた。
(比較例2)
作製したSi-Ni合金電極上に蒸着法によりLi薄膜10μmを形成した。膜厚10μmのLiは、Si-Ni合金電極に含まれるSi(Si換算膜厚6μm)がリチウムを吸蔵することのできる最大理論容量の35%にあたる。形成したLi薄膜は、成膜後10時間経過でSi-Ni合金電極中に拡散し、Li含有率Xが35%のSi-Ni合金電極が作製できた。
(比較例3)
比較例3のSi-Ni合金電極は、作製したSi-Ni合金電極上にLi薄膜を形成しないSi-Ni合金電極である。即ち、この電極にはLiが含まれていない。
[電池の作製]
作製した各電極を負極として用いたコイン型リチウム二次電池をそれぞれ作製した。この電池は、負極、セパレータ、正極の順に積層された積層体を形成して、この積層体をステンレス製のケースに収納した後、有機電解液を封入することで作製した。
ここで、リチウム二次電池の正極は、一般的に使用されているLiCoO2を用いて作製した。具体的には、LiCoO2の粉末をAl箔に塗布して作製した。また、リチウム二次電池の有機電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等体積混合溶媒にLiPF6を1モル/リットルの割合で溶解させたものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンからなる多孔質材料を用いた。
[充放電サイクル試験]
そして、このような電池を用いて各電極の性能評価を行った。具体的には、充放電電流密度を1.5mA/cm2として、4.2Vまで充電した後、2.75Vまで放電する作業を1サイクルとする充放電サイクル試験を100サイクル行い、各電池の初期充放電効率と容量維持率を求めた。
初期充放電効率は、次式により求められる。
初期充放電効率(%)=(1サイクル目の放電容量/1サイクル目の充電容量)×100 …(式1)
容量維持率は、次式により求められる。
容量維持率(%)=(各サイクル時の放電容量/最大放電容量)×100 …(式2)
表1に各電池の100サイクル後の初期充放電効率と容量維持率を示す。
Figure 2008171731
表1に示すように、初期充放電効率および100サイクル後の容量維持率は、実施例1〜3の電極が比較例1〜3の電極に比べて高いことがわかる。特に、いずれの実施例も100サイクル後の容量維持率は85%以上の高い値となっている。なお、比較例2の電極に対して十分な充放電を行うことができなかったため、この電極に対しては100サイクルの充放電サイクル試験を実施しなかった。
実施例1と比較例1の結果から、Si-Ni合金電極上に形成した薄膜のLi量は、Si-Ni合金電極におけるSiが吸蔵できるリチウムの最大理論容量に対して、7%超、好ましくは10%以上となるようにすることが好ましいと推測される。また、実施例3と比較例2の結果から、Si-Ni合金電極上に形成した薄膜のLi量は、Si-Ni合金電極におけるSiが吸蔵できるリチウムの最大理論容量に対して、35%未満、好ましくは32%以下となるようにすることが好ましいと推測される。
さらに、Si薄膜界面層上に形成する薄膜を、Si-Co合金薄膜(Co濃度が約10質量%)としたSi-Co合金電極、及びSi-Fe合金薄膜(Fe濃度が約10質量%)としたSi-Fe合金電極においても、上記Si-Ni合金電極の場合と同様の効果を確認した。
本発明のリチウム二次電池用電極は、リチウム二次電池に好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 活物質薄膜を備え、この活物質薄膜がリチウム(Li)を吸蔵・放出する活物質を含有するリチウム二次電池用電極であって、
    この活物質薄膜はLiを含有しており、この活物質薄膜中のLiの含有率Xが7%<X<35%を満たすことを特徴とするリチウム二次電池用電極。
    但し、Liの含有率Xは、前記活物質薄膜における活物質中に実際に吸蔵されたLi原子の数/その活物質中に吸蔵できるLi原子の最大数(最大理論容量)である。
  2. 前記活物質がSiであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
  3. 集電体上に、リチウムを吸蔵・放出する活物質を含有する活物質薄膜を形成するリチウム二次電池用電極の製造方法であって、
    この活物質薄膜中のリチウムの含有率Xが7%<X<35%となるように、気相合成法にて、活物質薄膜にリチウムを含有させることを特徴とするリチウム二次電池用電極の製造方法。
    但し、Liの含有率Xは、前記活物質薄膜における活物質中に実際に吸蔵されたLi原子の数/その活物質中に吸蔵できるLi原子の最大数(最大理論容量)である。
  4. 前記活物質薄膜へのリチウムの含有は、リチウムの含有されていない活物質薄膜を形成し、その活物質薄膜上にリチウム薄膜を形成することで行うことを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
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