JP2008171634A - 電線圧縮接続方法および電線圧縮接続用スリーブ - Google Patents

電線圧縮接続方法および電線圧縮接続用スリーブ Download PDF

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政利 丸山
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Abstract

【課題】簡易活線工法で用いられるマニュピレータハンドなどで電線圧縮接続用スリーブを把持し、電線に曲がり癖がある場合でもこのスリーブにジャンパ線を挿入し易くした、簡易活線工事に適する電線圧縮接続用スリーブを用いた電線圧縮接続方法および電線圧縮接続用スリーブの構造を提供する。
【解決手段】短軸に対する長軸の偏心量(c)を5〜7mmとして、スリーブの肉厚を設定した長・楕円筒体の電線圧縮スリーブを用いて圧縮接続を行うことを特徴とする電線圧縮接続方法であり、弓状に曲がり癖のある電線でもスムーズに左右方向から挿入し易くしたことを特徴とする電線圧縮接続用スリーブである。また、長・楕円筒体の少なくとも一方の側面の長手方向に所定の幅を有する薄肉溝部溝を形成すると共に、マニュピレータハンドが所定の位置を把持していることを視認できる着色標示部を、薄肉溝部に形成したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、簡易活線工法で用いられるマニュピレータハンドなどで電線圧縮接続用スリーブを把持し、電線に曲がり癖がある場合でもこのスリーブにジャンパ線を挿入し易くした、簡易活線工事に適する「電線圧縮接続用スリーブを用いた圧縮接続方法」および「電線圧縮接続用スリーブの構造」に関するものである。
周知のように、送配電線等の架線工事においては、送電線の端部間を継なぐ場合、図6、7に示すような金属直線スリーブAが用いられていた。即ち、この直線スリーブAは、例えば、アルミニウム、銅等の良電導体からなるものであり、接続される電線の接続端部(B1 ,B2 )を受け入れる電線挿入孔(a1 ,a2 )を内部に形成された中空部材として作られる。
前記電線挿入孔(a1 ,a2 )は、当該電線径よりも0.5〜1.5mm大きい内径とされているものである。つまり、この直線スリーブAを用いて電線の接続端部(B1 ,B2 )を接続するには、水分の侵入、腐食の防止、電気的・機械的性質の向上等のため、電線挿入孔(a1 ,a2 )にコンパウンドを充填し、電線の接続端部(B1 ,B2 )をこれらの電線挿入孔(a1 ,a2 )に挿入した後、両端の部分から直線スリーブAの複数箇所を、順にダイスで機械的に圧縮変形させ、電線の接続端部(B1 ,B2 )を直線スリーブAに一体化することにより両電線を接続する方法が採られていた。
ところで、マニュピレータハンドなどで用いた簡易活線工法による圧縮工程では、電線に曲がり癖の付いているジャンパ線などを接続される電線の接続端部(B1 ,B2 )を受け入れる電線挿入孔(a1 ,a2 )に挿入しようとすると、前記電線挿入孔は電線径よりも0.5〜1.5mm大きい孔径とされているだけであるので、電線即ちジャンパ線などを側面から挿入しようとするときには非常な困難を伴い、とりわけ、夜間などでの停止工事のように工事時間が制約されている場合などでは、こうした活線工事が出来ないなどの不都合を生じていた。
また、この様な不都合を避けるために楕円断面のジャンパスリーブが用いられていた(例えば特許文献1)。
実公平07−22049号公報。
前記特許文献1の楕円断面のジャンパスリーブでは、図6、7に示すような断面円形の金属直線スリーブAの圧縮接続に用いていた圧縮ダイスを共用することが出来ず、特別な寸法のダイスを用いており、圧縮工具が多種類となると共に圧縮工法も異なり、多くの面で不便を来していた。
本発明の目的は、以上に述べたようなマニュピレータハンドなどによる簡易活線工法によるジャンパスリーブを用いた電線の接続作業の現状に鑑み、従来の円形断面のジャンパスリーブの圧縮接続に用いたものと同サイズのダイスを使用できるようにすると共に、圧縮工法も共通化して施工の適正化を図った電線のスリーブを用いた電線圧縮方法、および電線圧縮接続用スリーブの構造、を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明によるスリーブを用いた電線圧縮接続方法および電線圧縮接続用スリーブは、次のような手段を用いる。
(1)(方法)
円筒状部材として形成された電線圧縮接続用スリーブを用いて電線を圧縮接続する電線圧縮接続方法であって、
前記円筒状部材の外周面の断面形状および内部の電線挿入孔の断面形状は、電線長手方向に鉛直する断面において、長軸と短軸とを有する長円形状または楕円形状をなし、
前記電線挿入孔の短軸および長軸方向の寸法は、挿入される電線径よりも大きくし、
前記円筒状部材の外面には、短軸側の少なくとも一方の側面に、電線長手方向に向けて、所定の幅と深さを有する薄肉溝部を形成し、
前記円筒状部材の断面積(SeまたはSe1)は、同一サイズの電線を圧縮接続する断面円筒状の電線圧縮スリーブの断面積(Sc)と同等に構成し、且つ、前記断面円筒状の電線圧縮スリーブの圧縮接続に使用するダイスと同等寸法のダイスを使用して圧縮接続を行うことを特徴とする電線圧縮接続方法である。
(2)(方法)
(1)の電線圧縮接続方法において、
前記円筒状部材断面の肉厚は、電線長手方向に向けて所定の幅と深さを有する薄肉溝部を形成した部分を除き均一であり、前記断面円筒状の電線圧縮スリーブの圧縮接続に用いるダイスで圧縮接続した際に、ほぼ同一圧縮率となるように、前記長軸と短軸とを有する長円形状または楕円形状の電線圧縮スリーブにおいて、短軸に対する長軸の偏心量(c)を5〜7mmとしてスリーブの肉厚を設定した電線圧縮スリーブを用いて圧縮接続を行うことを特徴とする電線圧縮接続方法である。
なお、この薄肉溝部の幅と深さについては、電線HAL240mm(電線径:20.0mm)を接続するときは、例えば、溝幅は10mm、溝の深さは2.5mm程度とするとよい。
(3)(物)
円筒状部材として形成された電線圧縮接続用スリーブであって、
前記円筒状部材の外周面の断面形状および内部の電線挿入孔の断面形状は、電線長手方向に鉛直する断面において、長軸と短軸とを有する長円形状または楕円形状をなし、
前記電線挿入孔の短軸および長軸方向の寸法は、挿入される電線径よりも大きくし、
前記円筒状部材の外面には、短軸側の少なくとも一方の側面に、電線長手方向に向けて、所定の幅と深さを有する薄肉溝部が形成され、
前記薄肉溝部に、位置視認用の着色標示部を形成した、ことを特徴とする電線圧縮接続用スリーブである。
(4)(物)
(3)の電線圧縮接続用スリーブにおいて、
前記着色標示部の表示手段は、塗料塗布、反射テープ貼着、夜間に自己発光する蛍光塗料塗布、蓄光性蛍光ラベルの貼着、のいずれかである、ことを特徴とする電線圧縮接続用スリーブである。
また、本発明による電線圧縮接続用スリーブ構造および電線のスリーブ圧縮方法は、電線サイズがHAL−OC150〜240mm以上のサイズに適用されるのが好適である。これらの電線サイズでは、マニュピレータハンドでは電線の剛性が高いために曲がりを直線状に矯正することが困難なためで、次のような手段を用いてもよい。
(a)
ジャンパスリーブを断面長円または楕円形状からなる長・楕円筒体とし、前記長・楕円筒体の長軸方向の内径寸法xは電線外径をdとしたとき、x=1.25〜1.44d程度にすると、ジャンパスリーブの電線挿入孔に弓状に曲がり癖のある電線でもスムーズに左右方向から挿入し易くなることが実証されている。
(b)
(a)の長・楕円筒体からなるジャンパスリーブにおいて、圧縮接続する場合のジャンパスリーブの圧縮率ε(%)は、従来の円形断面のジャンパスリーブの圧縮率ε’(%)とほぼ同等となるように、長・楕円筒体からなるジャンパスリーブの有効断面積(SeまたはSe1)(溝部の断面積を除いた実質的な断面積)を、従来の断面円筒状の電線圧縮スリーブの断面積(Sc)とほぼ同等となるように設計すると良い。
なお、前記溝部の寸法は電線サイズにより若干異なるが、およその寸法は幅が10mm、深さが1.5〜2.5mmである。
(c)
(a)の長・楕円筒体からなるジャンパスリーブにおいて、マニュピレータハンドが所定の位置を把持していることを視認できる着色標示部を、前記薄肉溝部に形成したことを特徴とするジャンパスリーブである。なお、着色標示方法は塗料塗布、反射テープなどの貼着あるいは夜間などでも自己発光する蛍光塗料塗布または蓄光性蛍光ラベルなどの貼着その他の方法を採用できる。
本発明による電線圧縮接続方法および電線圧縮接続用スリーブ(一例として、ジャンパスリーブ)によれば、以下のような効果を有する。
1)従来の断面円筒形のジャンパスリーブの電線圧縮接続用のダイスと共用できるようにしたので、圧縮接続工法を統一でき経済的である。
2)電線挿入孔の長軸方向の内径寸法xを電線外径dの1.25〜1.44倍程度の長・楕円状の長孔としたので、電線の挿入作業をスムーズに行える。
3)本発明の電線圧縮接続用スリーブの断面積(SeまたはSe1)は、前記従来の断面円筒型の圧縮スリーブの断面積(Sc)とほぼ同等としたので、従来と同様の圧縮ダイスを使用することが出来、圧縮強度も同等なものとすることができる。
4)電線圧縮接続用スリーブの側面に着色標示部を設けたので、マニュピレータハンドなどがジャンパスリーブを所定の位置で適正に把持したことを、離れた位置から視認でき、電線接続作業が迅速に行える利点を有する。
以下、図面により、本発明による「電線圧縮接続方法および電線圧縮接続用スリーブ」の実施の形態について、詳細に説明する。
図1〜5は、本発明による電線圧縮接続用スリーブにかかる長・楕円筒体ジャンパスリーブの一実施形態を示す図である。なお、本発明による断面、長・楕円形状のジャンパスリーブ構造は、電線サイズがHAL−OC150〜240mm以上のサイズに適用されるのが好適なもので、これらの電線サイズではマニュピレータハンドでは電線の剛性が高いために曲がりを直線状に矯正することが困難なためで、上記サイズ以下の電線サイズでは剛性が低いので矯正が容易なため、従来の円筒状断面のスリーブを使用することが出来るが、本発明は上記電線サイズ以外にも適用できることは勿論である。
まず図1は、断面長円形状のジャンパスリーブの正面図であり、図2(1)はその側面図、図2(2)はB−B矢視の断面図である。また、図3は図1のスリーブの平面図であり、図4は図2(2)のスリーブのA−A矢視の断面図である。
そして、図5は、断面楕円形状のジャンパスリーブの断面図である。
さらに、図6は従来のジャンパスリーブの圧縮接続部を示す一部切開側面図であり、つぎの図7は図6C−C矢視の断面図である。
図1〜図5中、1はアルミまたは銅などの材料からなり、押出し成形などで断面長円形状(図1〜4)または楕円形状(図5)のジャンパスリーブである。
また、2は圧縮表示マークであって、電線サイズと適用圧縮ダイスの幅により異なるものではあるが、左右方向に間隔10〜20mmで10〜15本程度の圧縮表示マークが標示される。また、3はジャンパスリーブの側面に形成された薄肉部の溝であって、長・楕円筒体の厚さ(t,t')に対して、厚さt1 の薄肉部の溝が長手方向に形成されている。この溝の溝幅と深さはHAL150〜240mmの範囲では、およその寸法は幅が10mm、深さが1.5〜2.5mm程度である。
薄肉部の溝3の形状は図示の例では単一な矩形の溝となっているが、これに限定されず、複数本の溝としたり、「くの字状」に溝の中央部を深く凹ませた形状としたりすることも出来る。また、4は、薄肉部の溝3の表面に標示された、把持位置視認用の着色標示部である。
図1に示した着色標示部4の表示方法としては、塗料、蛍光塗料、蓄光性蛍光塗料などの塗布および反射テープまたは蛍光性ラベルなどの貼り付け、その他の方法により、表示することが出来る。図2の実施例では、着色標示部4を左右に設けた例を示したが、場合により、片方のみにすることが出来る。なお、反射テープおよび蛍光塗料等を使用する理由は、夜間工事などで単なる着色標示ではジャンパスリーブのマニュピレータハンドの把持姿勢が所定の方向となっているかを視認しにくいので、そのようにするものである。
5は電線挿入孔であり、図2に示すように断面長円形状の孔とされるか、または図5に示すように楕円形状の孔とされている。ジャンパスリーブの圧縮接続工事においては、電線の巻付けドラムの巻き癖により弓状に湾曲しており、特に断面積が大きく剛性の強い電線サイズでは、これを直線状に整形する作業が面倒で時間を要していた。このため、特許文献1のような長円形のジャンパスリーブが使用されていたが、前記文献のスリーブでは以下のような問題点があった。
1)従来の断面円形のジャンパスリーブに使用する同サイズ電線用の圧縮ダイスが使用できない。
2)ジャンパスリーブ側面に設けた溝部が他の部分と同色なので、スリーブの上下の正確な把持位置が地上から確認できず、圧縮施工不良を起こしやすい欠点があった。
3)従来の断面円形のジャンパスリーブに対して長円形断面のジャンパスリーブとする際の偏心量(c)の設定値が実施工結果を反映していず、各種電線サイズに対して統一された最適設計がなされていなかった。
しかしながら、本発明のようにジャンパスリーブを断面長・楕円形状とするに際し、実施工結果を反映させて最適な偏心量(c)とすることにより、湾曲していた電線や電線切断端部の整形も適当で良く、容易に電線挿入孔に挿入することが出来、接続作業も迅速に行うことが出来る。また、前記長円形断面のジャンパスリーブをシリーズ設計することにより、各種電線サイズに対して電線圧縮用ダイスの共通化を図ることが出来るので、高い経済効果を得ることが出来る。
図1、図2、図4および図6における符号「6および6”」は、ジャンパスリーブの中央に設けられた偏位防止隔壁である。この偏位防止隔壁6および6”は、別途製作された断面長円形または断面楕円形の内径にほぼ嵌合する形状の、例えば長円板または楕円板を中央に挿入し、図4のP部の外周を軽く圧縮して固定するようにしてある。偏位防止隔壁6を設ける理由は、もし隔壁がないとすれば、左右方向から挿入した電線長さに不同が生じて、接続部の抗張力が異常に低下するおそれがあり、それを防止するためである。
また、7はコンパウンド吐出孔であって、隔壁の左右に設けてある。図示していないが、ジャンパスリーブ1の電線挿入孔5の内部には、防水・防食のために予めコンパウンドが充填されている。
次に、本発明のジャンパスリーブを用いた圧縮接続手順について説明する。
1.一対の接続する電線の端部を予め直線状になるように整形する。
2.マニュピレータハンドによって、ジャンパスリーブに長軸が上下方向(天地方向)となるように把持する。
3.マニュピレータの他方のハンドで電線を把持して、電線挿入孔に電線を挿入する。
4.スリーブの端部から中央に向かって、油圧機などで電線を圧縮する。
5.同様の手順でジャンパスリーブの反対側を圧縮接続する。
6.圧縮接続が完了したジャンパスリーブのコンパウンド吐出孔から、吐出したコンパウンドを拭き取り、全作業が完了する。
ここで、本願発明の電線圧縮接続用スリーブの接続に用いられる電線について、一般的な架空配電用電線である「屋外用アルミ導体の架橋ポリエチレン絶縁電線(6600V Al-OC)」を一例としてあげ、代表的な3種類の電線の数値を具体的に示せば、表1のようになる。
Figure 2008171634
そして、本発明による電線圧縮接続用スリーブを、図2、図5および図7を参照して、より具体的に説明すると、次のようになる。
図2(2)と図5において、スリーブの外周形状および電線挿入穴の断面形状は、図2のような長円形状、または図5のような楕円形状をなしていて、その長軸の寸法はx(またはx)、短軸の寸法はy(またはy)、であり、そのとき挿入する電線外径はdとする。また、前記円筒状部材の薄肉溝部を形成した部分を除いて、その肉厚を「t (またはt')」とし、前記円筒状部材の断面積を「Se(またはSe1)」とする。
図2(2)の断面長円形状の場合では、本スリーブの電線挿入穴の短軸の寸法(y)は、電線外径(d)よりもα「α1=(y−d)/2」だけ大きく設定される。そして、電線挿入穴の長軸の寸法(x)は、短軸の寸法(y)よりも、β「β=(x1-d)/2」だけ大きく設定される。ていて、「β」は電線径にもよるが、例えば、240mmのときには4mm程度である。
そして、図5の断面楕円形状のスリーブの場合でも、「α=(y−d)/2」の寸法および「β=(x-d)/2」の寸法は、長円形の場合と同程度とすることができる。即ち、先の代表的な3種類の電線の数値を具体的設計仕様例を示せば表2のようである。
Figure 2008171634
表2よりyおよびxをdの関数として表すと、およそ次式で表すことが出来る。
=1.048d・・・・(1)
=1.415d・・・・(2)
また、図7において、従来のスリーブの断面形状および電線挿入穴の断面形状は、図のような円形状をなしていて、スリーブの電線挿入穴の断面形状は、その外径寸法はD、内径の寸法はdであり、そのとき挿入する電線外径はdとする。また、このスリーブの断面の肉厚をtとし、その断面積をSとする。
従来のスリーブの電線挿入穴の寸法(d)は、電線外径(d)よりも「α=(d−d)/2」だけ大きく設定されているので、これらのジャンパスリーブを正六角形に圧縮した場合の圧縮率εを表1の電線サイズについて求めると表3のとおりとなる。なお、圧縮率は(3)式より求められる。
ε=〔1−{S/(S+S)}〕×100(%)・・・(3)
(3)式においてSは、ジャンパスリーブ圧縮用の六角ダイスの対角長さを外径Dに等しくしたときの六角形の断面積である。従って従来の円形断面のジャンパスリーブの圧縮率は8〜9%台である。
Figure 2008171634
さらに、本発明による電線圧縮接続用スリーブでは、前記円筒状部材断面の肉厚tを決定するに当たり、従来の円形断面のジャンパスリーブ圧縮用のダイスを共用させるために、以下のような設計方法を用いて決定する。
即ち、肉厚tは電線長手方向に向けて所定の幅(b)と深さ(h)を有する薄肉溝部3を形成した部分を除きほぼ均一であり、前記円筒状部材の断面積(SeまたはSe1)は、同一サイズの電線を圧縮接続する従来の断面円筒状の電線圧縮スリーブの断面積(Sc)とほぼ同等として構成し、従来スリーブの圧縮接続に用いるダイスで圧縮接続した際に、ほぼ同一圧縮率となるようにすることを特徴とする。そこで本発明に適用する電線別に、スリーブの肉厚tを諸定数計算により求めると、長円形の場合の結果は表4のとおりである。なお、表4のΔSは薄肉溝部3を長円形スリーブの両側面に形成する場合を想定したので、肉厚tの長円形スリーブの両側面からΔS(=2bh)を除去すれば、従来の円筒断面のジャンパスリーブと同一な断面積Scとなり、同一圧縮率とすることが出来る
次に図2(2)を参照して本発明の長円形断面の肉厚(t)を求める手順を以下に示す。即ち、本発明の長円形断面の偏心量を(c)とすると、面積Seは半径RおよびRからなる円環形状の断面積Sと長方形の断面積をSとの和として求めることが出来るから、
=π(R −R )=π{(R+t)−R }=πt+2πR
=2ct
Se=S+S=πt+2πRt+2ct ・・・(4)
Se−ΔS=Sc=πt+2t(πR+c)−2bh ・・・(5)
(5)式はtに関する2次方程式であるから、(5)式を変形して、
πt+2t(πR+c)−2bh−S=0
tについて解くと(6)式のようになる。
t=(−2(πR+c)+{22(πR+c)2−4π(−2bh-S)}1/2)/2π
・・・(6)
(6)式に表4の各電線サイズの数値を代入して(t)の値を求めると、同表の右欄に示したとおり、ほぼ6mm弱となる。
Figure 2008171634
以上説明した本発明の電線圧縮接続用スリーブでは、圧縮接続部の引っ張り抗張力を従来の円筒状のスリーブと同等とさせるために、本発明の長・楕円断面形状のスリーブの全長および断面積(Se)を、従来の円筒断面形状のスリーブの断面積(Sc)とほぼ同等として、従来のスリーブ用のダイスを用いる事が出来るようにした。
即ち、Se=Scとし、この時の長円形断面の肉厚(t)を決定することにより、最終的な圧縮率を同等なものとすることが出来るので、引っ張り抗張力も同等程度なものとすることが出来るのである。
以上のような設計とすれば、図6、7のような均等な肉厚の従来の円形スリーブに比べ、電線挿入孔を長・楕円断面形状として長軸側を大径としてあっても、従来の圧縮ダイスを用いたときにも同等な圧縮率とすることが可能となり、圧縮接続部の引っ張り抗張力を同等程度とすることが出来る。よって、マニュピレータハンドなどによる活線工法によるジャンパスリーブを用いた電線の接続作業を、ジャンパスリーブの電線挿入孔にジャンパ線を挿入しやすく、施工性に優れた最適な構造の電線圧縮接続用スリーブを提供できる。
なお、以上例示した設計例では長円形のジャンパスリーブについて説明したが、図5に示した楕円形のジャンパスリーブに対しても同様な設計方法を適用できる。また、偏心量(c)は表4の選定値には拘束されず、妥当な範囲で適宜選定しうるものである。また、表1に示した電線サイズ以外の電線にも本発明の設計方法は適用できるものである。
本発明による電線圧縮接続用スリーブの一実施形態として、断面長円形状のジャンパスリーブを示す正面図。 (1)は図1のジャンパスリーブの側面図、(2)は図1のジャンパスリーブB−B矢視の断面寸法詳細図。 図1のジャンパスリーブの平面図。 図2のジャンパスリーブA−A矢視の断面図。 本発明による電線圧縮接続用スリーブの一実施形態として、断面楕円形状のジャンパスリーブを示す断面図。 従来のジャンパスリーブを示す一部切開正面図。 図6の従来のジャンパスリーブC−C矢視の断面図。
符号の説明
1 ジャンパスリーブ(電線圧縮接続用スリーブ)
2 圧縮表示マーク
3 薄肉部の溝
4 着色標示部
5 電線挿入孔
6,6” 偏位防止隔壁
7 コンパウンド吐出孔
A 金属直線スリーブ
1,B2 電線の接続端部
1,a2 電線挿入孔
コンパウンド吐出孔
P 隔壁固定部の圧縮位置
t 断面長円筒体ジャンパスリーブの厚さ
t' 断面楕円筒体ジャンパスリーブの厚さ
薄肉溝部の厚さ
d1 ジャンパ線外径
,x 長軸側内径
,y 短軸側内径
α 断面長円筒体の短軸内径の片側隙間=(y−d)/2
α 断面楕円筒体の短軸内径の片側隙間=(y−d)/2
β 断面長円筒体の長軸内径の片側隙間=(x−d)/2
β 断面楕円筒体の長軸内径の片側隙間=(x−d)/2
R1 断面長円筒体の内半径
R2 断面長円筒体の外半径
Se 断面長円筒体ジャンパスリーブの断面積=S+S
Se 断面楕円筒体ジャンパスリーブの断面積
従来ジャンパスリーブの内径
D 従来ジャンパスリーブの外径
α 従来ジャンパスリーブの片側隙間=(x−d)/2
従来ジャンパスリーブの肉厚
Sc 従来ジャンパスリーブの断面積
c 長、楕円ジャンパスリーブの断面偏心量
厚さtの円環形状の断面積
=ct
ΔS 薄肉溝部の断面積=2bh
b 溝部の幅
h 溝部の深さ
対角長さがDである六角形ダイスの圧縮部断面積
εc 従来の円筒形断面の圧縮率

Claims (4)

  1. 円筒状部材として形成された電線圧縮接続用スリーブを用いて電線を圧縮接続する電線圧縮接続方法であって、
    前記円筒状部材の外周面の断面形状および内部の電線挿入孔の断面形状は、電線長手方向に鉛直する断面において、長軸と短軸とを有する長円形状または楕円形状をなし、
    前記電線挿入孔の短軸および長軸方向の寸法は、挿入される電線径よりも大きくし、
    前記円筒状部材の外面には、短軸側の少なくとも一方の側面に、電線長手方向に向けて、所定の幅と深さを有する薄肉溝部が形成され、
    前記円筒状部材の断面積(SeまたはSe1)は、同一サイズの電線を圧縮接続する断面円筒状の電線圧縮スリーブの断面積(Sc)と同等に構成し、且つ、前記断面円筒状の電線圧縮スリーブの圧縮接続に使用するダイスと同等寸法のダイスを使用して圧縮接続を行うことを特徴とする電線圧縮接続方法。
  2. 請求項1記載の電線圧縮接続方法において、
    前記円筒状部材断面の肉厚は、電線長手方向に向けて所定の幅と深さを有する薄肉溝部を形成した部分を除き均一であり、前記断面円筒状の電線圧縮スリーブの圧縮接続に用いるダイスで圧縮接続した際に、同一圧縮率となるように、前記長軸と短軸とを有する長円形状または楕円形状の電線圧縮スリーブであって、短軸に対する長軸の偏心量(c)を5〜7mmとしてスリーブの肉厚を設定した電線圧縮スリーブを用いて圧縮接続を行うことを特徴とする電線圧縮接続方法。
  3. 円筒状部材として形成された電線圧縮接続用スリーブであって、
    前記円筒状部材の外周面の断面形状および内部の電線挿入孔の断面形状は、電線長手方向に鉛直する断面において、長軸と短軸とを有する長円形状または楕円形状をなし、
    前記電線挿入孔の短軸および長軸方向の寸法は、挿入される電線径よりも大きくし、
    前記円筒状部材の外面には、短軸側の少なくとも一方の側面に、電線長手方向に向けて、所定の幅と深さを有する薄肉溝部が形成され、
    前記薄肉溝部に、位置視認用の着色標示部を形成した、ことを特徴とする電線圧縮接続用スリーブ。
  4. 請求項3記載の電線圧縮接続用スリーブにおいて、
    前記着色標示部の表示手段は、塗料塗布、反射テープ貼着、夜間に自己発光する蛍光塗料塗布、蓄光性蛍光ラベルの貼着、のいずれかである、ことを特徴とする電線圧縮接続用スリーブ。
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