JP2008170409A - ハニカム焼成体の検査方法、及び、ハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

ハニカム焼成体の検査方法、及び、ハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産効率を維持しつつ、製造したハニカム焼成体に対して全数検査を行うことができる、ハニカム焼成体の検査方法を提供すること。
【解決手段】多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体におけるクラックの有無を、上記ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら検査することを特徴とするハニカム焼成体の検査方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハニカム焼成体の検査方法、及び、ハニカム構造体の製造方法に関する。
バス、トラック等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排ガス中に含有されるスス等のパティキュレートが環境や人体に害を及ぼすことが最近問題となっている。
そこで、排ガス中のパティキュレートを捕集して、排ガスを浄化するフィルタとして多孔質セラミックからなるハニカム構造体を用いたハニカムフィルタが種々提案されている。
従来、ハニカム構造体を製造する際には、例えば、まず、セラミック粉末とバインダと分散媒液等とを混合して湿潤混合物を調製する。そして、この湿潤混合物をダイスにより連続的に押出成形し、押し出された成形体を所定の長さに切断することにより、柱形状のハニカム成形体を作製する。
次に、得られたハニカム成形体を乾燥させ、その後、所定のセルに目封じを施し、セルのいずれかの端部が封口材層により封止された状態とした後、脱脂処理及び焼成処理を施し、ハニカム焼成体を製造する。
この後、ハニカム焼成体の側面にシール材ペーストを塗布し、ハニカム焼成体同士を接着させることにより、シール材層(接着剤層)を介してハニカム焼成体が多数結束した状態のハニカム焼成体の集合体を作製する。次に、得られたハニカム焼成体の集合体に、切削機等を用いて円柱、楕円柱等の所定の形状に切削加工を施してセラミックブロックを形成し、最後に、セラミックブロックの外周にシール材ペーストを塗布してシール材層(コート層)を形成することによりハニカム構造体を作製し、作製したハニカム構造体について検査を行うことによりハニカム構造体の製造を終了する。
なお、本明細書において、ハニカム成形体、ハニカム焼成体及びハニカム構造体のいずれの形態においても、それぞれの外形状をなす面のうち、セルが露出している面を端面といい、端面以外の面を側面という。
ここで、ハニカム構造体がクラックを有するか否かを判別するための検査方法として、ハニカム構造体に温度勾配を発生させて表面温度分布を測定し、得られた温度分布に所定の画像処理を行ってクラックを検出するハニカム構造体表面のクラック検出方法や、端面が上下方向となるようにハニカム構造体を載置面に載置し、クラックが生じた部分から粉状物が落下するような衝撃荷重を加えて落下した粉状物を検知することよりクラックを検出するハニカム構造体のクラック検出方法が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2003−207472号公報 特開2004−45276号公報
特許文献1及び2に記載の検出方法は、ハニカム構造体の製造工程の最終工程を経たハニカム構造体に対して行ってクラックの有無を検査するので、ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体のうちの一部においてクラックが存在していても、その他の正常なハニカム焼成体を併せて廃棄することになり不経済であった。また、一部の不良品のハニカム焼成体を含んでいても、全体として良品のハニカム構造体であるとの判定がなされて、長期的な品質の確保という面で確実性を低下させるおそれがあった。
また、特許文献1に記載のクラック検出方法は、ハニカム構造体の抜き取りサンプルの加熱過程又は冷却過程における温度分布に基づきクラックの発生を検出しており、作業自体が非常に煩雑でありかつ長時間を要することから効率が悪く、この方法では生産効率を維持しながら全数検査を行うことは困難であった。また、特許文献2に記載のクラック検出方法は、ハニカム構造体の端面に衝撃用部材を衝突させてクラックから生じる粉状体を落下させていることから、端面に傷や破損が発生するおそれがあった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行い、搬送部材で搬送されているハニカム焼成体を所定の方法で検査することで、生産効率を維持しつつ、製造したハニカム焼成体に対して全数検査を行うことができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のハニカム焼成体の検査方法は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体におけるクラックの有無を、上記ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら検査することを特徴とする。
上記搬送部材は、分配機構を備えており、
クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを上記分配機構により分けることが望ましい。
上記クラックの有無は、上記ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることにより検査することが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を製造し、このハニカム成形体を焼成して得たハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
ハニカム焼成体を作製した後、上記ハニカム焼成体におけるクラックの有無を検査し、クラックの無いハニカム焼成体からハニカム構造体を製造することを特徴とする。
上記ハニカム焼成体におけるクラックの有無の検査は、上記ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら行うことが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記搬送部材は、分配機構を備えており、
クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを上記分配機構により分けることが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法において、上記クラックの有無は、上記ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることにより検査することが望ましい。
本発明のハニカム構造体の製造方法においては、クラックの無いハニカム焼成体をシール材層を介して複数結束させて前記ハニカム構造体を製造することが望ましい。
本発明のハニカム焼成体の検査方法では、ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら、ハニカム焼成体におけるクラックの有無を検査するので、検査のための独立した工程を設ける必要がなく、また、製造したハニカム焼成体に対して、生産効率を低下させることなく全数検査を行うことができる。
上記搬送部材が分配機構を備えていると、クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを簡便に振り分けることができるので、生産効率を低下させることがなく、別途高額な機器を設置したりする必要もなく経済的である。
また、ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることによりクラックの有無を検査することで、クラックの検査と同時に所定の機械的強度を有するハニカム焼成体を効率的かつ容易に判別することができ、作業効率を向上させることができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法によると、クラック検査でクラックの無いと判別されたハニカム焼成体のみを結束してハニカム構造体を製造しているので、所定の品質を具備するハニカム構造体を効率的に製造することができる。
また、本発明のハニカム構造体の製造方法によれば、ハニカム焼成体におけるクラック検査を、ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら行うことにより、検査のための別途独立した検査工程やそのための検査装置を設ける必要がないので、生産性を低下させることなく、製造したハニカム焼成体について全数検査を行うことができる。これにより、ハニカム構造体の品質についてのトレーサビリティが得られるとともに、製品保証をより確実にすることができる。
搬送部材が分配機構を備えており、クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを上記分配機構により分けることで、搬送経路においてクラック有りの不良品を排除することができ、クラックを有するハニカム焼成体が次工程に搬送されることを有効に防止することができる。
まず、本発明のハニカム焼成体の検査方法について図面を参照しながら説明する。
本発明のハニカム焼成体の検査方法は、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体におけるクラックの有無を、上記ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら検査することを特徴とする。
本発明のハニカム焼成体の検査方法による検査の対象としては、焼成処理を経た柱状のハニカム焼成体であれば特に限定されず、例えば、図4(a)に示すような、長手方向に貫通する多数のセルを有する角柱状のハニカム焼成体や、円柱状のハニカム焼成体等が検査の対象となる。
なお、本明細書において、「柱状」には、円柱状や楕円柱状、多角柱状等の任意の柱の形状を含む。
また、ハニカム焼成体におけるクラックには、衝撃や焼成の際の不均一な温度分布等によって生じるハニカム焼成体のいわゆる微小な割れだけではなく、焼成前後を通じて存在していた連続又は不連続な気孔が、焼成処理を経た後にそのまま残ったいわゆるピンホールも含まれる。
図1は、本発明のハニカム焼成体の検査方法の実施形態の一例を示す斜視図である。
本発明のハニカム焼成体の検査方法では、ハニカム焼成体のクラックの有無を、ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら検査する。前工程から送られてきたハニカム焼成体20a、20b、20c、20dは、図1に示すように、搬送部材1によって次々と搬送される。搬送部材1により搬送されたハニカム焼成体20が検査部10の位置まで搬送されると、検査部10での検査のために搬送部材1は一旦搬送を停止する。検査部10において、ハニカム焼成体におけるクラックの有無について検査され、検査終了後に再び搬送部材1によって搬送され次工程に送られる。
図1に示す検査部10は、検査手法として4点曲げ強度試験(後述)を採用した場合の検査部10を示している。3点曲げ強度試験であってもよく、同様の効果のある試験であってもよい。ハニカム焼成体20bの下面においては、支持部材2によってハニカム焼成体20bの両端付近が支持されており、一方、ハニカム焼成体20bの上面には所定の荷重を負荷する押圧部材3が押し当てられている。
ここで、検査部10でのクラック検査により、良品、すなわちクラックが無いと判別されたハニカム焼成体は、次工程における処理に供するためにそのまま搬送される。一方、クラック検査において、不良品、すなわちクラックが有ると判別されたハニカム焼成体は、次工程に送られることなく、分配機構4にて搬送ラインから排除されて適宜の廃棄処理等を受ける。
図1に示すように、ハニカム焼成体は、搬送部材1の搬送方向に対して長手方向が直交するように搬送部材1に載置されていてもよく、上記搬送方向と平行に載置されていてもよい。搬送部材1上でのハニカム焼成体の載置方向は、検査部10における検査手法に応じて適宜変更すればよいが、載置スペースや搬送効率を考慮すると、ハニカム焼成体は長手方向が搬送方向に直交するように載置することが望ましい。
搬送部材1は、例えば、ハニカム成形体の焼成後に得られるハニカム焼成体を冷却する冷却工程等の前工程から、ハニカム焼成体を用いて及び/又はハニカム焼成体に対して所定の処理を行う次工程へと、ハニカム焼成体20を搬送するための搬送用部材である。搬送部材1としては、ハニカム焼成体20を搬送することができれば特に限定されず、例えば、ベルトコンベア、チェーンコンベア等のコンベアや、レール上を走行する荷台等が挙げられる。
搬送部材1のハニカム焼成体20との接触面については、ハニカム焼成体20の表面を傷つけなければその構成材料は特に限定されず、例えば、天然ゴムや合成ゴム等のゴム、ウレタン樹脂等の樹脂が挙げられる。
ハニカム焼成体20を搬送する際の搬送部材1の搬送速度は、特に限定されず、5〜40m/minであることが望ましい。
搬送速度が5m/min未満であると、ハニカム焼成体を搬送すること自体に時間を要することから生産性が低下し、一方、40m/minを超えると、搬送と停止とを繰り返す搬送部材1に過剰の負荷がかかり、搬送作業に支障をきたすおそれがある。
搬送部材1の搬送方向に対してハニカム焼成体20の長手方向が直交するように、ハニカム焼成体20を搬送部材1に載置する場合、搬送部材1の幅は、ハニカム焼成体20の長手方向の長さより長くてもよく短くてもよい。搬送部材1の幅は、検査部10における検査手法に応じて調整すればよいが、図1に示すように3点曲げや4点曲げによる強度試験を行う場合は、効率よく試験を行うことができるように、搬送部材1の幅はハニカム焼成体20の長手方向の長さより短くすることが望ましい。
搬送部材1の搬送動作は、検査部10で採用する検査手法に応じて、連続的に行ってもよく、断続的に行ってもよい。例えば、4点曲げ強度試験のような接触式検査では、ハニカム焼成体の搬送を断続的に行い、一方、X線検査等の非接触式検査では、連続的にハニカム焼成体を搬送する等してもよい。
本発明のハニカム焼成体の検査方法では、上記搬送部材1は、分配機構4を備えており、クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを分配機構4により分けることが望ましい。
図1に示すように、搬送部材1の搬送方向の下流には、クラックの有無によってハニカム焼成体を分ける分配機構4が、搬送部材1と並列して配置されている。このように、搬送部材1が、分配機構4を備えていると、一の工程から他の工程へと向かうハニカム焼成体20の搬送ラインが途中で分断されることなく、クラックの無いハニカム焼成体(以下、クラックの無いハニカム焼成体を良品のハニカム焼成体ともいう)とクラックの有るハニカム焼成体(以下、クラックの有るハニカム焼成体を不良品のハニカム焼成体ともいう)とを効率よく分けることができる。
分配機構4を備えた搬送部材1の具体的な構成及び動作について図1を参照しつつ説明する。図1に示すように、検査前のハニカム焼成体20aの位置を位置I、検査部10において検査されるハニカム焼成体20bの位置を位置II、検査後に搬送されているハニカム焼成体20cの位置を位置III、及び、分配機構4上に載置されているハニカム焼成体20dの位置を位置IVとする。
4つのハニカム焼成体20a、20b、20c、20dは、互いに等間隔に搬送部材1又は分配機構4に載置されており、搬送部材1及び分配機構4の一回の搬送動作で、各ハニカム焼成体が、搬送方向側の隣のハニカム焼成体の位置まで搬送される。すなわち、一回の搬送動作で、位置Iのハニカム焼成体20aは位置IIまで搬送され、同時に、ハニカム焼成体20bは位置IIIまで搬送される。同様に、位置IIIのハニカム焼成体20cは、分配機構4上の位置IVまで搬送される。これらの動作を繰り返すことにより、ハニカム焼成体を断続的にいわゆる流れ作業として搬送することができる。
なお、検査部10での検査手法が非接触式の検査手法であり、搬送部材1の搬送を一旦停止する必要がない場合は、連続的にハニカム焼成体を搬送してもよい。
搬送部材1と分配機構4とは同様の構成を有していてもよく、異なっていてもよい。ここでは、搬送部材1がベルトコンベアであり、分配機構4もベルトコンベアであるとして分配機構4の構成を説明する。
しかし、分配機構4は、ベルトコンベアである必要はなく、搬送部材1の説明で例示したような搬送機構であってもよい。その他、分配機構4の構成として、搬送方向の下流にてY字状に枝分かれしている搬送路において、その枝分かれの分岐部に判別アームを備えており、この判別アームにて、クラックの無いハニカム焼成体を搬送するための良品搬送路と、クラックの有るハニカム焼成体を搬送するための不良品搬送路とに検査後のハニカム焼成体を振り分けるような構成であってもよい。
まず、ハニカム焼成体20dが、検査部10においてクラックが無い(良品である)と判別された場合について説明する。
検査部10での検査後、搬送部材1により分配機構4まで搬送された良品のハニカム焼成体20dは、分配機構4のさらなる搬送動作により位置IVまで搬送される。ここで、分配機構4上のハニカム焼成体20dは、検査部10において良品と判別されているので、分配機構4は、再度搬送動作を開始して、良品のハニカム焼成体20dをそのまま次工程へと搬送する。
このハニカム焼成体20dの次工程への搬送とともに、検査後のハニカム焼成体20cが位置IVまで、検査部10にあるハニカム焼成体20bが位置IIIまで、検査前のハニカム焼成体20aが位置IIまで、それぞれ搬送される。
次に、検査部10においてハニカム焼成体20dが、クラックが有る(不良品である)と判別された場合について説明する。
検査後、搬送部材1及び分配機構4の搬送により不良品のハニカム焼成体20dが位置IVまで搬送される。そして、位置IVまで不良品のハニカム焼成体20dが搬送されると、分配機構4は、図1に示す破線の想像線を中心として矢印の方向に回転し、不良品のハニカム焼成体20dを搬送ラインから落下させる等して排除する。そして、搬送ラインから排除された不良品のハニカム焼成体は、その後、所定の方法にて廃棄される。
この不良品のハニカム焼成体20dの搬送ラインからの排除は、検査部10におけるハニカム焼成体20bの検査の間に行えばよい。すなわち、検査部10に搬送されたハニカム焼成体20bについてクラック検査を行うのと並行して、不良品のハニカム焼成体20dを分配機構4により搬送ラインから排除する。このハニカム焼成体の搬送の一連の流れについて説明する。
上記のようにハニカム焼成体20dは不良品であるので、分配機構4が回転し、搬送ラインから排除され、これと並行して、検査部10では、ハニカム焼成体20bの検査を行ってクラックの有無を判別する。次いで、搬送部材1及び分配機構4の搬送動作を行うことにより、ハニカム焼成体20c(既に検査部10で良品であると判別されている)が、分配機構4上の位置IVまで搬送され、これとともに、検査を完了したハニカム焼成体20bが、位置IIIまで搬送される。同様に、検査前のハニカム焼成体20aも位置IIの検査部10まで搬送されて、検査に供されることになる。
分配機構4上の位置IVに搬送されたハニカム焼成体20cは良品であるので、分配機構4の次の搬送動作によりそのまま次工程に送られ、これと並行して、位置IIIにある検査後のハニカム焼成体20bが分配機構4上の位置IVまで搬送される。同様に、検査部10での検査を完了したハニカム焼成体20aは、位置IIまで搬送される。そして、図示しない新たなハニカム焼成体が位置Iまで搬送されてくる。
これまで説明したように、図1の本発明の実施形態では、検査部10でのクラックの有無の判別の後、ハニカム焼成体が分配機構4へと搬送されて分配されるまで(すなわち、位置IIから位置IVまで)、搬送部材1及び分配機構4が、それぞれ2回の搬送動作を行っている。しかし、検査部10から分配機構4へのハニカム焼成体の搬送に必要な搬送動作は、2回に限定されず、1回でもよく、3回以上の複数回であってもよい。例えば、1回の搬送動作によってハニカム焼成体を搬送する態様としては、ハニカム焼成体が位置IIIに搬送された際に搬送動作の停止を含めることなく位置IIから位置IVまで直接搬送すればよい。また、3回以上の複数回の搬送運動によりハニカム焼成体を位置IIから位置IVまで搬送するには、位置IIIの他に新たな停止位置を追加すればよい。このように、搬送ラインの規模や生産効率等を考慮して、搬送運動の回数を適宜変更することができる。
このような搬送動作を、分配機構4を備えた搬送部材1が繰り返すことにより、クラックの有無を搬送ライン上で行うことができ、また、良品、不良品のハニカム焼成体を確実に判別することができるとともに、ハニカム焼成体におけるクラックの有無についての検査を搬送ライン上で行うことができるので、生産効率を低下させることなく、製造したハニカム焼成体の全数検査を行うことができる。
次に、検査部10における検査手法について説明する。
検査部10においてクラックを検査する検査手法としては、種々の手法を採用することができ、例えば、ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることより検査する方法や、ハニカム焼成体を叩いたときの音を利用する打音法、ハニカム焼成体を加熱した時の温度分布の差異によりクラックを検出する方法、ハニカム焼成体にX線を照射してそのX線画像を撮影する方法、超音波による振動を利用してクラックを検出する方法、ハニカム焼成体にガスを通してガスの漏れを検出する方法、セルに電極を挿入してセル間の通電を検出する方法等の検査手法を採用することができる。
上記クラックの有無は、上記ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることにより検査することが望ましい。
これは、微小なクラックでもハニカム焼成体の機械的強度に及ぼす影響が大きく、機械的強度の変化がクラックの有無に良好に相関することや、被検査体に荷重を加えるだけで検査することができ、被検査体の材質や形状等を問わず広く適用することができるからである。また、検査時間が短くて済むため、検査部を並列して設ける必要がなく、効率的に検査をすることができるからである。
また、微小なクラックを検出することができ、検査精度に優れているからである。
本発明では、ハニカム焼成体が破断するまでの荷重を直接測定してハニカム焼成体の強度とし、その強度測定値により良品である製品と不良品である製品とを判別するのではなく、製造したハニカム焼成体にクラックが存在するか否かを所定の荷重を加えることにより判別し、これにより良品である製品と不良品である製品とを判別する。すなわち、ハニカム焼成体に加えられる所定の荷重とは、3点曲げ又は4点曲げ強度試験等の荷重負荷試験を行った際に、クラックが存在する場合にはハニカム焼成体が破断してしまう荷重をいう。
所定の荷重を加えることによりクラックの有無を検査する検査手法としては、特に限定されるものではないが、例えば、通常行われているような3点曲げ試験又は4点曲げ試験による方法が挙げられる。本発明において、上記機械的強度の評価の際には、断続的に強度を評価する検査システムを用いることが望ましい。
以下、所定の荷重を加えることによりクラックの有無を検査する検査手法の例として、ハニカム焼成体の機械的強度を断続的に測定することができるように改変された4点曲げ強度試験システムを説明する。
検査部10には、図1に示すように、2個の支持部材2と2個の押圧部材3とが設けられているとともに、ハニカム焼成体20bの存在を検出する図示しない検出装置が設けられている。この検出装置により、ハニカム焼成体20bが支持部材2が設けられている位置IIに到達したと判別されると、搬送部材1の搬送動作が一旦停止し、次いで、2個の支持部材2は、ハニカム焼成体20bを両端部付近に当接し、ハニカム焼成体20bを持ち上げて支持する。2個の支持部材2は、断面が逆V字状又は逆U字状になるように加工されており、ハニカム焼成体20bの下面と支持部材2の上部とが線状に接触し、かつ、線状に接触した部分でハニカム焼成体20bを支持するように構成されている。
次に、支持部材2によって支持されたハニカム焼成体20bの上面に対して、2個の押圧部材3が降下して当接する。加える荷重は、上述のように、ハニカム焼成体20bにクラックが存在する場合に、破断が発生する荷重である。なお、押圧部材3の下部は、支持部材2とは反対に、断面がV字状又はU字状に加工されており、ハニカム焼成体20bの上面と押圧部材3の下部とが線状に接触し、かつ、線状に接触した部分でハニカム焼成体20bを押圧するように構成されている。
そして、押圧部材3によりハニカム焼成体20bに所定の荷重を加え、クラックの有無を検査する。押圧部材3が所定の荷重を加えた際に、ハニカム焼成体20bが破断したり、目視にて確認することができるような大きなクラック等が生じたりしたときは、ハニカム焼成体20bはクラック有りと判別される。一方、ハニカム焼成体20bにおいて破断等の異常が確認されなかったときは、ハニカム焼成体20bはクラック無しと判別される。このような検査部10におけるクラックの有無の判別は、図示しない荷重検出器が、加えられた荷重によってハニカム焼成体が破断等したときの荷重の変化(例えば、一定の割合で増加していた荷重が急激に減少する場合等)を検出することによって行われる。
ここで、本明細書においてクラックの無いハニカム焼成体とは、実質的にクラックの無いハニカム焼成体をいい、これには、製品として使用しても品質に影響のない程度を限度としてクラックが存在するハニカム焼成体も含まれる。
検査部10での検査の結果、図示しない判別手段によりハニカム焼成体20bにおいてクラック無しと判別された場合、その判別結果が、判別手段から分配機構4の分配動作を制御する分配制御手段(図示せず)に送信される。ここで、判別結果を受信する分配制御手段では、ハニカム焼成体20bが位置IIから位置IVまで搬送されるのに必要な搬送動作の回数として2回と記憶・設定されている。そして、クラックの無いハニカム焼成体20bが2回の搬送動作を経て位置IVまで搬送され搬送動作の回数が設定値(2回)に達したと判断したときに、分配制御手段は、先に受信したクラック無しとの判別結果に基づいて、ハニカム焼成体20bを次工程に分配及び搬送するように分配機構4を作動させる。
一方、ハニカム焼成体20bにおいて、判別手段によりクラック有りと判別された場合には、クラック有りとの判別結果が判別手段から分配制御手段に送信される。そして、2回の搬送動作によってハニカム焼成体20bが位置IVまで到達したときに、分配制御手段は、先に受信したクラック有りとの判別結果に基づき、ハニカム焼成体20bを搬送ラインから排除するように分配機構4を作動させる。
このようにして、本発明のハニカム焼成体の検査方法では、製造されたハニカム焼成体の全てについて所定の荷重で4点曲げ強度試験を行い、破断が発生しなかったものを良品として次工程に搬送し、破断が発生したものを不良品として廃棄する。
なお、検査部10での検査手法として4点曲げ強度試験について説明したが、3点曲げ強度試験であってもよく、他の検査手法であってもよい。
4点曲げ強度試験の条件としては、特に限定されるものではなく、ハニカム焼成体の寸法によって適宜決定される。なお、試験条件の設定は、JIS R 1601を参考に行うことができる。
例えば、ハニカム焼成体の寸法が34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm、実質的に全てのセル壁の厚さが0.25mmの炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体の場合には、2個の押圧部材3間のスパンが、例えば、10〜30mmであり、2個の支持部材2間のスパンが、例えば、120〜140mmであり、押圧部材3がハニカム焼成体に接触した後の押圧スピードが、例えば、0.1〜5.0mm/minであり、一の押圧部材3の荷重が、例えば、10〜40MPaであることが好ましい。
以上、良品と不良品とを判別して振り分けるための構成として、搬送部材が備える分配機構を用いる実施形態について説明してきたが、これに限定されず、検査部における検査直後に不良品と判別されたハニカム焼成体を廃棄してもよい。この実施形態を図2を参照しつつ説明する。図2は、本発明のハニカム焼成体の検査方法の別の実施形態の一例を示す斜視図である。
図2に示す実施形態では、平行に並んだ搬送部材1aにより破線で示したハニカム焼成体20eを検査部10の手前まで搬送し、次いで、搬送部材1aの間から持ち上げ手段5aが上昇してハニカム焼成体20eを持ち上げる。次に、持ち上げ手段5aは、予め所定間隔を開けて配設された支持部材2aの上方の位置まで移動し、その後、下降してハニカム焼成体20eを支持部材2aに載置する。
ハニカム焼成体20eの載置後、ハニカム焼成体20eの上方から押圧部材3を所定荷重で押し当てて検査する。ここで、ハニカム焼成体20eがクラックが無く良品と判別されると、持ち上げ手段5bは、ハニカム焼成体20eを持ち上げて搬送部材1bの上方まで移動し、その後、下降してハニカム焼成体20eを搬送部材1bに載置する。そして、良品のハニカム焼成体20eは、搬送部材1bにより次工程へと搬送される。
一方、ハニカム焼成体20eが破断し、クラック有りと判別されると、破断したハニカム焼成体20eは、検査部10の下方に設けられた廃棄口(図示せず)に、支持部材2aの間を通ってそのまま落下し、廃棄される。このような構成の分配機構であっても良品と不良品とを効率よく振り分けることができる。
また、本発明のハニカム焼成体の検査方法では、良品と判別されたハニカム焼成体を次工程へとそのまま搬送してもよいし、搬送の途中で拡大鏡等による目視による検査を並行して行ってもよい。目視による検査は、機器による検査では検出することができないような表面の微細な欠け等を検査するのに有効である。
このように、本発明のハニカム焼成体の検査方法では、搬送部材で連続的又は断続的にハニカム焼成体を搬送しながら、クラックの有無を検査するので、生産ライン上で生産効率を維持しながら全数検査を行い、クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを効率よく振り分けることができる。
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法について説明する。
本発明のハニカム構造体の製造方法は、セラミック原料を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を製造し、このハニカム成形体を焼成して得たハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
ハニカム焼成体を作製した後、上記ハニカム焼成体におけるクラックの有無を検査し、クラックの無いハニカム焼成体からハニカム構造体を製造することを特徴とする。
図3は、ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図であり、図4(a)は、上記ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、そのA−A線断面図である。
ハニカム構造体130では、図4(a)、(b)に示すようなハニカム焼成体140がシール材層(接着剤層)131を介して複数個結束されてセラミックブロック133を構成し、さらに、このセラミックブロック133の外周にシール材層(コート層)132が形成されている。
また、ハニカム焼成体140は、図4(a)、(b)に示すように、長手方向(図4(a)中、矢印a参照)に多数のセル141が並設され、セル141同士を隔てるセル壁143がフィルタとして機能するようになっている。
すなわち、ハニカム焼成体140に形成されたセル141は、図4(b)に示すように、排ガスの入口側又は出口側の端部のいずれかが封口材層142により目封じされ、一のセル141に流入した排ガスは、必ずセル141を隔てるセル壁143を通過した後、他のセル141から流出するようになっており、排ガスがこのセル壁143を通過する際、パティキュレートがセル壁143部分で捕捉され、排ガスが浄化される。
以下、本発明のハニカム構造体の製造方法について、工程順に説明する。
ここでは、構成材料の主成分が炭化ケイ素のハニカム構造体を製造する場合を例に、セラミック原料である炭化ケイ素粉末を使用した場合のハニカム構造体の製造方法について説明する。
勿論、ハニカム構造体の構成材料の主成分は、炭化ケイ素に限定されるわけではなく、他のセラミック原料として、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等の窒化物セラミック、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等の炭化物セラミック、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト、チタン酸アルミニウム等の酸化物セラミック等が挙げられる。
これらのなかでは、非酸化物セラミックが好ましく、炭化ケイ素が特に好ましい。耐熱性、機械強度、熱伝導率等に優れるからである。なお、上述したセラミックに金属ケイ素を配合したケイ素含有セラミック、ケイ素やケイ酸塩化合物で結合されたセラミック等のセラミック原料も構成材料として挙げられ、これらのなかでは、炭化ケイ素に金属ケイ素が配合されたもの(ケイ素含有炭化ケイ素)が望ましい。
まず、セラミック原料として平均粒子径の異なる炭化ケイ素粉末等の無機粉末と有機バインダとを乾式混合して混合粉末を調製するとともに、液状の可塑剤と潤滑剤と水とを混合して混合液体を調製し、続いて、上記混合粉末と上記混合液体とを湿式混合機を用いて混合することにより、成形体製造用の湿潤混合物を調製する。
上記炭化ケイ素粉末の粒径は特に限定されないが、後の焼成工程で収縮の少ないものが好ましく、例えば、0.3〜50μmの平均粒径を有する粉末100重量部と0.1〜1.0μmの平均粒径を有する粉末5〜65重量部とを組み合わせたものが好ましい。
ハニカム焼成体の気孔径等を調節するためには、焼成温度を調節する必要があるが、無機粉末の粒径を調節することにより、気孔径を調節することができる。
上記有機バインダとしては特に限定されず、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらのなかでは、メチルセルロースが望ましい。
上記バインダの配合量は、通常、無機粉末100重量部に対して、1〜10重量部が望ましい。
上記可塑剤としては特に限定されず、例えば、グリセリン等が挙げられる。
また、上記潤滑剤としては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン系化合物等が挙げられる。
潤滑剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンモノブチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル等が挙げられる。
なお、可塑剤、潤滑剤は、場合によっては、原料混合物に含まれていなくてもよい。
また、上記湿潤混合物を調製する際には、分散媒液を使用してもよく、上記分散媒液としては、例えば、水、ベンゼン等の有機溶媒、メタノール等のアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物中には、成形助剤が添加されていてもよい。
上記成形助剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸、ポリアルコール等が挙げられる。
さらに、上記湿潤混合物には、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
また、ここで調製した、炭化ケイ素粉末を用いた湿潤混合物は、その温度が28℃以下であることが望ましい。温度が高すぎると、有機バインダがゲル化してしまうことがあるからである。
また、上記湿潤混合物中の有機分の割合は10重量%以下であることが望ましく、水分の含有量は8.0〜20.0重量%であることが望ましい。
上記湿潤混合物は、調製後搬送され、成形機に投入されることとなる。
湿潤混合物を押出成形機に投入した後は、押出成形により所定の形状のハニカム成形体とする。このハニカム成形体を成形体切断装置により所定の長さに切断する。
次に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させ、乾燥させたハニカム成形体とする。
ここで、切断装置を用いて作製したハニカム成形体の両端を切断する切断工程を行い、ハニカム成形体を所定の長さに切断する。これにより乾燥時におけるハニカム成形体の収縮を無視することができる。
次いで、必要に応じて、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。このセルの目封じの際には、ハニカム成形体の端面(すなわち切断工程後の切断面)に目封じ用のマスクを当てて、目封じの必要なセルにのみ封止材ペーストを充填する。
上記封止材ペーストとしては特に限定されないが、後工程を経て製造される封止材の気孔率が30〜75%となるものが望ましく、例えば、上記湿潤混合物と同様のものを用いることができる。
上記封止材ペーストの充填は、必要に応じて行えばよく、上記封止材ペーストを充填した場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体をハニカムフィルタとして好適に使用することができ、上記封止材ペーストを充填しなかった場合には、例えば、後工程を経て得られたハニカム構造体を触媒担持体として好適に使用することができる。
次に、上記封止材ペーストが充填されたハニカム成形体を、所定の条件で脱脂(例えば、200〜500℃)、次いで、焼成(例えば、1400〜2300℃)することにより、全体が一の焼成体から構成され、複数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設され、かつ、上記セルのいずれか一方の端部が封止されたハニカム焼成体(図4(a)、(b)参照)を製造することができる。
上記ハニカム成形体の脱脂及び焼成の条件は、従来から多孔質セラミックからなるフィルタを製造する際に用いられている条件を適用することができる。
以降、このようして得た複数のハニカム焼成体をシール材層を介して結束させてハニカム構造体を製造する。
ここで、本発明のハニカム構造体の製造方法では、ハニカム焼成体を作製した後、上記ハニカム焼成体におけるクラックの有無を検査し、クラックの無いハニカム焼成体のみを結束してハニカム構造体を製造する。
ハニカム焼成体におけるクラックの有無を検査する検査手法及び検査システムとしては、本発明のハニカム焼成体の検査方法で説明したような検査手法及び検査システムを好適に採用することができる。
本発明のハニカム構造体の製造方法では、抜き取り検査とは異なり、全数のハニカム焼成体についてクラック検査を行うことができるので、クラックの有無を全数について確実に判別することができる。また、この全数検査によって、クラックの無いハニカム焼成体のみを使用してハニカム構造体を製造することができるので、ハニカム構造体の品質の保証という面で確実性を高めることができる。
上記ハニカム焼成体におけるクラックの有無の検査は、上記ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら行うことが望ましい。
ハニカム焼成体を搬送しながら検査可能な上述の検査システムを採用することにより、独立した検査工程を設ける必要がないので、コストアップや生産性の低下等を招来することがない。また、別途検査工程を設けて抜取検査を行う検査方法とは異なり、生産効率を維持しつつ、ハニカム焼成体の全数についてクラック検査を行うことができる。
また、上記搬送部材は、分配機構を備えており、クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを上記分配機構により分けることが望ましい。
分配機構としては、既に説明した分配機構を好適に使用することができる。このような搬送部材により、ハニカム焼成体の搬送、検査、分配を1つのラインで行うことができ、ハニカム構造体の製造ラインの効率化を有効に図ることができる。
上記クラックの有無は、上記ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることにより検査することが望ましい。
本発明のハニカム焼成体の検査方法で説明したように、機械的強度の変化がクラックの有無に良好に相関することを利用して、ハニカム焼成体に荷重を加えるだけで検査することができ、簡便かつ容易に適用することができるからである。
このようにして、ハニカム焼成体のクラックの有無について全数検査を行い、クラックの無いハニカム焼成体のみを使用する。そして、クラックが無いと判別されたハニカム焼成体の側面に、シール材層(接着剤層)となるシール材ペーストを均一な厚さで塗布してシール材ペースト層を形成し、このシール材ペースト層の上に、順次他のハニカム焼成体を積層する工程を繰り返し、所定の大きさのハニカム焼成体の集合体を作製する。
上記シール材ペーストとしては、例えば、無機バインダと有機バインダと無機繊維及び/又は無機粒子とからなるもの等が挙げられる。
上記無機バインダとしては、例えば、シリカゾル、アルミナゾル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機バインダのなかでは、シリカゾルが望ましい。
上記有機バインダとしては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記有機バインダのなかでは、カルボキシメチルセルロースが望ましい。
上記無機繊維としては、例えば、シリカ−アルミナ、ムライト、アルミナ、シリカ等のセラミックファイバー等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機繊維のなかでは、アルミナファイバが望ましい。
上記無機粒子としては、例えば、炭化物、窒化物等を挙げることができ、具体的には、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化ホウ素からなる無機粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記無機粒子のなかでは、熱伝導性に優れる炭化ケイ素が望ましい。
さらに、上記シール材ペーストには、必要に応じて酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加してもよい。
上記バルーンとしては特に限定されず、例えば、アルミナバルーン、ガラスマイクロバルーン、シラスバルーン、フライアッシュバルーン(FAバルーン)、ムライトバルーン等を挙げることができる。これらのなかでは、アルミナバルーンが望ましい。
次に、このハニカム焼成体の集合体を加熱してシール材ペースト層を乾燥、固化させてシール材層(接着剤層)とする。
次に、ダイヤモンドカッター等を用い、ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着されたハニカム焼成体の集合体に切削加工を施し、円柱形状のセラミックブロックを作製する。
そして、セラミックブロックの外周に上記シール材ペーストを用いてシール材層(コート層)を形成することで、ハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して複数個接着された円柱形状のセラミックブロックの外周部にシール材層(コート層)が設けられたハニカム構造体とすることができる。
その後、必要に応じて、ハニカム構造体に触媒を担持させる。上記触媒の担持は集合体を作製する前のハニカム焼成体に行ってもよい。
触媒を担持させる場合には、ハニカム構造体の表面に高い比表面積のアルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面に助触媒、及び、白金等の触媒を付与することが望ましい。
上記ハニカム構造体の表面にアルミナ膜を形成する方法としては、例えば、Al(NO等のアルミニウムを含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法、アルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に助触媒を付与する方法としては、例えば、Ce(NO等の希土類元素等を含有する金属化合物の溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
上記アルミナ膜に触媒を付与する方法としては、例えば、ジニトロジアンミン白金硝酸溶液([Pt(NH(NO]HNO、白金濃度4.53重量%)等をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法等を挙げることができる。
また、予め、アルミナ粒子に触媒を付与して、触媒が付与されたアルミナ粉末を含有する溶液をハニカム構造体に含浸させて加熱する方法で触媒を付与してもよい。
また、ここまで説明したハニカム構造体の製造方法は、複数のハニカム焼成体がシール材層(接着剤層)を介して結束された構成を有する集合型ハニカム構造体の製造方法であり、集合型ハニカム構造体の製造に際して、上述した本発明のハニカム焼成体の検査方法を用いている。
本発明のハニカム焼成体の検査方法は、集合型ハニカム構造体を製造する場合のみならず、円柱形状のセラミックブロックが1つのハニカム焼成体から構成されている一体型ハニカム構造体の製造に際しても用いることができる。これについて、以下、簡単に説明する。
一体型ハニカム構造体を製造する場合は、まず、押出成形により成形するハニカム成形体の大きさが、集合型ハニカム構造体を構成するハニカム成形体を製造する場合に比べて大きい以外は、集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様の方法を用いてハニカム成形体を作製する。そして、この方法においても、上記ハニカム成形体を成形体切断装置により切断してハニカム成形体を作製することができる。
次に、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、上記ハニカム成形体を、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等を用いて乾燥させる。
次いで、乾燥させたハニカム成形体の両端部を切断する切断工程を行う。
次に、必要に応じて、入口側セル群の出口側の端部、及び、出口側セル群の入口側の端部に、封止材となる封止材ペーストを所定量充填し、セルを目封じする。
その後、集合型ハニカム構造体の製造と同様に、脱脂、焼成を行うことによりセラミックブロックを製造し、必要に応じて、シール材層(コート層)の形成を行うことにより、一体型ハニカム構造体を製造することができる。そして、一体型ハニカム構造体を製造する場合は、セラミックブロックを製造した後、又は、セラミックブロックの外周にシール材層(コート層)を形成した後、上述した本発明のハニカム焼成体の検査方法を用いて、ハニカム焼成体におけるクラックの有無について検査を行えば良い。
なお、上記一体型ハニカム構造体を製造する場合にも、上記集合型ハニカム構造体を製造する場合と同様、上述した方法で触媒を担持させてもよい。また、一体型ハニカム構造体の主な構成材料は、コージェライトやチタン酸アルミニウムであることが望ましい。
以上、説明した本発明のハニカム構造体の製造方法では、作業効率よくハニカム構造体を製造することができる。
また、上述した方法によりハニカム構造体を製造する場合、抜き取り検査と異なって、全数のハニカム焼成体についてクラック検査を行うことができ、クラックの無いハニカム焼成体を使用してハニカム構造体を製造することができるので、ハニカム構造体の品質面で確実性を高めることができる。また、所定の分配機構を備えた搬送部材で搬送しながらクラック検査を行うことができ、別途独立した検査工程を設けずに生産効率を維持しつつ、ハニカム焼成体の全数についてクラック検査を行うことができる。
また、ここでは、主にハニカムフィルタとして、排ガス中のパティキュレートを補集する目的で用いるハニカム構造体を中心に説明したが、上記ハニカム構造体は、排ガスを浄化する触媒担体(ハニカム触媒)としても好適に使用することができる。
以下に実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
本実施例では、まず、本発明のハニカム構造体の製造方法におけるハニカム焼成体を形成するまでの工程を用いてハニカム焼成体を製造した。
そして、このハニカム焼成体について、まず、本発明のハニカム焼成体の検査方法による荷重負荷検査に必要な最適荷重を決定した。
また、別途、ハニカム焼成体のクラックの発生の有無が、ススの補集性能に与える影響を評価した。
さらに、本発明の検査方法で振り分けたクラックの有るハニカム焼成体とクラックの無いハニカム焼成体とについて、スス補集試験を行い、本発明の検査方法の信頼性を評価した。
(ハニカム焼成体の製造)
平均粒径10μmのα型炭化ケイ素粉末250kgと、平均粒径0.5μmのα型炭化ケイ素粉末100kgと、有機バインダ(メチルセルロース)20kgとを混合し、混合粉末を調製した。
次に、別途、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)12kgと、可塑剤(グリセリン)5kgと、水65kgとを混合して液体混合物を調製し、この液体混合物と混合粉末とを湿式混合機を用いて混合し、湿潤混合物を調製した。
なお、ここで調製した湿潤混合物の水分含有量は、14重量%であった。
次に、搬送装置を用いて、この湿潤混合物を押出成形機に搬送し、押出成形機の原料投入口に投入した。
なお、押出成形機投入直前の湿潤混合物の水分含有量は、13.5重量%であった。
そして、押出成形により、図4に示した形状の成形体を作製した。
次に、マイクロ波乾燥機等を用いて上記生成形体を乾燥させた後、上記湿潤混合物と同様の組成の封止材ペーストを所定のセルに充填した。
次いで、再び乾燥機を用いて乾燥させた後、400℃で脱脂し、常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間で焼成を行うことにより、気孔率が40%、平均気孔径が12.5μm、その大きさが34.3mm×34.3mm×150mm、セルの数(セル密度)が46.5個/cm、セル壁の厚さが0.25mmの炭化ケイ素焼結体からなるハニカム焼成体を製造した。
(最適荷重の決定)
最適荷重を求める具体的な手順は下記(1)〜(3)の通りである。
(1)作製したハニカム焼成体について、X線CT装置SMX−225CT((株)島津製作所社製)を使用してハニカム焼成体内部におけるクラックの存在を調べ、クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを判別して、それぞれ振り分ける。
(2)上記(1)で予め振り分けておいたクラックの無いハニカム焼成体及びクラックの有るハニカム焼成体のそれぞれ30個のサンプルについて、表1に示した荷重ごとに荷重負荷試験を行い、その荷重におけるサンプルの破断率を求める。
(3)上記(2)の荷重負荷試験の結果から、クラックの無いハニカム焼成体での破断率が0%であって、かつ、クラックの有るハニカム焼成体での破断率が100%となる範囲を求め、クラックのあるハニカム焼成体を確実に判別できる荷重を最適荷重とする。
荷重負荷試験としては、図1に示す搬送部材1として幅100mmのベルトコンベアを用い、検査部10における検査手法として4点曲げ強度試験を採用した。4点曲げ強度試験では、支持部材2間のスパンを133mm、押圧部材3間のスパンを20mmとし、押圧スピードを0.35mm/minとし、一の押圧部材3による荷重(圧力)を表1に示した値としてハニカム焼成体の破断の有無を評価した。荷重条件及びこの荷重条件における破断率を表1に示した。
Figure 2008170409
表1の結果から、ハニカム焼成体に負荷した荷重と破断率との関係が図5に示すグラフのように表される。図5は、ハニカム焼成体に負荷した荷重と破断率との関係を示すグラフである。図5に示すように、本実施例においてクラックの無いハニカム焼成体での破断率が0%であって、かつ、クラックの有るハニカム焼成体での破断率が100%となる負荷
応力の範囲は20〜30MPaであり、この範囲の負荷荷重(例えば、25MPa)を用いることにより、確実な選別を行なうことができる。
このような手法を用いることにより、本実施例で製造したハニカム焼成体について、4点曲げ強度試験等の荷重負荷試験を行った際に、クラックが存在する場合にはハニカム焼成体が破断してしまう荷重を求めることができる。
また、上記のように、ハニカム焼成体の大きさ、材料、セル仕様(例えば、セル壁の厚さ、セル数等)の検査対象ごとに適合した最適条件を求めることができるので、最終製品として使用すると不良品となる確率の高いハニカム焼成体を確実に選別することができる。
(クラックの有無がススの捕集性能に与える影響の評価)
本実施例で製造したハニカム焼成体について、クラックの有無がフィルタとしての性能にどのような影響を与えるかを検証すべくスス捕集試験を行った。
まず、上記スス捕集試験は、予めクラックの無いハニカム焼成体と、クラックの有るハニカム焼成体とを選別しておき、各ハニカム焼成体に排ガスを流通させて行った。
上記スス捕集試験の具体的な手順は、下記(1)〜(4)の通りである。
(1)上記X線CT装置を使用してハニカム焼成体を透視し、クラックの有るハニカム焼成体とクラックの無いハニカム焼成体とを判別して振り分けた。
クラックの無いハニカム焼成体の透視画像写真では、ハニカム焼成体の全体に渡って、クラックの存在は確認されないが、クラックの有るハニカム焼成体の透視画像写真では、ハニカム焼成体の中央付近の2箇所で、クラックが長手方向とほぼ垂直な方向で全幅にわたって存在していることが確認できた。
(2)上記X線CT装置によって判別したクラックの有るハニカム焼成体及びクラックの無いハニカム焼成体のそれぞれに、図6に示したようなスス捕集試験装置270を用いてスス捕集試験を行った。図6は、スス捕集試験装置の説明図である。
このスス捕集試験装置270は、2Lのコモンレール式ディーゼルエンジン276と、エンジン276からの排ガスを流通させる排ガス管277と、排ガス管277に接続されこの排ガス管277の一部を構成する金属ケーシング271と、過剰の排ガスを排出する配管280とで構成されている。金属ケーシング271は、エンジン276から約60cmの距離で配置されており、この金属ケーシング271に、厚さ5mmのセラミックファイバー製マット272を巻いたハニカム焼成体100を固定する。
スス捕集試験は、エンジン276を回転数が3000min−1、トルクが50Nmで30分間運転し、エンジン276からの排ガスをハニカム焼成体100に流通させることにより行った。
(3)試験後に、ハニカム焼成体100及びマット272を金属ケーシング271から取り出し、ハニカム焼成体100及びマット272の表面の状態を目視にて観察して、ハニカム焼成体100におけるクラックの有無とススの捕集性能との関係を評価した。
その結果、クラックの無いハニカム焼成体は破断することもなく、ススがマット272に付着することもほとんどなかった。一方、クラックの有るハニカム焼成体は、長手方向に垂直な方向に1箇所破断が発生しており、また、破断が発生した位置より排ガスの流れの下流側ではマット272にススが付着し、黒ずんだ状態となっていた。これは、ススが、破断部位からマット272へと流出したからであると考えられる。
(4)また、試験に供したクラックの無いハニカム焼成体及びクラックの有るハニカム焼成体を長手方向に沿って切断し、セル壁に堆積したススの厚さ(以下、ススの堆積厚ともいう)を電子顕微鏡(JEOL社製、JSM−5900LV)で観察した。
その結果、クラックの無いハニカム焼成体ではススの堆積厚が約60μmであったのに対し、クラックの有るハニカム焼成体ではさらにススの堆積厚が薄かった。
このことからも、クラックの有るハニカム焼成体では、ススが破断部位より流出していると考えられる。
このスス捕集試験において、クラックの有るハニカム焼成体が破断に至ったのは、クラックが有るハニカム焼成体は機械的強度が低いためであり、ディーゼルエンジンの振動等を受けてクラックが成長し、破断に至ったものと考えられる。
以上より、クラックを有するハニカム焼成体はフィルタとして使用すると、使用中に破損等の不具合を発生するおそれが高く、また、クラックを有するハニカム焼成体を含んだ複数個のハニカム焼成体を結束したハニカム構造体もまた、上述した不具合が発生するおそれを有していると考えられる。従って、本発明の製造方法において、クラックの有るハニカム焼成体とクラックの無いハニカム焼成体とを判別することは、非常に有用であると考えられる。
(本発明のハニカム焼成体の検査方法を用いたクラックの有無の確認)
次いで、作製したハニカム焼成体163個について、本発明のハニカム焼成体の検査方法において上記のように求めた最適荷重を用いて検査した。さらに、本検査方法に続いて、良品と判別されたハニカム焼成体を使用してスス補集試験を行った。
本検査方法では、一の押圧部材3による荷重(圧力)として25MPaを採用し、上記の最適荷重を求める手順と同様にして荷重負荷試験を行い、ハニカム焼成体におけるクラックの有無を評価した。
その結果、本検査方法では、作製した163個のハニカム焼成体には、クラックの無いハニカム焼成体(良品)160個の他、クラックの有るハニカム焼成体(不良品)が3個含まれていることが分かった。
次に、160個の良品について、上記スス捕集試験を行った。
その結果、全てのハニカム焼成体において、マットへのススの付着は観察されず、クラックが存在しないことが確認された。
このように、本発明のハニカム焼成体の検査方法では、クラックの有るハニカム焼成体とクラックの無いハニカム焼成体とを効率よくかつ簡便に判別し振り分けることができる。従って、本発明のハニカム構造体の製造方法では、最終工程を経たハニカム構造体における不良品の発生も抑えることができ、製造工程全体の生産効率を維持しつつ、所定の品質を有するハニカム構造体を効率よく製造することができる。
図1は、本発明のハニカム焼成体の検査方法の実施形態の一例を示す斜視図である。 図2は、本発明のハニカム焼成体の検査方法の別の実施形態の一例を示す斜視図である。 図3は、ハニカム構造体の一例を模式的に示す斜視図である。 図4(a)は、ハニカム構造体を構成するハニカム焼成体を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、そのA−A線断面図である。 図5は、ハニカム焼成体に負荷した荷重と破断率との関係を示すグラフである。 図6は、スス捕集試験装置の説明図である。
符号の説明
1、1a、1b 搬送部材
2、2a 支持部材
3 押圧部材
4 分配機構
5a、5b 持ち上げ手段
10 検査部
20a、20b、20c、20d、20e ハニカム焼成体
100 ハニカム構造体
270 スス捕集試験装置
271 金属ケーシング
272 マット
276 エンジン
277 排ガス管
280 配管

Claims (8)

  1. 多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム焼成体におけるクラックの有無を、前記ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら検査することを特徴とするハニカム焼成体の検査方法。
  2. 前記搬送部材は、分配機構を備えており、
    クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを前記分配機構により分ける請求項1に記載のハニカム焼成体の検査方法。
  3. 前記クラックの有無は、前記ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることにより検査する請求項1又は2に記載のハニカム焼成体の検査方法。
  4. セラミック原料を成形することにより、多数のセルがセル壁を隔てて長手方向に並設された柱状のハニカム成形体を製造し、このハニカム成形体を焼成して得たハニカム焼成体からなるハニカム構造体を製造するハニカム構造体の製造方法であって、
    ハニカム焼成体を作製した後、前記ハニカム焼成体におけるクラックの有無を検査し、クラックの無いハニカム焼成体からハニカム構造体を製造することを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
  5. 前記ハニカム焼成体におけるクラックの有無の検査は、前記ハニカム焼成体を搬送部材で搬送しながら行う請求項4に記載のハニカム構造体の製造方法。
  6. 前記搬送部材は、分配機構を備えており、
    クラックの無いハニカム焼成体とクラックの有るハニカム焼成体とを前記分配機構により分ける請求項5に記載のハニカム構造体の製造方法。
  7. 前記クラックの有無は、前記ハニカム焼成体に所定の荷重を加えることにより検査する請求項4〜6のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
  8. クラックの無いハニカム焼成体をシール材層を介して複数結束させて前記ハニカム構造体を製造する請求項4〜7のいずれかに記載のハニカム構造体の製造方法。
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