JP2008169630A - 砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造及びその構築工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼製枠えん堤の上流側に、同えん堤から離れた位置の地盤に土台コンクリートが設けられ、土台コンクリート上に外壁が土石流及び流木等による衝撃を受ける前記えん堤の上流側壁面を覆うように設置され、前記外壁とえん堤の上流側壁面との間に緩衝性能を有する充填材が充填されて成る。
【選択図】 図1
Description
砂防、治山用鋼製枠えん堤の上流側壁面を土石流や流木等による衝撃から緩和、吸収する緩衝構造であって、
前記鋼製枠えん堤の上流側に、同えん堤から離れた位置の地盤に土台コンクリートが設けられ、前記土台コンクリート上に、外壁が、土石流及び流木等による衝撃を受ける前記えん堤の上流側壁面を覆うように設置され、前記外壁とえん堤の上流側壁面との間に緩衝性能を有する充填材が充填されて成ることを特徴とする。
鋼製枠えん堤の上流側壁面に腹起材を固定し、前記外壁の下流側面に腹起材を固定し、両者の腹起材をアンカー材及び連結材で結合したことを特徴とする。
充填材の充填構造は、外壁に仕切られた中の下流側部分に土砂が、上流側部分にソイルセメントが充填された構造であることを特徴とする。
連結材は、その長さを調節するカプラーを備えていることを特徴とする。
鋼製枠えん堤の上流側に設けた土台コンクリートに溝形状の基礎梁を固定し、その上に柱材とサポート材及び腹起材を設置し、前記基礎梁の上に、高さが異なる鋼製矢板を交互の配置に連結して立て、これを前記柱材とサポート材及び腹起材によって支持させ、前記外壁と鋼製枠えん堤の壁面との間に充填材を背の低い鋼製矢板の上端レベルまで充填し、締め固めた後に、その頂面にアンカー材および連結材を設置し、再び鋼製矢板を立て、充填材を充填し、締め固めてアンカー材を設置する工程を段階的に繰り返し、最終の外壁頂部に堤冠材を設置し、充填材の上面へ天端保護材を設けることを特徴とする。
前記鋼製枠えん堤が、既設の構築物であり、前記緩衝構造が新設の構築物であることを特徴とする。
前記鋼製枠えん堤が、既設の構築物であり、前記緩衝構造が新設の構築物であることを特徴とする。
砂防、治山用の鋼製枠えん堤の上流側壁面を土石流や流木等による衝撃から緩和するべく、前記鋼製枠えん堤の上流側の地盤上に外壁を鋼製枠えん堤の上流側壁面を覆うように設置し、前記外壁とえん堤の上流側壁面との間に充填材を充填した構成であるので、コンクリートダムに比して比較的簡易に構築される鋼製枠えん堤を大規模な土石流の大きな衝撃力から緩和できる。また、鋼製枠えん堤に一体的に付設する構成としたので、鋼製枠えん堤の補強効果と延命効果を期待できる。のみならず、既設の鋼製枠えん堤などの老朽化した鋼製枠えん堤に実施して補強することができる。
前記鋼製枠えん堤1の上流側Fに、同えん堤1から離れた位置の地盤に土台コンクリート2が設けられ、前記土台コンクリート2の上に、外壁3が、土石流及び流木等による衝撃を受ける前記えん堤1の上流側壁面10を覆うように設置され、前記外壁3とえん堤1の上流側壁面10との間に緩衝性能を有する充填材が充填されて成る。
本発明は、砂防・治山用の鋼製枠えん堤1の上流側壁面10に構築して、土石流や流木等による衝撃力を緩和、吸収させる緩衝構造を得るために実施される。前記鋼製枠えん堤1は、既設の構築物であり前記緩衝構造が新設の構築物として好適に実施される。勿論、鋼製枠えん堤1も新設の構築物とする場合においても実施できる。
図1に示すように、本発明の緩衝構造は、衝撃力が作用する鋼製枠えん堤1の上流側Fに、設けられるものであり、その上流側壁面10の全面が覆われるように構築されることが好ましい。図示例では、えん堤1の左右端を緩衝構造により覆っていないが如くに表しているが、実際は緩衝構造の左右端は地山に覆われており、同えん堤1の上流側壁面10の全面を覆っている形状であることを付言する。なお、鋼製枠えん堤1の構築に関する説明は省略し、以下に緩衝構造及びその構築工法についてのみ説明する。
前記土台コンクリート2上には、詳しくは図3に示したように、外壁3が垂直方向に設置される。同外壁3は垂直方向のみならず現場の状況に対応させて勾配をつけて設置することも好適に実施される。外壁3は上述したように土石流及び流木等による衝撃を受ける前記えん堤1の上流側壁面10を全て覆うように(図1参照)構築される。勿論、部分的な補強を主目的とする場合においては必ずしも全面を覆う構造とする必要はない。
土台コンクリート2の上端面の上流側Fの位置に鋼製矢板30a、30bの下端を挿入でき且つその位置を定める上向きに開口した溝形状の基礎梁6を、上流側壁面10の長手方向に一連に配置する。
前記基礎梁6には直交する配置にアンカー金具5を複数本接合してあり、土台コンクリート2に予め用意しておいた打込み式アンカーボルト4を利用して前記アンカー金具5を固定し、ひいては基礎梁6を固定する。前記基礎梁6の溝内へ挿入して垂直に立てた柱材7に、下端を前記アンカー金具5とボルト止め等の手段で結合した斜めサポート材8の上部が交わり、その交差箇所をボルトで結合して固定される。柱材7にはアングル材等が使用される。前記柱材7を基礎梁6の長手方向に数mおきに立てて、各々サポート材8で支持させ、各柱材7に沿って内側に、第一段目及び第二段目の腹起材9a、9bをそれぞれ水平方向に配置し、ボルト止め等の手段で結合して前記柱材7と架設、支持させる。第一段目及び第二段目の腹起材9a、9bはアングル材を使用する。図3中の符号90は腹起材同士の接続金物を指している。
なお、ハーフ鋼製矢板30bは予め、基礎梁6を土台コンクリートに設置する前に、溝内へ溶接固定しておいてもよい。
充填材の充填構造としては、図3に細事したように、外壁3に仕切られた中の下流側部分Bに現地発生土やクラッシャーラン等の土砂を充填し、上流側部分Aにソイルセメントが充填されて成る構造である(請求項3記載の発明)。
前記外壁3は鋼製枠えん堤1の鋼製枠13と連結されているため、充填材の側圧により同外壁3が外側へ撓むことを防止できると共に、不同沈下による既設の鋼製枠えん堤1の形状が変形している場合においても、前記カプラー18により変形に応じて自在に調節して外壁位置を真っ直ぐに設置することができる。
鋼製矢板の第2段目以降についても、標準鋼製矢板30aが順次上下左右方向に継ぎ足され、その内側に腹起材9c、角形鋼管15が固定され、充填材の充填作業が行われ、締め固めてアンカー材11、連結材17を設置する工程を段階的に繰り返して緩衝構造が構築されている。その高さは例えば7m程である。
2 土台コンクリート
3 外壁
30a、30b 鋼製矢板
6 基礎梁
7 柱材
8 サポート材
9 腹起材
11 アンカー材
14 金具
17 連結材
18 カプラー
19 堤冠材
20 天端保護材
Claims (7)
- 砂防、治山用鋼製枠えん堤の上流側壁面を土石流や流木等による衝撃から緩和、吸収する緩衝構造であって、
前記鋼製枠えん堤の上流側に、同えん堤から離れた位置の地盤に土台コンクリートが設けられ、前記土台コンクリート上に、外壁が、土石流及び流木等による衝撃を受ける前記えん堤の上流側壁面を覆うように設置され、前記外壁とえん堤の上流側壁面との間に緩衝性能を有する充填材が充填されて成ることを特徴とする、砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造。 - 鋼製枠えん堤の上流側壁面に腹起材を固定し、前記外壁の下流側面に腹起材を固定し、両者の腹起材をアンカー材および連結材で結合したことを特徴とする、請求項1に記載した砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造。
- 充填材の充填構造は、外壁に仕切られた中の下流側部分に土砂が、上流側部分にソイルセメントが充填された構造であることを特徴とする、請求項1又は2に記載した砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造。
- 連結材は、その長さを調節するカプラーを備えていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造。
- 鋼製枠えん堤の上流側に設けた土台コンクリートに溝形状の基礎梁を固定し、その上に柱材とサポート材及び腹起材を設置し、前記基礎梁の上に、高さが異なる鋼製矢板を交互の配置に連結して立て、これを前記柱材とサポート材及び腹起材によって支持させ、前記外壁と鋼製枠えん堤の壁面との間に充填材を背の低い鋼製矢板の上端レベルまで充填し締め固めた後に、その頂面にアンカー材および連結材を設置し、再び鋼製矢板を立て、充填材を充填し、締め固めてアンカー材を設置する工程を段階的に繰り返し、最終の外壁頂部に堤冠材を設置し、充填材の上面へ天端保護材を設けることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造の構築工法。
- 鋼製枠えん堤が、既設の構築物であり、緩衝構造が新設の構築物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造。
- 鋼製枠えん堤が、既設の構築物であり、緩衝構造は新設の構築物であることを特徴とする、請求項5に記載した砂防・治山用鋼製枠えん堤の緩衝構造の構築工法。
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