JP2008169267A - 放熱材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、高熱伝導率を有し、かつ柔軟性と引張伸び率に優れた放熱材及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、放熱材の製造方法であって、第1の基板面に対して略垂直に配向したカーボンナノチューブ層を形成する第一の工程、該カーボンナノチューブ層の隙間または/およびカーボンナノチューブ層の上面に第二成分である樹脂または金属を充填する第二の工程を有することを特徴とする放熱材の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、極めて放熱性が高いカーボンナノチューブ系複合材料を利用した放熱材とその製法に関する。
パーソナルコンピュータやモバイル電子機器の高機能化に伴い、CPU等の発熱源の発熱量が飛躍的に増大しており、放熱デバイスの高性能化が求められている。放熱手法の一つとして簡易でかつ効果的な方法は、発熱源の表面に放熱シートや接着剤を貼り付けて放熱する方法である。
このような放熱シートには、高熱伝導率といわゆる接着性が要求される。接着性とは、熱源に貼り付けた時に、熱源の表面の凹凸形状に合わせて形状を柔軟に変えることができる必要がある。すなわち、樹脂の中でも引っ張り伸び率が高く、柔らかい樹脂が必要となる。
これらの材料は、一般的には樹脂中に高熱伝導率の粒子を分散した材料である。高熱伝導率粒子としては、熱伝導率が400W/mK程度あるAgやCuなどの金属粒子、Al23やAlNなどのセラミックス粒子が用いられることが多いが、それぞれ課題がある。
これらの複合材料において高い熱伝導率を発現させるためには、高熱伝導率の分散粒子の体積含有率を高く設定しなければならない。すなわち、ある程度、分散粒子がお互いに接触し、金属相のネットワークを形成させることである程度の熱伝導率が発現する。例えば、Ag粒子を分散した場合は、9W/mK程度が得られる(特許文献1)。しかし、熱伝導率は満足できるレベルにない、比重が大きく重いという課題がある。
一方、セラミックス粒子分散型複合材料の場合は、セラミックス粒子自体の熱伝導率が低い。例えば、絶縁性材料である焼結Al23、AlNセラミックスの熱伝導率は、それぞれ50、170W/mK程度である。これらの値は、あくまで十分に焼結させて結晶性を高くし、かつ結晶中の不純物を減らした焼結体での値であり、これらのセラミックスを粒子にした場合の熱伝導率はこれらの値よりも遙かに低い。従って、上記金属粒子分散型複合材料と同様の構造体を作製した場合(特許文献2)には、熱伝導率はずっと低いという課題がある。
熱伝導率の高いフィラーとしては、カーボンナノチューブがよく知られている。カーボンナノチューブの長さ方向の熱伝導率はダイヤモンドに匹敵するとも言われているが、カーボンナノチューブは極端に微細な材料であるため、樹脂中へ分散させた場合、樹脂との界面の面積が極めて大きくなり、この界面の熱抵抗が高いために、結果として複合材料の熱伝導率を高くすることができない。
特開2002−003829 特開2005−139267
本発明は、高熱伝導率を有し、かつ柔軟性と引張伸び率に優れた放熱材及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明はこの課題を解決すべくされたものであり、カーボンナノチューブの長さ方向の
高い熱伝導率を有効に生かし、かつ柔軟性の高い樹脂系複合材にすることができる。
すなわち、樹脂系複合材において、カーボンナノチューブの長さ方向を、熱伝導率が要求される方向にほぼ平行に配向させた構造を持たせることで高熱伝導率を発現させ、かつ接着性に優れた放熱用シートを提供するもので、以下の特徴を持つ。
(1)カーボンナノチューブと第二成分である樹脂または金属とを有する複合材料であって、該複合材料の吸熱部から放熱部まで、カーボンナノチューブが連続相として配向していることを特徴とする放熱材である。
(2)前記複合材料が第1の基板と第2の基板によって把持されていることを特徴とする上記(1)に記載の放熱材である。
(3)前記カーボンナノチューブが前記第2の基板面に略垂直に配向していることを特徴とする上記(2)に記載の放熱材である。
(4)前記カーボンナノチューブの含有量が5〜50vol%である上記(1)〜(3)のいずれか一に記載の放熱材である。
(5)前記カーボンナノチューブが、前記第1の基板上に島状に形成された触媒微粒子層の上にカーボンナノチューブ塊として形成され、複数の該カーボンナノチューブ塊と前記第2の基板が樹脂により結合されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか一に記載の放熱材である。
(6)前記触媒微粒子層がモリブデン又は/及びコバルトにより形成されていることを特徴とする上記(5)に記載の放熱材である。
(7)前記カーボンナノチューブの長さが20〜100μmであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか一に記載の放熱材である。
(8)前記第2の基板が金属又は樹脂であることを特徴とする上記(2)〜(7)のいずれか一に記載の放熱材である。
(9)前記第2の基板の表面に熱放射層が形成されていることを特徴とする上記(2)〜(8)のいずれか一に記載の放熱材である。
(10)前記第1の基板が除去されていることを特徴とする上記(2)〜(9)のいずれか一に記載の放熱材である。
(11)前記第2の基板と対向する面に粘着層が設けられていることを特徴とする上記(2)〜(10)のいずれか一に記載の放熱材である。
(12)前記複合材料の引張伸び率が10%以上であることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれか一に記載の放熱材である。
(13)前記複合材料の熱伝導率が、10W/mK以上であることを特徴とする上記(1)〜(12)のいずれか一に記載の放熱材である。
(14)放熱材の製造方法であって、第1の基板面に対して略垂直に配向したカーボンナノチューブ層を形成する第一の工程、該カーボンナノチューブ層の隙間又は及びカーボンナノチューブ層の上面に第二成分である樹脂または金属を充填する第二の工程を有することを特徴とする放熱材の製造方法である。
(15)複合材料を介して前記基板と対向する面に第2の基板を設ける第三の工程を有することを特徴とする上記(14)に記載の放熱材の製造方法である。
(16)第1の基板を剥離する第四の工程を有することを特徴とする上記(14)又は(15)に記載の放熱材の製造方法である。
(17)前記カーボンナノチューブ層を形成する第1の工程において、カーボンナノチューブを気相合成法によって複合材料中に5〜50vol%含まれるように成長させることを特徴とする上記(14)〜(16)のいずれか一に記載の放熱材の製造方法である。
(18)前記第1の基板上に触媒微粒子層を島状に形成し、その上にカーボンナノチューブを塊状に形成し、複数の該カーボンナノチューブ塊と島状に形成することを特徴とする上記(17)に記載の放熱材の製造方法である。
(19)前記触媒微粒子層がモリブデン又は/及びコバルトにより形成されていることを
特徴とする上記(18)のいずれか一に記載の放熱材の製造方法である。
本発明により、熱伝導率の高いカーボンナノチューブが特定方向に配向しているため、高い熱伝導率と高い引張り伸び率を持つ樹脂系複合材からなる放熱材を提供できる。
本発明の放熱材は、カーボンナノチューブと、第二成分である樹脂又は金属とを有する複合材料からなるものである。本発明の放熱材では、カーボンナノチューブが連続相として配向されている。すなわち、カーボンナノチューブが含有される部位中では、カーボンナノチューブは該部位の吸熱部である一面から、放熱部である他の一面までほぼ連続体となっているため、熱が伝わる向きにカーボンナノチューブと樹脂の界面はほとんど存在しない。そのため、熱はカーボンナノチューブを優先的に通って移動することができるので、高い放熱性を発現する。樹脂は生成しているカーボンナノチューブの隙間に充填される。
また、本発明の放熱材料をシート状の形状とした場合には、上記複合材料が第1の基板と第2の基板により把持された構造をとる。しかしながら、第1の基板は、後述するように製造過程において除去されていても構わない。
本発明の放熱材において、カーボンナノチューブは特定のピッチをもって基板面に成長している必要がある。各カーボンナノチューブ同士がほとんど密に生成していたり、またピッチが極端に狭い場合は、樹脂を充填することができない。充填する樹脂の粘性にもよるが、樹脂を充填するためには、各カーボンナノチューブの隙間が少なくとも2〜3μm以上は必要である。
一方、カーボンナノチューブが緻密に生成している場合でも、生成している部分と生成していない部分を交互にすることで、本発明の目的は達せられる。例えば、予め第1の基板表面をマスクしておき、マスク部にはカーボンナノチューブが生成しないようにしておけば、カーボンナノチューブの塊が第1の基板上に形成され、このような構造になる。
カーボンナノチューブの長さは20μm以上が好ましい。20μm未満だと、樹脂量が少なくなり、樹脂の柔軟性を十分に生かせなくなる。100μmを超えると、カーボンナノチューブの合成に時間がかかる。
基板面に垂直配向したカーボンナノチューブはどのような方法で形成してもよい。例えば、モリブデンやコバルトなどの触媒微粒子を第1の基板に島状に付着させておき、エタノールガスを高温で基板に接触させるようなCVD法などがある。この時、触媒粒子を付着させる部分と付着させない部分を交互に形成しておくとよい。このような島状の触媒微粒子層は、例えば、金属メッシュを第1の基板上に設置し、この上からスパッタリング法で、コバルトやモリブデンをコーティングして微粒子を一定のパターンで付着させることにより作製することができる。
次に、カーボンナノチューブを形成していない部分に樹脂又は金属を充填させる。このような構造を持つカーボンナノチューブと樹脂の複合層はカーボンナノチューブの長さ方向に高い熱伝導率を持つ。シート形状にした場合は、シートの厚み方向に高い熱伝導率を持つことになる。本発明の放熱材において、前記複合材料の熱伝導率が10W/mK以上であるという特徴を有するため、高熱伝導率の放熱材を提供することが可能である。
カーボンナノチューブを形成した面積が少ないと相対的に樹脂の含有率が高くなり熱伝導率は低いが柔軟性に富む複合材となる。逆に多いと熱伝導率は高くなるが、柔軟性や密着性が低下する。熱伝導率と柔軟性のバランスを考えると、カーボンナノチューブの体積含有率は5〜50vol%含まれているのがより好ましい。5vol%未満では十分な放
熱性を得られず、50vol%を超えると複合材料の伸び率が低下するためである。
次に、このような構造を持つ放熱シートの製法例を説明する。
ここでは、CVD法を用いて、カーボンナノチューブを作製した例について説明する。一般に、CVD法によりカーボンナノチューブを作製するためには、800℃以上にすることが必要なため、第1の基板としては少なくとも800℃に耐熱性を有する材質であれば特に限定されることはない。さらに、後述するように、樹脂を硬化させる工程において、光硬化を利用する場合には、第1の基板は透光性に優れていることが好ましい。ここでは、透光性の高い石英ガラスを用いた例により説明をする。
まず、第1の基板である石英ガラスの表面に、基板上に一辺が100μmの長方形の穴が、隣り合う穴の距離が100μmで開いた金属メッシュを基板上に設置する。この上からスパッタリング法で、触媒となるコバルトをコーティングしてコバルトの微粒子を一定のパターンで付着させる。次に、基板を炉内に設置し、エタノールガスをアルゴンガスをキャリアガスとして、温度800℃、炉内圧力300torrで反応させる。これにより、基板面にほぼ垂直に成長したカーボンナノチューブ層が形成できる。
次に、カーボンナノチューブを形成していない部分に樹脂を充填して複合層を形成する。樹脂としては例えば紫外線硬化型樹脂を含浸させる。含浸は、例えば、基板の上から樹脂を滴下しデシケータ等の容器に装填した後、デシケータ内部を真空にすることで含浸がしやすくなる。
次に、樹脂を含浸して複合化した層の表面に第2の基板であるCu箔を接着させる。接着方法としては、第2の基板を重ねた後、基板の上からローラー等で平坦化することで、ちょうどウィスカーの先端部と第2の基板が接触して、余分な樹脂を除去することができる。このようにして、石英ガラス/複合層/Cu箔の積層構造を持つ構造体ができる。
また、樹脂の代わりに金属を含浸充填して複合層を形成してもよい。この場合には、金属としては、Cu、Agやそれらの合金等、熱伝導率の高い金属が好ましい。なお、カーボンナノチューブを形成していない部分に金属を充填しても十分な柔軟性(面内方向の熱膨張係数が大きい)を維持することができる。
第2の基板としては、Cu箔の他にも、Al箔や、ポリイミド等の樹脂箔も好ましく用いることができる。このとき、カーボンナノチューブと金属層は直接接触していることが好ましいが、カーボンナノチューブと金属層との間に樹脂のみの薄い層があってもよい。この場合は、カーボンナノチューブ及び樹脂を有する複合層と金属層との接着力を高めることができるが、熱伝導率の面から、樹脂のみの層は厚くなりすぎないことが好ましい。
次に、この構造体の石英ガラス側から紫外線を照射する。この処理により、樹脂が硬化する時に、樹脂成分と石英ガラス間、および樹脂成分とCu箔間が接着される。本発明の放熱材料であって、第1の基板が残った状態の概念図を図1に示す。なお、図1はカーボンナノチューブと金属層とが直接接触している場合、図2はカーボンナノチューブと金属層との間に樹脂のみの層がある場合を示している。
最後に、第1の基板である石英ガラスを除去する。石英ガラスのみを除去するためには石英ガラスと樹脂間の密着力を、Cu箔と樹脂の密着力に比べて小さくしておけばよい。例えば、Cu箔の表面粗度を石英ガラスの表面粗度よりも大きくしておくと、アンカー効果により密着力が大きくなった樹脂−Cu箔間は剥離しにくくなる。その他の方法として、樹脂を含浸する際に、カーボンナノチューブの先端部よりも若干高い位置まで樹脂を存在させることにより、樹脂との接触面積が増大するCu箔−樹脂間の密着力を増大させる等の方法もある。このような転写処理をすることにより、Cu箔等の熱伝導率の高いシート上に複合層を形成することもできる。
このように、樹脂を紫外線で硬化させる場合は、第1の基板は紫外線を透過できる透明度を持つ必要がある。一般に、紫外線硬化は波長が364nm又はこれより短い波長の紫外線を用いるので、この波長周辺の光をよく通す基板が好ましい。石英ガラスやサファイア基板は透過率が90%以上あるので最適であるが、普通のソーダライムガラスでも364nmの紫外線に対して60%程度は透過するので、紫外線の照射時間を長くする等の手法で対応できる。また、可視光線で硬化する樹脂の場合には、一般に青色の光(460nm以下)を利用するため、波長がこれ以下の可視光線を透過する基板を用いてもよい。
紫外線硬化樹脂の中で、硬化後でも柔らかい樹脂を用いることが好ましい、なぜなら、このような放熱シートには、熱源となる部品の形状に対する追従性が要求されるためである。すなわち、柔らかいほど、発熱部品の表面との隙間ができにくく、その隙間に存在する空気による熱輸送の損失が少ない。樹脂の柔らかさは、一般には引っ張り試験時の伸び率が目安になる。伸び率としては50%以上が好ましい。
例えば、主鎖がポリイソプレンからなり、主鎖の両端にアクリル系二重結合を持つウレタンアクリレート系樹脂などがある。そのほかの樹脂でももちろんかまわない。本発明のカーボンナノチューブ−樹脂複合材は、カーボンナノチューブがシートの厚さ方向に沿って垂直に成長しているため、隣のカーボンナノチューブとは独立して存在している。そのため、樹脂を含浸した後も、シートの面内方向の伸びに対しての抵抗が小さいという特徴がある。すなわち、引っ張り伸び率の高いシートとなるのである。本発明に係る放熱材は引張伸び率が10%以上であるという特徴を有するため、発熱部材の形状に合うように変形させて使用することが可能となる。
また、カーボンナノチューブをCu箔に直接形成すると、転写処理が不要になる。
このような放熱用シートを熱源に貼り付けると、熱は熱伝導率の高い複合材の厚み方向に沿って、熱伝導率の極めて高いCu箔に伝達される。その際に、例えばCu箔のような第2の基板として高熱伝導率の金属層があると、複合材から伝えられた熱は、Cu箔の厚み方向に加えて、Cu箔の面内方向にも伝達されるので、放熱効果は極めて大きくなる。
Cu箔と対向する面に粘着層があると発熱源への貼り付け・剥がしが容易になるので好ましい。Cu箔のような第2の基板の最表面に熱放射層を有すると、表面からの輻射によっても放熱できるので好ましい。熱放射層としては、熱を赤外線として大気中に放射できるものであれば特に限定されない。セラミックス等も好ましく用いることができる。
<カーボンナノチューブの合成>
第1の基板として、直径50mm、厚さ1mmの石英ガラスを用いた。
石英ガラスの表面に、基板上に一辺が100μmの長方形の穴が各種ピッチで開いた金属メッシュを基板上に設置した。ここで、ピッチとは穴の中心から隣り合う穴の中心までの距離を意味する。この上からスパッタリング法で、触媒となるコバルトをコーティングしてコバルトの微粒子を一定のパターンで付着させた。
次に、基板を炉内に設置し、エタノールガスをアルゴンガスをキャリアガスとして、温度800℃、炉内圧力300torr、各種時間で反応させた。これにより、基板面にほぼ垂直に成長したカーボンナノチューブ層が形成した。
<樹脂の含浸>
樹脂としては、アクリル系及びスチレン系の二種類の昭和高分子製のビニルエステル樹脂(商品名:リポキシPH−300A)を用いた。樹脂に1wt%の重合開始剤(IRGACRE184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)を添加し、攪拌した後、カーボ
ンナノチューブを成長させた第1基板表面に滴下した。これを真空オーブンに入れ、ロータリーポンプで真空にしながら室温で樹脂を含浸させた。
<第2の基板の積層>
厚さが35μmのCu箔またはポリイミド箔の一面を#1000のダイヤモンドラップ紙で研磨した。樹脂を含浸した後のカーボンナノチューブ−樹脂複合層の表面に第2基板箔の研磨面を重ねた後、箔の上に回転ローラーを接触させ、回転させながら平坦化させた。
<樹脂の硬化>
その後、第1基板面に波長が365nmの紫外線を50mW/cm2の光強度で照射し
て樹脂を硬化させた後、第1基板を剥離させた。
<熱伝導率測定>
[1]樹脂複合材自体の熱伝導率の測定 樹脂含浸後の試料1〜7を第1基板から引き剥がし、直径10mmに加工し、周期加熱法により熱伝導率を測定した。
[2]引っ張り伸び率の測定 樹脂含浸後の試料1〜7を第1基板から引き剥がし、JIS K 6249準拠の方法で測定した。
比較としては、カーボンナノチューブを複合しない試料8及び9を作製し、同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
測定の結果、カーボンナノチューブの形成面積が大きいほど複合材の熱伝導率は高くなることが分かった。また引っ張り伸び率は樹脂量が多いほど高くなることが分かった。
Figure 2008169267
本発明の放熱材の第1の基板が残った状態の概念図である。 本発明の放熱材の第1の基板が残った状態の別の概念図である。

Claims (19)

  1. カーボンナノチューブと第二成分である樹脂または金属とを有する複合材料であって、該複合材料の吸熱部から放熱部まで、カーボンナノチューブが連続相として配向していることを特徴とする放熱材。
  2. 前記複合材料が第1の基板と第2の基板によって把持されていることを特徴とする請求項1に記載の放熱材。
  3. 前記カーボンナノチューブが前記第2の基板面に略垂直に配向していることを特徴とする請求項2に記載の放熱材。
  4. 前記カーボンナノチューブが、前記複合材料中に5〜50vol%含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一に記載の放熱材。
  5. 前記カーボンナノチューブが、前記第1の基板上に島状に形成された触媒微粒子層の上にカーボンナノチューブ塊として形成され、複数の該カーボンナノチューブ塊と前記第2の基板が樹脂により結合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記載の放熱材。
  6. 前記触媒微粒子層がモリブデン又は/及びコバルトにより形成されていることを特徴とする請求項5に記載の放熱材。
  7. 前記カーボンナノチューブの長さが20〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一に記載の放熱材。
  8. 前記第2の基板が金属又は樹脂であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一に記載の放熱材。
  9. 前記第2の基板の表面に熱放射層が形成されていることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一に記載の放熱材。
  10. 前記第1の基板が除去されていることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一に記載の放熱材。
  11. 前記第2の基板と対向する面に粘着層が設けられていることを特徴とする請求項2〜10のいずれか一に記載の放熱材。
  12. 前記複合材料の引張伸び率が10%以上であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一に記載の放熱材。
  13. 前記複合材料の熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一に記載の放熱材。
  14. 放熱材の製造方法であって、第1の基板面に対して略垂直に配向したカーボンナノチューブ層を形成する第一の工程、該カーボンナノチューブ層の隙間又は及びカーボンナノチューブ層の上面に第二成分である樹脂または金属を充填する第二の工程を有することを特徴とする放熱材の製造方法。
  15. 複合材料を介して前記基板と対向する面に第2の基板を設ける第三の工程を有することを
    特徴とする請求項14に記載の放熱材の製造方法。
  16. 第1の基板を剥離する第四の工程を有することを特徴とする請求項14又は15に記載の放熱材の製造方法。
  17. 前記カーボンナノチューブ層を形成する第1の工程において、カーボンナノチューブを気相合成法によって複合材料中に5〜50vol%含まれるように成長させることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一に記載の放熱材の製造方法。
  18. 前記第1の基板上に触媒微粒子層を島状に形成し、その上にカーボンナノチューブを塊状に形成し、複数の該カーボンナノチューブ塊と島状に形成することを特徴とする請求項17に記載の放熱材の製造方法。
  19. 前記触媒微粒子層がモリブデン又は/及びコバルトにより形成されていることを特徴とする請求項18のいずれか一に記載の放熱材の製造方法。
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