JP2008168212A - 紫外線ランプ内蔵型殺菌装置 - Google Patents

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新一郎 石橋
Yoshio Miyagawa
良男 宮川
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Abstract

【課題】保護管へのスケールの付着を防止し、スケールの剥離に要する費用の低減や環境汚染の防止を図ることにある。
【解決手段】紫外線ランプ1と、この紫外線ランプ1を囲むように設けられた透明な保護管2と、この保護管2を囲むように設けられた外周容器3とを備え、保護管2と外周容器3との間を流れる水溶液中に紫外線ランプ1から発する紫外線を照射することにより当該水溶液を殺菌処理する紫外線ランプ内蔵型殺菌装置であり、発生する磁界の一部が漏洩磁界となって外周容器3内の水溶液中に及ぶように当該外周容器3の外側に磁気剥離装置5の各磁極5a、5bを配置すべく構成している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水溶液を紫外線で殺菌処理するための紫外線ランプ内蔵型殺菌装置に関する。
この種の紫外線ランプ内蔵型殺菌装置としては、紫外線ランプと、この紫外線ランプを囲むように配置された透明な保護管と、この保護管を囲むように配置された外周容器と、保護管と外周容器との間を流れる水溶液中にオゾンガスを供給するガス供給手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上記のように構成された紫外線ランプ内蔵型殺菌装置においては、例えばプールや入浴設備等で用いる水溶液を循環させながら効率よく殺菌することができると共に、塩素等で殺菌する場合に比べて、薬害等の害が人体その他に及ばないという利点がある。
特開平08−132033号公報(図1)
しかしながら、上記従来の紫外線ランプ内蔵型殺菌装置においては、水溶液を循環させながら殺菌していると、当該水溶液に溶け込んでいるCa2+、Mg2+、Si2+などの成分を含むスケールが保護管の外面に付着することになる。また、外周容器が鉄などの金属で形成されている場合には、Fe2+等の成分が水溶液に溶出し、そのような成分を含むスケールも保護管の外面に付着することになる。
上述したようなスケールが保護管の外面に付着すると、保護管の透明度が低下することになるので、紫外線ランプから発する紫外線が保護管と外周容器との間を流れる水溶液に十分に届かなくなる領域ができることになる。即ち、水溶液中の病原菌を殺菌する能力が低下することになる。
このため、スケールが保護管の外面に付着した場合には、殺菌能力が十分あるうちに、紫外線ランプ内蔵型殺菌装置を分解し、保護管に付着したスケールを取り除くことが必要になる。この場合、一般に、薬剤やブラシ等を用いてスケールを保護管から剥離することになる。従って、一定期間ごとにスケールを剥離するための費用が必要になると共に、その剥離のために薬剤を用いることになるので環境汚染を生ずるおそれもある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、保護管へのスケールの付着を防止することができ、スケールの剥離に要する費用の低減や環境汚染の防止を図ることのできる紫外線ランプ内蔵型殺菌装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、紫外線ランプと、この紫外線ランプを囲むように設けられた透明な保護管と、この保護管を囲むように設けられた外周容器とを備え、前記保護管と前記外周容器との間を流れる水溶液中に前記紫外線ランプから発する紫外線を照射することにより当該水溶液中の病原菌を殺菌処理する紫外線ランプ内蔵型殺菌装置であって、前記外周容器の外側に磁気剥離装置を装着し、これにより発生する漏洩磁界からの磁力線を水溶液が切ると、ファラデーの電磁誘導の法則から、ローレンツ力が発生し、前記保護管の外側に付着するスケールを剥離し、保護管の透明度を回復し、紫外線ランプによる殺菌効果を上昇させることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記外周容器中の水溶液は循環し、アルカリ性となるので電離し、前記水溶液のHOはH+OHに電離され、前記Hと前記外周容器がFe2+等の金属製、また前記保護管に付着するスケールにはCa2+、Mg2+、Si2+等が含まれており、イオン化傾向はH<(Fe2+、Ca2+、Mg2+、Si2+)となるので、電流iはHからFe2+及びCa2+、Mg2+、Si2+の方向へ流れるので、前記電流iは前記保護管に付着しているスケールの隙間に流れ、電気分解によりスケールが剥離されることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記外周容器の外側に装着した磁気剥離装置から前記外周容器にアース線を接地すると、前記外周容器の外側よりも水溶液が流れている内側の方が抵抗が小さくなるので、アース線の電流Iは外周容器の内側に流れ、前記電流Iも前記保護管に付着しているスケールの隙間に流れ、スケールを電気分解し、スケールを剥離するので、前記保護管の透明度を回復し、紫外線ランプによる水溶液中の病原菌の殺菌効果を上昇させることを特徴としている。
請求項1〜3に記載の発明によれば、外周容器内の水溶液中に及ぶように当該外周容器の外側に磁気剥離装置を装着し、N極とS極の各磁極を配置し、漏洩磁界による磁力線に対して、流動している水溶液が磁力線を切ると、電磁界の作用によりローレンツ力が発生し、スケールを剥離することになる。また、殺菌を要する水溶液には、一般に各種の成分が溶融しており、これらの成分によって水溶液が電解質となっている。
前記ローレンツ力は、人さし指の方向を磁界の方向、中指の方向を水溶液と共にイオン等の電荷が移動する方向とすると、親指の方向に作用する。この場合、電荷が正のときは、その電荷が移動する方向を電流の方向とした場合のフレミングの左手の法則に従う。また、電荷が負のときは、電荷の移動する方向と反対方向を電流の方向とした場合のフレミングの左手の法則に従う。
また、前記外周容器の外側に磁気剥離装置を装着し、この装置による漏洩磁界によって発生するローレンツ力は、その磁界の方向や大きさが外周容器内の各位置において異なったものとなっていると考えられる。また、水溶液も、流路の方向や断面積が変化する部分を通過することによって流れが乱れ、乱流状態となっていると考えられる。上記ローレンツ力は、保護管と外周容器との間の各位置において、その方向及び大きさが異なったものとなっていると推定される。従って、例えば保護管の外面にスケールが既に付着している場合であれば、ローレンツ力で、当該スケールを保護管から剥離することができる。また、保護管がスケールの付着のないものであれば、当該保護管にスケールが付着するのを防止することができる。
しかも、保護管からスケールを剥離するために、紫外線ランプ内蔵型殺菌装置を分解する必要がないので、スケールの剥離に要する費用を削減することができる。また、スケールを剥離するために、薬剤等を用いる必要がないので、環境汚染を生じるおそれがない。
請求項2に記載の発明によれば、外周容器及びスケールにはFe、Ca、Mg等の金属が含まれ、水素よりイオン化傾向が大きくなるので、即ち、水溶液が電解質となっていることから、水溶液HOはH+OHに電離した状態になっている。このため、外周容器を例えば鉄で形成している場合には、Fe→Fe2++2e及びCa→Ca2++2e、Mg→Mg2++2e等の反応が生じる。この反応による電流iが保護管に付着しているスケールの隙間に流れてスケールを電気分解し、スケールを剥離するので、保護管に付着したスケールをより効率よく剥離することができると共に、スケールが保護管に付着するのを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、外周容器の外側に装着した磁気剥離装置から前記外周容器にアース線を接地しているので、このアース線による電流Iは抵抗の小さい外周容器の内側に流れるので、この電流Iも保護管のスケールの隙間に流れ、スケールを電気分解し、スケールを剥離するので、保護管に付着したスケールを効率よく剥離することができるので、保護管の透明度を回復させ、紫外線ランプによる殺菌効果を上昇させることができると共に、スケールが保護管に付着するのを防止することができる。
更に、外周容器の外側に装着した磁気剥離装置から前記外周容器にアース線を接地することによって、当該外周容器の内方、即ち水溶液の内方における電気抵抗が低くなるので、保護管とスケールとの間にも電流Iが流れるようになる。従って、この電流Iによってスケールの電気分解が促進されることになるので、当該スケールの保護管からの剥離が促進されると共に、スケールが保護管に付着するのを防止することができる。上記保護管に付着しているスケールの剥離に対して電磁界の作用によるローレンツ力と、電解質である水溶液の電離とイオン化傾向の差による電流i及びアース線の接地による電流Iの相乗作用による剥離となるので、スケールが最も効率よく剥離できることが本発明の最大の特長といえる。
以下、本発明を実施するための最良の形態としての一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
この実施の形態で示す紫外線ランプ内蔵型殺菌装置は、図1〜図3に示すように、紫外線ランプ1と、この紫外線ランプ1を囲むように配置された透明な円筒状の保護管2と、この保護管2を囲むように配置された円筒状の外周容器3と、保護管2と外周容器3との間を流れる水溶液にオゾンガスを供給するオゾンガス供給装置4とを備え、上記水溶液を紫外線ランプ1から発する紫外線や、オゾンガス供給装置4から供給されるオゾンガスによって殺菌するように構成されている。
紫外線ランプ1は、オゾンガス(O)を発生させる反応が最も活発となる184.9nmの波長の紫外線と、病原菌に対する殺菌効果が最も高くなる253.7nmの波長の紫外線を少なくとも発生させるべく構成されている。また、紫外線の発光部1aは、図1に示すように、直線状に延在するように形成されている。
保護管2は、石英ガラスによって構成されており、紫外線ランプ1の発光部1aを同軸状に囲むように形成された円筒部2aと、この円筒部2aの先端側を閉塞する半球面状の先端部2bと、円筒部2aの基端側を閉塞する基端部2cとを有している。
外周容器3は、保護管2の円筒部2aを同軸状に囲むように形成された円筒部3aと、この円筒部3aの先端側を閉塞する先端部3bと、円筒部3aの基端側を閉塞する基端部3cとを有しており、基端部3c側から保護管2を挿入するように構成されている。また、この外周容器3は、水素よりイオン化傾向の大きな金属であって、磁性体でもある鉄によって形成されている。
オゾンガス供給装置4は、エアポンプ4aと、このエアポンプ4aから吐出される空気を保護管2内に供給すべく配管された第1管路4bと、保護管2から流出するオゾンガスを含む空気を外周容器3の先端部3bの軸心部に案内すべく配管された第2管路4cと、この第2管路4cの先端部に連結され、オゾンガスを含む空気を保護管2と外周容器3との間の水溶液中に複数の気泡状にして噴出する気泡発生部4dと、第1管路4bに設置され、エアポンプ4aから保護管2への一方向のみの空気の移動を許容する第1逆止弁4eと、第2管路4cに設置され、当該第2管路4c内を流れるオゾンガス含有空気の移動及び停止を行う電磁弁4fと、第2管路4cにおける電磁弁4fの下流側に設置され、電磁弁4fから気泡発生部4dへの一方向のみのオゾンガス含有空気の移動を許容する第2逆止弁4gとを備えている。
また、外周容器3の円筒部3aには、その先端側の部分に、病原菌の殺菌を必要とする原水としての水溶液を流入させる流入口部3dが設けられており、その基端側の部分に、殺菌した後の水溶液を処理水として排出する排出口部3eが設けられている。なお、原水はストップバルブ3fを介して流入口部3dから外周容器3内に流入するようになっている。
更に、外周容器3には、その円筒部3aの外側に磁気剥離装置5が装着されている。磁気剥離装置5は、電磁石で構成されており、磁界の一部が漏洩磁界となって外周容器3内の水溶液中、即ち外周容器3の円筒部3aと保護管2の円筒部2aとの間を流れる水溶液中に及ぶように当該円筒部3aの外側にN極5a及びS極5bが配置されている。
即ち、磁気剥離装置5は、図2に示すように、そのN極5aとS極5bとが外周容器3の円筒部3aにおける周方向に180度離れた位置に配置されるように形成されている。そして、N極5a及びS極5bの各面は、外周容器3の円筒部3aの外面に合致するように凹状の曲面状に形成されており、N極5aから出た磁力線の大部分が磁性体である外周容器3の円筒部3aを通ってS極5bに入るようになっている。このため磁気回路は閉塞された状態になっているが、その磁界の一部が漏洩磁界として円筒部3a内の水溶液中に及ぶようになっている。
なお、図1において、1bは紫外線ランプ1に電力を供給するための電気配線であり、1cは電気配線1bを接続するためのコネクタであり、1dは紫外線ランプ1を点灯させるための点灯装置である。また、3gは外周容器3を接地するためのアース線である。
上記のように構成された紫外線ランプ内蔵型殺菌装置においては、紫外線ランプ1を点灯後、保護管2内に空気を供給すると、紫外線ランプ1から放射される紫外線により、その空気の一部がオゾンガスに変換され、そのオゾンガスを含む空気が第2管路4cを介して気泡発生部4dに供給され、当該気泡発生部4dから複数の気泡となって、外周容器3と保護管2との間の水溶液中に流入する。このため、プールや井戸水などの水溶液を流入口部3dから外周容器3内に流入させ、外周容器3と保護管2との間を通過させた後、排出口部3eから排出させることにより、当該水溶液に存在する病原菌を紫外線及びオゾンガスによって殺菌することができると共に、当該水溶液に存在する有機物をオゾンガスの酸化作用によって分解することができる。
なお、磁気剥離装置5を装着していない場合には、水溶液に含まれる成分を有するスケールkが図3に示すように保護管2の外面や外周容器3の内面に付着することになる。そして、スケールkが保護管2の外面に付着した場合には、当該保護管2の透明度が減少することから、紫外線ランプ1から発する紫外線の通過能力が低下し、当該紫外線による殺菌能力が低下することになる。
ここで、紫外線ランプ内蔵型殺菌装置において、スケールが付着していない透明な保護管2を組み込んだ場合と、スケールが付着して透明度が減少した保護管2を組み込んだ場合とについて、殺菌効果を調べる実験を行ったので、その結果を示すと図4の通りになる。この実験は、貯水槽に溜めた一定量の大腸菌(試験菌)を有する水溶液を紫外線ランプ内蔵型殺菌装置を介して循環させることによって行った。
その結果、図4に示すように、透明な保護管2を用いた場合(図中○印)は、初発菌数が約2×10(CFU/ml)であったものが、約30分の処理時間経過後には10(CFU/ml)以下となり、極めて優れた殺菌効果を示すことになった。これに対して、スケールが付着した保護管2を用いた場合(図中□印)は、約30分の処理時間経過後においても、約1.3×10(CFU/ml)の菌が残っており、透明な保護管に比べ殺菌効果が大幅に劣る結果となった。
また、図4において△印は、紫外線ランプ1を消灯したままとすることにより、紫外線及びオゾンガスによる殺菌を行わなかった場合の結果であり、殺菌効果がほとんどないことがわかる。
一方、水溶液にはカルシウム、マグネシウム、ケイ素、鉄等の各種成分がCa2+、 Mg2+、Si2+、Fe2+等のイオンの状態となって溶融しているため、これらの成分を含む物質がスケールとなって保護管2の外面に付着することになる。
しかし、殺菌すべき水溶液が上述のような成分によって電解質となっているので、このような水溶液が磁気剥離装置5によって生じる漏洩磁界の磁力線を切るように移動すると、ローレンツ力が発生し、スケールを剥離することになる。
ローレンツ力は、人さし指の方向を磁界の方向、この人さし指に直交する方向の中指の方向を水溶液と共にイオン等の電荷が移動する方向とすると、人さし指及び中指の方向に直交する方向の親指の方向に作用することになる。この場合、電荷が正のときは、その電荷が移動する方向を電流の方向とした場合のフレミングの左手の法則に従う。電荷が負のときは、電荷の移動する方向と反対方向を電流の方向とした場合のフレミングの左手の法則に従う。
また、磁気剥離装置5による漏洩磁界によって発生するローレンツ力は、その方向及び大きさが外周容器3内の各位置で異なっていると考えられる。即ち、水溶液内における漏洩磁界の方向及び大きさは、当該水溶液内の各位置によって異なっていると推定される。また、水溶液も、外周容器3内に流入するまでの流路の方向や断面積が種々変化しているものと推定されると共に、外周容器3内に入る際に急激な流路面積の変化、流速方向の変化を受け、かつオゾンガスを含む気泡の噴出によって大きく乱された状態になる。即ち、外周容器3と保護管2との間を通過する水溶液はほぼ確実に乱流状態となっていると推定される。上記ローレンツ力は、保護管2と外周容器3との間の各位置によって、その方向及び大きさが異なったものとなっていると考えられる。従って、例えば保護管2の外面にスケールが既に付着している場合には、上記ローレンツ力で、当該スケールを保護管2から剥離することができる。また、スケールがまだ保護管2に付着していない場合には、当該スケールが保護管2に付着するのを防止することができる。
また、外周容器3及びスケールにはFe、Ca、Mg等の金属が含まれ、水素よりイオン化傾向が大きくなるので、即ち、水溶液が電解質となっていることから、水溶液HOはH+OHに電離した状態になっている。このため、Fe→Fe2++2e及びCa→Ca2++2e、Mg→Mg2++2e等の反応が生じる。この反応による電流i(この符号iは図示せず)が保護管2に付着しているスケールの隙間に流れてスケールを電気分解することになるので、保護管2に付着したスケールをより効率よく剥離することができると共に、スケールが保護管2に付着するのを防止することができる。
更に、磁気剥離装置5から外周容器3にアース線3gを接地していることから、このアース線3gによる電流I(この符号Iは図示せず)は抵抗の小さい外周容器3の内側に流れることになるので、この電流Iも保護管2のスケールの隙間に流れてスケールを電気分解することになる。従って、保護管2に付着したスケールを効率よく剥離することができるので、保護管2の透明度を回復させ、紫外線ランプ1による殺菌効果を上昇させることができると共に、スケールが保護管2に付着するのを防止することができる。
そして更に、上記アース線3gを設けることで、外周容器3の内方、即ち水溶液の内方における電気抵抗が低くなることから、保護管2と、この保護管2の外面に付着したスケールとの間にも電流Iが流れることになる。従って、この電流Iによってスケールの電気分解が促進されることになるので、当該スケールの保護管2からの剥離が更に促進され、当該保護管2の透明度を向上させることができ、紫外線ランプ1から発する紫外線による殺菌効果の増大を図ることができる。
以上、保護管2に付着しているスケールの剥離に対して電磁界の作用によるローレンツ力と電解質である水溶液の電離とイオン化傾向の差による電流i及びアース線の接地による電流Iの相乗作用による剥離となるので、スケールが最も効率よく剥離できることが本実施の形態における発明の最大の特長といえる。
次に、スケールの剥離効果を実験した結果について説明する。図5は、既に同等量のスケールが付着した2つの保護管2についてそのぞれぞれを外周容器3内に組み込み、一方の保護管2を組み込んだ紫外線ランプ内蔵型殺菌装置においては磁気剥離装置5を装着せずに実験を行い(図5中●印)、他方の保護管2を組み込んだ紫外線ランプ内蔵型殺菌装置においては磁気剥離装置5を装着して実験を行った(図5中○印)結果を示している。何れの場合も、同一の貯水槽の水を流通させ、同一の出力で紫外線ランプ1から紫外線を放射し、同一の流量の空気を保護管2を介して気泡発生部4dから噴出させた。実験は、8週間にわたって行い、1週間経過するごとに、スケールの剥離量を重量(g)で測定した
この結果、実験を開始した初期(1週間目)においては、磁気剥離装置5を装着しない場合(図5中●印)も、磁気剥離装置5を装着した場合(図5中○印)も、スケールの剥離量にほとんど差がつかなかった。これは、スケールの表面部分が水溶液の流れによる力によって剥離されたためと考察される。ただし、時間の経過に伴い、磁気剥離装置5を装着しない場合(図5中●印)は、剥離量が急激に低下するのに対して、磁気剥離装置5を装着した場合(図5中○印)は、剥離量の大きな状態が維持できる。これは、磁気剥離装置5を装着することにより、上述したローレンツ力等の効果が相乗的に加わり、スケールを保護管2の外面から効率よく剥離し続けるためであると考えられる。
そして、8週の期間内に剥離したスケールの全重量について、その8週間経過後の時点で残留しているスケールの重量に対する割合(剥離率(%))で示すと、図6に示すようになる。この図6から、8週間経過した時点で、スケールの剥離量にほぼ4倍の差が出ることがわかる。即ち、磁気剥離装置5によって生ずる漏洩磁界が保護管2からスケールを剥離する上で極めて有効であることがわかる。
以上より、外周容器3に磁気剥離装置5を装着すると、ローレンツ力と水溶液の電離による電流i及びアース線3gによる電流I等の各々が保護管2に付着したスケールの剥離に相乗効果として作用することになるので、スケールの剥離がより増加し、これにより保護管2の透明度が上昇し、紫外線による殺菌効果の上昇が可能になる。
しかも、保護管2からスケールを剥離するために、紫外線ランプ内蔵型殺菌装置を分解する必要がないので、スケールの剥離に要する費用を削減することができる。また、スケールを剥離するために、薬剤等を用いる必要がないので、環境汚染を生ずるおそれがないという利点がある。
なお、上記実施の形態においては、外周容器3を鉄で構成した例を示したが、鉄以外の磁性体や、鉄等の磁性体に亜鉛等のメッキを施したものや、磁性体以外の材料、例えばステンレス鋼や、樹脂等によって構成してもよい。ただし、磁性体以外の材料で外周容器3を構成した場合には、漏洩磁界を発生させるために、図7に示すように、N極5aとS極5bとをヨーク51によって連結することにより磁気回路が閉回路となるように構成することが好ましい。また、図8に示すように、外周容器3の円筒部3aの外面に磁性体で形成した筒状体52を嵌合するように設け、この筒状体52の外面に磁気剥離装置5のN極5a及びS極5bを配置するように構成してもよい。
また、磁気剥離装置5としては、上述した電磁石に代えて、図9に示すように、永久磁石によって構成してもよい。この場合、外周容器3が磁性体で形成されているときには、外周容器3の円筒部3aの外面に沿うように形成された内面がN極5aとなっている永久磁石53aと、当該内面がS極5bとなっている永久磁石53bとで磁気剥離装置5を構成し、各永久磁石53a、53bの各内面を外周容器3の円筒部3aの外面に磁力で吸着させることにより、漏洩磁界を発生させるように構成することが好ましい。また、外周容器3が磁性体で形成されていないときには、図10に示すように、外周容器3の円筒部3aの外面に磁性体で形成した筒状体52を嵌合した上で、この筒状体52の外面に永久磁石53a、53bを吸着させればよい。
本発明の一実施の形態として示した紫外線ランプ内蔵型殺菌装置の要部破断正面図である。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置の断面図であって、図1のII−II線に沿う断面図である。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置の要部断面図であって、図2のIII−III線に沿う要部断面図である。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置の殺菌効果についての実験結果を示すグラフである。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置における磁気剥離装置によるスケールの剥離効果についての実験結果を示すグラフである。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置における磁気剥離装置によるスケールの剥離率の実験結果を示すグラフである。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置における磁気剥離装置に関する第1の他の例を示す断面図である。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置における磁気剥離装置に関する第2の他の例を示す断面図である。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置における磁気剥離装置に関する第3の他の例を示す断面図である。 同紫外線ランプ内蔵型殺菌装置における磁気剥離装置に関する第4の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 紫外線ランプ
2 保護管
3 外周容器
3g アース線
5 磁気剥離装置
5a N極(磁極)
5b S極(磁極)

Claims (3)

  1. 紫外線ランプと、この紫外線ランプを囲むように設けられた透明な保護管と、この保護管を囲むように設けられた外周容器とを備え、前記保護管と前記外周容器との間を流れる水溶液中に前記紫外線ランプから発する紫外線を照射することにより当該水溶液中の病原菌を殺菌処理する紫外線ランプ内蔵型殺菌装置であって、
    前記外周容器の外側に磁気剥離装置を装着し、これにより発生する漏洩磁界からの磁力線を水溶液が切ると、ファラデーの電磁誘導の法則から、ローレンツ力が発生し、前記保護管の外側に付着するスケールを剥離し、保護管の透明度を回復し、紫外線ランプによる殺菌効果を上昇させることを特徴とする紫外線ランプ内蔵型殺菌装置。
  2. 前記外周容器中の水溶液は循環し、アルカリ性となるので電離し、前記水溶液のHOはH+OHに電離され、前記Hと前記外周容器がFe2+等の金属製、また前記保護管に付着するスケールにはCa2+、Mg2+、Si2+等が含まれており、イオン化傾向はH<(Fe2+、Ca2+、Mg2+、Si2+)となるので、電流iはHからFe2+及びCa2+、Mg2+、Si2+の方向へ流れるので、前記電流iは前記保護管に付着しているスケールの隙間に流れ、電気分解によりスケールが剥離されることを特徴とする請求項1に記載の紫外線ランプ内蔵型殺菌装置。
  3. 前記外周容器の外側に装着した磁気剥離装置から前記外周容器にアース線を接地すると、前記外周容器の外側よりも水溶液が流れている内側の方が抵抗が小さくなるので、アース線の電流Iは外周容器の内側に流れ、前記電流Iも前記保護管に付着しているスケールの隙間に流れ、スケールを電気分解し、スケールを剥離するので、前記保護管の透明度を回復し、紫外線ランプによる水溶液中の病原菌の殺菌効果を上昇させることを特徴とする請求項1又は2に記載の紫外線ランプ内蔵型殺菌装置。
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