本発明は無線基地制御局、移動体通信システム及びそれらに用いる優先セル選択方法に関し、特にIMT(International Mobile Telecommunications)2000システムにおけるセル選択方法に関する。
従来のセル選択アルゴリズムについて図1を参照して説明する。図1において、RNC(Radio Network Controller:無線基地制御局)1は、同一アンテナにおいて周波数の異なるE−DCH[Enhanced uplink DCH(Dedicated Channel)]/HS−DSCH(High Speed Downlink Shared Channel)サービス提供不可セルと、HS−DSCHセルと、E−DCH/HS−DSCHセルとを混在し、同一エリアにE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE(User Equipment)4とHS−DSCH Capable UE5とE−DCH/HS−DSCH Capable UE6とが混在している環境において(例えば、特許文献1参照)、下記の契機においてLoad Controlを実施して対象セルを選択している。
この契機は、
1.最初の無線接続要求[RRC(Radio Resource Control) Connection Request]メッセージ受信時
2.パケットサービスを共通チャネルで接続中に、UEからのトラフィック増加報告受信もしくはRNC内部の転送バッファ増加検出による、共通チャネルから個別チャネルへのチャネルタイプ変更[CTS FACH(Forward Access Channel) to DCH]時
3.UEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信し、同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HO(HandOver:ハンドオーバ)を実施時
4.RRC Connectionを共通チャネルで接続中に、コアネットワーク(CN)よりサービス接続要求[RAB(Radio Access Bearer) Assignment Request]メッセージ受信時
である。
しかしながら、上述した従来のセル選択アルゴリズムでは、Load Controlアルゴリズム(Algorithm)において、UEの能力を考慮したセル選択を実施していないため、UEが実施可能なサービスを提供できるセルを優先的に選択できないという問題がある。
また、従来のセル選択アルゴリズムでは、Load Controlアルゴリズムにおいて、E−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルとHS−DSCHセルとE−DCH/HS−DSCHセルとを考慮したセル選択を実施していないため、UEが実施可能なサービスを提供できるセルを優先的に選択できないという問題がある。
さらに、従来のセル選択アルゴリズムでは、高速なダウンリンクのHSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)サービスを提供可能なHS−DSCHセルにおいて、その時点での新規HSDPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すHS−DSCHブロック状態フラグと、高速なダウンリンクのHSDPAサービスだけでなく、高速なアップリンクのHSUPA(High−Speed Uplink Packet Access)サービスをE−DCH/HS−DSCHセルにおいて新規HSUPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すE−DCHブロック状態フラグとを考慮したセル選択を実施していないため、UEが実施可能なサービスをその時点で提供できるセルを優先的に選択できないという問題がある。
すなわち、従来のセル選択アルゴリズムでは、異なる周波数のセルへ接続する際、UEの能力やセルの種別を考慮したセル選択が行われていない。その結果、E−DCH/HS−DSCHセルにおいて、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UEが低い速度でのサービスを提供するパケットサービスを実施する、もしくはE−DCH/HS−DSCHセルにおいてHS−DSCH Capable UEがダウンリンクのみ高速なパケットサービスを実施する等、リソースの利用効率が低くなってしまう可能性が高い。
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、UEが実施可能なサービスに応じて、そのUEをサービスの提供が可能なセルに確立させるようにすることができる無線基地制御局、移動体通信システム及びそれらに用いる優先セル選択方法を提供することにある。
本発明による無線基地制御局は、移動端末に無線基地局を通して接続する無線基地制御局であって、
前記無線基地局のセルの種別と当該セルの情報と前記移動端末の情報とを使用して前記移動端末に対してセル選択を行うセル選択手段を備えている。
本発明による移動体通信システムは、上記の無線基地制御局を備えている。
本発明による優先セル選択方法は、移動端末に無線基地局を通して接続する無線基地制御局に用いる優先セル選択方法であって、
前記無線基地局のセルの種別と当該セルの情報と前記移動端末の情報とを使用して前記移動端末に対してセル選択を行うセル選択処理を実行している。
すなわち、本発明の移動体通信システムは、第3世代移動通信システムであるIMT(International Mobile Telecommunications)2000システムにおいて、端末(User Equipment: UE)として、パケットサービス実施時、高速なダウンリンクのHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)サービスをHS−DSCH(High Speed Downlink Shared Channel)にて提供するHS−DSCH可能UE(HS−DSCH Capable UE)と、高速なダウンリンクのHSDPAサービスだけでなく、高速なアップリンクのHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)サービスをE−DCH(Enhanced DCH)/HS−DSCHにて提供するE−DCH/HS−DSCH可能UE(E−DCH/HS−DSCH Capable UE)と、アップリンク及びダウンリンクともに低い速度でのサービスのみを提供し、HSDPAやHSUPAのサービスをサポートしていないHS非許容可能UE(E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE)とが混在している。
また、本発明の移動体通信システムでは、HSDPAサービスやHSUPAサービスを提供し始めた過渡期において、高速なダウンリンクのHSDPAサービスを提供可能なHS−DSCHセルと、高速なダウンリンクのHSDPAサービスだけでなく高速なアップリンクのHSUPAサービスをも提供可能なE−DCH/HS−DSCHセルと、アップリンク及びダウンリンクともに低い速度でのサービスのみを提供可能とし、HSDPAもHSUPAもサポートできていないE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルとが混在する。
本発明の移動体通信システムでは、RNC(Radio Network Controller:無線基地制御局)が、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UEにE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルを優先的に選択し、HS−DSCH可能UEにHS−DSCHセルを優先的に選択し、E−DCH/HS−DSCH可能UEにE−DCH/HS−DSCHセルを優先的に選択するセル選択アルゴリズムを用いている。
また、本発明の移動体通信システムでは、高速なダウンリンクのHSDPAサービスを提供可能なHS−DSCHセルにおいて、その時点での新規HSDPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すHS−DSCHブロック状態フラグと、高速なダウンリンクのHSDPAサービスだけでなく高速なアップリンクのHSUPAサービスをE−DCH/HS−DSCHセルにおいて新規HSUPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すE−DCHブロック状態フラグ、そして全てのセルの階層化優先度(Hierarchical Cell Structure Priority:HCS_PRIO)を評価するセル選択アルゴリズムを用いている。
さらに、本発明の移動体通信システムでは、RNCにおいて、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE、HS−DSCH可能UE、E−DCH/HS−DSCH可能UEのいずれであるかを判定するために、RNC内部データにおいてハイスピードサービス対象とする確立理由を保持し、UEからの最初の無線接続要求[RRC(Radio Resource Control) Connection Request]メッセージに示されるUEの能力やUEのサポートするバージョン、UEが開始しようとするサービス種別や、確立理由、プロトコルエラー有無を評価するセル選択アルゴリズムを用いている。
さらにまた、本発明の移動体通信システムでは、RNCが制御する全てのセルの負荷情報を管理しており、このセル選択アルゴリズムによって該当UEに選択されたセルにおいて、そのUEがそのセルで確立可能であるかどうか、UEの追加がもたらす負荷増と事前に設定された閾値とを比較し、閾値よりもセル負荷が超過する場合に、別の候補セルを選択するセル選択アルゴリズムを用いている。
本発明の移動体通信システムでは、図1に示すIMT2000システムアーキテクチャにおいて、RNCが、同一アンテナにおいて周波数の異なるE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルと、HS−DSCHセルと、E−DCH/HS−DSCHセルとを混在し、同一エリアに混在するE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UEと、HS−DSCH可能UEと、E−DCH/HS−DSCH可能UEとに対し、それぞれのUEの能力に応じたチャネルを割り当て、周波数利用効率のよいパケットサービスを提供することを可能としている。
このようにして、本発明のセル選択アルゴリズムでは、RNCが基地局の同一アンテナにおいて制御する、周波数の異なるE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セル、E−DCH/HS−DSCHセル、HSDPA/HS−DSCHセルといったセル種別情報と、高速なダウンリンクのHSDPAサービスを提供可能なHS−DSCHセルにおいてその時点での新規HSDPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すHS−DSCHブロック状態フラグと、高速なダウンリンクのHSDPAサービスだけでなく高速なアップリンクのHSUPAサービスを提供可能なE−DCH/HS−DSCHセルにおいて新規HSUPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すE−DCHブロック状態フラグ、そして各セルの階層化優先度(HCS_PRIO)といったセル情報と、RNCが制御する全てのセルの負荷情報と、RNCとしてハイスピードサービス対象とする確立理由の内部データ、UEからの最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージに示されるUEの能力やUEのサポートするバージョン、UEが開始しようとするサービス種別や、確立理由、プロトコルエラー有無、UEがサポートする全ての周波数帯情報といったUE情報とを評価している。
これによって、本発明のセル選択アルゴリズムでは、
1.最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージ受信時
2.パケットサービスを共通チャネルで接続中に、UEからのトラフィック増加報告受信もしくはRNC内部の転送バッファ増加検出による、共通チャネルから個別チャネルへのチャネルタイプ変更[CTS FACH(Forward Access Channel) to DCH]時
3.UEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信し、同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HO(HandOver:ハンドオーバ)を実施時
4.RRC Connectionを共通チャネルで接続中に、コアネットワーク(CN)よりサービス接続要求[RAB(Radio Access Bearer) Assignment Request]メッセージ受信時
という契機で、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UEにはE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルを優先的に選択し、HS−DSCH可能UEにはHS−DSCHセルを優先的に選択し、E−DCH/HS−DSCH可能UEにはE−DCH/HS−DSCHセルを優先的に選択することが可能となる。
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、UEが実施可能なサービスに応じて、そのUEをサービスの提供が可能なセルに確立させるようにすることができるという効果が得られる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態による移動体通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、本発明の実施の形態による移動体通信システムは、RNC(Radio Network Controller:無線基地制御局)1と、基地局2,3と、E−DCH[Enhanced uplink DCH(Dedicated Channel)]/HS−DSCH(High Speed Downlink Shared Channel)サービス実施不可UE(User Equipment:移動端末)4と、HS−DSCH可能(HS−DSCH Capable)UE5とE−DCH/HS−DSCH可能(E−DCH/HS−DSCH Capable)UE6とから構成されている。
RNC1は、同一アンテナにおいて周波数の異なるE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルと、HS−DSCHセルと、E−DCH/HS−DSCHセルとを混在し、同一エリアに混在するE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4とHS−DSCH可能UE5とE−DCH/HS−DSCH可能UE6とに対し、それぞれのUEの能力に応じたチャネルを割り当て、周波数利用効率のよいパケットサービスを提供することを可能としている。
このように、本発明の実施の形態による移動体通信システムでは、セル選択アルゴリズムにおいて、RNC1が基地局2,3の同一アンテナにおいて制御する、周波数の異なるE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セル、E−DCH/HS−DSCHセル、HSDPA/HS−DSCHセルといったセル種別情報と、高速なダウンリンクのHSDPA(High−Speed Downlink Packet Access)サービスを提供可能なHS−DSCHセルにおいてその時点での新規HSDPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すHS−DSCHブロック状態フラグと、高速なダウンリンクのHSDPAサービスだけでなく高速なアップリンクのHSUPA(High−Speed Uplink Packet Access)サービスをE−DCH/HS−DSCHセルにおいて新規HSUPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すE−DCHブロック状態フラグと、そして各セルの階層化優先度(HCS_PRIO:Hierarchical Cell Structure Priority)といったセル情報と、RNC1が制御する全てのセルの負荷情報と、RNC1としてハイスピードサービス対象とする確立理由の内部データと、UEからの最初の無線接続要求[RRC(Radio Resource Control) Connection Request]メッセージに示されるUEの能力やUEのサポートするバージョンと、UEが開始しようとするサービス種別や確立理由と、プロトコルエラー有無と、UEがサポートする全ての周波数帯情報といったUE情報とを評価している。
これによって、本発明の実施の形態による移動体通信システムでは、セル選択アルゴリズムにおいて、
1.最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージ受信時
2.パケットサービスを共通チャネルで接続中に、UEからのトラフィック増加報告受信もしくはRNC1内部の転送バッファ増加検出による、共通チャネルから個別チャネルへのチャネルタイプ変更[CTS FACH(Forward Access Channel) to DCH]時
3.UEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信し、同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HOを実施時
4.RRC Connectionを共通チャネルで接続中に、コアネットワーク(CN)よりサービス接続要求[RAB(Radio Access Bearer) Assignment Request]メッセージ受信時
という契機で、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4にE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルを優先的に選択し、HS−DSCH可能UE5にHS−DSCHセルを優先的に選択し、E−DCH/HS−DSCH可能UE6にE−DCH/HS−DSCHセルを優先的に選択することができる。
図2は本発明の第1の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。本発明の第1の実施例による移動体通信システムは、上述した図1に示す本発明の実施の形態による移動体通信システムと同様の構成となっており、図2は図1に示すRNC1の内部構成を示している。
図2において、RNC1は、セル選択処理部11とUE情報処理部12とを備え、セル情報13と、UE情報14と、RNC1としてハイスピードサービス対象とする確立理由の内部データ(以下、内部データとする)15と、RNC1としてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ(Flag)(以下、フラグとする)16とを保持している。
セル選択処理部11は、UE情報処理部12から取得する情報と、セル情報13、UE情報14、内部データ15から取得する情報とを基に、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4にE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルを優先的に選択し、HS−DSCH可能UE5にHS−DSCHセルを優先的に選択し、E−DCH/HS−DSCH可能UE6にE−DCH/HS−DSCHセルを優先的に選択することとなる。
図3は図2に示すセル情報13の詳細な構成を示す図である。図3において、RNC1は全てのセルに対し、異周波数隣接セル情報と同一アンテナであるかどうかの情報、それらのセルのHCS_PRIO、セルが提供可能なサービス種別情報、その時点においてHSDPAサービスが提供可能であるかどうかを示すHS−DSCHブロック状態フラグ、HSUPAサービスが提供可能であるかどうかを示すE−DCHブロック状態フラグ、セル負荷情報をセル情報13として保持する。
HCS_PRIOは、該当する基地局から報知情報として送信されるシステム情報として含められる値である。UEはHCS_PRIOの高い順序にしたがって、UE主導で利用可能なセルを選択して無線接続要求をRNC1に送信するため、RNC1はセル構成時に、E−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルのHCS_PRIOを高い値に設定し、HS−DSCHセルやE−DCH/HS−DSCHセルのHCS_PRIOを低い値に設定する。
提供可能なサービス種別としては、低レートサービスのみ可能なE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルと、ダウンリンクにHSDPAサービスが可能なHS−DSCHセルと、アップリンク/ダウンリンクそれぞれにHSDPA/HSUPAサービスが可能なE−DCH/HS−DSCHセルとが存在する。
HS−DSCHブロック状態フラグは、HSDPAに提供可能なリソースやダウンリンクにHSDPAサービスを使用するユーザ数に応じて、RNC1内部のリソース管理部(図示せず)がTRUE/FALSEを決定する。HS−DSCHセルのHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEの場合には、HS−DSCHセルにおけるHSDPAサービスを提供できず、ダウンリンクには、低レートサービスのみUEに確立可能である。HS−DSCHセルのHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEの場合には、そのHS−DSCHセルにおけるHSDPAサービスが提供可能である。
E−DCHブロック状態フラグは、HSUPAに提供可能なリソースやアップリンクにHSUPAサービスを使用するユーザ数に応じて、RNC1内部のリソース管理部がTRUE/FALSEを決定する。E−DCH/HS−DSCHセルのE−DCHブロック状態フラグがTRUEの場合には、E−DCH/HS−DSCHセルにおけるHSUPAサービスを提供できず、アップリンクには、低レートサービスのみUEに確立可能である。E−DCH/HS−DSCHセルのE−DCHブロック状態フラグがFALSEの場合には、E−DCH/HS−DSCHセルにおけるHSUPAサービスが提供可能である。
図4は図2に示すUE情報14の詳細な構成を示す図である。図4において、RNC1はUEの現存するセルの情報をUE情報14として保持する。UEの現存するセル情報とは、RRC Connection Requestメッセージの送信に使用された共通チャネルを含むセルを指している。
図5は図2に示すUE情報処理部12において処理される最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージの詳細な構成を示す図である。図5において、RRC Connection Requestメッセージには、確立要求(Establishment Cause)、プロトコルエラー有無(Protocol Error Indicator)、UEの能力(UE Capability Information)、UEのバージョン(Access Stratum Release Indicator)が含まれている。
Establishment Causeについては、音声通信呼発信(Originating Conversational Call)や、Interactive呼着信(Terminating Interactive Call)等、3GPP(3rd Generation Partnership Project) TS25.331に定義された確立理由が設定される。
Protocol Error Indicatorについては、TRUE/FALSEが存在する。このパラメータが設定されていない場合には、Protocol Errorが発生していないこととみなされる。
UE Capability Informationについては、HS−DSCH+E−DCH、HS−DSCHが存在する。このパラメータが設定されていない場合には、E/DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4としてみなされる。
Access Stratum Release Indicatorについては、REL(Releace)−4,REL−5,REL−6等が存在する。このパラメータが設定されていない場合には、R(Releace)99であることを指す。一般的に、HSDPAサービスはAccess Stratum Release Indicatorが“REL−5”以降のUEが対応可能であり、HSUPAサービスは、Access Stratum Release Indicatorが“REL−6”以降のUEが対応可能である。
図6は図2に示す内部データ15の詳細な構成を示す図である。図6において、内部データ15には3GPP TS25.331に定義されているEstablishment CauseのそれぞれにTRUE/FALSE(“1”/“0”)の設定が、オペレータによって可能である。
図6に示す例では、Originating High Priority Signalling、Terminating Background Call、Terminating Interactive Call、Originating Subscribed traffic Call、Originating Background Call、Originating Interactive CallのEstablishment CauseがHSDPAもしくはHSDPA/HSUPAサービスの対象とする確立理由として、TRUE(“1”)に設定される。
図7は図2に示すセル選択処理部11の詳細な構成を示すブロック図である。図7において、セル選択処理部11は、セル負荷情報のみからUEにセルを選択するLoad Control部111と、HSUPAサービスやHSDPAサービスの提供を考慮するUEの差別化を考慮するUE Differentiation処理部112とを備え、UE Differentiationアルゴリズムを有効とするかどうかを示すフラグ(Flag)113を内部データとして保持する。
以上、本実施例の構成について詳細に述べたが、図3の異周波数隣接セル情報の管理や、同一アンテナであることの情報、HCS_PRIOの用途、セル負荷情報、セルが提供可能なサービス種別情報をRNC1の内部データ15に保持すること自体は、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないが、本発明にてこれらの情報を使用している。
また、図4のUEの現存するセルの情報をRNC1の内部データ15に保持すること自体は、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないが、本発明にてこれらの情報を使用している。
さらに、図5の最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージの内容全ては、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないが、本発明にてこれらの情報を使用している。
さらにまた、図7のセル負荷情報のみからUEにセルを選択するLoad Controlアルゴリズムは、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないため、その詳細な説明は省略する。
図8〜図10は本発明の第1の実施例におけるRRC Connection Requestメッセージ受信時のセル選択のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。これら図8〜図10を参照して図5のRRC Connection Requestメッセージ受信時のセル選択のUE Differentiationアルゴリズムの動作について説明する。
RNC1がRRC Connection Requestメッセージを受信すると、まず、図3及び図4よりUEの現在のセル現在のセルと同一アンテナの同一周波数帯のセルとを取得し、UE Differentiationアルゴリズムを開始する(図8ステップS1)。
RNC1はHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグをチェックし(図8ステップS2)、無効(FALSE)である場合、図7に示すLoad Controlアルゴリズムにてセルを選択する(図8ステップS6)。
RNC1は有効(TRUE)である場合、UEの現存するセルと同一アンテナである異周波隣接セルが少なくとも一つあるかどうかをチェックし(図8ステップS3)、ない場合は図7に示すLoad ControlアルゴリズムにてUEの現存するセルを選択する(図8ステップS6)。
RNC1は異周波隣接セルが少なくとも一つある場合、UEの現存するセルとその同一アンテナの異周波数隣接セルの中に少なくとも一つHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在するかどうかをチェックし(図8ステップS4)、存在しなければ、図7に示すLoad Controlアルゴリズムよりセルを選択する(図8ステップS6)。
RNC1はHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在する場合、UE Differentiationアルゴリズムの有効フラグをチェックし(図8ステップS5)、無効(FALSE)である場合、図7に示すLoad Controlアルゴリズムにてセルを選択する(図8ステップS6)。
RNC1は有効(TRUE)である場合、図5よりAccess Stratum Release Indicatorをチェックする(図9ステップS7)。RNC1はREL−5 or REL−6以外(ELSE)の場合、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>を実施する(図9ステップS12)。
RNC1はREL−5 or REL−6の場合、図5のEstablishment Causeと、図6の内部データ15とを比較し(図9ステップS8)、図5のEstablishment Causeに該当する内部データ15の値がFALSE(“0”)の場合、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>を実施する(図9ステップS12)。
RNC1は図5のEstablishment Causeに該当する内部データ15の値がTRUE(“1”)の場合、図5のProtocol Error Indicatorをチェックする(図9ステップS10)。RNC1はTRUEが設定されている場合、現在のセル以外のセルへのRRC Connection確立ができないUEとみなし、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>を実施する(図9ステップS12)。
RNC1はFALSE Not Existが設定されている場合、図5のAccess Stratum Release Indicatorを再度チェックする(図9ステップS10)。RNC1はREL−5の場合、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<B>を実施する(図9ステップS11)。
RNC1はREL−6の場合、図5のUE Capability Informationをチェックする(図10ステップS13)。RNC1はHS−DSCH+E−DCHの場合、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<C>を実施する(図10ステップS14)。RNC1はHS−DSCHの場合、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<B>を実施する(図9ステップS11)。
RNC1はUE Capability Informationが設定されていない(Not Exist)場合、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>を実施する(図9ステップS12)。
次に、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<B>、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<C>のセルリストについて、図3からUEがRRC Connection Requestの送信に使用した現在のセル情報と、図3からUEの現存するセル及びその同一アンテナかつ同一周波数帯の異周波数隣接セルのセル情報とを用いて説明する。
E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>用のセルリスト[E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可Inter Frequency Cell List]では、UEの現存するセルと同一アンテナの異周波数隣接セルを次の3つのソートキーにて並べる。
第一ソートキーは、E−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セル、HS−DSCHセル、E−DCH/HS−DSCHセルの順序であり、第二ソートキーは、HCS_PRIOの降順(大きい値が優先)であり、第三ソートキーは、ダウンリンク周波数もしくはDL UARFCN(UTRA Absolute Radio Frequency Channel Number)の降順(大きい値が優先)である。
HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<B>用のセルリスト[HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell List]では、UEの現存するセルと同一アンテナの異周波数隣接セルを次の3つのソートキーにて並べる。
第一ソートキーは、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセル、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセル、HS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセル、HS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセル、E−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルの順序であり、第二ソートキーは、HCS_PRIOの降順であり、第三ソートキーは、ダウンリンク周波数もしくはDL UARFCNの降順である。
E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<C>用のセルリスト[E−DCH/HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell List]では、UEの現存するセルと同一アンテナの異周波数隣接セルを次の3つのソートキーにて並べる。
第一ソートキーは、HS−DSCHブロック状態フラグとE−DCHブロック状態フラグとの両方がFALSEのE−DCH/HS−DSCHセル、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEでE−DCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセル、HS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセル、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセル、HS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセル、E−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルの順序であり、第二ソートキーは、HCS_PRIOの降順であり、第三ソートキーは、ダウンリンク周波数もしくはDL UARFCNの降順である。
図11は本発明の第1の実施例におけるE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>の動作を示すフローチャートであり、図12は本発明の第1の実施例におけるHS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<B>の動作を示すフローチャートであり、図13は本発明の第1の実施例におけるE−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<C>の動作を示すフローチャートである。これら図11〜図13を参照してE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<B>、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<C>の最初のチェック対象セルの選択手順について説明する。
RNC1は図11に示すE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<A>において、UEの現存するセルがE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルではない場合(図11ステップS21)、そのE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4について、Load Controlアルゴリズムを適用する(図11ステップS24)。
RNC1はE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルの場合、最初のチェックセルをUEの現存するセルとして(図11ステップS22)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図11ステップS23)。
RNC1は図12に示すHS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<B>において、UEの現存するセルのHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルの場合(図12ステップS31)、最初のチェックセルをUEの現存するセルとして(図12ステップS32)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図12ステップS40)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセル以外のセルの場合(図12ステップS31)、HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて少なくとも一つHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルがある場合(図12ステップS33)、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルとして(図12ステップS34)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図12ステップS40)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルが一つもなければ(図12ステップS33)、HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて少なくとも一つHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルがある場合(図12ステップS35)、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルとして(図12ステップS36)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図12ステップS40)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルが一つもなければ(図12ステップS35)、HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて少なくとも一つHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセルがある場合(図12ステップS37)、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセルとし、なければ、UEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセルとして(図12ステップS38)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図12ステップS40)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセルが一つもなければ(図12ステップS37)、HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルとして(図12ステップS39)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図12ステップS40)。
RNC1は図13に示すE−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<C>において、UEの現存するセルがHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルの場合(図13ステップS41)、最初のチェックセルをUEの現存するセルとして(図13ステップS42)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図13ステップS52)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセル以外のセルの場合(図13ステップS41)、E−DCH/HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて少なくとも一つHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルがある場合(図13ステップS43)、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルとして(図13ステップS44)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図13ステップS52)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルが一つもなければ(図13ステップS43)、E−DCH/HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて少なくとも一つHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルがある場合(図13ステップS45)、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルとして(図13ステップS46)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図13ステップS52)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルが一つもなければ(図13ステップS45)、E−DCH/HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて少なくとも一つHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルがある場合(図13ステップS47)、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルとして(図13ステップS48)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図13ステップS52)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルが一つもなければ(図13ステップS47)、E−DCH/HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて少なくとも一つHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルがある場合(図13ステップS49)、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCH ブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルとして(図13ステップS50)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図13ステップS52)。
RNC1はHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルが一つもなければ(図13ステップS49)、E−DCH/HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listにおいて、最初のチェックセルを、UEの現存するセルのHCS_PRIOと同じもしくは以下の最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセルとし、なければUEの現存するセルのHCS_PRIOの最も大きいHS−DSCHブロック状態フラグがTRUEのHS−DSCHセルとして(図13ステップS51)、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>を実施する(図13ステップS52)。
図14は本発明の第1の実施例におけるRRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>の動作を示すフローチャートである。この図14を参照して本発明の第1の実施例におけるRRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>について説明する。
RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>の入力パラメータは図11〜図13の動作によって得られるチェックセルと、UE種別に応じたセルリスト、図4からUEがRRC Connection Requestの送信に使用した現在のセル情報と、図3からUEの現存するセルとその同一アンテナかつ同一周波数帯の異周波数隣接セルのセル情報とを用いて開始される(図14ステップS61)。
RNC1はチェックセルがCongestion状態ではない(FALSE)場合(図14ステップS62)、チェックセルの負荷がRRC Connection確立できないほど高くない場合(図14ステップS63)、チェックセルをセル選択アルゴリズムによって選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図14ステップS64)。
RNC1はチェックセルがCongestion状態の場合(図14ステップS62)、あるいはチェックセルの負荷がRRC Connection確立できないほど高い場合(図14ステップS63)、UE種別に応じたセルリストのうち、まだ一度もセル選択アルゴリズム<D>においてチェックされていない先頭のセルをセルkとする(図14ステップS65)。
RNC1はセル‘k’が存在する場合(図14ステップS66)、チェックセルをセル‘k’とし(図14ステップS67)、ステップS62の動作に戻る。 RNC1はセル‘k’が存在しない場合(図14ステップS66)、選択可能なセルは存在せず、アルゴリズム結果を失敗とする(図14ステップS68)。
上記のようにして、RRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>は、アルゴリズム結果と、選択セルとを出力する。
このように、本実施例では、RRC Connection Request受信時、RNC1によるセル選択アルゴリズムが、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4にE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルを優先的に選択し、HS−DSCH可能UE5にHS−DSCHセルを優先的に選択し、E−DCH/HS−DSCH可能UE6にE−DCH/HS−DSCHセルを優先的に選択しているので、UEが実施可能なサービスに応じて、そのUEをサービスの提供が可能なセルに確立させるようにすることができる。
また、本実施例では、高速なダウンリンクのHSDPAサービスを提供可能なHS−DSCHセルにおいて、その時点での新規HSDPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すHS−DSCHブロック状態フラグと、高速なダウンリンクのHSDPAサービスだけでなく高速なアップリンクのHSUPAサービスを提供可能なE−DCH/HS−DSCHセルにおいて新規HSUPAサービスの提供が可能であるかどうかを示すE−DCHブロック状態フラグとの値に応じてセルを選択しているので、UEが実施可能なサービスに応じて、そのUEを確立要求があった時点でサービスの提供が可能なセルに確立させるようにすることができる。
さらに、本実施例では、全てのセルのHCS_PRIOをRNC1が把握し、UEが現存するセルのHCS_PRIOと同一アンテナの異周波数セルのHCS_PRIOとに応じて、UEが現存するセルよりも高いHCS_PRIOの異周波数セルを低い優先度に選択しているので、UEが確立要求を出す時に品質が悪いとみなした異周波数セルを極力選択させず、UEにとって品質が良いと想定されるセルを優先的に選択することができる。
一方、本実施例では、UEからの最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージに示されるUEの能力やUEのサポートするバージョン、UEが開始しようとするサービス種別や、確立理由、プロトコルエラー有無、内部データ15を使用しているので、RNC1が事前にUEの提供可能なサービスを決定することができる。
また、本実施例では、RNC1が制御する全てのセルの負荷情報を管理しており、このセル選択アルゴリズムによって該当UEに選択されたセルにおいてそのUEがそのセルで確立可能であるかどうか、UEの追加がもたらす負荷増と事前に設定された閾値と比較し、閾値よりもセル負荷が超過する場合、そのUEの能力に応じたセルリストにおいて、次の候補セルを選択するので、他のセルにおいてそのUEに対するRRC Connectionの確立を保証することができる。
本発明の第2の実施例は、その基本的構成が上記の本発明の第1の実施例と同様であるが、パケットサービスを共通チャネルで接続中のUEが、UEからのトラフィック増加報告受信もしくはRNC内部の転送バッファ増加検出による、共通チャネルから個別チャネルへのチャネルタイプ変更(CTS FACH to DCH)時のUE Differentiationアルゴリズムについてさらに工夫している。
図15は本発明の第2の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。図15において、RNC1aはセル選択処理部11を備え、セル情報13と、UE情報14と、RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ(Flag)16とを保持している。これらセル情報13と、セル選択処理部11と、RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ16とについては、上記の本発明の第1の実施例と同じ内容である。
図16は図15に示すUE情報14の詳細な構成を示す図である。図16において、RNC1aはUEの現存するセルの情報と、UE能力情報とをUE情報14として保持する。
UEの現存するセルの情報は、RRC Connectionが接続されている共通チャネルを含むセルを示す。UE能力情報は、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4、HS−DSCH可能UE5、E−DCH/HS−DSCH可能UE6といった対応可能なパケットサービスを示しており、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4が低レートサービスのみ可能、HS−DSCH可能UE5が低レートサービスとHSDPAサービスとを可能、E−DCH/HS−DSCH可能UE6が低レートサービスとHSDPAサービスとHSUPA/HSDPAサービスとを可能とする。また、UE能力情報には、UEが対応可能な全ての周波数帯情報も含まれる。これらは、RRC Connection接続時に、UEからのRRC Connection接続完了応答より決定される。
以上、本実施例によるRNC1aの構成について述べたが、図16に示すUE能力の決定方法については、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないが、本発明にてこれらの情報を使用している。
図17は本発明の第2の実施例におけるCTS CtoD時のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。この図17を参照して本発明の第2の実施例におけるCTS CtoD時のUE Differentiationアルゴリズムの動作について説明する。
RNC1aはパケットサービスを共通チャネルで接続中のUEが、UEからのトラフィック増加報告受信もしくはRNC1a内部の転送バッファ増加検出による、共通チャネルから個別チャネルへのチャネルタイプ変更(CTS FACH to DCH)時、UE Differentiationアルゴリズムを開始する(図17ステップS71)。
RNC1aはRNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ16をチェックし(図17ステップS72)、無効(FALSE)である場合、図7に示すLoad Controlアルゴリズムよりセルを選択する(図17ステップS76)。
RNC1aは有効(TRUE)である場合、UEの現存するセルと、同一アンテナの異周波数セルの情報を図3より取得し、図16のUEが対応可能な全ての周波数帯情報に含まれない周波数帯のセルを省く(図17ステップS73)。RNC1aは残ったセルのうち、少なくとも一つHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在するかどうかをチェックし(図17ステップS74)、存在しなければ、図7に示すLoad Controlアルゴリズムよりセルを選択する(図17ステップS76)。
RNC1aはHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在する場合、UE Differentiationアルゴリズムの有効フラグをチェックし(図17ステップS75)、無効(FALSE)である場合、図7に示すLoad Controlアルゴリズムよりセルを選択する(図17ステップS76)。
RNC1aは図14に示すUE能力情報を確認し(図17ステップS77)、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4であれば、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<AA>を実施する(図17ステップS79)。
RNC1aはHS−DSCH可能UE5であれば、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<BB>を実施する(図17ステップS80)。RNC1aはE−DCH/HS−DSCH可能UE6であれば、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<CC>を実施する(図17ステップS78)。
E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<AA>、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<BB>、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<CC>のセルリストは、上述した本発明の第1の実施例において使用したソートキーを上記のステップS73の動作にて残ったセルリストに対して使用して並び替えたものとする。
次に、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<AA>、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<BB>、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<CC>の最初のチェック対象セルの選択手順は、図11〜図13に示すフローチャートと等しく、最初のチェック対象セル時のUE Differentiationセル選択アルゴリズムは、CTS CtoD時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<E>を実施する。
図11においては、最初のチェック対象セルを選択後、DCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算する。
図12においては、最初のチェック対象セルを選択後、そのセルが、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルもしくはHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルであれば、HS−DSCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算し、そうでなければ、DCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算する。
図13においては、最初のチェック対象セルを選択後、そのセルが、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルであれば、E−DCH/HS−DSCHとしてセルに追加となる負荷を計算する。そのセルが、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルもしくはHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルであれば、HS−DSCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算し、そうでなければ、DCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算する。
図18は本発明の第2の実施例におけるCTS CtoD時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<E>の動作を示すフローチャートである。この図18を参照して本発明の第2の実施例におけるCTS CtoD時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<E>の動作について説明する。
CTS CtoD時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<E>の入力パラメータは図11〜図13の動作によって得られるチェックセルと、UE種別に応じたセルリスト、図3から現在のセル情報、図3からUEの現存するセルとその同一アンテナかつ同一周波数帯の異周波数隣接セルのセル情報とを用いて開始される(図18ステップS81)。
RNC1aはチェックセルがCongestion状態ではない(FALSE)場合(図18ステップS82)、UE種別に応じたセルリストのうち、まだ一度もセル選択アルゴリズム<D>においてチェックされていない先頭のセルをセルkとする(図18ステップS85)。
RNC1aはCongestion状態であれば(TRUE)(図18ステップS82)、チェックセルの負荷に対し、そのUEのための追加となる負荷が許容できないほど高くない場合(図18ステップS83)、チェックセルをセル選択アルゴリズムによって選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図18ステップS84)。
RNC1aは、負荷が許容できないほど高い場合(図18ステップS83)、UE種別に応じたセルリストのうち、まだ一度もセル選択アルゴリズム<D>においてチェックされていない先頭のセルをセルkとする(図18ステップS85)。
RNC1aはセル‘k’が存在しない場合(図18ステップS86)、選択可能なセルが存在せず、アルゴリズム結果を失敗とする(図18ステップS87)。
RNC1aはセル‘k’が存在し(図18ステップS86)、チェックセルにおいて提供しようとしていたサービス(DCH or HS−DSCH or E−DCH/HS−DSCH)と、セルkで提供可能なサービス(DCH or HS−DSCH or E−DCH/HS−DSCH)とが異なる場合(図18ステップS88)、セルkで提供可能なサービスとしてセルに追加となる負荷を計算し(図18ステップS89)、チェックセルをセル‘k’とし(図18ステップS90)、ステップS82の動作に戻る。
また、RNC1aはチェックセルにおいて提供しようとしていたサービスと、セルkで提供可能なサービスとが異ならない場合(図18ステップS88)、チェックセルをセル‘k’とし(図18ステップS90)、ステップS82の動作に戻る。
上記のようにして、CTS CtoD時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<E>は、アルゴリズム結果と、選択セルとを出力する。
このように、本実施例では、RNC1aによるセル選択アルゴリズムが、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4にE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルを優先的に選択し、HS−DSCH可能UE5にHS−DSCHセルを優先的に選択し、E−DCH/HS−DSCH可能UE6にE−DCH/HS−DSCHセルを優先的に選択しているので、UEが実施可能なサービスに応じて、そのUEをサービスの提供が可能なセルに確立させるようにすることができる。
本発明の第3の実施例は、その基本的構成が上記の本発明の第1の実施例と同様であるが、UEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信し、同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HO(HandOver:ハンドオーバ)を実施時のUE Differentiationアルゴリズムについてさらに工夫している。
図19は本発明の第3の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。図19において、RNC1bはセル選択処理部11と、UEからの無線品質測定報告処理部17とを備え、セル情報13と、UE情報14と、RNCとしてハイスピードサービス(HS−DSCH or E−DCH/HS−DSCH)が提供可能なセルに移動させることを優先とするサービス種別の内部データ(以下、サービス種別の内部データとする)18と、RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ(Flag)16とを保持している。
セル情報13、UE情報14、セル選択処理部11、RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ16については、上述した本発明の第1の実施例と同じ内容である。
図20は図19に示すUE情報14の詳細な構成を示す図である。図20において、RNC1bはUEの現存するセルの情報と、UEの現在のチャネル状態と、UEがHS−DSCHもしくはE−DCH/HS−DSCHサービスを提供する場合のサービングセルの情報と、UEが実施するサービス、UE能力情報をUE情報14として保持している。
UEの現存するセル情報は、UEが個別チャネルで接続する複数のActive Set Cellを示す。UEのチャネル状態は、個別チャネルで低レートサービスを提供するDCH Stateと、ダウンリンクにHSDPAサービスを提供するHS−DSCH Stateと、アップリンク/ダウンリンクそれぞれにHSDPA/HSUPAサービスを提供するE−DCH/HS−DSCH Stateとが存在する。
UEが実施するサービスは、一例として、音声電話やテレビ電話サービスを提供するCS Conversational、VoIP(Voice over IP)サービスを提供するPS Conversational、即時データ転送サービスを提供するCS StreamingもしくはPS Streaming、ウェブブラウジングやチャットサービスを提供するPS Interactive、メール転送サービスを提供するPS Background等が含まれる。
UE能力情報は、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4、HS−DSCH可能UE5、E−DCH/HS−DSCH可能UE6といった対応可能なパケットサービスを示しており、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4が低レートサービスのみ可能、HS−DSCH可能UE5が低レートサービスとHSDPAサービスとを可能、E−DCH/HS−DSCH可能UE6が低レートサービスとHSDPAサービスとHSUPA/HSDPAサービスとを可能とし、またUEが対応可能な全ての周波数帯情報も含まれる。これらは、RRC Connection接続時に、UEからのRRC Connection接続完了応答より決定される。
図21は図19に示すUEからの無線品質測定報告処理部17で受信するUEからの無線品質測定報告の構成を示す図である。図21において、UEからの無線品質測定報告では、UEが現在接続するActive Set Cellのリストが含められ、最も品質の良いセルが先頭セルとして含められる。
図22は図19に示すサービス種別の内部データ18の構成を示す図である。図22において、サービス種別の内部データ18は、RNC1bがUEに提供するサービスである、CS Conversational、CS Streaming、PS Conversational、PS Streaming、PS Interactive、PS Backgroundサービスのそれぞれにフラグ(TRUE/FALSE)が設定されており、TRUEはハイスピードサービスが提供可能なセルに優先的に移動させることを示し、FALSEはハイスピードサービスが提供不可能なセルに優先的に移動させることを示す。
図20に示すUE情報14をRNC1bの内部データに保持すること自体は当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないが、本発明にてこれらの情報を使用している。
また、図21に示すUEからの無線品質測定報告の内容自体は、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないが、本発明にてこれらの情報を使用している。
図23及び図24は本発明の第3の実施例によるUEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信して同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HOを実施した時のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。これら図23及び図24を参照して本発明の第3の実施例によるUEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信して同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HOを実施した時のUE Differentiationアルゴリズムの動作について説明する。
RNC1bはUEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信すると、同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HOの対象セル選択としてUE Differentiationアルゴリズムを開始する(図23ステップS91)。
RNC1bはUE Differentiationアルゴリズムの有効フラグをチェックし、無効(FALSE)である場合(図23ステップS92)、図20に示すUEの現存するセルとの同一アンテナである異周波数セルを図3より取得し、ランダムに対象となるセルを選択する(図23ステップS93)。
RNC1bは有効(TRUE)である場合(図23ステップS92)、図20に示すUEの現在のチャネル状態がDCH Stateの場合(図23ステップS94)、図21に示すUEからの無線品質測定報告より最も品質の良いセルである先頭セルとの同一アンテナである異周波数セルを図3より取得し、図20のUEが対応可能な全ての周波数帯情報に含まれない周波数帯のセルを省く(図23ステップS95)。
また、RNC1bはDCH State以外の場合(図23ステップS94)、図20に示すサービングセルと同一アンテナである異周波数セルを図3より取得し、図20に示すUEが対応可能な全ての周波数帯情報に含まれない周波数帯のセルを省く(図23ステップS96)。
RNC1bは対象となる異周波数セルがない(FALSE)場合(図23ステップS97)、選択可能なセルは存在せず、アルゴリズム結果を失敗とする(図23ステップS98)。
RNC1bは少なくとも一つ対象となる異周波数セルがあれば(図23ステップS97)、RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ16をチェックし(図23ステップS99)、無効(FALSE)である場合、残った異周波数セルのうち、最も高いHCS_PRIOのセルでもっとも大きなダウンリンク周波数を持つセルをHO対象セルとして選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図23ステップS101)。
RNC1bは有効(TRUE)である場合、残った異周波数セルの中に、少なくとも一つHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在するかどうかをチェックし(図23ステップS100)、存在しなければ、最も高いHCS_PRIOのセルでもっとも大きなダウンリンク周波数を持つセルをHO対象セルとして選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図23ステップS101)。
RNC1bはHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在する場合、図20に示すUEが実施するサービスに該当する、図22のハイスピード優先サービスの内部データのフラグが無効(FALSE)の場合(図24ステップS102)、UEの現存するセルを除くE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可Inter Frequency Cell Listの先頭セルを選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図24ステップS104)。
RNC1bは有効(TRUE)であれば(図24ステップS102)、図20に示すUE能力情報を確認し、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4の場合(図24ステップS103)、UEの現存するセルを除くE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可Inter Frequency Cell Listの先頭セルを選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図24ステップS104)。
RNC1bはHS−DSCH可能UE5の場合(図24ステップS103)、UEの現存するセルを除くHS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listの先頭セルを選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図24ステップS105)。
RNC1bはE−DCH/HS−DSCH可能UE6の場合(図24ステップS103)、UEの現存するセルを除くE−DCH/HS−DSCH Preferred Inter Frequency Cell Listの先頭セルを選択し、アルゴリズム結果を成功とする(図24ステップS106)。
上記のようにして、UEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信し、同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HOを実施時のUE Differentiationアルゴリズムは選択セルを出力する。尚、選択したセルに対する異周波数間HOが失敗した場合、それぞれのセルリストにおいての次の候補セルを選択して異周波数間HOを試みても良い。
本発明の第4の実施例は、その基本的構成が上記の本発明の第1の実施例と同様であるが、RRC Connectionを共通チャネルで接続中に、コアネットワーク(CN)よりサービス接続要求メッセージ受信時のUE Differentiationアルゴリズムについてさらに工夫している。
図25は本発明の第4の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。図25において、RNC1cはセル選択処理部11と、RAB Assignment Requestメッセージ受信処理部19とを備え、セル情報13と、UE情報14と、サービス種別の内部データ18と、RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ16とを保持している。
セル情報13、セル選択処理部11、RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ16については、上記の本発明の第1の実施例と同じ内容である。サービス種別の内部データ18については、上記の本発明の第3の実施例と同じ内容である。
図26は図25に示すUE情報14の詳細な構成を示す図である。図26において、RNC1cはUEの現存するセルの情報と、UE能力情報とをUE情報14として保持する。
UEの現存するセルの情報は、RRC Connectionが接続されている共通チャネルを含むセルを示す。UE能力情報は、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4、HS−DSCH可能UE5、E−DCH/HS−DSCH可能UE6といった対応可能なパケットサービスを示しており、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4が低レートサービスのみ可能、HS−DSCH可能UE5が低レートサービスとHSDPAサービスとを可能、E−DCH/HS−DSCH可能UE6が低レートサービスとHSDPAサービスとHSUPA/HSDPAサービスとを可能とし、またUEが対応可能な全ての周波数帯情報も含まれる。これらは、RRC Connection接続時に、UEからのRRC Connection接続完了応答より決定される。
RAB Assignment Requestメッセージ受信処理部19では、RAB Assignment Requestメッセージにおいて、どのようなサービスの確立要求があるかをチェックしており、一例として、音声電話やテレビ電話サービスを提供するCS Conversational、VoIPサービスを提供するPS Conversational、即時データ転送サービスを提供するCS StreamingもしくはPS Streaming、ウェブブラウジングやチャットサービスを提供するPS Interactive、メール転送サービスを提供するPS Background等が含まれる。
以上、本実施例の構成について述べたが、図26に示すUE情報14をRNC1c内部データに保持すること自体は当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないが、本発明にてこれらの情報を使用している。
また、RAB Assignment Requestメッセージ受信処理部19は当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないため、その詳細な説明を省略する。
図27は本発明の第3の実施例におけるRRC Connectionを共通チャネルで接続中に、コアネットワーク(CN)よりサービス接続要求メッセージ受信時のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。この図27を参照して本発明の第3の実施例におけるRRC Connectionを共通チャネルで接続中に、コアネットワーク(CN)よりサービス接続要求メッセージ受信時のUE Differentiationアルゴリズムの動作について説明する。
RNC1cはRNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ16をチェックし(図27ステップS111)、無効(FALSE)である場合、図7に示すLoad Controlアルゴリズムよりセルを選択する(図27ステップS115)。
RNC1cは有効(TRUE)である場合、UEの現存するセルと、同一アンテナの異周波数セルの情報を図3より取得し、図26に示すUEが対応可能な全ての周波数帯情報に含まれない周波数帯のセルを省く(図27ステップS112)。RNC1cは残ったセルのうち、少なくとも一つHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在するかどうかをチェックし(図27ステップS113)、存在しなければ、図7に示すLoad Controlアルゴリズムよりセルを選択する(図27ステップS115)。
RNC1cはHS−DSCHセルもしくはE−DCH/HS−DSCHセルが存在する場合、UE Differentiationアルゴリズムの有効フラグをチェックし(図27ステップS114)、無効(FALSE)である場合、図7に示すLoad Controlアルゴリズムよりセルを選択する(図27ステップS115)。
RNC1cは有効(TRUE)である場合、RAB Assignment Requestメッセージ受信処理部19において要求されているサービスに該当する、図22に示すハイスピード優先サービスの内部データのフラグがFALSEであれば(図27ステップS116)、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<AA>を実施する(図27ステップS118)。
RNC1cはTRUEであれば(図27ステップS116)、図26に示すUE能力情報を確認し、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4であれば(図27ステップS117)、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<AA>を実施する(図27ステップS118)。
RNC1cはHS−DSCH可能UE5であれば(図27ステップS117)、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<BB>を実施する(図27ステップS119)。RNC1cはE−DCH/HS−DSCH可能UE6であれば(図27ステップS117)、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<CC>を実施する(図27ステップS120)。
E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<AA>、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<BB>、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<CC>のセルリストは、本発明の第1の実施例において使用したソートキーを上記のステップS112の動作にて残ったセルリストに対して使用して並び替えたものとする。
E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4のセル選択アルゴリズム<AA>、HS−DSCH可能UE5のセル選択アルゴリズム<BB>、E−DCH/HS−DSCH可能UE6のセル選択アルゴリズム<CC>の最初のチェック対象セルの選択手順を図11〜図13に示す処理動作と等しく、最初のチェック対象セル時のUE Differentiationセル選択アルゴリズムは、図18に示すCTS CtoD時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<E>と等しい。
図11においては、最初のチェック対象セルを選択後、DCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算する。
図12においては、最初のチェック対象セルを選択後、そのセルが、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルもしくはHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルであれば、HS−DSCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算し、そうでなければ、DCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算する。
図13においては、最初のチェック対象セルを選択後、そのセルが、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがFALSEのE−DCH/HS−DSCHセルであれば、E−DCH/HS−DSCHとしてセルに追加となる負荷を計算する。
また、図13においては、そのセルが、HS−DSCHブロック状態フラグがFALSEで、E−DCHブロック状態フラグがTRUEのE−DCH/HS−DSCHセルもしくはHS−DSCHブロック状態フラグがFALSEのHS−DSCHセルであれば、HS−DSCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算し、そうでなければ、DCHの初期レートとしてセルに追加となる負荷を計算する。
このように、本実施例では、RNC1cによるセル選択アルゴリズムが、E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE4にE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルを優先的に選択し、HS−DSCH可能UE5にはHS−DSCHセルを優先的に選択し、E−DCH/HS−DSCH可能UE6にE−DCH/HS−DSCHセルを優先的に選択しているので、UEが実施可能なサービスと、コアネットワークより接続要求されたサービスに応じて、そのUEをサービスの提供が可能なセルに確立させるようにすることができる。
本発明は、同一アンテナにおいて周波数の異なるE−DCH/HS−DSCHサービス提供不可セルとHS−DSCHセルとE−DCH/HS−DSCHセルとが混在し、同一エリアにE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UEとHS−DSCH可能UEとE−DCH/HS−DSCH可能UEとが混在するIMT2000システムアーキテクチャに適用可能である。
上記のIMT2000システムアーキテクチャにおいては、最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージ受信時にRRC Connection確立対象のセル選択、もしくはパケットサービスを共通チャネルで接続中にUEからのトラフィック増加報告受信もしくはRNC内部の転送バッファ増加検出による共通チャネルから個別チャネルへのチャネルタイプ変更(CTS FACH to DCH)時に個別チャネル確立対象のセル選択、あるいはUEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信して同一アンテナの異周波数セルへの異周波数間HOの実施時に異周波数間HO対象のセル選択、またはRRC Connectionを共通チャネルで接続中にコアネットワーク(CN)よりサービス接続要求(RAB Assignment Request)メッセージ受信時に個別チャネル確立対象のセル選択をそれぞれ行う場合に適用可能である。
本発明の実施の形態による移動体通信システムの構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。
図2に示すセル情報の詳細な構成を示す図である。
図2に示すUE情報の詳細な構成を示す図である。
図2に示すUE情報処理部において処理される最初の無線接続要求(RRC Connection Request)メッセージの詳細な構成を示す図である。
図2に示す内部データの詳細な構成を示す図である。
図2に示すセル選択処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施例におけるRRC Connection Requestメッセージ受信時のセル選択のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施例におけるRRC Connection Requestメッセージ受信時のセル選択のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施例におけるRRC Connection Requestメッセージ受信時のセル選択のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施例におけるE−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UEのセル選択アルゴリズム<A>の動作を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施例におけるHS−DSCH可能UEのセル選択アルゴリズム<B>の動作を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施例におけるE−DCH/HS−DSCH可能UEのセル選択アルゴリズム<C>の動作を示すフローチャートである。
本発明の第1の実施例におけるRRC Connection Request受信時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<D>の動作を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。
図15に示すUE情報の詳細な構成を示す図である。
本発明の第2の実施例におけるCTS CtoD時のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
本発明の第2の実施例におけるCTS CtoD時のUE Differentiationセル選択アルゴリズム<E>の動作を示すフローチャートである。
本発明の第3の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。
図19に示すUE情報の詳細な構成を示す図である。
図19に示すUEからの無線品質測定報告処理部で受信するUEからの無線品質測定報告の構成を示す図である。
図19に示すサービス種別の内部データの構成を示す図である。
本発明の第3の実施例によるUEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信して同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HOを実施した時のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
本発明の第3の実施例によるUEより現在のセルの周波数帯の品質劣化報告を受信して同一アンテナの異周波数セルへ異周波数間HOを実施した時のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
本発明の第4の実施例によるRNCの内部構成を示すブロック図である。
図25に示すUE情報の詳細な構成を示す図である。
本発明の第3の実施例におけるRRC Connectionを共通チャネルで接続中に、コアネットワーク(CN)よりサービス接続要求メッセージ受信時のUE Differentiationアルゴリズムの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1a,
1b,1c RNC
2,3 基地局
4 E−DCH/HS−DSCHサービス実施不可UE
5 HS−DSCH可能UE
6 E−DCH/HS−DSCH可能UE
11 セル選択処理部
12 UE情報処理部
13 セル情報
14 UE情報
15 RNCとしてハイスピードサービス対象とする確立理由の内部データ
16 RNCとしてHSDPAを可能とするかどうかを示すフラグ
17 UEからの無線品質測定報告処理部
18 RNCとしてハイスピードサービスが提供可能なセルに移動させることを優先とするサービス種別の内部データ
19 RAB Assignment Requestメッセージ受信処理部
111 Load Control部
112 UE Differentiation処理部
113 UE Differentiationアルゴリズムを有効とするかどうかを示すフラグ