JP2008166836A - 半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゲートラグおよびセトリング時間が短い半導体装置を製造する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】基板にInGaP層を形成し、InGaP層の上面にTi層とAu層とを有するゲート電極を蒸着により形成し、InGaP層の上面においてゲート電極が形成される領域とは異なる領域にGaAs層を更に形成し、GaAs層の上面にソース電極及びドレイン電極を更に形成する半導体装置の製造方法を提供する。さらに、Ti層とAu層とを有するゲート電極をInGaP層の上面に形成する場合において、180℃以下の基板温度でTi層およびAu層を成膜する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。特に本発明は、高電子移動度トランジスタ等のInGaP層上に電極が形成された半導体装置の製造方法および半導体装置に関する。
化合物半導体を利用した電界効果トランジスタの一つとして、HEMT(高電子移動度トランジスタ)が知られている。HEMTは、バンドギャップが異なる半導体を堆積させ、この2つの半導体の境界において発生する電子(2次元電子ガス)が高速に移動することを利用した電界効果トランジスタである。例えば、電子供給層がInGaP(インジウム−ガリウム−リン)により形成され、チャネル層がInGaAs(インジウム−ガリウム−砒素)により形成されたHEMTが知られている(例えば特許文献1、2、3参照。)。
特開昭63−228763号公報 特開平1−238175号公報 特開平3−44038号公報
ところで、HEMTは、電子供給層上にゲート電極を備える。HEMTにおいて、ゲート電極との接合境界における電子供給層の結晶構造は、2次元電子ガスの移動度に大きく影響する。すなわち、HEMTは、ゲート電極との接合境界における電子供給層の結晶欠陥が少なければ、トラップ準位が少なくなり高速に動作するので、例えばパルス等の早い信号のゲート入力に対しての過渡応答が早くなる。一般に、このように過渡応答が早くなる現象は、ゲートラグ現象と呼ばれ、ゲートラグおよびセトリング時間が短くなる。
ここで、電子供給層がInGaPにより形成されたHEMTは、例えばTi×Mo×Auのように一部にMo等の融点1700℃以上の高融点材料を用いて、InGaP上にゲート電極が形成されていた。しかしながら、高融点材料を電子ビーム蒸着しようとすると、照射する電子ビームのエネルギーを大きくしなければならない。電子ビーム蒸着時における電子ビームのエネルギーを大きくした場合、高融点材料の粒子が高速でInGaPの表面に衝突し、InGaPの表面の結晶構造に大きなダメージを与える。このことから、電子供給層がInGaPにより形成され、高融点材料を電子ビーム蒸着してゲート電極が形成されたHEMTは、高速に動作せずゲートラグおよびセトリングも長くなる可能性があった。
さらに、HEMTは、電子供給層およびゲート電極を保護することを目的として、電子供給層およびゲート電極の表面上に、窒化シリコン膜を備える場合があった。窒化シリコン膜は、プラズマCVD(Chemical Vapor Depositon)法により形成される。
ここで、プラズマCVD法による窒化シリコン膜の形成時においては、一般に基板温度を250℃以上に加熱する。従って、電子供給層がInGaPにより形成されたHEMTに対して窒化シリコン膜を形成した場合、基板の加熱によりInGaPが酸化してPが抜け、InGaPの表面の結晶構造に大きなダメージを与える。このことから、電子供給層がInGaPにより形成され、窒化シリコン膜がInGaP上に形成されたHEMTは、高速に動作せずゲートラグおよびセトリングも長くなる可能性があった。
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる半導体装置の製造方法および半導体装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
上記課題を解決するために、本発明の第1形態においては、基板にInGaP層を形成し、InGaP層の上面に、Ti層とAu層とを有するゲート電極を蒸着により形成する半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の第2形態においては、基板にInGaP層を形成し、InGaP層の上面に、Ti層とAu層とを有するゲート電極を蒸着により形成することにより製造された半導体装置を提供する。
本発明の第3形態においては、基板にInGaP層を形成し、InGaP層の上面に電極を形成し、屈折率が1.5以上1.9未満のSiNを生成し、InGaP層の上面に、SiNを堆積させ、絶縁層を形成する半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の第4形態においては、基板にInGaP層を形成し、InGaP層の上面に電極を形成し、100℃以上200以下℃のプラズマCVDによりSiNを生成して、InGaP層の上面に、SiNを堆積させ、絶縁層を形成する半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の第5形態においては、基板にInGaP層を形成し、InGaP層の上面に電極を形成し、屈折率が1.5以上1.9未満のSiNを生成し、InGaP層の上面に、SiNを堆積させ、絶縁層を形成することにより製造された半導体装置を提供する。
本発明の第6形態においては、基板にInGaP層を形成し、InGaP層の上面に電極を形成し、100℃以上200以下℃のプラズマCVDによりSiNを生成して、InGaP層の上面に、SiNを堆積させ、絶縁層を形成することにより製造された半導体装置を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。高電子移動度トランジスタ10は、本発明に係る半導体装置の一例である。
高電子移動度トランジスタ10は、半導体性GaAs基板12と、AlGaAs層14と、InGaAs層16と、InGaP層18と、ゲート電極20と、GaAs層26と、ソースドレイン電極28と、SiN層30とを備える。半導体性GaAs基板12は、平板状の形状を有する。AlGaAs層14は、半導体性GaAs基板12上に薄膜状に形成される。AlGaAs層14は、当該高電子移動度トランジスタ10におけるバッファ層として機能する。
InGaAs層16は、AlGaAs層14上に薄膜状に形成される。InGaAs層16は、当該高電子移動度トランジスタ10における、2次元電子ガスを含むチャネル層として機能する。InGaP層18は、InGaAs層16上に薄膜状に形成される。InGaP層18は、当該高電子移動度トランジスタ10における電子供給層として機能する。
ゲート電極20は、InGaP層18の上面に形成される。ゲート電極20は、InGaP層18上に形成されたTi層202と、Ti層202上に形成されたAu層204とを有する。Ti層202は、InGaP層18上における所定の平面領域(ゲート形成領域)上に、Tiが電子ビーム蒸着されることにより形成される。Au層204は、Ti層202が形成された後にゲート形成領域上に、Auが抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着されることにより形成される。ゲート電極20には、当該高電子移動度トランジスタ10の動作時においてゲート電圧が印加される。
GaAs層26は、InGaP層18上におけるゲート電極が形成されるゲート形成領域とは異なる平面領域上に形成される。より詳しくは、GaAs層26は、InGaP層18上における、ゲート電極20を挟んで対向する2箇所に形成される。2箇所に形成されたGaAs層26の一方は、ソース電極とのコンタクトのための層として機能し、他方は、ドレイン電極とのコンタクトのための層として機能する。
ソースドレイン電極28は、2箇所に形成されたGaAs層26のそれぞれの上に形成される。ソースドレイン電極28は、GaAs層26とオーミックコンタクトをする。ソースドレイン電極28は、当該高電子移動度トランジスタ10の動作時において、ソース電圧およびドレイン電圧が印加される。
SiN層30は、少なくとも、InGaP層18の上面における露出部分(すなわち、InGaP層18の上面におけるゲート電極20およびGaAs層26が形成されていない部分)の上、並びに、ゲート電極20における上面および側面の上に、薄膜状に形成される。SiN層30は、下層のInGaP層18等を保護するためのパシベーション層および絶縁層として機能する。
ここで、SiN層30は、一例として、屈折率が1.5以上1.9未満となっている。また、SiN層30は、一例として、基板温度が例えば100℃以上200℃以下(例えば、150℃)に設定されたプラズマCVD法によりSiNを堆積させることにより、形成されている。
図2〜図6は、図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における断面構造を示す。以下、図2〜図6を参照して、図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造方法について説明する。
図2は、図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、GaAs層26が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。高電子移動度トランジスタ10を製造する場合、まず、半導体性GaAs基板12上に、AlGaAs層14、InGaAs層16、InGaP層18およびGaAs層26を、順次に堆積させる。例えば、MOCVD(Metal Oranic CVD)法によりエピタキシャル成長させることにより、AlGaAs層14、InGaAs層16、InGaP層18およびGaAs層26を形成してよい。この場合において、AlGaAs層14の膜厚を例えば100nmとし、InGaAs層16の膜厚を例えば10nmとし、InGaP層18の膜厚を例えば50nmとし、GaAs層26の膜厚を例えば100nmとしてよい。
図3は、図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、空洞部48が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。次に、GaAs層26上に第1レジスト42および第2レジスト44を順次に堆積させる。次に、第1レジスト42および第2レジスト44におけるゲート形成領域に対応する部分を開口して、第1開口部46および空洞部48を形成する。ここで、第1レジスト42は、光に対する感度が第2レジスト44と異なるので、現像により第1レジスト42の除去が水平方向にも進行する。従って、空洞部48は、下側の開口(すなわち、GaAs層26の上面が露出した部分)が、第2レジスト44の第1開口部46よりも大きい。
図4は、図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、リセス50が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。次に、ウェットエッチングにより、GaAs層26における露出部分を除去する。これにより、高電子移動度トランジスタ10の基板上面におけるゲート形成領域に、くぼみ状のリセス50が形成される。
ここで、リセス50の底面52(すなわち、GaAs層26が除去されたことにより露出したInGaP層18の上面)の結晶構造は、当該高電子移動度トランジスタ10における高周波特性(例えばゲートラグおよびセトリング特性)に大きく影響する。本実施形態においては、GaAs層26を、結晶ダメージが大きいドライエッチングを用いずにウェットエッチングにより除去してリセス50を形成するので、InGaP層18の結晶欠陥を少なくすることができる。従って、本実施形態においては、高周波特性(例えばゲートラグおよびセトリング特性)の良い高電子移動度トランジスタ10を提供することができる。
図5は、図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、ゲート電極20が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。なお、図5は、実際の装置内においては、半導体性GaAs基板12が上側、Tiターゲット54およびAu金属56が下側に位置する。
次に、Tiターゲット54に電子ビームを照射して蒸発させ、リセス50の底面52上にTi層202を蒸着により形成する。次に、Ti層202を形成した後に、Au金属56を抵抗加熱(または電子ビームを照射)することにより蒸発させ、Ti層202上にAu層204を蒸着により形成する。
この結果、Ti層202とAu層204とを有するゲート電極20をInGaP層18上に形成することができる。すなわち、InGaP層18の上面に、Ti層202とAu層204とを有するゲート電極20を蒸着により形成することができる。なお、Tiターゲット54およびAu金属56から蒸発したTi粒子およびAu粒子は、第2レジスト44に形成された第1開口部46を通過してInGaP層18上に蒸着して、基板に対して上方向に堆積する。従って、ゲート電極20は、InGaP層18上における第1開口部46に対応する位置に形成される。
ここで、本実施形態においては、モリブデンよりも融点が低いTiおよびAuによりゲート電極を形成するので、蒸着時におけるエネルギーを小さくすることができる。この結果、InGaP層18に対する衝突時におけるTi粒子およびAu粒子の速度を低くすることができるので、InGaP層18の表面における結晶構造に与えるダメージを小さくすることができる。
また、本実施形態においては、Ti、AuをInGaP層の上面に蒸着させる場合において、InGaP層18の基板温度を180℃以下とする。これにより、モリブデンを用いた場合と比べて、InGaP層18の温度上昇を抑え、膜ストレスを下げることができる。従って、ゲート電極20の形成時におけるInGaP層18の酸化を抑制し、InGaP層18の結晶構造からPの抜けを少なくすることができる。
図6は、図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、SiN層30が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。次に、第1レジスト42および第2レジスト44を除去する。続いて、InGaP層18の上面における露出部分(すなわち、InGaP層18の上面におけるゲート電極20およびInGaP層18が形成されていない部分)の上、並びに、ゲート電極20における上面および側面の上に、屈折率が1.5以上1.9未満のSiNを堆積させて、SiN層30を形成する。一例として、基板温度を100℃以上200℃以下(例えば150℃)に設定して、プラズマCVD法によりSiNを堆積させて、SiN層30を形成してよい。また、一例として、アンモニアガスおよびシランガスを用いた雰囲気によりプラズマを発生させてSiNを生成してよい。
これにより、酸素の組成比が0.5%以上の絶縁層として機能するSiN層30を形成することができる。さらに、線熱膨張係数が、SiNの組成比が略100%である膜の線熱膨張係数より小さい絶縁層として機能するSiN層30を形成することができる。
ここで、一般に、プラズマCVD法によりSiNを基板上に堆積させる場合、基板温度を250℃以上350℃以下程度に設定して、屈折率を1.90以上のSiNを生成する。本実施形態においては、基板温度を100℃以上200℃以下(例えば、150℃)として、屈折率が1.5以上1.9未満のSiNを堆積している。これにより、本実施形態においては、SiN層30の形成時におけるInGaP層18の温度上昇を抑えることができる。従って、SiN層30の形成時におけるInGaP層18の酸化が抑制され、InGaP層18の結晶構造からPの抜けを少なくすることができる。
次に、GaAs層26上に形成されたSiN層30を除去して、GaAs層26の上面を露出させる。そして、SiN層30が除去されて露出したGaAs層26における上面に、GaAs層26とオーミックコンタクトをする金属材料を堆積させて、ソースドレイン電極28を形成する。
以上の工程により図1に示された高電子移動度トランジスタ10を製造することができる。このように製造された高電子移動度トランジスタ10は、融点の低いTiおよびAuがゲート電極20の材料として用いられ、SiN層30を堆積する際の基板温度が低いので、製造時においてInGaP層18に与えられたダメージが少ない。従って、高電子移動度トランジスタ10によれば、InGaP層18の結晶欠陥を少なくすることができる。よって、高電子移動度トランジスタ10によれば、高速に動作して、ゲートラグおよびセトリングを短くすることができる。
図7は、本実施形態の変形例に係る高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。本変形例に係る高電子移動度トランジスタ10は、以下の相違点を除き図1に示した同一符号の部材と略同一の構成および機能を採り、また、略同一の製造方法であるので、以下相違点を除き説明を省略する。
本変形例におけるゲート電極20は、垂直方向の略中間に、上側の幅が下側の幅よりも大きくなった段差部60を有し、いわゆるT型ゲート構造となっている。このようなT型ゲート構造のゲート電極20を備える高電子移動度トランジスタ10によれば、抵抗値を小さくすることができる。
図8〜図11は、図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における断面構造を示す。以下、図8〜図11を参照して、図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造方法について説明する。
図8は、図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、空洞部48が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。本変形例に係る高電子移動度トランジスタ10を製造する場合、半導体性GaAs基板12上に、AlGaAs層14、InGaAs層16、InGaP層18およびGaAs層26を順次に堆積させた後に、GaAs層26上に、第3レジスト62、第1レジスト42および第2レジスト44を順次に堆積させる。
次に、第1開口部46を形成し、続いて、空洞部48を形成する。次に、第3レジスト62におけるゲート形成領域に対応する部分を開口して、第2開口部64を形成する。なお、第2開口部64は、第1開口部46と略中心が一致し、第2レジスト44に形成された第1開口部46よりも小さく、内径がゲート電極20における段差部60の直下の外形に略一致する。
図9は、図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、リセス50が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。次に、ウェットエッチングにより、GaAs層26における第2開口部64が形成されたことにより露出した部分を除去する。これにより、高電子移動度トランジスタ10の基板上面におけるゲート形成領域に、リセス50が形成される。なお、この場合において、水平方向へのエッチングを進めて、底面52(すなわち、InGaP層18が露出した部分)が第2開口部64よりも十分に大きくなるようにリセス50を形成する。
図10は、図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、ゲート電極20が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。なお、図10は、実際の装置内においては、半導体性GaAs基板12が上側、Tiターゲット54およびAu金属56が下側に位置する。
次に、Tiターゲット54に電子ビームを照射して蒸発させ、リセス50の底面52上にTi層202を蒸着により形成する。次に、Ti層202を形成した後に、Au金属56を抵抗加熱(または電子ビームを照射)することにより蒸発させ、Ti層202上にAu層204を蒸着により形成する。この結果、Ti層202とAu層204とを有するゲート電極20をInGaP層18上に形成することができる。
ここで、Tiターゲット54から蒸発したTi粒子は、まず、第1開口部46および第2開口部64を通過してInGaP層18上に蒸着されて基板上方向に堆積する。次に、Au金属56から蒸発したAu粒子は、第1開口部46および第2開口部64を通過してTi層202上に蒸着されて基板上方向に堆積する。そして、Au粒子が第3レジスト62まで堆積されると、そこから更に基板上方向にも堆積する。このとき、第3レジスト62の上面における第2開口部64の周囲にも、Au粒子が蒸着して基板上方向に堆積する。これにより、垂直方向の中間位置を境界として上側の幅が下側の幅よりも長くなった段差部60を有するゲート電極20を形成することができる。なお、Ti粒子を第3レジスト62まで堆積させて、第3レジスト62の上面における第2開口部64の周囲にTi粒子を蒸着して基板上方向に堆積させ、その後にAu粒子を堆積させてもよい。
図11は、図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、SiN層30が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。次に、第3レジスト62、第1レジスト42および第2レジスト44を除去する。その後に、InGaP層18の上面における露出部分(すなわち、InGaP層18の上面におけるゲート電極20およびInGaP層18が形成されていない部分)の上、並びに、ゲート電極20における上面および側面の上に、SiN層30を形成する。そして、GaAs層26上に形成されたSiN層30を除去して、ソースドレイン電極28を形成する。
以上の工程により図7に示された高電子移動度トランジスタ10を製造することができる。このように製造された高電子移動度トランジスタ10は、図1に示された高電子移動度トランジスタ10と同様の効果を得ることができる。
図12は、図1に示した本実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10のセトリング特性、および、比較例に係る高電子移動度トランジスタのセトリング特性を示す。図13は、図12における横軸(時間軸)を拡大した図を示す。なお、一般的なスイッチ応答は、電圧または電流応答の10%から90%の変化を表す。しかし、図12および図13に示すセトリング特性は、0%から99.9%の立ち上がりまたは立ち下がりの変化を表す。
また、図12および図13においてセトリング時間は、ゲート電極に対して、L電圧(−2V〜−5V)からH電圧(0V〜0.8V)に変化する立上りエッジ(またはH電圧からL電圧に変化する立下りエッジ)を印加し、ドレインまたはソースから入力された電力がソースまたはドレインから出力される場合における、測定時間を表す。より詳しくは、図12および図13においてセトリング時間は、立ち上がりエッジの電圧の印加時刻から、安定電力範囲(安定出力電力の±0.01dBまたは安定出力電圧の±0.097%)に達した時刻までの時間を表す。なお、この場合において、ドレインに入力される入力信号は、DC信号およびRF信号(100GHzまでの周波数の信号)である。
また、比較例に係る高電子移動度トランジスタは、半導体性GaAs基板上に、バッファ層としてAlGaAs、チャネル層としてInGaAs、電子供給層としてInGaPが順次に堆積され、ゲート電極が白金により構成されたものである。さらに、比較例に係る光電子移動度トランジスタは、SiNによるパシベーションは設けられていない。
図12に示すように、比較例に係る高電子移動度トランジスタは、セトリング時間が約140ミリ秒となっている。これに対して、本実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10は、図13に示すように、セトリング時間が約20マイクロ秒となっている。このように、本実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10によれば、セトリング時間を非常に短くすることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明の実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、GaAs層26が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、空洞部48が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、リセス50が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、ゲート電極20が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図1に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、SiN層30が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 本実施形態の変形例に係る高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、空洞部48が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、リセス50が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、ゲート電極20が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 図7に示された高電子移動度トランジスタ10の製造途中における、SiN層30が形成された高電子移動度トランジスタ10の断面構造を示す。 本実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10のセトリング特性および比較例に係る高電子移動度トランジスタのセトリング特性を示す。 図12における横軸(時間軸)を拡大した図を示す。
符号の説明
10 高電子移動度トランジスタ
12 半導体性GaAs基板
14 AlGaAs層
16 InGaAs層
18 InGaP層
20 ゲート電極
26 GaAs層
28 ソースドレイン電極
30 SiN層
42 第1レジスト
44 第2レジスト
46 第1開口部
48 空洞部
50 リセス
52 底面
54 Tiターゲット
56 Au金属
60 段差部
62 第3レジスト
64 第2開口部
202 Ti層
204 Au層

Claims (13)

  1. 基板にInGaP層を形成し、
    前記InGaP層の上面に、Ti層とAu層とを有するゲート電極を蒸着により形成する
    半導体装置の製造方法。
  2. 前記Ti層と前記Au層とを有する前記ゲート電極を前記InGaP層の上面に形成する場合において、
    180℃以下の基板温度で前記Ti層および前記Au層を成膜する
    請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記InGaP層の前記上面において、前記ゲート電極が形成される領域とは異なる領域にGaAs層を更に形成し、
    前記GaAs層の上面にソース電極及びドレイン電極を更に形成する
    請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 屈折率が1.5以上1.9未満のSiNを生成し、
    前記Ti層と前記Au層とを有する前記ゲート電極を前記InGaP層の上面に形成した後に、前記InGaP層の上面に、前記SiNを堆積させ、絶縁層を形成する
    請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  5. 基板にInGaP層を形成し、
    前記InGaP層の上面に、Ti層とAu層とを有するゲート電極を蒸着により形成する
    ことにより製造された半導体装置。
  6. 基板にInGaP層を形成し、
    前記InGaP層の上面に電極を形成し、
    屈折率が1.5以上1.9未満のSiNを生成し、
    前記InGaP層の上面に、前記SiNを堆積させ、絶縁層を形成する
    半導体装置の製造方法。
  7. 前記SiNを、150℃のプラズマCVD法により形成する
    請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記プラズマCVD法において、アンモニアガス及びシランガスを用いて、上記SiNを生成する
    請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記絶縁層として、酸素の組成比が0.5%より大きい絶縁層を形成する
    請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記絶縁層として、線熱膨張係数が、SiNの組成比が略100%である膜の線熱膨張係数より小さい絶縁層を形成する
    請求項8に記載の製造方法。
  11. 基板にInGaP層を形成し、
    前記InGaP層の上面に電極を形成し、
    100℃以上200以下℃のプラズマCVDによりSiNを生成して、前記InGaP層の上面に、前記SiNを堆積させ、絶縁層を形成する
    半導体装置の製造方法。
  12. 基板にInGaP層を形成し、
    前記InGaP層の上面に電極を形成し、
    屈折率が1.5以上1.9未満のSiNを生成し、
    前記InGaP層の上面に、前記SiNを堆積させ、絶縁層を形成する
    ことにより製造された半導体装置。
  13. 基板にInGaP層を形成し、
    前記InGaP層の上面に電極を形成し、
    100℃以上200以下℃のプラズマCVDによりSiNを生成して、前記InGaP層の上面に、前記SiNを堆積させ、絶縁層を形成する
    ことにより製造された半導体装置。
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