JP2008164712A - 黒色トナー - Google Patents

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幸夫 細谷
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剛 内田
Masaharu Shiraishi
雅晴 白石
Masahiro Yasuno
政裕 安野
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Abstract

【課題】プリント作成時に、転写抜けやカブリ等の画像不良を起こすことのない良好な画像形成が可能な電子写真方式の画像形成に使用される黒色トナーの提供。
【解決手段】コア部に含有されるカーボンブラックの平均粒径が10nm以上300nm以下であり、かつ、周波数105Hzにおける誘電正接の値が0.020以下であるコア・シェル構造を有する黒色トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に使用される黒色トナーに関する。
複写機やプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置では、デジタル技術の進展に伴い、カラートナーを用いたフォトライクのフルカラープリント画像も作成されている。
また、黒色トナーも文字や線画形成に最も多く使用され、微小なドット画像や細線画像を再現するニーズの高いことからさらなる技術の開発が進められている。
ところで、黒色トナーに使用される着色剤は、主にカーボンブラックが使用されるが、従来より、カーボンブラックの添加量にはトナーの帯電性能を安定レベルに維持する上で限界があると見られていた。
すなわち、カーボンブラックがある程度の導電性を有するため、添加量を増大させると生成した電荷がカーボンブラック間をジャンプしながら移動(この現象をトンネル効果と呼ぶ)するため、安定した帯電が行えないと考えられていた。
しかしながら、着色剤としての性能や入手が容易な点でカーボンブラックに代わる着色剤はなかなか存在せず、これまでもカーボンブラックの帯電性能を改良する技術が検討されてきた。
たとえば、活性炭を使用して、帯電立ち上がり性能を改良し、トナー飛散の発生を低減させようとした黒色トナーの技術があった(例えば、特許文献1参照)。
この技術は1μm以上の活性炭を使用するもので、微小なドット画像形成を行う小径トナーにそのまま適用できるものではなかった。
また、カーボンブラックの構造に着目して、特定構造を有するカーボンブラックを選択することでトナーの帯電性能を向上させようと考えた技術もある。たとえば、表面に無数の微細孔を有し、特定範囲内の導電率とBET比表面積を有する無定形炭素を用いることにより、小径トナーの帯電保持性能を改善させた技術が挙げられる(たとえば、特許文献2、3参照)。
特開昭61−203463号公報 特開2006−106245号公報 特開2006−113172号公報
ところで、トナーの小径化や重合法によるトナー作製技術の進展等により、着色剤に使用されるカーボンブラックもその粒径がナノメータレベルの小さなものが求められる傾向にある。事実、前述した特許文献2や3に開示された無定形炭素もその大きさが10〜500nmのものである。この様に粒径の小さなカーボンブラックは、比表面積の影響等により粒子同士が連鎖状にくっついて分散しにくい性質を有していた。
カーボンブラックが十分に分散されずに作製されたトナーでは、内部にカーボンブラックの塊が形成され、その塊がトナー粒子表面に存在すると、トナーの帯電性に大きな影響を与えることになる。
すなわち、カーボンブラックのもつ導電性により、トナー表面に形成された電荷がリークされて、トナーの帯電性能に影響を与える。
その結果、所定レベルに帯電しなかったトナーが飛散して、画像上にカブリや転写抜け等の画像不良が発生し、特に、高温高湿環境の様な厳しい画像形成環境下でのプリント作成が懸念される。また、カーボンブラックの塊がトナーより遊離して、着色剤が不足したトナーが使用されることにより、所定の画像濃度が得られぬ状態で画像形成が行われることも懸念される。
本発明は、カーボンブラックがトナー中で十分に分散し、安定した帯電性能を発現することが可能な黒色の静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
すなわち、プリント作成時に、転写抜けやカブリ等の画像不良のない良好な黒色のトナー画像を形成することが可能な静電荷像現像用トナーを提供し、特に、高温高湿環境下で安定した画像形成を行うことが可能な黒色の静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
1.少なくとも樹脂と着色剤としてカーボンブラックを含有するコア部のまわりに、樹脂を被覆して形成されたシェル部を有するコアシェル構造を有する黒色トナーであって、
前記黒色トナー中に分散してなるカーボンブラックの平均粒径が10nm以上300nm以下であり、
かつ、周波数105Hzにおける前記黒色トナーの誘電正接tanδが0.020以下であることを特徴とする黒色トナー。
本発明では、着色剤として使用されるカーボンブラックのトナー中における平均粒径を10nm以上300nm以下とし、かつ、トナーの105Hzにおける誘電正接tanδを0.020以下とすることにより、前述の課題が解消されることが見出された。
すなわち、本発明では、上記構成とすることにより、トナー粒子中でカーボンブラックが適度な大きさで均一分散できる様になり、トナーからのカーボンブラックの脱離が起きなくなって、安定した帯電性能を発現できる様になった。
その結果、プリント作成を行った時に、転写抜けやカブリ等の画像不良のない良好なトナー画像が形成され、また、画像形成装置内でフィルミングやトナー飛散を発生することのない安定した画像形成が行える様になった。特に、高温高湿環境下での安定した画像形成が行える様になった。
本発明は、樹脂と着色剤としてカーボンブラックを含有するコア部のまわりに、樹脂を被覆して形成したシェル部を有する、いわゆるコアシェル構造の黒色トナーに関するものである。
本発明ではトナー中に分散してなるカーボンブラックの平均粒径と、カーボンブラックのトナー中における分散性を特定することにより、高温高湿環境の様な厳しい画像形成条件下でも転写抜けやカブリによる汚染等の画像不良のない安定した画像形成を実現した。すなわち、本発明では、トナー中でのカーボンブラックの平均粒径(分散粒径)を10nm以上300nm以下に特定するとともに、周波数105Hzにおける黒色トナーの誘電正接を0.020以下に特定することにより、上記課題が解消されることを見出した。
最初に、本発明に係るトナーに使用可能なカーボンブラックについて説明する。
本発明に係るトナーに含有されるカーボンブラックの平均粒径は10nm以上300nm以下である。すなわち、トナー粒子中で10nm以上300nm以下の大きさで分散してなるものである。本発明に係る黒色トナーに使用可能なカーボンブラックとしては、たとえば、ファーネスブラック、ガスブラック、チャンネルブラック、フレームブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、プラズマブラック、ランプブラック等が挙げられる。
また、DE19521565号に開示されるインバーションブラック(Inversionsruss)、WO98/45361号もしくはDE19613796号に開示されるケイ素原子含有カーボンブラック、WO98/42778号に開示の金属含有カーボンブラック、アーク放電ブラック(Lichbogenruss)や、化学的な製造方法で副生成物として作製されるカーボンブラック等も挙げられる。
さらには、ゴム混合物中の補強充填剤として使用されるカーボンブラックやカラーブラック、あるいは、対紫外線安定化に使用されるカーボンブラック、ビチューメンなどのゴム以外の用途に補強充填剤として使用されるカーボンブラック、プラスチックへの充填剤として使用されるカーボンブラック、冶金における還元剤として使用されるカーボンブラック等も挙げられる。
前述の様に、カーボンブラックはその比表面積の影響等により、カーボンブラック粒子同士が連鎖状にくっつき易い性質を有し、トナー中で分散しにくい性質を有している。
本発明では、後述する実施例に記載の様に、ホモジナイザに代表される分散装置により、カーボンブラックを機械的に分散させることにより、カーボンブラック塊の大きさを制御する様にした。すなわち、本発明ではカーボンブラック塊の大きさを制御することにより、仮に塊状状態でカーボンブラックがトナー中に添加されていても、トナーの帯電性に影響が及ばないことを確認したのである。
つまり、トナー中でカーボンブラックの平均粒径が10乃至300nmの範囲にあれば、仮にカーボンブラック同士が多少塊まっていても、トナー中で均一分散でき、かつ、トナー表面からの脱離が起きない大きさであると考えられる。その結果、トナーの帯電性能が安定して維持されるものと推測される。
なお、本発明に係る黒色トナー中に分散してなるカーボンブラックの平均粒径は、透過型電子顕微鏡写真の観察結果より算出することが可能である。具体的には、倍率が10000倍の透過型電子顕微鏡を用いて100個のトナー粒子を撮影し、トナー粒子中に含有されるカーボンブラック粒子をランダムに1次粒子として観察し、画像解析により水平方向フェレ径を算出し、その平均値を平均粒径とするものである。
本発明に係る黒色トナーでは、トナー粒子中のカーボンブラック含有量は、トナーを構成する樹脂100質量部に対し5〜70質量部添加することが好ましく、20〜50質量部がより好ましい。
また、トナーに含有される前のカーボンブラックの平均粒径を界面活性剤水溶液中で分散させた状態で測定することも可能である。この場合、たとえば、動的光散乱式ナノトラック粒度分布測定装置「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」の様な動的光散乱法を利用した粒度分析装置による測定方法が挙げられる。「マイクロトラックUPA150」により測定を実施する際の測定手順を以下に示すが、下記測定条件は「マイクロトラックUPA150」本体の制御プログラムにて設定されるものである。
(1)測定条件
サンプル屈折率:1.59、サンプル比重:1.05、球状粒子換算
溶媒屈折率:1.33、溶媒粘度:0.797(30℃)、1.002(20℃)
(2)測定セルに純水を投入し、0点調整を行う。
(3)50mlの純水中に、後述するカーボンブラック分散液を添加し、透過濃度が適正範囲内になる様にカーボンブラック分散液の調整を行う。
(4)調整した分散液に約3分間超音波処理を行い、ソルベントショックによるカーボンブラックの凝集を解除する。
(5)超音波処理後の分散液を測定セルに写し、透過濃度が適正範囲内(強度で0.1乃至10.0)にあることを確認する。
(6)透過濃度が適正範囲内にあることを確認したら本体制御プログラムにより測定を開始する。なお、透過濃度が適正範囲内でなかった場合にはトナー比率を下げる様に純水をさらに添加し、透過濃度が適正範囲内に入る様に調整する。
なお、測定時間を180秒、測定回数を1回に設定し、平均粒径Mは下記式より算出される。
平均粒子径M=Σ(vi・di)/Σ(vi)
次に、本発明に係る黒色トナーにおける誘電損率、誘電率、及び、誘電正接について説明する。
本発明に係るトナーは、(誘電損率ε”/誘電率ε’)で表される誘電正接tanδが、周波数105Hzにおいて、0.020以下のものである。本発明では、その製造工程中の会合工程において、アクリル酸やメタクリル酸等に代表される酸性基を含有してなる樹脂微粒子を添加して会合を行うことにより、誘電正接の値が上記範囲となるトナーを見出した。酸性基を含有する樹脂微粒子を添加して会合を行うことにより、カーボンブラックの分散性が向上する理由は明らかではないが、以下の様に推測される。すなわち、会合工程で凝集剤として添加される多価金属塩と樹脂微粒子表面の酸性基とが結合してカーボンブラックがイオン的にトラップされる結果、樹脂粒子とカーボンブラックの凝集速度が均一化され、カーボンブラックの分散性が向上するものと推測される。
また、本発明に係る黒色トナーはコアシェル構造を有し、カーボンブラックが均一分散した構造のコア粒子をシェル化することにより、コア粒子表面に樹脂がむらなく均一に付着するものと推測される。そして、コア粒子表面が樹脂で均一に被覆されてなるシェルが形成され、トナー表面にカーボンブラックが露出していない状態のコアシェル構造のトナーが得られる。その結果、トナー表面では安定した帯電が行われるとともに、トナー表面からカーボンブラックが脱離することがない黒色トナーが得られる。
本発明に係る黒色トナーは、周波数105Hzにおけるトナーの誘電正接tanδの値が0.020以下のもので、tanδが0.020以下となるトナーは後述の実施例結果からも明らかな様に、トナー表面にカーボンブラックの露出が見られない。この様に、本発明に係るトナーは、シェル化を行う際、コア粒子表面にむらのない均一な樹脂層が形成され、トナー表面にカーボンブラックの部分的な露出が見られないものが得られる。
この様に、誘電損率ε”と誘電率ε’の比で表される誘電正接tanδは、トナー中におけるカーボンブラックの分散性とトナー表面における露出の程度を示す尺度と言える。すなわち、誘電正接tanδの値が小さくなるほど、コア粒子中におけるカーボンブラックの分散性が向上することを示している。そして、誘電正接tanδの値が0.020以下のトナーでは、シェル化のときにコア粒子表面に樹脂がむらなく均一に付着し、その結果、トナー表面にカーボンブラックが露出していない形態になるものと推測される。
したがって、帯電時におけるカーボンブラックを介しての電荷のリークや、トナー表面からカーボンブラックのトナー表面からの遊離は発生せず、帯電量分布がシャープで、かつ、安定した帯電性能を有する黒色トナーが得られる。その結果、本発明に係る黒色トナーによれば、現像工程下で所定量の電荷が得られる様な安定した帯電がトナーに行える。特に、トナーの帯電量不足が発生し易い高温高湿環境下でカブリやトナー飛散等を起こすことのない安定した画像形成が行えるものと推測される。
トナーの誘電率ε’、誘電損率ε”、及び、誘電正接tanδは、誘電率測定に使用されるインピーダンス測定装置を用いて測定することが可能である。具体的な測定装置としては、たとえば、「4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)」等が代表的なものである。
以下に、「4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)」を用いて、トナーの誘電率ε’、誘電損率ε”、及び、誘電正接tanδを算出する手順を説明する。
(1)先ず、25℃、トナー0.5〜0.7gを秤量し、34300kPa(350kgf/cm2)の荷重を2分間かけ、直径25mm、厚さ1mm以下(好ましくは、0.5〜0.9mm)の円盤状の測定試料を成形する。
(2)作製した測定試料を、直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着した「ARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)」に装着して固定する。
(3)その後、3.43N(350gf)の荷重をかけた状態で、5Vの電圧を印加し、周波数105Hzの周波数で3回測定し、その平均値を算出して求める。
なお、本発明ではトナーの誘電正接tanδは、前述した様に、コア粒子作製時にカルボキシル基等の酸性基を側鎖にもつ重合性単量体の割合が高い樹脂を用いることにより制御することが可能である。したがって、乳化会合法によりコア粒子を作製する際、カルボキシル基等の酸性基を側鎖にもつ重合性単量体の割合が高い樹脂粒子を多めに添加することで、トナーの誘電正接tanδを低くすることが可能である。つまり、この樹脂の微率が高くなるほど、酸性基の影響が増大してコア粒子中でのカーボンブラックの分散性が向上するものと推測される。
次に、本発明に係る静電荷像現像方式の黒色トナーについて、その製造方法、及び、結着樹脂等のトナー構成要素について説明する。
本発明に係るトナーを構成する着色粒子(外添処理前のトナー粒子のこと)は、少なくとも樹脂と着色剤、及び、凝集力増強成分を含有してなるものである。本発明に係るトナーは、その製造方法は特に限定されるものではないが、近年のデジタル化に伴う微小ドット画像再現という視点からを考えると、たとえば、50%体積基準粒径(D50)で3μm乃至8μmという小径トナーが作製可能なものが好ましい。小径トナーは、その製造工程で粒径や形状を制御する操作を加えて粒子形成が可能な重合法で作製することが好ましい。その中でも、乳化重合法や懸濁重合法により予め100nm前後の樹脂微粒子を形成しておき、この樹脂微粒子を凝集させる工程を経て前述の粒径を有する着色粒子を形成する乳化会合法は有効な作製方法の1つである。
また、本発明に係るトナーを乳化会合法により作製する際、アクリル酸に代表される側鎖に極性基をもつ重合性単量体を用いて形成された樹脂粒子を添加して、コア粒子を形成するものである。
ここで、コア粒子形成時に樹脂粒子をカーボンブラック粒子とともに凝集する際に添加する極性基をもつ重合性単量体を用いて形成された樹脂粒子(以下、特定の樹脂微粒子ともいう)について説明する。本発明に係るトナーの実現手段の1つとして、水系媒体中で多価金属塩の存在下で樹脂粒子を凝集する際、樹脂粒子や着色剤とともに特定の樹脂微粒子を添加して着色粒子を形成する。
ここで、着色粒子中に添加されるこの特定の樹脂微粒子について説明する。
水系媒体中で多価金属塩の存在下で樹脂粒子を凝集する際に添加されるこの特定の樹脂微粒子は、アクリル酸に代表される側鎖に極性基をもつ重合性単量体を用いて形成され、その大きさは45nm乃至100nm、重量平均分子量が2万乃至6万のものである。また、樹脂微粒子を構成する重合性単量体のうち、前述した極性基を有する単量体を全単量体の5質量%乃至10質量%含有させることにより形成されたものである。さらに、多価金属塩の存在下で樹脂粒子等を凝集する際、全凝集成分の5質量%乃至10質量%の樹脂微粒子を添加することにより、本発明に係るトナーの作製が可能である。
樹脂微粒子の大きさは45nm乃至100nmが好ましく、60nm乃至80nmがより好ましいものである。また、樹脂微粒子の重量平均分子量は20,000乃至60,000が好ましく、25,000乃至40,000がより好ましいものである。樹脂微粒子の粒径と重量平均分子量を上記範囲とすることにより、樹脂微粒子が水系媒体中で均一分散し易く、形成される着色粒子内でも樹脂微粒子が均一分散した状態になるものと推測される。
その結果、着色粒子を構成する全ての樹脂粒子界面に樹脂微粒子が均一に配置された状態となり、樹脂微粒子のもつ極性基の作用により着色粒子中の全ての界面が強化されできるものと推測される。また、樹脂微粒子成分が樹脂粒子等の構成成分の界面より脱離することなく配置し、界面の強化を安定して行えるものと推測される。
また、樹脂微粒子はアクリル酸等の極性基を有する単量体を5質量%乃至10質量%含有させて形成することが好ましく、6.5質量%乃至8.5質量%含有させることがより好ましい。
さらに、本発明に係るトナーは、水系媒体中で多価金属塩の存在下で凝集を行う際、上記樹脂微粒子を全トナー構成成分中の5質量%乃至20質量%の割合で添加することが好ましい。添加量を5質量%乃至20質量%、より好ましくは、8質量%乃至12質量%とすることにより、前述した特定の樹脂微粒子が着色粒子中に均一分散した状態で凝集し、この樹脂微粒子成分の作用がいかんなく発現されるものと推測される。
すなわち、極性基を有する単量体を含有させて重合して得られた樹脂微粒子が、その極性基を介して、会合工程時に凝集剤として添加される多価金属塩と樹脂微粒子表面の酸性基とを結合させることでイオン的なトラップを行う。その結果、樹脂粒子とカーボンブラックの凝集速度が均一化され、カーボンブラックの分散性が向上して、本発明の黒色トナーが形成されるものと推測される。
以下に、本発明に係るトナーの作製方法の一例である乳化会合法によるコア・シェル構造のトナー作製を説明する。乳化会合法によるコア・シェル構造のトナー作製は以下の様な工程を経て行われる。
本発明に係るトナーは、たとえば、以下のような工程を経て作製されるものである。
(1)ラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂微粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤粒子を凝集、融着させてコア粒子(会合粒子)を得る凝集・融着工程
(4)会合粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整する第1の熟成工程
(5)コア粒子(会合粒子)分散液中に、シェル用の樹脂粒子を添加してコア粒子表面にシェル用粒子を凝集、融着させてコア・シェル構造の着色粒子を形成するシェル化工程
(6)コア・シェル構造の着色粒子を熱エネルギーにより熟成して、コア・シェル構造の着色粒子の形状を調整する第2の熟成工程
(7)冷却された着色粒子分散液から着色粒子を固液分離し、当該着色粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程
(8)洗浄処理された着色粒子を乾燥する乾燥工程
また、必要に応じて乾燥工程の後に、
(9)乾燥処理された着色粒子に外添剤を添加する工程
を有する場合もある。上記工程については、後で詳述する。
本発明に係るトナーを製造する場合、先ず、樹脂粒子と着色剤粒子、及び、アクリル酸に代表される側鎖に極性基をもつ重合性単量体を用いて形成された樹脂微粒子とを会合融着させてコアとなる着色粒子(以下コア粒子という)を作製する。次に、コア粒子分散液中にシェル形成用の樹脂粒子を添加して、コア粒子表面にこの樹脂粒子を凝集、融着させることによりコア粒子表面を被覆してコア・シェル構造を有する着色粒子を作製する。
また、本発明では、前述した様に、コア粒子表面にシェル形成用の樹脂をむらなく均一に付着させ、カーボンブラックを有するコア部がトナー表面に露出しない構造にすることが可能である。これは、極性基を有する単量体により形成された樹脂微粒子を用いてコア粒子が形成されることで、コア粒子中のカーボンブラックの分散性が向上し、コア粒子表面が電気的にばらつきのない環境になるためと推測される。その結果、コア粒子表面は全面にわたり同じ確率でシェル形成用の樹脂粒子が付着する様になり、コア粒子の露出が見られない完全なシェリングが行えるものと推測される。
本発明に係るトナーを構成するコア粒子は、樹脂微粒子と着色剤粒子、及び、極性基を有する単量体を用いて形成した樹脂微粒子とを凝集、融着させる製法により作製される。コア粒子の形状は、たとえば、凝集・融着工程の加熱温度、第1の熟成工程の加熱温度と時間を制御することにより制御される。すなわち、凝集・融着工程で加熱温度を低めに制御することで、樹脂粒子同士の融着の進行が抑制されて異形化を促進させる。また、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、かつ、時間を短くしてコア粒子の異形形状を制御することが可能である。
この中で、第1の熟成工程における時間制御が最も効果的である。熟成工程は、会合粒子の円形度を調整することを目的としていることから、この時間を長くすると会合粒子の形状は真球に近い形状になる。
次に、前述した本発明に係るトナーを作製することが可能なトナーの製造方法を詳細に説明する。
本発明に係るトナーを構成するコア部は、例えば、樹脂粒子を形成する重合性単量体に離型剤成分を溶解あるいは分散させた後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルジョン重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。重合性単量体中に離型剤成分を溶かすときは、離型剤成分を溶解させて溶かしても溶融して溶かしてもよい。
コア部の製造方法は、多段重合法によって得られる樹脂粒子を含有する複合樹脂微粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる工程が好ましく用いられる。具体的には、以下の方法が挙げられる。
〔溶解/分散工程〕
この工程では、ラジカル重合性単量体に離型剤化合物を溶解させて、離型剤化合物を混合したラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記エステル化合物の混合物を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い攪拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この重合工程により、エステル化合物の混合物と結着樹脂とを含有する樹脂微粒子が得られる。かかる樹脂微粒子は、着色された微粒子であってもよく、着色されていない微粒子であってもよい。着色された樹脂微粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。又、着色されていない樹脂微粒子を使用する場合には、後述する凝集・融着工程において、樹脂微粒子の分散液に、着色剤微粒子の分散液を添加し、樹脂微粒子と着色剤微粒子とを融着させることで着色粒子とすることができる。
〔凝集・融着工程〕(含第1の熟成工程)
前記融着工程における凝集、融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂微粒子(着色又は非着色の樹脂微粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該凝集・融着工程においては、樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに、離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集、融着させることができる。
前記凝集・融着工程における「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
着色剤微粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。又、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。尚、着色剤(微粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分子量液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい凝集、融着方法である塩析/融着法は、樹脂微粒子と着色剤微粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩及び3価の塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂微粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。ここで、塩析剤であるアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩は、アルカリ金属として、リチウム、カリウム、ナトリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられ、好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが挙げられる。
凝集、融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。
この理由として明確では無いが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。また、塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂微粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂微粒子のガラス転移温度以上であると樹脂微粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移温度以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
また、塩析剤を樹脂微粒子のガラス転移温度以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、樹脂微粒子のガラス転移温度以上であって、かつ、前記混合物の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確では無いが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程により、樹脂微粒子及び任意の微粒子が塩析/融着されてなる会合粒子(コア粒子)の分散液が得られる。
そして、本発明では、凝集・融着工程の加熱温度や第1の熟成工程の加熱温度と時間の制御することにより、形成したコア粒子が凹凸形状を有するものになるように制御する。具体的には、凝集・融着工程で加熱温度を低めにして樹脂粒子同士の融着の進行を抑制させて異形化を促進させたり、第1の熟成工程で加熱温度を低めに、かつ、時間を短くしてコア粒子を凹凸形状のものに制御する。
〔シェル化工程〕(含む第2の熟成工程)
シェル化工程では、コア粒子分散液中にシェル用の樹脂粒子分散液を添加してコア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を凝集、融着させ、コア粒子表面にシェル用の樹脂粒子を被覆させて着色粒子を形成する。
具体的には、コア粒子分散液は上記凝集・融着工程及び第1の熟成工程での温度を維持した状態でシェル用樹脂粒子の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子をコア粒子表面に被覆させて着色粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1時間〜7時間が好ましく、3時間〜5時間が特に好ましい。そして、シェル化により着色粒子が所定の粒径になった段階で塩化ナトリウムなどの停止剤を添加して粒子成長を停止させ、その後もコア粒子に付着させたシェル用樹脂粒子を融着させるために数時間加熱撹拌を継続する。そして、シェル化工程ではコア粒子表面に厚さが10〜500nmのシェルを形成する。このようにして、コア粒子表面に樹脂粒子を固着させてシェルを形成し、まるみを帯び、しかも形状の揃った着色粒子が形成される。
本発明では、上述の工程を経ることにより、まるみを帯び、しかも形状のそろったトナーを作製することが可能である。また、第2の熟成工程の時間を長めに設定したり、熟成温度を高めに設定することで着色粒子の形状を真球方向に制御することが可能である。
〔冷却工程〕
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
〔固液分離・洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程は、次の2つの工程より構成される。すなわち、
(1)上記工程で所定温度まで冷却された着色粒子の分散液から当該着色粒子を固液分離する固液分離処理工程
(2)固液分離されたトナーケーキ(ウエット状態にある着色粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理工程。
着色粒子の固液分離は、たとえば、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用する濾過法等、通常の濾過処理法により行われる。また、洗浄処理は、濾液の電気伝導度が、たとえば、10μS/cm程度になるまで水洗浄を行って、着色粒子表面より付着物を除去する。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥された着色粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥された着色粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された着色粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥された着色粒子に必要に応じ外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂、ワックス等のトナー構成要素について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明に係るトナーに使用可能な樹脂は、下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体を用いることができる。また、本発明で使用可能な樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするものであり、これらビニル系単量体を単独あるいは複数種類組み合わせて作製した重合体である。
以下に、重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等
また、本発明に係るトナーは、コア粒子作製時に酸性基等の極性基を有する単量体を用いて形成された樹脂微粒子を用いるものである。本発明に係るトナーに使用可能な樹脂を構成する単量体のうち、酸性基に代表される極性基を有する単量体としては、以下に示すイオン性解離基を有するものが挙げられる。たとえば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の官能基を単量体の側鎖に有するものが挙げられ、具体的には、以下のものが挙げられる。
先ず、カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。また、スルフォン酸基を有するものとしては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等が挙げられ、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等
次に、本発明に係る黒色トナーに使用可能なワックスについて説明する。本発明に係るトナーに使用可能なワックスとしては、以下に示す様な公知のものが挙げられる。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
次に、本発明に係る黒色トナーに使用可能な外添剤や滑剤について説明する。
本発明に係るトナーは、その製造工程で外部添加剤(=外添剤)として数平均一次粒径が4〜800nmの無機微粒子や有機微粒子等の粒子を添加して、トナー作製されることが可能である。
外添剤の添加により、トナーの流動性や帯電性が改良され、また、クリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては必要に応じて疎水化処理したものを用いても良い。具体的なシリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能である。滑剤としては、たとえば、以下の様な高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤や滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
本発明に係るトナーは、キャリアとトナーより構成される二成分系現像剤として、また、トナーのみから構成される一成分現像剤として用いることが可能である。その中でも、キャリアを使用せずにトナーを帯電部材や現像ローラ面に摺擦、押圧して帯電を行う非磁性一成分現像方式による画像形成は、現像器の構造が簡略化可能であり、装置全体をコンパクトにし易いメリットを有する。したがって、本発明に係るトナーを非磁性一成分系現像剤として使用することにより、コンパクトなカラープリンタから透明性を有するフルカラー画像を形成することが可能になる。
次に、本発明に係る黒色トナーが使用可能な画像形成方法について説明する。
なお、本明細書では、本発明に係る黒色トナーを非磁性一成分系現像剤として使用する画像形成方法の説明を行っているが、前述した様に、本発明に係る黒色トナーは二成分現像方式の画像形成方法に使用することも可能である。
非磁性一成分現像方式による現像工程では、トナー規制部材や現像ローラ自身により現像ローラ上に担持されたトナーを所定レベルに帯電させ、所定量に帯電したトナーを現像ローラ表面から飛翔させることにより像担持体上への供給が行われる。すなわち、非磁性一成分現像方式の画像形成に使用される現像ローラは、ローラ表面で形成した電荷を逃がすことなくトナーに確実に帯電させるとともに、像担持体へのトナーの飛翔を阻害することのない性能が求められる。
図1は本発明において画像形成方法に使用可能な現像装置20の断面図である。
図1に示す現像装置20は、非磁性1成分系トナー(非磁性1成分現像剤)を用いて現像を行うことが可能である。現像装置20は、図示しないモータにより図中反時計回り方向に回転駆動され、画像形成装置に組み込んだ状態で図示しない像担持体に接触または近接する本発明に係る現像ローラ10と、現像ローラ10の左側に設けられたバッファ室22と、バッファ室22に隣接するホッパ23とを有する。
現像ローラ10は、導電性の円柱基体と、基体の外周にシリコーンゴム等の硬度の高い物質を用いて形成した弾性層を有する。
バッファ室22にはトナー規制部材であるブレード24が現像ローラ10に圧接させた状態で配置されている。ブレード24は、現像ローラ10上のトナーの帯電量及び付着量を規制するものである。また、現像ローラ10の回転方向に対してブレード24の下流側に、現像ローラ10上のトナー帯電量・付着量の規制を補助するための補助ブレード25をさらに設けることも可能である。
現像ローラ10には供給ローラ26が押圧されている。供給ローラ26は、図示しないモータにより現像ローラ10と同一方向(図中反時計回り方向)に回転駆動する。供給ローラ26は、導電性の円柱基体と基体の外周にウレタンフォームなどで形成された発泡層を有する。
ホッパ23には一成分現像剤であるトナーTが収容されている。また、ホッパ23にはトナーTを攪拌する回転体27が設けられている。回転体27には、フィルム状の搬送羽根が取付けられており、回転体27の矢印方向への回転によりトナーTを搬送する。搬送羽根により搬送されたトナーTは、ホッパ23とバッファ室22を隔てる隔壁に設けられた通路28を介してバッファ室22に供給される。なお、搬送羽根の形状は、回転体27の回転に伴い羽根の回転方向前方でトナーTを搬送しながら撓むとともに、通路28の左側端部に到達すると真っ直ぐの状態に戻るようになっている。このように羽根はその形状を湾曲状態を経て真っ直ぐに戻るようにすることでトナーTを通路28に供給している。
また、通路28には通路28を閉鎖する弁281が設けられている。この弁はフィルム状の部材で、一端が隔壁の通路28右側面上側に固定され、トナーTがホッパ23から通路28に供給されると、トナーTからの押圧力により右側に押されて通路28を開けるようになっている。その結果、バッファ室22内にトナーTが供給される。
また、弁281の他端には規制部材282が取り付けられている。規制部材282と供給ローラ26は、弁281が通路28を閉鎖した状態でも僅かな隙間を形成する様に配置される。規制部材282は、バッファ室22の底部に溜まるトナー量が過度にならないように調整するもので、現像ローラ10から供給ローラ26に回収されたトナーTがバッファ室22の底部に多量に落下しないように調整される。
現像装置20では、画像形成時に現像ローラ10が矢印方向に回転駆動するとともに供給ローラ26の回転によりバッファ室22のトナーが現像ローラ10上に供給される。現像ローラ10上に供給されたトナーTは、ブレード24、補助ブレード25により帯電、薄層化された後、像担持体との対向領域に搬送され、像担持体上の静電潜像の現像に供される。現像に使用されなかったトナーは、現像ローラ10の回転に伴ってバッファ室22に戻り、供給ローラ26により現像ローラ10から掻き取られ回収される。
現像領域では、図示しない現像バイアス電源装置から印加される現像バイアス電圧Vbと交番電圧Vppにより形成される電界の作用により、現像ローラ10上で薄層形成していたトナーが現像ローラ10周面から飛翔してパウダクラウド化する。そして、静電潜像が形成されている静電潜像担持体11上にトナー供給が行われ、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
現像ローラ10上に形成されるトナー薄層の厚さは、例えば静電潜像担持体11の周速を100mm/sec、現像ローラ10の周速を200mm/sec、トナー規制部材24が現像ローラ10を押圧する押圧力を10〜100N/mとすると、1.5層程度(トナー粒子1.5個分程度)の厚みとすることができる。
また、図2に非磁性一成分現像剤を収納してなる現像装置20の他の一例を示す。図2の現像装置20は、後述するタンデム型のフルカラー画像形成装置への搭載が可能なものである。図2中、20は本発明に係る非磁性一成分現像剤を収納してなる現像装置、15は潜像担持体(感光体ドラム)であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段または静電記録手段により形成される。10は現像ローラであり、図1に示す現像ローラ10と同様、アルミニウムやステンレス等からなる非磁性スリーブから構成される。
トナーTは、ホッパ23に貯蔵され、供給ローラ26により現像ローラ10上へ供給される。供給ローラ26は、図1の現像装置20に使用されるものと同様、ポリウレタンフォーム等の発泡材より構成され、現像ローラ10に対して順または逆方向に相対速度をもって回転し、トナー供給とともに現像ローラ上の残存トナーを除去する。現像ローラ10上に供給されたトナーは、トナー規制部材24により現像ローラ10上で均一かつ薄層に形成される。
なお、本発明に係る画像形成が可能な現像装置の構成は、図1や図2に示すものに限定されるものではない。
図1の現像装置を搭載することが可能なフルカラー画像形成装置の一例を図3に示す。なお、図3に示す画像形成装置100は、前述の現像装置20が搭載可能な画像形成装置の代表的なものである。図3の画像形成装置は、回転駆動される静電潜像担持体(以下、感光体ドラムともいう)15の周囲に、感光体ドラム15表面を所定電位に均一帯電させる帯電ブラシ16、感光体ドラム15上の残留トナーを除去するクリーナ17が設けられている。
レーザ走査光学系18は、帯電ブラシ16により均一帯電された感光体ドラム15上を走査露光し、感光体ドラム15上に静電潜像を形成する。レーザ走査光学系18は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵し、その制御部にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送される。そして、上記各色毎の印字データに基づいて、レーザビームが順次出力され、感光体ドラム15上を走査露光して、各色毎の静電潜像を形成する。
本発明に係る現像装置20を収納する現像装置ユニット30は、静電潜像が形成された感光体ドラム15に各色トナーを供給して現像を行う。現像装置ユニット30には、支軸33の周囲にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各非磁性1成分トナーをそれぞれ収納した4つの現像装置20Y、20M、20C、20Bkが装着され、支軸33を中心に回転して、各現像装置20が感光体ドラム15と対向する位置に導かれる。
現像装置ユニット30は、レーザ走査光学系18により感光体ドラム15上に各色の静電潜像が形成される毎に、支軸33を中心に回転し、対応する色のトナーを収容した現像装置20を感光体ドラム15に対向する位置に導く。そして、各現像装置20Y、20M、20C、20Bkより感光体ドラム15上に、帯電された各色トナーを順次供給して現像を行う。
図3の画像形成装置は、現像装置ユニット30より感光体ドラム15の回転方向下流側に無端状の中間転写ベルト40が設けられ、感光体ドラム15と同期して回転駆動する。中間転写ベルト40は、1次転写ローラ41により押圧された部位で感光体ドラム15と接触し、感光体ドラム15上に形成されたトナー画像を転写する。また、中間転写ベルト40を支持する支持ローラ42と対向して、2次転写ローラ43が回転可能に設けられ、支持ローラ42と2次転写ローラ43との対向する部位で、中間転写ベルト40上のトナー画像が記録紙等の記録材S上に押圧転写される。
なお、フルカラー現像装置ユニット30と中間転写ベルト40との間には、中間転写ベルト40上の残留トナーを除去するクリーナ50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
記録材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、記録材Sを収容する給紙トレイ61と、給紙トレイ61に収容した記録材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラ62、給紙した記録材Sを2次転写部位に送るタイミングローラ63より構成される。
トナー画像が押圧転写された記録材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着装置70に搬送され、定着装置70で転写されたトナー画像が記録材S上に定着される。定着後、記録材Sは垂直搬送路80を搬送され、装置本体100の上面に排出される。
また、本発明に係るトナーは、図4に示すいわゆるタンデム型のフルカラー画像形成装置に搭載して、画像形成を行うことも可能である。なお、図4に示すタンデム型の画像形成装置は特に高速の画像形成に適しており、たとえば、フルカラーのプリント物をオンデマンドに作成する際に、迅速なプリント作成を行う上で有効である。
図4に示すフルカラー画像形成装置は、ユニット100Y、100M、100C、100Bkと、ベルト形状の中間転写体40と、転写ローラ41Y、41M、41C、41Bkと、中間転写ベルト用クリーニング装置50と、定着装置70が設けられている。
ユニット100Y、100M、100C、100Bkは、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転可能な感光体ドラム15Y、15M、15C、15Bkを有する。感光体ドラム15Y、15M、15C、15Bkの周囲には、コロトロン帯電器16Y、16M、16C、16Bk、露光装置18Y、18M、18C、18Bkと、各色現像装置(イエロー現像装置20Y、マゼンタ現像装置20M、シアン現像装置20C、ブラック現像装置20Bk)、及び、感光体クリーナ17Y、17M、17C、17Bkがそれぞれ配置されている。
ユニット100Y、100M、100C、100Bkは、中間転写ベルト40に対して4つ並列に配置されているが、ユニット100Bk、100Y、100C、100Mの順等、画像形成方法に合わせて適当な順序を設定することができる。
中間転写ベルト40は、バックアップローラ42、支持ローラ31、32、33により、矢印の反時計方向に感光体ドラム15Y、15M、15C、15Bkと同じ周速度をもって回転可能になっている。そして、中間転写ベルト40における支持ローラ32、33の中間に位置する個所で感光体ドラム15Y、15M、15C、15Bkとそれぞれ接するように配置されている。
中間転写ベルト40は、ベルト用クリーニング装置50が備えられている。支持ローラ31はテンションローラの役割を担い、中間転写ベルト40の面方向に移動可能な状態で配置され、中間転写ベルト40のテンションの調節が可能である。
転写ローラ41Y、41M、41C、41Bkは、中間転写ベルト40の内側に配置され、中間転写ベルト40と感光体ドラム15Y、15M、15C、15Bkとが接する部分と対向する位置にそれぞれ配置される。転写ローラ41は、感光体ドラム15Y、15M、15C、15Bkと、中間転写ベルト40にトナー画像を転写する一次転写部(ニップ部)を形成する。
バイアスローラ43は、中間転写ベルト40のトナー像が担持される表面側に、中間転写ベルト40を介しバックアップローラ42と対向して配置される。中間転写ベルト40を介したバイアスローラ43とバックアップローラ42で二次転写部(ニップ部)を形成する。また、バックアップローラ42には、バックアップローラ42に圧接して回転する電極ローラ36が配置される。
定着装置70は、転写材Sが上記二次転写部を通過した後に搬送できるように配置されている。
図4に示す画像形成装置のユニット100Yでは、感光体ドラム15Yを回転駆動させる。これと連動してコロトロン帯電器16Yが駆動し、感光体ドラム15Y表面を所定の極性、電位に一様帯電させる。
感光体ドラム15Yの表面が一様帯電されると、次に、露光装置18Yにより像様露光が行われ、感光体ドラム15Y表面に静電潜像が形成される。
感光体ドラム15Y上に形成された静電潜像は、イエロー現像装置20Yにより現像され、感光体ドラム15Y表面にトナー画像が形成される。
感光体ドラム15Y表面に形成されたトナー画像は、感光体ドラム15Yと中間転写ベルト40との一次転写部(ニップ部)で、転写ローラ41Yより印加される転写バイアスにより形成される電界により、中間転写ベルト40の外周面に一次転写される。
中間転写ベルト40への一次転写実施後、感光体ドラム15Y上の残存トナーは、感光体クリーニング装置17Yにより清掃・除去される。清掃・除去の済んだ感光体ドラム15Yは、次の転写サイクルに供される。
以上の転写サイクルは、ユニット100M、100C、100Bkでも同様に行われ、第2色のトナー画像、第3色のトナー画像、第4色のトナー画像が順次形成され、中間転写ベルト40上に重ね合わせられ、フルカラーのトナー画像が形成される。
中間転写ベルト40に転写されたフルカラートナー画像は、中間転写ベルト40の回転によりバイアスローラ43が設置される二次転写部(ニップ部)に到達する。
転写材Sは、二次転写部の中間転写ベルト40とバイアスローラ43との間に所定のタイミングで給送される。バイアスローラ43及びバックアップローラ42による圧接搬送と中間転写ベルト40の回転により、中間転写ベルト40上に担持されているトナー画像が転写材S上に転写される。
トナー画像が転写された転写材Sは、定着装置70に搬送され、加圧/加熱処理でトナー画像を定着する。なお、二次転写が終了した中間転写ベルト40は、二次転写部の下流に設けられた中間転写ベルト用のクリーニング装置50により残留トナーの除去が行われ、除去終了後、次の転写に備える。
本発明に使用可能な転写材Sは、トナー画像を保持する支持体で、通常、画像支持体、転写材、あるいは、転写紙と呼ばれるものである。転写材Sの具体例としては、薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工処理された印刷用紙、市販の和紙やはがき、OHP用のプラスチックフィルム、布等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではない。
1.「トナー1〜11」の作製
1−1.「カーボンブラック分散液1〜7」の調製
(1)「カーボンブラック分散液1」の調製
反応容器中に、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)136質量部とイオン交換水1600質量部を添加、撹拌し、この界面活性剤水溶液中に、
カーボンブラック「モーガルL(キャボット社製)」 420.0質量部
を少量ずつ添加して、カーボンブラック予備分散液とした。
次に、このカーボンブラック予備分散液をホモジナイザ(回転数1000rpm)で2時間処理して、「カーボンブラック分散液1」を調製した。調製した「カーボンブラック分散液1」中のカーボンブラック粒子の平均粒径を「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」で測定したところ102nmだった。
(2)「カーボンブラック分散液2」の調製
「カーボンブラック分散液1」の調製において、前記ホモジナイザによる処理時間を1時間に変更した他は同様の手順で、「カーボンブラック分散液2」を調製した。「カーボンブラック分散液2」中のカーボンブラック粒子の体積平均粒径を「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」で測定したところ148nmだった。
(3)「カーボンブラック分散液3」の調製
「カーボンブラック分散液1」の調製において、前記ホモジナイザによる処理時間を45分に変更した他は同様の手順で、「カーボンブラック分散液3」を調製した。「カーボンブラック分散液3」中のカーボンブラック粒子の平均粒径を「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」で測定したところ226nmだった。
(4)「カーボンブラック分散液4」の調製
「カーボンブラック分散液1」の調製において、前記ホモジナイザによる処理時間を30分に変更した他は同様の手順で、「カーボンブラック分散液4」を調製した。「カーボンブラック分散液4」中のカーボンブラック粒子の平均粒径を「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」で測定したところ358nmだった。
(5)「カーボンブラック分散液5」の調製
「カーボンブラック分散液1」の調製において、前記ホモジナイザによる処理時間を5時間に変更した他は同様の手順で、「カーボンブラック分散液5」を調製した。「カーボンブラック分散液5」中のカーボンブラック粒子の平均粒径を測定するために「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」で測定したところ82nmだった。
(6)「カーボンブラック分散液6」の調製
「カーボンブラック分散液1」の調製において、前記ホモジナイザによる処理時間を10時間に変更した他は同様の手順で、「カーボンブラック分散液6」を調製した。「カーボンブラック分散液6」中のカーボンブラック粒子の平均粒径を測定するために「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」で測定したところ65nmだった。
(7)「カーボンブラック分散液7」の調製
「カーボンブラック分散液1」の調製において、前記ホモジナイザによる処理時間を20時間に変更した他は同様の手順で、「カーボンブラック分散液7」を調製した。「カーボンブラック分散液7」中のカーボンブラック粒子の平均粒径を測定するために「マイクロトラックUPA150(マイクロトラック社製)」で測定したところ49nmだった。
1−2.「樹脂粒子分散液1〜3」の作製
(1)「樹脂粒子分散液1」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム10質量部とイオン交換水3000質量部を添加して界面活性剤水溶液を調製した。
一方、下記に示す化合物を含有してなる重合性単量体混合液を調製し、70℃に昇温した。
スチレン 130.0質量部
n−ブチルアクリレート 50.0質量部
メチルメタクリレート 5.0質量部
n−オクチルメルカプタン(NOM) 2.2質量部
さらに、上記重合性単量体混合液中に、
ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル 100.0質量部
を少量ずつ添加し、ワックスを含有してなる重合性単量体混合液を作製した。
上記界面活性剤水溶液を窒素雰囲気下で撹拌しながら70℃まで昇温した後、前記ワックスを含有してなる重合性単量体混合液を添加し、ホモジナイザにより30分間分散処理を行って、乳化粒子(油滴)分散液を調製した。
次に、前記乳化粒子分散液を窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温した後、5質量%過硫酸カリウム(KPS)水溶液を45質量部添加し、3時間加熱、撹拌することにより重合を行った。
さらに、5質量%過硫酸カリウム水溶液120質量部を添加後、下記に示す化合物を含有してなる重合性単量体混合液を調製し、80℃で120分かけて滴下した。
スチレン 340.0質量部
n−ブチルアクリレート 127.0質量部
メチルメタクリレート 18.0質量部
n−オクチルメルカプタン 7.0質量部
滴下終了後、80℃で120分間加熱、撹拌を継続させて重合反応を行い、その後、40℃まで冷却して、コア粒子用の「樹脂粒子分散液1」を作製した。作製した「樹脂粒子分散液1」における樹脂粒子の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、120nmであった。
(2)「樹脂粒子分散液2」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)7質量部とイオン交換水3000質量部を添加し、撹拌しつつ80℃に昇温させて界面活性剤水溶液を調製した。
この界面活性剤水溶液中に、5質量%過硫酸カリウム水溶液40質量部を添加するとともに、下記に示す化合物を含有する重合性単量体混合液を調製し、これを前記界面活性剤水溶液中に添加し、窒素雰囲気下80℃で120分かけて重合反応を行った。
スチレン 544.0質量部
n−ブチルアクリレート 160.0質量部
アクリル酸 96.0質量部
n−オクチルメルカプタン 8.0質量部
重合反応終了後、40℃まで冷却し、コア粒子作製時に使用する極性基を有する単量体を用いて形成した「樹脂粒子分散液2」を作製した。
(3)「樹脂粒子分散液3」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)2質量部とイオン交換水3000質量部を添加し、撹拌しつつ80℃に昇温させて界面活性剤水溶液を調製した。
この界面活性剤水溶液中に、5質量%過硫酸カリウム水溶液40質量部を添加するとともに、下記に示す化合物を含有する重合性単量体混合液を調製し、これを前記界面活性剤水溶液中に添加し、窒素雰囲気下80℃で120分かけて重合反応を行った。
スチレン 616.0質量部
n−ブチルアクリレート 160.0質量部
メチルメタクリレート 24.0質量部
n−オクチルメルカプタン 8.0質量部
重合反応終了後、40℃まで冷却しシェル形成用の「樹脂粒子分散液3」を作製した。
1−3.「着色粒子1〜11」の作製
(1)「着色粒子1」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部とイオン交換水1100質量部を投入し、さらに、
樹脂粒子分散液1 1071質量部(固形分換算)
樹脂粒子分散液2 240質量部(固形分換算)
カーボンブラック分散液1 270質量部(固形分換算)
を投入し、撹拌を行い、反応液を調製した。
上記反応液を30℃に調整した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10.0に調整した。
次いで、50質量%塩化マグネシウム・6水和物水溶液100質量部を撹拌下、30℃にて10分間で添加してコア粒子の作製を開始した。添加終了後3分経過してから昇温を開始し、反応系を60分間かけて95℃まで昇温させ、凝集を進行させた。凝集により形成される粒子の大きさは「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」で観察した。
体積基準メディアン径が6.0μmになった時に、
樹脂粒子分散液3 450質量部(固形分換算)
を20分間かけて徐々に滴下して前記コア粒子表面にシェル化処理を行った。樹脂粒子分散液3を滴下後、サンプリングした液を遠心分離にかけて上澄みが透明化するまでの90分間放置した。
シェル化終了後、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して凝集を停止させた。
さらに、液温を90℃±2℃にし、6時間加熱撹拌を継続して粒子の平均円形度の調製を行った。そして、「FPIA−2100(Sysmex社製)」による測定により平均円形度が0.950になるまで継続を行った後、液温を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。この様にして「着色粒子1」を作製した。
生成した「着色粒子1」を固液分離し、イオン交換水による洗浄を4回繰り返して(1回に使用するイオン交換水の量を15リットルとした)、その後、40℃の温風で「着色粒子1」を乾燥処理した。
(2)「着色粒子2」の作製
「着色粒子1」の作製において、「樹脂粒子分散液1」の添加量を1196質量部(固形分換算)、「樹脂粒子分散液2」の添加量を115質量部(固形分換算)に変更した他は同様の手順により「着色粒子2」を作製した。
(3)「着色粒子3」の作製
「着色粒子1」の作製において、「樹脂粒子分散液1」の添加量を926質量部(固形分換算)、「樹脂粒子分散液2」の添加量を385質量部(固形分換算)に変更した他は同様の手順により「着色粒子3」を作製した。
(4)「着色粒子4」の作製
「着色粒子1」の作製において、「樹脂粒子分散液1」の添加量を1311質量部(固形分換算)とし、「樹脂粒子分散液2」を添加せずにコア粒子の作製を行った他は同様の手順により「着色粒子4」を作製した。
(5)「着色粒子5〜10」の作製
「着色粒子1」の作製で使用した「カーボンブラック分散液1」に代えて、「カーボンブラック分散液2〜7」に変更した他は同様の手順により「着色粒子5〜10」を作製した。
(6)「着色粒子11」の作製
「着色粒子4」の作製において、「カーボンブラック分散液1」に代えて「カーボンブラック4」に変更した他は同様の手順により「着色粒子11」を作製した。
1−4.「トナー1〜11」の作製
上記「着色粒子1〜11」に、数平均一次粒子径が12nm、疎水化度が65の疎水性シリカを0.8質量部、数平均一次粒子径が30nm、疎水化度が55の疎水性チタニアを0.5質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して、トナーを作製した。これらを「トナー1〜11」とする。
そして、作製された「トナー1〜11」について、前述した手順に基づいて透過型電子顕微鏡写真を撮影し、各トナーに含有されるカーボンブラックの平均粒径を求めた。また、電子顕微鏡により各トナーの表面状態を観察することにより、トナー表面におけるカーボンブラックの露出の有無を評価した。
さらに、前述のインピーダンス測定装置「4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)」を用いて、105Hzにおける各トナーの誘電正接tanδを測定した。
「トナー1〜11」についてのこれら物性の評価結果を表1に示す。なお、表中、樹脂粒子分散液2性能中の割合(質量%)とは、着色粒子の構成成分、すなわち、着色粒子を構成する樹脂粒子1、着色粒子2、カーボンブラック、樹脂粒子3の総和における着色粒子2の割合を質量%で示したものである。
Figure 2008164712
2.評価実験
前記「トナー1〜11」を用いて下記評価を行った。本発明に該当するものを「実施例1〜8」、本発明外のものを「比較例1〜3」とした。
評価は、非磁性一成分現像方式を採用したフルカラープリンタ「Magicolor2300DL(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」を用いて行った。
具体的には、上記フルカラープリンタに前記「トナー1〜11」をそれぞれ収納してなる現像装置を装填し、高温高湿環境(30℃、80%RH)下で、黒色画像のプリント作成を連続で4500枚行って評価した。なお、連続プリントは、画素率が6%のオリジナル画像(細線画像、画像濃度0.4のハーフトーン画像、白地画像、画像濃度1.1のベタ画像がそれぞれ1/4等分にあるA4サイズのオリジナル画像)を用いた。
以下の項目について評価を行った。
〈現像ローラ表面におけるカーボンブラックによるフィルミング発生〉
4500枚連続プリント実施後、現像ローラ表面上にカーボンブラックに起因するフィルミング発生の有無を目視観察した。フィルミング発生の見られなかったものを○とした。
〈画像汚染〉
画像汚れは、4500枚目のプリント上の白地画像部の反射濃度(カブリ濃度)を反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて測定し、転写紙の反射濃度を0として相対反射濃度で評価した。白地画像部の反射濃度が0.01未満であるものを合格とした。
〈濃度ムラ〉
3000枚目と4500枚目のベタ画像部をマクベス反射濃度計(RD−918)を使用し、ベタ画像部上の10個所の反射濃度をランダムに測定し、ベタ画像の濃度の最大値と最小値の差により評価した。3000枚目と4500枚目のいずれのプリントでも、最大値と最小値の差が0.10未満となるものを合格とした。
〈転写抜け〉
4401枚目〜4500枚目のプリント(100枚)について、プリント上に形成されたハーフトーン画像部とベタ画像部における転写抜けによるホワイトスポットの発生を目視で評価した。プリント100枚中におけるホワイトスポットの数が5個未満のものが1枚もないものを合格とした。
〈細線再現性〉
10倍のルーペを用いて細線部を拡大し、1mm中に確認される細線数を目視で評価した。具体的には、上記オリジナル画像上の細線画像は、4本/mm、5本/mm、6本/mmの3種類の細線画像よりなり、各細線画像を構成する細線上にかすれや膨らみの発生があるものを不良品として判断した。5本/mm以上を合格とした。
〈トナー飛散〉
4500枚の連続プリント後の現像装置からのトナーの飛散状態を目視で評価するとともに、現像装置を画像形成装置から取り外し作業を行ったときの手の汚れ具合を評価した。以下の4ランクに分類し判定した。
◎;現像装置上蓋のトナー付着や装置内の機内汚れが見られず、現像装置を取り外しても全く手が汚れなかった
○;現像装置では現像ローラ付近の上蓋に若干のトナー付着があったが、それ以外の個所ではトナーの付着が見られない。また、装置内のトナー飛散も見られず、現像装置を取り外しても手はよごれなかった
△;現像装置上蓋の一部にトナー付着があったが、装置内のトナー飛散は見られず、現像装置を取り外しても手は汚れなかった
×:機内へのトナー飛散が確認され、また、現像装置を取り外した際に手洗いが必要な程に手が汚れた。
結果を表2に示す。
Figure 2008164712
表2に示す様に、本発明に該当するトナーである実施例1〜8では、いずれもフィルミング発生が見られず、また、転写紙上に形成されたトナー画像も画像汚染(カブリ)や濃度ムラ、転写抜け等の画像不良のない良好なものが作成された。特に、本実施例により高温高湿環境下という厳しい環境下で安定した画像形成が行えることが確認された。
また、表1に示す様に、本発明に該当するトナーはいずれもtanδの値が0.020以下となり、これらのトナーは表1に示す様にトナー表面にカーボンブラックが露出していないことが確認された。この様に、実施例1〜8のトナーは、シェリングによりコア粒子表面が樹脂で完全に被覆されることが確認され、画像形成時に衝撃を受けても、カーボンブラックがトナーから飛び出すことのない、耐久性を有するトナーが得られた。
一方、本発明外のものである比較例1〜3では、フィルミングの発生が見られ、また、実施例1〜8で発現した様な良好なトナー画像形成が行えなかった。比較例の結果から、次の様なことが考えられる。すなわち、トナー中のカーボンブラックの平均粒径が300nm以下であっても、tanδの値が0.020よりも大きなトナーでは、カーボンブラックの分散不良に起因して均一なシェル化が行えず、本発明の効果を奏することができない。また、tanδの値が0.020以下であっても、トナー中でカーボンブラックが300nmを超えるほど大きいと、シェル化の時にトナー表面を完全に覆いきれず、画像形成時に衝撃でカーボンブラックがトナーから飛び出してしまうものと考えられる。
本発明に係るトナーを搭載、使用可能な現像装置の断面図である。 非磁性一成分現像剤を収納してなる現像装置の他の例の断面図である。 図1の現像装置が搭載可能な画像形成装置の断面図である。 タンデム型のフルカラー画像形成装置の断面図である。
符号の説明
10 現像ローラ
15 感光体ドラム
16 帯電ブラシ
17 クリーナ
20 現像装置
22 バッファ室
26 供給ローラ
30 現像装置ユニット
40 中間転写ベルト
60 給紙手段
70 定着装置
100 ユニット
T トナー
S 記録材(転写材)

Claims (1)

  1. 少なくとも樹脂と着色剤としてカーボンブラックを含有するコア部のまわりに、樹脂を被覆して形成されたシェル部を有するコアシェル構造を有する黒色トナーであって、
    前記黒色トナー中に分散してなるカーボンブラックの平均粒径が10nm以上300nm以下であり、
    かつ、周波数105Hzにおける前記黒色トナーの誘電正接tanδが0.020以下であることを特徴とする黒色トナー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016184162A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用黒色トナー

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