JP2008164517A - メチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインの免疫学的分析方法及びその利用 - Google Patents

メチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインの免疫学的分析方法及びその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】いくつかの種類の癌を同時に検出することができ、また、早期の癌を検出することのできる腫瘍マーカーを提供する。
【解決手段】本発明者は、抗hnRNP抗体と抗メチル化アミノ酸残基に結合する抗体とを用い、癌患者の血液中のメチル化hnRNP群を分析したところ、メチル化hnRNP群が大腸癌患者の血液中においても増加していることを見出した。更に、大腸癌以外の癌である肺癌及び乳癌の患者の血液中においても、健常人と比較してメチル化hnRNP群が増加していることがわかった。このことより、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を用いるメチル化hnRNPの免疫学的分析方法により、大腸癌、肺癌及び乳癌などの癌を検出することが可能であり、進行癌や末期癌の患者だけでなく、症状が見られないステージIの早期癌の患者の血液中でも高い比率で癌を検出することが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、メチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインの免疫学的分析方法及び免疫学的分析試薬、並びに癌を検出する方法に関する。本発明は、癌の早期発見及び治療後のモニタリングに有用である。
医療技術の進歩にもかかわらず、癌は依然として世界レベルでの主要な死亡原因となっている。多くの癌は、その進行度によってステージI、ステージII、ステージIII及びステージIVの4つの病期(ステージ)に分けられている。これらのうち、ステージIやステージIIの比較的早期の癌は、一般に小さく、転移も少ない。そのため、治療、例えば、外科的切除、放射線治療、又は化学治療等によって長期治癒を得ることが可能である。しかしながら、早期癌は基本的には無症状であり、早期癌を発見するためには、無症状の被験者を対象とする健康診断や人間ドックなどにおいて、癌を発見する必要がある。このような無症状の多くの被験者を対象とする検査は、スクリーニング検査と呼ばれているが、一般に検査対象の数が極端に多い。そのため、多くの検査対象者を検査するために、検査法は簡便で、かつ経済的でなければならない。また、一回の検査でいくつかの種類の癌、例えば、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、肺癌などを発見できるような検査であることが望ましい。現在、癌を発見するために使用されている腫瘍マーカー(癌マーカー)検査は、患者への侵襲が少なく好適な検査法であるが、比較的ステージの進んだ進行癌、末期癌での検出率が高く、現時点では、腫瘍マーカーの測定により早期の癌を検出することは困難だと考えられている。また、特定の癌を特異的に検出する腫瘍マーカーが多く、いくつかの腫瘍マーカーを組合わせて用いる必要がある。
腫瘍マーカーの候補として、多くのタンパク質やペプチドが報告されている。例えば、ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテイン(heterogenous nuclear ribonucleoprotein:以下、hnRNPと称する)も、その一つである。hnRNPは、mRNA前駆体のプロセッシングにかかわっていると言われている分子群で、hnRNPファミリーには、10以上の分子(例えば、Cold−inducible RNA−binding protein、hnRNP C−like 1、hnRNP H、hnRNP H‘、hnRNP H3、hnRNP C1/C2、hnRNP D0、hnRNP F、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP L、hnRNP M、hnRNP Q、hnRNP R、hnRNP U、hnRNP E1、hnRNP E2、hnRNP I、RNA−binding protein Raly、hnRNP A0、hnRNP A1、hnRNP A2/B1、hnRNP A3、hnRNP A/B、hnRNP JKTBP)が含まれ、細胞内では、複数のhnRNP分子を含むhnRNP複合体を形成していると考えられている。核内でDNAから転写されたヘテロ核RNAは、hnRNP複合体に結合し、その後にスプライシングが起こり、mRNAが形成された後に、核外に輸送される。核外への輸送にも特定のhnRNPがかかわっており(非特許文献1)、また、hnRNPは核内及び細胞質内にのみ存在するわけではなく、培養細胞の細胞膜画分には、hnRNP類のうち、hnRNP A1、A2/B1、A3、C1が存在することが報告されている(非特許文献2)。
前記のhnRNP群のうち、痰中のhnRNP A2/B1は初期肺癌の良いマーカーとなるという報告がある(非特許文献3)。また、肺癌組織中のhnRNP B1の発現が亢進しているという報告(非特許文献4)、及び大腸癌においてhnRNP Kの発現が亢進しているという報告もある(非特許文献5)。また、血中のhnRNP B1 mRNAが肺癌のマーカーとなるという報告がなされている(非特許文献6)。しかしながら、これらの報告は、いずれも組織レベルのhnRNP発現及びmRNAの検出についての報告であり、健康診断等において組織におけるhnRNPの発現やmRNAの発現を検査することは、現実的ではなく、一般的な腫瘍マーカーとして使用することのできるものではなかった。
「モレキュラー・アンド・セルラー・バイオロジー(Molecular and Cellular Biology)」(米国)、2001年、第21巻、p.7307− 「バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology)」(米国)、2004年、第67巻、p.655− 「クリニカル・キャンサー・リサーチ(Clinical Cancer Reseach)」(米国)、1997年、第3巻、p.2237− 「キャンサー・リサーチ(Cancer Reseach)」(米国 )、1999年、第59巻、p.1404− 「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー(British Journal of Cancer)」(英国)、2006年、第95巻、p.921− 「ラング・キャンサー(Lung Cancer)」(米国)2005年、第48巻、p.77−
本発明者らは、いくつかの種類の癌を同時に検出することができ、また、早期の癌を検出することのできる腫瘍マーカーについて鋭意研究したところ、同一人のヒト大腸癌組織サンプルと正常組織サンプルとにおけるタンパク質メチル化レベル(リジンメチル化、及びアルギニンメチル化)を比較することにより、癌部において、特定の分子のリジンメチル化及び全体的なアルギニンメチル化が亢進していることを見出した。つまり、癌化に伴いタンパク質のメチル化の亢進が特定のタンパク質で起こり、そのようなメチル化タンパク質の検出が、癌のマーカーとなる可能性が考えられた。また、前記大腸癌組織と正常組織の比較において、癌組織においてアルギニンをメチル化するプロテイン・アルギニン・メチルトランスフェラーゼ(Protein arginine methyltransferase:以下、PRMTと称する)の1つであるPRMT1の発現がタンパク質レベルで亢進していることを見出した。
本発明者らは、更に、大腸癌組織においてメチル化されているタンパク質について鋭意研究を進めたところ、抗hnRNP抗体を用いてその複合体を免疫沈降し、抗メチルリジン(Methyllysine:以下、MeKと称することがある)抗体、又は抗メチルアルギニン(methylarginine:以下、MeRと称することがある)抗体でウェスタンブロッティングを行うことにより、複数のhnRNPが細胞内で分子複合体として存在しており、MeR化されたタンパク質及びMeK化された複数のタンパク質がhnRNPであることを見出した。
また、本発明者は、抗hnRNP抗体と抗MeK抗体、又は抗hnRNP抗体と抗MeR抗体とを用い、癌患者の血液中のメチル化hnRNP類を分析したところ、メチル化hnRNP類が大腸癌患者の血液中においても増加していることを見出した。更に、驚くべきことに、大腸癌以外の癌である肺癌及び乳癌の患者の血液中においても、健常人と比較してメチル化hnRNP類が増加していることがわかった。また、メチル化hnRNPは、進行癌や末期癌の患者だけでなく、症状が見られないステージIの早期癌の患者の血液中でも高い比率で検出されることがわかった。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を用いることを特徴とする、被検試料中のメチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインの免疫学的分析方法に関する。
本発明による免疫測定方法の好ましい態様においては、前記メチル化アミノ酸残基が、メチル化アルギニン又はメチルリジンである。
本発明による免疫測定方法の別の好ましい態様においては、前記メチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインが、ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテイン2つ以上を含む複合体を形成している。
本発明による免疫測定方法の別の好ましい態様においては、更に、ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体を用い、特には、前記ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体が、Cold−inducible RNA−binding protein、hnRNP C−like 1、hnRNP H、hnRNP H‘、hnRNP H3、hnRNP C1/C2、hnRNP D0、hnRNP F、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP L、hnRNP M、hnRNP Q、hnRNP R、hnRNP U、hnRNP E1、hnRNP E2、hnRNP I、RNA−binding protein Raly、hnRNP A0、hnRNP A1、hnRNP A2/B1、hnRNP A3、hnRNP A/B、及びhnRNP JKTBPからなる群から選択されるヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する少なくとも1つの抗体である。
本発明による免疫測定方法の好ましい態様においては、前記被検試料が、血液由来の試料である。
また本発明は、メチルリジンを含むヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインにも関する。
本発明によるメチルリジンを含むヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインの好ましい態様においては、前記ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインが、hnRNP A1、hnRNP C1/C2、hnRNP F、hnRNP H、又はhnRNP Kである。
また本発明は、被検試料中のメチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインを免疫学的に分析することを特徴とする、癌を検出する方法にも関する。
本発明による癌を検出する方法の好ましい態様においては、前記癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸部癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌、皮膚癌、骨癌、リンパ腫、白血病、又は脳腫瘍である。
また本発明は、ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、メチルリジンに結合する抗体を含む、癌の診断試薬、又はヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、アシンメトリックジメチルアルギニンに結合する抗体を含む、癌の診断試薬にも関する。
また本発明は、ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、メチルリジンに結合する抗体を含む、癌の診断キット、又はヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、アシンメトリックジメチルアルギニンに結合する抗体を含む、癌の診断キットにも関する。
なお、本明細書における「分析」には、分析対象化合物の存在の有無を判定する「検出」と、分析対象化合物の存在量を決定する「定量」との両方が含まれる。
また本明細書において、「hnRNP」は、特に断らない限り、不特定の1種のhnRNPを意味し、「hnRNP類」は不特定の複数のhnRNPを意味する。そして、特定のhnRNPについては、例えば、「hnRNP K」と示す。また、「hnRNPファミリー」は、hnRNPに分類される全てのhnRNPを含むことを意味し、「hnRNP複合体」は、複数のhnRNPが結合した複合体を意味する。
本発明によれば、組織や血液中のメチル化hnRNP類を分析することにより、癌を検出することが可能である。また、早期癌の患者の血清においても、メチル化hnRNP類を検出することが可能であり、癌の早期発見が可能である。
本発明の分析方法によって分析することのできるhnRNP類のメチル化されているアミノ酸残基は、アルギニン及び/又はリジンである。すなわち、メチル化hnRNP類は、メチル化アルギニン及び/又はメチル化リジンを含む。メチル化hnRNP類としては、例えば、メチル化されたCold−inducible RNA−binding protein、hnRNP C−like 1、hnRNP H、hnRNP H‘、hnRNP H3、hnRNP C1/C2、hnRNP D0、hnRNP F、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP L、hnRNP M、hnRNP Q、hnRNP R、hnRNP U、hnRNP E1、hnRNP E2、hnRNP I、RNA−binding protein Raly、hnRNP A0、hnRNP A1、hnRNP A2/B1、hnRNP A3、hnRNP A/B、又はhnRNP JKTBPを挙げることができ、好ましくは、hnRNP A1、hnRNP C1/C2、hnRNP F、hnRNP H、hnRNP K、又はhnRNP Mである。
前記のように、タンパク質に含まれるアミノ酸残基のうち、メチル化されるアミノ酸残基としては、アルギニン又はリジンが知られている。タンパク質のメチル化は一群のメチルトランスフェラーゼと呼ばれる酵素により担われており、アルギニン残基をメチル化する酵素として、8種類のタンパク質アルギニンメチル化酵素(Protein arginine methyltransferase;以下、PRMTと称することがある)が報告されている。中でも幅広い分子量に亘ってアルギニンメチル化を起こす酵素として、PRMT1が知られており、この分子の基質としていくつかのhnRNP類が報告されている。しかしながら、hnRNP類のアルギニンメチル化の生理学的な意義、又は疾患との関係は明らかではなかった。
本発明者は、大腸癌患者の癌組織と正常組織とにおいて、PRMT1の発現(タンパク質)を調べたところ、癌組織においてPRMT1の発現が亢進していることを見出した。また、大腸癌細胞株、肺腺癌細胞株、肺扁平上皮癌細胞株、乳癌細胞株、肝癌細胞株、神経芽細胞種細胞株、横紋筋肉種細胞株、などの癌細胞株において、8種類のPRMTのmRNAの発現を調べたところ、多くの細胞で何種類かのPRMTのmRNAの発現が亢進していることを見出した。従って、被検試料中のPRMTを分析することによって、癌を検出することが可能である。好ましくは、PRMT1を分析することによって癌を検出することが可能である。
一方、hnRNPファミリーにおいては、リジン残基のメチル化は報告されておらず、リジン残基をメチル化するメチルトランスフェラーゼについての報告もなされていなかった。本発明者は、hnRNP類に含まれるリジン残基がメチル化されていることを見出し、特に、癌患者においてメチル化されたhnRNP類が増加していることがわかった。後述する抗hnRNP抗体又はメチルリジンに結合する抗体を用いることにより、細胞や組織、特には癌細胞や癌組織からメチルリジンを含むhnRNPを分離及び精製することが可能である。本発明のメチルリジンを含むhnRNP類には、前記メチル化hnRNPが含まれるが、好ましくは、メチルリジンを含むhnRNP A1、hnRNP C1/C2、hnRNP F、hnRNP H、hnRNP K、又はhnRNP Mである。
本発明の分析方法によって分析されるメチル化hnRNP類は、少なくとも1つ以上のメチル化アミノ酸残基を含む。メチル化アミノ酸残基は、前記のメチル化リジン又はメチル化アルギニンである。
メチル化リジン(MeK)には、モノメチルリジン、ジメチルリジン及びトリメチルリジンが含まれる。モノメチルリジンは、一般式(1):
Figure 2008164517
で表され、リジンの側鎖のアミノ基の水素原子1つがメチル基で置換されたリジンである。ジメチルリジンは、一般式(2):
Figure 2008164517
で表され、リジンの側鎖のアミノ基の水素原子の2つがメチル基で置換されたリジンである。トリメチルリジンは、一般式(3):
Figure 2008164517
で表され、リジンの側鎖のアミノ基の水素原子の2つがメチル基で置換され、更にもう一つのメチル基が窒素原子に付加した構造を有するリジンである。
リジンメチル化hnRNPに含まれるメチル化リジンは、特に限定されず、前記モノメチルリジン、ジメチルリジン、又はトリメチルリジンのうちのいずれか1つ以上であればよく、2種類以上のメチル化リジンを含んでいてもよい。また、メチル化hnRNP類におけるメチル化リジンの位置及び数は、特に限定されない。すなわち、メチル化hnRNP類において、1つ以上のリジンがメチル化されていればよく、従って、メチル化hnRNP類は、メチル化されていないリジンを含むことができる。
メチル化アルギニン(MeR)には、アシンメトリックジメチルアルギニン(Asymmetric dimethylarginine:以下、ADMAと称することがある)、シンメトリックジメチルアルギニン(以下、SDMAと称することがある)、モノメチルアルギニン(以下、MMAと称することがある)が含まれる。ADMAとは、一般式(4):
Figure 2008164517
で表される、アルギニンの側鎖のアミノ基の水素原子2つが、メチル基で置換されたアルギニンである。本発明の抗体が反応しない、SDMAとは、一般式(5):
Figure 2008164517
で表されるアルギニンの側鎖のアミノ基の水素原子及びイミノ基の水素原子がメチル基に置換されたアルギニンである。MMAとは、一般式(6):
Figure 2008164517
で表される、アルギニンの側鎖のアミノ基の水素原子1つがメチル基に置換されたアルギニンである。
アルギニンメチル化hnRNPに含まれるメチル化アルギニンは、特に限定されず、前記アシンメトリックジメチルアルギニン、シンメトリックジメチルアルギニン、モノメチルアルギニンのうちのいずれか1つ以上であればよく、2種類以上のメチル化アルギニンを含んでいてもよい。また、メチル化hnRNP類におけるメチル化アルギニンの位置及び数は、特に限定されない。すなわち、メチル化hnRNP類において、1つ以上のアルギニンがメチル化されていればよく、従って、メチル化hnRNP類は、メチル化されていないアルギニンを含むことができる。
また、本発明の免疫学的分析方法によって、分析できるメチル化hnRNPは、リジンのみがメチル化されているもの、アルギニンのみがメチル化されているもの、又はリジン及びアルギニンがメチル化されているものでもよい。
本発明者は、メチル化リジン及び/又はメチル化アルギニンを含む複数のメチル化hnRNPが、癌細胞中において、複合体を形成していることを見出した。また、癌患者の血液中においても、メチル化リジン又はメチル化アルギニンを含む複数のメチル化hnRNPが、複合体を形成していることを見出した。本発明による免疫学的分析方法によれば、単独のメチル化hnRNPを分析することもできるが、メチル化hnRNP複合体を分析することも可能である。メチル化hnRNP複合体は、少なくとも2つ以上の前記メチル化hnRNPを含むが、好ましくはメチル化リジン及び/又はメチル化アルギニンを含むhnRNP A1、hnRNP C1/C2、hnRNP F、hnRNP H、hnRNP K、又はhnRNP Mを含むことができる。
本発明のメチル化hnRNPの免疫学的分析方法によれば、癌を検出することが可能である。本発明の癌を検出する方法は、複数の種類の癌を同時に、そして高感度に検出することができる。癌の種類は、特に限定されることはないが、例えば、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸部癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌、皮膚癌、骨癌、リンパ腫、白血病及び脳腫瘍を挙げることができる。特には、大腸癌、肺癌及び乳癌を高率に検出することができる。多くの癌は、その進行度によって4つの病期(ステージ)ステージI、ステージII、ステージIII及びステージIVに分けることができる。ステージIやステージIIのような早期のステージの癌患者の検体において、多くの腫瘍マーカーは、検出されない。本発明の癌を検出する方法によれば、癌のステージに関係なく、癌を高感度に検出することが可能であり、特に、早期の癌であるステージIの癌も検出することができる。
本発明方法においては、任意の哺乳動物(特にはヒト)の任意の試料を被検試料として、用いることができる。被検試料としては、例えば、臓器、組織、細胞などの固体の試料の細胞ライセート(Lysate)、又は体液試料を用いることができる。体液試料としては、血液、血漿、血清などの血液由来の試料、及び尿などを挙げることができ、特には血漿又は血清が好ましい。
本発明者は、後述する実施例に示すとおり、癌患者においては、健常人と比較して、試料中に含まれているメチル化hnRNPの濃度が統計学的に有意に高くなることを見出した。具体的には、抗hnRNP抗体及び抗ADMA抗体を用いる免疫学的分析法(以下、ADMA−hnRNP法と称することがある)によって、健常人、大腸癌、肺癌及び乳癌において、それぞれ6、48、80、50%が陽性であり、抗hnRNP抗体及び抗メチルリジン抗体を用いる免疫学的分析法(以下、MeK−hnRNP法と称することがある)によって、それぞれ6、57、80、78%が陽性であった。これらの値は、従来の腫瘍マーカーよりも高い陽性率を示した。このように、本発明の癌を検出する方法においては、検査対象者から採取した被検試料中に含まれているメチル化hnRNPを分析することによって、癌を検出することができる。メチル化hnRNPの分析は、免疫学的分析方法に基づいて行うことができる。
本発明のメチル化hnRNPの免疫学的分析方法に使用することのできる抗MeK抗体は、前記モノメチルリジン、ジメチルリジン又はトリメチルリジンに結合することができ、リジンに結合しない抗体であれば限定されず、モノメチルリジン、ジメチルリジン及びトリメチルリジンのうちの1つに特異的に結合する抗体でもよく、2つ以上に結合する抗体でもよい。例えば、モノメチルリジン及びジメチルリジンに結合することができ、リジンに結合しない抗体として、国際公開第2005/054296号パンフレットに記載のモノメチルリジン及びジメチルリジンに結合する抗体を挙げることができる。具体的には、受託番号FERM P−19595号であるハイブリドーマMEK3D7から産生されるMEK3D7抗体、受託番号FERM P−19596号であるハイブリドーマMEK4E10から産生されるMEK4E10抗体、受託番号FERM P−19597号であるハイブリドーマMEK5F7から産生されるMEK5F7抗体、受託番号FERM P−19593号であるハイブリドーマMEK2−5A11から産生されるMEK5A11抗体、受託番号FERM P−19594号であるハイブリドーマMEK2−5B11から産生されるMEK2−5B11抗体を挙げることができる。
本発明のメチル化hnRNPの免疫学的分析方法に使用することのできる抗MeR抗体は、前記ADMA、SDMA、又はMMAに結合することができ、アルギニンに結合しない抗体であれば限定されないが、ADMA、SDMA、又はMMAのうちの1つに特異的に結合する抗体を用いることもでき、2つ以上に結合することのできる抗体を用いることもできる。例えば、ADMA、SDMA、又はMMAのうちの1つに特異的に結合する抗体としては、ADMAに結合し、SDMA、MMA及びリジンに結合しない抗体が挙げられ、具体的には、特願2005−378965に記載の受託番号FERM BP−10458号であるハイブリドーマADMA2−2H5から産生されるモノクローナル抗体を挙げることができる。
本発明のメチル化hnRNPの免疫学的分析方法に使用することのできる抗hnRNP抗体は、hnRNP群のいずれかのhnRNPに結合することのできる抗体であれば、特に限定されるものではないが、例えば、抗Cold−inducible RNA−binding protein、抗hnRNP C−like 1抗体、抗hnRNP H抗体、抗hnRNP H‘抗体、抗hnRNP H3抗体、抗hnRNP C1/C2抗体、抗hnRNP D0抗体、抗hnRNP F抗体、抗hnRNP G抗体、抗hnRNP K抗体、抗hnRNP L抗体、抗hnRNP M抗体、抗hnRNP Q抗体、抗hnRNP R抗体、抗hnRNP U抗体、抗hnRNP E1抗体、抗hnRNP E2抗体、抗hnRNP I抗体、抗RNA−binding protein Raly抗体、抗hnRNP A0抗体、抗hnRNP A1抗体、抗hnRNP A2/B1抗体、抗hnRNP A3抗体、抗hnRNP A/B抗体、抗hnRNP JKTBP抗体、又はこれらの抗体の2種以上の混合物を挙げることができる。また、hnRNP類は、スプライシングの違いにより異なるタンパク質となるhnRNPも含まれ、部分的に同一のアミノ酸配列を有するhnRNPが存在する。そのため、2種類以上のhnRNPに結合することのできる抗体があり、そのような抗体も、本発明の分析方法に使用することが可能である。好ましくは、抗hnRNP A0抗体、抗hnRNP A1抗体、抗hnRNP A2/B1抗体、抗hnRNP C1+C2抗体、抗hnRNP F/H抗体、抗hnRNP G抗体、抗hnRNP K抗体、抗hnRNP M抗体、抗hnRNP Q抗体、又はこれらの抗体の混合物を使用することができ、より好ましくは、抗hnRNP A1抗体、抗hnRNP C1+C2抗体、抗hnRNP F/H抗体、抗hnRNP K抗体、抗hnRNP M、又は抗hnRNP Q抗体を使用することができる。
抗体の種類は、特に限定されないが、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、又はそれらの抗体の抗体フラグメントなどを挙げることができるが、好ましくはモノクローナル抗体又はその抗体フラグメントである。抗体フラグメントとしては、例えば、F(ab’)、Fab’、Fab、又はFv等を挙げることができる。これらの抗体フラグメントは、例えば、抗体を常法によりタンパク質分解酵素(例えば、ペプシン又はパパイン等)によって消化し、続いて、常法のタンパク質の分離精製の方法により精製することで、得ることができる。
前記のメチル化アミノ酸残基に結合する抗体を用いる本発明の免疫学的分析方法には、固相酵素免疫測定法(以下、ELISA法と称する)などの酵素免疫測定法(以下、EIA法と称する)、放射性免疫測定法(以下、RIA法と称する)、蛍光標識免疫測定法(以下、FIAと称する)、凝集法、免疫沈降法、ウエスタンブロット法、イムノブロット法、又は各種の免疫組織染色法などが含まれる。
本発明の(A)メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を用いる免疫学的分析方法は、
(A−1)メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を被検試料と接触させる工程、及び
(A−2)メチル化hnRNPと前記抗体との免疫複合体を検出する工程
を含む。メチル化アミノ酸残基に結合する抗体は、免疫複合体を検出するために標識抗体であることが好ましい。
前記免疫学的分析方法(A)は、具体的には、被検試料中のメチル化hnRNPを1次元の電気泳動又は2次元の電気泳動により分離し、次にウエスタンブロット法により、工程(A−1)及び工程(A−2)を行うことにより、メチル化hnRNPを分析することが可能である。また、FIA法、免疫組織染色法、イムノブロット法などにより、前記工程(A−1)及び工程(A−2)を行うこともできる。
本発明の免疫学的分析方法では、更に、前記抗hnRNP抗体を用いることができる。(B)メチル化アミノ酸残基に結合する抗体及び抗hnRNP抗体を用いる免疫学的分析方法は、
(B−1)hnRNPに結合する抗体を被検試料と接触させる工程、
(B−2)メチル化hnRNP、又はメチル化hnRNPと前記hnRNPに結合する抗体との免疫複合体に、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を接触させる工程、及び
(B−3)メチル化hnRNPとメチル化アミノ酸残基に結合する抗体とからなる免疫複合体、又はメチル化hnRNPと前記hnRNPに結合する抗体とメチル化アミノ酸残基に結合する抗体とからなる免疫複合体を検出する工程
を含むことができる。
工程(B−1)においては、被検試料に含まれているメチル化hnRNPとhnRNPに結合する抗体とを結合させる。hnRNPに結合する抗体は、単独の抗hnRNP抗体を用いてもよいが、複数の抗体を組合わせて使用してもよい。ELISA法では、抗hnRNP抗体を不溶性の担体に固相化して用いることもできる。また、工程(B−1)を免疫沈降などによって行う場合は、抗hnRNP抗体は、液相で使用することができる。この工程において、メチル化hnRNPとhnRNPに結合する抗体との免疫複合体が形成させる。
工程(B−2)においては、得られた免疫複合体、又は免疫複合体から分離したメチル化hnRNPとメチル化アミノ酸残基に結合する抗体とを結合させる。具体的には、メチル化hnRNPのメチル化アミノ酸残基に抗体が結合する。それにより、メチル化hnRNP、hnRNPに結合する抗体及びメチル化アミノ酸残基に結合する抗体からなる免疫複合体、又はメチル化hnRNPとメチル化アミノ酸残基に結合する抗体とからなる免疫複合体が形成される。メチル化アミノ酸残基に結合する抗体は、前記のモノメチルリジン、ジメチルリジン、あるいはトリメチルリジンに結合する抗体、又はADMA、SDMA、又はMMAに結合する抗体を用いることができる。これの抗体は単独で使用してもよいが、何種類かの抗体を組合わせて使用してもよい。この工程において用いる抗体は、工程(B−3)において、免疫複合体からのシグナルを検出するために標識抗体であることが好ましい。ELISA法では、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体は、メチル化hnRNPと前記hnRNPに結合する抗体との免疫複合体に液相で反応させることができる。また、工程(B−2)をウエスタンブロット法などによって行う場合は、ブロット膜などに結合したメチル化hnRNPに、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を液相で結合させる。
工程(B−3)においては、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を含む免疫複合体を、シグナルとして検出する。具体的には、標識されたメチル化アミノ酸残基の酵素などを基質と反応させ、発色又は発光などによって検出する。また、標識物質である蛍光物質やラジオアイソトープなどを直接検出することもできる。
前期工程(B−1)及び工程(B−2)は、工程(B−1)を行い、次に工程(B−2)行うこともできるが、同時に行うことも可能である。例えば、ELISA法では、工程(B−1)及び工程(B−2)を同時に行うことにより、メチル化hnRNP、hnRNPに結合する抗体、及びメチル化アミノ酸残基に結合する抗体からなる免疫複合体が形成される。
更に、工程(B−1)で使用するhnRNPに結合する抗体の代わりにメチル化アミノ酸残基に結合する抗体を用い、工程(B−2)で使用するメチル化アミノ酸残基に結合する抗体の代わりにhnRNPに結合する抗体を用いることもできる。この場合、工程(B−2)で使用する抗体は、免疫複合体を検出するため、標識抗体であることが好ましい。
前記(B)の免疫学的分析方法は、具体的には、免疫沈降とウエスタンブロット法を組み合わせて行うことができる。例えば、hnRNPに結合する抗体を被検試料に添加し、hnRNPと抗体の免疫複合体を形成させる。これに、Protein A又はProtein Gなどの結合したゲルなどを添加し、免疫複合体をゲルに結合させる。遠心分離などでゲルを回収し、加熱、界面活性剤、及び/又は高塩濃度による処理などによって免疫複合体を分離させる。得られたhnRNPを電気泳動し、PVDF膜などのブロット膜に転写する。ブロット膜を、適当なブロッキング剤(例えば、牛血清アルブミンやゼラチン等)でブロッキングする。その後、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)などの酵素で標識したメチル化アミノ酸残基に結合する抗体を接触させ、メチル化hnRNPに結合させる。ブロット膜を洗浄し、酵素に対する発色基質や発光基質を添加し、酵素と基質を反応させることによりシグナルを検出する。
また、前記(B)の免疫学的分析方法は、サンドイッチELISA法を利用して行うこともできる。例えば、まず、マイクロプレートやビーズなどの不溶性担体に、hnRNPに結合する抗体(捕捉抗体、又は一次抗体)を固相化する。次に、捕捉抗体や不溶性担体への非特異的な吸着を防ぐために、適当なブロッキング剤(例えば、牛血清アルブミンやゼラチン等)で不溶性担体のブロッキングを行う。捕捉抗体が固相化されたプレートやビーズに、メチル化hnRNPが含まれる被検試料を一次反応液と一緒に加え、捕捉抗体とメチル化hnRNPを接触させ、結合させる(一次反応工程)。この後、捕捉抗体に結合しなかった抗原や夾雑物を適当な洗浄液(例えば、界面活性剤を含むリン酸緩衝液)で洗浄する。次に、捕捉されたメチル化hnRNPと結合するメチル化アミノ酸残基に結合する抗体と西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)などの酵素とが結合した標識抗体(2次抗体)を添加し、捕捉された抗原に標識抗体を結合させる(二次反応工程)。この反応により、捕捉抗体−メチル化hnRNP−標識抗体の免疫複合体がマイクロプレート等の担体上に形成される。結合しなかった標識抗体を洗浄液で洗浄し、標識抗体の酵素に対する発色基質や発光基質を添加し、酵素と基質を反応させることによりシグナルを検出する。
本発明のメチル化hnRNPの分析方法において使用する捕捉抗体とは、被検試料中のメチル化hnRNPを捕捉する抗体であるが、前記の不溶性担体を用いたサンドイッチ法では、不溶性担体に固相化される固相抗体である。また、本発明のメチル化hnRNPの分析方法において使用する検出抗体とは、捕捉抗体によって捕捉された被検試料中のメチル化hnRNPを検出する抗体であるが、前記の不溶性担体を用いたサンドイッチ法では、酵素などによって標識された標識抗体である。前記の説明では、抗hnRNP抗体を捕捉抗体として、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を検出抗体として用いた場合について説明しているが、メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を捕捉抗体として、抗hnRNP抗体を検出抗体として用いることも可能である。
抗体を標識する酵素としては、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、及びルシフェラーゼなどを挙げることができる。また酵素以外にも、標識物質として、アクリジニウム誘導体などの発光物質、ユーロピウムなどの蛍光物質、I125などの放射性物質などを使用することができる。また、標識物質に会わせて基質や発光誘導物質を適宜選択することができる。更に、本発明における標識抗体は、検出マーカーとしてハプテンや低分子量のペプチド、レクチンなどの抗原抗体反応のシグナルの検出に利用できる物質を結合させた抗体も含む。ハプテンにはビオチン、ジニトロフェニル(DNP)、FITCなどが含まれる。例えばビオチンを抗体に結合させ、プローブ複合体を作成した場合、ビオチンに親和性のあるアビジンにHRPなどの酵素、フルオレセインなどの蛍光物質、又はアクリニジウム誘導体などの発光物質を標識し、プローブ複合体と反応させ発色、蛍光、発光などによりシグナルを検出することができる。
本発明の癌の診断用である免疫学的分析用試薬には、前記メチル化アミノ酸残基に結合する抗体及びhnRNPに結合する抗体を含むことができる。癌の診断用である免疫学的分析用試薬は、メチル化hnRNPと抗体を接触させる抗原抗体反応時に用いる試薬であれば特に限定されない。例えば、前記の免疫沈降及びウエスタンブロットに用いる試薬でもよく、サンドイッチELISA法に用いる試薬でもよい。試薬はメチル化アミノ酸残基に結合する抗体及び/又はhnRNPに結合する抗体を単独で含んでもよく、両方の抗体を含んでもよい。免疫学的分析用試薬に用いる緩衝液は、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液又はヘペス緩衝液など、従来公知の緩衝液から適宜選択することができる。また、免疫学的分析用試薬には、その他の成分、例えば、抗原や抗体を安定化させるための、ウシ血清アルブミンなどのキャリアータンパク質、アジ化ナトリウムなどの防腐剤、また非特異反応を抑えるための界面活性剤などを含有させることもできる。
本発明の癌診断用免疫学的分析キットは、hnRNPに結合する抗体が固相化された不溶性担体(例えば、96ウェルプレート又はビーズ)、及び前記メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を検出プローブとして含む癌診断用の免疫学的分析試薬を含むことができる。癌診断用の免疫学的分析試薬は溶液の状態で提供されてよいが、凍結乾燥されて粉末状態で提供されてもよい。本発明の癌診断用免疫学的分析キットは、メチル化hnRNP、及び使用説明書などを含むことができる。
《作用》
多くの癌において、血液中にメチル化アミノ酸残基を含むhnRNP類が増加する理由は、完全に解明されているわけではないが、以下のように推論することができる。しかしながら、本発明は以下の説明によって限定されるものではない。癌組織中の癌細胞においては、PRMT1などのタンパク質アルギニンメチル化酵素、及びhnRNP類のリジン残基をメチル化するメチルトランスフェラーゼの発現が亢進しているものと考えられる。癌細胞においては、これらのメチル化酵素により、hnRNP類のアルギニン及び/又はリジンがメチル化され、更に、血液中にメチル化されたhnRNPが単独で、又はhnRNP複合体として、分泌されているものと考えられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:大腸癌組織及び正常組織におけるタンパク質メチル化レベルの比較》
(A)大腸癌患者12人の癌部の組織及び非癌部の組織を分析に用いた。凍結されたサンプルの一部を切除後、重量を測定し、組織重量1g当り4mLのサンプル処理バッファー(9.8M Urea,0.5%CHAPS,10mM DTT)を加えた。バッファー中で、鋏を用いて細かく切り刻んだ後、チップ式の超音波破砕機で組織懸濁液を調製した。組織懸濁液を10000rpmで5分遠心後、上清をサンプルとして使用した。得られた上清を、2xSDS−PAGE buffer(130mM Tris−HCl,pH6.8,4%SDS,14%glycerol,80mM DTT,0.01%BPB)で1:1に希釈し、37℃で30分インキュベートした。
(B)サンプルのタンパク質の分解をチェックするために、12%のSDSポリアクリルアミドゲルを用いて、10μgのタンパク量を電気泳動後、PVDF膜に転写し、抗βアクチン抗体(Abcam社)ab6276を反応させた。二次抗体としてはHRP標識抗マウスIgG抗体を反応させ、ECL Plus(GE HealthCare社)を用い、シグナルを検出した。図1に示される様に、いずれの検体もほぼ等しい量のβアクチンを発現していることが確認でき、保存されていた癌組織のタンパク質は劣化していないことがわかった。
(C)前記工程(A)で調整したサンプルを用いて、タンパク質メチル化レベルの測定を行った。抗βアクチン抗体(Abcam社)AC−15の代わりに、HRP標識した抗メチルリジン抗体MEK3D7(Proteomics 5,4653,2005;特許国際出願番号PCT/JP2004/017959)、又は抗ADMA抗体ADMA2−2H5(特願2005−378963)を用いたこと、及び二次抗体であるHRP標識抗マウスIgG抗体使用しなかったこと以外は、前記工程(B)の操作を繰り返した。HRP標識は、Pierce社のEZ−Link Plus Activated Peroxidaseを用いて行った。結果を図2(メチルリジン)及び図3(ADMA)に示した。抗メチルリジン抗体を用いてメチル化タンパク質を検出した場合、約45k、40k、25k、22k、15k程度の分子量を有するタンパク質を含む複数のタンパク質が、非癌部(N)よりも癌部(T)において濃く染まっており、これらのメチル化タンパク質の増加が認められた。一方、抗ADMA抗体を用いてメチル化タンパク質を検出した場合、70k、40K、22k程度の分子量を有するタンパク質が、特に顕著に検出されたが、基本的には全分子量領域のタンパク質が、非癌部よりも癌部において強く染色され、メチル化が亢進していた。
《実施例2:大腸癌組織及び正常組織におけるタンパク質アルギニンメチル化酵素発現レベルのタンパク質レベルでの比較》
実施例1の工程(A)で得られたサンプルのタンパク質アルギニンメチル化酵素PRMT1の発現レベルを、ウェスタンブロッティングで検出した。抗βアクチン抗体(Abcam社)ab6276の代わりに、抗PRMT1抗体(Abcam ab7027)を用いた以外は、前記実施例1の工程(B)の操作を繰り返した。結果を図4に示す。前記実施例1で示された抗ADMA抗体を使用したウェスタンブロッティングにおける、全体的なタンパク質の染色の濃淡とほぼ一致して、PRMT1の発現量が変動していることが分かった。このことは、図3において見られた全体的なタンパク質アルギニンメチル化の亢進が、PRMT1分子の発現亢進により担われている可能性を示唆している。
《実施例3:癌細胞及び正常細胞におけるタンパク質アルギニンメチル化酵素発現レベルのmRNAレベルでの比較》
タンパク質アルギニンメチル化酵素は、これまで8種類が同定されクローニングされている。これら全てのPRMTについて、正常細胞及び癌細胞における発現レベルの比較をRT−PCR法を用いて実施した。
ヒト培養癌細胞株として、大腸癌細胞株HT−29(ATCCより入手)、RKO(ATCCより入手)、肺腺癌細胞ABC−1(JCRBより入手)、LC−MS(JCRBより入手)、肺扁平上皮癌細胞H520(ATCCより入手)、EBC−1(東北大学加齢研より入手)、乳癌細胞MCF−7(東北大学加齢研より入手)、T47D(大日本製薬より入手)、肝癌細胞株HepG2(大日本製薬より入手)、Huh−7(JCRBより入手)、神経芽細胞種細胞IMR32(大日本製薬より入手)、及び横紋筋肉種細胞A673(大日本製薬より入手)の12株を用いた。HepG2及びHuh−7は、DMEM培地を用い、それ以外の細胞株は、10%FBSを添加したRPMI−1640培地を用いて培養した。正常ヒト肝細胞は、Tissue Transformation Technologies(NJ,USA)で製造され、BD Biosciences(MA,USA)から供給されているものを、株式会社ケー・エー・シー(栗東市、滋賀県)より購入して用いた。本研究で用いた正常ヒト肝細胞は、PCR分析についてはSerial No.HH−134及びHH−157の細胞を用い、Western blot解析においては、これらに加えHH−116、HH184、及びHH−189の細胞を使用した。肝細胞からのtotal RNAの抽出は、QIAGEN社のRNeasy mini kitを用いて行った。
各PRMTアイソザイムのmRNAを検出するためのプライマーは、web上で公開されているPrimer3 server(http://frodo.wi.mit.edu/cgi−bin/primer3/primer3_www.cgi)を用いて設計した。各アイソザイムのcDNA配列は、Swiss protに登録されている配列情報を用いた。Product sizeを300−400に設定、Mispriming Libraryをhumanに設定した上で、他はdefaultのままで検索を行った。Swiss prot上で複数情報間の不一致が報告されている時は、その領域を含まないcDNA配列を検索に用いた。上記方法により設計したプライマー配列及び予想されるPCR product sizeは表1に示す通りである。
Figure 2008164517
RT−PCRは、基本的には200ngのtotal RNAのテンプレートを用いて行った。ランダムプライマーを用い、逆転写反応によりcDNAを合成した。得られたcDNAをテンプレートとして用い、それぞれのPRMTのプライマーペアを用いてPCR反応を実施した。
まず、total RNA 200ngを全量10μLのDEPC処理水に溶解し、random 6−mer溶液(50μM)を2μL加え、65℃で10分インキュベートした後、氷冷した。そこに、x5 1st strand buffer 1μL、0.1M DTT 1μL、20mMdNTP Mix 0.5μL、SuperScript III RTase(Invitrogen)1μL、及びDEPC処理水1.5μLを加え、43℃で30分反応させた後、95℃で5分処理し酵素を失活させた(RT product)。
PCR反応は、RT product1μLに、x10LA PCR buffer 5μL、20mMdNTP Mix 5μL、25mM MgCl5μL、Forward及びReverse primer(50μM)を各0.4μL、TaKaRa Ex Taq 0.25μL、D.W.33μLを加え、94℃−5min加熱した。その後、94℃−30sec、60℃−30sec、72℃−2minのサイクルを30cycles繰り返し、72℃−7minの温度サイクル条件でPCRを実施した。反応産物は、臭化エチジウム入りの2%アガロースゲルで泳動し、紫外光照射により可視化した。
結果を図5に示した。以下、PRMTアイソザイムごとに結果の概略をまとめる。
(PRMT1)ヒト正常肝細胞HH−157で特に発現が低く、次いでHH−134で低いが、それ以外の癌細胞株では高発現である。
(PRMT2)ヒト正常肝細胞HH−157では、今回の分析条件ではバンドは認められない。HH−134ではごくわずかに検出される。癌細胞株では基本的には発現しているが、一部の細胞(RKO、ABC−1、HepG2、HT−29、LC−MS)でやや低い発現となっている。癌の種類としては、大腸癌及び肺腺癌で低めである。
(PRMT3)これも基本的にPRMT−1と同じパターンを示した。但し、大腸癌及び肺腺癌でやや低値である。
(PRMT4)PRMT3と同じ傾向であるが、HH−134においてもほとんどバンドは検出されない。
(PRMT5)これもPRMT1と似たパターンであるが、RKO及びLC−MSで低値である。
(PRMT6)乳癌細胞の二つ、神経芽細胞種IMR32、及び骨格筋肉腫A673以外は非常に低値である。
(PRMT7)PRMT5とほぼ同じパターンで発現している。すなわち、正常組織及び細胞で非常に低く、それ以外はHT−29及びABC−1で低値である。
(PRMT8)予想されるproduct sizeの位置に、全くバンドは見出されなかった。このプライマー以外にも2通りのプライマーを設計して検討したが(data not shown)、やはり全く発現は検出されなかった。
癌細胞におけるタンパク質の全体的なADMA化を担っている可能性がある酵素は、PRMT−1、3、又は4であると考えられ、特に、PRMT1は、今回の実験で示した発現パターンからも、大腸癌組織のタンパク質のアルギニンのメチル化の原因酵素となっている可能性が最も高いと思われる。
《実施例4:抗hnRNP抗体による細胞lysateからの免疫沈降》
大腸癌組織でメチル化されているタンパク質の探索のために、大腸癌細胞RKOのタンパク質の解析を行った。
(A)50mMTris−HCl、pH8、120mMNaCl、0.5%Nonidet P−40に、RocheのComplete mini EDTA freeを加えた緩衝液を用いて、大腸癌細胞RKOのlysateを調製した。得られた細胞lysateを、タンパク質濃度1.1mg/mLに調整し、各種抗hnRNP抗体を用いて免疫沈降した。免疫沈降に用いた抗体は、抗hnRNP A0(SantaCruz社、sc−16509、ヤギポリクローナル抗体)、抗hnRNP A1(Abcam社、ab5832、マウスモノクローナル抗体)、抗hnRNP A2/B1(Abcam社、ab6102、マウスモノクローナル抗体)、抗hnRNP C1+C2(Abcam社、ab10294、マウスモノクローナル抗体)、抗hnRNP F/H(Abcam社、ab10689、マウスモノクローナル抗体)、抗hnRNP G(SantaCruz社、sc−14581、ヤギポリクローナル抗体)、抗hnRNP K(SantaCruz社、sc−28380、マウスモノクローナル抗体)、抗hnRNP M(SantaCruz社、sc−20002、マウスモノクローナル抗体)、及び抗hnRNP Q(Abcam社、ab10687、マウスモノクローナル抗体)である。更に、ADMA化が知られているhnRNP以外の二種のタンパク質に対する抗体、抗PABP(SantaCruz社、sc−32318、マウスモノクローナル抗体)、及び抗Sam68(SantaCruz社、sc−1238、マウスモノクローナル抗体)を用いた。cell lysate500μLに、抗体1μgを添加し、4℃で一晩ローテートした後に、Protein A sepharose FFを20μL添加し、更に4℃で4時間ローテートした。50mM Tris−HCl、pH8、120mM NaCl、0.5%Nonidet P−40で洗浄後、2x SDS PAGE用サンプルバッファーを加え、5分間ボイルしてサンプルを調製した。
(B)サンプルとして免疫沈降によって得られたサンプルを用いたこと、及び抗βアクチン抗体(Abcam社)ab6276の代わりに、前記各種抗hnRNP抗体を用いたこと以外は、前記実施例1の工程(B)の操作を繰り返した。但し、一次抗体としてヤギで作製されたものを用いた場合は、HRP標識された抗ヤギIgG抗体を二次抗体として用いた。結果を図6−8に示した。抗hnRNP A1、抗hnRNP C1/C2、抗hnRNP F/H、抗hnRNP K、抗hnRNP M、抗hnRNP Q、抗PABP、及び抗Sam68を用いた場合に、特に、多くのタンパク質が免疫沈降された。
《実施例5:抗hnRNP抗体による免疫沈降と抗メチルリジン抗体及び抗ADMA抗体による検出》
実施例4の工程(A)で得られたサンプルを、抗メチルリジン抗体及び抗ADMA抗体で検出した。抗hnRNP抗体の代わりに、抗メチルリジン抗体又は抗ADMA抗体を用いたこと以外は、実施例4の工程(B)を繰り返した。結果を図9に示した。抗ADMA抗体による検出において、hnRNP A1による免疫沈降物中からはほぼhnRNP A1の分子量に相当する位置にバンドが検出された。また、PABP、Sam68に対する抗体での免疫沈降物においても、基本的には、それぞれPABP、及びSam68の分子量に相当する位置にメインのバンドが見られた。それに対して、hnRNP C1/C2、hnRNP F/H、hnRNP K、hnRNP Mに対する抗体で免疫沈降したサンプルにおいては、それぞれ用いた抗体に対応する分子の位置だけでなく、広い分子量領域に亘って種々のバンドが検出されることが分かった。この結果は、これらの抗体が種々のhnRNPを含む分子複合体を免疫沈降する能力があることを示している。
一方、抗MeK抗体による検出において、基本的は抗ADMA抗体で検出した際と類似の染色パターンを示したが、抗ADMA抗体では染まらなかったバンドも染色されることが分かった。ここで染色されているタンパク質の多くはhnRNP群のタンパク質である可能性が高いので、この結果は、hnRNPの中にはアルギニンメチル化だけでなく、リジンメチル化も生じている可能性を強く示唆する。
これまで、hnRNP複合体の検出は、細胞を放射ラベルした後に免疫沈降物をオートラジオグラフィーで検出する手法が主に取られており、今回の様な感度で非RIの条件で複合体を一括して検出できたのは、初めてのことである。
《実施例6:hnRNP複合体が形成されていることの確認》
実施例5の検討で、いくつかの抗hnRNP抗体による免疫沈降物には、免疫沈降に用いた抗体が反応する以外のhnRNPタンパク質も含まれていることが示唆された。そのことを確かめるために、実施例4の工程(A)で得られた抗hnRNP A1、抗hnRNPC1/C2、抗hnRNPF/H、及び抗hnRNPK抗体で免疫沈降したサンプルを、これら4種の抗体を用いて検出した。抗hnRNP抗体の代わりに、抗hnRNP A1、抗hnRNPC1/C2、抗hnRNPF/H、及び抗hnRNPK抗体を用いたこと以外は、実施例4の工程(B)を繰り返した。結果を図10に示した。抗hnRNP A1抗体で免疫沈降したサンプルはhnRNP A1抗体でのみ検出されたことから、この抗体はhnRNP複合体を免疫沈降する能力は低いものと思われる。この結果は、実施例5での染色パターンと一致する。一方、抗hnRNP C1/C2、抗hnRNP F/H、及び抗hnRNP K抗体で免疫沈降したサンプルを検出すると、それぞれの抗体のみではなく、抗hnRNP A1、抗hnRNP C1/C2、抗hnRNP F/H、及び抗hnRNP Kの全ての抗体で検出された。従って、少なくともこれら4種の抗体で検出されるhnRNPは複合体を形成しており、その複合体は抗hnRNP C1/C2、抗hnRNP F/H、及び抗hnRNP K抗体により免疫沈降されることが分かった。
《実施例7:メチル化hnRNP複合体のサンドイッチELISAによる検出》
メチル化hnRNP及び/又はメチル化hnRNP複合体を検出するために、サンドイッチELISA系を構築した。市販の抗hnRNP抗体(抗hnRNP A1、抗hnRNP A2/B1、抗hnRNP M、抗hnRNP Q、及び抗hnRNP K)を1μg/mLの濃度でPBSで希釈し、ELISA用のBlack plateの各wellに室温、3時間で固相化した。1% BSAでブロッキングした後に、メチル化hnRNPが含まれているHepG2細胞lysateを0.5% BSA、0.1% Triton X−100入りのPBSで種々の希釈倍率で添加し、室温で1時間インキュベートした。洗浄液(0.1% Triton X−100入りPBS)で洗浄後、標識抗体希釈液(0.5% BSA、0.1% Triton X−100入りのPBS)で1μg/mLに調製したADMA2−2H5−HRP又はMEK3D7−HRPを添加して、室温で1時間インキュベートした。その後、SuperSignal ELISA Pico Chemiluminescent Substrate(Pierce)を用いてシグナルを検出した。その結果、抗hnRNP Q抗体及び抗hnRNP K抗体を用いて固相化した条件で高い反応性が見られ、特に抗hnRNP K抗体を用いた時が最も強い反応性を示した。
《実施例8:メチル化hnRNP複合体のサンドイッチELISAによる癌患者血清の測定》
大腸癌患者、肺癌患者、乳癌患者の血清中のメチル化hnRNPを、ELISA法によって分析した。抗hnRNP K抗体(SantaCruz sc−28380)を、PBSで1 μg/mLの濃度に希釈し、室温、3時間で、ELISA用black plateに固相化した。PBSで洗浄後、1%BSA、2%Sucrose in PBSを用いて、室温で2.5時間ブロッキングした。0.1% Triton X−100入りPBSで洗浄後、3%BSA、0.1%Tx100、Mouse IgG(100μg/mL)/PBSで3倍に希釈した検体を添加した。室温で1時間反応後、洗浄液で洗浄し、標識抗体希釈液で、1μg/mLの濃度に希釈したHRP標識抗メチルリジン抗体(MEK3D7−HRP)又はHRP標識抗ADMA抗体−HRP(ADMA2−2H5−HRP)を添加し、室温で1時間反応させた。(以下、それぞれ、MEK−hnRNP法及びADMA−hnRNP法と称することがある)洗浄液で洗浄後、SuperSignal ELISA Pico Chemiluminescent Substrateを用いて検出した。メチル化hnRNPを含む標準物質としては、HepG2細胞lsyateを3% BSA、0.1%Tx100、Mouse IgG(100μg/mL)/PBSで希釈したものを用いた。HepG2細胞lysateを3倍希釈した時の測定値で全ての測定値を除し、更に100倍した暫定的な相対値を用いて結果を評価した。
健常人血清18名、大腸癌患者血清23名、肺癌血清15名、乳癌血清50名分について、測定値をグラフにプロットした結果を図11に示した。健常人における値の平均値+2SDを仮のカットオフ値として設定して、陽性率を判定すると、ADMA−hnRNP法で検出した場合に、健常人、大腸癌、肺癌、及び乳癌のそれぞれにおいて、6、48、80、50%、MEK−hnRNP法で検出した場合に、それぞれ、6、57、80、78%の陽性率の値を示し、高感度で癌患者血清を検出できることが分かった。特にMEK−hnRNP法はダイナミックレンジが広かった。
また、今回の検出結果を従来の腫瘍マーカーでの検出率と比較するために、全ての検体でCEA及びBFPを、大腸癌に関しては更にCA19−9を、肺癌に関しては更にCYFRAを、乳癌に関しては更にCA15−3及びBCA225を市販のキットを用いて測定した。使用したキットは、それぞれ、CEA(CEA,ELISA kit,Microwell,Hope Laboratories TM−201)、BFP(カイノス、ラナザイムBFPプレート)、CA19−9(Panomics BC1017)、CYFRA(CYFRA21−1,ELISA,DRG EIA−3943)、CA15−3(Panomics BC1015)、BCA225(KアッセイII BCA225,MBL7721)である。また、初期癌の検出感度を評価するために、各癌患者検体の中からStage−1の検体について解析した。結果を表2に示す。大腸癌においては、市販のいずれの腫瘍マーカー(CEA、BFP、CA19−9)よりも、本発明の方法が高い陽性率を示していた。大腸癌のStage−1の検体は2例であったが、MEK−hnRNP法及びADMA−hnRNP法のいずれの測定においても陽性であった。市販の腫瘍マーカーではBFPのみが、これらの検体で陽性を示していた。肺癌においては、CEA、BFP、CYFRAのいずれの陽性率よりも、本発明の方法が高い陽性率を示していた。Stage−1の検体についても67%と高い陽性率を示した。乳癌においても、従来のいずれの腫瘍マーカー(CEA、BFP、CA15−3、BCA225)よりも本発明の方法が高い陽性率を示しており、特にMEK−hnRNP法における陽性率が高かった。Stage−1のサンプルにおいても80%と高い陽性率をしめしており、この値は従来の腫瘍マーカーよりも高値であった。
以上の結果は、血清中のメチル化hnRNPを測定することにより高感度で腫瘍患者を識別できることを示すものである。
Figure 2008164517
本発明による免疫学的分析方法により、メチル化hnRNPを分析することができる。提供される免疫学的分析方法を用いて、癌患者及び健常人の血清中のhnRNP複合体中のメチル化タンパク質レベルを測定すると、明らかに癌患者血清中で高値を示し、本発明の分析方法が癌の検出に有用であることが示された。また、hnRNP複合体中のメチル化タンパク質レベルは、初期癌血清においても有意に高値を示したことから、癌の早期発見にも有用な方法である。
12人の大腸がん患者検体におけるβアクチンの発現を示すウエスタンブロットの写真である。 12人の大腸がん患者検体におけるMeK含有タンパク質の発現を示すウエスタンブロットの写真である。 12人の大腸がん患者検体におけるADMA含有タンパク質の発現を示すウエスタンブロットの写真である。 12人の大腸がん患者検体におけるPRMT1の発現を示すウエスタンブロットの写真である。 人正常肝細胞、肝癌細胞、大腸癌細胞、肺癌細胞、肺扁平上皮癌細胞、乳癌細胞、神経芽細胞腫細胞及び横紋筋肉腫細胞におけるPRMT1〜PRMT8のmRNAの発現を示すRT−PCRの写真である。 大腸癌細胞RKOの細胞Lysateを抗hnRNP抗体(hnRNP A0、hnRNP A1、hnRNP A2/B1、及びhnRNP C1/C2)を用いて免疫沈降し、同じ抗体でウエスタンブロットを行った写真である。 大腸癌細胞RKOの細胞Lysateを抗hnRNP抗体(hnRNP F/H、hnRNP G、hnRNP I、及びhnRNP K)を用いて免疫沈降し、同じ抗体でウエスタンブロットを行った写真である。 大腸癌細胞RKOの細胞Lysateを抗hnRNP抗体(hnRNP M、hnRNP Q、hnRNP PABP、及びhnRNP Sam68)を用いて免疫沈降し、同じ抗体でウエスタンブロットを行った写真である。 大腸癌細胞RKOの細胞Lysateを12種類の抗hnRNP抗体を用いて免疫沈降し、抗ADMA抗体(A)及び抗MeK抗体(B)でウエスタンブロットを行った写真である。 大腸癌細胞RKOの細胞Lysateを4種類の抗hnRNP抗体(hnRNP A1、hnRNP C1/C2、hnRNP F/H、及びhnRNP K)を用いて免疫沈降し、同じ4種の抗体でウエスタンブロットを行い、hnRNP複合体を確認した写真である。 抗hnRNP K抗体と抗ADMA抗体(A)、又は抗hnRNP K抗体と抗ADMA抗体(B)を用いたELISA法により、大腸癌、肺癌、乳癌の患者血清中のメチル化hnRNPを測定したプロット図である。

Claims (16)

  1. メチル化アミノ酸残基に結合する抗体を用いることを特徴とする、被検試料中のメチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインの免疫学的分析方法。
  2. 前記メチル化アミノ酸残基が、メチル化アルギニン又はメチルリジンである請求項1に記載の免疫学的分析方法。
  3. 前記メチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインが、ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテイン2つ以上を含む複合体を形成している、請求項1又は2に記載の免疫学的分析方法。
  4. ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体を、更に用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫学的分析方法。
  5. 前記ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体が、Cold−inducible RNA−binding protein、hnRNP C−like 1、hnRNP H、hnRNP H‘、hnRNP H3、hnRNP C1/C2、hnRNP D0、hnRNP F、hnRNP G、hnRNP K、hnRNP L、hnRNP M、hnRNP Q、hnRNP R、hnRNP U、hnRNP E1、hnRNP E2、hnRNP I、RNA−binding protein Raly、hnRNP A0、hnRNP A1、hnRNP A2/B1、hnRNP A3、hnRNP A/B、及びhnRNP JKTBPからなる群から選択されるヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する少なくとも1つの抗体である、請求項4に記載の免疫学的分析方法。
  6. 前記ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体が、hnRNP Kに結合する抗体である、請求項4に記載の免疫学的分析方法。
  7. 前記被検試料が、血液由来の試料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載免疫学的分析方法。
  8. メチルリジンを含むヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテイン。
  9. 前記ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインが、hnRNP A1、hnRNP C1/C2、hnRNP F、hnRNP H、又はhnRNP Kである、請求項8に記載のヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテイン。
  10. 被検試料中のメチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインを免疫学的に分析することを特徴とする、癌を検出する方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の免疫学的分析方法により、被検試料中のメチル化ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインを免疫学的に分析することを特徴とする、癌を検出する方法。
  12. 前記癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸部癌、甲状腺癌、前立腺癌、扁平上皮癌、皮膚癌、骨癌、リンパ腫、白血病、又は脳腫瘍である、請求項10又は11に記載の癌を検出する方法。
  13. ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、メチルリジンに結合する抗体を含む、癌の診断試薬。
  14. ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、アシンメトリックジメチルアルギニンに結合する抗体を含む、癌の診断試薬。
  15. ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、メチルリジンに結合する抗体を含む、癌の診断キット。
  16. ヘテロジニアス・ヌクレア・リボヌクレオプロテインに結合する抗体と、アシンメトリックジメチルアルギニンに結合する抗体を含む、癌の診断キット。
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