JP2008162812A - 水素製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水素発生効率を高めるために粒子径が小さく、また粒子径が小さい場合に生じやすい合着を防止できる水素製造方法を提供すること
【解決手段】 水、水蒸気もしくは水蒸気を含むガスと、酸化鉄粒子もしくは金属鉄粒子を接触させて水素を発生させる水素製造方法において、該酸化鉄粒子もしくは鉄粒子をイオン液体中に分散させて用いる水素製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鉄または酸化鉄を主成分とし、水または水蒸気を分解して水素を効率良く製造する水素製造方法および水素製造方法で用いる水素発生媒体に関する。
さらに詳しくは、燃料電池に利用される水素の発生・貯蔵サイクルに利用できる水素製造方法と、それに適した水素発生媒体に関する。
温室効果ガスなどの地球温暖化の問題や、天然石油資源の供給不安の問題等から近年、エネルギー源として水素が注目されている。
水素を安全に貯蔵・運搬する手段として高圧ボンベの代わりに、水素吸蔵合金を用いる提案が多くなされているが、水素吸蔵合金への水素吸蔵には高い水素圧が必要であり、空気及び水蒸気雰囲気下で使用できなく、非常に高価であるなどの問題点がある。
水素と空気を原料とした燃料電池の場合、メタノールやガソリンの水蒸気改質により水素を供給する方法が一般的で多くの発明が提案されているが、いずれの方法も一酸化炭素、炭酸ガスの発生が同時に起こり、特に一酸化炭素は燃料電池電極の被毒の問題より、10ppm以下に除去する為の装置が必要となりコストが多大にかかっている。
水から水素を製造する方法として、スチームアイアン法が知られている。この方法は、鉄のみの酸化還元反応を利用する方法である。
Fe→FeO(Fe34)→Fe
しかし、この酸化還元反応には例えば200℃以上の高い温度が必要であり、酸化還元反応を繰り返すと、金属鉄の微粒子が凝集していくいわゆるシンタリング現象が発生し、すぐに活性が低下するという欠点があった(非特許文献1)。
従って、シンタリング現象が起こらず、耐久性に優れ、高い活性を示す水素発生媒体(酸化還元材料)が要望されていた。
そのような課題に対し、鉄または酸化鉄に、他の金属が添加されたことで、単位重量あたりの水素発生速度、水素発生総量が向上したとする報告がある(特許文献1)。 しかし、同文献には、鉄以外の添加物として多くの物質が記載されており、添加率も広範囲に渡り記載されているが、粒子径や粒子形状については具体的には何ら記載されていない。
この酸化還元反応は、鉄粒子あるいは酸化鉄粒子の表面で進行するため、水素発生効率の観点で粒子の表面積が広いほど好ましい。また、水素製造装置の容量には実使用上限界があるため、単位体積当たりの表面積が広いほど好ましく、粒子径が小さいほど有利となる。しかしながら、最初に粒子径の小さな粒子を用いたとしても、酸化還元反応により、粒子がシンタリングを起こすと水素発生効率が著しく低下する。そのため、粒子のシンタリングを防止させることが非常に重要である。
また、酸化鉄と酸化鉄以外の他の金属酸化物との混合酸化物としたことで、電気エネルギーや光エネルギーを用いずに水素が生成したとする報告もある(特許文献2)。
しかし、同公報には、この混合酸化物を水素製造のために繰り返し使用することについては何ら記載されていない。
工業材料2003年4月号(Vol.51、No.4)「酸化鉄を用いた水素吸蔵材料の開発」の72ページ 国際公開第表2002−081368号パンフレット 特開平11−322301号公報
そこで、本発明は、水素発生効率を高めるために粒子径が小さく、また粒子径が小さい場合に生じやすい合着を防止できる水素製造方法を提供することを目的とする。すなわち、
酸化還元を繰り返しても金属鉄微粒子や酸化鉄微粒子が凝集しにくく、粒子径が大きくならないため活性が低下しない水素製造方法を提供するとともに、これにより効率的に水を分解して水素を製造する水素製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために鋭意検討の結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、水、水蒸気もしくは水蒸気を含むガスと、酸化鉄粒子もしくは金属鉄粒子を接触して水素を発生させる水素製造方法において、それらの金属粒子をイオン液体中に分散させて用いることを特徴とする。粒子をそのまま容器に詰めて使用するのではなく、粒子を液体に分散した状態で水素発生媒体として用いる水素製造方法は従来の方法と比べて全く新しい方法であり、上記の課題を解決することができる。
さらに、別の態様として、本発明は、水素発生媒体に水、水蒸気または水蒸気を含むガスを金属鉄微粒子や酸化鉄微粒子に接触させて水素を製造する方法において使用される、それらの金属粒子およびイオン液体からなる水素発生媒体である。
このように、本発明に係る水素製造方法は、酸化鉄もしくは鉄粒子がイオン液体(I)に分散しているので、酸化還元により繰り返し水素を発生する際、鉄粒子のシンタリング(焼結)を防止することができる。したがって、酸化還元の繰り返しに対して還元反応速度および水素発生反応速度が速く、活性が低下することが少ない水素製造方法を提供することができる。
また、本発明に係る水素製造方法は、前記の水素発生媒体を用いることで、固体高分子型燃料電池などの水素を必要とする系に、安定的に水素を供給することができる。なお、発生するガスは純粋な水素と水蒸気以外の不純物は含まないため、燃料電池の燃料極を被毒することはなく、CO除去装置も必要ない。水素を発生し終わった、すなわち水と反応し酸化された鉄は、再度水素などにより還元することができ、活性が低下することなく繰り返し水素発生媒体として用いることができる。
以下に、本発明に係る水素製造方法および水素発生媒体の実施の形態について説明する。
本発明の水素製造方法は、水や水蒸気、これを含むガスと、金属鉄粒子(A2)を接触させることによって、直接水素を発生させたり、酸化鉄粒子(A1)に一旦水素で還元し金属鉄にした後にこれを再び水や水蒸気、これを含むガスと接触させるサイクルを経ることにより水素を製造する方法において、これらの酸化鉄粒子(A1)をイオン液体(I)中に分散させて水素ガスで強制的に還元させる工程で、微粒子の合着が起きないため、次の金属鉄に水や水蒸気、これを含むガスを接触させて水素を発生させる工程での水素発生効率が高いことを特長とする水素製造方法である。
つまり、本発明の水素製造法は例えば下記一般反応式(1)と下記一般反応式(2)の繰り返しによって成り立つ。すなわち、鉄粒子にに高温の水蒸気を接触させることにより、水素を取り出す工程(このとき鉄粒子は酸化鉄粒子に酸化される)と、次に、酸化鉄を別に用意した水素で還元する工程(このとき酸化鉄粒子は鉄粒子に還元される)を繰り返すことによって水素を製造する。
Fe + H2O → Fe34 + H2 (1)
Fe34 + H2 → Fe +H2O (2)
このとき、主に一般反応式(2)における酸化鉄の還元反応の際に、金属鉄粒子が合着して水素発生の活性を低下させないように、本発明の水素製造方法は、酸化鉄粒子をイオン液体(I)中に分散させて還元反応時の金属鉄の合着を防げることが特長の水素製造方法である。
本発明の酸化鉄粒子(A1)と鉄粒子(A2)は、イオン液体(I)中に分散しているため、高温で酸化還元を繰り返す際に、粒子間に液体が介在し、鉄粒子のシンタリングを防止することができる。
酸化鉄粒子(A1)としては、Fe23(ヘマタイト)粒子やFe34(マグネタイト)粒子を用いることができる。
また、平均粒径は1〜200nmが好ましく、さらに好ましくは2〜100nmである。平均粒子径は、X線小角散乱法で測定して得られた値である。
酸化鉄粒子(A)の形状としては、特に制限はなく、真球状、紡錘状、板状、針状、等が挙げられる。この投影像は、例えば走査電子顕微鏡(SEM)によって撮影することができる。
酸化鉄粒子(A)の製造方法としては、特に制限はなく、具体的には共沈法等が挙げられる。
本発明のイオン液体(I)の熱分解温度は、150℃〜400℃である必要がある。熱分解温度が150℃未満の場合、酸化鉄粒子あるいは鉄粒子の分散性が低下するので好ましくない。イオン液体(I)の熱分解温度が150℃であることで、酸化還元を繰り返した際の鉄粒子のシンタリングを防止することができる。
熱分解温度は熱重量・示唆熱同時分析装置(TG/DTA)などを用いることで測定することができる。
本発明の水素製造方法に用いられるイオン液体(I)は、カチオン(a)とアニオン(b)からなる塩であって、通常の塩が高い融点を持つのに比べて低い融点を持っている。本発明において、イオン液体の融点としては、本発明の目的にかなう限り特に限定はなく、例えば、本発明において、
融点は25℃以下であってよく、融点はたとえば100℃であっても、使用する環境および製造装置に加熱装置および攪拌装置を装備することにより十分本発明の目的を達し得る。
本発明におけるイオン液体(I)としては、カチオン(a)およびアニオン(b)のうち少なくとも一つが有機イオンであるものが好ましい。
イオン液体(I)としては、特に制限はないが、(1)イミダゾリニウム塩、(2)イミダゾリウム塩、(3)ピリジニウム塩、(4)脂環式4級アンモニウム塩、(5)脂肪族4級アンモニウム塩等の、カチオンとアニオンからなる塩が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
カチオン(a)は具体的に以下のカチオンが挙げられる。
(1)イミダゾリニウムカチオン
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウムなど。
(2)イミダゾリウムカチオン
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−3−ブチルイミダゾリウムなど。
(3)ピリジニウムカチオン
N−ブチルピリジニウム、N−ブチル−4−メチルピリジニウム、N−tert−ブチル−4−メチルピリジニウム、N−ブチル−4−エチルピリジニウムなど。
(4)脂環式4級アンモニウムカチオン
N,N−ブチルメチルピロリジニウム、N,N−ブチルエチルピロリジニウム、N,N−エチルメチルピペリジニウム、N,N−ブチルメチルピペリジニウムなど。
(5)脂肪族4級アンモニウムカチオン
ブチルトリメチルアンモニウム、ジヘキシルジメチルアンモニウム、ジメチルエチルヘキシルアンモニウム、ブチルジメチルヘキシルアンモニウムなど。
イオン液体(I)を構成するアニオン(b)としては、カチオン(a)と組み合わせてイオン液体を形成するものであれば特に制限はなく、具体的には、以下に例示する(a−1)〜(a−5)の有機化合物に由来するアニオン、および以下に例示する(a−6)の無機酸に由来するアニオン等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
(a−1)カルボキシル基を1個有する有機化合物
脂肪族飽和モノカルボン酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ベラルゴン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸など);脂肪族不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、ステアリン酸など);オキシ脂肪族モノカルボン酸(グリコール酸、乳酸、酒石酸など);脂環式モノカルボン酸(シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸など);芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸等);オキシ芳香族モノカルボン酸(サリチル酸、マンデル酸など)、トリフルオロ酢酸など。
(a−2)スルホ基を1個有する有機化合物
脂肪族モノスルホン酸(メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸、ウンデカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸など);芳香族モノスルホン酸(ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、m−トルエンスルホン酸、4−ドデシルベンゼンスルホン酸、4−オクチルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸など)、トリフルオロメタンスルホン酸など。
(a−3)カルボキシル基を2個以上有する有機化合物
炭素数2〜30の脂肪族ポリカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、プロパン−1,2,3−トリカルボン酸、クエン酸、ドデカン2酸などの飽和ポリカルボン酸;マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和ポリカルボン酸);
炭素数8〜30の芳香族ポリカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等);
炭素数3〜30の脂環式ポリカルボン酸(シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、フラン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2−エン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−2,5−ジエン−2,3−ジカルボン酸等)。
(a−4)スルホ基を2個以上有する有機化合物
炭素数1〜30の脂肪族ポリスルホン酸(メチオン酸、1,1−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,1−プロパンジスルホン酸、1,3−プロパンジスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等);
炭素数6〜30の芳香族ポリスルホン酸;m−ベンゼンジスルホン酸、1,4−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレンジスルホン酸、1,6−ナフタレンジスルホン酸、2,6−ナフタレンジスルホン酸、2,7−ナフタレンジスルホン酸、スルホン化ポリスチレン等);ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等。
(a−5)カルボキシル基とスルホ基をそれぞれ1個ずつ以上有する有機化合物
炭素数2〜30のスルホカルボン酸(スルホ酢酸、スルホコハク酸など);
炭素数7〜30のスルホ芳香族モノもしくはポリカルボン酸(o−スルホ安息香酸、m−スルホ安息香酸、p−スルホ安息香酸、2,4−ジスルホ安息香酸、3−スルホフタル酸、3,5−ジスルホフタル酸、4−スルホイソフタル酸、2−スルホテレフタル酸、2−メチル−4−スルホ安息香酸、2−メチル−3,5−ジスルホ安息香酸、4−プロピル−3−スルホ安息香酸、4−イソプロピル−3−スルホ安息香酸、2,4,6−トリメチル−3−スルホ安息香酸、2−メチル−5−スルホテレフタル酸、5−メチル−4−スルホイソフタル酸、5−スルホサリチル酸、3−オキシ−4−スルホ安息香酸等)。
(a−6)無機酸
HBF4、HBF3(CF3)、HBF2(CF32、HBF(CF33、HF、HCl、HBr、HI、AlCl3、FeCl3、HAsO2、H3AsO3、H3AsO4、HAsF6、H3BO3、HBrO、H2CO3、HCN、HOCN、HClO、HClO2、HClO4、H2CrO4、HIO、HIO3、H2MoO4、HN3、HNO2、HNO3、H224、HNCS、H22、HPH22、H2PHO4、H3PO4、H4PO7、H5310、HPF6、H2S、H2SO4、H223、H2SeO3、H2SeO4、H2SiO2(OH)2、HSbF6、H2TeO3、H2TeO4、H3VO4、H2WO4等。
イオン液体(I)の具体例としては、上記アニオンとカチオンとを、少なくとも一方が有機イオンとなるように適宜組み合わせた塩で、熱分解温度が150℃以上の塩が挙げられる。操作性の観点から、融点が25℃以下である塩が好ましい。
本発明の酸化鉄粒子(A1)の含有量は、酸化鉄粒子(A1)イオン液体(I)の合計量に対し、5〜80重量%であり、水素発生効率の観点から好ましくは10〜60重量%である。鉄粒子(A2)の含有量は、鉄粒子(A2)とイオン液体(I)の合計量に対し、3〜60重量%であり、水素発生効率の観点から好ましくは7〜45重量%である。
本発明の水素製造方法には、必要に応じて分散剤(B)を含んでもよい。分散剤(B)を併用することで、酸化鉄粒子あるいは鉄粒子の分散性を向上させ水素発生効率を維持することができる。
本発明の別の態様は、水素発生媒体に水、水蒸気または水蒸気を含むガスを接触させて水素を製造する方法において使用される、酸化鉄粒子もしくは鉄粒子およびイオン液体からなる水素発生媒体である。
本発明の水素発生媒体は、酸化還元を繰り返しても鉄粒子のシンタリングがおきないため、水素発生装置に組み込む水素発生媒体として極めて有効に使用することができる。
水素発生媒体の製造法としては、酸化鉄粒子をイオン液体中に分散させるために、例えば、乳化機(ホモミキサー、ディスパーサー、高圧ホモジナイザー、スタティックミキサー、コロイドミル等)、膜乳化機(フィルミックス等)、超音波分散機(超音波ホモジナイザー等)を用いることが挙げられる。この際有機溶媒等を添加し、調製後用いた有機溶媒を留去してもよい。
有機溶媒としては、具体的には、エステル溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール等)等が挙げられる。溶剤の添加量(重量%)は、水素発生媒体に対し、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
水素発生媒体から水素を製造する具体的方法
本発明の水素発生媒体から水素を製造するためには、まず、水素発生媒体中の酸化鉄粒子を還元して金属鉄粒子に変換する。
還元には300℃で直接水素を吹き込んでも、水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で化学的に還元してもよい。例えば、酸化鉄粒子を分散したイオン液体に水素化ホウ素ナトリウム水溶液を加え、常温で撹拌した後、300℃に加熱した電気炉で水分を蒸発させる方法であっても良い。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り、部は重量部、%は重量%を意味する。
<還元時における酸化鉄あるいは鉄粒子の粒子径変化の評価方法>
還元時における金属鉄粒子の合着しやすさを、還元前後の粒子径の変化で評価をおこなった。
具体的には、酸化鉄粒子(もしくは酸化鉄粒子を分散した液体)に、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を加え25℃で1時間、撹拌子で撹拌した。次に300℃に加熱した電気炉に入れ3時間放置した。電気炉で処理後の金属鉄粒子の粒子径の変化を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。
<製造例1> 酸化鉄粒子の製造
FeCl3・6H2O270部(1.00mol)およびFeCl2・4H2O100部(0.5mol)を溶解させた水溶液5000部に、28%アンモニア水330部(5.44mol)を攪拌しながら添加した後、90℃で60分間熟成を行ない、酸化鉄微粒子を得た。RINT2500(理学電気株式会社製)を用いて、小角散乱法により測定した平均粒径は10nmであった。
<製造例2> 酸化鉄粒子のイオン液体分散物の製造
上記の酸化鉄微粒子(フェライト)20部を、1−エチル−3−メチル−イミダゾール・テトラフルオロホウ酸塩(アルドリッチ社製)80部に添加し、超音波分散機で超音波処理を1時間おこなって、酸化鉄粒子がイオン液体に分散した本発明の水素発生媒体を得た。このとき平均粒子径は10nmであった。
<実施例1>
製造例2で製造した水素発生媒体3gを20mLのガラススクリュー管に入れ、次に1%水素化ホウ素ナトリウム水溶液を10mL加え、25℃、1時間磁気撹拌子を用いて撹拌した。その後、磁気撹拌子を取り出し、300℃に加熱した電気炉に入れ3時間放置した。取り出した後、走査型電子顕微鏡(SEM)で粒子径の変化を確認した。なお、あらかじめ実施前に酸化鉄微粒子の粒子径をSEMで観察しておき、還元前後の粒子径の変化を評価した。
<比較例1>
製造例2で製造した水素発生媒体3gを、製造例1で得られた酸化鉄粒子0.6gに変更した以外は実施例1と同様に行った。
<比較例2>
酸化鉄粒子(粒子径10nm)のアルキルナフタリン分散体〔シグマハイケミカル(株)製、A−200〕をそのまま比較例として使用した。
<粒子の合着の程度>
前述の通り、還元前の粒子径と還元後の粒子径の比較をSEMで行なった。粒子の合着程度を以下の判定基準で評価し、点数をつけた。なお、この粒子径はSEM画像で得られる概ねの径である。
粒子の合着の程度の点数
還元後の平均粒子径/還元前の平均粒子径の倍率が、
1倍以上〜3倍未満 :1点
3倍以上〜5倍未満 :2点
5倍以上 :3点
評価結果を表1に示した。
Figure 2008162812
以上の評価結果から、本発明の水素製造方法は、還元時の粒子の合着が起こりにくいことがわかる。よって、水蒸気接触と水素還元の工程を繰り返しても、水素発生効率が低下しないことが期待できる。
本発明の水素製造方法は、鉄粒子の合着が起こりにくいため、極めて効率的に水素を発生することができる。また、酸化還元の繰り返しによっても水素発生効率が低下しにくいため、耐久性を必要とする燃料電池用の水素製造方法に使用できる。また、本発明の水素発生媒体を適当な装置に組み込むことにより、自動車用燃料電池用としても有用である。

Claims (7)

  1. 水、水蒸気もしくは水蒸気を含むガスと、酸化鉄粒子(A1)もしくは金属鉄粒子(A2)を接触させて水素を発生させる水素製造方法において、該酸化鉄粒子(A1)もしくは鉄粒子(A2)をイオン液体(I)中に分散させて用いる水素製造方法。
  2. 該イオン液体(I)の熱分解温度が、150℃以上である請求項1記載の水素製造方法。
  3. 該イオン液体(I)が、該イオン液体(I)が、カチオン(a)およびアニオン(b)のうち少なくとも一つが有機イオンである請求項1または2記載の水素製造方法。
  4. 該イオン液体(I)が、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、脂環式4級アンモニウム塩および脂肪族4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3いずれか記載の水素製造方法。
  5. 該酸化鉄粒子(A1)もしくは鉄粒子(A2)の体積平均粒径が1nm〜200nmである請求項1〜4いずれか記載の水素製造方法。
  6. さらにイオン液体(I)中に分散剤(B)を含有する請求項1〜5いずれか記載の水素製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の水素製造方法で用いる、該酸化鉄粒子(A1)もしくは鉄粒子(A2)を該イオン液体(I)に分散させてなることを特徴とする水素発生媒体。
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