JP2008161746A - 汚濁水槽中や遊泳用水槽中の水質管理方法およびその水質管理システム - Google Patents

汚濁水槽中や遊泳用水槽中の水質管理方法およびその水質管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】所定時間内で汚濁水槽中や遊泳用水槽中の濁り度を適切に低減できるよう汚濁水槽や遊泳用水槽の給排水量を制御して、効率的に水質管理する汚濁水槽中や遊泳用水槽中の水質管理方法およびその水質管理システムを提供する。
【解決手段】浮遊粒子によって濁りが生じる遊泳用水槽1中の遊泳用水を、吸引排水および越流水として排出し、これら排出された遊泳用水を、濾過器4で濾過した後、再度遊泳用水槽へ給水する遊泳用水循環システムによって、遊泳用水槽中の水質を管理するに際し、遊泳用水の濁りを低減すべく、遊泳用水循環システムを24時間内の所定時間稼働させるときの、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が遊泳用水槽から遊泳用水とともに排出されることによって遊泳用水の濁りが設定濁り度以下となる給水量と吸引排水量および越流水量を算出し、遊泳用水循環システムをこれら水量で制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、浮遊粒子によって濁りが生じる汚濁水槽中や遊泳用水槽内の水質を、効率的に管理する汚濁水槽中や遊泳用水槽中の水質管理方法およびその水質管理システムに関する。
汚濁水が貯留される汚濁水槽や遊泳用水槽では、その水質管理が重要である。例えば、プールなどの遊泳用水槽中の遊泳用水は、公衆衛生上の観点から、遊離残留塩素濃度や濁度等についての水質基準が法律により規定されている。このため、該水質基準を満たすように、遊泳用水の水質を管理する必要がある。一方、施設のランニングコストを低減するために、水質管理は効率的に行う必要がある。さらに、スポーツジムのプールなどの遊泳用水槽は、営業終了後から翌日の営業開始までの限られた時間内で一定の水質にまで遊泳用水を浄化する必要があり、短時間で経済的に浄化処理を完了できるシステムが求められている。
特許文献1のプール等の循環濾過装置においては、水槽の底部に開口した吸水口からの主採水と、水槽から溢れたオーバーフロー水との2系統に分けて水槽の水を取り出し、取り出した各水はヘアーキャッチャを通過させた後、オーバーフロー水についてはサンド濾過器機を通過させたのち主採水に合流させている。オーバーフロー水が合流した主採水は循環濾過機で浄化され、その大部分がプールに直接戻されるが、その一部はさらに超精密フィルターで浄化した後プールに戻される。この循環によりプールの水質を新規な水道水と同レベルまで浄化し、新規な水の補給を減らし補給費用や水温調整のための燃料費を節約するようにしている。
特公平04−34442号公報
特許文献1では、単に遊泳用水を循環させるだけであり、どの程度遊泳用水槽内の水が浄化できているかを管理してはおらず、従ってまた必要な循環水量を管理することも出来ず不経済な水質管理システムであった。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、所定時間内で汚濁水槽中や遊泳用水槽中の濁り度を適切に低減できるよう汚濁水槽や遊泳用水槽の給水量、排水量を制御して、効率的に水質管理する汚濁水槽中や遊泳用水槽中の水質管理方法およびその水質管理システムを提供することを目的とする。
本発明にかかる汚濁水槽中の水質管理方法は、浮遊粒子によって濁りが生じる汚濁水槽中の汚濁水を、該汚濁水槽の底部に設けた排水口から吸い出される吸引排水および該汚濁水槽から溢れる越流水として排出し、これら排出された汚濁水を、濾過器で濾過した後、該汚濁水槽の側部に設けた給水口から再度当該汚濁水槽へ給水する汚濁水循環システムによって、汚濁水が循環される該汚濁水槽中の水質を管理するに際し、上記汚濁水槽中の汚濁水の濁りを低減すべく、上記汚濁水循環システムを任意の所定期間稼働させるときの稼働開始から終了までの該汚濁水槽中の、浮遊粒子を含む汚濁水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が上記汚濁水槽から汚濁水とともに排出されることによって該汚濁水槽中の汚濁水の濁りが設定濁り度以下となる給水量と吸引排水量および越流水量を算出し、上記汚濁水循環システムをこれら水量で制御することを特徴とする。
また、本発明にかかる遊泳用水槽中の水質管理方法は、浮遊粒子によって濁りが生じる遊泳用水槽中の遊泳用水を、該遊泳用水槽の底部に設けた排水口から吸い出される吸引排水および該遊泳用水槽から溢れる越流水として排出し、これら排出された遊泳用水を、濾過器で濾過した後、該遊泳用水槽の側部に設けた給水口から再度当該遊泳用水槽へ給水する遊泳用水循環システムによって、遊泳用水が循環される該遊泳用水槽中の水質を管理するに際し、上記遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りを低減すべく、上記遊泳用水循環システムを24時間内の任意の所定時間稼働させるときの稼働開始から終了までの該遊泳用水槽中の、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が上記遊泳用水槽から遊泳用水とともに排出されることによって該遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りが設定濁り度以下となる給水量と吸引排水量および越流水量を算出し、上記遊泳用水循環システムをこれら水量で制御することを特徴とする。
前記遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りのデータとして、該遊泳用水槽中の浮遊粒子の粒子径、粒子密度および個数を用いるとともに、前記設定濁り度を、該遊泳用水槽中に残存する浮遊粒子の残存個数で設定し、前記シミュレーションが、前記給水量と前記吸引排水量および前記越流水量を適宜に設定して前記遊泳用水循環システムの稼働を終了したときの上記遊泳用水槽中に残存する浮遊粒子の残存個数を数値解析により算出するステップと、
上記設定濁り度以下であって浮遊粒子の残存個数が最小となる上記給水量と上記吸引排水量および上記越流水量の組み合わせを決定するステップとを含むことを特徴とする。
前記シミュレーションの濁りの初期条件が、前記遊泳用水槽全体で均等に設定されることを特徴とする。
前記シミュレーションの濁りの初期条件が、前記遊泳用水槽を深さ方向に区分した各深度で異ならせて設定されることを特徴とする。
前記吸引排水量および前記越流水量の和が、前記給水量と等しいことを特徴とする。
本発明にかかる遊泳用水槽中の水質管理システムは、遊泳用水槽の底部に設けられた排水口から吸引ポンプで遊泳用水を吸引排水として排水する第1排水系と、遊泳用水槽から溢れる遊泳用水を越流水として排水する第2排水系と、第1および第2排水系からの吸引排水および越流水を濾過する濾過器と、濾過器で濾過された遊泳用水を給水ポンプで圧送して、遊泳用水槽の側部に設けられた給水口から遊泳用水槽内へ再度給水する給水系とを有する遊泳用水循環システムと、上記遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りを低減すべく、上記遊泳用水循環システムを24時間内の任意の所定時間稼働させるときの稼働開始から終了までの該遊泳用水槽中の、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が上記遊泳用水槽から遊泳用水とともに排出されることによって該遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りが設定濁り度以下となる給水量と吸引排水量および越流水量を算出し、上記遊泳用水循環システムをこれら水量で制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明にかかる汚濁水槽中や遊泳用水槽中の水質管理方法およびその水質管理システムにあっては、所定時間内で汚濁水槽中や遊泳用水槽中の濁り度を適切に低減できるよう汚濁水槽や遊泳用水槽の給水量、排水量を制御して、効率的に水質管理することが可能となる。
以下に、本発明にかかる汚濁水槽中や遊泳用水槽中の水質管理方法およびその水質管理システムの好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる遊泳用水槽中の水質管理システムは基本的には、図1から図3に示すように、遊泳用水槽1と、遊泳用水槽1の底部に設けられた排水口2と、排水口2から吸引ポンプP1で遊泳用水を吸引排水として吸い出す第1排水系D1と、遊泳用水槽1の両側部の上縁1aから溢れる遊泳用水を越流水として排水する第2排水系D2と、第1排水系D1および第2排水系D2からの吸引排水および越流水を濾過する濾過器4と、濾過器4で濾過された遊泳用水を給水ポンプP2で圧送して、遊泳用水槽1の側部に設けられた給水口5から遊泳用水槽内へ再度給水する給水系Sからなる遊泳用水循環システムと、遊泳用水槽1中の、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が遊泳用水槽1から遊泳用水とともに排出されることによって遊泳用水槽1中の遊泳用水の濁りが、設定濁り度以下となる給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3を算出するための演算装置6と、演算装置6により算出された給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3により、遊泳用水循環システムの水量を制御する制御装置7とから構成される制御手段8とを備える。
本実施形態における、遊泳用水槽1は平面視長方形に形成されている。遊泳用水槽1の底面の中央部には、遊泳用水槽1の長手方向に沿って、遊泳用水槽1内の遊泳用水を吸引して排水する排水口2が複数設けられている。排水口2には、吸引した排水を濾過器4まで導く吸引排水管10が接続されている。吸引排水管10の各排水口2への接続部近傍には、制御装置7からの制御信号を受けて各排水口2からの吸引排水量Q2を制御するための排水流量調整弁11が、各排水口2に対応させて設けられている。吸引排水管10の排水流量調整弁11と濾過器4との間には、制御装置7からの制御信号を受けて、遊泳用水槽1内の水を吸引して、濾過器4へ圧送するための吸引ポンプP1が設けられている。本実施形態においては吸引排水管10と排水流量調整弁11および吸引ポンプP1とにより、第1排水系D1が形成されている。第1排水系D1では、遊泳用水槽1の遊泳用水が吸引排水として、吸引排水管10と吸引ポンプP1により、排水口2から排水流量調整弁11を通り濾過器4へと圧送される。
遊泳用水槽1の幅方向両側面の上縁1aには、上縁1aに沿って、遊泳用水槽1から溢れる越流水を受ける側溝12が設けられている。側溝12底部には、越流水口13が複数設けられている。越流水口13には、重力排水方式により、越流水を還水槽15まで導く越流水管14が接続されている。越流水管14が接続される還水槽15には、越流水が貯留されるとともに、水道水等による補給水を補充する補給水管15aと余剰水を排出するオーバーフロー管15bが設けられている。還水槽15には、還水槽15内の越流水を濾過器4へ圧送するための越流水圧送管16が接続されている。越流水圧送管16には、還水槽15内の越流水を濾過器4に圧送する越流水圧送ポンプP3が設けられている。本実施形態では、遊泳用水槽1の上縁1a、側溝12、越流水口13、越流水管14、還水槽15、越流水圧送管16および越流水圧送ポンプP3により第2排水系D2が形成され、遊泳用水槽1からの越流水は、越流水管14により、側溝12の越流水口13から還水槽15へ導かれ、還水槽15から越流水圧送管16と越流水圧送ポンプP3により濾過器4へ圧送されている。
濾過器4は、圧送されてきた吸引排水および越流水を遊泳用水槽1の給水として再利用するために浮遊粒子等の除去を行う。本実施形態における濾過器4は、排水中の浮遊粒子の除去機能の他、滅菌等の水処理機能も有している。濾過器4には、濾過器4で処理された排水を、給水として遊泳用水槽1に導く給水管20が接続されている。給水管20には、制御装置7からの制御信号により給水を濾過器4から遊泳用水槽1へ圧送する、給水ポンプP2が設けられている。給水管20は遊泳用水槽1の側部の下方に設けられた複数の給水口5へ接続されている。各給水口5の近傍の給水管20には、制御装置7からの制御信号により、各給水口5からの給水量を制御するための給水流量調整弁21が、各給水口5毎に設けられている。本実施形態の給水系Sは、給水管20、給水ポンプP2、給水流量調整弁21および給水口5により形成されている。給水系Sでは、濾過器4で濾過された給水が、給水管20と給水ポンプP2により、濾過器4から遊泳用水槽1へ圧送される。
本実施形態における吸引ポンプP1、給水ポンプP2、越流水圧送ポンプP3、排水流量調整弁11および給水流量調整弁21には、制御装置7からの制御信号線22が接続されている。制御装置7は、演算装置6からの給水量Q1や吸引排水量Q2データに基づき、上記各機器の作動状態を制御する機能を有しており、制御信号線22により上記各機器へ制御信号を伝送している。制御信号線22により伝送された制御装置7からの制御信号により、給水ポンプP2の回転数および給水流量調整弁21の開度が制御されて、遊泳用水槽1へ供給される水量が給水量Q1に制御される。同様に制御信号線22により伝送された制御装置7から制御信号により、吸引ポンプP1の回転数および排水流量調整弁11の開度が制御されて、遊泳用水槽1から吸い出される排水量が吸引排水流量Q2に制御される。本実施形態における遊泳用水槽1の吸引排水量Q2および越流水量Q3の和は、給水量Q1と等しくなるように、制御装置7により各上記各機器が制御されることが好ましい。吸引排水量Q2と越流水量Q3との和が、給水量Q1と等しくなる場合には、制御信号線22により伝送された制御装置7からの制御信号により、越流水圧送ポンプP3の回転数が制御され、越流水圧送ポンプP3の圧送水量は、給水量Q1と吸引排水量Q2との差、すなわち越流水量Q3(Q1−Q2=Q3)と等しくなるよう制御される。
制御装置7はデータ送信線23により演算装置6に接続されている。本実施形態における演算装置6はパソコンで構成されている。パソコンは入力装置のキーボードやマウス、表示装置のディスプレイ、演算・記録装置を格納する本体により構成されている。本体には出力用端子が設けられており、出力用端子にはデータ送信線23が接続されている。演算装置6では、本体にインストールされた数値解析によるシミュレーション用プログラムにより、本水質管理システム稼働時間T内における遊泳用水槽1の浮遊粒子の動きをシミュレーションして、遊泳用水槽1から排出される浮遊粒子を予測し、遊泳用水槽1の濁り度を設定された濁り度以下とするための給水量Q1、吸引排水量Q2および越流水量Q3を算出する。算出された給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3のデータは、データ送信線23により制御装置7へ送信される。本実施形態における制御手段8は、演算装置6が算出データを制御装置7に送信し、制御装置7が各機器へ制御信号を送信することで、遊泳用水循環システムの流量を制御する機能を有している。
以上説明した本実施形態にかかる遊泳用水槽中の水質管理システムを利用した水質管理方法について説明する。本実施形態の遊泳用水槽1中の水質管理方法は、大きく前段と後段に分かれる。前段では、遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションして、濁り度を設定値以下にするために最適な、給水量Q1と吸引排水量Q2、越流水量Q3を求める。後段では、求められた給水量Q1と吸引排水量Q2、越流水量Q3に基づいて各装置を制御する。
前段は、図4から図6に示すように、シミュレーション条件入力段階、シミュレーションによる排出浮遊粒子数および流量算出段階、最適流量決定段階および最適流量出力段階の4段階で構成される。
本実施形態の、シミュレーション条件入力段階においては、まずステップS01において遊泳用水槽1の条件の入力と算出を行う。遊泳用水槽の形状データを長さL(m)、幅W(m)、水深D(m)で入力し、遊泳用水槽1の遊泳用水容量G(m3)を算出する。水深Dは遊泳用水槽1の底面から幅方向側面上縁1aまでの寸法を入力する。
次いで、ステップS02において、本水質管理システムの稼働時間Tを入力する。稼働時間Tは、数値解析によりシミュレーションを行う解析時間のデータとなる。本実施形態における稼働時間Tは、遊泳用水槽1の使用状況を検討の上、24時間内の任意の時間を設定する。本実施形態では、遊泳用水槽1を使用していない夜間から翌朝の時間で稼働時間Tを設定する(図4参照)。
ステップS03において遊泳用水槽内の浮遊粒子の条件を入力する。遊泳用水槽1中の水のサンプリングによるデータや、既存データが存在する場合はそれらを利用して、遊泳用水槽1中に浮遊する粒子の実体に近い値を、浮遊粒子のデータとして入力する。本実施形態おいて、浮遊粒子は、その密度により重粒子、軽粒子の2種類に分けて入力する。重粒子と軽粒子の区分は、水中で浮上しやすい粒子を軽粒子、水中で沈降しやすい粒子を重粒子とする。本実施形態における、浮遊粒子の入力データは、その重軽粒子径d(m)、重粒子密度ρh(kg/m3)、軽粒子密度ρl(kg/m3)である。なお、浮遊粒子の分け方は、密度を指標とした重粒子、軽粒子に限定されるものではない。例えば、密度を基準として重粒子、中粒子、軽粒子のように細分化しても良いし、粒子径などの他の観点から分けても良い。さらに、それらを組み合わせて分けても良い。
次のステップS04において、遊泳用水槽1内の濁り度の初期条件として、遊泳用水中における浮遊粒子の分布状況を入力する。遊泳用水槽1内の浮遊粒子の分布状況は、遊泳用水槽1内の水のサンプリング等により実情に近い分布状況を設定することが望ましい。
本実施形態では、図3に示すように、遊泳用水槽1をその深さ方向のほぼ中央で2領域に区分し、上部、下部に分けて浮遊粒子の分布状況を入力する。本実施形態においては、遊泳用水槽1上部における上部浮遊重粒子数をKhh(個)と上部浮遊軽粒子数Klh、および遊泳用水槽1下部における下部浮遊重粒子数Khl(個)と下部浮遊軽粒子数Kll(個)を入力し、遊泳用水槽1全体における総浮遊粒子数Kt(個)は、これらの入力粒子数の合計値として算出する。上記で入力した重軽粒子径d、重粒子密度ρh、軽粒子密度ρl、および、上部浮遊重粒子数Khh、上部浮遊軽粒子Klh、下部浮遊重粒子数Khl、下部浮遊軽粒子数Kll、総浮遊粒子数Ktを遊泳用水槽1の濁り度のデータとして用いる。なお、遊泳用水槽1全体を1領域として、総重粒子数(Khh+Khl)と総軽粒子数(Klh+Kll)を遊泳用水槽1の深さ方向で比例配分しても良い。すなわち、重粒子数を遊泳用水槽1の深さ方向の位置に比例させて分布数を多くし、遊泳用水槽1の底部に近いほど多くし、軽粒子数の数は逆に遊泳用水槽1内の水面に近いほど多くする。また、遊泳用水槽1を水平方向で複数領域に区分してしても良い。
次いで、ステップS05において本水質管理システムのT時間稼働後に遊泳用水槽1中に残存する浮遊粒子の許容残存個数を設定残存浮遊粒子数Kss(個)として入力する。設定残存浮遊粒子数Kssは、遊泳用水槽1の水質管理目標とする設定濁り度のデータとして用いる。本実施形態における「濁り度」は水質基準における「濁度」と同義である。「設定濁り度」と「設定残存浮遊粒子数Kss」との対応関係は、予め「濁り度」の異なる遊泳用水槽1内の水を、深さ方向、水平方向の異なる複数箇所でサンプリングし、「濁り度」と「残存浮遊粒子数」の相関関係を求め、その相関関係から設定する。また、設定残存浮遊粒子数Kssは重粒子、軽粒子毎に定めても良い。さらに、濁り度の主要因である重粒子のみ残存個数を、設定残存浮遊粒子数Kssとしてもよい。
ステップS06において給排水口2、5の条件を入力する。給水口5の断面積si(m2)と個数wi(個)、排水口2の断面積se(m2)と個数we(個)を入力する。また、遊泳用水槽1における給排水口2、5の設置位置データも必要に応じて入力する。
なお、ステップS06における入力データを変更しながらシミュレーションした場合には、遊泳用水槽1内の浮遊粒子を効率的に排出する水流を発生させることが可能な、給水口5や排水口2の配置等を検討することが出来る。
ステップS07において遊泳用水槽1水の初期値循環回数Rを入力する。本実施形態における循環回数Rは1日(24時間)で遊泳用水槽1の水が何回入れ替わるかを数値で入力する。遊泳用水槽1内の水の循環回数R(回/日)は、遊泳用水槽1への給水量Q1(m3/sec)を決定するためのデータとなる。
次に、数値解析によるシミュレーションを利用した排出浮遊粒子数および流量算出段階へ移行する。ステップS08において、遊泳用水槽1への給水量Q1(m3/sec)を算出する。本実施形態における給水量Q1は、遊泳用水槽1への一日あたりの総給水量Qd(m3/日)から、Q1=Qd/(24*60*60)により算出する。総給水量Qdは遊泳用水容量G(m3)と循環回数R(回/日)との積により算出される。給水量Q1の計算において1日あたりの循環回数R(回/日)を用いることにより、24時間一定量で給水する場合の給水量Q1が算出される。従って、初期値の循環回数Rから初期値の給水量Q1が算出される。給水量Q1を24時間一定量とすることで、遊泳用水槽1の循環装置を定常に運転でき装置寿命が長くなる等の利点がある。
なお、給水量Q1を、循環回数Rからの計算により求めるのではなく、本水質管理システムの稼働時間T内における給水量Q1として直接入力しても良い。この場合、本水質管理システム稼働時間内の給水量Q1を、本水質管理システムが稼働していない時間帯の遊泳用水槽1への給水量とは異なる水量で入力することが出来、例えば本水質管理システムの稼働時間Tが短時間に限定される場合の水質管理に対応できる。
ステップS09においては遊泳用水槽1からの総排水量に占める吸引排水量の割合を吸引排水量割合Br(%)とし、その値をn(%)とする。nの初期値は自動的に「0」に設定される。nは0%から100%まで、1%刻みで増加され、各nの値につて順次シミュレーションされる。
ステップS10において、本水質管理システム稼働中の各排水量Q2,Q3の初期値を算出し、給水口5、排水口2における流速を算出する。本実施形態において、給水量Q1は吸引排水量Q2と越流水越流水量Q3の和(Q1=Q2+Q3)である。従って、吸引排水量Q2(m3/sec)はQ2=Q1*0.01nにより算出され、越流水越流水量Q3(m3/sec)はQ3=Q1−Q2により算出される。算出された給水量Q1と、給水口5の断面積siおよび個数wiから給水口5における給水口流速Vi(m/sec)が算出される(Vi=Q1/(si*wi))。また、吸引排水量Q2と、排水口2の断面積seおよび個数weから、排水口2における吸引排水口流速Ve(m/sec)が算出される(Ve=Q2/(se*we))。これらの数値は、数値解析による浮遊粒子の遊泳用水槽1内における動きのシミュレーションに利用される。
次にステップS11に移行し、数値解析によるシミュレーションを実行する。シミュレーションは、演算装置6にインストールされた数値解析によるシミュレーション用プログラムを利用して、遊泳用水槽1内の浮遊粒子の動きをシミュレートする。本実施形態においては、数値解析によるシミュレーション用プログラムとして、市販されている汎用の流体解析用の数値解析プログラム、例えば「STREAM」(商品名)等のソフトウエアを使用する。数値解析プログラムを用いたシミュレーションを実施するために、遊泳用水槽1全体を解析領域としてXYZ方向に分割し、解析領域を複数のセルに分割する。浮遊粒子は遊泳用水槽1上部の重粒子数Khh、および軽粒子数Klhを、遊泳用水槽1上部の各セルに均等に配分する。同様に遊泳用水槽1下部の重粒子数Khl、および軽粒子数Kllを遊泳用水槽1下部の各セルに均等に配分する。配分された各粒子の位置を解析領域の座標値で特定する。また、給水口5、排水口2の位置を面として解析領域の座標値で特定する。また、越流水については、遊泳用水槽1水が溢れ出る遊泳用水槽1の幅方向側面の上縁1aを座標値として特定する。
本実施形態における浮遊粒子のシミュレーションは、汎用の数値解析プログラムにより行われるが、その解析は一般的に、質量保存則、ナビエ・ストークス方程式を利用した有限要素法等を用いて遊泳用水槽1内の水の動きを数値解析し、それに併せて、その水中での浮遊粒子の位置を、水中の粒子追跡の基本式Mpa=Fp+Fg、により求める。前記式中、Mpa:粒子の質量、Fp:粒子が流体から受ける抗力、Fg:粒子が受ける重力、Fp=Cd*(1/2)*V2、Cd:抵抗係数、V:流速である。浮遊粒子の遊泳用水槽1内における位置は、解析領域内の座標値として与えられる。上記解析を稼働時間内0からT(h)間の各経過時間(sec)ごとに行い、流体中の浮遊粒子の動きを追跡する。該経過時間は解析時間と解析精度を考慮して予め設定しておく。遊泳用水槽1から排出された浮遊粒子の数は、ある経過時間における浮遊粒子の位置と、次の経過時間後における浮遊粒子の位置を結ぶ線が、排水口2の面と交差し、または、遊泳用水槽1の幅方向側面の上縁1aの線と交差した場合に、その粒子は排出されたと判定し、排出されたと判定された粒子の数を積算する。
この積算により、算出時の吸引排水量割合Br=nの場合の、吸引排水により排出された浮遊粒子数の積算値をKoute(n)(個)、越流水により排出された浮遊粒子数の積算値をKouto(n)(個)として、残存浮遊粒子数Kr(n)(個)をKr=Ktー(Koute+Kouto)で算出する。
本実施形態ではステップS10とステップS11により、吸引排水量Q2および越流水量Q3を適宜に設定して遊泳用水循環システムの稼働を終了したときの遊泳用水槽1中に残存する浮遊粒子の残存個数が、浮遊粒子数Krとして数値解析により算出されている。
ステップS12において、吸引排水両割合n、吸引排水により排出された浮遊粒子数の積算値Koute(n)、越流水により排出された浮遊粒子数の積算値Kouto(n)残存浮遊粒子数Kr(n)の値および給水量Q1、吸引排水量Q2、越流水量Q3の値を保存する。
続くステップS13で、吸引排水量割合Brの値nを比較しn≧100%でない場合、ステップS14でnの値を1%増加させた後、ステップS10からステップS12までを繰り返す。n≧100の場合、ステップS15へ移行し、シミュレーションによる排出浮遊粒子数および流量算出段階を終了する。なお、nの値の増加量は1%に限定されず、解析時間と解析精度を考慮して値を定めてもよい。
ステップS15において、保存した残存浮遊粒子数Kr(n)の中から最小値であるKr(min)を抽出する。次にステップS16において、抽出された残存浮遊粒子数Kr(min)と設定残存浮遊粒子数Kss(個)との比較を行う。比較においてKr(min)≦Kssであれば、設定濁り度を達成したものとしてステップS18へ進む。Kr(min)≦Kssとならない場合は設定濁り度は未達成としてステップS17へ進む。
ステップS17で循環回数Rを0.1増加させた後、ステップS08からステップS16を繰り返す。これら手順により、給水量Q1を適宜に設定しながら濁り度を低減させるための適切な給水量Q1を算出するシミュレーションが実施される。なお、循環回数Rの増加量は0.1(回/日)に限定されるものではなく、演算装置6による解析時間等を考慮して定めればよい。例えば、循環回数Rの初期値に対する一定割合を、上記増加量として用いてもよい。
本実施形態では、入力した循環回数Rでは設定残存浮遊粒子数Kssを満足できない場合に限り、循環回数Rを0.1(回/日)増加させて再計算させる手順としている。すなわち、遊泳用水の浄化費用を増加させる給水量Q1の増加を抑え、浄化費用をあまり増加させない吸引排水量Q2を優先的に調整することで、濁り度を管理している。このため、経済的なシステム運転を実現しながら、設定濁り度(設定残存浮遊粒子数Kss以下)が達成可能な給水量Q1、吸引排水量Q2を求めることが出来る。
最適流量決定段階では、ステップS18において、最少残存浮遊粒子数Kr(min)と、その際の、給水量Q1(min)と吸引排水量Q2(min)と越流水量Q3(min)を最適流量としての、給水量Q1と吸引排水量Q2と越流水量Q3として決定する。
本実施形態では、ステップS15、ステップS16、ステップS17およびステップS18により、設定濁り度以下であって浮遊粒子の残存個数Krが最小となる給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3の組み合わせが決定されている。
最適流量出力段階のステップS19において、最適な流量としての給水量Q1、引排水量Q2、越流水量Q3のデータを制御装置7へ出力する。
本実施形態における遊泳用水槽中の水質管理方法の後段では、演算装置6からの最適流量としての給水量Q1、引排水量Q2、越流水量Q3の各データにより、各ポンプP1、P2、P3の回転数と、流量調整弁11、21の開度を制御装置7で制御する。各ポンプP1、P2、P3の制御方法は、例えばインバーターを利用した回転数制御等である。また、遊泳用水槽1中の遊泳用水中の浮遊粒子を排出しやすい水流が発生するように、使用する給水口5と排水口2の配置や、流速を、各流量調整弁11、21の開度で調整することも可能である。
以上説明した本実施形態にかかる遊泳用水槽中の水質管理方法および水質管理システムにあっては 遊泳用水槽1と、遊泳用水槽1の底部に設けられた排水口2と、排水口2から吸引ポンプP1で遊泳用水を吸引排水として排水する第1排水系D1と、遊泳用水槽1の両側部の上縁1aから溢れる遊泳用水を越流水として排水する第2排水系D2と、第1排水系D1および第2排水系D2からの吸引排水および越流水を濾過する濾過器4と、濾過器4で濾過された遊泳用水を給水ポンプP2で圧送して、遊泳用水槽1の両側部に設けられた給水口5から遊泳用水槽1内へ再度給水する給水系Sからなる遊泳用水循環システムと遊泳用水槽1中の、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が遊泳用水槽1から遊泳用水とともに排出されることによって、遊泳用水槽1中の遊泳用水の設定濁り度としての設定残存浮遊粒子数Kss以下となる給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3を算出するための制御手段8とを備えているため、遊泳用水槽1内の濁りを除去するために適切な給水量Q1、吸引排水量Q2により遊泳用水槽1の水を循環させることが出来、遊泳用水槽1の水の濁りを経済的に適切に、設定した濁り度以下にすることが出来る。また、遊泳用水槽1の底部に複数の排水口2を設け、側部に複数の給水口5を設けているため、遊泳用水槽1全体に適切な水流を発生させることが出来、給水量Q1、吸引排水量Q2による、濁り度の低減が容易に実現できる。
遊泳用水槽1中の遊泳用水の濁りを低減するために、遊泳用水循環システムを24時間内の任意のT時間稼働させるときの稼働開始から終了までの遊泳用水槽1中の、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が遊泳用水槽1から遊泳用水とともに排出されることによって遊泳用水槽1中の遊泳用水の濁りが設定濁り度以下となる給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3を算出し、遊泳用水循環システムをこれら水量で制御しているため、遊泳用水槽1の使用状況を加味した時間内で、適切に遊泳用水槽1の水の濁り度を低減できる。また、濁り度を低減させるための適切な給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3による遊泳用水槽1の循環水量が設定できるため、濁り度管理のために無駄に水の循環回数Rすなわち給水量Q1を増やさなくても済み、経済的な水質管理が出来る。さらに、数値解析によるシミュレーションにより、濁り度を小さくするための適切な給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3が容易に算出でき遊泳用水槽1の水質管理が省力化される。
遊泳用水槽1中の遊泳用水の濁りのデータとして、遊泳用水槽1中の重粒子、軽粒子の重軽粒子径m、各粒子密度ρh、ρlおよび各個数Khh、Khl、Klh、Kllを用いるとともに、管理目標とする設定濁り度を、遊泳用水槽1中に残存する浮遊粒子の設定残存粒子数Kssで設定し、濁り度を低減させるための適切な給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3を算出するシミュレーションにおいて、給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3を適宜に設定して遊泳用水循環システムの稼働を終了したときの遊泳用水槽1中に残存する浮遊粒子の残存個数Krを数値解析により算出するステップS08からステップS17と、設定濁り度(設定残存粒子数Kss)以下であって浮遊粒子の残存個数Krが最小となる給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3の組み合わせを決定するステップS15、ステップS16、ステップS17およびステップS18とを含んでいるため、濁り度を遊泳用水槽1内の残存浮遊粒子数Krおよび設定残存浮遊粒子数Kssで判断でき、パソコンで操作可能な一般的な汎用流体解析プログラムを利用したシミュレーションが可能となり、濁り度を低減させるために適切な給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3を経済的、かつ容易に設定出来るようになる。このため、広汎な遊泳用水槽への応用が可能となる。
本実施形態においては、遊泳用水槽1を深さ方向に2区分しているため、濁り度としての浮遊粒子数を重粒子数Khh、Khlと軽粒子数Klh、Kllの分布状況を現実に近い状態で設定でき、シミュレーションの精度を高めることが出来る。このため、より効果的な給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3が定まり、効率的な水質管理が出来る。
本実施形態のシミュレーションにおける吸引排水量Q2および越流水量Q3の和が、給水量Q1と等しくなるようにしたため、給水量Q1と、吸引排水量Q2および越流水量Q3との関係が簡潔になり、算出および制御が容易になるとともに、処理後の水槽水の水質を一定に維持出来る。
本実施形態においては、遊泳用水槽1を深さ方向に2区分し、各領域毎に濁りの初期条件としての浮遊粒子数を均等に設定したが、遊泳用水槽1全体で均等に浮遊粒子数を設定しても良い。この場合、シミュレーションのための入力が簡略化できる。
上記実施形態にあっては、遊泳用水槽1中の水質管理方法および水質管理システムを例にとって説明したが、汚濁水槽1に対しても同様なステップおよび構成によって、汚濁水槽1中の水質管理方法および水質管理システムを構成することができ、具体的には、上記構成における遊泳用水槽1に代えて、汚濁水槽1を対象とし、浮遊粒子によって濁りが生じる汚濁水槽1中の汚濁水を、汚濁水槽1の底部に設けた排水口2から吸い出される吸引排水および汚濁水槽1から溢れる越流水として排出し、これら排出された汚濁水を、濾過器4で濾過した後、汚濁水槽1の側部に設けた給水口5から再度当該汚濁水槽1へ給水する汚濁水循環システムによって、汚濁水が循環される汚濁水槽1中の水質を管理するに際し、汚濁水槽1中の汚濁水の濁りを低減すべく、汚濁水循環システムを任意の所定期間、例えば数日もしくな数週間など、稼働させるときの稼働開始から終了までの汚濁水槽1中の、浮遊粒子を含む汚濁水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が汚濁水槽1から汚濁水とともに排出されることによって汚濁水槽1中の汚濁水の濁りが設定濁り度以下となる給水量Q1と吸引排水量Q2および越流水量Q3を算出し、汚濁水循環システムをこれら水量で制御する。このような汚濁水槽1中の水質管理方法にあっても、上記実施形態と同様な作用・効果を奏することはもちろんである。
本発明に係る遊泳用水槽中の水質管理システムの好適な一実施形態の概要を示す図である。 図1における遊泳用水槽の平面図である。 図1に示す遊泳用水槽の深さ方向の区分を示す断面図である。 図1に示す遊泳用水槽中の水質管理システムの稼働時間帯を示す図である。 本発明に係る遊泳用水槽中の水質管理方法の好適な一実施例における給水量、吸引排水量、越流水量を定めるための手順の前半部分を示すフローチャート図である。 図5に示した手順に続く後半の手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 遊泳用水槽
2 排水口
4 濾過器
5 給水口
8 制御手段
D1 第1排水系
D2 第2排水系
S 給水系
T 稼働時間
P1 吸引ポンプ
P2 給水ポンプ
Q1 給水量
Q2 吸引排水量
Q3 越流水量

Claims (7)

  1. 浮遊粒子によって濁りが生じる汚濁水槽中の汚濁水を、該汚濁水槽の底部に設けた排水口から吸い出される吸引排水および該汚濁水槽から溢れる越流水として排出し、これら排出された汚濁水を、濾過器で濾過した後、該汚濁水槽の側部に設けた給水口から再度当該汚濁水槽へ給水する汚濁水循環システムによって、汚濁水が循環される該汚濁水槽中の水質を管理するに際し、
    上記汚濁水槽中の汚濁水の濁りを低減すべく、上記汚濁水循環システムを任意の所定期間稼働させるときの稼働開始から終了までの該汚濁水槽中の、浮遊粒子を含む汚濁水の動きを数値解析によりシミュレーションし、
    浮遊粒子が上記汚濁水槽から汚濁水とともに排出されることによって該汚濁水槽中の汚濁水の濁りが設定濁り度以下となる給水量と吸引排水量および越流水量を算出し、
    上記汚濁水循環システムをこれら水量で制御することを特徴とする汚濁水槽中の水質管理方法。
  2. 浮遊粒子によって濁りが生じる遊泳用水槽中の遊泳用水を、該遊泳用水槽の底部に設けた排水口から吸い出される吸引排水および該遊泳用水槽から溢れる越流水として排出し、これら排出された遊泳用水を、濾過器で濾過した後、該遊泳用水槽の側部に設けた給水口から再度当該遊泳用水槽へ給水する遊泳用水循環システムによって、遊泳用水が循環される該遊泳用水槽中の水質を管理するに際し、
    上記遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りを低減すべく、上記遊泳用水循環システムを24時間内の任意の所定時間稼働させるときの稼働開始から終了までの該遊泳用水槽中の、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、
    浮遊粒子が上記遊泳用水槽から遊泳用水とともに排出されることによって該遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りが設定濁り度以下となる給水量と吸引排水量および越流水量を算出し、
    上記遊泳用水循環システムをこれら水量で制御することを特徴とする遊泳用水槽中の水質管理方法。
  3. 前記遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りのデータとして、該遊泳用水槽中の浮遊粒子の粒子径、粒子密度および個数を用いるとともに、前記設定濁り度を、該遊泳用水槽中に残存する浮遊粒子の残存個数で設定し、
    前記シミュレーションが、
    前記給水量と前記吸引排水量および前記越流水量を適宜に設定して前記遊泳用水循環システムの稼働を終了したときの上記遊泳用水槽中に残存する浮遊粒子の残存個数を数値解析により算出するステップと、
    上記設定濁り度以下であって浮遊粒子の残存個数が最小となる上記給水量と上記吸引排水量および上記越流水量の組み合わせを決定するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の遊泳用水槽中の水質管理方法。
  4. 前記シミュレーションの濁りの初期条件が、前記遊泳用水槽全体で均等に設定されることを特徴とする請求項2または3に記載の遊泳用水槽中の水質管理方法。
  5. 前記シミュレーションの濁りの初期条件が、前記遊泳用水槽を深さ方向に区分した各深度で異ならせて設定されることを特徴とする請求項2または3に記載の遊泳用水槽中の水質管理方法。
  6. 前記吸引排水量および前記越流水量の和が、前記給水量と等しいことを特徴とする請求項2〜5いずれかの項に記載の遊泳用水槽中の水質管理方法。
  7. 遊泳用水槽の底部に設けられた排水口から吸引ポンプで遊泳用水を吸引排水として排水する第1排水系と、遊泳用水槽から溢れる遊泳用水を越流水として排水する第2排水系と、第1および第2排水系からの吸引排水および越流水を濾過する濾過器と、濾過器で濾過された遊泳用水を給水ポンプで圧送して、遊泳用水槽の側部に設けられた給水口から遊泳用水槽内へ再度給水する給水系とを有する遊泳用水循環システムと、
    上記遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りを低減すべく、上記遊泳用水循環システムを24時間内の任意の所定時間稼働させるときの稼働開始から終了までの該遊泳用水槽中の、浮遊粒子を含む遊泳用水の動きを数値解析によりシミュレーションし、浮遊粒子が上記遊泳用水槽から遊泳用水とともに排出されることによって該遊泳用水槽中の遊泳用水の濁りが設定濁り度以下となる給水量と吸引排水量および越流水量を算出し、上記遊泳用水循環システムをこれら水量で制御する制御手段とを備えたことを特徴とする遊泳用水槽中の水質管理システム。
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