以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の第一の実施形態としてのパチンコ機10を示す。パチンコ機10において機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠14が開閉および着脱自在に組み付けられている。中枠14の前面側には、中枠14に対して着脱自在に組み付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板が保持されたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22が、それぞれ、開閉可能な状態で組み付けられている。また、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が設けられている。そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動操作可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
遊技盤16は、表面に合成樹脂製のシートが被着された遊技板を備えており、かかる遊技板の表面側に固定されたガイドレール32で囲まれた略円形の遊技領域30の略中央には、図柄表示装置としての液晶表示器34が取り付けられている。液晶表示器34は横長な方形状の表示画面を有しており、かかる表示画面に変動図柄としての左特別図柄36a,中特別図柄36bおよび右特別図柄36cを、それぞれ変動および停止表示するようにされている。なお、図柄表示装置としては必ずしも液晶表示器に限定されるものではなく、CRT等を用いても良い。
これら三つの特別図柄36a,36b,36cは、本実施形態においては、何れも、「0」〜「9」までの数字図柄によって構成されており、液晶表示器34の上側から下側に「0」→「9」「0」・・・のループ状にスクロール表示されるようになっている。また、本実施形態では、これら三つの特別図柄36a,36b,36cは、一斉に変動表示が開始されるようになっている一方、左特別図柄36a,右特別図柄36c,中特別図柄36bの順番で停止表示されるようになっている。なお、本実施形態における変動表示とは、特別図柄の図柄が確定していないように認識される表示状態をいい、例えば、特別図柄がスクロール表示されている状態等をいう。そして、これら左特別図柄36a,中特別図柄36b、右特別図柄36cの図柄が確定して認識される状態が停止図柄とされている。また、本実施形態における停止表示とは、特別図柄の停止図柄が確定したように認識される表示状態をいい、例えば、特別図柄のスクロール表示が終了して、停止図柄で止まっている状態等をいう。
また、液晶表示器34の下方には、始動入賞口としての始動口40が設けられており、かかる始動口40内には、入球した遊技球を遊技盤16の裏側に排出する球通路上において近接スイッチによって構成された始動入球検出手段としての始動口スイッチ42(図4参照)が配設されている。そして、始動口40に遊技球が入球すると、始動口スイッチ42が遊技球の通過を検出して始動信号としての電気信号(検出信号)を出力するようにされており、かかる始動信号に基づいて判定が行われた後、判定の結果に基づいて決定された内容による複数の特別図柄36a,36b,36cの変動表示が開始されるようになっている。
一方、液晶表示器34の上方には、保留LED44が複数(本実施形態では4つ)設けられている。保留LED44は、特別図柄36a,36b,36cが変動表示されている最中に遊技球が始動口40に入球する毎に1つ点灯せしめられるようになっており、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が所定回数(本実施形態では最大4回)保留されていることを遊技者に報知するようになっている。
更にまた、始動口40の下方には、可変入賞口としての大入賞口46が設けられている。かかる大入賞口46の入口には、液晶表示器34において特別図柄36a,36b,36cの図柄が揃って停止表示された場合、即ち、大当たりが発生した場合に開閉する扉48が配設されている。扉48は、通常の遊技状態では閉状態に維持されて遊技者に不利な状態とされる一方、大当たりが発生した場合には開閉動作せしめられて遊技者に有利な大当たり状態とされるようになっている。
このようなパチンコ機10は、遊技者が上皿20に遊技球を投入して発射レバー28を回動操作することによって、遊技球が遊技領域30内に発射されて、遊技領域30に打ち付けられた障害釘(図示せず)に当たりながら落下するようになっている。
ここにおいて、遊技球が始動口40内に入球すると、液晶表示器34において、三つの特別図柄36a,36b,36cの変動表示が開始される。そして、変動表示の開始から所定時間が経過すると、左特別図柄36aおよび右特別図柄36cが当該順序で仮停止し、左特別図柄36aおよび右特別図柄36cの図柄組合せに応じてリーチ状態の有無が報知される。なお、リーチ状態とは、左特別図柄36aおよび右特別図柄36cが同じ図柄で停止された状態をいう。また、かかる仮停止では左特別図柄36aおよび右特別図柄36cは液晶表示器34内で揺れるように表示されており、再度変動表示される可能性が残っていることが視覚的に表現される。
さらに所定時間が経過すると、左特別図柄36aおよび右特別図柄36cに続いて中特別図柄36bが仮停止せしめられる。そして、左特別図柄36a、右特別図柄36c、および中特別図柄36bが1本の水平なラインに沿って静止した停止図柄とされる。これら三つの特別図柄36a,36b,36cの停止図柄の図柄組合せによって、大当たり状態またははずれ状態が遊技者に報知される。
大当たり図柄となる特定の図柄組合せは、本実施形態においては、三つの特別図柄36a,36b,36cが全て同じ図柄で揃う組合せとされている。他方、それ以外の図柄組合せがはずれ図柄とされている。更に、はずれ図柄は、左特別図柄36aおよび右特別図柄36cが同一で中特別図柄36bが相違する図柄組合せがリーチはずれ図柄とされており、左特別図柄36a及び右特別図柄36cが相違する図柄組合せが完全はずれ図柄とされる。なお、始動口40への入球をきっかけとする始動信号の判定結果が、大当たり図柄とされる判定結果を大当たりと称し、完全はずれ図柄とされる判定結果を完全はずれ、リーチはずれ図柄とされる判定結果をリーチはずれと称する。
そして、三つの特別図柄36a,36b,36cが大当たり図柄で停止されることによって、大当たり遊技が開始される。大当たり遊技は、大入賞口46の扉48を開放することによって大入賞口46への入賞を許容するものであり、遊技者は、通常の遊技状態、即ち、大当たりが発生していない遊技状態で得ることが出来る賞球よりも多くの賞球を得ることが出来る。かかる扉48は、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞する個数条件または所定時間(例えば27秒)が経過する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。
このような扉48の一回の開放動作は大当たりラウンドと称されており、上記条件が満足された場合には、扉48が閉状態とされて、所定のラウンド間インターバル(本実施形態においては2秒)が経過した後に、次の大当たりラウンドが開始されるようになっている。なお、一回の大当たり遊技において行なわれる大当たりラウンドの回数は予め定められており、本実施形態においては、一回の大当たり遊技において15回の大当たりラウンドが行なわれるようになっている。
以上のように、液晶表示器34においては、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行なわれると共に、それら特別図柄36a,36b,36cの変動表示に合わせて、各種のキャラクタなどが表示される演出表示が行なわれるようになっている。
ここにおいて、特に本実施形態においては、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が開始されてから、右特別図柄36cが停止されるまでの間に、図2に示す段階表示としてのステップアップ予告が行われることがある。ステップアップ予告は、差込画像としての第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dが、ランダムに決定された個数(本実施形態においては、最大4つ)、段階的に切換表示されるものである。そして、表示される第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dの数、即ち、ステップアップ予告の段階数が多いほど、リーチ状態が発生する確率が高いという期待を遊技者に与えるようにされている。
第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50bは、視覚的に互いに異ならされており、本実施形態においては、第一予告キャラクタ50aは「お」、第二予告キャラクタ50bは「に」、第三予告キャラクタ50cは「ぎ」、第四予告キャラクタ50dは「り」の文字が、それぞれ円形の背景上に重ねられた外観とされている。
図3に、第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dの表示タイミングを示す。ここにおいて、図3(a)〜(b)は、それぞれ、図2(a)〜(b)に対応するものである。また、図3および以降の各図面や各表中の「St1」〜「St4」は、ステップアップ予告における第一段階から第四段階を示すものであり、「St1」において第一予告キャラクタ50aが表示され、「St2」において第二予告キャラクタ50bが表示され、「St3」において第三予告キャラクタ50cが表示され、「St4」において第四予告キャラクタ50dが表示される。即ち、図3における「St1」〜「St4」が、それぞれ、第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dの表示タイミングである。
ステップアップ予告は、多くの場合、図2(a)および図3(a)に示すように、第一から第四の予告キャラクタ50a〜50dが、略等しい時間間隔をもった表示タイミングで第一予告キャラクタ50aから第四予告キャラクタ50dの順に切換表示されるようになっており、図2(a)および図3(a)に示す表示タイミングが、標準タイミングとされている。
ここにおいて、特に本実施形態においては、第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dの表示タイミングが、標準タイミングから変化せしめられることがある。例えば、図2(b)および図3(b)においては、第二予告キャラクタ50bが標準タイミングよりも遅いタイミングで表示されると共に、第四予告キャラクタ50dが標準タイミングよりも早いタイミングで表示されている。
なお、図2(a)〜(b)および図3(a)〜(b)においては、何れも、4つの予告キャラクタ50a〜50dの全てが表示される場合を例示したが、表示される予告キャラクタ50a〜50dの数はランダムに決定されるものであって、第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dのうちの1つや2つ、3つが表示される場合などもある。
次に、上述の如き大当たり遊技処理や演出表示を制御するための制御構造について説明する。本実施形態におけるパチンコ機10の制御部は、始動口40に入賞した遊技球が大当たりか否かの判定や、特別図柄36a,36b,36cの変動態様を決定する主制御部としての主制御回路52と、液晶表示器34における特別図柄36a,36b,36cの変動表示や、演出表示を制御するサブ制御部としての表示制御回路54とから構成されている。表示制御回路54は、主制御回路52からの制御信号に基づいて作動するようにされている。
図4に、主制御回路52の構成を示す。主制御回路52には、主制御回路52の全体を制御する主制御CPU56と、各種処理データ等を記憶する主制御RAM58と、制御プログラムや各種制御処理に必要なデータ等が記憶された主制御ROM60と、入力回路62と、出力回路64が設けられており、これらはバスにより相互に接続されている。また、主制御CPU56には、クロック信号を出力するクロック回路66が接続されている。
さらに、入力回路62には、始動口40に設けられて遊技球の入球を検出する始動口スイッチ42,大入賞口46の内部に設けられて大入賞口46への入賞球のカウントを行うカウントスイッチ68等が接続されている。
更にまた、出力回路64には、液晶表示器34への特別図柄36a,36b,36cの表示を行うサブ制御部としての表示制御回路54,大入賞口46の入口を塞いでいる扉48を開閉駆動するための扉開閉用ソレノイド70を駆動するソレノイド駆動回路72,保留LED44を発光制御する保留LED制御回路74等が接続されている。
そして、主制御CPU56は、所定周期(例えば、本実施形態においては、4ms)毎にクロック回路66からクロック信号が入力された場合には、主制御ROM60に記憶されているパラメータや制御プログラムに従って、後述する始動口入球処理や特別図柄表示処理を含んで構成された遊技処理を実行するようになっており、それによって、入力回路62を介して入力される入力信号等に基づいて各種制御信号を生成し、それら各種制御信号を出力回路64を介して表示制御回路54やソレノイド駆動回路72等に出力するようになっている。なお、入力回路62は、外部から入力されたアナログ信号等をデジタル信号に変換して出力する回路である。また、出力回路64は、主制御CPU56によって生成された各種データをシリアルデータ等に変換して出力する回路である。
そして、主制御RAM58には、以下に示す各種のカウンタが用意されている。
大当たり判定カウンタ80は、大当たり判定に用いられるカウンタであって、クロック回路66から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「299」に加算された後に「0」に戻って加算される。
初期値決定用カウンタ82は、大当たり判定カウンタ80の加算開始値を決定するカウンタであって、クロック回路66から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「299」に加算された後に「0」に戻って加算される。
リーチはずれ判定カウンタ84は、リーチはずれまたは完全はずれの判定に用いられるカウンタであって、クロック回路66から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
大当たり図柄カウンタ86は、大当たり判定時に表示される特別図柄36a,36b,36cの図柄組合せを決定するために用いられるカウンタであって、クロック回路66から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
左図柄カウンタ88は、完全はずれ乃至はリーチはずれ判定時に表示される左特別図柄36aの図柄を選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路66から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
中図柄カウンタ90は、完全はずれ乃至はリーチはずれ判定時に表示される中特別図柄36bの図柄を選択するために用いられるカウンタであって、左図柄カウンタ88が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
右図柄カウンタ92は、完全はずれ乃至はリーチはずれ判定時に表示される右特別図柄36cの図柄を選択するために用いられるカウンタであって、中図柄カウンタ90が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
変動パターンカウンタ94は、変動態様としての変動パターンを選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路66から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「99」に加算された後に「0」に戻って加算される。
変動表示用タイマカウンタ96は、特別図柄36a,36b,36cの変動表示時間を計測するために用いられるカウンタであり、後述する特別図柄表示処理において選択された変動パターンに応じた変動表示時間がセットされる。
始動入球数カウンタ98は、始動口40に入球した遊技球の個数をカウントするために用いられるカウンタであって、初期値「0」から最大値「5」までの範囲で、遊技球が始動口40に入球する毎に「1」ずつ加算され、大当たり判定処理が行なわれる毎に「1」ずつ減算される。
入賞数カウンタ100は、大当たりラウンドにおいて大入賞口46に入賞した遊技球の個数をカウントするために用いられるカウンタであって、初期値「0」から、遊技球が大入賞口46に入賞する毎に「1」ずつ加算されると共に、大当たりラウンド終了時に「0」に初期化される。
ラウンドカウンタ102は、大当たりラウンドのラウンド数をカウントするために用いられるカウンタであって、初期値「0」から最大値「14」の範囲で、大当たりラウンドが開始される毎に「1」ずつ加算されると共に、大当たり遊技終了時に「0」に初期化される。
扉用タイマカウンタ104は、大入賞口46の扉48の開放時間を計測するために用いられるカウンタであって、扉48の開放時間に応じた値がセットされる。
扉インターバルタイマカウンタ106は、大当たり遊技開始時の第一ラウンド開始前や大当たり遊技中のラウンド間インターバルなどにおける、扉48の閉状態の待機時間を計測するために用いられるカウンタであって、それぞれの待機時間に応じた値がセットされる。
さらに、主制御RAM58には、各判定処理等の際に使用される、以下に示す各種のフラグが設けられている。以下の説明においてフラグとは、「0」か「1」か何れかの値が格納されるものであり、「フラグをONにする」とは、フラグに「1」を格納することを示し、「フラグをOFFにする」とは、フラグに「0」を格納することを示すものとする。また、各フラグは、既にONに設定されていた後にONに設定されたり、既にOFFに設定されていた後にOFFに設定された場合においても、フラグの値が逆転することは無い。
大当たりフラグ108は、大当たり判定の結果を示すフラグであり、「ON」である場合には、大当たりであることを示す一方、「OFF」である場合には、大当たりでないことを示す。
変動処理フラグ110は、特別図柄36a,36b,36cが変動表示中であるか否かを示すフラグであり、「ON」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていることを示す一方、「OFF」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていないことを示す。
扉開放フラグ112は、大入賞口46の扉48が開いているか否かを示すフラグであり、「ON」である場合には、扉48が開かれていることを示す一方、「OFF」である場合には、扉48が閉じられていることを示す。
さらに、主制御RAM58には、遊技処理に用いる情報の一時的な格納場所として、以下に示す各種の記憶エリアが設けられている。
第一乃至第五のカウンタ値記憶エリア114a〜eには、遊技球が始動口40に入球したときの大当たり判定カウンタ80,リーチはずれ判定カウンタ84,大当たり図柄カウンタ86の各カウンタ値が記憶される。
変動パターン記憶エリア116には、選択された変動パターンのデータが記憶される。
停止図柄記憶エリア118には、各特別図柄36a,36b,36cの図柄組合せのデータが記憶される。
一方、主制御ROM60には、各種の判定や選択に用いられるテーブルを記憶する、以下に示す各種のテーブル記憶エリアが設けられている。
大当たり判定テーブル記憶エリア120には、表1に示す大当たり判定テーブルが記憶されている。大当たり判定テーブルは、大当たり判定カウンタ80のカウンタ値を示す「大当たり判定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「大当たり判定」から構成されており、大当たり判定テーブルと取得した大当たり判定カウンタ80のカウンタ値に基づいて大当たりであるか否かを判定するようになっている。そして、本実施形態では、取得した大当たり判定カウンタ80のカウンタ値が「7」の場合に「大当たり」と判定される一方、それ以外の数値の場合には「はずれ」と判定される。
リーチはずれ判定テーブル記憶エリア122には、表2に示すリーチはずれ判定テーブルが記憶されている。リーチはずれ判定テーブルは、リーチはずれ判定カウンタ84のカウンタ値を示す「リーチはずれ判定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「リーチはずれ判定」から構成されており、リーチはずれ判定テーブルと取得したリーチはずれ判定カウンタ84のカウンタ値に基づいてリーチはずれであるか否かを判定するようになっている。そして、本実施形態では、取得したリーチはずれ判定カウンタ84のカウンタ値が「3」である場合に「リーチはずれ」と判定される一方、それ以外の場合には、「完全はずれ」と判定されるようになっている。
当たり図柄選択テーブル記憶エリア124には、表3に示す当たり図柄選択テーブルが記憶されている。当たり図柄選択テーブルは、大当たり図柄カウンタ86のカウンタ値を示す「大当たり図柄カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「大当たり図柄組み合わせ」から構成されており、当たり図柄選択テーブルと取得した大当たり図柄カウンタ86のカウンタ値に基づいて特別図柄36a,36b,36cの大当たり図柄組み合わせを選択するようになっている。そして、本実施形態では、大当たり図柄カウンタ86のカウンタ値が「0」の場合「000」が、「1」の場合「111」が、「2」の場合「222」が、「3」の場合「333」が、「4」の場合「444」が、「5」の場合「555」が、「6」の場合「666」が、「7」の場合「777」が、「8」の場合「888」が、「9」の場合「999」が、それぞれ、特別図柄36a,36b,36cの大当たり図柄組み合わせとして選択されるようになっている。そこにおいて、本実施形態では、このようにして選択された特別図柄36a,36b,36cの大当たり図柄組み合わせが停止図柄記憶エリア118に記憶される場合には、大当たり図柄組み合わせを構成する特別図柄36a,36b,36cの各停止図柄のデータが記憶されるようになっている。
左図柄選択テーブル記憶エリア126aには、表4に示す左図柄選択テーブルが記憶されている。左図柄選択テーブルは、左図柄カウンタ88のカウンタ値を示す「左図柄カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「左特別図柄」から構成されており、左図柄選択テーブルと取得した左図柄カウンタ88のカウンタ値に基づいて左特別図柄36aの停止図柄を選択するようになっている。そして、本実施形態では、左図柄カウンタ88のカウンタ値が「0」の場合「0」が、「1」の場合「1」が、「2」の場合「2」が、「3」の場合「3」が、「4」の場合「4」が、「5」の場合「5」が、「6」の場合「6」が、「7」の場合「7」が、「8」の場合「8」が、「9」の場合「9」が、それぞれ、左特別図柄36aの停止図柄として選択されるようになっている。
また、中図柄選択テーブル記憶エリア126bおよび右図柄選択テーブル記憶エリア126cには、それぞれ、表5および表6に示す中図柄選択テーブルおよび右図柄選択テーブルが記憶されている。これら中図柄選択テーブルおよび右図柄選択テーブルのテーブル構成および記憶内容は、それぞれ、上述の左図柄選択テーブルと同様とされおり、中図柄選択テーブルと取得した中図柄カウンタ90のカウンタ値に基づいて中特別図柄36bの停止図柄を選択する一方、右図柄選択テーブルと取得した右図柄カウンタ92のカウンタ値に基づいて右特別図柄36cの停止図柄を選択するようになっている。
第一乃至第三の変動パターン選択テーブル記憶エリア128a〜128cには、表7乃至表9に示す第一乃至第三の変動パターン選択テーブルが記憶されている。これらの変動パターン選択テーブルは、変動パターンカウンタ94のカウンタ値を示す「変動パターンカウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「変動パターン」から構成されており、変動パターン選択テーブルと取得した変動パターンカウンタ94のカウンタ値に基づいて変動パターンを選択するようになっている。このように、本実施形態においては、第一乃至第三の変動パターン選択テーブル記憶エリア128a〜128cを含んで、変動態様記憶手段が構成されている。
表7に示す第一の変動パターン選択テーブルは、完全はずれの場合の変動パターンを選択するものであり、本実施形態では、変動パターンカウンタ94のカウンタ値が「0」〜「99」の場合に「変動パターンA」が選択されるようになっている。
表8に示す第二の変動パターン選択テーブルは、リーチはずれの場合の変動パターンを選択するものであり、本実施形態では、変動パターンカウンタ94のカウンタ値が「0」〜「95」の場合に「変動パターンB」が、「96」〜「99」の場合に「変動パターンC」が選択されるようになっている。
表9に示す第三の変動パターン選択テーブルは、大当たりの場合の変動パターンを選択するものであり、本実施形態では、変動パターンカウンタ94のカウンタ値が「0」〜「39」の場合に「変動パターンD」が、「40」〜「99」の場合に「変動パターンE」が選択されるようになっている。
なお、これら変動パターンA乃至Eはそれぞれ、特別図柄36a,36b,36cの変動表示に要する時間が異ならされており、本実施形態においては、後述する表12に示すように、変動パターンAは5秒、変動パターンBは20秒、変動パターンCは30秒、変動パターンDは22秒、変動パターンEは32秒に設定されている。
次に、表示制御回路54の構成について、図5に基づいて説明する。表示制御回路54は、表示制御CPU130,表示制御CPU130に接続された入力回路132,表示制御RAM134、プログラムROM136、およびVDP138,特別図柄36a,36b,36cの画像データや、演出表示に用いられる第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dの画像データおよび動画データ等が記憶されて、VDP138に接続される演出画像記憶手段としてのキャラクタROM140,作業RAM142,出力回路144を含んで構成されている。また、表示制御CPU130には、クロック信号を出力するクロック回路146が接続されている。更にまた、入力回路132には、主制御回路52を構成する出力回路64が接続されている。また、出力回路144には、液晶表示器34が接続されている。
そして、表示制御CPU130は、所定周期(例えば、本実施形態においては、4ms)毎にクロック回路146からクロック信号が入力された場合には、プログラムROM136に記憶されているパラメータや制御プログラムに従って、後述する表示制御処理を実行するようになっており、それによって、主制御回路52からの制御信号に基づいて画像の編集内容を示す制御信号を生成し、VDP138との間で制御信号のやり取りを行う。VDP138は、表示制御CPU130からの制御信号に基づいて、キャラクタROM140から特別図柄36a,36b,36cの画像データ,演出表示としての動画データや予告キャラクタ50a,50b,50c,50dの画像データ等を読み出し、作業RAM142を作業エリアとして編集し、これらの画像データを出力回路144を介して液晶表示器34に出力するようになっている。
また、表示制御RAM134には、以下に示すように、表示制御を行うために用いる各種のカウンタやフラグ等が設けられている。
演出パターンカウンタ148は、演出パターンを選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路146から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「13」に加算された後に「0」に戻って加算される。
予告判定カウンタ150は、ステップアップ予告を行うか否かを判定するために用いられるカウンタであって、クロック回路146から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
段階数決定カウンタ152は、ステップアップ予告における切換表示の段階数を決定するために用いられるカウンタであって、クロック回路146から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダム表示判定カウンタ154は、ステップアップ予告において、各予告キャラクタ50a〜50dの表示タイミングをランダムに決定するか否かを判定するために用いられるカウンタであって、クロック回路146から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「2」に加算された後に「0」に戻って加算される。
設定段階数カウンタ156は、後述するステップアップ予告設定処理中において、表示タイミングをランダムに決定する段階をカウントするために用いられるカウンタであって、後述するステップアップ予告設定処理中でカウントおよびリセットされる。
タイミングカウンタ158は、第一乃至第四予告キャラクタ50a,50b,50c,50dの表示タイミングをランダムに決定する際に用いられるカウンタであって、クロック回路146から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「1」から最大値「10」に加算された後に「1」に戻って加算される。
予告タイマカウンタ159は、ステップアップ予告における第一乃至第四予告キャラクタ50a〜50dの表示タイミングを計測するために用いられるカウンタであって、後述するステップアップ予告表示処理中でカウントおよびリセットされる。
変動パターン記憶エリア160には、受信した変動パターンのデータが記憶される。
特別図柄記憶エリア162には、受信した特別図柄36a,36b,36cの図柄組み合わせのデータが記憶される。
演出パターン記憶エリア164には、演出表示として選択された演出パターンが記憶される。
段階数記憶エリア166には、ステップアップ予告の際に表示される予告キャラクタ50a〜50dの数、即ち、ステップアップ予告の段階数が記憶される。
設定可能範囲記憶エリア167には、ステップアップ予告における各段階の表示タイミングがランダムに決定される場合に、表示タイミングとして選択可能な範囲が後述するタイミングテーブルのタイミング番号として記憶される。表10に示すように、設定可能範囲記憶エリア167には、選択可能な範囲の始点となる「始点タイミング番号」と、終点となる「終点タイミング番号」が記憶されるようになっている。なお、表10において「始点タイミング番号」として記憶されている「t1」および「終点タイミング番号」として記憶されている「t7」は理解を容易にするために例示したものであり、当該箇所に、後述するステップアップ予告設定処理で決定されたタイミング番号が記憶されるようになっている。なお、これら「始点タイミング番号」および「終了タイミング番号」は、それぞれ、後述する図14における「START」および「END」に対応するものである。
表示タイミング記憶手段としての表示タイミング記憶エリア168には、ステップアップ予告における各段階の表示タイミングが記憶される。表示タイミング記憶エリア168は、表11に示すように、「St1」〜「St4」の各段階の表示タイミングが後述するタイミングテーブルのタイミング番号としてそれぞれ記憶されるようになっている。なお、表11中の「t1」、「t3」、「t7」、「t9」は理解を容易にするために例示したものであり、当該箇所に、後述するステップアップ予告設定処理で決定されたタイミング番号が記憶されるようになっている。
変動表示フラグ170は、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われているか否かを示すフラグであり、「ON」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていることを示す一方、「OFF」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていないことを示す。
予告フラグ172は、ステップアップ予告を行うか否かを示すフラグであり、「ON」である場合には、ステップアップ予告を行う一方、「OFF」である場合には、ステップアップ予告を行わないことを示す。
一方、プログラムROM136には、各種の判定や選択に用いられるテーブルを記憶する、以下に示すテーブル記憶エリアが設けられている。
演出態様記憶手段としての演出選択テーブル記憶エリア174には、表12に示す演出選択テーブルが記憶されている。演出選択テーブルは、始動口40への入球によって特別図柄36a,36b,36cが変動表示される際に行なわれる演出パターンを選択するために用いられるテーブルであり、受信した変動パターンを示す「変動パターン」と、演出パターンカウンタ148のカウンタ値を示す「演出パターンカウンタ値」と、これら変動パターンとカウンタ値に対応する「演出パターン」、および当該演出パターンが表示された後の最終結果を示す「最終結果」から構成されている。なお、「表示時間」は理解を容易にするためのものであり、演出選択テーブルには、「表示時間」の列を除いた情報が記憶されている。
本実施形態においては、「変動パターンA」を受信して、演出パターンカウンタ148のカウンタ値が「0」〜「12」の場合には「演出パターンA1」が、「13」の場合には「演出パターンA2」が選択される。
また、「変動パターンB」を受信して、演出パターンカウンタ148のカウンタ値が「0」〜「10」の場合には「演出パターンB1」が、「11」〜「13」の場合には「演出パターンB2」が選択される。
また、「変動パターンC」を受信して、演出パターンカウンタ148のカウンタ値が「0」〜「9」の場合には「演出パターンC1」が、「10」〜「13」の場合には「演出パターンC2」が選択される。
また、「変動パターンD」を受信して、演出パターンカウンタ148のカウンタ値が「0」〜「2」の場合には「演出パターンD1」が、「3」〜「13」の場合には「演出パターンD2」が選択される。
また、「変動パターンE」を受信して、演出パターンカウンタ148のカウンタ値が「0」〜「3」の場合には「演出パターンE1」が、「4」〜「13」の場合には「演出パターンE2」が選択される。
差込画像記憶手段としての画像選択テーブル記憶エリア176には、表13に示す画像選択テーブルが記憶されている。画像選択テーブルは、ステップアップ予告の各段階において表示される予告キャラクタを選択するために用いられるテーブルであり、ステップアップ予告の段階を示す「段階」と、この段階に対応する「予告キャラクタ」から構成されている。本実施形態においては、段階が「St1」の場合には「画像A」が、「St2」の場合には「画像B」が、「St3」の場合には「画像C」が、「St4」の場合には「画像D」が選択されるようになっている。ここにおいて、「画像A」は第一予告キャラクタ50a,「画像B」は第二予告キャラクタ50b、「画像C」は第三予告キャラクタ50c、「画像D」は第四予告キャラクタ50dである。
予告判定テーブル記憶エリア178には、表14に示す予告判定テーブルが記憶されている。予告判定テーブルは、ステップアップ予告を行うか否かを判定するために用いられるテーブルであり、予告判定カウンタ150のカウンタ値を示す「予告判定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「予告判定」から構成されている。そして、本実施形態では、予告判定カウンタ150のカウンタ値が「0」〜「6」の場合は「予告しない」と判定される一方、「7」〜「9」の場合は「予告する」と判定されるようになっている。
完全はずれ段階数選択テーブル記憶エリア180には、表15に示す完全はずれ段階数選択テーブルが記憶されている。完全はずれ段階数選択テーブルは、最終結果が完全はずれとなる場合のステップアップ予告の段階数を選択するために用いられるテーブルであり、段階数決定カウンタ152のカウンタ値を示す「段階数決定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「段階数」から構成されている。そして、本実施形態では、段階数決定カウンタ152のカウンタ値が「0」〜「3」の場合は「1」、「4」〜「6」の場合は「2」、「7」〜「8」の場合は「3」、「9」の場合は「4」が選択されるようになっている。これにより、最終結果が完全はずれとなる、即ち、リーチ状態が発生しない場合には、ステップアップ予告の段階数が高くなり難いようにされている。
リーチ段階数選択テーブル記憶エリア182には、表16に示すリーチ段階数選択テーブルが記憶されている。リーチ段階数選択テーブルは、最終結果がリーチはずれ乃至は大当たりとなる場合のステップアップ予告の段階数を選択するために用いられるテーブルであり、段階数決定カウンタ152のカウンタ値を示す「段階数決定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「段階数」から構成されている。そして、本実施形態では、段階数決定カウンタ152のカウンタ値が「0」の場合は「1」、「1」〜「2」の場合は「2」、「3」〜「5」の場合は「3」、「6」〜「9」の場合は「4」が選択されるようになっている。これにより、最終結果がリーチはずれ乃至は大当たりとなる、即ち、リーチ状態が発生する場合には、ステップアップ予告の段階数が高くなり易いようにされている。
ランダム表示判定テーブル記憶エリア184には、表17に示すランダム表示判定テーブルが記憶されている。ランダム表示判定テーブルは、ステップアップ予告において、各段階を標準タイミングとは異なるタイミングで表示するランダム表示を行うか否かを判定するために用いられるテーブルであり、ランダム表示判定カウンタ154のカウンタ値を示す「ランダム表示判定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「ランダム表示判定」から構成されている。そして、本実施形態では、ランダム表示判定カウンタ154のカウンタ値が「0」の場合は「ランダム表示する」と判定される一方、「1」〜「2」の場合は「ランダム表示しない」と判定されるようになっている。
タイミングテーブル記憶エリア186には、表18に示すタイミングテーブルが記憶されている。タイミングテーブルは、各変動パターンにおいてステップアップ予告の切換表示が行われ得るタイミングを変動開始からの経過時間で記憶するものであり、各変動パターンの表示時間内で複数箇所(本実施形態においては、10箇所)に設定された表示タイミングについて、早いものから順に「t1」〜「t10」のタイミング番号が割り振られている。そして、本実施形態においては、各変動パターンにおける特別図柄36a,36b,36cの変動表示が開始されてから、右特別図柄36cが停止されるまでの間の適当な範囲を略等間隔に分割して、経過時間が早い方から順に「t1」〜「t10」のタイミング番号が割り振られている。
具体的には、例えば「変動パターンA」の場合には、変動開始の1秒後から3秒までの間の期間で略等間隔に10個の表示タイミングが設けられており、「t1」が「1.00s」(sは秒)、「t2」が「1.22s」、「t3」が「1.44s」、「t4」が「1.66s」、「t5」が「1.88s」、「t6」が「2.10s」、「t7」が「2.32s」、「t8」が「2.54s」、「t9」が「2.76s」、「t10」が「3.00s」とされている。また、「変動パターンB」乃至「変動パターンE」も略同様とされており、「変動パターンB」は変動開始の1秒後から10秒まで、「変動パターンC」は変動開始の1秒後から15秒まで、「変動パターンD」は変動開始の1秒後から10秒まで、「変動パターンE」は変動開始の1秒後から15秒までの間に略等間隔に10個の表示タイミングが設けられている。
なお、表18においては、理解を容易とするために、各表示タイミングとして変動表示が開始されてからの経過時間を示しているが、タイミングテーブル記憶エリア186には、当該経過時間に対応する予告タイマカウンタ159のカウンタ値が記憶される。
標準タイミング記憶手段としての標準タイミングテーブル記憶エリア188には、表19に示す標準タイミングテーブルが記憶されている。標準タイミングテーブルは、ステップアップ予告の各段階が表示される標準のタイミングとなる標準表示タイミングを、上述のタイミングテーブルのタイミング番号として記憶するものであり、ステップアップ予告の段階を示す「段階」と、この段階の標準表示タイミングを示す「標準タイミング」から構成されている。そして、本実施形態では、段階が「St1」の場合は「t2」が、「St2」の場合は「t4」が、「St3」の場合は「t6」が、「St4」の場合は「t8」が記憶されている。
これらタイミングテーブルおよび標準タイミングテーブルの本実施形態における記憶内容を図示すると、図6のようになる。即ち、タイミングテーブルには、特別図柄36a,36b,36cの変動が開始されてから右特別図柄36cが停止されるまでの間で、10個のタイミング「t1」〜「t10」が設定されている。なお、左特別図柄36bは、変動開始から右特別図柄36cが停止されるまでの間で停止される。そして、標準タイミングテーブルには、段階「St1」〜「St4」それぞれの標準タイミングが記憶されており、「St1」は「t2」、「St2」は「t4」、「St3」は「t6」、「St4」は「t8」に設定されている。
次に、主制御CPU56が実行する遊技処理について、図7に基づいて説明する。先ず、ステップ(以下、Sとする)1において、電源が投入された主制御CPU56は、電源投入時にのみ、電源投入処理を実行する。この電源投入処理において、主制御CPU56は、主制御RAM58等の各RAMの初期化を行ない、主制御CPU56周辺の各機器の初期設定を行なう。そして、主制御CPU56は、割り込み許可を設定し、割り込み処理を開始する。これにより、電源投入処理(S1)が実行された後は、S2以降の処理が割り込み毎に繰り返して実行されることとなる。
そして、主制御CPU56は、S2において、入力処理を実行する。この入力処理は、大当たり判定カウンタ80,初期値決定用カウンタ82、リーチはずれ判定カウンタ84,大当たり図柄カウンタ86,左図柄カウンタ88,変動パターンカウンタ94の各カウンタ値をそれぞれ1加算することによって行われる。そこにおいて、大当たり判定カウンタ80のカウンタ値が一周した場合には、初期値決定用カウンタ82の値を大当たり判定カウンタ80の初期値として設定する。これにより、大当たり判定カウンタ80が大当たりを示す値(本実施形態では「7」)となるタイミングを変化せしめることが出来る。また、左図柄カウンタ88のカウンタ値を1加算することより左図柄カウンタ88のカウンタ値が一周した場合には中図柄カウンタ90のカウンタ値を1加算する。また、中図柄カウンタ90のカウンタ値が一周した場合には右図柄カウンタ92のカウンタ値を1加算する。
続いて、主制御CPU56は、S3において、始動口入球処理を実行する。この始動口入球処理について、図8に基づいて説明する。先ず、主制御CPU56は、S10において、遊技球が始動口40に入球したか否か、即ち、始動口スイッチ42が遊技球の通過を検出した場合に出力する検出信号が入力されたか否かを判定し、遊技球が始動口40に入球していない場合(S10:NO)には、始動口入球処理を終了する一方、遊技球が始動口40に入球した場合(S10:YES)には、S11において、始動入球数カウンタ98のカウンタ値が「5」以上であるか否か、即ち、保留球数が上限であるか否かを判定する。
保留球数が上限に達している場合(S11:YES)には、主制御CPU56は、始動口入球処理(S3)を終了する。一方、保留球数が上限に達していない場合(S11:NO)には、主制御CPU56は、S12において、現在の大当たり判定カウンタ80,リーチはずれ判定カウンタ84および大当たり図柄カウンタ86の各カウンタ値を取得して第一乃至第五のカウンタ値記憶エリア114a〜eのうち第一のカウンタ値記憶エリア114a側の空いている記憶エリアに記憶する。
具体的には、第一のカウンタ値記憶エリア114aにカウンタ値が記憶されていない、即ち、第一のカウンタ値記憶エリア114aが空いている場合には第一のカウンタ値記憶エリア114aに、第一のカウンタ値記憶エリア114aに各カウンタ値が既に記憶されている、即ち、第一のカウンタ値記憶エリア114aが空いていない場合には第二のカウンタ値記憶エリア114bに、第一および第二のカウンタ値記憶エリア114a,bが空いていない場合には第三のカウンタ値記憶エリア114cに、第一乃至第三のカウンタ値記憶エリア114a〜cが空いていない場合には第四のカウンタ値記憶エリア114dに、第一乃至第四のカウンタ値記憶エリア114a〜dが空いていない場合には第五のカウンタ値記憶エリア114eに、取得した各カウンタ値が記憶される。
その後、主制御CPU56は、S13において、始動入球数カウンタ98のカウンタ値を1加算する。そして、主制御CPU56は、S14において、保留表示処理を実行する。この保留表示処理は、始動入球数カウンタ98のカウンタ値から1減算した数、即ち、保留球数の数だけ保留LED44を点灯させる制御信号を保留LED制御回路74に送信することによって行われる。そして、保留LED制御回路74は、受信した制御信号に基づいて保留LED44を点灯する。このような保留表示処理を終了すると、主制御CPU56は、始動口入球処理(S3)を終了する。
上述の如き始動口入球処理(S3)を終了した主制御CPU56は、次に特別図柄表示処理(S4)を実行する。この特別図柄表示処理について、図9に基づいて説明する。先ず、主制御CPU56は、S20において、大当たりフラグ108がONになっているか否かを判定し、大当たりフラグ108がONになっている場合(S20:YES)には、特別図柄表示処理(S4)を終了する。
大当たりフラグ108がOFFになっている場合(S20:NO)には、主制御CPU56は、S21において、始動入球数カウンタ98のカウンタ値が「1」以上であるか否かを判定し、始動入球数カウンタ98のカウンタ値が「0」である場合(S21:NO)には、特別図柄表示処理(S4)を終了する一方、始動入球数カウンタ98のカウンタ値が「1」以上である場合(S21:YES)には、S22において、変動処理フラグ110がONであるか否かを判定する。
変動処理フラグ110がOFFである場合(S22:NO)には、主制御CPU56は、S23において、変動処理フラグ110をONにした後、S24において、大当たり判定テーブルと第一のカウンタ値記憶エリア114aに記憶された大当たり判定カウンタ80のカウンタ値に基づいて大当たり判定カウンタ80のカウンタ値が大当り数値であるか否かを判定する。このように、本実施形態においては、大当たり判定テーブル記憶エリア120、大当たり判定カウンタ80、およびS24を含んで大当たり判定手段が構成されている。
大当たり数値である場合(S24:YES)には、主制御CPU56は、S25において、当たり図柄選択テーブルと第一のカウンタ値記憶エリア114aに記憶されている大当たり図柄カウンタ86のカウンタ値に基づいて特別図柄36a、36b,36cの大当たり図柄組み合わせを選択し、選択した特別図柄36a、36b,36cの大当たり図柄組み合わせのデータを停止図柄記憶エリア118に記憶する。次に、主制御CPU56は、S26において、第三の変動パターン選択テーブルと現在の変動パターンカウンタ94のカウンタ値に基づいて変動パターンを選択し、選択した変動パターンのデータを変動パターン記憶エリア116に記憶した後、S32以降の処理を実行する。
大当たりでない場合(S24:NO)には、主制御CPU56は、S27において、リーチはずれ判定テーブルと第一のカウンタ値記憶エリア114aに記憶されているリーチはずれ判定カウンタ84のカウンタ値に基づいてリーチはずれであるか否かを判定する。
リーチハズレである場合(S27:YES)には、主制御CPU56は、S28において、左図柄選択テーブルと現在の左図柄カウンタ88のカウンタ値に基づいて左特別図柄36aの図柄を選択し、中図柄選択テーブルと現在の中図柄カウンタ90のカウンタ値に基づいて中特別図柄36bの図柄を選択し、更に、右特別図柄36cの図柄として左特別図柄36aの図柄と同じものを選択した後、このように選択された左,中,右の特別図柄36a、36b,36cの組み合わせを停止図柄記憶エリア118に記憶する。そこにおいて、左特別図柄36aの図柄と中特別図柄36bの図柄が同じものになってしまった場合には、中特別図柄36bの図柄を左特別図柄36aの図柄と異なるものに変更する。具体的には、例えば、中特別図柄36bの図柄を左特別図柄36aの図柄よりも1大きくしたり、或いは、中特別図柄36bの図柄を左特別図柄36aの図柄よりも1小さくしたりする。次に、主制御CPU56は、S29において、第二の変動パターン選択テーブルと現在の変動パターンカウンタ94のカウンタ値に基づいて変動パターンを選択し、選択した変動パターンのデータを変動パターン記憶エリア116に記憶した後、S32以降の処理を実行する。
リーチハズレでない場合(S27:NO)には、主制御CPU56は、S30において、左図柄選択テーブルと現在の左図柄カウンタ88のカウンタ値に基づいて左特別図柄36aの図柄を選択し、中図柄選択テーブルと現在の中図柄カウンタ90のカウンタ値に基づいて中特別図柄36bの図柄を選択し、更に、右図柄選択テーブルと現在の右図柄カウンタ92のカウンタ値に基づいて右特別図柄36cの図柄を選択した後、このように選択された左,中,右の特別図柄36a、36b,36cの組み合わせを停止図柄記憶エリア118に記憶する。そこにおいて、左特別図柄36aの図柄と右特別図柄36cの図柄が同じものになってしまった場合には、右特別図柄36cの図柄を左特別図柄36aの図柄と異なるものに変更する。具体的には、例えば、右特別図柄36cの図柄を左特別図柄36aの図柄よりも1大きくしたり、或いは、右特別図柄36cの図柄を左特別図柄36aの図柄よりも1小さくしたりする。次に、主制御CPU56は、S31において、第一の変動パターン選択テーブルと現在の変動パターンカウンタ94のカウンタ値に基づいて変動パターンを選択し、選択した変動パターンのデータを変動パターン記憶エリア116に記憶した後、S32以降の処理を実行する。このように、本実施形態においては、第一乃至第三の変動パターン選択テーブル記憶エリア128a〜128c、変動パターンカウンタ94、およびS26、S29、S31を含んで、変動態様選択手段が構成されている。
そして、主制御CPU56は、S32において、変動パターン記憶エリア116に記憶されている変動パターンの変動表示時間に対応するようにして、変動表示用タイマカウンタ96の初期値をセットする。
次に、主制御CPU56は、S33において、変動パターン記憶エリア116に記憶されている変動パターンのデータを報知開始命令として表示制御回路54に送信した後に、S34において、停止図柄記憶エリア118に記憶されている特別図柄36a、36b,36cの図柄組み合わせのデータを表示制御回路54に送信する。そして、主制御CPU56は、かかるS34の処理の後、特別図柄表示処理(S4)を終了する。このように、本実施形態においては、変動パターン記憶エリア116およびS33を含んで、報知手段が構成されている。
また、変動処理フラグ110がONである場合(S22:YES)には、主制御CPU56は、S35において、変動表示用タイマカウンタ96のカウンタ値が「0」であるか否か、即ち、変動表示時間が終了したか否かを判定し、変動表示時間が終了していない場合(S35:NO)には、S36において、変動表示用タイマカウンタ96のカウンタ値を1減算した後、特別図柄表示処理(S4)を終了する。一方、変動表示時間が終了している場合(S35:YES)には、S37において、特別図柄36a、36b,36cの変動表示を終了し、特別図柄36a、36b,36cを停止表示させるための制御信号を表示制御回路54に送信する停止表示処理を実行する。
次に、主制御CPU56は、S38において、変動処理フラグ110をOFFにした後、S39において、変動パターン記憶エリア116に記憶されている変動パターンのデータが大当たりの場合における変動パターンのデータであるか否かを判定する。
大当たりの場合における変動パターンのデータでない場合(S39:NO)には、主制御CPU56は、後述するS41以降の処理を実行する一方、大当たりの場合における変動パターンのデータである場合(S39:YES)には、主制御CPU56は、S40において、大当たりフラグ108をONにする。
続いて、主制御CPU56は、S41において、変動表示処理を終了する。この変動表示終了処理は、第一のカウンタ値記憶エリア114aに記憶されている各種カウンタ値,変動パターン記憶エリア116に記憶されている変動パターンのデータ,停止図柄記憶エリア118に記憶されている特別図柄36a,36b,36cの図柄組合せのデータをそれぞれ消去するものである。
その後、主制御CPU56は、S42において、始動入球数カウンタ98のカウンタ値が「2」以上であるか否かを判定し、始動入球数カウンタ98のカウンタ値が「2」以上でない場合(S42:NO)には、S44以降の処理を実行する。
一方、始動入球数カウンタ98のカウンタ値が「2」以上である場合(S42:YES)には、主制御CPU56は、S43において、第二乃至第五のカウンタ値記憶エリア114b〜eに記憶されている各種カウンタ値を第一のカウンタ値記憶エリア114aの側のカウンタ値記憶エリアに一つシフトして記憶する。
具体的には、各種カウンタ値が、第二のカウンタ値記憶エリア114bに記憶されている場合には第一のカウンタ値記憶エリア114aに、第三のカウンタ値記憶エリア114cに記憶されている場合には第二のカウンタ値記憶エリア114bに、第四のカウンタ値記憶エリア114dに記憶されている場合には第三のカウンタ値記憶エリア114cに、第五のカウンタ値記憶エリア114eに記憶されている場合には第四のカウンタ値記憶エリア114dに、それぞれ、記憶しなおす。
その後、主制御CPU56は、S44において、始動入球数カウンタ98のカウンタ値を1減算して特別図柄表示処理(S4)を終了する。
このような特別図柄表示処理(S4)を終了した主制御CPU56は、次に、特典付与処理(S5)を実行する。この特典付与処理について、図10に基づいて説明する。先ず、主制御CPU56は、S50において、大当たりフラグ108がONになっているか否かを判定する。大当たりフラグ108がONになっていない場合(S50:NO)には、特典付与処理(S5)を終了する。
大当たりフラグ108がONになっている場合(S50:YES)には、主制御CPU56は、S51において、大入賞口46の扉48が開かれていることを示す扉開放フラグ112がONになっているか否かを判定する。扉開放フラグ112がONになっている場合(S51:YES)には、主制御CPU56は、S57以降の処理を実行する。
扉開放フラグ112がONになっていない場合(S51:NO)には、主制御CPU56は、S52において、インターバル期間が終了したか否かを判定する。具体的には、扉インターバルタイマカウンタ106の値が「0」か否かによって判定する。
扉インターバルタイマカウンタ106の値が「0」でない、即ち、インターバル期間が未だ終了していない場合(S52:NO)には、主制御CPU56は、S53において、扉インターバルタイマカウンタ106のカウンタ値を1減算して、特典付与処理(S5)を終了する。
インターバル期間が終了した場合(S52:YES)には、主制御CPU56は、S54において、ソレノイド駆動回路72を通じて扉開閉用ソレノイド70へ電源供給を行なうことで、扉48を開く。続いて、主制御CPU56は、S55において扉開放フラグ112をONに設定し、S56において、扉用タイマカウンタ104のカウンタ値を予め定められた値にセットした後、S57以降の処理を行なう。
続いて、主制御CPU56は、S57において、遊技球が大入賞口46に入賞したか否かを判定する。具体的には、大入賞口46の内部に設けられたカウントスイッチ68が遊技球の通過を検出したか否かを判定し、カウントスイッチ68が遊技球の通過を検出した場合(S57:YES)には、S58において、入賞数カウンタ100のカウンタ値を1加算した後にS59以降の処理を実行する一方、カウントスイッチ68が遊技球の通過を検出していない場合(S57:NO)には、S59以降の処理を実行する。
続いて、主制御CPU56は、S59において、入賞数カウンタ100のカウンタ値が10以上か判定する。入賞数カウンタ100のカウンタ値が10以上でない場合(S59:NO)には、S60において、扉48の開放時間が経過したか否かを判定する。具体的には、扉用タイマカウンタ104のカウンタ値が「0」であるか否かを判定する。そして、扉48の開放時間が経過していない場合(S60:NO)には、S61において、扉用タイマカウンタ104のカウンタ値を1減算して、特典付与処理(S5)を終了する。
一方、S59において、入賞数カウンタ100のカウンタ値が10以上であった場合(S59:YES)またはS60において扉48の開放時間が経過した場合(S60:YES)には、主制御CPU56は、S62において扉48を閉じた後、S63において扉開放フラグ112をOFFにする。そして、S64において入賞数カウンタ100のカウンタ値を0にセットする。これにより、一回のラウンドが終了することとなる。
次に、主制御CPU56は、S65において、ラウンドカウンタ102のカウンタ値が14以上か否か、即ち、一度の大当たり遊技状態における最大ラウンド数に達したか否かを判定する。
ラウンドカウンタ102のカウンタ値が14以上でない場合(S65:NO)には、主制御CPU56は、次のラウンドを実施するために、S66においてラウンドカウンタ102のカウンタ値を1加算した後に、S67において、予め設定されたラウンド間インターバルの長さに対応した値を扉インターバルタイマカウンタ106にセットして、特典付与処理(S5)を終了する。
一方、一回の大当たり遊技における最大ラウンド数に達した場合(S65:YES)には、主制御CPU56は、S68において、ラウンドカウンタ102のカウンタ値を0に戻し、S69において大当たりフラグ108をOFFにした後に、特典付与処理(S5)を終了する。
次に、特典付与処理(S5)を終了した主制御CPU56は、S6において、出力処理を実行する。この出力処理は、主制御回路52が保持する各種データの出力や、主制御回路52に接続されている、図示しない払出制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板等へのコマンド送信を行うものである。
そして、主制御CPU56は、S7において、残余時間処理を行なう。残余時間処理は、次の割り込み処理が行なわれるまでの残余時間において、主制御RAM58の初期値決定用カウンタ82のカウンタ値を加算するものである。
続いて、表示制御回路54における、表示制御CPU130が実行する表示制御処理について、図11に基づいて説明する。先ず、表示制御CPU130は、S80において、カウンタ値更新処理を実行する。
カウンタ値更新処理は、演出パターンカウンタ148、予告判定カウンタ150、段階数決定カウンタ152、ランダム表示判定カウンタ154、タイミングカウンタ158のカウンタ値を1加算することによって行われる。
カウンタ値更新処理(S80)を終了した表示制御CPU130は、S81において、変動表示処理を実行する。かかる変動表示処理について、図12に基づいて説明する。先ず、表示制御CPU130は、S90において、変動表示フラグ170がONであるか否かを判定し、変動表示フラグ170がOFFである場合(S90:NO)には、S91において、変動パターンのデータを受信しているか否かを判定する。
変動パターンのデータを受信していない場合(S91:NO)には、表示制御CPU130は、変動表示処理(S81)を終了する一方、変動パターンのデータを受信している場合(S91:YES)には、表示制御CPU130は、S92において、変動表示フラグ170をONにした後、S93において、演出選択テーブルと、受信した変動パターン及び演出パターンカウンタ148のカウンタ値に基づいて、対応する演出パターンを選択して、演出パターン記憶エリア164に記憶する。このように、本実施形態においては、演出選択テーブル記憶エリア174、演出パターンカウンタ148、およびS93を含んで、演出態様選択手段が構成されている。
そして、表示制御CPU130は、S94において、ステップアップ予告設定処理を行なう。かかるステップアップ予告設定処理について、図13に基づいて説明する。
先ず、表示制御CPU130は、S110において、予告判定テーブルと予告判定カウンタ150のカウンタ値に基づいて、段階表示としてのステップアップ予告を行なうか否かを判定する。このように、本実施形態においては、予告判定テーブル記憶エリア178、予告判定カウンタ150、およびS110を含んで、段階表示判定手段が構成されている。そして、ステップアップ予告を行なわない場合(S110:NO)には、表示制御CPU130は、ステップアップ予告設定処理(S94)を終了する。
一方、ステップアップ予告を行なう場合(S110:YES)には、表示制御CPU130は、S111において、予告フラグ172をONにした後に、S112において、演出選択テーブルに基づいて、演出パターン記憶エリア164に記憶されている演出パターンが完全はずれの演出パターンか否かを判定する。
完全はずれの演出パターンである場合(S112:YES)には、表示制御CPU130は、S113において、完全はずれ段階数選択テーブルと段階数決定カウンタ152のカウンタ値に基づいてステップアップ予告の段階数を決定して、段階数記憶エリア166に記憶する一方、完全はずれの演出パターンでない場合(S112:NO)には、表示制御CPU130は、S114において、リーチ段階数選択テーブルと段階数決定カウンタ152のカウンタ値に基づいてステップアップ予告の段階数を決定して、段階数記憶エリア166に記憶する。このように、本実施形態においては、完全はずれ段階数選択テーブル記憶エリア180、リーチ段階数選択テーブル記憶エリア182、段階数決定カウンタ152、S113、S114を含んで、段階数決定手段が構成されている。
次に、表示制御CPU130は、S115において、ランダム表示判定テーブルとランダム表示判定カウンタ154のカウンタ値に基づいて、不定時表示としてのランダム表示を行うか否かを判定する。このように、本実施形態においては、ランダム表示判定テーブル記憶エリア184、ランダム表示判定カウンタ154、およびS115を含んで、不定時表示判定手段が構成されている。そして、ランダム表示を行わない場合(S115:NO)には、表示制御CPU130は、S116において、標準タイミングテーブルに記憶された各段階の標準タイミング(表19参照)を、表示タイミング記憶エリア168の対応する各段階の表示タイミングとして記憶して、ステップアップ予告設定処理(S94)を終了する。
一方、ランダム表示を行う場合(S115:YES)には、表示制御CPU130は、段階数記憶エリア166に記憶された数の各段階の表示タイミングをランダムに決定する。かかる表示制御CPU130の処理内容の概略を、予め図14に基づいて説明する。
例えば、段階数記憶エリア166に記憶された段階数、即ち、ステップアップ予告において表示する段階数が「4」である場合には、「St1」〜「St4」の各段階の表示タイミングを、前の段階(「St1」)から順にランダムに決定する。ここにおいて、本実施形態における表示制御CPU130は、先ず、「St1」の表示タイミングを決定する際には、図14(a)に示すように、残る「St2」〜「St4」の表示タイミングを確保した範囲内からランダムに選択する。従って、「St1」の表示タイミングとして設定可能な範囲の始点タイミング番号(図14中の「START」)は「t1」、終点タイミング番号(図14中の「END」)は、「t8」〜「t10」が「St2」〜「St4」用に確保されることによって「t7」とされて、「St1」の表示タイミングは、かかる「t1」〜「t7」の範囲内でランダムに選択される。
そして、例えば「St1」の表示タイミングとして「t3」が選択決定された場合には、図14(b)に示すように、「St2」の表示タイミングは、「St1」の表示タイミング「t3」より後で、且つ、残る「St3」、「St4」の表示タイミングを確保した「t4」〜「t8」の範囲内からランダムに決定される。
さらに、以降同様にして、例えば「St2」の表示タイミングとして「t6」が選択決定された場合には、図14(c)に示すように、「St3」の表示タイミングは、「St2」の表示タイミング「t6」より後で、且つ、残る「St4」の表示タイミングを確保した「t7」〜「t9」の範囲内からランダムに決定される。続いて、例えば「St3」の表示タイミングとして「t7」が選択決定された場合には、図14(d)に示すように、「St4」の表示タイミングは、「St3」の表示タイミング「t7」より後の「t8」〜「t10」の範囲内からランダムに決定されて、例えば、「t9」に選択決定される。
これにより、図14(e)に示すように、全ての段階「St1」〜「St4」の表示タイミングが、「t1」〜「t10」の範囲内から決定されることとなる。
上述の如き処理を実行するために、表示制御CPU130は、S117において、設定段階数カウンタ156のカウンタ値を「1」にセットした後に、S118において、設定可能範囲記憶エリア167の「始点タイミング番号」として「t1」を設定する。このように、設定可能範囲記憶エリア167の「始点タイミング番号」は、図14における「START」に相当する。
次に、表示制御CPU130は、S119において、数式1に基づいて、設定段階数カウンタ156のカウンタ値が示す段階の設定可能範囲の終点(図14における「END」)を決定して、設定可能範囲記憶エリア167の「終点タイミング番号」として記憶する。ここにおいて、数式1における「総段階数」とは、本パチンコ機10のステップアップ予告として表示され得る最大の段階数を示すものであり、当該ステップアップ予告で表示される段階数(即ち、段階数記憶エリア166に記憶された段階数)ではない。従って、本実施形態においては、最大で4段階の表示が行われることから、「総段階数」には、段階数記憶エリア166に記憶された値に関わらず、「4」が設定される。また、「現段階数」は、現在表示タイミングを決定している段階を示すものであり、例えば、現在「St1」の表示タイミングを設定している場合には「1」、「St2」であれば「2」とされる。かかる値としては、設定段階数カウンタ156のカウンタ値が用いられる。これにより、設定可能範囲の終点(「END」)には、残りの段階の表示タイミングを残した最も後のタイミングが設定されることとなる。
次に、表示制御CPU130は、S120において、数式2に基づいて、当該段階の表示タイミングをランダムに決定する。なお、数式2において、「START」は設定可能範囲記憶エリア167の「始点タイミング」として記憶されたタイミング番号であり、「END」は、設定可能範囲記憶エリア167の「終点タイミング」として記憶されたタイミング番号を示す。また、タイミングカウンタ値とは、タイミングカウンタ158のカウンタ値を示す。AmodBは、A/Bの剰余を示す。これにより、それぞれの段階の表示タイミングが、「START」から「END」(「START」および「END」を含む)の範囲内でランダムに決定されることとなる。
そして、表示制御CPU130は、S121において、決定した表示タイミングを、表示タイミング記憶エリア168の当該段階に対応する箇所に記憶する。
次に、表示制御CPU130は、S122において、設定段階数カウンタ156のカウンタ値と段階数記憶エリア166に記憶された段階数が等しいか否か、即ち、当該ステップアップ予告において表示しようとする全段階の表示タイミングを設定したか否かを判定する。
全段階の表示タイミングを設定した場合(S122:YES)には、表示制御CPU130は、ステップアップ予告設定処理(S94)を終了する。一方、全段階の表示タイミングを設定していない場合(S122:NO)には、表示制御CPU130は、S123において、設定段階数カウンタ156のカウンタ値を1加算する。
次に、表示制御CPU130は、S124において、数式3に基づいて次の段階の設定可能範囲の始点となる「START」を決定し、設定可能範囲記憶エリア167の「始点タイミング」として設定する。数式3は、S120において決定された前の段階の表示タイミングの1つ後の表示タイミングを、次の段階の「START」として設定するものである。例えば、前の段階として「St1」の表示タイミングが「t3」に決定された場合には、「前段階の表示タイミング」として「t3」に相当する「3」が設定されて、次の段階「St2」の「START」としては、「t3」の1つ後の「t4」に相当する「4」が設定されることとなる。
以上のように、本実施形態においては、タイミングテーブル記憶エリア186、設定段階数カウンタ156、タイミングカウンタ158、S117〜S124を含んで、表示タイミングランダム決定手段が構成されている。
このようなステップアップ予告設定処理(S94)を終了した表示制御CPU130は、S95において、演出パターン記憶エリア164に記憶されている演出パターンのデータ、特別図柄記憶エリア162に記憶されている特別図柄36a,36b,36cのデータとを、VDP138に送信して、VDP138にこれらのデータに基づく画像を液晶表示器34に表示させる表示開始処理を実行する。これにより、特別図柄36a,36b,36cの変動表示および演出表示が開始される。このように、本実施形態においては、VDP138、S95を含んで、演出画像表示手段が構成されている。そして、表示制御CPU130は、変動表示処理(S81)を終了する。
一方、変動表示フラグ170がONになっている場合(S90:YES)には、表示制御CPU130は、S96において、特別図柄36a,36b,36cを停止表示するための制御信号(停止コマンド)を受信したか否かを判定する。停止コマンドを受信している場合(S96:YES)には、表示制御CPU130は、S98以降の処理を実行する一方、停止コマンドを受信していない場合(S96:NO)には、表示制御CPU130は、S97において、ステップアップ予告表示処理を実行する。
図15に、ステップアップ予告表示処理(S97)を示す。先ず、表示制御CPU130は、S130において、予告フラグ172がONか否かを判定し、予告フラグ172がONでない場合(S130:NO)には、ステップアップ予告表示処理(S97)を終了する一方、予告フラグ172がONである場合(S130:YES)には、S131以降の処理を行なう。
表示制御CPU130は、S131において、予告タイマカウンタ159を1加算した後に、S132において、予告キャラクタ50a〜50dを表示する時刻が到達したか否かを判定する。具体的には、例えば、予告タイマカウンタ159のカウンタ値と、タイミングテーブル記憶エリア186に記憶されたカウンタ値を比較して、予告タイマカウンタ159がタイミング番号「t1」〜「t10」に相当するカウンタ値に到達したか否かを判定し、タイミング番号「t1」〜「t10」に相当するカウンタ値となった場合には、当該タイミング番号が表示タイミング記憶エリア168に記憶されているか否かを判定する。そして、当該タイミング番号が表示タイミング記憶エリア168に記憶されている場合に、予告時間が到達したと判定する。
予告時間が到達した場合(S132:YES)には、表示制御CPU130は、S133において、予告タイマカウンタ159のカウンタ値に対応する表示タイミングが設定された段階の予告キャラクタ50a〜50dのデータをVDP138に送信する。そして、VDP138は、受信したデータに基づく予告キャラクタ50a〜50dをキャラクタROM140から選択して、液晶表示器34表示されている演出画像に重ねて表示する。なお、かかる予告キャラクタ50a〜50dは、1つのタイミング番号の期間内に消去されるようになっている。
次に、表示制御CPU130は、S134において、段階数記憶エリア166に記憶された全ての段階の予告表示を完了したか否かを判定する。具体的には、例えば、前記の予告タイマカウンタ159のカウンタ値が表示タイミング記憶エリア168に記憶された表示タイミングに到達した時点で、当該タイミングが表示タイミング記憶エリア168に記憶された最後の表示タイミングであった場合には、全ての段階の予告表示を完了したと判断する。
全ての段階の予告表示を完了していない場合(S134:NO)には、表示制御CPU130は、ステップアップ予告表示処理(S97)を終了する一方、全ての段階の予告表示を完了した場合(S134:YES)には、表示制御CPU130は、S135において、予告タイマカウンタ159を「0」にリセットして、S136において、予告フラグ172をOFFにした後に、ステップアップ予告表示処理(S97)を終了する。このように、本実施形態においては、VDP138,予告タイマカウンタ159、表示タイミング記憶エリア168、S97を含んで、段階表示手段が構成されている。
一方、図12におけるS96において、停止コマンドを受信した場合(S96:YES)には、表示制御CPU130は、S98において、VDP138に対して、特別図柄36a,36b,36cの変動表示を終了して、S95で送信した特別図柄36a,36b,36cのデータに基づいて、特別図柄36a,36b,36cを停止表示させる特別図柄確定表示処理を実行する。
次に、表示制御CPU130は、S99において、演出選択テーブルと演出パターン記憶エリア164に記憶された演出パターンに基づいて、大当たりの演出パターンか否かを判定し、大当たりの演出パターンである場合(S99:YES)には、S100において、大当たりの演出表示を行なった後にS101以降の処理を実行する一方、大当たりの演出パターンでない場合(S99:NO)には、S101以降の処理を実行する。
そして、表示制御CPU130は、S101において、変動パターン記憶エリア160に記憶されている変動パターンのデータ、特別図柄記憶エリア162に記憶されている特別図柄36a,36b,36cのデータ、演出パターン記憶エリア164に記憶されている演出パターンのデータ,および表示タイミング記憶エリア168に記憶されている表示タイミングのデータを、それぞれ消去するデータ消去処理を実行する。
続いて、表示制御CPU130は、S102において、変動表示フラグ170をOFFにした後に、表示処理(S81)を終了する。
このような構造とされたパチンコ機10においては、ステップアップ予告において表示される予告キャラクタ50a〜50dを、多くの場合に表示される表示タイミングとは異なるタイミングで表示する制御を行なうことが出来る。これにより、予告キャラクタ50a〜50dの表示タイミングを遊技者に予測困難にすることが出来て、遊技者を演出表示の内容に注視させることが可能となる。従って、遊技者に演出表示の内容をより的確に伝達する表示制御を実現することが出来る。
そして、特に本実施形態においては、表示タイミングランダム決定手段186、156、158、S117〜S124を設けたことによって、表示しようとする全ての予告キャラクタ50a〜50dを、順序性を保ちつつ、且つ、許容された時間内で確実に表示することが出来る。即ち、単に従来公知のステップアップ予告の表示制御において各予告キャラクタの表示タイミングをランダムに決定するのみでは、表示しようとする予告キャラクタの表示タイミングを許容時間内に確保し切れずに、予告キャラクタが表示出来なくなる場合が生じ得る。しかし、本実施形態によれば、そのような後発の段階の表示タイミングを確保しつつ、各段階の表示タイミングをランダムに決定する表示タイミングランダム決定手段を設けたことによって、表示しようとする全ての予告キャラクタを所定の順序で且つ許容された時間内で確実に表示する制御が実現されており、これにより、ステップアップ予告の表示内容を遊技者に的確に伝達することが可能となるのである。
さらに、特に本実施形態においては、表示タイミングランダム決定手段において確保する残りの段階の表示タイミングとして、当該ステップアップ予告において表示される段階数に関わらず、パチンコ機10において表示され得る最大の段階数分の表示タイミングが確保されている(S119における(数式1)参照)。従って、表示予定に無い予告キャラクタの表示タイミングも確保されてステップアップ予告が行なわれることから、次の段階の予告キャラクタが表示されるかもしれないという期待を遊技者に与えることが出来て、ステップアップ予告の表示内容により注視させることが可能とされている。これにより、遊技者に対して、ステップアップ予告の表示内容をより的確に伝達する表示制御を実現することが可能とされているのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、前述の実施形態においては、各段階の表示タイミングをランダムに決定するに際して、各段階の設定可能範囲(図14参照)として、表示予定に無い段階の表示タイミングも確保して各段階の設定可能範囲を決定していたが(S119における(数式1)参照)、当該ステップアップ予告で表示する予定の段階数分の表示タイミングのみを確保する等しても良い。このような制御は、前述のS119の数式1における「総段階数」の代わりに、表示予定の段階数、即ち、S113乃至はS114で決定されて段階数記憶エリア166に記憶された段階数を用いることによって実現することが出来る。このようにすれば、表示予定に無い段階の表示タイミングは確保されないことから、表示予定に無い段階の表示タイミングまで確保されることによって、常に後の表示タイミングが余るようなことが回避される。
また、ステップアップ予告において行われる段階数の最大値は、段階的な変化が認識される少なくとも2段階以上であれば、何等限定されるものではない。また、1つの段階における差込画像として、複数種類の差込画像を用意する等しても良い。
更にまた、ステップアップ予告が行なわれる期間は、必ずしも右特別図柄36cが停止されるまでの間、即ちリーチ状態が発生するか否かが不確定である期間に限定されない。例えば、ステップアップ予告が行なわれる期間として、中特別図柄36bが停止表示されるまでの間を設定することによって、ステップアップ予告を、大当たりが発生するか否かの予告として用いることなども可能である。
また、前記実施形態においては、各段階の表示タイミングとして、予め定められた「t1」〜「t10」の10個のタイミングの中からランダムに選択するようにされていたが、例えば、設定可能範囲(図14参照)の「START」および「END」のタイミングに対応する予告タイマカウンタ159のカウンタ値の範囲内で乱数を得て、かかる乱数の値を当該段階の表示タイミングとして用いる等しても良い。このようにすれば、より細かいタイミングでステップアップ予告を行うことが出来る。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10:パチンコ機、30:遊技領域、34:液晶表示器、36a:左特別図柄、36b:中特別図柄、36c:右特別図柄、40:始動口、46:大入賞口、48:扉、50a:第一予告キャラクタ、50b:第二予告キャラクタ、50c:第三予告キャラクタ、50d:第四予告キャラクタ、52:主制御回路、54:表示制御回路