JP2008159431A - イオン発生電極、イオン発生装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 絶対湿度の低い雰囲気でのパッシェンの法則に則らない帯電を生じない、という問題を解決して、放電を伴わないイオン発生方法を見出し、所望の極性のイオンのみを効率的に取り出すことのできるイオン発生装置及びその方法並びに該イオン発生装置を備えた、除電装置、帯電装置、画像形成装置を提供する。
【解決手段】 上記課題は、導電性基板の表面にカーボンナノチューブが装着されているイオン発生装置にカーボンナノチューブの加湿機構を設けて、周知の絶対湿度が低い場合に加湿すること、加湿は水分に限らずアルコール等の有極性分子も有効であること、及びカーボンナノチューブ付近に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上とすることを特徴とするイオン発生方法によって解決する。
【選択図】 図7
【解決手段】 上記課題は、導電性基板の表面にカーボンナノチューブが装着されているイオン発生装置にカーボンナノチューブの加湿機構を設けて、周知の絶対湿度が低い場合に加湿すること、加湿は水分に限らずアルコール等の有極性分子も有効であること、及びカーボンナノチューブ付近に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上とすることを特徴とするイオン発生方法によって解決する。
【選択図】 図7
Description
この発明は、広くはイオン発生装置、帯電装置、除電装置、画像形成装置に関し、特に放電を伴わないイオン発生装置及びその方法に関する。
放電を用いたイオン発生装置は、イオン発生電極にパッシェンの法則(E=k・P、E:放電開始平均電界強度、P:気体圧力、k:気体により異なる定数)で示される放電開始平均電界強度以上の電界強度を得るのに必要とされる電圧以上を印加して、コロナ放電を発生させるものである。
一般に、常圧空気の場合、35.5kV/cmの電界強度が必要であるが、通常のイオン発生装置では、金属電極の形状を鋭角または細線状とし形状効果を利用することにより金属電極周辺における電界強度を増大させることができるため、数kVの印加電圧にてコロナ放電を開始することが可能である。
一般に、常圧空気の場合、35.5kV/cmの電界強度が必要であるが、通常のイオン発生装置では、金属電極の形状を鋭角または細線状とし形状効果を利用することにより金属電極周辺における電界強度を増大させることができるため、数kVの印加電圧にてコロナ放電を開始することが可能である。
従来のイオン発生装置は、電極として主に金属製の針または針金を用い、対極との間に数kV〜数十kVを印加して、針または針金状の電極近傍にコロナを発生させイオンを発生するものであり、代表的なものとして、複写機などに用いられるコロトロンやスコロトロンが挙げられる。
しかしながら、コロトロンやスコロトロン方式はいずれも感光体表面近くに帯電装置を配置してパッシェンの放電則に則ったコロナ放電を発生させるものであるため、この放電の際に、副生成物として、オゾン、窒素酸化物等が大量に発生し、これらは人体に有害なばかりか感光体を劣化させるという問題も引き起こす。
しかしながら、コロトロンやスコロトロン方式はいずれも感光体表面近くに帯電装置を配置してパッシェンの放電則に則ったコロナ放電を発生させるものであるため、この放電の際に、副生成物として、オゾン、窒素酸化物等が大量に発生し、これらは人体に有害なばかりか感光体を劣化させるという問題も引き起こす。
コロトロンやスコロトロンの金属電極にカーボンナノチューブをコーティングして電子放出により電子を発生させ、放出電子の衝突電離によりイオンを発生させ感光体に帯電させる画像形成装置が提案されている(特許文献1)。これによれば、金属電極より放出されるのが電子のみであり、負極性の帯電しか行えないという問題がある。
前述の問題を解決するために、電界放出電子と水分子の衝突電離により放電を伴わないイオン発生を行い、かつ、交番電界を印加することにより正極性イオンを取り出すことが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法によれば、交番電界により生成したイオンの中和が行われるだけでなく、単一極性、特に正極性のイオンのみ必要な場合、不要な負イオンを発生させてしまうため、効率が悪いという問題がある。
特開2002−258582号公報
特開2005−149983号公報
前述の問題を解決するために、電界放出電子と水分子の衝突電離により放電を伴わないイオン発生を行い、かつ、交番電界を印加することにより正極性イオンを取り出すことが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、この方法によれば、交番電界により生成したイオンの中和が行われるだけでなく、単一極性、特に正極性のイオンのみ必要な場合、不要な負イオンを発生させてしまうため、効率が悪いという問題がある。
本発明者も、イオン発生装置にカーボンナノチューブを用いて、コロナ放電を生じない低い電位、すなわち、パッシェンの放電則に則った放電の発生しない電位でイオンを発生させ、感光体に帯電を行っていたところ、大気中の絶対湿度が低い条件では、パッシェンの法則に則らない帯電が生じないことを見出した。
すなわち、絶対湿度の低い雰囲気では、被帯電体である感光体表面が所定の帯電電位まで帯電しないため、画像形成装置の帯電装置として使用することが出来ない。低湿度雰囲気で帯電装置として使用するには、帯電装置と被帯電体との間の電位を上げれば、帯電装置として使用可能であるが、これは、パッシェンの法則に則った放電であり、放電の副生成物として発生した陽イオンが、帯電装置と被帯電体の間に負荷された電界によってカーボンナノチューブ表面を攻撃し、帯電装置の帯電性能を著しく劣化させる。さらに、オゾンや窒素酸化物の人体への影響や感光体の劣化の問題もある。
本発明は、絶対湿度の低い雰囲気でのパッシェンの法則に則らない帯電を生じない、という問題を解決して、放電を伴わないイオン発生方法を見出し、所望の極性のイオンのみを効率的に取り出すことのできるイオン発生装置及びその方法並びに該イオン発生装置を備えた、除電装置、帯電装置、画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決するべく鋭意検討の結果、イオン発生装置にカーボンナノチューブを用いたイオン発生装置にて、カーボンナノチューブに有極性分子を付与すると、パッシェンの法則に則った放電の発生しない電位で十分な量のイオンが発生し、かつ任意の正負イオンが得られることを見出した。
さらに、イオン発生装置にカーボンナノチューブの加湿機構を設けて、周知の絶対湿度が低い場合に加湿すること、加湿は水分に限らずアルコール等の有極性分子も有効であること、及びカーボンナノチューブ付近に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上とすることが、パッションの法則に則らないイオン発生に有効であること等を見出して、本発明を完成するに至った。
さらに、イオン発生装置にカーボンナノチューブの加湿機構を設けて、周知の絶対湿度が低い場合に加湿すること、加湿は水分に限らずアルコール等の有極性分子も有効であること、及びカーボンナノチューブ付近に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上とすることが、パッションの法則に則らないイオン発生に有効であること等を見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
請求項1の発明は、導電性基板の表面にカーボンナノチューブが装着されているイオン発生電極と、前記カーボンナノチューブに有極性分子を付与する装置よりなる、イオン発生装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1のイオン発生装置において、有極性分子が水であって、カーボンナノチューブ付近の湿度を検知する湿度センサが設置されている、イオン発生装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のイオン発生装置において、イオン発生装置に正電圧を印加して、放電を伴うことなく正イオンを放出することを特徴とするイオン発生装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1または2のイオン発生装置において、イオン発生装置に負電圧を印加して、放電を伴うことなく負イオンを放出することを特徴とするイオン発生装置である。
また、請求項5の発明は、請求項1または2のイオン発生装置において、イオン発生装置に交流電圧を印加して、放電を伴うことなく正負イオンを放出することを特徴とするイオン発生装置である。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、除電装置である。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、帯電装置である。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置である。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を用いてイオンを発生させる際に、カーボンナノチューブ付近に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上とすることを特徴とするイオンである。
請求項1の発明は、導電性基板の表面にカーボンナノチューブが装着されているイオン発生電極と、前記カーボンナノチューブに有極性分子を付与する装置よりなる、イオン発生装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1のイオン発生装置において、有極性分子が水であって、カーボンナノチューブ付近の湿度を検知する湿度センサが設置されている、イオン発生装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のイオン発生装置において、イオン発生装置に正電圧を印加して、放電を伴うことなく正イオンを放出することを特徴とするイオン発生装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1または2のイオン発生装置において、イオン発生装置に負電圧を印加して、放電を伴うことなく負イオンを放出することを特徴とするイオン発生装置である。
また、請求項5の発明は、請求項1または2のイオン発生装置において、イオン発生装置に交流電圧を印加して、放電を伴うことなく正負イオンを放出することを特徴とするイオン発生装置である。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、除電装置である。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、帯電装置である。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置である。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を用いてイオンを発生させる際に、カーボンナノチューブ付近に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上とすることを特徴とするイオンである。
本発明により、雰囲気の絶対湿度が低い場合に、導電性基板の表面にカーボンナノチューブが装着されているイオン発生電極に有極性分子を付与することによって、パッシェンの法則に則らずコロナ放電を伴わない方式で、所望の極性のイオンのみを効率的に取り出すことを可能にした。その結果、オゾンや窒素酸化物を発生させることがなく、人体に悪影響を及ぼさないことはもとより、カーボンナノチューブや感光体の劣化も抑制することができる。
本発明のイオン発生装置は、導電性基板の表面にカーボンナノチューブが装着されているものである。
導電性基板は、ステンレス鋼やFe−Ni系合金等のNi合金、Ti、Co、Cr、Mo、Nb、Mn、Si等の金属およびその合金製のもののほか、ガラスやセラミック等の表面に金属や導電性半導体を蒸着等により被着させたもの等がある。半導体の例としては、導電性の良好なITO(錫ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2、TiO2などのn型酸化物半導体等を挙げることができる。
カーボンナノチューブは、炭素六員環の連なったグラフェンシートが丸まり円筒形になったものである。単層、2層から多層まであり、その直径は1〜数十nm、長さは1〜数μm程度のものである。このカーボンナノチューブは公知の方法で得られたものをそのまま使用することができるが、不純物の少なく、結晶性の高いものが望ましい。
カーボンナノチューブの装着手段は問うところではなく、例えば、特開2005−74472号公報記載のろう付、特開2005−190721号公報記載や特開2005−332612号公報記載や特開2005−332612号公報記載の中間層を設ける方法など如何なる方法によるものであってもよい。
図1は、本発明における実施形態に係るイオン発生装置を示す概略構成図である。金属製平板対極1と対向してカーボンナノチューブ2を設置したイオン発生電極3を配置する。この際対極1とイオン発生電極3との間隔を0.1〜0.5mm程度に設定することが好ましい。対極1とイオン発生電極3との空隙に向けて、有極性分子をカーボンナノチューブ2に付与するために有極性分子供給手段4を配置する。対極1とイオン発生電極3との間に直流印加電源5を接続し、電圧を印加して、その際の電流を電流計6にて測定するとともに、イオンカウンタ7で発生したイオン数を測定する。
有極性分子は、常温で液体であり、例示すれば、水、炭素数が1〜4の低級アルコールなどである。比誘電率(20℃、液体)が30以上、特に50以上のものが好ましい。
有極性分子供給手段において用いる装置は、有極性分子を噴霧、飛散、加熱蒸発、送風による気化などを利用するものでよく、公知の加湿器などを転用することができる。この装置の設置場所は、要は、カーボンナノチューブの周囲(厳密には表面と接する気相)に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上にできればよく、カーボンナノチューブに近接していなくともよい。
本発明のイオン発生装置には、有極性分子の分圧を測定できるセンサを付設することが好ましい。これは、有極性分子が水の場合には湿度センサ、アルコールの場合にはアルコールセンサが用いられ、周囲環境の水分が十分であればアルコール供給量を減らせることができるため、さらに湿度センサも付設することが好ましい。そして、これらのセンサの情報に基づいて、有極性分子を付与する装置の有極性分子の放出量をコントロールさせることができる。
本発明のイオン発生装置は、電子写真プロセスを用いた画像形成装置に用いることも可能であり、この画像形成装置には、その外、帯電装置により一様に帯電された感光体に光を照射して静電潜像を形成される露光部、この静電潜像にトナーを供給して顕在化する現像部、これを記録紙に転写する転写部、転写された像の定着部などが設けられる。ここで、電子写真プロセスとは、転写部と定着部を除くプロセスを意味しており、また、帯電装置によって帯電させる感光体は、複写機、ファクシミリ、プリンタなどで使用される公知のものでよく、代表的なものはOPC(organic photoconductor)と称されている有機感光体がアルミニウム等のドラム表面に被着されているものである。このOPCには、例えばフタロシアニン系のものが用いられている。
本発明では、基本的にパッシェンの法則に基づく放電開始電圧(電位差)より低い電圧で帯電を行わせる。パッシェンの法則では、火花放電電圧Eは気体圧Pと電極距離dの積に比例する。パッシェンの法則は平行平板電極を対向配置させ、均一電界を加えた際に放電開始、すなわち明確に電流が流れ出す電圧を示した実験式である。平行平板電極間に電圧を印加させた場合、パッシェンの法則で示される電圧まで増大させると電極間の絶縁が破壊され、火花放電が観察される。一方、針状電極や針金上電極を用いたコロトロン、スコロトロンでは、局所的に高い電界強度が加わる不均一電界であり、見かけ上はパッシェンの法則で示される電圧より低い電圧でコロナ放電を開始する。この際の電流は数〜数十μA以上であり、電流波形にピークの鋭いパルス状波形が現れる。また、電極周辺にコロナと呼ばれる発光部を生じる。見かけ上パッシェンの法則より低い電圧で放電を開始するが、パッシェンの法則を電界強度で整理すると、電界強度は気体によって定まる定数と電極間距離で定められ、コロナ放電開始電圧∝火花放電開始電圧であることから、本発明においてパッシェンの法則に基づく放電開始電圧とは、コロナ放電開始電圧以下として使用する。
一方、印加する電界の電圧があまりに低いと感光体への帯電が起こらない。この最低電圧も上記の測定方法で求めることができる。そこで、帯電装置に印加する電圧(感光体との電位差)は、帯電を生じる最低電圧から放電開始電圧の間であるが、放電開始電圧に対して25〜100%の範囲、好ましくは50〜80%の範囲とするのがよい。
カーボンナノチューブに付与する気体中の有極性分子の割合は、0.4vol%以上、好ましくは0.8vol%以上となるようにする。絶対湿度では、水分量が0.0025Kg/Kg乾燥空気以上、好ましくは、0.005Kg/Kg乾燥空気以上となるようにすることが好ましい。付与量の上限は、飽和蒸気圧で定まり、乾球温度10℃の場合は、分圧13vol%程度、絶対温度では0.008Kg/Kg乾燥空気程度であり、乾球温度40℃の場合は、分圧36vol%程度、絶対温度では0.023Kg/Kg乾燥空気程度である。
〔実施例1〕
図1に示した装置を用い、常圧下30℃の大気中において、対極1とイオン発生電極3との間隔を0.2mmとした。なお、有極性分子供給手段4として、対極1とイオン発生電極3との空隙に向け、乾燥窒素を噴射する機構を設け、乾燥窒素にバブリングにより、水蒸気を混合できるようにした。
図1に示した装置を用い、常圧下30℃の大気中において、対極1とイオン発生電極3との間隔を0.2mmとした。なお、有極性分子供給手段4として、対極1とイオン発生電極3との空隙に向け、乾燥窒素を噴射する機構を設け、乾燥窒素にバブリングにより、水蒸気を混合できるようにした。
図2及び図3に、有極性分子供給手段より水分量1.6vol%を混合した窒素ガスを供給した場合において、印加電圧と電流特性との関係、印加電圧とイオン数との関係及び電流波形を示す。
図2より、極性によらず250V以上印加すると電流が流れ出し、電圧の増加に比例して電流値とイオン数が増加することがわかる。また、図3より、このときの電流波形はなだらかに連続した波形であり、放電光も観察されない。さらに、電圧を1000Vまで上昇させても、鋭いピークを有したパルス状の電流波形は観察されなかった。
図2より、極性によらず250V以上印加すると電流が流れ出し、電圧の増加に比例して電流値とイオン数が増加することがわかる。また、図3より、このときの電流波形はなだらかに連続した波形であり、放電光も観察されない。さらに、電圧を1000Vまで上昇させても、鋭いピークを有したパルス状の電流波形は観察されなかった。
〔実施例2〕
実施例1において、有極性分子供給手段として、水蒸気の代わりにアルコール蒸気を使用した。
図4に、有極性分子供給手段よりエタノール1.6vol%を混合した窒素ガスを供給した場合において、印加電圧と電流特性との関係及び印加電圧とイオン数との関係を示す。水蒸気付与の場合と同様に、極性によらず300V以上印加すると電流が流れ出し、電圧の増加に比例して電流値とイオン数が増加することを確認した。ただし、電流値とイオン数の傾きは水蒸気の場合に比べて小さい。
実施例1において、有極性分子供給手段として、水蒸気の代わりにアルコール蒸気を使用した。
図4に、有極性分子供給手段よりエタノール1.6vol%を混合した窒素ガスを供給した場合において、印加電圧と電流特性との関係及び印加電圧とイオン数との関係を示す。水蒸気付与の場合と同様に、極性によらず300V以上印加すると電流が流れ出し、電圧の増加に比例して電流値とイオン数が増加することを確認した。ただし、電流値とイオン数の傾きは水蒸気の場合に比べて小さい。
〔比較例1〕
実施例1において、有極性分子供給手段として、乾燥窒素のみを使用した。
図5及び図6に、印加電圧と電流特性との関係、印加電圧とイオン数との関係及び電流波形を示す。
図5より、極性によらず800V以上印加すると急激に電流が流れ出し、イオン数も増加することがわかる。また、図6より、このときの電流波形は鋭いピークを有したパルス状の波形であり、放電を伴っていた。
実施例1において、有極性分子供給手段として、乾燥窒素のみを使用した。
図5及び図6に、印加電圧と電流特性との関係、印加電圧とイオン数との関係及び電流波形を示す。
図5より、極性によらず800V以上印加すると急激に電流が流れ出し、イオン数も増加することがわかる。また、図6より、このときの電流波形は鋭いピークを有したパルス状の波形であり、放電を伴っていた。
〔実施例3〕
図1に示した装置を用い、常圧下30℃の大気中において、有極性分子供給手段より供給する窒素ガスの水分量を変化させた際の印加電圧700Vにおけるイオン数を測定した。なお、窒素ガスの温度は周囲温度になるように調整している。
図1に示した装置を用い、常圧下30℃の大気中において、有極性分子供給手段より供給する窒素ガスの水分量を変化させた際の印加電圧700Vにおけるイオン数を測定した。なお、窒素ガスの温度は周囲温度になるように調整している。
図7に、水分量1.6vol%におけるイオン数を100として、水分量とイオン数との関係を示す。図7より、水分量0.4vol%になればイオンが観測され始め、水分量0.8vol%以上になれば水分量に比例してイオン数も増加することがわかる。
さらに、水分量0.4〜0.8vol%の間は非線形であるが、これはイオン発生電極に設置したカーボンナノチューブの一部のみが動作しているためと考えられる。換言すれば、水分量0.8vol%以上においては水分量を制御することによりイオン数を線形に変化させることができ、制御性の良いイオン発生源とすることができる。
〔実施例4〕
図1に示した装置を用い、常圧下30℃の大気中において、有極性分子供給手段より1.6vol%の水分を含む窒素ガスを供給し、印加電圧±700Vの矩形波交番電圧印加におけるイオン数を測定した。なお、交番周波数は0.5Hzとした。その結果を図8に示す。図8より、電圧印加周波数に応じてイオンの極性も変化することがわかる。
図1に示した装置を用い、常圧下30℃の大気中において、有極性分子供給手段より1.6vol%の水分を含む窒素ガスを供給し、印加電圧±700Vの矩形波交番電圧印加におけるイオン数を測定した。なお、交番周波数は0.5Hzとした。その結果を図8に示す。図8より、電圧印加周波数に応じてイオンの極性も変化することがわかる。
〔実施例5〕
図9に、図1の装置に、イオン送風用のファン8、ポリエチレンテレフタレート製板でできた被帯電体9、被帯電体9の表面電位を測定する表面電位計10を付加した装置を示す。図9に示した装置を用いることにより、帯電装置及び除電装置としての効果を確認することにした。
図9において、イオン発生電極3と被帯電体9との距離を10cmとし、有極性分子供給手段4より1.6vol%の水分を含む窒素ガスを供給した。最初の1分間はイオン発生電極に−700Vを印加して、その後1分間は電圧無印加状態とした後、±700Vの周波数0.5Hzの交番電界を1分間イオン発生電極に印加した。
図9に、図1の装置に、イオン送風用のファン8、ポリエチレンテレフタレート製板でできた被帯電体9、被帯電体9の表面電位を測定する表面電位計10を付加した装置を示す。図9に示した装置を用いることにより、帯電装置及び除電装置としての効果を確認することにした。
図9において、イオン発生電極3と被帯電体9との距離を10cmとし、有極性分子供給手段4より1.6vol%の水分を含む窒素ガスを供給した。最初の1分間はイオン発生電極に−700Vを印加して、その後1分間は電圧無印加状態とした後、±700Vの周波数0.5Hzの交番電界を1分間イオン発生電極に印加した。
図10に、表面電位計における被帯電体の表面電位の経時変化を示す。図10より、最初の1分間で帯電、最後の1分間で除電を行うことができることを確認した。
さらに、被帯電体の表面電位に応じて、交番電界の波形、例えば正極期間と負極期間の比率や負電圧、正電圧の波高値を制御することにより、より迅速に除電することが可能であることは言うまでもない。
さらに、被帯電体の表面電位に応じて、交番電界の波形、例えば正極期間と負極期間の比率や負電圧、正電圧の波高値を制御することにより、より迅速に除電することが可能であることは言うまでもない。
〔実施例6〕
図11に示す装置は、長さ100mmのITOコーティングガラス(導電性ガラス)21にカーボンナノチューブ22を設置したイオン発生電極12を円筒状有機感光体11と対向して取り付け、有極性分子を付与する装置として0.8vol%のエタノール17を混合した乾燥空気をイオン発生電極12に吹付けるように配置した。感光体11は表面速度100mm/secで回転し、感光体の円周方向に沿って、イオン発生電極、潜像作成用露光部13、現像部14、記録紙18への転写部15、除電部16が順次配置された画像形成装置である。
図11に示す装置は、長さ100mmのITOコーティングガラス(導電性ガラス)21にカーボンナノチューブ22を設置したイオン発生電極12を円筒状有機感光体11と対向して取り付け、有極性分子を付与する装置として0.8vol%のエタノール17を混合した乾燥空気をイオン発生電極12に吹付けるように配置した。感光体11は表面速度100mm/secで回転し、感光体の円周方向に沿って、イオン発生電極、潜像作成用露光部13、現像部14、記録紙18への転写部15、除電部16が順次配置された画像形成装置である。
イオン発生電極と感光体との間隙を0.5mmとし、印加電圧を−1200Vとして画像形成装置としての機能を確認した。
有極性分子を付与する装置を用いない場合には、感光体が帯電せずに、潜像の形成が不可能であったのに対し、有極性分子を付与する装置を用いた場合、潜像作成用光源の動きに応じた模様が記録紙に転写された。
この状態で、連続100枚の電子写真作成を行ったが、転写画像に劣化等見られなかった。
有極性分子を付与する装置を用いない場合には、感光体が帯電せずに、潜像の形成が不可能であったのに対し、有極性分子を付与する装置を用いた場合、潜像作成用光源の動きに応じた模様が記録紙に転写された。
この状態で、連続100枚の電子写真作成を行ったが、転写画像に劣化等見られなかった。
本発明のイオン発生装置は、除電装置、帯電装置、及び複写機、ファクシミリ、プリンタなどの電子写真プロセスを用いた画像形成装置などに使用可能である。
1 金属製平板対極
2 カーボンナノチューブ
3 イオン発生電極
4 有極性分子供給手段
5 直流印加電源
6 電流計
7 イオンカウンタ
8 ファン
9 被帯電体
10 表面電位計
11 感光体
12 イオン発生電極
13 露光部
14 現像部
15 転写部
16 除電部
17 エタノール
18 記録紙
19 定着部
20 外部電源
21 導電性ガラス
22 カーボンナノチューブ
23 ファン
24 エタノール容器
2 カーボンナノチューブ
3 イオン発生電極
4 有極性分子供給手段
5 直流印加電源
6 電流計
7 イオンカウンタ
8 ファン
9 被帯電体
10 表面電位計
11 感光体
12 イオン発生電極
13 露光部
14 現像部
15 転写部
16 除電部
17 エタノール
18 記録紙
19 定着部
20 外部電源
21 導電性ガラス
22 カーボンナノチューブ
23 ファン
24 エタノール容器
Claims (9)
- 導電性基板の表面にカーボンナノチューブが装着されているイオン発生電極と、前記カーボンナノチューブに有極性分子を付与する装置よりなる、イオン発生装置
- 有極性分子が水であって、カーボンナノチューブ付近の湿度を検知する湿度センサが設置されている、請求項1記載のイオン発生装置
- イオン発生装置に正電圧を印加して、放電を伴うことなく正イオンを放出することを特徴とする請求項1または2記載のイオン発生装置
- イオン発生装置に負電圧を印加して、放電を伴うことなく負イオンを放出することを特徴とする請求項1または2記載のイオン発生装置
- イオン発生装置に交流電圧を印加して、放電を伴うことなく正負イオンを放出することを特徴とする請求項1または2記載のイオン発生装置
- 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、除電装置
- 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、帯電装置
- 請求項1乃至7のいずれか1つに記載のイオン発生装置を備えたことを特徴とする、画像形成装置
- 請求項1乃至5のいずれか1つに記載のイオン発生装置を用いてイオンを発生させる際に、カーボンナノチューブ付近に付与する気体中の有極性分子の割合を0.4vol%以上とすることを特徴とするイオン発生方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006347616A JP2008159431A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | イオン発生電極、イオン発生装置及びその方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006347616A JP2008159431A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | イオン発生電極、イオン発生装置及びその方法 |
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JP2008159431A true JP2008159431A (ja) | 2008-07-10 |
Family
ID=39660104
Family Applications (1)
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JP2006347616A Pending JP2008159431A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | イオン発生電極、イオン発生装置及びその方法 |
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JP (1) | JP2008159431A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7647014B2 (en) | 2006-02-13 | 2010-01-12 | Sharp Kabushiki Kaisha | Pretransfer charging device and image forming apparatus including same |
-
2006
- 2006-12-25 JP JP2006347616A patent/JP2008159431A/ja active Pending
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US7647014B2 (en) | 2006-02-13 | 2010-01-12 | Sharp Kabushiki Kaisha | Pretransfer charging device and image forming apparatus including same |
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