本発明は、画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムに関する。
今日、オフィス等において、クライアントPC、プリンタや複合機等の画像形成装置、文書管理サーバ等を配したシステム環境において、電子文書データの記録媒体(紙)への印刷、紙に印刷された文書のスキャンイン、スキャンインした画像データの複写や転送等の種々の処理に際して文書のセキュリティを強化する機運が高まっている。
こうした背景の下、上記システム環境での文書処理を前提とした文書セキュリティ向上の一環として、下記特許文献1には、任意の電子文書を派生元として印刷文書が生成される場合に、当該印刷文書の印刷ページ毎に異なる用紙IDを埋め込んでおき、複合機等での操作時に印刷された用紙のIDを読取り、電子文書の派生文書として記録し、履歴を取って管理する技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、印刷ページ毎に異なる用紙IDを埋め込んでおき、複合機等での操作時に印刷された用紙のIDを読取り、対応する電子データにアクセスする技術が開示されている。
特開2005−259108号公報
特開2005−190365号公報
本発明は、頁識別情報が付与された複数の紙文書の読取画像情報から1または複数の頁識別情報が抽出された場合に、当該頁識別情報に対応する頁の頁サイズをも使用することで、読取画像情報の画像処理に対応可能な画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像処理装置の発明は、電子文書を印刷した紙文書に付与される頁識別情報に対応して前記電子文書の頁サイズ情報を管理する管理手段と、前記頁識別情報が付与された紙文書から頁サイズを含む画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った画像情報から前記頁識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記頁識別情報に対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報を前記管理手段から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが一致したことを条件に前記読取手段で読み取った画像情報を処理する画像処理手段とを具備する。
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが異なる場合は、前記読取手段で読み取った画像情報の処理を中止する中止手段を更に具備する。
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが異なる場合は、異常を報知する報知手段を更に具備する。
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記紙文書に付与される頁識別情報は、前記文書情報の画像と共に印刷され、前記電子文書の各頁毎に算出したハッシュ値を表す二次元符号情報である。
請求項5記載の画像処理装置の発明は、電子文書を印刷した紙文書に付与される頁識別情報に対応して前記電子文書の頁サイズ情報を管理する管理手段と、前記頁識別情報が付与された紙文書から頁サイズを含む画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った画像情報から前記頁識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記頁識別情報に対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報を前記管理手段から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが異なる場合は、前記抽出手段により別の頁識別情報が抽出されたかを判別する判別手段と、前記判別手段により別の頁識別情報が抽出されたと判別された場合は、前記読取手段で読み取った画像情報を複数頁の画像として処理する複数頁画像処理手段とを具備する。
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記複数頁画像処理手段は、前記抽出手段で抽出した頁識別情報に基づき前記取得手段で取得した印刷元の電子文書の頁サイズ情報に基づき前記読取手段で読み取った画像情報を領域分割して複数頁の画像として処理する。
請求項7記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記管理手段は、前記頁識別情報に対応して前記電子文書の頁サイズ情報および各頁の画像を管理し、前記取得手段は、前記抽出手段で抽出した前記頁識別情報に対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報および各頁の画像を前記管理手段から取得し、前記複数頁画像処理手段は、前記取得手段で取得した印刷元の電子文書の頁サイズ情報および各頁の画像に基づき前記読取手段で読み取った画像情報を領域分割して複数頁の画像として処理する。
請求項8記載の発明は、上記請求項5乃至7のいずれかに記載の発明において、前記判別手段により別の頁識別情報が抽出されなかったと判別された場合は、前記読取手段で読み取った画像情報の処理を中止する中止手段を更に具備する。
請求項9記載の発明は、上記請求項5乃至8のいずれかに記載の発明において、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが異なる場合は、異常を報知する報知手段を更に具備する。
請求項10記載の発明は、上記請求項5乃至9のいずれかに記載の発明において、前記紙文書に付与される頁識別情報は、前記文書情報の画像と共に印刷され、前記電子文書の各頁毎に算出したハッシュ値を表す二次元符号情報である。
請求項11記載の画像処理システムの発明は、電子文書を印刷した紙文書に付与される頁識別情報に対応して前記電子文書の頁サイズ情報を管理する管理装置と、電子文書を紙文書として印刷する際、各頁に対応する紙文書に、該各頁の文書情報に各頁を識別する頁識別情報を付与して画像形成する画像形成装置とを有し、前記画像形成装置は、前記頁識別情報が付与された紙文書から頁サイズを含む画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った画像情報から前記頁識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記頁識別情報に対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報を前記管理装置から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが一致したことを条件に前記読取手段で読み取った画像情報を処理する画像処理手段とを具備する。
請求項12記載の画像処理システムの発明は、電子文書を印刷した紙文書に付与される頁識別情報に対応して前記電子文書の頁サイズ情報を管理する管理装置と、電子文書を紙文書として印刷する際、各頁に対応する紙文書に、該各頁の文書情報に各頁を識別する頁識別情報を付与して画像形成する画像形成装置とを有し、前記画像形成装置は、前記頁識別情報が付与された紙文書から頁サイズを含む画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った画像情報から前記頁識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記頁識別情報に対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報を前記管理装置から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが異なる場合は、前記抽出手段により別の頁識別情報が抽出されたかを判別する判別手段と、前記判別手段により別の頁識別情報が抽出されたと判別された場合は、前記読取手段で読み取った画像情報を複数頁の画像として処理する複数頁画像処理手段とを具備する。
請求項13記載の画像処理プログラムの発明は、コンピュータを、電子文書を印刷した紙文書に付与される頁識別情報に対応して前記電子文書の頁サイズ情報を管理する管理手段と、前記頁識別情報が付与された紙文書から頁サイズを含む画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った画像情報から前記頁識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記頁識別情報に対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報を前記管理手段から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが一致したことを条件に前記読取手段で読み取った画像情報を処理する画像処理手段ととして機能させる。
請求項14記載の画像処理プログラムの発明は、コンピュータを、電子文書を印刷した紙文書に付与される頁識別情報に対応して前記電子文書の頁サイズ情報を管理する管理手段と、前記頁識別情報が付与された紙文書から頁サイズを含む画像情報を読み取る読取手段と、前記読取手段で読み取った画像情報から前記頁識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した前記頁識別情報に対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報を前記管理手段から取得する取得手段と、前記取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと前記読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが異なる場合は、前記抽出手段により別の頁識別情報が抽出されたかを判別する判別手段と、前記判別手段により別の頁識別情報が抽出されたと判別された場合は、前記読取手段で読み取った画像情報を複数頁の画像として処理する複数頁画像処理手段ととして機能させる。
請求項1記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された紙文書を読み取った場合にその読取データに対する画像処理を行うか否かを頁サイズに基づき決定することができる。
請求項2記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された紙文書を複数枚読み取った場合に画像処理を行わずに済む。
請求項3記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された紙文書を複数枚読み取った場合に、ユーザに、複数枚読取による入力データ異常を知らしめることができる。
請求項4記載の画像処理装置の発明によれば、文書の各頁毎に、当該各頁の電子文書データを基に生成した一意の頁IDを付与することができる。
請求項5記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された複数の紙文書の読取データから複数の頁IDを抽出し、各紙文書個別の画像処理を行うか否かを頁サイズに基づき決定することができる。
請求項6記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された複数の紙文書の読取データを、各紙文書の頁サイズの大きさに分け、各紙文書個別の画像処理を行うことができる。
請求項7記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された複数の紙文書それぞれのセット方向等に拘らず、その読取データから、各紙文書個別の画像処理を行うことができる。
請求項8記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された複数の紙文書の読取データから頁IDが1つしか抽出されなかった場合に画像処理を行わずに済む。
請求項9記載の画像処理装置の発明によれば、頁IDが付与された複数の紙文書の読取データから頁IDが1つしか抽出されない読取ミスが生じたことをユーザに報知できる。
請求項10記載の画像処理装置の発明によれば、文書の各頁毎に、当該各頁の電子文書データを基に生成した一意の頁IDを付与することができる。
請求項11記載の画像処理システムの発明によれば、文書管理装置と複合機等の画像形成装置を通信接続した環境下で、画像形成装置が、頁IDが付与された紙文書を読み取った場合にその読取データに対する画像処理を行うか否かを頁サイズに基づき決定することができる。
請求項12記載の画像処理システムの発明によれば、文書管理装置と複合機等の画像形成装置を通信接続した環境下で、画像形成装置が、頁IDが付与された複数の紙文書の読取データから複数の頁IDを抽出し、各紙文書個別の画像処理を行うか否かを頁サイズに基づき決定することができる。
請求項13記載の画像処理プログラムの発明によれば、読取データから1または複数の頁IDが抽出された場合のいずれにも対応するために、頁IDが付与された紙文書を読み取った場合にその読取データに対する画像処理を行うか否かを頁サイズに基づき決定するように制御できる。
請求項14記載の画像処理プログラムの発明によれば、頁IDが付与された複数の紙文書の読取データから複数の頁IDを抽出し、各紙文書個別の画像処理制御が行える。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる画像処理システムの全体構成を示すブロック図である。
この画像処理システムは、クライアント端末10、文書管理装置20、画像形成装置30、ポリシー管理装置40の各装置を、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等で構成されたネットワーク(NW)60を介して接続して構成される。
各装置は、それぞれCPU(Central Processing Unit)、主記憶手段としてのメモリであるROM(Read Oniy Memory)やRAM(Random Access Memory)、周辺記憶手段としてのハードディスク、入力インタフェース、通信インタフェース等から構成されており、その機能構成について、図2乃至図5を参照して説明する。
図2は、図1におけるクライアント端末10の機能構成を示すブロック図である。
クライアント端末10は、PC(パーソナル・コンピュータ)等の汎用コンピュータにより実現され、図2に示すように、キーボードやマウス等の入力デバイスから成る入力/操作部11、操作ガイダンスや動作状態等の各種情報を表示する表示部12、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部13、装置全体の制御を行う制御部14、文書管理装置20、画像形成装置30、ポリシー管理装置40等とNW60を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部15を備えて構成される。
クライアント端末10において、制御部14には、入力/操作部11での所定の操作に応じて文書ファイル(電子文書データ:以下、電子文書)などの各種の操作(生成、保存、表示、編集、印刷指示等)に関する処理を行うアプリケーション部141、入力/操作部11での所定操作に応じて、文書管理装置20への電子文書などの情報の登録処理や、文書管理装置20から電子文書などの情報を取得する処理を行う情報登録/取得部142、入力/操作部11での所定の印刷指示操作に基づき印刷対象の電子文書の印刷データとその処理命令から成る印刷ジョブを生成して画像形成装置30に送出する印刷ジョブ生成部143、情報登録/取得部142による電子文書の登録処理や、印刷ジョブ生成部143による電子文書の印刷指示処理に際して該登録あるいは印刷対象の電子文書に対応する文書属性情報を生成する文書属性情報生成部144、後述するように、ポリシー管理装置40と協働し、例えば、ユーザからの電子文書の処理(閲覧、印刷等)要求を受付けて、該電子文書の文書IDを基に、該電子文書の文書処理に関する権限をポリシー管理装置40に問合せてその権限を取得し、該取得した権限に基づいて当該文書処理を実行するか禁止するかの文書処理許否制御を行う文書処理許否制御部145を具備して構成される。
文書属性情報生成部144は、上記文書属性情報として、電子文書の文書管理装置20への登録処理に際しては、該文書を識別する文書IDを含む登録文書属性情報を生成する。
また、電子文書を生成または取得(例えば、文書管理装置20から)して画像形成装置30に印刷指示する際には、該印刷元の電子文書を識別する文書識別情報(文書ID)、該電子文書の各頁を識別する頁識別情報(頁ID)、該各頁の論理的な頁番号、各頁のサイズ情報等を含む印刷文書属性情報を生成する。
情報登録/取得部142は、入力/操作部11で所望の電子文書の登録操作がなされると、該電子文書の登録要求を文書管理装置20に送出して該電子文書を登録させると共に、この処理に合わせて文書属性情報生成部144により生成される該登録対象の電子文書に関する登録文書属性情報や該登録に関連する各種のメタデータの登録要求を文書管理装置20に送出し、これらの情報を登録させる。
また、入力/操作部11で電子文書の印刷指示操作がなされると、印刷ジョブ生成部143は、該電子文書の印刷ジョブを生成して指定された画像形成装置30に送出することにより該電子文書を印刷出力させる。
この印刷処理に際し、情報登録/取得部142は、該電子文書の印刷指示に応じて文書属性情報生成部144により生成される該印刷対象の電子文書に関する印刷文書属性情報や該印刷に関連する各種のメタデータの登録要求を文書管理装置20に送出し、これらの情報を登録させる。
ここで、文書属性情報生成部144は、印刷文書属性情報の1つとして、当該印刷対象の電子文書の各頁毎に該各頁をそれぞれ識別するために付与する頁識別情報(頁ID)を生成する。
頁IDとしては、例えば、該印刷対象の電子文書の各頁の電子文書データに基づいてハッシュ値を算出し、該ハッシュ値を該当する頁の頁IDとして用いる。
印刷ジョブ生成部143は、入力/操作部11で所望の電子文書の印刷指示操作に応じて印刷ジョブを生成する際、文書属性情報生成部144により生成された各頁の頁IDを取得し、各頁の文書データに各頁に対応する頁IDを付与(描画)する指示内容を持つ描画命令から成る印刷ジョブを生成し、該印刷ジョブを指定された画像形成装置30に送出することにより該電子文書を印刷出力させる。
ここで、頁IDの描画命令としては、該頁IDを、例えば、各頁毎に、該各頁の文書データを基に算出されたハッシュ値に対応するQRコードとして描画する命令を採用することができる。
図3は、図1における文書管理装置20の機能構成を示すブロック図である。
文書管理装置20は、汎用のコンピュータから成り、図3に示すように、クライアント端末10や画像形成装置30等とNW60を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部21、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部22、例えば、ハードディスク駆動装置(HDD)で構成され、クライアント端末10から登録要求された電子文書等の情報を記憶する記憶装置23、装置全体の制御を行なう制御部24を具備して構成される。
文書管理装置20において、制御部24には、処理要求受付部241、情報管理部242及び情報取得配信処理部243が備わる。
処理要求受付部241は、クライアント端末10や画像形成装置30等から各種の情報の登録または取得要求を受付け、要求された情報登録または情報検索の実行を、情報管理部242または情報取得配信処理部243に指示する。
情報管理部242は、処理要求受付部241からの情報登録指示に基づき、要求された情報を記憶部22または記憶装置23に登録すると共に、登録された情報の管理を行う。
情報取得配信処理部243は、処理要求受付部241からの情報検索指示に基づき、取得要求された情報を記憶部22または記憶装置23から検索して、要求元の装置に配信する処理を行う。
具体的に、情報管理部242は、クライアント端末10から、アプリケーション部141により生成(または、文書管理装置20等から取得)された電子文書の登録要求を受付けた場合には、該電子文書を記憶装置23の所定領域に格納すると共に、引き続きクライアント端末10から送られてくる登録文書属性情報の登録要求を受付けて、該登録文書属性情報(電子文書の登録に際して属性情報生成部143により生成された文書ID等)、並びに該登録に関連する電子文書メタデータ(該電子文書の格納場所、作成日時、作成者等)を、例えば、記憶部22に設けられる登録文書属性管理テーブル(TB)221に登録する。
また、情報管理部242は、クライアント端末10が、生成または取得した電子文書を画像形成装置30に印刷指示して該電子文書を各頁に頁IDを付与した紙文書として印刷出力させる処理に合わせて送ってくる、属性情報生成部143により生成された印刷文書属性情報の登録要求を受付けて、該印刷文書属性情報〔印刷元の電子文書の文書ID、該電子文書の各頁に対応する頁ID、論理頁番号、頁サイズ情報等〕、並びに、該登録に関連する文書メタデータ〔印刷先の装置(画像形成装置)ID、印刷日時等〕を、例えば、記憶部22に設けられる印刷文書属性管理テーブル(TB)222に登録する。
また、情報管理部242は、画像形成装置30から、該画像形成装置30が頁IDの付与された紙文書を読取走査(スキャン)して得た読取画像データ(スキャンデータ)から生成したスキャン文書の登録要求を受付けた場合に、該スキャン文書を記憶装置23の所定領域に格納すると共に、上記スキャン文書登録要求に合わせて送られてくるスキャン文書属性情報の登録要求を受付けて、該スキャン文書属性情報(スキャン文書の文書ID等)、並びに該スキャンに関連する電子文書メタデータ〔スキャン文書の格納場所、スキャン実行元の装置(画像形成装置)ID、スキャン日時等〕を、例えば、記憶部22に設けられるスキャン文書属性管理テーブル(TB)223に登録する。
ここで、記憶部22内のテーブル221,222,223は個別に設ける必要はなく、まとめて1つのテーブルとしても良い。
要は、電子文書の登録、印刷、スキャン等の派生処理に際してその都度文書IDを生成して、各派生処理段階で生成された派生文書の文書属性を管理できる構成であれば良い。
図4は、図1における画像形成装置30の機能構成を示すブロック図である。
この画像形成装置30は、例えば、原稿読取(スキャン)、複写(コピー)、印刷(プリント)、FAX(ファクシミリ通信)等の複数の機能を有する複合機であり、図4に示すように、プラテン上にセットされる原稿(紙文書)の画像をスキャンし、電気的な画像信号(画像データ)に変換する読取部(スキャナ部)31、読取部31により紙文書をスキャンして得られたスキャンデータや、クライアント端末10から送られてくる印刷ジョブから印刷データを生成するための画像処理を行う画像処理部32、スキャンデータや動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部33、画像処理部32により生成された印刷データに基づき電子写真プロセスを実行して記録媒体(記録用紙)に該印刷データに対応する画像を形成する画像形成部34、タッチパネル機能を有する大型ビットマップディスプレイ等から成る表示/操作部35、スキャン、コピー、プリント及びFAX等の各機能に係わる該当各部の動作制御等、装置全体の制御を行なう制御部36、クライアント端末10や後述するポリシー管理装置40等とNW60を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部37を備えて構成される。
制御部36には、クライアント端末10から通信I/F部37を通じて受信される印刷ジョブ、あるいは、読取部31により紙文書をスキャンして得られるスキャンデータを基に画像処理部32で印刷データを生成させ、画像形成部34で該印刷データに基づく画像を記録用紙に形成(印刷)して出力させる印刷制御を行う印刷制御部361が備わる。
特に、クライアント端末10からの印刷ジョブを受信した場合、印刷制御部361は、該印刷ジョブから、“電子文書の各頁の文書データを各頁に対応する頁IDを付与して描画する”ことを指示する描画命令を解析し、該解析結果に従い、印刷指示された電子文書を、各頁毎に、該各頁を識別する頁IDを付与して、それぞれの頁に相当する各記録用紙上に印刷出力させるように画像形成部34を制御する。
本願発明では、印刷制御部361での上記印刷制御によって、電子文書の各頁毎に、該各頁の文書データの画像と、当該各頁の頁IDの画像とが一緒に形成されて出力された記録用紙を紙文書と呼称する。
ここで、受信した印刷ジョブ中の頁IDの描画命令が、例えば、各頁IDの値をQRコードで描画することを指示している場合、各頁の紙文書には、印刷元の電子文書の当該頁の文書データに相当する画像と一緒に、当該頁の頁IDの値を持つQRコードの画像が併せ印刷される。
なお、頁ID(画像)としては、画像形成装置30の読取部31によりその画像を読取って頁IDの値を認識できる(機械可読可能な)ものであれば、QRコード以外にも、例えば、二次元バーコード等を用いることもでき、更には、これら二次元機械可読符号情報の他、数字、符合等の情報を用いても良い。
また、頁IDの印刷形態に関しては、当該頁の文書データ画像エリア内に埋め込み印刷するか、文書データ画像領域外に文書データ画像とは重なり合わないように印刷するか、単数にするか複数にするか等、任意の印刷形態を選ぶことができる。
以下の説明では、各頁の紙文書について、該当する頁の文書データ画像エリア外にQRコードを用いて頁IDを印刷するものとする。
この他、制御部36には、頁ID抽出部362、スキャン頁サイズ認識部363、情報取得部364、スキャン画像処理部365、文書処理許否制御部368が設けられる。
頁ID抽出部362は、頁IDが付与された紙文書の画像を読取部31によりスキャンして得たスキャンデータから頁IDを抽出する処理を行う。
スキャン頁サイズ認識部363は、上記スキャンデータの頁サイズを認識する処理を行う。
情報取得部364は、頁ID抽出部362により抽出された頁IDを基に、文書管理装置20にアクセスして、該文書管理装置20の印刷文書属性管理テーブル222で管理されている該頁IDに対応する印刷元の電子文書や、該印刷元の電子文書の印刷文書属性情報(頁サイズ情報を含む)などの情報取得処理を行う。
スキャン画像処理部365は、情報取得部364により取得された印刷元の電子文書の頁サイズ情報が示す頁サイズと、スキャン頁サイズ認識部363により認識された上記スキャンデータの頁サイズを比較して両者の頁サイズが一致するか否かを判定し、両方の頁サイズが一致したことを条件に、当該スキャンデータの処理を実行する。
文書処理許否制御部368は、後述するように、ポリシー管理装置40と協働し、例えば、読取部31で紙文書の画像をスキャンして得たスキャンデータから抽出した頁IDを基に印刷元文書の文書IDを特定し、該文書IDをキーに、該スキャンデータに対する文書処理(スキャン、コピー、FAX送信等)に関する権限をポリシー管理装置40に問い合わせてその権限を取得し、該取得した権限に基づいて当該文書処理(スキャン、コピー、FAX送信等)を実行するか禁止するかの文書処理許否制御を行う。
なお、図1においては、画像形成装置30を1台配置したシステム構成を例示しているが、これに限らず、複数台配置しても良い。
また、クライアント端末10からの印刷指示(印刷ジョブ)に基づき電子文書を各頁毎に頁IDを付与して紙文書として印刷する観点からは、画像形成装置30としては、図4に示した複合機に限らず、印刷機能のみを有するプリンタ(1または複数台)を併せて配置した構成としても良い。
図5は、図1におけるポリシー管理装置40の機能構成を示すブロック図である。
ポリシー管理装置40は、汎用のコンピュータから成り、図5に示すように、クライアント端末10や画像形成装置30等とNW60を介して通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部41、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部43、装置全体の制御を行なう制御部45を具備して構成される。
ポリシー管理装置40において、記憶部43には、文書権限情報管理テーブル(TB)431、権限情報詳細管理テーブル(TB)433が設けられる。
文書権限情報管理テーブル431には、文書を識別するための情報を示す「文書ID」と、この文書IDを持つ文書に対して許可された操作レベル(操作レベル1,2,3,…)を示す「操作権限」が保持される。
権限情報詳細管理テーブル433には、「操作権限」に対応して、当該権限で許可された操作の内容を示す「操作内容」が保持される。一例として、操作レベル1に対しては、許可する操作内容「閲覧」が保持され、操作レベル2に対しては、許可する操作内容「閲覧」、「印刷」が保持され、操作レベル3に対しては、許可する操作内容「閲覧」、「スキャン」、「コピー」、「印刷」が保持され、操作レベル4に対しては、許可する操作内容「閲覧」、「編集」、「スキャン」、「コピー」、「印刷」が保持される。
また、制御部45には、権限情報管理部451、権限情報検索配信処理部453が設けられる。
権限情報管理部451は、文書権限情報、権限情報詳細情報を、それぞれ対応する文書権限情報管理テーブル431、権限情報詳細管理テーブル433に登録する処理と該情報の管理を行う。
権限情報検索配信処理部453は、例えば、クライアント端末10の文書処理許否制御部145(図2参照)や、画像形成装置30の文書処理許否制御部368(図4参照)と協働して、これらの装置からの文書IDを含む権限問い合わせ要求を受付けて、該権限問い合わせ要求に含まれる文書IDに対応する文書の文書処理(「閲覧」、「印刷」、「スキャン」、「コピー」、「FAX送信」等)に関する権限を問い合わせ元の装置に配信する制御を行う。
ポリシー管理装置40と協働して実施する文書処理許否制御の一例として、例えば、クライアント端末10では、文書管理装置20により管理される保護文書〔権限(セキュリティポリシー)が設定されている文書〕にアクセスしようとする場合、ユーザの操作によりアプリケーションを起動し、セキュリティポリシーが設定された保護文書ファイルを開く。
その際、クライアント端末10では、ユーザに、所定の方法でユーザ認証を行わせてユーザIDを取得し、その後、文書処理許否制御部145が、保護文書ファイル(暗号化されている)に付加されている文書IDを抽出し、ポリシー管理装置40へ該文書IDとユーザIDを送信する。
一方、ポリシー管理装置40では、文書IDとユーザIDを受信すると、権限情報検索配信処理部453が、該受信した文書IDに対応付けられているそのユーザに設定されている操作レベルを文書権限情報管理テーブル431から調べ、更に、その操作レベルに基づいて、ユーザに設定された権限を権限情報詳細管理テーブル433から調べて、クライアント端末10の文書処理許否制御部145に通知する。
これに対し、クライアント端末10では、文書処理許否制御部145は、ポリシー管理装置40から送られる権限を基に閲覧権があるかないかを判断し、閲覧権がある場合には、ポリシー管理装置40から当該権限と共に送られてくる復号カギで保護文書ファイルの暗号を解いて、画面上に文書を表示する。
その後、表示された電子文書(保護文書)を印刷する場合(図8に示す制御シーケンス参照)には、この電子文書の文書IDをキーにポリシー管理装置40に対して権限を問い合わせ、ポリシー管理装置40から応答送信される権限を参照して印刷が許可されていることを確認したうえで画像形成装置30に印刷指示(印刷ジョブ)を送出し、頁IDが付与された紙文書を印刷させる。
また、ポリシー管理装置40と協働して実施する文書処理許否制御の一例として、画像形成装置(複合機)30の文書処理許否制御部368は、読取部31における紙文書のスキャン処理動作に際して以下のような制御を行う。
ここで、スキャン対象の紙文書は、クライアント端末10からの印刷指示に基づき、複合機やプリンタ等の画像形成装置30によって、頁毎にその頁の電子文書に相当する画像がその頁を識別する頁IDの画像と共に記録用紙上に形成されたものを前提とする。
画像形成装置30において、読取部31で紙文書をスキャンして得られるスキャンデータから、頁ID抽出部362により頁IDが抽出されると、文書処理許否制御部368は、該頁IDを基に文書管理装置20に問い合わせて、印刷文書属性管理テーブル222に該頁IDに対応して保持される印刷元の文書の文書IDを取得し、該文書IDをポリシー管理装置40へ送信する。
ポリシー管理装置40では、文書IDを受信すると、権限情報検索配信処理部453が、該受信した文書IDに対応付けられている操作レベルを文書権限情報管理テーブル431から調べ、更に、その操作レベルに基づいて、権限を権限情報詳細管理テーブル433から調べて、画像形成装置30に通知する。
画像形成装置30において、文書処理許否制御部368は、ポリシー管理装置40から送られる権限を基に、今回スキャンを行う契機となったユーザ操作(スキャン、コピー、FAX送信等の開始指示操作)に対応する文書処理(スキャン、コピー、FAX送信等)に関する権限があるか否かを調べ、権限がある場合には、例えば、スキャン画像処理部365に指示して上記スキャンデータを基に当該文書処理を実行させるように制御する。
このように、画像形成装置30において、紙文書の画像をスキャンして得たスキャンデータを基に文書処理を行う場合、スキャンデータから頁IDを抽出し、該頁IDを基に印刷元文書の文書IDを特定して、該文書IDに対応して所望の権限があること確認する必要がある。
ここで、このシステムで扱われる頁IDが付与された紙文書の性質上、読取部31の読取位置に複数の紙文書がセットされた状態でスキャンが開始され、該スキャンにより読取部31により得られるスキャンデータから1または複数の頁IDが抽出されることが起こり得る。
本発明の画像形成装置30によれば、かかるケースにおいても所望のプリント(コピー)結果やスキャン結果が得られる画像処理機能を有するものであり、以下、この画像処理機能について、各実施例に沿って詳しく説明する。
実施例1では、図1に示すシステム構成中、クライアント端末10、文書管理装置20、画像形成装置30及びポリシー管理装置40は、それぞれ、図2、図3、図4及び図5に示す機能ブロックから構成される。
本実施例のシステムでは、画像形成装置30により電子文書を頁IDを付与した紙文書として印刷する際、文書管理装置20が、該印刷元の電子文書の文書IDや各頁の頁ID、論理頁番号並びに頁サイズ等を含む印刷文書属性情報を管理する一方、画像形成装置30では、紙文書のスキャンに際し、該スキャンにより得たスキャンデータから頁IDを抽出し、該頁IDに対応する印刷元の電子文書の印刷文書属性情報(頁サイズ)を文書管理装置20から取得し、該取得した頁サイズと、該スキャンデータの頁サイズが一致することを条件に該スキャンデータの処理を実行する。
文書管理装置20における電子文書、並びに文書属性情報の管理は、以下に述べる、クライアント端末10からの文書管理装置20への文書登録処理(図6参照)、及びクライアント端末10からの印刷指示に基づく画像形成装置30での文書の印刷処理(図8参照)を通じて実現される。
図6は、本実施例のシステムでの文書登録処理に係わるクライアント端末10と文書管理装置20間の制御シーケンスを示す図である。
図6に示す文書登録処理に際し、クライアント端末10は、入力/操作部11での所定のユーザ操作に基づき、アプリケーション部141に指示してアプリケーション(文書処理アプリケーション)を起動し(ステップS101)、編集画面を表示して情報の入力を受付け、該入力情報に基づいて電子文書データを生成する(ステップS102)。
電子文書データ生成処理中、文書属性情報生成部144は、ユーザにより入力/操作部11で文書登録操作がなされたか否かを監視し(ステップS103)、登録操作がなされた場合(ステップS103YES)、例えば、登録設定画面を用いて所望の文書IDをユーザに入力させる等の方法により、該電子文書データを識別する文書IDを生成する(ステップS104)。
なお、上記ステップS102では、例えば、文書管理装置20等に事前に登録されている電子文書データを取得する処理も許容し、電子文書データが登録先から取得された場合、ステップS104では、その登録先から該電子文書データの文書IDを取得するようにしても良い。
次いで、情報登録/取得部142は、ステップS102で生成(または、取得)した電子文書データを登録する処理(ステップS105)と、ステップS104で生成(または、取得)した文書IDを含む各種データ(該電子文書データの登録に関するメタデータ)を登録する処理(ステップS106)を順次実施する。
ステップS105での電子文書データの登録処理に際し、情報登録/取得部142は、電子文書データを含む登録要求を文書管理装置20に送出する(ステップS105a)。
他方、文書管理装置20では、クライアント端末10が送出した上記電子文書登録要求を処理要求受付部241で受付けると、情報管理部242が、該登録要求に含まれる電子文書データを、例えば、記憶装置23の所定の格納場所に格納する(ステップS201:電子文書登録処理)。
また、上記ステップS106での電子文書メタデータ登録処理に際し、情報登録/取得部142は、該電子文書データの生成に際して文書属性情報生成部144により生成された文書IDと該文書登録に関する各種メタデータを含む登録要求を文書管理装置20に送出する(ステップS106a)。
他方、文書管理装置20では、クライアント端末10が送出した上記電子文書メタデータ登録要求を処理要求受付部241で受付けると、情報管理部242が、該登録要求に含まれる文書IDと上記ステップS201における電子文書データの格納場所とを対応付けて、例えば、記憶部22の登録文書属性管理テーブル221に格納する(ステップS202:電子文書メタデータ登録処理)。
図7は、文書管理装置20の登録文書属性管理テーブル221に登録される情報の一例を示す図である。
この例の登録文書属性管理テーブル221では、記憶装置23に記憶された文書1の文書ID(=docu1)及び該文書1の記憶装置23における格納場所(=ftp://xxxxx)と、記憶装置23に記憶された文書2の文書ID(=docu2)及び該文書2の記憶装置23における格納場所(=ftp://yyyyy)とが、それぞれ対応付けて格納されている。
なお、図7の例においては、登録文書属性管理テーブル221には、文書IDに対応して該文書IDを持つ電子文書データの格納場所のみが登録されることしか明示されていないが、更に、該電子文書データの作成者、作成日時等のメタデータを併せ格納するようにしても良い。
図8は、本実施例のシステムでの電子文書の印刷処理に係わるクライアント端末10、文書管理装置20及び画像形成装置30間の制御シーケンスを示す図である。
図8に示す電子文書印刷処理に際し、クライアント端末10は、例えば、図6のステップS101と同様の処理によりアプリケーションを起動し(ステップS121)、更に、図6のステップS102と同様の処理により電子文書データを生成または取得する(ステップS122)。
この電子文書データ生成処理中、文書属性情報生成部144は、ユーザにより入力/操作部11を用いて印刷開始操作がなされたか否かを監視し(ステップS123)、印刷開始操作がなされた場合(ステップS123YES)、該電子文書(印刷元の電子文書)を識別する文書IDを生成する(ステップS124)。
印刷元電子文書の文書IDは、図6のステップS104と同様の処理に生成することができ、電子文書データを登録先から取得した場合は、その文書IDも併せ取得可能である。
引き続き、文書属性情報生成部144は、該印刷元の電子文書データを解析し、該電子文書データの各頁の論理頁番号と、該各頁の頁IDと、当該各頁の頁サイズの各情報を生成する(ステップS125)。
この頁IDについては、例えば、印刷元の電子文書の各頁の電子文書データに基づいてハッシュ値を算出し、該ハッシュ値を該当する頁の頁IDとして生成する。
次いで、印刷ジョブ生成部142は、上記ステップS122で生成(または、取得)した電子文書データと、上記ステップS125で生成した頁IDとから印刷ジョブを生成する(ステップS126)。
ここで、印刷ジョブ生成部142は、印刷元の各頁の電子文書データを、それぞれ、該各頁に対応する頁IDを付与して描画する描画命令、より具体的には、各頁毎に、電子文書データと、該頁の電子文書データを基に頁IDとして算出されたハッシュ値に対応するQRコードとを描画する命令を記述した印刷ジョブを生成する。
上記印刷ジョブの生成後、情報登録/取得部142は、ステップS124で生成(または、取得)した該印刷元の電子文書の文書IDと、ステップS125で生成した各頁の論理頁番号、頁ID及び頁サイズの各情報をそれぞれ対応付けて登録する処理(ステップS127)を実施する。
この印刷文書属性情報登録処理に際し、情報登録/取得部142は、上記印刷元の電子文書の文書ID、該印刷元電子文書の各頁の論理頁番号、頁ID及び頁サイズの各情報を含む登録要求を文書管理装置20に送出する(ステップS127a)。
他方、文書管理装置20では、クライアント端末10が送出した上記印刷文書属性登録要求を処理要求受付部241で受付けると、情報管理部242が、該登録要求に含まれる文書ID、各頁の論理頁番号、頁ID及び頁サイズの各情報を個別に抽出し、これら各情報を相互に対応付けて、例えば、記憶部22の印刷文書属性管理テーブル222に格納する(ステップS211:印刷文書属性、メタデータ登録処理)。
その後、印刷ジョブ生成部143は、上記ステップS126で生成した印刷ジョブを通信I/F部15を通じ、NW60を介して画像形成装置30に送信する印刷指示処理を行う(ステップS128)。
これに対し、画像形成装置30では、クライアント端末10が送出した上記印刷ジョブを通信I/F部37を通じて受信すると、印刷制御部361が、該印刷ジョブに基づき紙文書の印刷処理(ステップS301)を実行する。
この紙文書の印刷処理において、印刷制御部361は、受信した印刷ジョブ中の描画命令を解析し、その解析結果に従って、画像処理部32で、各頁毎に、電子文書データを、該頁に対応する頁IDを示すQRコードと共に描画し得る印刷イメージデータを生成させ、画像形成部34により、該印刷イメージデータを基に、各頁毎に、その頁の電子文書データの画像と、その頁の頁IDに相当するQRコード画像が形成された頁数に相当する枚数の紙文書として印刷出力させる。
図9は、図8のステップS301での画像形成装置30による紙文書印刷出力例を示す概念図である。
図9において、同図(a)は、A4サイズ3頁で構成される文書IDが「docu001」の文書1の出力例であり、同図(b)は、A4サイズ2頁で構成される文書IDがdocu002の文書2の出力例である。
図9(a)に示すように、ユーザが、クライアント端末10から文書1の印刷指示を行った場合、該印刷指示に基づく印刷ジョブを受信した画像形成装置30では、まず、1頁目の電子文書データに相当する画像(=あいう)と該1頁目に対応する頁ID(=P0011)に相当する画像とが形成された1頁目の紙文書3401を出力し、次いで、2頁目の電子文書データに相当する画像(=かきく)と該2頁目に対応する頁ID(=P0012)に相当する画像とが形成された2頁目の紙文書3402を出力し、更に、3頁目の電子文書データに相当する画像(=さしす)と該3頁目に対応する頁ID(=P0013)に相当する画像とが形成された3頁目の紙文書3403を出力し終えた後、印刷動作を終了する。
また、図9(b)によれば、クライアント端末10から文書2の印刷指示を行った場合、該印刷指示に基づく印刷ジョブを受信した画像形成装置30は、まず、1頁目の電子文書データに相当する画像(=はひふ)と該1頁目に対応する頁ID(=P0021)に相当する画像とが形成された1頁目の紙文書3411を出力し、次いで、2頁目の電子文書データに相当する画像(=まみむ)と該2頁目に対応する頁ID(=P0022)に相当する画像とが形成された2頁目の紙文書3412を出力し終えた後、印刷動作を終了する。
図9に例示したように、クライアント端末10からの印刷指示により文書1と文書2が画像形成装置30により各頁毎に頁IDを付与された紙文書として印刷出力された場合、文書管理装置20では、図8のステップS211における印刷文書属性、メタデータ登録処理によって、印刷文書属性管理テーブル222には、当該文書1,2に関する印刷文書属性情報が保持される。
図10は、文書管理装置20の印刷文書属性管理テーブル222に保持される情報の一例を示す表図である。
図10において、電子文書1の印刷時には、該文書1の各頁1〜3の頁ID(P0011,P0012,P0013)と、各頁の論理的な頁番号(1,2,3)と、各頁のサイズ(A4)とが該印刷元電子文書1の文書ID(docu001)に対応して保持される。
同様に、電子文書2の印刷時には、該文書2の各頁1,2の頁ID(P0021,P0022)と、各頁の論理的な頁番号(1,2)と、各頁のサイズ(A4)とが該印刷元電子文書1の文書ID(docu002)に対応して保持される。
ここで、印刷文書属性管理テーブル222に保持される文書IDは、登録文書属性管理テーブル221に保持される文書IDとリンクされ、印刷文書属性管理テーブル222に登録されている頁IDが解れば、該頁IDに対応する同テーブル222中の文書IDから登録文書属性管理テーブル221中の同じ値の文書IDへのリンクを通じて、この文書IDに対応する印刷元の電子文書データの格納場所が解るようになっている。
次に、図9に示す態様で印刷された紙文書を画像形成装置30の読取部31によってスキャンする場合の処理動作について説明する。
図11は、本実施例の紙文書スキャン処理動作に係わる画像形成装置30と文書管理装置20間の制御シーケンスを示す図である。
画像形成装置30において、紙文書をスキャンする場合、ユーザは、該紙文書をプラテン上の当該紙文書のサイズに対応した所定の読取位置にセットした後、表示/操作部35でスキャン開始操作を行う。
画像形成装置30では、待機中、制御部36が、スキャン開始操作が行われたか否かを監視し(ステップS311)、スキャン開始操作が行われると(ステップS311YES)、読取部31を駆動して、プラテン上にセットされた紙文書の画像をスキャンし(ステップS312)、該スキャンにより得られたスキャンデータを、例えば、記憶部33に一時的に取り込む(ステップS313)。
上記スキャン動作の開始後、制御部36は、該スキャン動作が終了したか否かを監視し(ステップS314)、該スキャン動作が終了すると(ステップS314YES)、その旨を頁ID抽出部362に指示し、これにより、頁ID抽出部362は、それまでに得られたスキャンデータ中の頁IDに相当するスキャンデータを基に頁IDを抽出する(ステップS315)。
また、制御部36は、スキャン頁サイズ認識部363を起動し、これにより、スキャン頁サイズ認識部363は、上記スキャンデータを基に当該スキャンデータの頁サイズを認識する(ステップS316)。
次いで、情報取得部364は、頁ID抽出部362により抽出された頁IDをキーに文書管理装置20にアクセスして、該頁IDに対応して印刷文書属性管理テーブル222に保持される印刷文書属性情報(印刷元の電子文書の文書ID、論理頁番号、頁サイズの情報)を取得する(ステップS317)。
このステップS317の処理に際し、画像形成装置30では、情報取得部364が、上記頁IDを含む文書属性取得要求を文書管理装置20に送出する(ステップS317a)。
これに対し、文書管理装置20では、画像形成装置30が送出した上記文書属性取得要求を処理要求受付部241で受付けると、情報検索配信処理部243が、該登録要求に含まれる頁IDをキーに、印刷文書属性管理テーブル222から該頁IDに対応する文書ID、各頁の論理頁番号、頁サイズの各情報を検索し、これら各情報を含む取得要求応答信号を取得要求元の画像形成装置30に送信する(ステップS221:情報検索配信処理)。
一方、画像形成装置30では、情報取得部364が、上記文書属性取得要求に対して文書管理装置20から送られてくる応答信号を取り込み、その応答信号に含まれる各情報を取得する。
情報取得部364により、頁ID抽出部362が抽出した頁IDに対応する印刷元文書の文書ID、頁番号、頁サイズの各情報が取得されると、引き続き、スキャン画像処理部365は、文書管理装置20から取得した情報中の印刷元電子文書の頁サイズ情報が示す頁サイズと、上記ステップS316でスキャン頁サイズ認識部363により認識されたスキャンデータの頁サイズを比較し(ステップS318)、それぞれのサイズが一致するか否かを判定する(ステップS319)。
ここで、各頁サイズが一致すると判定された場合(ステップS319YES)、スキャン画像処理部365は、記憶部33に一時的に保持されているスキャンデータに対する次の工程の画像処理を実施し(ステップS341)、該画像処理の終了後、待機状態に遷移する。
ステップ341において、スキャン画像処理部365は、上記ステップ311でのスキャン開始操作(スキャン、コピー、FAX送信等の操作)内容に応じて、上記ステップS317で取得した文書IDをキーに当該操作に対応する文書処理の権限を問い合わせ、権限があることを認識した場合に当該文書処理(スキャン、コピー、FAX送信等)を実行する。
これに対し、上記ステップS319において、印刷元電子文書の頁サイズと、スキャンデータの頁サイズが一致しないと判定された場合(ステップS319NO)、スキャン画像処理部365は、記憶部33に一時的に保持されているスキャンデータを削除(ステップS331)したうえで、入力データエラーを示すエラーメッセージを表示(ステップS332)してその異常をユーザに報知し、その後、待機状態に戻り、次の紙文書のスキャンを受付ける。
次に、図11に示した一連の紙文書スキャン処理動作の具体例について、図12を参照して説明する。
図12においては、文書1を印刷して得られた3頁の紙文書〔図9(a)参照〕のうちの2頁目の紙文書3402(紙文書a)と、文書2を印刷して得られた2頁の紙文書〔図9(b)参照〕のうちの1頁目の紙文書3411(紙文書b)とを、画像形成装置30のプラテン上にセットして一度にスキャンする場合の例を示している。
ここで、スキャン対象である紙文書3402と紙文書3411は共にA4サイズのものであり、これら2枚の紙文書3402、3411は、プラテン上のA3サイズの読取位置に例えば同図に示す態様でセットされる。
このセット状態で、図12のL1の位置から主走査方向(x方向)に1ラインずつ、副走査方向(y方向)への紙文書の画像スキャンを実施し、L2の位置までスキャンし終えると、当該紙文書3402、3411を合わせたA3サイズの紙文書相当分のスキャンデータが得られる。
そして、このスキャンデータを基に、頁ID抽出部362は、該スキャンデータ中の、例えば、紙文書3402の頁ID領域のデータを元に当該紙文書3402に付与されている頁ID=P0012を抽出する(図12のステップS315参照)。
また、スキャン頁サイズ認識部363は、スキャンデータを基に、スキャンデータの頁サイズ=A3を認識する(同、ステップS316参照)。
引き続き、情報取得部364は、頁ID抽出部362が抽出した紙文書3402の頁ID=P0012をキーにして、文書管理装置20に保持される印刷文書属性管理テーブル222(図10参照)から、該頁ID=P0012に対応する印刷元の電子文書1(文書ID=docu001)の頁サイズ=A4を取得する(同、ステップS317参照)。
更に、スキャン画像処理部365は、スキャンデータから認識した頁サイズ=A3と文書管理装置20から取得した頁サイズ=A4とを比較して両方の頁サイズが一致しないことを判定する(同、ステップS319NO参照)。
そして、その判定結果が得られた場合は、紙文書3402及び3411のスキャンデータを削除し、エラーメッセージ表示を行う(同、ステップS331,332参照)。
同様にして、上記ステップS315で、紙文書3411の頁ID=P0021が抽出された場合も、該頁ID=P0021をキーに文書管理装置20に保持される印刷文書属性管理テーブル222(図10参照)から、該頁ID=P0021に対応する印刷元の電子文書2(文書ID=docu002)の頁サイズ=A4が取得され、この取得した頁サイズ=A4とスキャンデータから認識した頁サイズ=A3と一致しないとの判定結果により、スキャンデータが削除され、エラーメッセージが表示される。
ここで、異常報知のためのエラーメッセージとして、例えば、「読取った頁サイズが元文書の頁サイズと異なっています。」という内容のメッセージを表示させ、該エラーメッセージを見たユーザに、紙文書3402、3411を別々にセットしてスキャンするように促すなどの対応ができる。
実施例2では、図1に示すシステム構成中、クライアント端末10、文書管理装置20及びポリシー管理装置40は、実施例1と同様、それぞれ、図2、図3及び図5の機能ブロックにより構成される。
また、本実施例に係わる画像形成装置(便宜的に、30Bと呼称)は、例えば、図13に示す機能ブロックにより構成される。
図13において、実施例1に係わる画像形成装置30(図4参照)の各機能部と同一の機能を有する機能部には同一の符号を付している。
図13に示すように、本実施例に係わる画像形成装置30Bは、制御部36に、実施例1と同等の印刷制御部361、頁ID抽出部362、スキャン頁サイズ認識部363、情報取得部364、文書処理許否制御部368を有すると共に、実施例1にはない機能ブロックとして、頁ID抽出判別部366、複数頁画像処理部367を設けて構成される。
頁ID抽出判別部366は、紙文書をスキャンして得たスキャンデータから頁ID抽出部362により抽出された頁IDに基づいて情報取得部364が文書管理装置20から取得した頁サイズと、スキャン頁サイズ認識部363が認識した上記スキャンデータの頁サイズが異なる場合、頁ID抽出部362により上記スキャンデータから別の頁IDが抽出されているか否かを判別する。
複数頁画像処理部367は、頁ID抽出判別部366により、上記スキャンデータから別の頁IDが抽出されていると判別された場合、上記スキャンデータを複数頁のスキャンデータとして処理する。
次に、本実施例に係わるシステムの動作について説明する。
図14は、本実施例の紙文書スキャン処理動作に係わる画像形成装置30と文書管理装置20間の制御シーケンスを示す図である。
なお、図14において、図11に示した実施例1における紙文書スキャン処理中の各処理ステップと同一の処理ステップには同一の符号を付している。
図14において、ステップS311〜S319、S331、S332及びS341の各処理は、実施例1と同様であり、ステップS321〜S323の処理が本実施例特有のものである。
本実施例の画像形成装置30Bでは、図14のステップS311〜S319の一連の処理において、スキャン対象の紙文書をセットした後、スキャン開始操作が行われると(ステップS311YES)、読取部31で紙文書のスキャンを行って(ステップS312)、スキャンデータを取り込み(ステップS313)、該スキャン動作が終了すると(ステップS314YES)、頁ID抽出部362により該スキャンデータから頁IDを抽出する(ステップS315)一方、スキャン頁サイズ認識部363が該スキャンデータの頁サイズを認識し(ステップS316)、更に、情報取得部364が上記ステップS315で抽出された頁IDをキーに印刷元の電子文書の頁サイズを含む文書属性情報を文書管理装置20から取得する(ステップS317)。
次いで、複数頁画像処理部367は、情報取得部364が取得した印刷元の電子文書の頁IDと、スキャン頁サイズ認識部363が認識したスキャンデータの頁サイズを比較し(ステップS318)、それぞれの頁サイズが一致するか否かを判定する(ステップS319)。
ここで、それぞれのサイズが一致すると判定された場合(ステップS319YES)、複数頁画像処理部367は、記憶部33に一時的に保持されているスキャンデータに対する次の工程の画像処理(スキャン、コピー、FAX送信等)を実施し(ステップS341)、該画像処理の終了後、待機状態に遷移する。
これに対し、上記ステップS319において、印刷元の電子文書の頁IDと、スキャンデータの頁サイズが一致しないと判定された場合(ステップS319NO)、頁ID抽出判別部366は、上記ステップS315での頁ID抽出部362による頁ID抽出結果を対象に上記ステップS318でスキャンデータの頁サイズの比較対象とされた頁IDとは別の頁IDを検索にいき(ステップS321)、該別の頁IDが頁ID抽出部362により抽出されているか否かを判別する(ステップS322)。
ここで、スキャンデータの頁サイズの比較対象とされた頁IDとは別の頁IDが抽出されていないと判別された場合(ステップS322NO)、複数頁画像処理部367は、記憶部33に一時的に保持されているスキャンデータを削除(ステップS331)したうえで、入力データエラーを示すエラーメッセージを表示(ステップS332)してユーザにその異常を報知し、その後、待機状態に戻り、次の紙文書のスキャンを受付ける。
これに対し、スキャンデータの頁サイズの比較対象とされた頁IDとは別の頁IDが抽出されていると判別された場合(ステップS322NO)、複数頁画像処理部367は、上記ステップS312,S313でのスキャンにより得たスキャンデータを、頁ID抽出部362により抽出された全ての頁ID(ステップS318でスキャンデータの頁サイズの比較対象とされた頁IDを含む)の数に対応する複数の頁のスキャンデータとして処理する複数頁処理を実行し(ステップS323)、該複数頁処理の終了後、これら複数頁のスキャンデータに対する次の工程の画像処理(スキャン、コピー、FAX送信等)を行う(ステップS341)。
図15は、図14のステップS323における複数頁処理に係わる画像形成装置30と文書管理装置20間の制御シーケンスを示す図である。
図15に示すように、画像形成装置30では、図14のステップS322で、スキャンデータの頁サイズと比較した頁IDとは別の頁IDが抽出されていると判別される(ステップS322NO)ことにより当該複数頁処理(ステップS323)に移行すると、まず、複数頁画像処理部367が、情報取得部364に指示して、図14のステップS317と同様、スキャンデータから抽出されたこれらの各頁ID(但し、ステップS313で比較対象とされた頁IDは除く)をキーに文書管理装置20にアクセスして、該各頁IDそれぞれに対応する印刷文書属性情報(印刷元文書の文書ID、頁番号、頁サイズの情報)を取得させる(ステップS351)。
次いで、複数頁画像処理部367は、上記各頁IDをキーに取得したそれぞれの印刷文書属性情報のうちから、当該各頁IDに対応する印刷元電子文書の頁サイズの情報を取り出し、該取り出した各印刷元の電子文書の頁サイズに基づき、それぞれの頁サイズの大きさにスキャンデータを領域に分割し(ステップS353)、該分割された各領域のスキャンデータを、一旦、例えば、記憶部33に記憶する(ステップS354)。
ここで例えば、スキャンデータの頁サイズがA4であり、該スキャンデータから抽出された例えば2つの別々の頁IDに対応する各印刷元文書の頁サイズがそれぞれA4であれば、A3の頁サイズを有するスキャンデータを共にA4サイズの2つの領域に分割する。
引き続き、複数頁画像処理部367は、記憶部33に記憶した各領域のスキャンデータをそれぞれスキャン電子文書(画像データ)として識別するための文書IDを生成する(ステップS355)。
その後、複数頁画像処理部367は、ステップS355で生成(または、取得)した各文書IDと、ステップS353での領域分割により得た、当該各文書IDに対応する各領域のスキャンデータ(スキャン電子文書データ)とをそれぞれ対応付けて文書管理装置20に登録する処理(ステップS356)と、このスキャン電子文書データの登録に関するメタデータを登録する処理(ステップS357)を順次実施し、この各領域のスキャン電子文書データ及びそのメタデータの文書管理装置20への登録が完了した後、該複数頁処理(ステップS323)を抜け、次のスキャンデータ処理工程(図14のステップS341)に移行する。
なお、上記ステップS356におけるスキャン電子文書データ(分割された各領域の画像データ)登録処理、並びに、ステップS357におけるメタデータ登録処理は、画像形成装置30側で、例えば、図6において、クライアント端末10が文書管理装置20に電子文書を登録する処理を行う場合、並びにその電子文書メタデータを登録する処理を行う場合とそれぞれ同様の手順により行うことができる。
但し、このスキャン電子文書データ並びにそのメタデータ登録の場合、文書管理装置20側では、画像形成装置30から各文書IDと該各文書IDに対応するスキャン電子文書データを含む登録要求を受信すると、情報管理部242が、該文書登録要求に含まれる各スキャン電子文書データ(分割された各領域の画像データ)を記憶装置23の所定の格納場所(スキャン電子文書データ登録領域)に格納し、かつ、該格納場所と各頁IDを対応付けて格納する(ステップS201a)一方で、引き続き画像形成装置30から該スキャン電子文書データの登録に関するメタデータ登録要求を受信すると、該メタデータ登録要求に含まれる各文書IDと、各文書IDに対応する作成日時等の文書属性情報とを対応付けてスキャン電子文書メタデータとしてスキャン文書属性管理テーブル223に登録する(ステップS202a)。
次に、図14及び図15に示した一連の紙文書スキャン処理動作の具体例について、図16を参照して説明する。
図16においても、図12と同様、文書1を印刷して得られた3頁の紙文書〔図9(a)参照〕のうちの2頁目の紙文書3402(紙文書a)と、文書2を印刷して得られた2頁の紙文書〔図9(b)参照〕のうちの1頁目の紙文書3411(紙文書b)とを、画像形成装置30のプラテン上にセットして一度にスキャンする場合を前提としている。
この場合において、図16に示すステップS315,S316,S317,S319NOまでの処理の流れは図12に示すスキャン処理時と同様である。
但し、本実施例では、ステップS319において、スキャンデータの頁サイズ=A3と、該スキャンデータから抽出した頁ID=P0012に基づき文書管理装置20から取得した印刷元の電子文書1の頁サイズ=A4が一致しないことが判定されると(ステップS319NO)、頁ID抽出判定部366は、ステップS315での頁ID抽出結果から、頁ID=P0012とは別の頁ID=P0021を探し出す(図16のステップS322YES参照)。
次に、複数頁画像処理部367は、複数頁処理(同、ステップS323参照)に移行し、情報取得部364を使って、頁ID=P0021をキーにして文書管理装置20から印刷元の電子文書2の1頁目の頁サイズ=A4を取得する(同、ステップS351参照)。
更に、複数頁画像処理部367は、頁ID=P0012をキーとして既に取得している印刷元の電子文書1の2ページ目の頁サイズA4と、その後に頁ID=P0021をキーに取得した印刷元の電子文書2の1頁目の頁サイズA4とに基づき、A3の頁サイズを有するスキャンデータを、共にA4サイズの2つの領域に分割する(同、ステップS353参照)。
そして、この分割された各領域のスキャンデータを、それぞれ、電子文書1の2ページ目を印刷した紙文書aのスキャンデータと、電子文書2の1頁目を印刷した紙文書bのスキャンデータとして記憶した後、それぞれに対応する文書IDを付けて文書管理装置20に登録する(同、ステップS354〜S357参照)。
図17は、図16に例示した具体例中、ステップS351及びS353におけるスキャンデータの領域分割処理の具体例を示す概念図である。
この領域分割処理に際して、画像形成装置30では、まず、図17(a)に示すように、頁ID=P0012に対応する印刷元文書1の頁サイズ=A4と、別の頁ID=P0021に対応する印刷元文書2の頁サイズ=A4が取得される〔図16のステップSS351(及び、同S317)に対応〕。
次いで、複数頁画像処理部367は、図17(b)に示すように、印刷元文書1の頁サイズ=A4と、印刷元文書2の頁サイズ=A4と、スキャンデータの頁サイズ=A3とに基づき、該スキャンデータのA3サイズの画像領域を、2つのA4サイズ画像に分割し得る画像領域を決定する。
その後、複数頁画像処理部367は、図17(c)に示すように、同図(b)での分割画像領域の決定に従って、A3サイズのスキャンデータを、A4サイズの第1の画像領域と、同じくA4サイズの第2の画像領域とに2分割し、紙文書aのスキャンデータに相当する1つのスキャンデータと、紙文書bのスキャンデータに相当するもう1つのスキャンデータを生成する〔図17(b),(c):図16のステップS353に対応〕。
実施例3に係わる画像形成装置30C(図示せず)は、実施例2に係わる画像形成装置30B(図13参照)の制御部36に設けられる複数頁画像処理部367の複数頁処理機能を変形したものであり、この変形した複数頁処理機能を有する複数頁画像処理実行部(便宜的に、367cと呼称)以外の各機能ブロックの構成は、実施例2に係わる画像形成装置30Bと同様である。
本実施例に係わる画像形成装置30Cでは、実施例2に係わる画像形成装置30Bと同様、図14に示す流れに沿って紙文書のスキャン処理を行うが、同図のステップS323の複数頁処理において、複数頁画像処理部367cは、スキャンデータから抽出した複数の頁IDにそれぞれ対応する各印刷元の電子文書の頁サイズ情報のみならず、該各印刷元の電子文書の画像(各頁IDに対応する頁の電子文書データ)をも文書管理装置20から取得し、該取得した各印刷元の電子文書の頁サイズ情報および各頁の画像に基づき、上記スキャンデータを領域分割して複数頁の画像として処理する機能を有する。
本実施例に係わる画像形成装置30Cにおける複数頁処理(便宜的に、ステップS323cとする)について、図18に示す制御シーケンスを参照して説明する。
なお、図18において、実施例2に係わる画像形成装置30Bでの複数頁処理(図15参照)中の各処理ステップと同一の処理ステップには同一の符号を付している。
本実施例の画像形成装置30Cにおいて、この複数頁処理(ステップS323c)は、図14のステップS322でスキャンデータの頁サイズの比較対象とされた頁IDとは別の頁IDが抽出されていることが頁ID抽出判別部366により判別される(ステップS322NO)ことにより開始される。
この複数頁処理(ステップS323c)に移行すると、まず、複数頁画像処理部367cは、情報取得部364に指示して、図14のステップS317と同様、スキャンデータから抽出された各頁ID(但し、ステップS318で比較対象とされた頁IDは除く)をキーに文書管理装置20にアクセスして、該各頁IDにそれぞれ対応する印刷文書属性情報(印刷元文書の文書ID、頁番号、頁サイズの各情報)を取得させる(ステップS351)。
また、複数頁画像処理部367cは、引き続き情報取得部364に指示して、上記ステップS351で取得した各頁IDにそれぞれ対応する各印刷元の電子文書の文書IDと、該各頁IDにそれぞれ対応する各頁番号をキーに文書管理装置20にアクセスして、該各文書IDに対応して記憶装置23に格納されている印刷元電子文書の当該各頁番号の画像データ(電子文書データ)を取得させる(ステップS352)。
なお、この画像データ取得処理に際しては、画像形成装置30Cから文書管理装置20に対して、スキャンデータから抽出した各頁ID毎に上記ステップS351で取得した文書IDと頁番号の組合せを含む文書取得要求を送出し、他方、文書管理装置20では、該文書取得要求を処理要求処理部241が受信すると、情報検索配信処理部243が該文書取得要求に含まれる各組の文書IDと頁番号を抽出し、各組毎に、その文書IDに対応する印刷元の電子文書の格納場所を特定し、記憶装置23の当該格納場所からその頁番号に対応する頁の画像データを読み出して画像形成装置30Cに送信する(ステップS223)。
上記ステップS351で、スキャンデータから抽出された各頁IDに対応する各印刷元の電子文書の頁サイズ情報が取得され、次いで、上記ステップS352で、スキャンデータから抽出された各頁IDに対応する印刷元の電子文書の該当する頁の画像データが取得されると、複数頁画像処理部367cは、それぞれの印刷元電子文書の頁サイズと、該当する頁の画像データとに基づいて、スキャンデータを、当該各頁の画像内容と頁サイズを有する複数(当該各頁数分)の領域に分割し(ステップS353a)、該分割された各領域のスキャンデータを、一旦、例えば、記憶部33に記憶する(ステップS354)。
その後、複数頁画像処理部367cは、実施例2の複数頁処理(図15参照)と同様、記憶部33に記憶した各領域のスキャンデータ(スキャン電子文書データ)をそれぞれ文書IDを付けて文書管理装置20に登録し、併せて、この処理に係わる電子文書メタデータを登録した後(ステップS355〜S357)、該複数頁処理(ステップS323c)を抜け、次のスキャンデータ処理工程(図14のステップS341)に移行する。
図19は、図18のステップS351〜S353aにおけるスキャンデータの領域分割処理の具体例を示す概念図である。
この処理についても、例えば、図16に示すように、文書1の2頁目が印刷された紙文書3402(紙文書a)と、文書2の1頁目が印刷された紙文書3411(紙文書b)が一度にスキャンされ、この時のスキャンデータから抽出された頁ID=P0012,P0021のうち、頁ID=P0012を基に該頁ID=P0012に対応する頁サイズ=A4を取得して当該スキャンデータの頁サイズ=A3と一致しないと判定された後、別の頁ID=P0021が抽出されていると判別された後の処理を想定している。
その後に実施されるスキャンデータの領域分割処理(図19参照)において、画像形成装置30Cでは、まず、図19(a)に示すように、頁ID=P0012に対応する印刷元文書1の頁サイズ=A4及びその2頁目の画像データ“かきく”と、別の頁ID=P0021に対応する印刷元文書2の頁サイズ=A4及びその1頁目の画像データ“はひふ”が取得される(図18のステップS351,S352に対応)。
次いで、複数頁画像処理部367cは、図19(b)に示すように、印刷元文書1の頁サイズ=A4及びその2頁目の画像データから、A4サイズで“かきく”という画像内容から成る第1の照合用画像データを生成する一方、印刷元文書2の頁サイズ=A4及びその1頁目の画像データから、A4サイズで“はひふ”という画像内容から成る第2の照合用画像データを生成する
次に、複数頁画像処理部367cは、図19(c)に示すように、スキャンデータを解析し、該スキャンデータと上記第1及び第2の照合用画像データとを照合して、該スキャンデータ中から、第1の照合用画像データと頁サイズ及び画像内容“かきく”が一致する第1の画像領域と、上記第2の照合用画像データと頁サイズ及び画像内容“はひふ”が一致する第2の画像領域を特定する。
その後、複数頁画像処理部367cは、図19(d)に示すように、A3サイズのスキャンデータを、同図(c)で特定した第1の画像領域(A4サイズで“かきく”という画像領域)と、第2の画像領域(A4サイズで“はひふ”という画像領域)とに2分割し、紙文書aのスキャンデータに相当する1つのスキャンデータと、紙文書bのスキャンデータに相当するもう1つのスキャンデータを生成する〔図19(b)〜(c):図18のステップS353aに対応〕。
なお、図19(c)では、領域分割対象となるスキャンデータとして、紙文書aと紙文書の画像が互いに逆の向きで、かつ、紙文書bの方が先にスキャンされる位置にセットされた場合のスキャンデータを例示している。
しかしながら、本実施例では、図19に示すように、スキャン対象の各紙文書a,bにそれぞれ対応する印刷元の電子文書の頁サイズ(A4,A4)及び該当頁の画像データ〔“かきく”,“はひふ”〕に基づいて当該スキャンデータの領域分割を行うことで、読取位置にセットされる各紙文書a,bの画像の向き(セット方向)に拘らず、また、スキャンの順番に拘らず、これら紙文書a,bのスキャンにより得たスキャンデータから当該紙文書a,bに各々対応するスキャンデータを分割、生成することができる。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、上記実施例では、電子文書データを印刷した紙文書に付与される頁IDに対応して該電子文書の頁サイズ情報を管理する機能を文書管理装置20が持つ構成としているが、これに限らず、該管理機能を、クライアント端末10や、画像形成装置30に設ける構成としても良い。
また、上記実施例では、クライアント端末、文書管理装置、画像形成装置(以上、コンピュータ)に画像処理プログラムを実装し、該プログラムに基づき、該コンピュータを、電子文書を印刷した紙文書に付与される頁IDに対応して電子文書の頁サイズ情報を管理する管理手段と、頁識別情報が付与された紙文書から画像情報を読み取る読取手段と、読取手段で読み取った画像情報から頁IDを抽出する抽出手段と、抽出手段で抽出した頁IDに対応する印刷元の電子文書の頁サイズ情報を管理手段から取得する取得手段と、取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが一致したことを条件に読取手段で読み取った画像情報を処理する画像処理手段ととして機能させ、あるいは、取得手段で取得した頁サイズ情報の示す頁サイズと読取手段で読み取った画像情報の頁サイズとが異なる場合は、抽出手段により別の頁IDが抽出されたかを判別する判別手段と、判別手段により別の頁IDが抽出されたと判別された場合は、読取手段で読み取った画像情報を複数頁の画像として処理する複数頁画像処理手段ととして機能させるようにしているが、当該画像処理プログラムをCDROM等の記憶媒体に格納して提供するようにしても良い。
本発明は、頁識別情報が印刷された紙文書を読取走査して得た読取画像情報から頁識別情報を抽出する機能を有する複合機等の画像処理装置、画像処理システム及び画像処理プログラムに適用できる。
本発明に係わる画像処理システムの全体構成を示すブロック図。
図1におけるクライアント端末の機能構成を示すブロック図。
図1における文書管理装置の機能構成を示すブロック図。
図1における画像形成装置の機能構成を示すブロック図。
図1におけるポリシー管理装置の機能構成を示すブロック図。
実施例1の文書登録処理に係わる制御シーケンスを示す図。
登録文書属性管理テーブルに登録される情報の一例を示す図。
実施例1の電子文書印刷処理に係わる制御シーケンスを示す図。
画像形成装置による紙文書印刷出力例を示す概念図。
印刷文書属性管理テーブルに保持される情報の一例を示す表図。
実施例1の紙文書スキャン処理動作に係わる制御シーケンスを示す図。
図11に示した紙文書スキャン処理動作の具体例を示す概念図。
実施例2に係わる画像形成装置の機能構成を示すブロック図。
実施例2の紙文書スキャン処理動作に係わる制御シーケンスを示す図。
図14における複数頁処理に係わる制御シーケンスを示す図。
実施例2の紙文書スキャン処理動作の具体例を示す概念図。
図16に例示したスキャンデータの領域分割処理の具体例を示す概念図。
実施例3の複数頁処理に係わる制御シーケンスを示す図。
図18におけるスキャンデータの領域分割処理の具体例を示す概念図。
符号の説明
10…クライアント端末(PC)、11…入力/操作部、12…表示部、13…記憶部、14…制御部、141…アプリケーション部、142…情報登録/取得部、143…印刷ジョブ生成部、144…文書属性情報生成部、145…文書処理許否制御部、15…通信インタフェース(I/F)部、20…文書管理装置、21…通信インタフェース(I/F)部、22…記憶部、221…登録文書属性管理テーブル、222…印刷文書属性管理テーブル、223…スキャン文書属性管理テーブル、23…記憶装置、24…制御部、241…処理要求受付部、242…情報管理部、243…情報検索配信処理部、30,30B…画像形成装置、31…読取部、32…画像処理部、33…記憶部、34…画像形成部、3401,3402,3403,3411,3412…頁ID付紙文書、35…表示/操作部、36…制御部、361…印刷制御部、362…頁ID抽出部、363…スキャン頁サイズ認識部、364…情報取得部、365…スキャン画像処理部、366…頁ID抽出判別部、367…複数頁画像処理部、368…文書処理許否制御部、37…通信インタフェース(I/F)部、40…ポリシー管理装置、41…通信インタフェース(I/F)部、43…記憶部、431…文書権限情報管理テーブル、432…権限情報詳細管理テーブル、45…制御部、451…権限情報管理部、453…権限情報検索配信処理部、60…ネットワーク(NW)