JP2008158597A - 顔認証装置、その方法および顔認証装置を有する携帯端末器 - Google Patents

顔認証装置、その方法および顔認証装置を有する携帯端末器 Download PDF

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浩之 嶋田
Yuichi Kageyama
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Abstract

【課題】赤外光画像および可視光画像によって顔認証を行い、きわめて高い顔認証の認識率を達成できる顔認証装置を提供する。
【解決手段】 赤外光を顔に照射する光源(60)と、可視光による顔の可視光画像および照射された赤外光による顔の赤外光画像を撮像する撮像部(110)と、赤外光画像、ならびに赤外光画像および可視光画像を利用して顔の認証を行う認証部(130)と、を備える。また、認証部(130)は、複数の赤外光画像と複数の可視光画像とを画像ファイル(135)として記憶する。
【選択図】図2

Description

本発明は、赤外光を顔に照射し、その反射光による赤外光画像を用いて顔認証を行うとともに、可視光下における可視光画像を用いて顔認証を行う技術に関する。
近年になって注目されている認証方法は、指紋、掌紋、虹彩、静脈、声紋、または顔などの生体情報によるバイオメトリクス認証である。バイオメトリクス認証は、本人自身の生体情報を使用するため、鍵またはIDカードなどを盗まれまたは失うおそれが少ない。また、バイオメトリクス認証は、暗証番号のようにどこかに記載しておかなければ忘れてしまうこともなく、セキュリティ上の懸念が相当に抑制される。このため、バイオメトリクスを使った認証システムが普及するものと考えられる。
このうち、指紋または掌紋を使ったバイオメトリクス認証は、指先または手をよく使うために表面の皮膚が薄くなることがあり、その際に認識率が著しく悪くなることが多い。声紋を使ったバイオメトリクス認証は、現時点では認識率が悪い。虹彩または静脈を使ったバイオメトリクス認証は、指紋または掌紋の認証に比べ認識率が高いが、本人の目または手を認証装置に近づける必要があった。また、虹彩または静脈を使ったバイオメトリクス認証装置は大きく、銀行などのATMなど大型の固定装置に取り付けることができるが、人が持ち運べるような携帯機器には搭載ができない。顔を使ったバイオメトリクス認証も、可視光の下では精度を向上させるのに他人の受け入れ率を下げるために認証の閾値を上げざるを得ず、それによって本人の拒否率が高くなってしまうといった問題がある。このため、特許文献1では、顔を使ったバイオメトリクス認証に虹彩を使ったバイオメトリクス認証を組み合わせて認証精度を向上させている。
特開平2005−242677号公報
顔を使ったバイオメトリクス認証に虹彩を使ったバイオメトリクス認証を組み合わせると、バイオメトリクス認証装置が大きくなる。そのため、特に携帯電話やPDA(Personal Digital Assistance)などの携帯機器に、このようなバイオメトリクス認証装置を実装する場合において、スペースの制約が問題となる。また、これまでの顔を使ったバイオメトリクス認証は、炎天下のような明るい野外では、認証精度がある程度確保される。しかし、顔を使ったバイオメトリクス認証は、室内または夕暮れなど暗い状態で認証精度が悪かった。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものである。その目的は、天候の状態または室内の明るさにかかわらずバイオメトリクス認証を行うことができる顔認証装置および方法を提供することである。また、人が持ち運び可能な携帯型の顔認証装置を有する携帯端末器を提供することにある。
第一の観点の持ち運び可能な顔認証装置は、赤外光を顔に照射する光源と、可視光による顔の可視光画像および照射された赤外光による顔の赤外光画像を撮像する撮像部と、前記赤外光画像のみを利用して顔の認証を行うとともに、前記赤外光画像および可視光画像を利用して顔の認証を行う認証部と、を備える。
この構成によれば、炎天下の下、蛍光灯などの照明の下、または真っ暗闇などのいろいろな条件下であっても顔を認証することができる。すなわち、蛍光灯などの照明の下、または真っ暗闇では赤外光を使った顔認証を行うことができる。また、炎天下では可視光を使って顔認証を実現することができる。
で本人を判定。
第二の観点による顔認証装置は、認証部が赤外光画像で顔認証ができなかった際に、さらに撮像部で可視光画像を撮像し、認証部が可視光画像で顔認証を行う。
本構成により、赤外光による顔認証を先に実行することにより、パソコン画面に映った顔画像や顔写真などを利用したいわゆる「なりすまし」行為を防止することができる。パソコン画面に映った顔画像や写真は赤外光方式の場合は全く顔が写らず真っ白になり、顔検知もできないからである。特に赤外光成分を多く含む炎天下で顔検知ができない場合には、可視光によって顔認証を行うことができる。
第三の観点の顔認証装置は、さらに、照度を検出する照度検出部を備え、認証部は、照度が所定照度以下の際に認証部が赤外光画像のみで顔の認証を行い、照度が所定照度より高い際に赤外光画像および可視光画像で顔の認証を行う。
この構成によれば、照度に応じて赤外光による顔認証と、赤外光画像および可視光画像で顔の認証とを切り替えることができる。
第四の観点の顔認証装置では、第三の観点において、所定照度が10000ルクスないし40000ルクスである。
かなり明るい野外においては、赤外光画像および可視光画像で顔の認証を行う。一方で、室内などは明るくても1000ルクス程度である。したがって室内で顔認証を行う場合には赤外光による顔認証しか行わないので、「なりすまし」を防ぐことができる。
第五の観点の顔認証装置では、第三の観点において、照度が所定照度より高い際に、認証部が、赤外光画像で顔認証を先に行い赤外光画像で顔認証ができなかった場合に可視光画像で顔認証を行う。
かなり明るい野外においても、先に赤外光画像で顔認証を行うことを試みる。「なりすまし」を防ぐためである。
第六の観点の顔認証装置は、第一ないし第四の観点において、認証部が複数の赤外光画像と複数の可視光画像とを画像ファイルとして記憶する。
この構成によれば、顔認証をするためには、最初にオペレータの顔を登録する必要がある。この場合に、一枚の登録画像だけでなく複数枚の赤外光画像と複数の可視光画像とを記憶しておく。このようにして顔の表情の変化または斜め向いた横顔などであっても、できるだけ正確に顔の認証を行うことができる。
第七の観点の顔認証装置は、顔認証装置は、画像ファイルに記憶された複数の赤外光画像と撮像部で撮像された赤外光画像とに認証率を算出し、この認識率が閾値より大きいときに本人認識と確認する。
顔認証を行う際には、顔の表情などにより認証率がいろいろ変動する。登録された画像と比較などして、認識率を算出する。この認識率が閾値より大きいと本人であると確認できる。
第八の観点の顔認証装置は、第一ないし第七の観点の顔認証装置において、認証部は、赤外光画像および可視光画像から顔全体の輪郭を特定し、さらに、顔の両目の位置、鼻の穴の位置および口の位置を特定することで、認証を行う。
本構成により、赤外光では、皮膚の下まで透過した画像を得ることができ、その上で顔の両目の位置、鼻の穴の位置および口の位置を特定している。濃い化粧をして他人と同じような顔に似せても、皮膚の下まで透過した画像に基づいて特定しているので、誤認識する確立が少ない。可視光では、顔の表面の画像から顔認証することができる。
第九の観点の携帯端末器は、第三ないし第八の観点のいずれかの観点の顔認証装置を備えている。そして、この携帯端末器で顔の認証を行う際に、光源が顔の方に向くように配置し、照度検出部が天を向くように配置する。
顔認証を行う際に、照度検出部が天を向くように配置されているため、室内の天井からの照度または野外の照度を正確に検出することができる。また、暗闇でも赤外光は十分に顔に照射される。
第十の観点の顔認証方法は、赤外光を顔に照射し照射された赤外光により顔の赤外光画像を撮像する赤外光撮像ステップと、赤外光画像により顔認証を行う赤外光の顔認証ステップと、赤外光で顔認証が行えなかったときに可視光により顔の可視光画像を撮像する可視光撮像ステップと、可視光画像により顔認証を行う可視光の顔認証ステップと、を備える。
本方法により、赤外光による顔認証を先に実行し映像の顔や顔写真などを利用したいわゆる「なりすまし」行為を防止することができる。赤外光成分を多く含む炎天下で顔検知ができない場合には、可視光によって顔認証を行うことができる。
本発明によれば、曇りの日、朝夕の野外、蛍光灯などの照明の下、または真っ暗闇では赤外光を使った顔認証を行うことができる。また、炎天下では可視光を使って顔認証を実現することができる。このため、きわめて高い認識率を達成できるとともに、簡単に「なりすまし」で不正が行われない。
以下、本発明の好適な実施の形態を説明する。
<携帯端末器の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る携帯端末器の一例を示した外観図である。図1Aは折畳み式の携帯電話10の斜視図である。折畳み式の携帯電話10を開くと、第一筐体10にモニター30が配置され、第二筐体12に入力ボタン40とが配置されている。さらに、第一筐体11のモニター30と同一面に、一つのカメラ110と一つ以上の赤外光を発光するIrLED(Laser Emitting Diode)60が配置されている。カメラ110とIrLED60は、以下に説明するバイオメトリクス認証装置100(図2参照)の構成部品である。カメラ110は、少なくとも赤外光の画像を撮影できる。所定の入力ボタン40を押したりまたは折畳み式の携帯電話10を開いたりすると、IrLED60とカメラ110が起動する。
図1Bは、回転機能を有する回転式の携帯電話20の背面図である。第一筐体21の正面には不図示の大型モニターが設けられ、背面には小型モニター30が配置されている。回転式の携帯電話20の入力ボタン40などは第二筐体22の背面に配置されている。第一筐体21の背面には小型モニター30と同一面に、一つのカメラ110と二つの赤外光を発光するIrLED60が配置されている。また、携帯電話20の周囲の照度を検出する照度計61を携帯電話20の端部に配置している。所定の入力ボタン40を押したりまたは回転式の携帯電話20を回転させたりすると、IrLED60、照度計61およびカメラ110が起動する。
<バイオメトリクス認証装置100の構成>
図2は、バイオメトリクス認証装置100の構成図である。このバイオメトリクス認証装置100は、赤外光を発光するIrLED60と、可視光画像と赤外光画像とを撮像できるカメラ110と、カメラ110で撮像された可視光画像と赤外光画像とを用いて顔認証を行う顔認証部130と、可視光画像と赤外光画像とを表示するモニター30とを含む。また、必要に応じて照度計61がバイオメトリクス認証装置100の構成に加えられる。本実施形態では、折畳み式の携帯電話10および回転式の携帯電話20は、カメラ110が赤外光画像および可視光画像を撮像できるものである。カメラ110の詳細については図3または図4で説明する。
顔認証部130を詳述すると、顔認証部130は、赤外光画像の画像処理を行う画像処理部131と、本人の画像テンプレートを保存する顔画像ファイル135とを有している。さらに顔認証部130は、顔の認証を行うため顔の輪郭または特徴部分を抽出し、顔画像ファイル135からの顔データと比較演算する顔認証演算部133と、これらの制御を行う画像制御部137を有している。画像制御部137には入力ボタン40(図1参照)またはスイッチなどによる指示信号を受け取るI/F部160が接続されている。入力ボタン40またはI/F部160により、画像制御部137がバイオメトリクス認証装置100全体の制御を行う。さらに、画像制御部137は、IrLED60、照度計61およびカメラ110に接続されている。I/F部160を経由して送られてきた指令信号に基づいて、IrLED60、照度計61およびカメラ110を制御する。
IrLED60は、760nmから1000nmの波長の範囲で赤外光を発光するものである。いろいろな波長のIrLEDが販売されているが、特に800nmから920nmのIrLEDが顔認証の認証率が高いので特に好ましい。また、IrLED60の放射強度(mW/sr:ミリワット/ステラジアン)は、携帯電話10または携帯電話20で顔認証を行えば、30mW/srのIrLED60一つで足りる。複数のIrLED60を用いると消費電力が多くなる。消費電力ができるだけ少ない方が好ましい携帯電話としては、30mW/srのIrLED60を一つ光学基板150に設けるとよい。30cmから50cmの最適な顔認証の距離で顔認証を行うことができるようにするためには、70mW/srのIrLED60を四つほど光学基板150に配置する。
照度計61は、ピーク感度波長が500nmから600nmで、約100から45000ルクスの範囲を検出できるシリコンダイオードなどで構成される。照度計61が10000ルクス以下の範囲しか検出できない場合には、減光フィルタを照度計61に配置して、高い照度を検出できるようにする。たとえば、携帯電話20の周囲が10000ルクスないし40000ルクス以下であるか否かを判断できればよい。一般に、ショッピングセンターのモールやオフィスビルの一般事務室が明るいところでも1000ルクス程度で、住宅の部屋で50から200ルクス程度である。一方、夏の晴れた日中で最高10万ルクス、冬の雪山でも晴れた日中は10万ルクス程度である。なお、太陽光に含まれる赤外光成分の高い炎天下などの環境においては、赤外光画像による顔認証が困難となる。
バイオメトリクス認証装置100の構成について説明してきたが、写真撮影機能が付いた携帯電話10または携帯電話20であれば、風景写真を撮影するカメラまたは制御部などと共用する部品が多い。たとえば、携帯電話10で風景を写真撮影したいときには、オペレータが入力ボタン40を押すと、画像制御部137にその信号が伝わり、カメラ110を動作させる。カメラ110は可視光画像を画像処理部131に送り、画像処理した画像をモニター30またはメモリーである画像ファイル141に送る。モニター30は、写真撮影した風景を表示し、画像ファイル141はその画像を記録する。モニター30、カメラ110、画像処理部131および画像制御部137は写真撮影機能と共用できる。
<バイオメトリクス認証装置100の動作>
ここで、図2を使ってバイオメトリクス認証装置100の動作について説明する。まず、赤外光の顔認識について説明する。入力ボタン40(図1参照)またはスイッチなどによる指示信号をI/F部160が受け取ると、その指令信号が画像制御部137に伝達される。すると画像制御部137は、IrLED60とカメラ110とを駆動させる。以下に説明する実施例2では、最初に照度計61を駆動させ、その後IrLED60を駆動させる。IrLED60は顔認証を行っている最中は常時点灯してもよいし、カメラ110の撮像タイミングに合わせて点滅してもよい。また、画像制御部137は、画像処理部131にモニター30に、顔の位置および大きさを示す枠32を表示してもよい。
IrLED60から発光された赤外光は、人物の顔に照射されて、その反射光がカメラ110に入射する。カメラ110はその反射光を電気信号に変えて、その電気信号を画像処理部131へ送る。画像処理部131では、モニター30に赤外光画像を表示するように画像処理して、赤外光画像信号をモニター30に送る。モニター30は、画像処理された赤外光画像を表示する。
すると、モニター30は、顔の位置および大きさを示す枠32に加えて、顔の赤外光画像を表示する。モニター30の枠32から顔が外れていたり、顔が大きく表示されすぎてモニター30の枠からはみ出ていたり、顔が小さすぎたりしないように、オペレータは腕を左右上下に動かしたり、伸ばしたり又縮めたりして、折畳み式の携帯電話10または回転式の携帯電話20の位置を調整する。
画像処理部131は、顔の輪郭および顔の特徴部分などを含む画像信号を、顔認証演算部133に送る。顔認証演算部133では、まず、髪型を除く顔の輪郭を抽出する。また、両目の位置、鼻の孔の位置および口の位置ならびにそれらの位置関係を演算する。そして写された顔の特徴部分を把握する。次に、顔認証演算部133は顔画像ファイル135にアクセスし、顔画像ファイル135に事前に保存された赤外光画像テンプレートを読み出す。そして、読み出された赤外光画像テンプレートと、今回演算した結果の顔の輪郭および顔の特徴部分とを比較する。顔認証演算部133は、比較した後に認識結果の信号をバイオメトリクス認証装置100の外部へ出力する。なお、顔認証演算部133からモニター30への点線矢印で示すように、顔認証演算部133は、認識結果の信号をモニター30に送り、「本人と認識できました。」または「本人と認識できませんでした。」と表示するようにしてもよい。また、モニター30に表示することなく、音声でオペレータに顔認証の状態を知らせるようにしてもよい。
モニター30に表示される顔の赤外光画像は単色であり、いわゆる白黒画像に近い画像である。しかし、赤外光を顔に照射することにより、顔の皮膚の表面の画像でなく、顔の皮膚の表面から内部へ数ミリ入り込んだ画像をカメラ110は撮像している。たとえば、顔表面に吹き出ている「そばかす」やキズは撮像されない。また、濃い化粧をしても化粧は撮像されないので、他人が本人に似せて化粧したとしても、誤って本人と判断することはない。また、赤外光画像では、眼鏡をかけた人の顔認証であっても、眼鏡のレンズの影響をほとんど受けないので、眼鏡を取り替えたりしても顔認証で高い認識率を得ることができる。さらに、オペレータ本人の同じ寸法の顔写真をカメラ110が撮影しても、顔写真は赤外光を写真の全面からほぼ同じ反射率でそのまま反射する。すなわち、顔写真を撮像した赤外光画像は、可視光の下で白紙を写すような画像しか取得できないので、同一人物と認証することはない。赤外光で撮影された、両目の位置、鼻の孔の位置および口の位置ならびにそれらの位置関係を把握すれば、高い認識率で顔認証を行うことができる。
可視光を使わないことで、外乱の影響を受けにくいため顔認証の認証率は高い。たとえば可視光で顔認証を試みると、蛍光灯の下では蛍光灯のチラツキの影響を受ける。また、顔認証の際にフラッシュ撮影または正面からの照明などを行われない限り、屋根などの取り付けた照明により鼻の横または下に影が生じる。このため可視光を使った顔認証は、認識率が低かった。一方、本実施形態は赤外光を照射しているので、これらの問題は生じない。ただし、赤外光成分を多く含む炎天下の場合には、赤外光成分同士の干渉の点で、赤外光画像による顔認証は、認証がしにくい場合がある。
次に、可視光の顔認識について説明する。可視光では、基本的にIrLED60を点灯させない。可視光は赤外光フィルタ127(図5参照)でカットされる。可視光の場合には、顔の皮膚の表面の画像をカメラ110は撮像している。カメラ110は、入射した光を電気信号に変えて、その電気信号を画像処理部131へ送る。画像処理部131では、モニター30に可視光画像を表示するように画像処理して、可視光画像信号をモニター30に送る。モニター30は、画像処理された可視光画像を表示する。モニター30に表示される顔の可視光画像はカラーである。
画像処理部131は、顔の輪郭および顔の特徴部分などを含む画像信号を、顔認証演算部133に送る。顔認証演算部133では、まず、髪型を除く顔の輪郭を抽出する。また、両目の位置、鼻の孔の位置および口の位置ならびにそれらの位置関係を演算する。そして写された顔の特徴部分を把握する。次に、顔認証演算部133は顔画像ファイル135にアクセスし、顔画像ファイル135に事前に保存された可視光画像テンプレートを読み出す。そして、読み出された可視光画像テンプレートと、今回演算した結果の顔の輪郭および顔の特徴部分とを比較する。顔認証演算部133は、比較した後に認識結果の信号をバイオメトリクス認証装置100の外部へ出力する。
<カメラ110の構成>
図3および図4はカメラ110の基本構成を示した構成図である。同じ機能のものには、同じ符号を付している。図3Aは、可視光カメラ受光部120と赤外光カメラ受光部122とを備えるカメラ110−Aである。可視光カメラ受光部120は、可視光のみを透過し、約760nm以上の波長は遮断する可視光フィルタ125と、可視光フィルタ125を透過した可視光を集光するレンズ129と、レンズ129で集光された光を電気信号に変換する光電変換素子、たとえばエリアCCD(Charge Coupled Device)121とから構成される。一方、赤外光カメラ受光部122は、約760nm以上の波長のみを透過させる赤外光フィルタ127と、赤外光フィルタ127を透過した赤外光を集光するレンズ129と、レンズ129で集光された光を電気信号に変換するエリアCCD121とから構成される。なお、可視光フィルタ125および赤外光フィルタ127は、オペレータの顔とレンズ129との光路間に配置されるようになっているが、レンズ129とエリアCCD121との光路間に配置してもよい。
さらに、カメラ110−Aは、エリアCCD121の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器115、カメラ110全体を制御するカメラ制御部116を備えている。カメラ制御部116は、画像制御部137からの指令信号に基づいて、可視光カメラ受光部120と赤外光カメラ受光部122とのそれぞれのエリアCCD121を別々に駆動し、A/D変換器115でアナログ信号をデジタル信号に変換する。これらの動作により、カメラ110−Aから赤外光画像または可視光画像のデジタル信号が出力される。折畳み式の携帯電話10の場合、図1Aに示したように顔認証を行う際には、モニター30側に赤外光カメラ受光部122が配置されていた方が使い勝手がよい。一方、自分が風景や他人などを撮影したい場合には、第一筐体10のモニター30の背面に可視光カメラ受光部120が配置されていた方が使い勝手がよい。つまり、第一筐体10の大きさまたは厚みが大きくなるが、顔認証の使い勝手と通常撮影の使い勝手とを考えた場合には、可視光カメラ受光部120と赤外光カメラ受光部122とを備えるカメラ110−Aは有効である。
図3Bは、フィルタ切り替えカメラ受光部123を備えるカメラ110−Bである。カメラ110−Aと異なる箇所を説明し、同じ機能のところは説明を割愛する。フィルタ切り替えカメラ受光部123は、一つのエリアCCD121と一つのレンズ129とを有している。さらに、フィルタ切り替えカメラ受光部123は、可視光フィルタ125と赤外光フィルタ127とをレンズ129の前で切り替える機械的な機構とその機構を駆動する駆動モ−タ114と、どちらのフィルタがレンズ129の前に配置されているかを認識する信号センサー113とを有している。カメラ制御部116は、画像制御部137から、赤外光画像または可視光画像のどちらを出力するかの指令信号を受ける。仮に指令信号が可視光画像であれば、信号センサー113からレンズ129の前にあるフィルタがどちらであるかの信号を受け、赤外光フィルタ127がレンズ129の前に配置されているのであれば、駆動モ−タ114を駆動して可視光フィルタ125をレンズ129の前に移動させ、赤外光フィルタ127を光路から退避させる。可視光フィルタ125がレンズ129の前に配置されている信号であれば、そのまま次の動作に移行する。このような動作をすることで、エリアCCD121の全面が可視光フィルタ125に覆われ、エリアCCD121から可視光画像を出力することができる。一つのエリアCCD121と一つのレンズ129で、可視光画像および赤外光画像を得ることができるので、スペースとコストを減らすことができる。また、エリアCCD121は一つで済むので、画素の大きな高性能なCCDを使用することもできる。
図4Aは、受光素子にフィルタが設けられているカメラ受光部124を備えるカメラ110−Cである。図4Aのカメラ受光部124には、ホコリを防ぎ幅広い波長を透過させるガラス板128が設けられており、切り替えCCD117には、その受光素子の前に可視光フィルタ125と赤外光フィルタ127とが設けられている。図4Bは、そのCCD117の受光素子の拡大図である。図4Bでは、可視光フィルタ125は、赤色を透過させるRフィルタ、緑色を透過させるGフィルタおよび青色を透過させるBフィルタで示している。切り替えCCD117は、RフィルタとGフィルタとが交互に配列された第1の可視光ライン118、赤外光を透過させるIrフィルタ127が配列された赤外光ライン119、GフィルタとBフィルタとが交互に配列された第2の可視光ライン118およびIrフィルタが配列された赤外光ライン119の4つのラインで構成される。この4つのラインの配列が、CCD117のエリア内において順次繰り返される。
図4Aにおいて、カメラ制御部116は、画像制御部137から、赤外光画像または可視光画像のどちらを出力するかの指令信号を受ける。仮に指令信号が可視光画像であれば、カメラ制御部116は可視光ライン118からのみ画像信号を出力するように制御する。その画像信号がA/D変換器115に入り、デジタル信号として可視光画像を出力する。指令信号が赤外光画像であれば、カメラ制御部116は赤外光ライン119からのみ画像信号を出力するように制御する。電気的に切り替えることができるので、応答が速く故障も少なくすることができる。
図3および図4において、カメラ110について説明してきたが、これらで使われる固体撮像素子はCCDに限られるものでなく、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)であってもよい。また、図4Bにおいて、RGBフィルタを使用したが、マゼンタ(Mg)フィルタ、シアン(Cy)フィルタ、黄(Ye)フィルタおよびGフィルタで可視光フィルタ125を構成してもよい。
<可視光フィルタ125および赤外光フィルタ127>
図5は、光の波長と照射強度とを示した図である。図5Aは、炎天下における可視光顔認証時を示した図であり、図5Bは、暗闇および室内照明下における赤外線顔認証時を示した図である。照炎天下の太陽光の照射強度が非常に強いため、図5Aでは太陽光の照射強度を抑えて描いてある。
赤外光成分を多く含む炎天下の場合には、赤外光成分同士の干渉の点で、顔認証がしにくくなる場合がある。このため、約760nm以上の波長を遮断する可視光フィルタ125をCCD121の前に配置すると、可視光で顔認証をすることができる。一方、曇りまたは朝夕の野外では、赤外光成分はあまり多くなく、また、室内の白熱灯または蛍光灯下でも赤外光成分は多くない。このような状態で、約760nm以上の波長のみを透過させる赤外光フィルタ127をCCD121の前に配置すると、赤外光で顔認証をすることができる。可視光フィルタ125と赤外光フィルタ127との境界を、約760nmの波長で説明したが約780nmまたは約800nmにしてもよい。さらに、可視光フィルタ125が800nm以下の波長を透過するようにし、赤外光フィルタ127が約760nm以上の光を透過するようにして、一部重複領域があってもよい。
<顔認証を行う場合の携帯電話の使い方>
図6は、照度計61を備えた携帯電話20で顔を撮影する際のイメージ図である。図6において、携帯電話20には、IrLED60、照度計61およびカメラ110を実装した光学基板150が備え付けてある。製造コストおよび省スペースのためIrLED60、照度計61およびカメラ110が一体に製造されている。モニター30も、一体に製造してもよい。IrLED60に限らず、一般に、LEDは指向性が高くなるように製造されている。今回は視覚角度が約30度から40度のIrLED60を使用した。照度計61は、携帯電話20で自分の顔を撮影する際に、上に向く位置に配置する。太陽、または天井の照明などの照度を正確に把握するためである。
<顔登録モードのフローチャート>
顔登録モードの動作を説明する。折畳み式の携帯電話10を初めて使用する場合に、顔登録を行う。図7は、図3Bで示したフィルタ切り替えカメラ受光部123を備えるカメラ110−Bを使って顔登録を行うフローチャートである。なお、回転式の携帯電話20でも同様である。
図7のステップF11において、顔登録モードに使われる変数Lを初期化する。次にステップF12においてIrLED60が点灯する。この際にモニター30には、顔の位置および大きさを示す枠32(図2参照)を表示してもよい。ステップF13において、赤外光フィルタ127をCCD121前に配置する。これで赤外光による顔登録の準備が整う。
ステップF14では、カメラ110により顔の撮影を行う。赤外光で撮影された画像は、ステップF15で、顔画像ファイル135に赤外光画像テンプレートとして記憶される。ステップF16では、赤外光で撮影された赤外光画像テンプレートが所定枚数Eまで、記憶されたかを判断する。所定枚数Eまで達していなければ、ステップF17に進み、変数Lを加算する。そして、ステップF14からステップF16を繰り返し、赤外光画像テンプレートが所定枚数Eまで顔画像ファイル135に記憶される。所定枚数Eに達したらステップF18に進む。
次に、可視光による顔登録を行う。可視光で顔を撮影する際には均一な照明光が顔にあたる状態で行うことが好ましい。ステップF21において、顔登録モードに使われる変数Mを初期化する。次にステップF22においてIrLED60を消灯する。ステップF23において、可視光フィルタ125をCCD121前に配置する。これで可視光による顔登録の準備が整う。この際に、ステップF22においてIrLED60を消灯しなくても、可視光フィルタ125で赤外光はカットされる。しかし、消費電力の抑えるため、IrLED60を消灯する方が好ましい。
ステップF24では、カメラ110により顔の撮影を行う。可視光で撮影された画像は、ステップF25で、顔画像ファイル135に可視光画像テンプレートとして記憶される。ステップF26では可視光で撮影された可視光画像テンプレートが所定枚数Fまで、記憶されたかを判断する。所定枚数Fまで達していなければ、ステップF27に進み、変数Mを加算する。そして、ステップF24からステップF26を繰り返し、可視光画像テンプレートが所定枚数Fまで顔画像ファイル135に記憶される。所定枚数Eに達したらステップF28に進む。
このように、所定枚数Eの赤外光画像テンプレートおよび所定枚数Fの可視光画像テンプレートは、顔画像ファイル135に記憶される。このように複数枚の赤外光画像テンプレートおよび複数枚の可視光画像テンプレートを用意する理由は、顔認証の認識率を上げるためである。顔の表情は気分で変わり、また斜め横向きの顔で顔認証されることもある。このため多くの画像テンプレートを用意しておき、認識率を上げる。しかし、画像テンプレートがあまりに多いと、顔認証に時間がかかることになる。そのため、赤外光画像テンプレートおよび可視光画像テンプレートともに、3枚から6枚ほどのテンプレートを用意することが好ましい。
<顔認証のフローチャート>
<<第一実施例>>
携帯端末器の一例として携帯電話10における顔認証の動作を説明する。図8は、第一実施例で、携帯電話10を使用開始する際に顔認証を行うフローチャートである。携帯電話10には多くの個人情報またはメールが含まれている。このため、顔認証で合格しなければ、携帯電話10の使用ができないようにしている。また、図8は、図3Bで示したフィルタ切り替えカメラ受光部123を備えるカメラ110−Bを使って顔登録を行うフローチャートである。
図8のステップS11において、顔認証に使われる変数Nを初期化する。次にステップS12においてIrLED60を点灯する。ステップS13において、赤外光フィルタ127をCCD121前に配置する。この際にモニター30には、顔の位置および大きさを示す枠32(図2参照)を表示してもよい。顔が最適な位置および大きさになるようにオペレータに促すためである。
ステップS14において、顔の輪郭および顔の特徴部分を把握する。図2で示した画像処理部131の画像処理速度に応答して、顔認証演算部133で顔の輪郭および特徴部分を抽出する。顔が大きすぎたり小さすぎたりして、所定の輪郭および特徴部分が把握できない場合には、ステップS15およびステップS16に進み、変数Nが閾値SRに達するまで、顔の輪郭および顔の特徴部分の把握を繰り返す。ステップS15において変数Nが閾値SRに達すると、ステップS28において顔認証ができなかったことをモニター30に表示する。ステップS14において、顔の輪郭および顔の特徴部分を把握できた場合には、ステップS21に進む。
ステップS21では、図2に示した顔画像ファイル135で保存されている赤外光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致するかを判断する。たとえば、ステップS14において顔の輪郭および顔の特徴部分が把握できていても、顔が斜め横向きであったために同一人物でないと判断されてしまう。このため、所定枚数Eの赤外光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致しているかを算出し、認識率Xを求める。
ステップS22では、認識率Xが第一閾値Aよりも高いか否かを判断する。認識率Xが第一閾値Aよりも高ければ、ステップS23に進み、本人認証が完了し、電話をかけたり、電子金銭決済を行ったりEメールを出したりすることができる。一方、認識率Xが第一閾値Aよりも低ければ、ステップS24に進む。
ステップS24においてIrLED60を消灯する。ステップS25において、可視光フィルタ125をCCD121前に配置する。ステップF22においてIrLED60を消灯しなくても、可視光フィルタ125で赤外光はカットされる。しかし、消費電力の抑えるため、IrLED60を消灯する方が好ましい。
ステップS26では、顔画像ファイル135で保存されている可視光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致するかを判断する。所定枚数Fの可視光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致しているかを算出し、認識率Yを求める。
ステップS27では、認識率Yが第二閾値Bよりも高いか否かを判断する。認識率Yが第二閾値Bよりも高ければ、ステップS23に進み、本人認証が完了する。一方、認識率Yが第二閾値Bよりも低ければ、ステップS28に進む。そして顔認証ができなかったことをモニター30に表示する。
上述したように、図8に示した顔認証を行うフローチャートでは、可視光による顔認証を行わないことはあるが、必ず赤外光による顔認証を行う。光の影による影響を受けないため顔認証率が高く、また、顔写真であっても同一人物と認証することはしないので、いわゆる「なりすまし」を防ぐこともできるからである。なお、顔認証ができずにステップS28に進んだ後、終了するのではなく、所定回数だけ顔認証を再び行うことも可能である。この場合には、点線で示すようにステップS28からステップS11へ移行させればよい。
<<第二実施例>>
図9は、第二実施例で、照度計61を備えた携帯電話20における顔認証の動作を説明する。図9は、携帯電話20を使用して、携帯電話20の電源投入後、携帯電話20が備える電子金銭決済の特定の機能に、顔認証で合格しなければその特定の機能を使用できなくしている。また、図9は、図3Bで示したフィルタ切り替えカメラ受光部123を備えるカメラ110−Bを使って顔登録を行うフローチャートである。
図9のステップS31において、顔認証に使われる変数Nを初期化する。次にステップS32において、照度計61で検出した照度が照度閾値Gよりも大きいか否かを判断する。照度が照度閾値Gよりも大きければ、ステップS41に進み、照度が照度閾値Gよりも大きくなければ、ステップS33に進む。照度閾値Gは、たとえば10000ルクスないし40000ルクスに設定する。好ましくは、16000ルクスないし40000ルクスである。
曇り、室内または暗闇の場合には、ステップS33においてIrLED60を点灯する。ステップS34において、赤外光フィルタ127をCCD121前に配置する。ステップS35において、顔の輪郭および顔の特徴部分を把握する。所定の輪郭および特徴部分が把握できない場合には、ステップS36およびステップS37に進み、変数Nが閾値SRに達するまで、顔の輪郭および顔の特徴部分の把握を繰り返す。ステップS36において変数Nが閾値SRに達すると、ステップS52において顔認証ができなかったことをモニター30に表示する。ステップS35において、顔の輪郭および顔の特徴部分を把握できた場合には、ステップS38に進む。
ステップS38では、顔画像ファイル135で保存されている赤外光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致するかを判断する。所定枚数Eの赤外光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致しているかを算出し、認識率Xを求める。ステップS39では、認識率Xが第一閾値Aよりも高いか否かを判断する。認識率Xが第一閾値Aよりも高ければ、ステップS51に進み、本人認証が完了する。一方、認識率Xが第一閾値Aよりも低ければ、ステップS52において顔認証ができなかったことをモニター30に表示する。
次に、炎天下の場合には、照度が照度閾値Gよりも大きいのでステップS41に進み、ステップS41において、赤外光フィルタ127をCCD121前に配置する。そもそも炎天下であるため赤外光も多く含まれているため、IrLED60を点灯することはない。
ステップS42において、顔の輪郭および顔の特徴部分を把握する。所定の輪郭および特徴部分が把握できない場合には、ステップS43およびステップS44に進み、変数Nが閾値SRに達するまで、顔の輪郭および顔の特徴部分の把握を繰り返す。ステップS43において変数Nが閾値SRに達すると、ステップS52において顔認証ができなかったことをモニター30に表示する。ステップS42において、顔の輪郭および顔の特徴部分を把握できた場合には、ステップS45に進む。
ステップS45では、顔画像ファイル135で保存されている赤外光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致するかを判断する。所定枚数Eの赤外光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致しているかを算出し、認識率Xを求める。ステップS46では、認識率Xが第一閾値Aよりも高いか否かを判断する。認識率Xが第一閾値Aよりも高ければ、ステップS51に進み、本人認証が完了する。一方、認識率Xが第一閾値Aよりも低ければ、ステップS47に進み、ステップS47において、可視光フィルタ125をCCD121前に配置する。
ステップS48では、顔画像ファイル135で保存されている可視光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致するかを判断する。所定枚数Fの可視光画像テンプレートと顔の輪郭および顔の特徴部分とが一致しているかを算出し、認識率Yを求める。
ステップS49では、認識率Yが第二閾値Bよりも高いか否かを判断する。認識率Yが第二閾値Bよりも高ければ、ステップS51に進み、本人認証が完了する。一方、認識率Yが第二閾値Bよりも低ければ、ステップS52に進む。そして顔認証ができなかったことをモニター30に表示する。
上述したように、図9に示した顔認証を行うフローチャートでは、照度が照度閾値Gよりも大きいか否かで異なる顔認証を行う。赤外光成分を多く含む炎天下の利用の場合には、可視光による顔認証の認証率が高い。しかし、照度が照度閾値Gよりも大きくても必ず赤外光による顔認証を行う。顔写真であっても同一人物と認証することはしないので、いわゆる「なりすまし」を防ぐこともできるからである。なお、顔認証ができずにステップS28に進んだ後、終了するのではなく、所定回数だけ顔認証を再び行うことも可能である。この場合には、点線で示すようにステップS52からステップS31へ移行させればよい。
以上、いろいろな実施形態を説明したが、これらの実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。たとえば、携帯端末器の一例として、図1では折畳み式の携帯電話10および回転式の携帯電話20を示した。しかし、本発明の携帯端末器はこれに限られるものでなく、ストレート式の携帯電話であってもよいし、PDAであっても良い。USBカメラを取り付けた携帯可能なノートパソコンも携帯端末器に含まれる。本発明の携帯端末器は、人が手に持ってカメラ110と顔との距離を変えることができるものをいう。また、携帯端末器だけでなく、部屋の入退室のチェックを行う顔認証装置にも適用できる。
また、レンズ129は固定焦点の前提で説明してきたが、オートフォーカス機能を設けても良いことはいうまでもない。さらに、顔登録モードのフローチャートおよび顔認証のフローチャートでは、フィルタ切り替えカメラ受光部123を備えるカメラ110−Bで説明した。しかし、可視光カメラ受光部120と赤外光カメラ受光部122とを備えるカメラ110−Aでも、受光素子にフィルタが設けられているカメラ受光部124を備えるカメラ110−Cでも、顔登録モードのフローチャートおよび顔認証のフローチャートのように適用できることは、当業者に理解されるところである。
Aは、IrLED60を備えた折畳み式の携帯電話10の斜視図であり、Bは、IrLED60を備えた回転式の携帯電話20の背面図である。 バイオメトリクス認証装置100の構成図である。 Aは、可視光カメラ受光部120と赤外光カメラ受光部122とを備えるカメラ110−Aで、Bは、フィルタ切り替えカメラ受光部123を備えるカメラ110−Bである。 Aは、受光素子にフィルタが設けられているカメラ受光部124を備えるカメラ110−Cである。Bは、カメラ受光部124のCCD117の受光素子の拡大図である。 光の波長と照射強度とを示した図である。 携帯電話20で顔に赤外光を照射したイメージ図である。 顔登録を行うフローチャートである。 第一実施例で、携帯電話10を使用開始する際に顔認証を行うフローチャートである。 第二実施例で、照度計61を備えた携帯電話20における顔認証のフローチャートである。
符号の説明
30 … モニター
40 … 入力ボタン
60 … IrLED
61 … 照度計
100 … バイオメトリクス認証装置
110 … カメラ
117,121 … CCD
125 … 可視光フィルタ
127 … 赤外光フィルタ
130 … 顔認証部
150 … 光学基板

Claims (10)

  1. 赤外光を顔に照射する光源と、
    可視光による顔の可視光画像および照射された赤外光による顔の赤外光画像を撮像する撮像部と、
    前記赤外光画像のみを利用して顔の認証を行うとともに、前記赤外光画像および可視光画像を利用して顔の認証を行う認証部と、
    を備えることを特徴とする顔認証装置。
  2. 前記認証部が前記赤外光画像で顔認証ができなかった際に、さらに前記撮像部で可視光画像を撮像し、前記認証部が前記可視光画像で顔認証を行うことを特徴とする請求項1に記載の顔認証装置。
  3. さらに、照度を検出する照度検出部を備え、
    前記認証部は、前記照度が所定照度以下の際に前記認証部が前記赤外光画像のみで顔の認証を行い、前記照度が所定照度より高い際に前記赤外光画像および可視光画像で顔の認証を行うことを特徴とする請求項1に記載の顔認証装置。
  4. 前記所定照度は、10000ルクスないし40000ルクスであることを特徴とする請求項3に記載の顔認証装置。
  5. 前記照度が所定照度より高い際に、前記認証部は、前記赤外光画像で顔認証を先に行い、前記赤外光画像で顔認証ができなかった場合に前記可視光画像で顔認証を行うことを特徴とする請求項3に記載の顔認証装置。
  6. 前記認証部は、複数の赤外光画像と複数の可視光画像とを画像ファイルとして記憶することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の顔認証装置。
  7. 顔認証装置は、前記画像ファイルに記憶された複数の赤外光画像と前記撮像部で撮像された赤外光画像とに基づいて認証率を算出し、この認識率が閾値より大きいときに本人認識と確認することを特徴とする請求項6に記載の顔認証装置。
  8. 前記認証部は、前記赤外光画像および前記可視光画像から顔全体の輪郭を特定し、さらに、顔の両目の位置、鼻の穴の位置および口の位置を特定することで、認証を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の顔認証装置。
  9. 請求項3ないし請求項8のいずれか一項に記載の顔認証装置を備えた携帯端末器であって、
    この携帯端末器で顔の認証を行う際に、前記光源が顔の方に向くように配置し、前記照度検出部が天を向くように配置することを特徴とする携帯端末器。
  10. 可視光による顔の可視光画像および照射された赤外光による顔の赤外光画像による顔の認証方法において、
    赤外光を顔に照射し、照射された赤外光により顔の赤外光画像を撮像する赤外光撮像ステップと、
    前記赤外光画像により、顔認証を行う赤外光の顔認証ステップと、
    前記赤外光で顔認証が行えなかったときに、可視光により顔の可視光画像を撮像する可視光撮像ステップと、
    前記可視光画像により、顔認証を行う可視光の顔認証ステップと、
    を備えることを特徴とする顔認証方法。
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