JP2008157525A - 植物系廃油混合燃料の燃焼装置および燃焼方法 - Google Patents

植物系廃油混合燃料の燃焼装置および燃焼方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既設の施設園芸用暖房機等に対し、既設設備の大幅な変更を招くことなく、低コスト燃料を用いて、バーナーによる安定した着火性、燃焼性を確保できる燃焼装置と燃焼方法を提供する。
【解決手段】重油に対する植物系廃油の混合割合を、重油1に対し植物系廃油を2/3以上、3/2未満の割合として混合した植物系廃油混合燃料を用いる。燃焼室3の入口に取り付けられるバーナー10は、ポンプ19により燃料噴射ノズル15から燃焼室3内に混合燃料を霧状に噴射して、点火トランス16からの高圧電流により燃料噴射ノズル近傍の点火棒17に放電火花を発生させ、着火させる構成であり、ポンプ19に接続される燃料供給配管18の途中に、混合燃料の油温を予め昇温させるヒーター25を組み付け、ヒーター25による混合燃料の昇温範囲を50℃乃至90℃に管理してポンプに供給し、当該油温に管理された混合燃料をポンプから燃料噴射ノズルに送出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、既設設備の燃焼装置を大幅に変更することなく、テンプラ廃油などの植物系廃油を混合した低コスト燃料を用いて、安定した燃焼運転を行えるようにした燃焼装置および燃焼方法に関するものである。
低温期に暖房機を用いる施設園芸は、他の農業形態と異なり、燃料コストの占める割合が大きく、そのため、近年の石油価格の高騰は、暖房機を用いる施設園芸農家にとって、大変大きな問題、すなわち死活問題となっている。たとえば、施設園芸農家は、一戸あたり機械台数を3〜5台保有しており、その燃料使用量は一戸あたり非常に多く、例えばA重油の燃料価格が2倍に上昇すれば、施設園芸農家の受ける打撃が非常に大きくなることが容易に理解されよう。
燃料コストの上昇分を商品価格に転嫁できればよいが、現状では商品価格に転化するのは難しく、そのため、燃料コストの低減、なかでも低コスト燃料の利用について、各方面から強い要望がなされている。再資源化燃料として、再資源ペレット、木質チップなどが知られているが、いずれも製造コストや流通の未整備の諸問題により、一般普及するには至っていない。また、燃料資源として、廃タイヤなどもあるが、セメント工場など大規模工場向けの燃料として用いられるにとどまっている。
近年、家庭や飲食店舗等から排出される廃食用油(従来は産業廃棄物として廃棄処分されていたもの)を燃料に利用するという試みがなされている。廃食用油を用いたバイオディーゼル燃料などはその代表的な例である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開平9−235573号公報 特開2002−327185号公報
しかしながら、施設園芸用に用いられる暖房機などの小型の燃焼装置について、従来の重油単独燃料(A重油)に替わる、低コスト燃料を用いた例は見あたらない。
施設園芸用に用いられる小型の燃焼装置については、低コスト燃料に代替するに際し、既設設備を大幅に変更することなく、装置の改造費用や切替費用を最小限に抑え、もって施設園芸農家の負担を最小限に抑えることが望ましい。また、低コスト燃料を用いるに際しては、バーナーによる着火性、燃焼性を十分確保することが、実用上重要である。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、既設の施設園芸用暖房機等に対し、既設設備の大幅な変更を招くことなく、低コスト燃料を用いることのできる燃焼装置を提供すること、また、バーナーによる安定した着火性、燃焼性を確保して、従来燃料に比べ遜色のない安定した燃焼運転を実現できる燃焼装置および燃焼方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載の燃焼装置は、
重油に対する植物系廃油の混合割合を、重油1に対し植物系廃油を2/3以上、3/2未満の割合として混合してなる植物系廃油混合燃料が用いられる燃焼装置であって、
燃焼室の入口に、燃料噴射ノズルを内蔵するバーナーが取り付けられ、
前記バーナーは、ポンプによって前記燃料噴射ノズルから前記燃焼室内に前記混合燃料を霧状に噴射するとともに、霧状に噴射された混合燃料に対し、点火トランスからの高圧電流により前記燃料噴射ノズル近傍の点火棒に放電火花を発生させ、着火させる構成であり、
前記ポンプに接続される燃料供給配管の途中に、前記ポンプに供給する混合燃料を予め昇温させるヒーターが組み付けられており、当該ヒーターによる前記混合燃料の昇温範囲を50℃乃至90℃の油温に管理して前記ポンプに供給し、当該範囲の油温に管理された混合燃料を前記ポンプから前記燃料噴射ノズルに送出するように構成されていることを特徴とする。
請求項1記載の燃焼装置によると、重油に対する植物系廃油の混合割合を、重油1に対し植物系廃油を2/3以上、3/2未満の割合で混合した植物系廃油混合燃料を用いることで、重油100%の燃料に比較して、低コスト燃料を用いることが可能である。重油1に対し植物系廃油の割合を2/3以上としたのは、2/3未満であると、植物系廃油の割合が少な過ぎて、バーナーによる安定着火および安定燃焼が得られるものの、低コスト化が期待できないからである。また、植物系廃油の割合を3/2未満としたのは、3/2以上であると、植物系廃油の割合が多過ぎて、不安定着火および不安定燃焼となるからである。
また、混合燃料の油温を50℃乃至90℃に管理するのは、油温が50℃未満であると、油温が低すぎて、混合燃料、特に植物系廃油に対するバーナーの着火性が悪く、その結果として不安定着火および不安定燃焼となるからである。また、油温が90℃を超えると、着火性は良いものの、燃料供給配管の管内圧が高くなって、装置の耐久性の点で好ましくないからである。
植物系廃油の着火温度は、重油(A重油)に比較して、一般に高く(廃テンプラ油の場合、発火温度が300℃以上ある)、発明者の実験によると、植物系廃油のみの場合、油温を高温の90℃にしても、バーナーの点火棒による放電火花では、着火しないことが分かった。これは、植物系廃油の油温が90℃程度では、燃料噴出ノズルから噴出される植物系廃油の粒子が大きく、着火に到らなかったものと考えられる。しかし、油温を90℃を超える温度に上げることは、前記した管やポンプあるいは燃焼噴射ノズルの耐久性を劣化させる問題が生じる。
これに対し、重油1に対する植物系廃油の混合割合を3/2未満とし、合わせて油温を50℃以上にすることで、微粒子化が促進された重油の着火が促進されて、バーナーにより着火された重油の粒子が火炎の核となって植物系廃油を含む他の粒子に伝播していき、安定した良好な着火性が得られるようになると考えられる。
重油には、主として一般A重油が用いられる。また、植物系廃油には、菜種油、パーム油、大豆油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油などの単独または混合の植物系油の廃油が用いられる。
植物系廃油燃料に対する安定着火を得ようとすれば、パイロットバーナー(ガス燃焼方式)による点火用火種が考えられる。しかし、パイロットバーナーの場合、パイロットバーナーに供給するガスのガス供給系統や、点火およびガス燃焼運転のための複雑な制御プログラムを別途に必要とし、既設の燃焼装置の大幅な設備変更が必要となる。これに対し、本発明の燃焼装置は、上記管理条件下で混合燃料を燃料噴射ノズルから噴射するものであり、点火トランスからの高圧電流による点火棒の放電火花によって、安定着火および安定燃焼が得られるようになっている。パイロットバーナーに比べると、装置構成が極めて簡単である。
また、本発明に係る燃焼装置は、既存設備のバーナータイプの燃焼装置に対して、燃料供給配管の途中に、混合燃料の昇温に用いるヒーターを組み付けるだけの単純かつ簡易な追加構成だけで足り、設備の大幅な変更は必要とされない。
混合燃料の昇温に用いるヒーターとしては、貯油部内に設置されるニクロム線等の電熱線、燃料供給配管の周囲に配設される温水管、蒸気管などがある。燃料供給配管の途中を、燃焼室を構成する炉体の壁面近傍に沿わせて、炉体の蓄熱をヒーター熱源として用いるようにしてもよい。
本発明に係る請求項2記載の燃焼装置は、前記ヒーターの上流側の燃料供給配管の途中に昇温前の混合燃料を濾過する第1濾過器が設けられ、前記ヒーターの下流側で前記ポンプとの間の燃料供給配管の途中に、昇温後の混合燃料を濾過する第2濾過器が設けられていることを特徴とする。
請求項2記載の燃焼装置によると、ヒーターの上流側の燃料供給配管に設けた第1濾過器によって、昇温前の混合燃料を荒濾しし(特に、植物系廃油の不純物の大部分を濾す)、さらに、ヒーターとポンプとの間の燃料供給配管に設けた第2濾過器によって、昇温後の流動性を増した混合燃料を再び濾過することにより、混合燃料中の不純物が十分に除去され、不純物が十分に除去された混合燃料をポンプに供給できる。その結果、混合燃料の着火性および安定燃焼をより良好にする。
本発明に係る請求項3記載の燃焼装置は、前記重油と前記植物系廃油との比重差が、0.1以内であることを特徴とする。
請求項3記載の燃焼装置によると、重油と植物系廃油の比重差を0.1以内とすることで、貯留状態の混合燃料中の重油と植物系廃油が互いに分離しにくくなる。重油と植物系廃油が分離された状態で燃料噴射ノズルから霧状に噴射されると、不着火や不安定燃焼の原因となるが、重油と植物系廃油が互いに分離しにくいことで、かかる不具合が生じにくい。また、分離しにくいことから、攪拌装置が不要で、既存設備の大幅な変更が要らない。さらに、燃料供給配管内に分離した植物系廃油が付着して、管内から付着した植物系廃油を除去清掃するといったメンテナンス上の問題も生じにくいというメリットがある。
重油、例えばA重油の比重は0.85〜0.87程度であり、植物系廃油、例えば菜種油の比重は0.92〜0.93程度であり、両者の比重差は0.1以内である。発明者により、このA重油と廃菜種油を混合すると、分離しにくく安定した混合性状が得られることが確かめられた。
本発明に係る請求項4記載の燃焼方法は、重油に対し植物系廃油を混合してなる植物系廃油混合燃料を用いた燃焼方法であって、
重油に対する植物系廃油の混合割合を、重油1に対し植物系廃油を2/3以上、3/2未満の割合として混合して、同混合燃料を燃料供給配管に供給し、
燃料供給配管に供給された混合燃料を予めヒーターによって昇温させて、ヒーターによる混合燃料の昇温範囲を50℃乃至90℃の油温に管理して、ポンプに供給し、
同ポンプから当該範囲の油温に管理された混合燃料をバーナーに内蔵された燃料噴射ノズルに送出して、同燃料噴射ノズルから燃焼室内に霧状に噴出し、
霧状に噴射された混合燃料に対し、点火トランスからの高圧電流により点火棒に放電火花を発生させて着火させ、燃焼させることを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る燃焼装置によると、重油に植物系廃油を混合した低コストの混合燃料を用いて、従来の重油単独燃料と比較しても遜色のない安定した燃焼運転を実現することができ、燃料費の大幅節約を図れるという効果を奏する。また、既設設備を大幅変更することなく、既存設備の燃焼装置に対し、ヒーターを追加する簡単施工で上記効果を実現でき、施工費用も必要最小限で済むという効果を奏する。
また、本発明に係る燃焼方法によると、既存の温風暖房機や乾燥機等の燃焼装置に対し、植物系廃油を利用した低コストの混合燃料を用いて安定した燃焼運転を図ることができ、従来廃棄処分されてきた大量の植物系廃油を回収して、燃焼装置の燃料への有効利用を図り、環境負荷を軽減できるという効果を奏する。
本発明を実施するための最良の形態を図1ないし図3を参照して説明する。図1および図2において、1は本発明の燃焼装置を適用した施設園芸用温風暖房機を示している。
まず、施設園芸用温風暖房機1の構成について説明すると、図1に示すように、長手方向に延びる角型形状のケーシング2の内部に、長手方向に延びる燃焼室3を形成する炉体4が配置されている。この炉体4の一端側には燃焼室3の入口を構成する接続筒部5が突設されるとともに、炉体4の他端側には燃焼室3から上部に第1チャンバー室6が突設され、この第1チャンバー室6から炉体4の上面との間に隙間を形成して炉体4の上面と平行に炉体4の一端側へ複数本(図2参照)の熱交換用の煙管7が延びている。各煙管7の先端は第2チャンバー室8に接続されるとともに、第2チャンバー室8には各煙管7に連通する屋外排気用の煙突9が接続されている。
前記炉体4の接続筒部5の内部には、ガンタイプバーナー(以下、「バーナー」と省略する)10のブロア筒部11が装着固定されている。バーナー10の構成については、後述する。ケーシング2の上面には、取付け部12aを介して2台の送風機12,12が取り付けられている。また、ケーシング2の両側面下部には、ケーシング2内で生成された温風の吐出口13が形成されている。
上記構成の温風暖房機1は、バーナー10の燃焼による火炎14を燃焼室3内に発生させて、1500℃以上の高温燃焼ガスを、第1チャンバー室6から多数本の煙管7に導き、同煙管7から第2チャンバー室8、煙突9を通り、屋外に排気する一方、2台の送風機12,12の運転によりケーシング2内部に外気を取り入れて、多数の煙管7および炉体4の外面との間で熱交換を行い、熱交換によりケーシング2内で生成された温風を、ケーシング2の側面下部の吐出口13から吐出させ、図示しないダクト等を介して、施設園芸用ハウス内に温風を導入し、ハウス内の暖房に供するようになっている。
バーナー10の構成について説明すると、図3の概略図に示すように、バーナー10の外ケースを兼ねるブロア筒部11の内部の軸心位置に燃料噴出ノズル15が配置され、燃料噴出ノズル15の近傍には点火トランス16からの高圧電流により放電火花を発生させる点火棒17が配設されている。燃料噴出ノズル15には、燃料供給配管18が接続され、燃料供給配管18の途中に配設されたギアポンプ19の駆動によって、燃料供給配管18内の混合燃料が燃料噴出ノズル15に向けて加圧状態で送出され、同混合燃料が燃料噴出ノズル15から燃焼室3内に霧状に噴出されるようになっている。燃料噴出ノズル15に対する混合燃料の送出動作は、図示しない制御装置からの開閉信号に基づく電磁弁20(ギアポンプ19の下流側に位置する)の開閉操作によって制御されるようになっている。
ブロア筒部11には送風ファン21を内蔵した送風機ケース22が一体に取り付けられ、モーター23の駆動により、送風ファン21が回転して、ブロア筒部11内の燃料噴出ノズル15の周囲に前方へ向けての空気流が形成され、この空気流と燃料噴出ノズル15から噴出される霧状の混合燃料とで混合流が形成されるようになっている。モーター23は、ギアポンプ19の駆動をも兼ねており、モーター23の駆動により、ギアポンプ19の駆動と送風ファン21の回転が同期し、ギアポンプ19の駆動による燃料噴出ノズル15からの混合燃料の噴出と、送風ファン21の回転による空気流の送出とが同時に行なわれ、前記した霧状の混合燃料と空気流との混合流が強制的に作り出されるようになっている。そして、燃料噴出ノズル15の前方でブロア筒部11の先端開口部には、ディフューザー24が取り付けられ、このディフューザー24においてブロア筒部11内部を流れる空気流が旋回流となって、混合燃料の一層の霧状化と混合流の促進が図られるようになっている。
ギアポンプ19の上流側の燃料供給管18には、同燃料供給配管18内をギアポンプ19に向けて送られる混合燃料を予め昇温させるヒーター25を内蔵する貯油部(ラインヒーター)26が設けられている。この貯油部26には、前記ヒーター25によって貯油部26内の混合燃料を50℃乃至90℃に昇温管理する制御部27が設けられている。この制御部27は、貯油部26内の混合燃料の温度を50℃乃至90℃の範囲で温度設定し、ヒーター25を作動させて、貯油部26内の混合燃料が設定した温度に達すると、貯油部26内に配置した温度センサー28からの信号によりヒーター25をOFF制御し、貯油部26内の混合燃料の温度が設定温度を下回ると(例えば、設定温度―5℃)、前記温度センサー28からの信号によりヒーター25をON制御して、貯油部26内の混合燃料を再び設定温度まで昇温させる。このようにして、温度センサー28からの信号によりヒーター25をON/OFF制御して、貯油部26内の混合燃料の油温を昇温管理するようになっている。
貯油部26には、ギアポンプ19から燃料噴射ノズル15側へ送出されなかった分の混合燃料が燃料戻り配管29を介して戻されるようになっている。この燃料戻り配管29の合流点Pの上流側の燃料供給配管18の途中には、昇温前の混合燃料を濾過する第1ストレーナー(濾過器)30が設けられ、また、貯油部26の下流側でギアポンプ19との間の燃料供給配管18には、ヒーター25による昇温後に流動性が増した状態の混合燃料を濾過する第2ストレーナー(濾過器)31が設けられている。なお、符号32は、燃料噴出ノズル15の後方に設けられたノズルヒーターを示している。
前者の第1ストレーナー30の上流側の燃料供給配管18には、混合燃料を最初に貯留する貯留タンク33が接続されている。この貯留タンク33には、混合燃料の消費量に応じて混合燃料が補充されるようになっている。
本実施形態の温風暖房機1に使用する混合燃料としては、A重油に一定の混合割合の植物性廃油、例えば、廃菜種油、廃パーム油等を混合したものが用いられる。A重油に対する植物性廃油の混合割合は、A重油1に対し、植物性廃油を2/3以上、3/2未満とする。例えば、A重油と植物性廃油の混合割合を6:4あるいは5:5とすることが考えられる。
次に、上記構成の温風暖房機1において、上記植物性廃油混合燃料を用いた燃焼運転方法について説明する。
上述したように、温風暖房機1においては、バーナー10の燃焼運転により植物系廃油混合燃料を燃焼室3内で燃焼させて、熱交換部たる多数本の煙管5および炉体4の外面において、内部の高温(1500℃〜2000℃)の燃焼ガスと、送風機12の運転によりケーシング2内部に取り入れられた外気との間で熱交換を行い、熱交換によりケーシング2内で生成された温風を、ケーシング2の側面下部の吐出口13から吐出させ、施設園芸ハウス内の暖房に供するようになっている。
送風機12およびバーナー10(モーター23、点火トランス16)の運転は、適所に取付けられた温度センサーからの温度信号に基づく制御装置からのON/OFF信号により制御される。すなわち、ハウス内の温度が設定値を下回る時はON信号によりバーナー5が点火され、設定値を上回る時はOFF信号によりバーナー5が停止される。これによりハウス内の暖房温度が制御装置の暖房温度設定値に従って一定温度に維持される。
貯留タンク31内に貯留された混合燃料は、燃料供給配管18を通り、第1ストレーナー30で濾過されてから、低温期で約15℃前後の油温で、貯油部26に向かい、貯油部26内部のヒーター25によって50℃乃至90℃に昇温管理された状態で貯留される。そして、制御装置からの駆動信号によりモーター23が駆動されると、ギアポンプ19の駆動により、貯油部26内の50℃乃至90℃に油温管理された混合燃料は、第2ストレーナー31で再び濾過された後、ギアポンプ19に向かい、ギアポンプ19によって加圧状態となり、制御装置からの信号により電磁弁20が開かれると、ノズルヒーター32を介して燃料噴出ノズル15から燃焼室3内に霧状に噴出される。同時に、ギアポンプ19の駆動と同期して、モーター23の駆動により、送風ファン21が回転して、空気流がブロア筒部11内に送出され、ディフューザー24で旋回流とされて、前記した霧状の混合燃料との混合流となって燃焼室3内に噴出される。そして、点火トランス16からの高圧電流により点火棒から放電火花が発生して、霧状の混合燃料に着火し、燃焼室3内に火炎14を生成する。
ギアポンプ19で燃料噴出ノズル15側へ送出されなかった分の混合燃料は、燃料戻り配管29を通り、貯油部26に戻され、再びヒーター25によって50℃〜90℃に加温維持される。貯油部26には、ギアポンプ19から燃料噴射ノズル15側へ送出された分の混合燃料が、上流側の貯留タンク33から燃料供給配管18を通して補給される。
以上の実施形態では施設園芸用温風暖房機1への適用例を説明したが、本発明は乾燥機の燃焼装置に適用できるのはもちろんである。
本発明者は、既設の施設園芸用温風暖房機に対し本発明を適用し、植物系廃油混合燃料を用いた燃焼性試験(着火性、安定燃焼性)を行った。燃焼性試験は、着火性、安定燃焼性(火炎形状)について、油バーナ性能試験方法(JISB8407)の試験要領および測定方法を参考にして行った。表1にその試験結果を示す。
試験用油は、A重油(比重0.859)に廃テンプラ油(比重0.921)(注1)を混合したものを用い、それぞれの混合比率を変えて試験を行った。また、油温度は、貯留部における油温設定温度を50℃から90℃まで段階的に10℃ずつ上げて、それぞれの油温で試験を行った。(注1)原材料には、菜種油、パームオレイン、シリコーンが含まれる。
試験に用いる暖房機は、バーナーの形式がGB-600E、燃油量が19リットル/時間であり、油圧を10.5kg/cm2に設定した。また、バーナー用の送風機の吸気ダンパの開度を3/10に設定した。
着火性は、バーナーと反対側の炉体の覗き窓(図1の符号34で示す)より肉眼によって計2回測定を行い、判定した。電磁弁が開いて燃料噴出ノズルから試験用油が霧状に噴出すると略同時に燃焼が始まる状態を安定着火(正常着火)と判定し、燃料噴出ノズルから試験用油が霧状に噴出するのに数秒遅れて燃焼が始まる状態を不安定着火と判定した。◎と○は正常着火で、◎はA重油単独の燃料による着火と同程度の安定着火、○はA重油単独の燃料による着火より若干劣るが遜色のない程度の安定着火、△は着火遅れによる不安定着火、×は不着火をそれぞれ示す。着火性の評価を表1の各評価欄の上段に示す。
安定燃焼性(火炎形状)は、バーナーと反対側の炉体の覗き窓より肉眼によって計2回測定を行い、判定した。火炎形状として中実炎が形成され、火炎軸を中心として指向性のある安定形状となった状態を安定燃焼(正常燃焼)と判定し、火炎形状が炉体内面周囲に乱流状態に形成され、飛散油も生じる状態を不安定燃焼と判定した。◎と○は正常燃焼で、◎はA重油単独の燃料による燃焼と同程度の安定燃焼、○はA重油単独の燃料による燃焼より若干劣るが遜色のない程度の安定燃焼、△は不安定燃焼、×は不燃焼(不着火)をそれぞれ示す。安定燃焼性の評価を表1の各評価欄の下段に示す。
Figure 2008157525
表1の試験結果によると、A重油と廃テンプラ油の混合比率が60:40、50:50、いずれの場合であっても、油温度が50℃〜90℃の範囲で、着火性、安定燃焼性いずれも良好な燃焼結果が得られた。なかでも、60℃〜80℃の範囲では、特に良好な結果が得られた。これに対し、A重油と廃テンプラ油の混合比率を40:60、30:70と、廃テンプラ油の比率を質量比で20以上大きくすると、安定着火せず、良好な燃焼結果が得られなかった。このことは、廃テンプラ油の混合比率を大きくし過ぎると、油温度を90℃の高温に上げても、廃テンプラ油の着火温度に達せず(廃テンプラ油の発火温度は300℃以上である)、混合油全体としての着火性が悪くなるためと考えられる。
本発明は、既設の温風暖房機や乾燥機などの燃焼装置に対し、既存施設の大幅な変更を加えることなく、植物系廃油を混合した低コスト燃料を使用できる燃焼装置と燃焼方法として、利用することができる。
本発明に係る燃焼装置を適用した施設園芸用温風暖房機を示す縦断面図である。 図1の温風暖房機のA−A線矢視断面図である。 図1の温風暖房機に取付けられるバーナーの構造および燃料供給系統を示す概略図である。
符号の説明
1 施設園芸用温風暖房機
2 ケーシング
3 燃焼室
4 炉体
5 接続筒部
6 第1チャンバー室
7 煙管
8 第2チャンバー室
9 煙突
10 ガンタイプバーナー(バーナー)
11 ブロア筒部
12 送風機
12a 取付け部
13 吐出口
14 火炎
15 燃料噴出ノズル
16 点火トランス
17 点火棒
18 燃料供給配管
19 ギアポンプ
20 電磁弁
21 送風ファン
22 送風機ケース
23 モーター
24 ディフューザー
25 ヒーター
26 貯油部(ラインヒーター)
27 制御部
28 温度センサー
29 燃料戻り配管
30 第1ストレーナー(濾過器)
31 第2ストレーナー(濾過器)
32 ノズルヒーター
33 貯留タンク

Claims (5)

  1. 重油に対する植物系廃油の混合割合を、重油1に対し植物系廃油を2/3以上、3/2未満の割合として混合してなる植物系廃油混合燃料が用いられる燃焼装置であって、
    燃焼室の入口に、燃料噴射ノズルを内蔵するバーナーが取り付けられ、
    前記バーナーは、ポンプによって前記燃料噴射ノズルから前記燃焼室内に前記混合燃料を霧状に噴射するとともに、霧状に噴射された混合燃料に対し、点火トランスからの高圧電流により前記燃料噴射ノズル近傍の点火棒に放電火花を発生させ、着火させる構成であり、
    前記ポンプに接続される燃料供給配管の途中に、前記ポンプに供給する混合燃料を予め昇温させるヒーターが組み付けられており、当該ヒーターによる前記混合燃料の昇温範囲を50℃乃至90℃の油温に管理して前記ポンプに供給し、当該範囲の油温に管理された混合燃料を前記ポンプから前記燃料噴射ノズルに送出するように構成されていることを特徴とする、植物系廃油混合燃料の燃焼装置。
  2. 前記ヒーターの上流側の燃料供給配管の途中に昇温前の混合燃料を濾過する第1濾過器が設けられ、前記ヒーターの下流側で前記ポンプとの間の燃料供給配管の途中に、昇温後の混合燃料を濾過する第2濾過器が設けられていることを特徴とする請求項1記載の植物系廃油混合燃料の燃焼装置。
  3. 前記重油と前記植物系廃油との比重差が、0.1以内であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の植物系廃油混合燃料の燃焼装置。
  4. 重油に対し植物系廃油を混合してなる植物系廃油混合燃料を用いた燃焼方法であって、
    重油に対する植物系廃油の混合割合を、重油1に対し植物系廃油を2/3以上、3/2未満の割合として混合して、同混合燃料を燃料供給配管に供給し、
    燃料供給配管に供給された混合燃料を予めヒーターによって昇温させて、ヒーターによる混合燃料の昇温範囲を50℃乃至90℃の油温に管理して、ポンプに供給し、
    同ポンプから当該範囲の油温に管理された混合燃料をバーナーに内蔵された燃料噴射ノズルに送出して、同燃料噴出ノズルから燃焼室内に霧状に噴出し、
    霧状に噴射された混合燃料に対し、点火トランスからの高圧電流により点火棒に放電火花を発生させて着火させ、燃焼させることを特徴とする、植物系廃油混合燃料の燃焼方法。
  5. 燃料供給配管に供給された混合燃料を第1の濾過器により濾過した後に、ヒーターによって昇温管理された混合燃料を第2の濾過器により濾過してからポンプに送出することを特徴とする請求項4記載の植物系廃油混合燃料の燃焼方法。
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