JP2008157385A - バルブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高コストな形状記憶合金スプリングを使用することなく少ない部品点数で低温時のクラッチ係合速度を向上させるクラッチショックトルク防止用のバルブ装置の提供。
【解決手段】マスタシリンダ3とレリーズシリンダ6との間に設けられるクラッチショックトルク防止用のバルブ装置であって、流路10bと流路10eの間に配設されたシリンダ部10dを有するハウジング10と、シリンダ部10d内に摺動可能に配置されるとともに、流路10bを塞ぐポペット弁部14dを有し、かつ、ポペット弁部14dの逆方向に延在する延在部14cを有するピストン14と、延在部14cの摺動をガイドするガイド部材11と、延在部14cとガイド部材11との間に形成される液室11aと、ピストン14をガイド部材11側に付勢するスプリング15と、シリンダ部10dからマスタシリンダ3に通ずるとともに流路10bの断面積よりも小さいオリフィス部10cと、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】マスタシリンダ3とレリーズシリンダ6との間に設けられるクラッチショックトルク防止用のバルブ装置であって、流路10bと流路10eの間に配設されたシリンダ部10dを有するハウジング10と、シリンダ部10d内に摺動可能に配置されるとともに、流路10bを塞ぐポペット弁部14dを有し、かつ、ポペット弁部14dの逆方向に延在する延在部14cを有するピストン14と、延在部14cの摺動をガイドするガイド部材11と、延在部14cとガイド部材11との間に形成される液室11aと、ピストン14をガイド部材11側に付勢するスプリング15と、シリンダ部10dからマスタシリンダ3に通ずるとともに流路10bの断面積よりも小さいオリフィス部10cと、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、クラッチショックトルク防止用のバルブ装置に関する。
マニュアル操作式変速機を備えた自動車の変速時においては、クラッチペダルを踏み込んでエンジンと変速機との接続を一時的に断ち、変速レバーを操作して変速歯車の変速比を切り換えた後、クラッチペダルの踏み込みを解除してエンジンと変速機との接続を復帰させる、という一連の操作が行われる。これらの操作のうち、発進時等のエンジンと変速機の回転軸の回転数の差が大きいとき、クラッチの戻し操作を素早く行うとエンジンと変速機との接続が瞬時に行われてショックトルクが生じる。このクラッチのショックトルクによってエンジンが停止したり、自動車がショックを受けたり、クラッチの異常摩耗を生じさせる原因となる。そこで、クラッチペダルの踏み込み操作によって液圧を操作するマスタシリンダと、当該液圧によりクラッチのレリーズフォークを操作するレリーズシリンダとの間の流路上にバルブ装置を配設したものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1では、内部に円筒状の室を有するシリンダボディと、円筒状の室内に摺動可能にはめ合わせられてこれを第1液室及び第2液室の2つの液室に分けるピストンと、シリンダボディに固定されるニードル弁と、ピストンを第2液室方向に押すスプリングと、を有しており、第1液室がマスタシリンダと接続され、第2液室がオペレーティングシリンダと接続され、ピストンには2つの液室を互いに連通させる貫通穴が設けられており、ニードル弁は貫通穴内に伸びており、貫通穴とニードル弁との間に形成される液通路はピストンがスプリングによって停止位置まで押された場合に最も大きく、ピストンが第1液室側に移動するにしたがって狭くなっているものにおいて、ニードル弁にピストンの端部と対向する位置にストッパ部が形成され、ニードル弁の一部を切り欠き、シリンダボディとの間にマスタシリンダと第1液室とをつなぐ流路を形成したものが開示されている。
特許文献2では、マスタシリンダと連通する入力ポートとレリーズシリンダと連通する出力ポートとの間を円筒状のシリンダ空間を介して連通するハウジングと、シリンダ空間内の前記マスタシリンダ側の第1室と前記レリーズシリンダ側の第2室とを連通して絞りを形成する絞り連通路を有するバルブ部材と、前記バルブ部材を前記第1室と前記第2室とを遮断する方向に付勢する第1スプリングと、該第1スプリングと逆方向に前記バルブ部材を付勢する第2スプリングとを有し、前記第1スプリング又は前記第2スプリングのどちらか一方が形状記憶合金からなっていて、前記作動液が所定温度以上のとき前記バルブ部材が前記第1スプリング及び前記第2スプリングによって前記第1室と前記第2室とを遮断する位置にあり(低温下で流体粘性が上がった場合はバルブを常時開とする)、更に出力ポートと前記バルブ部材との間に配設される壁部材を備えるものが開示されている。
特許文献3では、内孔と作動液の流れを制限する大径の絞り孔と固定弁体とを有するバルブ本体と、作動液の流れを制限する小径の絞り孔を有し、前記バルブ本体の内孔に前記固定弁体に対して離接する方向に摺動可能に収納された可動弁体と、弾性力によって前記可動弁体を前記固定弁体に近づく向きに付勢し温度が低下すると前記弾性力が減少するバネとを備え、前記小径の絞り孔での作動液の圧力損失による差圧によって前記可動弁体を前記固定弁体から離れる向きに付勢する押圧力が働き、前記弾性力が前記押圧力より大きいときには、前記可動弁体が固定弁体に当接することにより前記作動液の通路が前記小径の絞り孔に限定され、前記弾性力が前記押圧力より小さいときには、前記可動弁体が固定弁体から離間してその隙間を通じて作動液が流れ前記大径の絞り孔によって作動液の流れが制限されるように構成されたものが開示されている。
特許文献4では、流体によって貫流される少なくとも1つの管路を介して互いに液圧式に接続されているマスタシリンダとスレーブシリンダとを有しており、圧力制限装置が、圧力を低下させるための中央のオリフィス孔を備えた少なくとも1つのオリフィス体と、ばねによって付勢されている鉢状の保持リングとを有しており、該保持リングの底部に、中央孔と、この中央孔に対して半径方向で間隔を保って部分円上に配置された少なくとも1つの開口とが設けられており、クラッチ接続時に流体の所定の容積流を越えた時に、オリフィス体若しくは中央のオリフィス孔が接続され、所定の減圧を越えると前記開口が閉鎖されるようになっている形式のものにおいて、オリフィス孔と、対応する少なくとも1つの開口とができるだけ短く構成されていることを特徴とする、クラッチを操作するための、液圧管路内に設けられたものが開示されている。
特許文献1の構成では、クラッチ断方向ではピストンの貫通穴とニードル弁の間の液通路に十分な流路面積が確保されるので抵抗にならず、クラッチ接続方向ではピストンがストッパ部に当たるまでストロークし、ニードル弁によって流路が絞られることでショックトルクの発生が防止される。ところが、低温時に流体粘性が上昇したときでもピストンは差圧を受けてストロークしてしまうので、低温時に早くクラッチ係合ができないという問題がある。また、液通路の絞りが互いに摺動するピストンとニードル弁の間の隙間で構成されるため、互いの工程能力を考慮するとクリアランスでの漏れが無視できない量になり、絞り開時の戻り速度(=衝撃トルク低減量)のバラツキが大きくなるおそれがある。
特許文献2の構成では、上記問題に鑑みて、ノーマルスプリングと、低温時に弾性力が低下する形状記憶合金スプリングとを組み合わせることにより、クラッチ係合時のみ閉となるオリフィスを構成しつつ低温時に両スプリングの荷重バランスによってオリフィスを常時開とすることで低温時のクラッチ係合速度の低下を防止している。ところが、オリフィスの開閉状態を実際の流体粘度の変化ではなく形状記憶合金の温度特性のみに依存しているため、両スプリングの取付荷重バランスの影響が大きくなる。このことから、オリフィス開となる温度と、流体粘度が変化する温度に差が生じやすく、最悪の場合、流体粘度が上がってもオリフィス開とならずに戻り速度が悪化するおそれがある。また、オリフィスは、常に浮遊作動しているバルブ部材の端面の切り欠き(つばの凹部、絞り連通路)として設けられているため、バルブ部材の着座具合によっても実開口量にばらつきが生じやすいといった問題がある。
特許文献3の構成では、上記問題に鑑みて、低温時に弾性力が低下するバネを用いつつ、流体の圧力損失による押圧力とバランスさせることで実際の粘度に見合った適正なタイミングでオリフィスの開閉が制御されるような構造としている。ところが、クラッチ断時の逆止弁を絞り穴と独立して有しているため、部品点数が多くなるという問題がある。また、バネに形状記憶合金スプリングを使用しているため、製造コストが高くなるという問題がある。さらに、大径の絞り部と小径の絞り部のわずかな着座ズレで、オリフィス径および押圧力バランスにばらつきが生じるおそれがある。
特許文献4の構成では、上記問題に鑑みて、ばねに形状記憶合金スプリングを用いることなく容積流が所定の値を超えたときのみオリフィス閉となって減圧が行われる構造となっている。ところが、低温時には流体粘性が上昇することによって流れ速度が速くなくても、開口を通過する際の抵抗が増加するため、オリフィス体はバネ弾性力に打ち勝ってオリフィス閉の方向へ作動してしまう可能性が高く、低温時の係合速度の低下に対する決定的な対策がなされていない。
本発明の第1の課題は、コストの高い形状記憶合金スプリングを使用することなく少ない部品点数で低温時のクラッチ係合速度を向上させるクラッチショックトルク防止用のバルブ装置を提供することである。
本発明の第2の課題は、粘度が上がってもオリフィスが閉じ続けているという現象を起さないようにするクラッチショックトルク防止用のバルブ装置を提供することである。
本発明の一視点においては、クラッチペダルによって操作されるマスタシリンダと、クラッチを操作するレリーズシリンダとの間に設けられ、作動液流量を制限することでクラッチショックトルクを防止するバルブ装置であって、前記マスタシリンダに通ずる第1流路と、前記レリーズシリンダに通ずる第2流路との間に配設されたシリンダ部を有するハウジングと、前記シリンダ部内に摺動可能に配置されるとともに、前記第1流路を塞ぐポペット弁部を有し、かつ、前記ポペット弁部の逆方向に延在する延在部を有するピストンと、前記延在部の摺動をガイドするガイド部材と、前記延在部と前記ガイド部材との間に形成される液室と、前記ピストンを前記ガイド部材側に付勢するスプリングと、前記シリンダ部から前記マスタシリンダに通ずるとともに前記第1流路の断面積よりも小さい断面積のオリフィス部と、を備え、前記液室に前記作動液が流入することで前記ピストンが移動可能となることを特徴とする。
本発明の前記バルブ装置において、クラッチ断の際に、前記ポペット弁部が開状態となり、クラッチ係合の際に、流体粘度が低くなるにしたがい前記作動液が前記液室に流入し、前記ポペット弁部が閉状態となって前記オリフィス部のみが流路となり、クラッチ係合の際に、流体粘度が高くなるにしたがい、前記延在部と前記ガイド部材の間のクリアランスにおける流路抵抗によって前記ピストンのストロークが抑えられることで、前記ポペット弁部が閉状態とならないように構成されることが好ましい。
本発明の前記バルブ装置において、前記オリフィス部は、前記ハウジングにおいて、前記ポペット弁部と接触可能な前記第1流路の部分と離して独立に設定されていることが好ましい。
本発明の前記バルブ装置において、前記オリフィス部は、前記第1流路と接触可能な前記ポペット弁部の部分、または、前記ポペット弁部と接触可能な前記第1流路の部分、に形成された切り欠き部であることが好ましい。
本発明の前記バルブ装置において、低温になるにしたがい、前記ガイド部材と前記ピストンの膨張係数の差により前記延在部と前記ガイド部材の間の前記クリアランスが小さくなるように構成されることが好ましい。
本発明(請求項1−5)によれば、コストの高い形状記憶合金スプリングを使用することなく少ない部品点数で低温時のクラッチ係合速度の低下を防止できる。また、温度依存ではなく流体粘度変化によってピストンの移動すなわちポペット弁部の開閉タイミングが決まるため、流体粘度が上がってもポペット弁部が閉じ続けているという現象が起きない。
また、本発明(請求項3)によれば、オリフィス部が、ハウジングにおいて、ポペット弁部と接触可能な第1流路の部分と離して独立に設定されているので、着座ズレなどによる絞り径のバラツキが発生せず、安定した急係合トルクの低減効果が期待できる。
また、本発明(請求項4)によれば、オリフィス部が、第1流路と接触可能なポペット弁部の部分、または、ポペット弁部と接触可能な第1流路の部分、に形成された切り欠きにより、座面は調芯されるので着座ズレが発生しにくい。
(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るバルブ装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るバルブ装置の構成を模式的に示した断面図である。
本発明の実施形態1に係るバルブ装置について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1に係るバルブ装置の構成を模式的に示した断面図である。
バルブ装置1は、クラッチペダル2の踏み込み操作によって液圧を操作するマスタシリンダ3と、当該液圧によりクラッチ(図示せず)のレリーズフォーク7を操作する出力ロッド6aを有するレリーズシリンダ6との間の流路4、5上に配設されたクラッチショックトルク防止用の圧力調整装置である。バルブ装置1は、ハウジング10と、ガイド部材11と、シール部材12と、ストッパ部材13と、ピストン14と、スプリング15と、を有する。
ハウジング10は、流路4と流路5の間に配設されたハウジングである。ハウジング10は、主な構成部分として、ポート部10aと、流路10bと、オリフィス部10cと、シリンダ部10dと、流路10eと、ポート部10fと、を有する。
ポート部10aは、流路4を介してマスタシリンダ3と連通する圧液の出入口である。ポート部10aは、流路10bを介してシリンダ部10dの底部と接続されるとともに、流路10b乃至オリフィス部10cを介してシリンダ部10dの底部と接続される。
流路10bは、ポート部10aとシリンダ部10dの底部とを接続する。流路10bは、シリンダ部10dの底部にてピストン14のポペット弁部14aによって圧液の流量が制御される。流路10bは、中間部分にてオリフィス部10cを介してシリンダ部10dの底部と接続されている。流路10bの口径は、オリフィス部10cの口径よりも大きく構成されており、十分な流路面積をもっている。
オリフィス部10cは、流路10bの中間部分からシリンダ部10dの底部にかけて形成されたバイパスとなる小孔である。オリフィス部10cの口径は、流路10bの口径よりも小さく構成されている。オリフィス部10cでは、流路10bがピストン14のポペット弁部14aによって流量が制限されたときに主に圧液が流れる。
シリンダ部10dは、ピストン14を軸方向摺動可能に収容する円筒状の部分である。シリンダ部10dの底部は、流路10bとオリフィス部10cと接続されている。シリンダ部10dの開口部側には、ガイド部材11が装着され、シール部材12によって封止されている。シリンダ部10d内には、ピストン14の外周であってシリンダ部10dの底部と、ピストン14のつば部14bとの間にスプリング15が配設されている。シリンダ部10d側壁部は、流路10eを介してポート部10fと接続されている。
流路10eは、ポート部10fとシリンダ部10dの側壁部とを接続する。流路10eは、十分な流路面積をもっている。
ポート部10fは、流路5を介してレリーズシリンダ6と連通する圧液の出入口である。ポート部10fは、流路10eを介してシリンダ部10dの側壁部と接続される。
ガイド部材11は、ピストン14の摺動をガイドするとともにハウジング10に装着された有底円筒状の部材である。ガイド部材11は、シリンダ部10dの開口部に挿入されており、シール部材12で内部機密を確保しつつストッパ部材13でハウジング10に固定されている。ガイド部材11は、外周面にシール部材12を収容するための溝部11bを有する。ガイド部材11は、外周面であってシリンダ部10dの開口部側にストッパ部材13を収容するための溝部11cを有する。ガイド部材11内径は、ピストン14の延在部14cの外径とほぼ等しく設定されている。ガイド部材11内側には、ピストン14の延在部14cとの間に液室11aが形成されている。ガイド部材11のスプリング15側の先端部には、ピストン14のつば部14bと当接したときに圧液の流路を確保するためのスリットが形成されている。なお、ガイド部材11の先端部のスリットの代わりに、ピストン14のつば部14bにスリットを形成してもよい。ガイド部材11の内周面には、ピストン14の延在部14cとの対向面において液室11aに圧液が流れるように、流路となるスリット(図示せず)が形成されている。なお、ガイド部材11の内周面のスリットの代わりに、ピストン14の延在部14cの外周面にスリットを形成してもよい。
シール部材12は、ガイド部材11の溝部11bに装着されるとともにハウジング10のシリンダ部10dとガイド部材11の間にて封止する環状の弾性部材であり、ハウジング10のシリンダ部10dの機密性を確保するためのものである。
ストッパ部材13は、ガイド部材11の溝部11cに装着されるとともにガイド部材11をハウジング10に固定(嵌挿)するための環状の部材である。
ピストン14は、ハウジング10のシリンダ部10dにて軸方向摺動可能に構成された部材である。ピストン14は、流路10b側の先端部に円錐上に形成されたポペット弁部14aを有する。ポペット弁部14aは、ピストン14が流路10b側に移動するにしたがいシリンダ部10dから流路10bに通ずる流路面積を小さくし、ピストン14がシリンダ部10dの底部に当接することで流路10bを塞ぐようになっている。ピストン14は、中間部分の外周面にスプリング15の受座となるつば部14bが形成されており、スプリング15によってガイド部材11側に付勢されている。つば部14bの外周面は、円筒面となっており、シリンダ部10dの側壁面と所定隙間にて離間している。ピストン14は、ガイド部材11の液室11a内に延在した円柱状の延在部14cを有する。延在部14cは、ガイド部材11の液室11a内にて軸方向摺動可能に接している。液室11aに作動液が流入することで液室11aの圧力が高められ、ピストン14は、軸方向に移動できるようになりストローク可能になる。なお、作動液の粘度が高い場合は、作動液は液室11aに流入しにくく、ピストン14のストロークは抑制される。
スプリング15は、ピストン14をガイド部材11側に付勢する。スプリング15は、ピストン14の外周であってシリンダ部10dの底部と、ピストン14のつば部14bとの間に配設されている。
次に、本発明の実施形態1に係るバルブ装置の動作について図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態1に係るバルブ装置の流路閉状態を示した断面図である。なお、バルブ装置の流路開状態については、図1を参照されたい。
まず、クラッチペダル2が踏み込まれると、マスタシリンダ3から流体が圧送され、流体が流路4を通じてバルブ装置1のポート部10aに送り込まれる。このとき、ピストン14は、スプリング15によってガイド部材11側に付勢されており、ポペット弁部14aは開状態(図1参照)になっているので、流路面積は十分に確保されている。そのため、ポート部10aに送り込まれた流体は、主に流路10bを通じてシリンダ部10dに送り込まれる。シリンダ部10dに送り込まれた流体は、シリンタ部10d内部を通って、流路10b、ポート部10f、流路5を通じてレリーズシリンダ6に送られる。レリーズシリンダ6に流体が送り込まれることで、出力ロッド6aが押し出され、レリーズフォーク7がクラッチ(図示せず)を遮断する。これにより、ドライバーは何ら抵抗を感じることなく、クラッチペダル2を踏み込むことができ、クラッチ(図示せず)を遮断することができる。
次に、流体の粘性が高くない場合に、クラッチペダル2を戻したときの作動を説明する。クラッチペダル2を踏み込んだ状態から戻すと、クラッチカバー(図示せず)の反力によって、レリーズフォーク7を介して出力ロッド6aが押し戻され、流体がレリーズシリンダ6から流路5、ポート部10f、流路10eを通じて、バルブ装置1のシリンダ部10dに流れ込む。シリンダ部10dに流れ込んだ流体は、シリンダ部10dの内部を通って流路10b側に流れようとする。その際、ピストン14のポペット弁部14aに流体力による作用で、ピストン14がスプリング15を押し縮めながらシリンダ部10dの底部側に向かって移動する(図2参照)。クラッチペダル2の戻し速度が速いほど、ポペット弁部14aを通過する流速が大きいので、ポペット弁部14aはシリンダ部10dの底部の流路10bを閉じようとする。ポペット弁部14aがシリンダ部10dの底部の流路10bを完全に閉じた場合、流体は、オリフィス部10cを介してのみマスタシリンダ3側に戻ることになる。これにより、絞り効果による流速が抑えられ、急激なクラッチ係合が防止される。
次に、低温下などで流体の粘性が高くなった場合の作動について説明する。上述同様に、クラッチペダル2を踏み込んだ状態から戻すと、クラッチカバー(図示せず)の反力によって、レリーズフォーク7を介して出力ロッド6aが押し戻され、流体がレリーズシリンダ6から流路5、ポート部10f、流路10eを通じて、バルブ装置1のシリンダ部10dに流れ込む。このとき、ピストン14が移動してポペット弁部14aがシリンダ部10dの底部の流路10bを塞ぐためには、液室11aの体積が増加する必要があり、延在部14cとガイド部材11間のクリアランスを通って液室11aに流体が流れ込まなければならない。作動液の流体粘度が低い場合(図3(A)参照;高い温度)には、クリアランス16での流れもスムーズなので、ピストン14は容易に移動できるが、流体粘度が高い場合(図3(B)参照;低い温度)には、クリアランス16に流路抵抗が生じるので、ピストン14が移動しづらくなり、ポペット弁部14aはシリンダ部10dの底部の流路10bをすぐには閉じない。そのため、絞り効果はすぐに発生せず、クラッチ係合が極端に遅くなることはない。
なお、流体粘度の上昇に対するポペット弁部14aの開閉タイミングは、延在部14cとガイド部材11間のクリアランスおよび接触長さ、また、スプリング15の弾性力設定、ポペット弁部14aの先端角度などを最適化することにより、チューニングすることが可能である。例えば、延在部14cとガイド部材11間のクリアランスを大きくすると開閉動作が速くなり、小さくすると遅くなる。延在部14cとガイド部材11間の接触長さを短くすると開閉動作が速くなり、長くすると遅くなる。スプリング15の弾性力を小さくすると閉動作が速くなり、大きくすると遅くなる。ポペット弁部14aの先端角度を大きくすると閉動作が速くなり、小さくすると遅くなる。
また、図1に示す例では、オリフィス部10cをポペット弁部14aと接触可能な流路10bの部分と離して独立に設定しているが、その代用として、ポペット弁部14aの円錐部に切り欠き部14d(例えば、溝やテーパ)を設けたり(図4参照)、ポペット弁部14aと接触するシリンダ部10dの底部の部分に切り欠き部10g(例えば、溝やテーパ)を設けて(図5参照)、その部分をオリフィス部としてもよい。
また、ピストン14を金属製とし、かつ、ガイド部材11を樹脂製とすると、低温時に線膨張係数の差によって延在部14cとガイド部材11間のクリアランスが狭くなるので、液室11aへの流路低抗が増加しピストン14の移動をさらに抑えることができる。
また、図6に示す例のごとく、ピストン24の延在部24cの径をスプリング25側の部分の径よりも大きくすることで、ガイド部材の内径(油室21aの断面積)を大きくし、かつ、ピストン24の移動に必要な流量を大きく設定することで、ポペット弁部14aを閉鎖する速度をより遅らせることも可能である。
さらに、本実施形態では、バルブ装置1をマスタシリンダ3、レリーズシリンダ6の流路途中に設ける単独の構成としているが、他の実施形態としてマスタシリンダ3またはレリーズシリンダ6のポート部に内蔵的に組み込むことも可能である。
1 バルブ装置
2 クラッチペダル
3 マスタシリンダ
4 流路
5 流路
6 レリーズシリンダ
6a 出力ロッド
7 レリーズフォーク
10 ハウジング
10a ポート部
10b 流路
10c オリフィス部
10d シリンダ部
10e 流路
10f ポート部
10g 切り欠き部
11 ガイド部材
11a 液室
11b 溝部
11c 溝部
12 シール部材
13 ストッパ部材
14 ピストン
14a ポペット弁部
14b つば部
14c 延在部
14d 切り欠き部
15 スプリング
16 クリアランス
20 ハウジング
20a ポート部
20b 流路
20c オリフィス部
20d シリンダ部
20e 流路
20f ポート部
21 ガイド部材
21a 油室
21b 溝部
21c 溝部
22 シール部材
23 ストッパ部材
24 ピストン
24a ポペット弁部
24b 段部
24c 延在部
25 スプリング
2 クラッチペダル
3 マスタシリンダ
4 流路
5 流路
6 レリーズシリンダ
6a 出力ロッド
7 レリーズフォーク
10 ハウジング
10a ポート部
10b 流路
10c オリフィス部
10d シリンダ部
10e 流路
10f ポート部
10g 切り欠き部
11 ガイド部材
11a 液室
11b 溝部
11c 溝部
12 シール部材
13 ストッパ部材
14 ピストン
14a ポペット弁部
14b つば部
14c 延在部
14d 切り欠き部
15 スプリング
16 クリアランス
20 ハウジング
20a ポート部
20b 流路
20c オリフィス部
20d シリンダ部
20e 流路
20f ポート部
21 ガイド部材
21a 油室
21b 溝部
21c 溝部
22 シール部材
23 ストッパ部材
24 ピストン
24a ポペット弁部
24b 段部
24c 延在部
25 スプリング
Claims (5)
- クラッチペダルによって操作されるマスタシリンダと、クラッチを操作するレリーズシリンダとの間に設けられ、作動液流量を制限することでクラッチショックトルクを防止するバルブ装置であって、
前記マスタシリンダに通ずる第1流路と、前記レリーズシリンダに通ずる第2流路との間に配設されたシリンダ部を有するハウジングと、
前記シリンダ部内に摺動可能に配置されるとともに、前記第1流路を塞ぐポペット弁部を有し、かつ、前記ポペット弁部の逆方向に延在する延在部を有するピストンと、
前記延在部の摺動をガイドするガイド部材と、
前記延在部と前記ガイド部材との間に形成される液室と、
前記ピストンを前記ガイド部材側に付勢するスプリングと、
前記シリンダ部から前記マスタシリンダに通ずるとともに前記第1流路の断面積よりも小さい断面積のオリフィス部と、
を備え、
前記液室に前記作動液が流入することで前記ピストンが移動可能となることを特徴とするバルブ装置。 - クラッチ断の際に、前記ポペット弁部が開状態となり、
クラッチ係合の際に、流体粘度が低くなるにしたがい前記作動液が前記液室に流入し、前記ポペット弁部が閉状態となって前記オリフィス部のみが流路となり、
クラッチ係合の際に、流体粘度が高くなるにしたがい、前記延在部と前記ガイド部材の間のクリアランスにおける流路抵抗によって前記ピストンのストロークが抑えられることで、前記ポペット弁部が閉状態とならないように構成されることを特徴とする請求項1記載のバルブ装置。 - 前記オリフィス部は、前記ハウジングにおいて、前記ポペット弁部と接触可能な前記第1流路の部分と離して独立に設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のバルブ装置。
- 前記オリフィス部は、前記第1流路と接触可能な前記ポペット弁部の部分、または、前記ポペット弁部と接触可能な前記第1流路の部分、に形成された切り欠き部であることを特徴とする請求項1又は2記載のバルブ装置。
- 低温になるにしたがい、前記ガイド部材と前記ピストンの膨張係数の差により前記延在部と前記ガイド部材の間の前記クリアランスが小さくなるように構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のバルブ装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006348201A JP2008157385A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | バルブ装置 |
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Publications (1)
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ID=39658515
Family Applications (1)
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JP2006348201A Withdrawn JP2008157385A (ja) | 2006-12-25 | 2006-12-25 | バルブ装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2006
- 2006-12-25 JP JP2006348201A patent/JP2008157385A/ja not_active Withdrawn
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