JP2008156970A - ケーブル定着具および該ケーブル定着具を用いたケーブル定着方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着桁3上に設置されたケーブル導入装置によってケーブル5を定着桁側に引き寄せて該定着桁3へケーブル5を定着する際に用いるケーブル定着具1であって、定着桁3の上方に突出する定着パイプ7と、定着パイプ7の先端部に設けられた第1ねじ部9と、ケーブル5の端部に設けられたケーブルソケット11と、ケーブルソケット11に取り付けられて定着パイプ7の第1ねじ部9にねじ接合される連結ロッド13と、を備えてなる。
【選択図】 図1
Description
以前は桁の内部にケーブル引込み装置を設置して行う方法が一般的であった。
しかし、この方法では桁内という狭い空間での作業になるため作業効率が非常に悪いという問題があった。
そこで、このような問題を解決するものとして、例えば、ケーブル端部を主桁のアンカーに導入する導入装置を、主桁の上フランジに配置し、ケーブルの端部を保持して、導入装置の下側に配されたアンカーへ導入させる装置が提案されている(特許文献1参照)。
アンカー51には、主桁55を構成するウェブ56同士の間に配置され、その中央にケーブル53を挿入させるための管状の挿入部63が形成されている。また、その軸方向の下端側には外側方に張り出すフランジ部65が設けられている。挿入部63の周囲は板材67に囲まれており、アンカー51自体が大きなボックス状に形成されている。さらには、下端側に設けられたフランジ部65は、挿入部63から上下及び左右に向けてそれぞれ大きく張り出している。
そして、フランジ部65の四隅にはケーブル導入装置59の引き込みロッド57の端部を取り付ける取付部65aが設けられている。
他方、ケーブルの定着方法については、桁内で行うため、いまだに作業性の悪いものであった。
このような点は斜張橋におけるケーブル定着のみならず、他の分野においても同様に問題となっている。
定着体とは、ケーブルを定着する構造物であって、例えば斜張橋における厚鋼板あるいは形鋼からなる主桁などである。
ケーブルソケット側と球面接触するとは、ケーブルソケットに直接球面接触する場合の他、ケーブルソケットに設けた球面受け等の他の部材を介して球面接触する場合も含む。
図1は本発明の一実施の形態に係るケーブル定着具1を分解した状態を示す斜視図、図2は図1に示したケーブル定着具1を組み立てた状態の断面図である。以下、図1、図2に基づいて本実施の形態に係るケーブル定着具1を説明する。
なお、以下においては、斜張橋における主塔(図示なし)と定着桁3との間に吊りケーブル5を張設する場合を例に挙げる。そして、以下の説明において前方とはケーブル5の端部が定着される定着桁側を言い、後方とはその反対側、すなわちケーブル5の他方の端部が定着される主塔側をいう。
また、ケーブル5の前端とは、ケーブル5の端部のうち定着側の端部をいい、後端とはケーブル5の端部のうち主塔側の端部をいう。
以下、各構成を詳細に説明する。
定着桁3は、斜張橋においては、厚鋼板あるいは形鋼からなるものである。定着桁3には定着パイプ7が設置され、定着パイプ7と定着桁3とは一体化されている。
定着パイプ7は定着桁3の上フランジのフランジ面上に上端部を突出させ、本体部は定着桁3の内部において定着桁3のウェブに接合されて、定着桁3と一体化されている。
定着パイプ7の上端部には内周面に第1ねじ部9が形成されたねじ形成部材15が取り付けられている。
ケーブルソケット11は、ケーブル5の端部に取り付けられた外形が円柱状の部材であって、端面中央部が円柱状に凹んでおり、端部には円柱状の空間部17が形成されている(図2参照)。空間部17の軸方向の長さL1は、連結ロッド13を設置した状態(図2に示す状態)で連結ロッド13の後端面と空間部17の底部との距離L2が連結ロッド13に形成された第2ねじ部25の長さL3よりも長くなるように設定されている。
空間部17には、後述する連結ロッド13の半球部19と球面滑り軸受けを構成する球面受け21が設置されている。
連結ロッド13は、円柱状の本体部23と、本体部23の後端側に形成された半球部19とを有し、本体部23に第2ねじ部25が形成されている。この第2ねじ部25が定着パイプ7に形成された第1ねじ部9に螺合する。
半球部19の球面はケーブルソケット11に設けられた球面受け21と球面接触して球面滑り軸受けを構成する。
連結ロッド13は、図2に示すように、ケーブルソケット側に取り付けられ、取り付け状態において、軸回りに回転可能になっている。また、半球部19の後端面の後方に空間部17が形成されているので、連結ロッド13は軸方向にも移動可能になっている。さらに、半球部19の球面が球面受け21と球面滑り軸受けを形成しているので、連結ロッド13の先端側は揺動可能になっている。
以下、ケーブル押込み装置27の概要を説明する。
ケーブル押込み装置27は、ケーブル5を係脱可能にチャックする固定チャック29と、一端側が定着桁3に固定され他端側が固定チャック29に固定された2本の反力ロッド31と、固定チャック29に固定された2個のジャッキ33と、ジャッキ33の伸縮ロッドに取り付けられて反力ロッド31に沿って移動すると共にケーブル5を係脱可能にチャックする移動チャック35と、を備えている。
図3に示す状態は、ケーブル5をケーブル押込み装置27にセットした状態を示しており、ケーブルソケット11を移動チャック35の前方に配置して移動チャック35でケーブル5をチャックした状態である。
ケーブル5は、前端に円筒状のケーブルソケット11を有し、ケーブルソケット11の後方側一定の範囲に亘ってケーブル5と一体化するように固定された段付の係合手段37とを有している。
この状態から、連結ロッド13の先端を定着パイプ7のねじ形成部に当接させてねじ込むようにする。このとき、連結ロッド13はフリーな状態なので、軽い力でねじ込むことができる。また、連結ロッド13が揺動可能なことから、ケーブル5と定着パイプ7の軸芯が多少ずれていてもねじ込むことができる。図5は、連結ロッド13のねじを約半分ねじ込んだ状態を示している。
図6は、連結ロッド13を定着パイプ7にさらにねじ込んで、球面部が球面座に接触した状態を示しており、定着完了の状態である。また、図7は図6と同じ状態の斜視図である。
また、連結ロッド13をケーブルソケット11に球面軸受けを介して取り付けているので、連結ロッド13が揺動可能となり、連結ロッド13と定着パイプ7の芯が多少ずれていたとしても両者の結合が可能である。
さらに、連結ロッド13をケーブルソケット11に球面軸受けを介して取り付けているので、定着後においてケーブル5が揺れた場合にも常に面接触することになり、安定した定着が実現される。
また、上記の実施の形態では、斜張橋のケーブル5を定着桁3に定着する場合について説明したが、ケーブル5の定着はこの場合にかぎられることはなく、ケーブル5の端部を種々の構造物に定着する場合に適用できる。
3 定着桁
5 ケーブル
9 第1ねじ部
11 ケーブルソケット
13 連結ロッド
17 空間部
Claims (4)
- 定着体上に設置されたケーブル導入装置によってケーブルを前記定着体側に引き寄せて該定着体へケーブルを定着する際に用いるケーブル定着具であって、前記定着体の上方に突出する定着部材と、該定着部材の先端部に設けられた第1ねじ部と、前記ケーブルの端部に設けられたケーブルソケットと、該ケーブルソケットに取り付けられて前記定着部材の前記第1ねじ部にねじ接合される連結ロッドと、を備えてなることを特徴とするケーブル定着具。
- 連結ロッドは、第1ねじ部に螺合する第2ねじ部が形成された本体部と、ケーブルソケット側に球面接触して連結される球面部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル定着具。
- 連結ロッドは、ケーブルソケットに軸方向移動可能に取り付けられ、該軸方向移動可能長さは、連結ロッドに設けた第2ねじ部の長さ以上に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のケーブル定着具。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のケーブル定着具を用いて定着体にケーブルを定着するケーブル定着方法であって、
定着体上に設置したケーブル導入装置によってケーブルソケットを定着部材側に押し込み、該定着部材の第1ねじ部と連結ロッドの第2ねじ部を螺合することによって、ケーブルを定着体に定着することを特徴とするケーブル定着方法。
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