JP2008156704A - 成膜方法および成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】粉体の組成を変化させずに且つ均一な膜を容易に形成し得る成膜方法を提供する。
【解決手段】真空下にされた容器3内にて、表面に薄膜が形成される基板Kを保持する上部電極5と、膜材料である粉体Pが載置される下部電極7との間に高圧の直流電圧を印加して両電極5,7間に静電場を形成し、この静電場にて発生した電界により上記粉体Pを両電極5,7間で往復移動させて当該粉体Pを基板Kの表面に付着させて成膜する方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば機能性デバイスを製作する際に、特に、機能性を発揮する薄膜を基板表面に形成するための成膜方法および成膜装置に関するものである。
機能性を発揮する薄膜を基板表面に形成する際の成膜方法としては、静電場を用いた、例えば静電塗装による方法、スパッタリングによる方法などが知られている。
静電塗装による方法は、エアにより運ばれる粉体に、ノズル先端に設けられたコロナ放電電極部を通過する際に帯電させ、その帯電された電荷および吹き付け力によって粉体を被加工物に付着させる方法である(例えば、特許文献1参照)。
また、スパッタリングによる方法は、成膜材料(ターゲットともいう)に高エネルギーを与えてイオン化し、このイオン化された成膜材料を被加工物に付着させる方法である(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−176325 特開2006−2220
しかしながら、静電塗装の方法によると、電荷を与えるノズル部での粉体移動が速いためその帯電量が小さく、したがって付着力が非常に弱く、塗装後に、粉体が付着した被加工物を焼結するなどの工程が必要となり、電荷が逃げ易い粉体による成膜が困難であるという問題があった。
また、スパッタリングによる方法では、粉体に高エネルギーを付与してイオン化するため、粉体の組成が変化してしまう(化学量論組成が崩れることになる)。すなわち、電子デバイスなどの特定の機能を発揮する粉体をこの方法により成膜すると、組成変化により本来得られるべき性能が発揮し得ないという問題があった。さらには、成膜速度が非常に遅く、膜の均一性を確保するには、プラズマ密度の制御が必要となり、大面積での成膜が難しいという問題もあった。
そこで、本発明は、粉体の組成を変化させずに且つ均一な膜を容易に形成し得る成膜方法および成膜装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る成膜方法は、表面に膜が形成される基板を保持する一方の電極と、膜材料である粉体が載置される他方の電極との間に直流電圧を印加して両電極同士間に静電場を形成し、
この静電場にて発生した電界により上記膜材料である粉体を両電極同士間で往復移動させて当該粉体を基板表面に付着させて成膜する方法である。
また、請求項2に係る成膜方法は、請求項1に記載の成膜方法において、成膜を真空下で行う方法である。
また、請求項3に係る成膜方法は、請求項1または2に記載の成膜方法において、表面に導電性材料が設けられた基板を用いる方法である。
また、請求項4に係る成膜方法は、請求項3に記載の成膜方法において、基板表面に設けられる導電性材料としてカーボンナノチューブまたは接着剤を用いる方法である。
また、請求項5に係る成膜方法は、請求項1に記載の成膜方法において、膜材料にカーボンナノチューブを混合させる方法である。
また、請求項6に係る成膜方法は、請求項1乃至5のいずれかに記載の成膜方法において、両電極同士の空間領域にプラズマを発生させて粉体表面にイオンを付与して活性化させる方法である。
また、請求項7に係る成膜装置は、基板の表面に粉体を付着させて成膜する成膜装置であって、
容器内の上部に配置されて基板を保持可能な上部電極および当該容器内の上記下部電極の下方に配置されて粉体を載置可能な下部電極と、これら両電極間に直流電圧を印加する直流電源とを具備し、
且つ成膜を行う際に、
上記両電極間に直流電圧を印加して静電場を形成するとともに、この静電場にて発生した電界により下部電極に載置された粉体にクーロン力を付与して両電極間で粉体を往復移動させることにより、基板の表面に粉体を付着させるようにしたものである。
また、請求項8に係る成膜装置は、請求項7に記載の成膜装置において、容器内の少なくとも両電極間の空間領域にプラズマを発生させるプラズマ発生装置を具備したものである。
さらに、請求項9に係る成膜装置は、請求項7または8に記載の成膜装置において、両電極間に、下部電極から基板側に移動する粉体の大きさを制御するための粒径制御板を配置したものである。
上記成膜方法および成膜装置によると、粉体が載置された下部電極と、上部電極との間に直流電圧を印加させて、粉体を両電極間で往復移動させることにより、基板に成膜するようにしたので、例えばスパッタリングのように、ターゲットに電子を当てて放出させるものと異なり、組成変化が生じることなく、また粉体は両電極間で何度も往復移動ししかもその運動方向が立体的であるため、基板表面に均一な膜を容易に形成することができる。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1に係る成膜装置および成膜方法を、図面に基づき説明する。
なお、本実施の形態1においては、機能性デバイス(例えば、太陽電池の発電セルなど)を製作する際に、基板に所定の機能を発揮し得る薄膜などを形成する、所謂、成膜を行うための成膜方法および成膜装置について説明する。
まず、成膜装置について説明する。
この成膜装置は、図1に示すように、真空ポンプ1が空気排出管2を介して接続された容器(真空容器ともいう)3と、この容器3内にその軸心方向が上下方向となるように鉛直に配置されるとともにガラスなどの絶縁材料にて形成された円筒体(筒状体であり、円筒状誘電体とも言える)4と、この円筒体4内の上部に配置されるとともに成膜対象となる基板Kを保持し得る上部電極5と、同じく円筒体4内の下部に配置されるとともに粉末状の成膜材料(膜原料とも言える)である粉体Pを載置し得るように電極保持部材6に保持された下部電極7と、これら両電極5,7間に高圧の直流を印加する直流電源8と、上記円筒体4の外周面に巻き付けられるとともに高周波電源9に接続されて両電極5,7間の空間領域にプラズマを発生させる高周波コイル(内部に冷却水が流される)10とから構成されている。
なお、下部電極7を保持する電極保持部材6の周囲に環状縁部6aが突設されて下部電極7上に載置された粉体Pが落下しないようにされており、また上記各電極5,7には、ヒータ11,12が設けられている(内蔵されている)。さらに、上記容器3の底壁部には、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスを供給する不活性ガス供給管13が接続されている。
上記構成において、基板Kに薄膜を形成する成膜方法について説明する。
まず、上部電極5の下面に、表面(下部電極に対向する面)に導電性接着剤(導電性材料の一例で、導電性の合成樹脂などが用いられる)が塗布された基板Kを保持させるとともに、電極保持部材6の環状縁部6a内の下部電極7上に成膜材料である粉体Pを載置した後、各電極5,7に配置されたヒータ11,12を作動させる。
このヒータ11,12により、上部電極5については、導電性接着剤が加熱されて接着性が増すとともに、下部電極7に載置された粉体Pが加熱されて水分が蒸発される。
そして、真空ポンプ1にて容器1内を、例えば1Pa程度の真空状態にした後、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスを供給する。
次に、高周波電源9により高周波コイル10に高周波電流を流すとともに直流電源8により高圧の直流電圧を両電極5,7間に印加する。ここでは、上部電極5に正極が、下部電極7に負極が接続されている。
したがって、下部電極7に載置された粉体Pに負の電荷が与えられ、両電極5,7間に発生した静電場の電界強度Eにより、上部電極5側に向かう力[所謂、クーロン力(F=qE)]が付与されるため、粉体Pは上部電極5側に高速で移動する(飛び出す)。
上部電極5側に移動した粉体Pの一部は、基板Kの表面に塗布された電導性接着剤に付着するが、残りの粉体Pは上部電極5にて正に帯電され(電子が放出されて正の電荷を有することになる)、今度は、下部電極7に向かって高速で移動し、再度、負に帯電されて(電子が与えられて)上部電極5に移動する。
このように、粉体Pは両電極5,7間で往復移動させられるが、この往復移動する間に、徐々に、基板Kに対する付着量が増加し、所定厚さの薄膜が形成されることになる。ところで、電極5,7から放出される粉体Pの運動方向は、電極間全体に対して立体的[所謂、コサイン則的(COS則)]であるため、電極表面に偏って載置したとしても、粉体Pは基板K全体に均等に付着することになる。
なお、高周波コイル10により、円筒体4の内側では不活性ガスがプラズマ化されているため、粉体Pの表面がイオン化されて活性化され、粉体の移動がし易くされている。この活性化は、物質の表面には、一般的に、水素基(−H)や水酸化基(−OH)などが吸着しており、このため、物質が積層する場合はその結合力を妨げることになり、プラズマ中を通過させることで表面に吸着した基が外れて(つまり、表面に電子の過不足状態が生じ)、表面が活性化されるという意味である。
また、不活性ガスを用いたのは、例えば酸素を含む大気中であると、粉体の表面に吸着した水素基が外れて一時的に活性化が促されるが、プラズマ中の酸素が反応して酸化し、さらに安定状態になってしまうのを防止するためである。
また、不活性ガスの内、アルゴンガス、ヘリウムガスなどの希ガスを用いるのが好ましい。この理由としては、プラズマを発生し易く且つ酸化しないので、表面が活性化した状態で基板に付着させることができるからである。
さらに、容器3内を真空状態にしたのは、不活性ガスに置換された大気圧下でもプラズマを発生させることができるが、低電力でプラズマを発生させるには、1〜1000Paの範囲の真空状態にするのが好ましいからである。すなわち、真空状態にすると、プラズマ中の電子、ガスイオンの運動も激しくなり、より表面の活性化を図ることができる。
このように、粉体が載置された下部電極と、上部電極との間に高圧の直流電圧を印加させて、粉体を、両電極間で往復移動させるようにしたので、粉体は上部電極に保持された基板の表面に、徐々に且つ均一に付着し、最終的には、所定厚さの機能性を発揮する薄膜が形成される。具体的には、最初は導電性接着剤に付着し、その後は、既に付着している粉体同士間に衝突して減り込むことにより成膜が行われる。すなわち、スパッタリングのように、ターゲットに電子を当てて放出させるものと異なり、静電場で発生した電界により粉体が移動されるため、組成変化が生じることなく、また粉体は両電極間で何度も往復移動ししかもその運動方向が立体的であるため、基板表面に形成される薄膜の厚さが自然に均一になり、言い換えれば、容易に膜厚の均一化を行うことができる。
また、粉体を基板に付着させるのに大きな電力を必要とせずに(高電圧であっても電流は非常に小さい)、積層する粉体の組成を変化させることなく、低コストで目的の機能性デバイスを得ることができる。また、下記に述べるように、少なくとも、溶媒なども必要としないため、環境的にも優しいものである。
ここで、上述した成膜方法を色素増感太陽電池の発電セルの製作に適用した場合について説明しておく。
現在開発されている色素増感太陽電池は、ガラス基板またはプラスチック基板に有機溶剤によりペースト化されたTiO(粒子径が例えば数十nm程度のもの)などの光触媒を塗布した後、乾燥/焼結工程を経て、成膜が行われている。そして、この触媒に色素を染みこませ、対極との間に電解質となる溶液を入れることで製作されている。
ところで、TiOを基板に形成するとき、ペースト状または粉末状のものを基板に固着する工程として焼成工程があるが、粉末状のもの、すなわち粉体の場合には、400℃近い温度で焼成されている。この焼成温度が高いと、基板のITO膜は温度による酸化が進み、膜抵抗値を上昇させ、結果的に電池の効率を下げる原因となる。
この焼成温度を下げる方法として、最近では高分子系の有機溶媒などに分散させたペーストが用いられるが、この有機溶媒としては環境の点で好ましくない材料が使われている。
また、TiOに色素を添加する工程は、TiOを形成してから色素で染める(TiOを色素で覆う)方法であり、再度、乾燥などの工程が含まれてしまう。
さらに、電解質(電解液でもある)については、これまで電気伝導性の観点からヨウ素系の電解液が良く用いられている。しかしながら、封止部からの液漏れなどを改善するため、ゲルまたは固体の電解質による電池の開発も進められている。
固体電解質を用いた発電セルの製作においては、触媒の場合と同様、溶媒やペースト化されたものを対極側に焼成により固着させ、触媒側基板と電解質側基板とを貼り合わせてセルを製作している。
ここで、重要なことは、電解質と触媒の界面および接触面積が電池性能に大きく影響するという点である。
なぜなら、電解質が液体であると触媒の隙間に入り込むことで、電子の授受に対する面積を稼ぐことができるが、固体電解質の場合は貼り合わせた面だけで、電子の授受が行われるため、結果として変換効率が落ちることとなる。
そこで、本発明に係る成膜方法を用いて発電セルを製作する場合には、まず、20〜40nmのTiO粉体を色素となるクマリン系色素で溶解した溶媒中に浸漬させてTiO表面に色素を付着させる。
次に、固体電解質となるCuI(ヨウ化銅)の粉体(粒径が20〜50nm程度)を上記TiO粉体に重量比で7:3または8:2の割合で混合したものを下部電極7に供給(載置)し、そして上部電極5にITO膜付きのガラス基板Kを保持させるとともに、下部電極7から基板Kまでの距離を20mmとして、これら両電極5,7間に高圧(20kV)の直流電圧を印加した。直流電圧の印加後、約20秒後に、厚さ10μm程度の薄膜が得られた。
次に、この薄膜上に上述したと同程度の粒子径のCuIの粉体を、上述と同様の操作によって、厚さ10〜20μm程度でもって付着させた。このとき、プラズマ活性処理を行いながら粉体を付着させた。
こうして得られた発電セルにPtを成膜したガラス基板またはSUSなどの金属板を押し当てながら、基板が離れないように周囲をエポキシ樹脂で固め、太陽電池を製作した。
AMI(太陽光が大気を通過する路程の長さ)1.5および100mW/cmの擬似太陽光でこの電池の性能を測定した結果、短絡電流Jが13.5mA/cm、開放電圧VDCが0.55V、FF(曲線因子)が0.7で、変換効率が5.2%であった。
なお、比較のため、上記粉体と同等粒径のペーストによる発電セルを、従来法(a:TiOのペースト塗布−焼成−色素染色/乾燥、b:対極に固体電解質塗布/乾燥、これらa工程およびb工程を合わせることにより発電セルが得られる)にて製作し、この製作したものの変換効率を計測すると2〜3%であった。すなわち、本発明に係る成膜方法を用いた方が有効であることが確認できた。
以上、本発明に係る成膜方法を、色素増感太陽電池の発電セルを製作する場合に適用して説明したが、今回のようにセラミックを始め、金属、高分子などの粉体を積層して機能性を有する部品、製品、すなわち機能性デバイスの製作にも適用することができる。
ところで、上記実施の形態1においては、容器内を所定の真空度下にして成膜を行うように説明したが、空気中で行うこともでき、また容器の外周に高周波コイルを配置して容器内にプラズマを発生させるように説明したが、プラズマを発生させなくてもよい。
また、上記実施の形態1においては、基板の表面に、導電性接着剤を塗布して粉体が付着し易いようにしたが、例えば図2に示すように、基板Kの表面に、カーボンナノチューブ21をその方向性(配向性)を持たせて(例えば、紐が垂れ下がるように)配置するようにしてもよい。
このようにすることにより、粉体Pがカーボンナノチューブ21に絡み、基板Kに付着し易くなるとともに、粉体Pと基板Kとの間に位置して、集電体としての機能も持たせることができる。この意味から、カーボンナノチューブ21は、接着機能と集電機能とを発揮することになる。
また、場合によっては、上記実施の形態1における下部電極7に載置される粉体Pにカーボンナノチューブを混ぜることにより、膜そのものに集電機能(集電体としての機能)を持たせるようにしてもよい。
さらに、図3に示すように、上記実施の形態1における上部電極5と下部電極7との間に、所定径の穴が多数形成されて基板Kに付着させる粉体Pの粒径(サイズ)を制御するための粒径制御板(粉径制御板とも言える)31を配置してもよい。つまり、この粒径制御板31により、所定径以下の粉体Pだけを基板Kに付着させることができる。なお、粒径制御板31としては、例えば金属製(銅など)や合成樹脂製(ポリテトラフルオロエチレンなど)のメッシュ状板体などが用いられる。但し、粒径制御板31を金属製とした場合には、当該粒径制御板31と上部電極5および下部電極7とのそれぞれの距離、または印加電圧が絶縁破壊しない(放電しない)ような値にされている。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2に係る成膜装置および成膜方法について説明する。
上記実施の形態1においては、一つの基板に対して成膜を行うものとして説明したが、本実施の形態2においては、一つの容器内に二つの基板を配置してそれぞれ成膜を行い得るようにしたものである。なお、ここでは、実施の形態1と同じ構成部材については、同一の部材番号を付して説明する。
すなわち、図4に示すように、容器(図4では図示せず)3内の下部に、モータなどにより回転される回転テーブル41を配置するとともに、この回転テーブル41の少なくとも180度対称位置に、それぞれ電極保持部材6を介して下部電極7を配置し、そしていずれか一方の下部電極7の上方に上部電極5を配置したものである。なお、電極保持部材6を設けずに、下部電極7を、直接、回転テーブル41に設けるようにしてもよい。勿論、この場合、回転テーブル41側には、粉体Pが外側に移動しない(こぼれない)ように環状縁部が突設される。
この構成により成膜を行う場合、それぞれの下部電極7上に異なる種類の粉体P1,P2を載置しておき、そして上部電極5と当該上部電極5に対向する下部電極7との間に高圧の直流電圧を印加して、基板Kに粉体P1の薄膜を形成する。
次に、上部電極5側の基板Kを交換するとともに、回転テーブル41を180度回転させて、前回とは種類の異なる粉末P2が載置された下部電極7を上部電極5に対向する位置に移動させて成膜を行う。
この構成によると、一台の成膜装置で、種類が異なる薄膜をそれぞれ別の基板に形成することができる。
また、上部電極5に保持された基板Kを交換せずに、回転テーブル41だけを回転させて、二つの下部電極7を順次対向させて成膜を行うことにより、種類の異なる粉体(材料)を一つの基板Kの表面に積層することができる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3に係る成膜装置および成膜方法について説明する。
上記実施の形態1においては、一つの基板に対して成膜を行うものとして説明したが、本実施の形態3においては、一つの容器内に二つの基板を配置し、そして各基板に形成された薄膜の厚さを計測し得るとともに、一方の基板の膜厚を計測しているときに、他方の基板の成膜を行い得るようにしたものである。なお、ここでも、実施の形態1と同じ構成部材については、同一の部材番号を付して説明する。
すなわち、図5に示すように、容器(図5では図示せず)3内において、下部電極7の上方位置で所定方向(水平方向)に電極保持部材51を移動装置(図示せず)により往復移動自在に配置するとともに、この電極保持部材51に、その移動方向において二つの上部電極5を離して保持させ、さらにこの電極保持部材51により円筒体4の外側に移動された各上部電極5の基板K1,K2に対向する下方位置に、それぞれ膜厚計52が配置されたものである。
この構成により成膜を行う場合、まず、一方の上部電極5を下部電極7上に移動させて、その基板K1に成膜を行う。
この成膜がある程度行われると、電極保持部材51を所定方向に移動させて当該一方の基板K1を円筒体4の外側に移動させ、その下方に配置された膜厚計52により、当該基板K1に形成された薄膜の厚さが計測される。
そして、この計測をしているときに、他方の上部電極5に保持された基板K2が下部電極7上に移動されているため、当該他方の基板K2に対して成膜を行う。この一方の基板1の膜厚が所定値であれば、当該基板K1を新しいものと交換した後、他方の基板K2への成膜が済めば、電極保持部材51を逆方向に移動させて、新しい基板に対して成膜を行えばよい。なお、一方の基板1の膜厚が不足している場合には、他方の基板K2への成膜が済み次第、電極保持部材51を逆方向に移動させて、再度、一方の基板K1に対して不足膜厚分だけ成膜を行えばよい。
このように、一方の基板K1の表面に形成された薄膜の厚さを計測し得るとともに、この計測しているときにおいても、他方の基板K2に対して成膜を行うことができるので、成膜の作業効率がよい。
なお、上述した実施の形態3において、上部電極を移動させる際に、すなわち基板を移動させる際に、基板の表面を押圧可能なローラを配置しておくことにより、基板上に積層された薄膜(粉体)を基板に押圧させてその付着を強固なものにすることができる。また、この押圧ローラにヒータを内蔵させておけば、付着を、より強固なものにすることができる。
本発明の実施の形態1に係る成膜装置の概略構成を示す断面図である。 同成膜装置の変形例を示す要部断面図である。 同成膜装置の変形例を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態2に係る成膜装置の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る成膜装置の概略構成を示す断面図である。
符号の説明
K 基板
P 粉体
1 真空ポンプ
2 空気排出管
3 容器
4 円筒体
5 上部電極
6 電極保持部材
7 下部電極
8 直流電源
10 高周波コイル
11 ヒータ
12 ヒータ
13 不活性ガス供給管
21 カーボンナノチューブ
31 粒径制御板
41 回転テーブル
51 電極保持部材
52 膜厚計

Claims (9)

  1. 表面に膜が形成される基板を保持する一方の電極と、膜材料である粉体が載置される他方の電極との間に直流電圧を印加して両電極同士間に静電場を形成し、
    この静電場にて発生した電界により上記膜材料である粉体を両電極同士間で往復移動させて当該粉体を基板表面に付着させて成膜することを特徴とする成膜方法。
  2. 成膜を真空下で行うことを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 表面に導電性材料が設けられた基板を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方法。
  4. 基板表面に設けられる導電性材料としてカーボンナノチューブまたは接着剤を用いることを特徴とする請求項3に記載の成膜方法。
  5. 膜材料にカーボンナノチューブを混合させることを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  6. 両電極同士の空間領域にプラズマを発生させて粉体表面にイオンを付与して活性化させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の成膜方法。
  7. 基板の表面に粉体を付着させて成膜する成膜装置であって、
    容器内の上部に配置されて基板を保持可能な上部電極および当該容器内の上記下部電極の下方に配置されて粉体を載置可能な下部電極と、これら両電極間に直流電圧を印加する直流電源とを具備し、
    且つ成膜を行う際に、
    上記両電極間に直流電圧を印加して静電場を形成するとともに、この静電場にて発生した電界により下部電極に載置された粉体にクーロン力を付与して両電極間で粉体を往復移動させることにより、基板の表面に粉体を付着させるようにしたことを特徴とする成膜装置。
  8. 容器内の少なくとも両電極間の空間領域にプラズマを発生させるプラズマ発生装置を具備したことを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
  9. 両電極間に、下部電極から基板側に移動する粉体の大きさを制御するための粒径制御板を配置したことを特徴とする、請求項7または8に記載の成膜装置。
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