JP2008156043A - 車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この圧油供給量制御装置のコントローラ2は、クレーンの負荷率に応じた負荷信号と、クレーンへの操作信号とがそれぞれ入力されるようになっており、入力される負荷信号に基づいて、その入力される負荷信号が大きいときには小さいときに比べて副油圧ポンプ8から吐出される圧油の流量を減少させるように流量制御弁5を制御しつつ、入力される操作信号に基づいて、前記流量制御弁5を制御するように構成されている。
【選択図】図1
Description
同文献に記載の技術では、エンジンによって同時に駆動される主油圧ポンプおよび副油圧ポンプを備えるダブルポンプ方式を採用している。そして、副油圧ポンプから吐出される圧油の流量を制御する流量制御弁を装備しており、主油圧ポンプから吐出された圧油に、副油圧ポンプから吐出されて流量制御弁で任意の流量に調整された圧油を合流させている。そして、この合流された圧油を、クレーンを駆動するための各切換弁へ供給し、これにより、例えば主油圧ポンプのみを装備する車両搭載用クレーンに比べ、エンジンの騒音を抑制し、燃費を向上させることを可能としている。
すなわち、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、ダブルポンプ方式を採用する圧油供給量制御装置において、合流用の流量制御弁および負荷率に応じて流量を制御する流量制御弁を兼用し得る圧油供給量制御装置を提供することを目的としている。
つまり、例えば負荷率が比較的に低い第一の範囲のときには、クレーンへの操作信号のみに基づいて流量制御弁が制御されるので、機敏な操作が可能であり、また、例えば負荷率が中程度の第二の範囲のときには、負荷信号が大きくなるにつれ副油圧ポンプから吐出される圧油の流量を減少させるように流量制御弁が制御されるので、その負荷率の程度に応じた速度のクレーン操作が可能であり、さらに、例えば負荷率が比較的に高い第三の範囲のときには、流量制御弁を全閉する制御がされるので、微速動時のクレーン速度と同等の低速作動が可能であり、さらに、第四の範囲のときには、アンロードリリーフ弁を作動してクレーン操作を止めることができる。したがって、クレーンを所望の状態に制御する上で好適である。
図1は、本発明に係る車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置を含む油圧回路を説明する図である。
同図に示すように、この車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置(以下、単に「制御装置」ともいう)は、作業者が所望の操作信号を入力するための操作入力装置1を有しており、この操作入力装置1は、作業者の操作に応じた操作信号を、信号線50を介してコントローラ2に出力可能になっている。また、この制御装置は、信号線54を介してコントローラ2に接続された過負荷防止装置10を備えており、この過負荷防止装置10は、クレーンの負荷率に応じた負荷信号をコントローラ2に出力可能になっている(なお、コントローラ2については後に詳述する)。
さらに、この制御装置は、アクセルシリンダ4およびガバナ20を備えており、アクセルシリンダ4とガバナ20とは、第一のリンク21で互いに連結されている。そして、このアクセルシリンダ4についても、信号線51を介してコントローラ2に接続されており、上記操作信号に応じたコントローラ2からの制御信号に基づいて駆動されるようになっており、さらに、アクセルシリンダ4の動作に応じて、ガバナ20によってエンジン6への燃料噴射量を調整することでエンジン回転数を所望の回転数に制御可能になっている。つまり、エンジン6の回転数、および流量制御弁5による圧油の所定の流量は、それぞれ個別にコントローラ2で制御可能に構成されている。
操作部68には、ブーム起伏スイッチ61、ウインチスイッチ62、ブーム伸縮スイッチ63、左右旋回スイッチ64等がそれぞれ配置されており、各スイッチは、対応する各アクチュエータをそれぞれ駆動するための切換弁40(図1での符号D〜S)に対応する操作信号をコントローラ2にそれぞれ送信可能になっている。また、操作部68上には、クレーンのインチング操作をするためのインチングボタン66も配置されており、対応する操作信号をコントローラ2に送信可能になっている。さらに、操作部68の下面には、下方に速度レバー65が突出している。この速度レバー65は、同図(b)に示すように、クレーンの操作信号の割合を、0〜100%まで調整可能なスピードコントローラであり、速度レバー65を引く操作の大小によって、対応する操作信号をコントローラ2に送信し、クレーンの作動速度を調整可能になっている。
同図に示すグラフは、上記テーブルデータとして参照可能な制御関数(制御マップ)を表しており、最下段が流量制御弁5のスプールの開度、その上段に、エンジン回転数、定格圧力時の合計ポンプ駆動トルク、および主・副油圧ポンプ7,8による合計流量を順に示している。主油圧ポンプ7の容積は、20cm3/rev、副油圧ポンプ8の容積は、40cm3/revであり、同図に示すグラフの数値は、エンジンのアイドリング回転数を400rpm、定格回転数を1000rpm、エンジンとポンプの減速比を1(エンジン回転数=ポンプ回転数)、定格圧力20MPaと仮定した場合のものである。
なお、油圧ポンプの駆動トルクTは、以下の(式1)で算出される。また、吐出流量Qは、以下の(式2)で算出される。
Q=q*N(式2)
但し、P:吐出圧力
q:ポンプ容積
N:ポンプ回転数
そして、このコントローラ2内での圧油供給量制御処理は、入力される負荷信号に応じて4つの範囲が設定されている。具体的には、入力される負荷信号が50%(第一の所定値)未満のときを第一の範囲とし、入力される負荷信号が50%(第一の所定値)を超え且つ95%(第二の所定値)未満のときを第二の範囲とし、さらに、入力される負荷信号が95%(第二の所定値)を超え且つ100%(第三の所定値)未満のとき、およびインチングボタン66が操作されてその信号が入力されたときのいずれかのときを第三の範囲とし、入力される負荷信号が100%(第三の所定値)を超えるときを第四の範囲として設定している。
ステップS1では、無線操作器60のインチングボタン66が操作されているか否かを判定し、操作されているとき(Yes)にはステップS6に移行し、そうでないとき(No)にはステップS2に移行する。ステップS2では、過負荷防止装置10から入力される負荷信号が上記第一の範囲内か否かを判定し、第一の範囲内であれば(Yes)ステップS3に移行し、そうでないとき(No)にはステップS4に移行する。
ステップS4では、負荷信号が上記第二の範囲内か否かを判定し、第二の範囲内であれば(Yes)ステップS5に移行し、そうでないとき(No)にはステップS6に移行する。
ステップS8では、流量制御弁5を全閉する一連の処理が実行されて、処理を戻す。これにより、流量制御弁5を作動させないようになっている。また、ステップS7では、負荷信号が上記第四の範囲か否かを判定し、第四の範囲であれば(Yes)ステップS9に移行し、そうでないとき(No)にはステップS8に移行する。ステップS9では、上記アンロードリリーフ弁27、29を作動させる制御を含む一連の処理が実行されて、処理を戻す。これにより、圧油を各切換弁40を介さずにタンク9側に戻してクレーンの作動を停止するようになっている。
上述のように、この圧油供給量制御装置によれば、そのコントローラ2は、クレーンの負荷率に応じた負荷信号と、クレーンへの操作信号とがそれぞれ入力されるようになっており、これら負荷信号および操作信号に基づいて、一つの流量制御弁5を制御するようになっているので、この一つの流量制御弁5で合流する圧油の流量制御および負荷率に応じた流量制御を兼用することが可能である。
さらに、このコントローラ2によれば、クレーンへの負荷率に応じて4つの範囲が設定されているので、クレーンの負荷率に応じた所望の状態に制御する上でより好適である。
そして、負荷率が中程度の第二の範囲(入力される負荷信号が50%以上95%未満)のときには、負荷信号が大きくなるにつれ副油圧ポンプ8から吐出される圧油の流量を減少させるように流量制御弁5が制御される。つまり、所定の関数式Kに負荷率の逆数を掛けあわせて、所定の関数式Kの傾きを減少させ、その傾きを減少させた関数式によって、その際の操作信号に基づいて流量制御弁5を制御するようになっているので、その負荷率の程度に応じた速度での安定したクレーン操作が可能である。
したがって、この圧油供給量制御装置によれば、通常時の操作性を良好とするとともに、負荷率に応じた流量を確実に所望の状態に制御するクレーン操作が可能である。さらに、微速動システムを簡単かつ安価に構築することができる。
なお、本発明に係る圧油供給量制御装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能であることは勿論である。
2 コントローラ
3 コントロールバルブ
4 アクセルシリンダ
5 流量制御弁
6 エンジン
7 主油圧ポンプ
8 副油圧ポンプ
9 タンク
10 過負荷防止装置
20 ガバナ
21 第一のリンク
24 主回路
27、29 アンロードリリーフ弁
40 切換弁
50〜55 信号線
60 無線操作器
Claims (2)
- 車両に搭載されるクレーンに供給する圧油の供給量を制御するために用いられ、前記車両のエンジンによって同時に駆動される主油圧ポンプ及び副油圧ポンプと、前記副油圧ポンプから吐出される圧油の流量を所望の流量に調整する流量制御弁と、前記主油圧ポンプ及び副油圧ポンプから吐出される圧油をタンクにバイパス可能な主油圧ポンプ用アンロード弁及び副油圧ポンプ用アンロード弁と、前記クレーンへの操作信号に応じて、前記エンジンの回転数および前記流量制御弁を制御可能なコントローラとを備え、前記主油圧ポンプから吐出される圧油に、前記流量制御弁で調整された前記副油圧ポンプの圧油を合流させて前記クレーンを駆動するための各切換弁に供給する圧油供給量制御装置であって、
前記コントローラには、前記クレーンへの操作信号が入力されるほか、前記クレーンの負荷率に応じた負荷信号が入力されるようになっており、
前記コントローラは、前記入力される操作信号に基づいて、前記流量制御弁を制御し、且つ前記入力される負荷信号に基づいて、当該入力される負荷信号が大きいときには小さいときに比べて前記副油圧ポンプから吐出される圧油の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御し、あるいは前記各アンロード弁を作動するように構成されていることを特徴とする車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置。 - 請求項1において、
前記入力される負荷信号が第一の所定値未満の第一の範囲のときには、前記クレーンへの操作信号のみに基づいて前記流量制御弁を制御し、
前記入力される負荷信号が前記第一の所定値を超え且つその第一の所定値よりも大きい第二の所定値未満の第二の範囲のときには、前記負荷信号が大きくなるにつれ前記副油圧ポンプから吐出される圧油の流量を減少させるように前記流量制御弁を制御するとともに、前記操作信号に基づいて前記流量制御弁を制御し、
前記入力される負荷信号が前記第二の所定値を超え且つその第二の所定値よりも大きい第三の所定値未満の第三の範囲のときには、前記流量制御弁を全閉する制御をし、
前記入力される負荷信号が前記第三の所定値を超える第四の範囲のときには、前記各アンロード弁を作動して主油圧ポンプ及び複油圧ポンプからの圧油をタンクにバイパスするようになっていることを特徴とする車両搭載用クレーンの圧油供給量制御装置。
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