JP2008155911A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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ガブリエル ジァンヌ−マリー カンブロン アンヌ−フランス
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ヴァン ヌギュエン ジュア
Raymond Marie Joseph Ghislain Houba
マリー ジョセフ ジスラン ウバ レイモン
Frank Pierre Severens
ピエール セヴェラン フランク
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Abstract

【課題】タイヤが新品のときとタイヤが摩耗したときの両方においてタイヤの同様のトレッド性能を実現する可変トレッドパターンを有するように構成される空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤ10はトレッド12を有し、トレッド12は、初期タイヤ構成を形成する複数の溝16、22を有する。溝16、22およびそれによって形成されるトレッド部材14によって、トレッド12のネット対グロス比が60%を超える範囲になる。深さの変動ならびにトレッド部材14の高さおよび構成の変動のために、トレッド12が摩耗した後、トレッド12のネット対グロス比は60%未満の範囲になる。
【選択図】図1A

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、特に、トレッドが、タイヤが摩耗したときに異なるトレッドパターンを形成するように構成される空気入りタイヤのトレッドに関する。
タイヤのトレッドパターンは、円周方向および/または横方向の溝によって互いに分離された、リブやブロックのような多数の部材を備える。溝は、排水手段を構成し、かつトレッド部材のバイティングエッジを形成する。
タイヤが新品のとき、トレッドは最大トレッド高さを有する。この初期高さは、タイヤの予定された用途に応じて変えることができ、冬季用タイヤは、オールシーズンタイヤと比べて深いトレッド深さを有する。初期トレッド深さとは無関係に、タイヤが新品のとき、トレッド部材は、初期剛性を有する。トレッド部材の実際の剛性は、ブロックサイズ、形状、および任意のサイピングの存在によって決まる。トレッドが摩耗すると、ブロック高さが低くなり、一方、トレッド部材の剛性が高くなる。
タイヤが水の中を走行すると、溝において水押し戻しと水流の2つのメカニズムが生じる。水押し戻しメカニズムは常に存在する。しかし、平滑なタイヤの場合、特定の車両速度および水の深さを超えると、フットプリント前縁部の前方で水バンクが生じる。溝内の水流によって水バンクを低減させないかぎりタイヤと路面との間に滑りが生じる。新品のタイヤでは、トレッドパターンにおいて剛性と雨天時運転性能の兼ね合わせを図ることができる。このような新品のタイヤでは、水押し戻しメカニズムおよびノンスキッドトレッド深さは、許容されるハイドロプレーニング抵抗を実現するのに十分なものである。タイヤが摩耗しノンスキッド深さが浅くなると、溝内の水流が少なくなる。本発明は、この流量の低減を補償するトレッドを有するタイヤに関する。
本発明の目的は、タイヤが新品のときとタイヤが摩耗したときの両方においてタイヤの同様のトレッド性能を実現する可変トレッドパターンを有するように構成される空気入りタイヤを提供することにある。
本明細書では空気入りタイヤが開示される。このタイヤは、摩耗に応じて変化し、タイヤが新品のときとタイヤが摩耗したときの両方においてタイヤの同様のトレッド性能を実現する可変トレッドパターンを有するように構成される。この変化パターンは、タイヤの雨天時性能特性を維持するように摩耗したタイヤの性能を最適化する。
本明細書では、赤道面およびトレッドを有する空気入りタイヤが開示される。トレッドは、初期トレッド構成を形成する複数の溝を有する。溝およびそれによって形成されるトレッド部材によって、トレッドのネット対グロス比が60%を超える範囲になり、他の実施態様ではネット対グロス比が60%〜80%の範囲になる。深さの変動ならびにトレッド部材の高さおよび構成の変動のために、トレッドが摩耗した後、トレッドのネット対グロス比は60%未満の範囲になる。一実施態様では、摩耗したタイヤトレッドのネット対グロス比は60%未満〜45%の範囲である。
本発明の他の態様によれば、摩耗していないタイヤトレッドのネット対グロス比は、60%〜70%の範囲であり、摩耗したタイヤトレッドのネット対グロス比は、60%未満〜50%の範囲である。
初期トレッド構成を形成する複数の溝によって形成されたトレッドを有する空気入りタイヤも開示される。溝およびそれによって形成されるトレッド部材によって、ネット対グロス比を有するトレッドが得られる。タイヤトレッドが摩耗すると、トレッド構成が変化し、トレッドのネット対グロス比が変化する。初期タイヤトレッドのネット対グロス比から摩耗したタイヤトレッドのネット対グロス比の変化は、初期ネット対グロス比より少なくとも10%少ない。ネット対グロス比のこの変化は、トレッド深さが初期トレッド深さの70%以下であるときに生じ始める。
本発明の他の態様では、摩耗したトレッドのネット対グロス比は、初期ネット対グロス比より少なくとも10%〜30%低い。あるいは、摩耗したトレッドのネット対グロス比は、初期ネット対グロス比より少なくとも10%〜15%低い。
定義
開示される発明には以下の定義が使用される。
「軸線方向の」および「軸線方向に」は、本明細書では、タイヤの回転軸線に平行なラインまたは方向を指す。
「円周方向」は、環状のタイヤの、赤道面(EP)に平行でありかつ軸線方向に垂直な面の周囲に沿って延びるラインまたは方向を意味する。
「溝」は、トレッドの周りを円周方向または横方向に直線状、曲線状、またはジグザグに延びることのできる、トレッド内の細長い空隙領域を意味する。円周方向および横方向に延びる溝は、共通部分を有することがあり、「広い」溝または「狭い」溝に下位分類することができる。「狭い溝」は、補償されたトレッド幅の約0.8%〜3%の範囲の幅を有し、「広い溝」は、補償されたトレッド幅の3%を超える幅を有する。「溝幅」は、溝または溝部分によって占有されるトレッド表面積に等しく、この幅はそのような溝または溝部分の長さで除算され、したがって、溝幅は溝の長さにわたる平均幅である。溝は、それが配置されたトレッド領域の剛性を低減させる。溝の深さは、タイヤ内でばらついてよい。溝の深さは、トレッドの円周に沿ってばらついてよく、あるいは溝の深さは、一定でよいがタイヤ内の他の溝の深さとは異なってよい。
「内側」は、タイヤの内部に向かう方向を意味し、「外側」は、タイヤの外部に向かう方向を意味する。
「横方向」は軸線方向を意味する。
「ノンスキッド」はタイヤトレッド内の溝の深さを意味する。
「半径方向の」および「半径方向に」は、半径方向に、タイヤの回転軸線方向に向かう方向または回転軸線方向から離れる方向を意味する。
「サイプ」は、トレッド内で円周方向または横方向に直線状、曲線状、またはジグザグに延びることのできる、トレッド内の空隙領域を意味する。サイプは通常、その鋳型または機械加工された型またはトレッドリングに挿入されたスチールブレードによって形成される。拡大図を除く添付の図面では、サイプは、非常に狭いため単一の線で図示されている。「サイプ」は、補償されたトレッド幅の約0.2%〜0.8%の範囲の幅を有する溝である。
本発明について、一例として添付の図面を参照して説明する。
以下の文言は、本発明を実施する現在考えられる最良の態様である。この説明は、本発明の一般的な原則を例示するためのものであり、制限的な意味で解釈すべきではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによって最も適切に決定される。
タイヤが図1に示されている。タイヤ10は、傾斜した横方向の溝16によって分離された複数のトレッド部材14を有するトレッド12を有している。トレッド部材14は、トレッドショルダ18同士の間を連続的に延びている。互いに円周方向に隣接するトレッド部材14は、タイヤ赤道面EPの領域で連結され、トレッドに擬似リブ20を形成している。図3も参照されたい。トレッド14は、互いに円周方向に隣接する横方向の溝16同士の間をサイプ22も備えている。
トレッド面24の半径方向内側には複数の溝空隙がある。図1のトレッドでは、トレッドショルダ縁部と赤道面との間を延びる各設計ピッチにおいて、各トレッド部材のトレッド面24の半径方向内側に3つの溝空隙26、28、30がある。図1A、5、および7を参照されたい。溝空隙は、タイヤの円周方向長さに沿った一次方位軸線を有する。この方位軸線は、タイヤの赤道面に対して0度〜35度の角度に傾斜している。溝空隙26、28、30は、横方向溝16に一致する互いに向かい合う円周方向端部26E、28E、30Eも有している。溝空隙26は、サイプ溝と同一であってよい種類の構成を有しており、トレッド面にはサイプがあり、トレッドの定められた深さでサイプは溝空隙に変化している。互いに円周方向に隣接するトレッド部材14のそれぞれの溝空隙26、28、30が円周方向に揃っているため、溝空隙26、28、30はトレッド12に複数のトンネル状部材を形成する。
しかし、各溝空隙の上方にトレッドゴムが配置されているため、トレッドが摩耗していないかまたは制限された量のトレッド摩耗しか受けていないとき、水流流路とみなすことのできるものに障害物が形成される。妨害されない連続的な円周方向溝がないため、図1のトレッドに生じる主水流メカニズムは水押し返しになる。
トレッド部材14は、タイヤが摩耗していないときのタイヤのトレッド面と、トレッドの溝の半径方向最も内側のベースとの間に算出される初期ノンスキッドトレッド深さDを有する。図5を参照されたい。トレッドは、摩耗していないとき、ネット対グロス比も有する。ネット対グロス比は、タイヤの全周に沿って測定された、地面のような硬い平面と接触する標準荷重および標準空気圧のタイヤの総表面積を、溝などの非接触部分を含むトレッドの総表面積で割った比、すなわち、接触面積と総トレッド面積との比である。図示の実施形態では、トレッドは60%を超えるネット対グロス比を有し、より具体的には、図示のトレッドのネット対グロス比は60%〜80%であり、図1のタイヤのネット対グロス比は60%〜70%の範囲である。
トレッド部材14が摩耗すると、ノンスキッドトレッド深さDが浅くなり、溝空隙26、28、30が露出され、トレッドに新しい妨害されない円周方向溝32、34、36が形成される。図2、4、および6を参照されたい。したがって、語「溝空隙」ということになる。溝空隙は、露出されたときに溝を形成する初期トレッド面に対する空隙であるトレッド部材であり、したがって、溝空隙は、上記に定義された溝幅の範囲内の幅を有する。溝空隙の露出量は、溝空隙の上方のゴムの半径方向深さDRに基づいて決定される。ゴムの半径方向深さDは全ノンスキッドDの30%〜70%であり、したがって、溝は、全トレッド深さDの30%〜70%の摩耗の分だけ露出される。溝空隙26、28、30は理想的には、やはり溝16と同じトレッド半径方向深さで揃えられた半径方向最も内側のベースを有する。
円周方向溝32、34、36は、図1のトレッドを、連結されたトレッド部材14の一方から、中央リブ20の各側に配置された複数の非連結トレッドブロック40、42、44を有するトレッドに変える。
図5を見ると分かるように、トレッドゴムの、各溝空隙の半径方向外側の部分はすべて、同じ半径方向ゴム深さを有し、すなわち、すべての溝空隙26、28、30は同じ溝空隙深さDを有する。半径方向外側に配置されたサイプ構成部材を有し、サイプ構成部材をトレッド面に連結する溝空隙26については、溝空隙深さDは、空隙の、溝幅の定義内の幅を有する部分のみについて測定され、このことは図5に最もよく示されている。しかし、トレッドの妨害されない円周方向溝の量を徐々に増やすために、溝空隙深さDを変化させることができる。この変化は、トレッドの溝の軸線方向位置または溝空隙の総断面積に基づいて選択することができる。たとえば、形成すべき溝の軸線方向位置に基づいて選択する場合、赤道面の最も近くに配置された溝36の前に軸線方向最も外側の溝32が現れるようにすることが望ましい。トレッドがそのように変化する場合、軸線方向最も外側の溝空隙26の溝空隙深さDは軸線方向内側溝空隙30の溝空隙深さより深くなる。溝空隙が一定の断面積を有することが望ましい場合、軸線方向により広い溝空隙は、他の溝空隙と比べて溝空隙深さDが浅くなる。あるいは、溝空隙26、28、30の上方のゴムの半径方向深さDが一定であり、一方、溝空隙深さDが可変になるように各溝空隙を配置することができる。このようなトレッドでは、露出される溝の深さが変化し、水が流れることのできる断面積が大きくなる。
新しい溝32、34、36が連続的であるとき、タイヤが水の中を走行すると、水は妨害されずにフットプリントの前縁部からフットプリントの後縁部まで自由に流れる。摩耗したタイヤトレッド内の水流を改善するために、本発明の一態様では、新しく形成された溝は、フットプリントの前縁部と後縁部との間を完全に延びて、フットプリントの前縁部および後縁部に接触し、好ましくはフットプリントの前縁部および後縁部を越えて延びる。
妨害されない溝32、34、36を形成した後、図示のトレッドはネット対グロス比が60%未満になる。摩耗したトレッドのネット対グロス比は60%未満〜45%の範囲内である。言い換えれば、トレッドに新しい溝を形成することによって、ネット対グロス比は少なくとも10%、10%〜30%の範囲だけ低下し、あるいはネット対グロス比の低下は10%〜20%または10%〜15%の範囲内である。トレッドの残りの有効寿命については、ネット対グロス比はタイヤトレッドの元のネット対グロス比より低いままであり、トレッドの溝の断面積は小さくならない。
タイヤトレッドの他の実施形態が図8および9に示されている。図8のトレッド50は、摩耗していないトレッドである。このトレッドは、タイヤ赤道面EPの所にリブ状部材を形成する互いに連結され円周方向に隣接するトレッド部材52の組み合わせを有している。中央リブ状トレッド部材の各側部には、交互に幅が変化するトレッドブロック54、56の列がある。このトレッドブロック列の軸線方向外側にトレッドブロック58のショルダ列がある。交互に幅の変化するトレッドブロック54、56およびショルダブロックトレッド58は、傾斜した横方向溝60によって分離されている。連続的で妨害されない円周方向溝が2つのブロック列を分離している。
交互に幅の変化するブロックの列において、より広い幅のブロックは溝空隙62を備えている。溝空隙62は、短い幅の円周方向溝64に揃えられている。中央リブ状部材において、赤道面EPの各側に溝空隙66が設けられている。トレッドが摩耗すると、溝空隙62、66の上方のゴムが摩耗するため、連続的で妨害されない円周方向溝68、70が形成される。この結果、中央リブとショルダブロック58との間に個々のブロックの2つの列72、74が形成される。より多くの連続的で妨害されない円周方向溝を有し、より低いネット対グロス比を有するトレッドが形成される。
トレッドの2つの明確な実施形態を示したが、定義された範囲内のより低いネット対グロス比のトレッドの態様が得られる他のトレッド部材構成が考えられる。
摩耗していないタイヤの斜視図である。 図1の部分1Aの拡大図である。 タイヤトレッドが摩耗した後のタイヤの斜視図である。 図2の部分2Aの拡大図である。 図1のトレッドの平面図である。 図2のトレッドの平面図である。 図3の線5−5に沿った断面図である。 図4の線6−6に沿った断面図である。 図1の摩耗していないトレッドの一設計ピッチの斜視図である。 他の実施形態を示す摩耗していないタイヤトレッドを示す図である。 トレッドが摩耗した後の図8のトレッドの平面図である。
符号の説明
10、10A タイヤ
12 トレッド
14 トレッド部材
16 横方向溝
18 トレッドショルダ
20 擬似リブ
22 サイプ
24 トレッド面
26、28、30 溝空隙
26E、28E、30E 円周方向端部
32、34、36 円周方向溝
40、42、44 トレッドブロック
50 トレッド
52 トレッド部材
54、56、58 トレッドブロック
60 横方向溝
62、66 溝空隙
64、68、70 円周方向溝
72、74 ブロックの列
D ノンスキッドトレッド深さ
半径方向深さ
溝空隙深さ
EP 赤道面

Claims (9)

  1. 赤道面およびトレッドを有する空気入りタイヤであって、前記トレッドが、溝を有し、かつ半径方向外側面および前記トレッドの前記半径方向外側面から前記溝の半径方向最も内側の面まで測定されるノンスキッドトレッド深さを有し、前記トレッドが摩耗していないとき、前記トレッドのネット対グロス比が60%〜80%の範囲である空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッドが摩耗した後、前記トレッドのネット対グロス比が60%未満の範囲になることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 摩耗したタイヤトレッドのネット対グロス比は60%未満〜45%の範囲である、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 摩耗していないタイヤトレッドのネット対グロス比は、60%〜70%の範囲である、請求項1に記載のタイヤ。
  4. 摩耗していないタイヤトレッドのネット対グロス比は、60%〜70%の範囲であり、摩耗したタイヤトレッドのネット対グロス比は、60%未満〜50%の範囲である、請求項1に記載のタイヤ。
  5. 赤道面およびトレッドを有する空気入りタイヤであって、前記トレッドが、溝を有し、かつ半径方向外側面および前記トレッドの前記半径方向外側面から前記溝の半径方向最も内側の面まで測定されるノンスキッドトレッド深さを有し、前記トレッドが摩耗していないとき、前記トレッドが初期ネット対グロス比を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッドが摩耗した後、前記トレッドのネット対グロス比は前記初期ネット対グロス比より少なくとも10%低くなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 摩耗したトレッドのネット対グロス比は、前記初期ネット対グロス比より少なくとも10%〜30%低い、請求項5に記載のタイヤ。
  7. 摩耗したトレッドのネット対グロス比は、前記初期ネット対グロス比より少なくとも10%〜15%低い、請求項5に記載のタイヤ。
  8. 摩耗していないタイヤトレッドの初期ネット対グロス比は、60%を超える範囲である、請求項5に記載のタイヤ。
  9. 摩耗していないタイヤトレッドの初期ネット対グロス比は、60%〜80%の範囲である、請求項7に記載のタイヤ。
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