JP2008154599A - 薄葉紙製品及び薄葉紙のエンボス加工方法 - Google Patents

薄葉紙製品及び薄葉紙のエンボス加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】嵩高で柔らわかくしかも審美性に優れる薄葉紙製品を提供する。
【解決手段】エンボス加工された薄葉紙が積層されてなる薄葉紙製品であって、各薄葉紙が第1のエンボスとこの第1エンボスよりもエンボス深さの浅い第2エンボスとを有し、前記第1エンボスと第2エンボスとの深さの比(第1エンボス:第2エンボス)が2:1〜7:6であり、かつ、隣接する薄葉紙同士が第1エンボスの天部同士又は天部と底部とで接着剤を介して接着されているとともに、第2エンボスは隣接する薄葉紙に接着されていない薄葉紙製品により解決される。
【選択図】図1

Description

本発明は、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、タオルペーパー、キッチンペーパー、化粧用紙などの薄葉紙製品及びこれに用いる薄葉紙のエンボス加工方法に関する。
この種の薄葉紙製品は、複数の薄葉紙を積層してなり、嵩高性の向上や、吸収性の向上、拭き取り性の向上、肌触り感の改善、見映えの向上などを目的として、エンボスを付与することが、汎用技術となっている。通常、かかるエンボスは、薄葉紙を、表面に雄雌に相当する凹凸が形成された金属ロール間に通して、あるいは、金属ロールとゴムなどからなる弾性ロールとの間に通して付与する。
薄葉紙製品のエンボス形態については、多くの提案がなされており、代表的に「Tip to Tip」形態(例えば、特許文献1の図2参照。)と「ネステッド」形態(例えば、特許文献1の図3参照。)がよく知られる。
また、対面する各薄葉紙に深さの相違するエンボスを設け、このうちの深さの深いエンボスの天部同士又は天部と底部とで対面する薄葉紙同士を接着し、深さの浅いエンボスについては対面する薄葉紙に接着させない構成をとるエンボス形態も普及してきている。(例えば、特許文献2)。
特開平2−164535 特開2003−116741
しかし、現在の技術では一枚の薄葉紙に深さの相違するエンボスを付与する場合、深さの浅いエンボスを鮮明・明瞭に付与することができないため、この種のエンボス形態を採る薄葉紙製品はエンボスパターンによる模様の自由度が低く、また、深さの深いエンボスパターンと、浅いエンボスパターンとの見栄え差が大きく、浅いエンボス部分がぼやけた感じとなり、エンボス模様全体の審美性を悪化させることがある。
かかる浅いエンボスを鮮明・明瞭に付与することができないとの問題は、衛生薄葉紙一般に存在するが、低坪量、紙厚の薄さなどを大きな要因とするため、かかる問題は、特に、坪量が12.0〜21.0g/m2と著しく低く、また、その厚さも、80〜160μmと著しく薄いトイレットパーパー等において大きな問題とされている。
そこで、本発明の主たる課題は、エンボスが鮮明・明瞭に付与された薄葉紙製品及びそれに用いる薄葉紙のエンボス加工方法を、提供することにある。
上記課題を解決した本発明及びその作用効果は次記載のとおりである。
エンボス加工された薄葉紙が2枚積層されてなる薄葉紙製品であって、
薄葉紙の坪量が12.0〜21.0g/m 2 、厚さが80〜160μmであり、
各薄葉紙が第1のエンボスとこの第1エンボスよりもエンボス深さの浅い第2エンボスとを有し、前記第1エンボスと第2エンボスとの深さの比(第1エンボスの深さ:第2エンボスの深さ)が2:1〜7:6であり、かつ、
第1エンボスの深さが1.0〜2.0mmであり、第2エンボスの深さが0.80〜1.3mmであり、
第1エンボスと第2エンボスとの深さの差が、0.2以上0.7mm以下であり、
隣接するエンボス間の離間距離が1.7〜3.3mmであり、
隣接する薄葉紙同士が第1エンボスの天部同士又は天部と底部とで接着され、第2エンボスは隣接する薄葉紙に接着されておらず、
平面視における接着剤塗布部の面積率が3〜15%であり、
第1及び第2エンボスの底面形状が実質的に同一であり、かつ、隣接するエンボス間の間隔が等間隔である、
ことを特徴とする薄葉紙製品。
<請求項2記載の発明>
一対のエンボスロール間に薄葉紙を通して、エンボスが付与された坪量が12.0〜21.0g/m 2 、厚さが80〜160μmのエンボス加工された薄葉紙を得るエンボス加工方法であって、
前記エンボスロールの少なくとも一方を;
第1エンボス付与凸部とこの第1エンボス付与凸部よりも高さの低い第2エンボス付与凸部とを有し、
それらエンボス付与凸部の高さの比(第1エンボス付与凸部の高さ:第2エンボス付与凸部の高さ)が2:1〜7:6であり、
かつ、第1エンボス付与凸部の高さが1.0〜2.0mmとし、第2エンボス付与凸部の高さを0.80〜1.3mmとし、さらに、
第1エンボス付与凸部と第2エンボス付与凸部の高さの差が0.2mm以上0.7mm以下であり、
隣接するエンボス付与凸部間の離間距離が1.7〜3.3mmである、
凸エンボスロールとし、
エンボスロール間のエンボス圧を5〜30kgf/cmとし、かつ、平面視における接着剤塗布部の面積率を3〜15%とする、
第1及び第2エンボス付与凸部の天面形状が実質的に同一であり、かつ、隣接するエンボス付与凸部間の間隔が等間隔である
ことを特徴とする薄葉紙のエンボス加工方法。
以上のとおり本発明によれば、エンボスが鮮明・明瞭に付与された薄葉紙製品が得られる。
次いで、本実施の形態の一例について、図面を参照しながら以下に詳述する。なお、図1及び図2は、本形態の薄葉紙製品X1の一部断面図拡大であり、図3はエンボスロールの概略図であり、図4及び図5はエンボス付与凸部を有するロールの表面拡大図である。
<薄葉紙製品>
本形態の薄葉紙製品X1は、図1及び図2の例からも明らかなとおり、エンボス加工された薄葉紙1,1が積層されてなり、各薄葉紙1,1には第1のエンボスe1,e1…とこの第1エンボスe1,e1…よりもエンボス深さの浅い第2エンボスe2,e2…とが施されている。
また、この本形態の薄葉紙製品X1は、隣接する薄葉紙1,1の第1エンボスe1,e1…の天部t1,t1…同士、第2エンボスe2,e2…の天部t2、t2…同士が対面する所謂「Tip to Tip」形態を採っており、さらに両薄葉紙1,1が、第1エンボスe1,e1…の天部t1,t1…同士で接着され、第2エンボスe2,e2…は隣接する薄葉紙に接着されていない形態を採る。なお、本発明はこれに限らず、隣接する薄葉紙同士が第1エンボスの天部と底部とで接着され、第2エンボスは隣接する薄葉紙に接着されていない「ネステッド」形態を採ることもできる。ここで、本明細書において天部とは対面する薄葉紙からみて接近するように突出する凸部の頂面、底部とは対面する薄葉紙からみて離間するように凹む凹部の底面である。
第1エンボスe1,e1…及び第2エンボスe2,e2…は、ともに実質的に平坦な天部t1…,t2…を有し、図示はしないがその天部はともに平面視において正方形の形状をしている。天部の形状は、正方形の他、例えば、菱形、円形、楕円形、多角形などであってもよい。エンボス一個の大きさや各エンボスの配列は適宜設計すればよい。例えば、本形態例では、図示しないが、各エンボスの正方形天部が各辺を平行にして規則正しく交互に並列されたエンボス配列としている。
さらに、この薄葉紙製品X1は、隣接する天部間の凹部の形状は、断面が曲線部を持たない形状となっており、全体としていわゆる台形型のエンボスとなっている。エンボスの断面形状は、台形型のほか、適宜の形状とすることができるが、本発明の効果(鮮明・明瞭なエンボスの付与)は、台形型が、いかんなく発揮される。また、台形型は、見映えの点でも好ましいものとなる。
他方、この本形態の薄葉紙製品X1は、前記第1エンボスe1と第2エンボスとe2の深さの比(第1エンボスの深さD1:第2エンボスの深さD2)は、2:1〜7:6にある。かかる深さ比とされていることにより、第2エンボスが第1エンボスとの見栄え差がほとんどないものとなっている。
さらに、第1エンボスe1の深さD1は1.0〜2.0mmであり、第2エンボスe2の深さD2は0.8〜1.3mmであり、第1エンボスe1の深さD1と第2エンボスe2の深さD2の差D3は0.2mm以上0.7mm以下であり、隣接するエンボス間の離間距離L1が1.7mm〜3.3mmである。
以上の本形態を採ると、第1エンボスe1の天部のみ接着され、第2エンボスe2は隣接する薄葉紙に接着されていない形態であることから、糊量が少なく柔らかさが確保されており、さらに、隣接する第1エンボスe1,e1間に配された浅い第2エンボスe2により非接着部分の潰れが好適に防止され、嵩高感のあるものとなる。
そして、特に上記示した具体的数値範囲であることで、第1エンボスe1,e1…及び第2エンボスe2,e2…が極めて明瞭・鮮明となるとともに、第2エンボスe2,e2…が第1エンボスe1,e1…と見栄え差がなく審美性に極めて優れるものとなる。特に、トイレットペーパーとする薄葉紙の坪量、紙厚の場合に、効果的が顕著である。
ここで、図及び上記説明から明らかなとおり、図1に示す例は、第2エンボスと第1エンボスの天部形状が同一で、第2エンボスが第1エンボスの2倍数付与されている例である。そして、図2に示す例は、第1エンボスと第2エンボスの天部形状が同一であって、それらの付与数も同一とされている例である。このように図1に示す例と図2に示す例は、第1エンボスと第2エンボスとの配設数が相違しているが、エンボス形状及び離間距離等の配列に相違がないため、本願発明の効果、すなわち第1エンボスと第2エンボスの見栄え差がほとんどない効果により、平面視においてはほとんど相違ないエンボス模様として視認できる。なお、第1エンボスと第2エンボスの具体的数や、それらの比は、図示例に限定されず、エンボス模様、エンボス配列を考慮して適宜定めることができる。
<薄葉紙製品の製造方法>
上記の薄葉紙製品X1を製造するにあたっては、まず原料パルプを抄紙するなどして原料素材から薄葉紙1’を得た後、この薄葉紙1’にエンボス加工を施し、さらに適宜の積層処理を行って製造することができる。
薄葉紙の原料素材は、特に限定されず、キッチンペーパー、トイレットペーパー、ティシュペーパー等の用途に応じて、適宜のものを使用することができる。原料素材として、パルプ繊維を使用する場合、このパルプ繊維(原料パルプ)としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、合成パルプ、古紙パルプ、などから、より具体的には、砕木パルプ(GP)、ストーングランドパルプ(SGP)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、加圧式砕木パルプ(PGW)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、ブリーチケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプ(MP)、化学的機械パルプ(CGP)、半化学的パルプ(SCP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ(KP)、ソーダパルプ(AP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)等の化学的パルプ(CP)、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)等を原料とする合成パルプ、脱墨パルプ(DIP)、ウエストパルプ(WP)等の古紙パルプ、かすパルプ(TP)、木綿、アマ、麻、黄麻、マニラ麻、ラミー等を原料とするぼろパルプ、わらパルプ、エスパルトパルプ、バガスパルプ、竹パルプ、ケナフパルプ等の茎稈パルプ、靭皮パルプ等の補助パルプなどから、一種又は数種を適宜選択して使用することができる。 ただし、薄葉紙は、パルプ繊維、再生繊維及びレーヨンの群から選ばれた1種又は2種以上の原料素材からなるのが好ましい。これらを原料素材とすると、エンボスを鮮明・明瞭に付与するという本発明の効果が、効果的に発揮される。
パルプ繊維等の原料素材は、例えば、公知の抄紙工程、具体的には、ワイヤパート、プレスパート、ドライヤパート、サイズプレス、カレンダパート等を経るなどして、薄葉紙とする。この抄紙に際しては、例えば、分散剤、苛性ソーダ、アンモニア水等のpH調整剤、消泡剤、防腐剤、蛍光染料、離型剤、耐水化剤、流動変性剤、歩留まり向上剤などの適宜の薬品を添加することができる。
薄葉紙1の坪量、紙厚については、所望の薄葉紙製品種によって抄紙条件、目付け条件を適宜調整すればよい。すなわち、トイレットペーパー、ティシュペーパー、キッチンペーパーに適した適宜の坪量、紙厚に調整する。なお、トイレットペーパーであれば、坪量が12.0〜21.0g/m2、厚さ80〜160μm程度にする。
原料素材を抄紙・加工して得た薄葉紙は、図3に示すとおり、一対のエンボスロール10,20間に通して、エンボスe1,e2を付与する。一対のエンボスロール10,20は、両方とも金属ロールとすることもできるが、一方をゴムなどからなる弾性ロールとし、他方をエンボス付与凸部を有する金属ロールとするのが好まし。弾性ロール及び金属ロールの組み合わせが好ましいのは、ロールのクリアランス調整の問題や、ロールに紙粉等が詰まるなどの不具合が生じないためである。
ここで、エンボスロール少なくとも一方10は、図4或いは図5に例示されるように、第1エンボス付与凸部E1とこの第1エンボス付与凸部E1よりも高さの低い第2エンボス付与凸部E2とを有するものとし、さらに、それらエンボス付与凸部E1,E2の高さの比(第1エンボス付与凸部の高さH1:第2エンボス付与凸部の高さH2)を2:1〜7:6とする。好ましい形態として、本形態は金属ロール10がこの構成とする。
この構成のエンボス付与凸部E1…,E2…を有するエンボスロール10を用いることで、薄葉紙1’にかかる深さ比で第1エンボスe1,e1…と第2エンボスe2,e2…とが形成される。そして、この比率でエンボス付与されると、第1エンボスe1,e1…とこれより浅い第2エンボスe2,e2…との見栄え差がほとんど感じられない程度になるとともに、浅い第2エンボスe2,e2…が不鮮明とならない。
従来技術では、深さの相違するエンボス付与する場合に、深さの浅いエンボスが不明瞭・不鮮明となるとともに深いエンボスとの見栄え差も大きく、審美性低下の要因となっていが、このロール10を用いれば、上記のとおり第2エンボスe2,e2…が第1エンボスe1,e1…と遜色のないコントラストにでき、両エンボスのe1,e2見栄え差は極めて小さいものとなり審美性の向上が図られるとともにエンボス模様の自由度も高まる。
ここで、第1エンボス付与凸部E1及び第2エンボス凸部E2は、ともに実質的に平坦な頂面とするのが望ましく、本形態では、図示はしないがその頂面はともに平面視において0.5〜1.5mm四方の正方形の形状をしている(図4,5では頂面一辺の長さを符号L2で示す)。頂面Tの形状は、その他、例えば、菱形。円形、楕円形、多角形などとすることができる。また、エンボス付与凸の頂面T,T…間の凹部の形状は、断面が曲線部を持たない形状となっており、全体としていわゆる台形型の凸部となっている。
他方、各エンボス付与凸部E1、E2の具体的な高さH1,H2は、製品種、エンボスにより形成する模様、薄葉紙の紙質、原料素材の繊維長に応じて、適宜、調整されるが、概ね、第1エンボス付与凸部E1の高さH1を1.0〜2.0mmの範囲とし、第2エンボス付与凸部E2の高さH2を0.8〜1.3mmの範囲とするのがよい。ロール圧にもよるが、この範囲であれば十分に薄葉紙に鮮明・明瞭なエンボスを付与することが可能である。特に、この条件は、薄葉紙の中でも低坪量、薄い紙厚のトイレットペーパー又はティシュペーパー用の薄葉紙に対して、極めて効果的である。
他方、第1エンボス付与凸部E1の高さH1と第2エンボス付与凸部E2の高さH2の差H3も各エンボス付与凸部E1,E2の高さH1,H2と同様に、製品種、エンボスにより形成する模様、薄葉紙の紙質、原料素材の繊維長に応じて、適宜、調整されるが、概ね、第1エンボス付与凸部E1と第2エンボス付与凸部E2の高さの差H3は、0.2mm以上0.7mm以下とする。0.2mm未満であると、第1エンボスe1と第2エンボスe2の深さ差が小さくなり、第1エンボスe1の天部t1のみに接着剤塗布を行うのが困難となる。また、0.7mmを超えると、薄葉紙1の破断するおそれが格段に高まる。この条件も、薄葉紙の中でも低坪量、薄い紙厚のトイレットペーパー又はティシュペーパー用の薄葉紙に対して、極めて効果的である。
他方、隣接するエンボス付与凸部間の離間距離L3は、隣接するエンボス付与凸部の高さが相違するものであるが同じものであるかにかかわらず、1.7mm以上離間させるのがよい。1.7mm未満であると、エンボスの鮮明さが発現しない場合がある。この条件も、薄葉紙の中でも低坪量、薄い紙厚のトイレットペーパー又はティシュペーパー用の薄葉紙に対して、極めて効果的である。また、1.7mm以上でも3.3mm以下がよく、3.3mmを越えると、エンボス間の形成される空間が維持できなくなり、空間が潰れ易く嵩が出にくい。
他方、多数の第1及び第2のエンボス付与凸部E1…,E2…によって形成されるエンボスパターンについては、適宜の設計事項であるが、例えば、第1及び第2エンボス付与凸部E1,E2の天面形状を実質的に同一とし、さらに隣接するエンボス付与凸部間の間隔L2が等間隔のエンボス模様とすると、これまで得られなかった、深さの相違するエンボスが存在するにもかかわらず、見た目上それらの相違がないエンボスを有する薄葉紙が得られる。
エンボスの付与は、一対のエンボスロール10,20間のエンボス圧が、5〜30kg/cm、好ましくは10〜25kg/cm、より好ましくは15〜20kg/cmとなるように行う。エンボス圧が低すぎると、エンボスが鮮明になるとの効果が、十分に発揮されないおそれがある。他方、エンボス圧が高すぎると、被加工原紙がちぎれてしまうおそれがある。
一対のエンボスロールを、弾性ロールと金属ロールとの組み合せとする場合、弾性ロールは、その表面のショア硬度(Shore hardness)が、40〜70であるのが好ましい。ショア硬度が低すぎると、つまり弾性ロール表面がやわらかすぎると、薄葉紙が破断するおそれがある。他方、ショア硬度が高すぎると、つまり弾性ロール表面が硬すぎると、エンボスが入らなくなるおそれがある。
以上のようにしてエンボスe1…,e2…が付与された薄葉紙は、既知の方法に従って積層され、適宜巻き取り、裁断して、例えば、キッチンペーパー、トイレットペーパー、ティシュペーパー等の薄葉紙製品X1とする。
薄葉紙1,1同士の接着は、一方又は両方の薄葉紙1における全ての又は一部の第1エンボスe1の天部t1に接着剤を塗布したのち、この接着剤塗布面が対となる薄葉紙と対面するようにして積層して接着する。積層、接着剤塗布は既知の技術を用いることができる。
ここで、好適な接着剤塗布部の面積、すなわち本形態における接着剤の塗布される天部の面積の合計は、シート面積(片面)の3〜15%の範囲とするのがよい。この範囲であれば、接着剤による硬質化の影響が小さくエンボス加工による柔らかさが十分に確保できる。
かくして、製造された薄葉紙製品X1は、第1エンボスe1の天部t1のみ接着され、第2エンボスe2は隣接する薄葉紙に接着されていない形態であり、糊量が少なく柔らかさが確保されており、さらに、隣接する第1エンボスe1,e1間に配された浅い第2エンボスe2により非接着部分の潰れが防止され、嵩高感のあるものである。そして、浅い第2エンボスe2が明瞭・鮮明であるとともに、第1エンボスe1との見栄え差がなく審美性に優れる。
本発明は、エンボス加工を施したシート状物を二枚重ねて用いる製品の製造に利用可能である。
本発明にかかる薄葉紙製品の一実施形態を例示する断面図である。 本発明にかかる他の薄葉紙製品の実施形態を例示する断面図である。 一対のエンボスロールの概略図である。 本発明にかかる凸エンボスロールの表面の拡大図である。 本発明にかかる他の凸エンボスロールの表面の拡大図である。
符号の説明
1…薄葉紙、2…接着剤、e1…第1エンボス、e2…第2エンボス、10…金属性凸エンボスロール、20…弾性ロール、E1…第1エンボス付与凸部、E2…第2エンボス付与凸部、D1…第1エンボスの深さ、D2…第2エンボスの深さ、D3…第1エンボスの深さと第2エンボスの深さとの差、L1…エンボス離間距離、H1…第1エンボス付与凸部の高さ、H2…第2エンボス付与凸部の高さ、H3…第1エンボス付与凸部の高さとH2…第2エンボス付与凸部の高さの差、L2…頂面の一辺の長さ、L3…エンボス付与凸部間離間距離、t1…第1エンボスの天部、t2…第2エンボスの天部、T…エンボス付与凸部の頂面、X1…薄葉紙製品。

Claims (13)

  1. エンボス加工された薄葉紙が積層されてなる薄葉紙製品であって、
    各薄葉紙が第1のエンボスとこの第1エンボスよりもエンボス深さの浅い第2エンボスとを有し、前記第1エンボスと第2エンボスとの深さの比(第1エンボスの深さ:第2エンボスの深さ)が2:1〜7:6であり、かつ、
    隣接する薄葉紙同士が第1エンボスの天部同士又は天部と底部とで接着され、第2エンボスは隣接する薄葉紙に接着されていない、ことを特徴とする薄葉紙製品。
  2. 第1エンボスの深さが1.0〜2.0mmであり、第2エンボスの深さが0.80〜1.3mmである請求項1記載の薄葉紙製品。
  3. 第1エンボスと第2エンボスの深さの差が、0.2mm以上0.7mm以下である請求項1又は2記載の薄葉紙製品。
  4. 第1及び第2エンボスの底面形状が実質的に同一であり、かつ、隣接するエンボス間の間隔が等間隔である、請求項1〜3の何れか1項に記載の薄葉紙製品。
  5. 隣接するエンボス間の離間距離が、1.7〜3.3mmである請求項1〜4記載の薄葉紙製品。
  6. 平面視における接着剤塗布部の面積率が3〜15%である請求項1〜5記載の薄葉紙製品。
  7. 一対のエンボスロール間に薄葉紙を通して薄葉紙にエンボスを付与するエンボス加工方法であって、
    前記エンボスロールの少なくとも一方を、
    第1エンボス付与凸部とこの第1エンボス付与凸部よりも高さの低い第2エンボス付与凸部とを有し、かつ、それらエンボス付与凸部の高さの比(第1エンボス付与凸部の高さ:第2エンボス付与凸部の高さ)が2:1〜7:6である、凸エンボスロールとしたことを特徴とする薄葉紙のエンボス加工方法。
  8. 第1エンボス付与凸部の高さ1.0〜2.0mmであり、第2エンボス付与凸部の高さが0.80〜1.3mmである請求項7記載の薄葉紙のエンボス加工方法。
  9. 第1エンボス付与凸部と第2エンボス付与凸部の高さの差が、0.2mm以上0.7mm以下である請求項7又は8記載の薄葉紙のエンボス加工方法。
  10. 第1及び第2エンボス付与凸部の天面形状が実質的に同一であり、かつ、隣接するエンボス付与凸部間の間隔が等間隔である、請求項8〜9の何れか1項に記載の薄葉紙のエンボス加工方法。
  11. 隣接するエンボス付与凸部間の離間距離が、1.7〜3.3mmである請求項7〜10の何れか1項に記載の薄葉紙のエンボス加工方法。
  12. 平面視における接着剤塗布部の面積率が3〜15%である請求項7〜11の何れか1項に記載の薄葉紙のエンボス加工方法。
  13. エンボス圧が、5〜30kgf/cmとされている、請求項7〜12の何れか1項に記載の薄葉紙のエンボス加工方法。
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