JP2008154499A - 捕虫器 - Google Patents

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Abstract

【課題】捕虫器において、器具下方に誘虫光を配光して器具下方の虫を捕獲し、さらには、誘虫ランプ特有の青色光が目視されないようにして、捕虫器の設置が人に認知され難くする。
【解決手段】捕虫器1は、誘虫ランプ2と、誘虫ランプ2の少なくとも下方を覆うランプカバー4とを備える。ランプカバー4は光学フィルタ部材で構成される。この光学フィルタ部材は、紫外線のうち略360nm以上370nm以下の波長の光の最大透過率が略60%以上で、且つ、青色光の最大透過率が10%以下の特性を有する。このため、誘虫光である紫外線はランプカバー4を透過し、器具下方に配光される。従って、器具下方の虫を誘引して捕獲することができる。また、上記光学フィルタ部材により、青色光の光量を低減できるので、誘虫ランプ特有の青色光が人に目視されないようにできる。その結果、捕虫器1の設置を人に認知され難くすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、虫を誘引する光を照射し、誘引された虫を捕獲する捕虫器に関する。
従来より、捕虫器は、虫が誘引される光(以下、誘虫光という)を出射する誘虫ランプを備える。この誘虫ランプは、特に飛翔昆虫を誘引対象としている。図5は、虫のすう光特性を示す。虫は、略360〜370nmの波長の光すなわち紫外線に誘引される。すなわち、紫外線は誘虫光に含まれる。このため、誘虫ランプは、紫外線を含有した光を出射するように構成されている。図6は、一般的な誘虫ランプの出射光の周波数成分を示す。一般的な誘虫ランプの出射光は、紫外線と青色光とを主要成分として含んでいる。
そこで、誘虫ランプ特有の青色光により捕虫器の設置が人に知られることを防ぐため、誘虫ランプ及び照明ランプと、誘虫ランプ及び捕虫シートを収納するランプカバーとを備えた捕虫装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この捕虫装置は、誘引された虫を捕獲する捕虫シートをさらに備える。ランプカバーは、上面に開口部を有し、誘虫ランプ、照明ランプ及び捕虫シートの下方を覆っており、非透光性材料から成る。
上記の照明ランプは例えば白色蛍光ランプから成り、白色蛍光ランプから発せられる光は、各色光の成分を含む。ランプカバーの開口部からは、誘虫ランプの光と白色蛍光ランプの光の合成光が出射される。従って、誘虫ランプ特有の光色である青色が、白色蛍光ランプの可視光により緩和される。このため、人間の目は、ランプカバーから出射された光のうち、特に、照明ランプが発する可視光に反応する。一方、虫は、ランプカバーから出射された光のうち、特に、誘虫ランプから出射された青色光及び紫外線に反応し、ランプカバー内に誘引される。誘引された虫は、ランプカバー内に配置された捕虫シートに捕獲される。この捕虫装置を、例えば飲食店や食品小売店等の清潔さが求められる店舗の壁等に設置した場合、ランプカバーにより、2種類のランプ及び捕虫シートの隠匿や、捕殺した虫の落下防止を図ることができる。
しかしながら、上記の捕虫装置においては、非透光性材料から成るランプカバーにより、誘虫ランプ下方が覆われているので、誘虫光の照射範囲が制限され、装置下方に誘虫光を配光することができない。このため、装置下方の昆虫を捕獲できない。また、誘虫ランプ及び照明ランプの2種類のランプが設けられており、これらはずらして配置されるので、天井面等の照射面に、誘虫ランプの青色光のみが照射される領域が生じることがあり、その光色により捕虫器があることを知られる。
特開2006−149252号公報
本発明は、上記の従来の問題を解決するためになされたものであり、器具下方に誘虫光を配光して器具下方の虫を捕獲可能とし、さらには、誘虫ランプ特有の青色光が目視されないようにして、捕虫器の設置が人に認知され難くした捕虫器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、虫を誘引する紫外線を含有した光を照射する光源と、前記光源により誘引された虫を捕獲する捕虫手段と、前記光源の少なくとも下方を覆う筐体と、を備えた捕虫器において、前記筐体は、前記光源から照射された光が通る光学フィルタ部材により形成され、前記光学フィルタ部材は、略360nm以上370nm以下の波長の光の最大透過率が略60%以上で、且つ、略400nm以上450nm以下の波長の光の最大透過率が10%以下の特性を有するものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載の捕虫器において、前記筐体には、略400nm以上450nm以下の波長の光により励起されて略450nmより長波長の可視光又は赤外光を発光する蛍光体が塗布されているものである。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の捕虫器において、前記筐体には、前記光源を外部から視認可能とする確認用開口が設けられているものである。
請求項4の発明は、請求項3に記載の捕虫器において、前記確認用開口には、略300nm以上450nm以下の波長の光により励起されて可視光を発光する蛍光体が塗布された透光性部材が設けられているものである。
請求項1の発明によれば、光源の下方を覆う筐体は、誘虫光である略360nm以上370nm以下の波長の光を通す光学フィルタ部材で構成されるので、誘虫光を器具下方に配光することができる。このため、器具下方の虫を誘引して捕獲することができる。また、光学フィルタ部材により、波長が略400nm以上450nm以下である青色光の光量を低減できるので、誘虫ランプ特有の青色光が人に目視されないようにできる。従って、捕虫器の設置を人に認知され難くすることができる。
請求項2の発明によれば、蛍光体が可視光を発光する場合、蛍光体は青色光とは別の色の光を出射するので、捕虫器の照射光の色は、蛍光体の発光色と、光学フィルタ部材によりカットされなかった誘虫ランプ特有の青色光の光色との混色となり、その結果、捕虫器が在ることを人に認知し難くすることができる。また、蛍光体が赤外光を発光する場合、赤外光は目に見えないので好ましい。
請求項3の発明によれば、確認用開口から照射される誘虫ランプの光により、誘虫ランプの点灯/消灯状態が目視で確認できる。このため、誘虫ランプが不点灯状態にあって捕虫器の捕虫性能が落ちていることを早く認知することができる。従って、捕虫器の性能低下を認知したときに誘虫ランプを交換することにより、捕虫性能の維持を図ることができる。
請求項4の発明によれば、蛍光体は青色光により励起されて可視光を発光するものであるため、透光性部材から外部に照射される光を、蛍光体の材料を調整することにより、誘虫ランプ特有の青色光ではなく他の光色の可視光にすることができる。このため、捕虫器が在ることを人に認知され難くしつつ、捕虫性能の維持を図ることができる。
以下、本発明の各種実施形態に係る捕虫器について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)(b)は、本発明の第1の実施形態に係る捕虫器の構成を示す。この捕虫器1は、誘虫光を出射する誘虫ランプ2(光源)と、誘虫ランプ2により誘引された虫を捕獲する捕虫シート3(捕虫手段)と、誘虫ランプ2及び捕虫シート3を収納するランプカバー4と、誘虫ランプ2を点灯制御する安定器5と、を備える。誘虫ランプ2の出射光の主要成分は、虫を誘引する効果を有する紫外線と青色光である。捕虫シート3は、粘着性の有る粘着面を有する。ランプカバー4は、横長で、且つ、上面に上部開口4aを有する筐体により構成される。この捕虫器1は、前方、上方及び下方(同図(b)において図中左方向、上方向、下方向)に誘虫光を照射するものであり、背面側が壁面等に固定される。以下、捕虫器1の各部品の構成を詳述する。
誘虫ランプ2は、例えば蛍光灯形であり、ランプカバー4の長手方向と平行で、且つ、ランプカバー4内に例えば1灯設置されている。誘虫ランプ2は、不図示のソケットと接続されており、そのソケットは安定器5と電気的に接続されている。安定器5は、誘虫ランプ2のランプ電流及び誘虫ランプ2に対する印加電圧の制御を行ない、商用電源から供給された電力に基づいて誘虫ランプ2を点灯制御する。
ランプカバー4は、前面部41から底部42にかけて、外側に凸となるような断面視円弧状に湾曲形成されている。底部42の後端部には、背面部43が垂設されている。このランプカバー4は、誘虫ランプ2の側方(図1(b)において図中左右方向)と下方とを覆っている。背面部43の内側には捕虫シート3が固定され、背面部43の外側には安定器5が配置されている。
また、ランプカバー4を構成する筐体は、誘虫ランプ2の出射光を通す光学フィルタ部材により形成されている。この光学フィルタ部材は、紫外線のうち略360nm以上370nm以下の波長の光の最大透過率が略60%以上である特性を有する。さらに、光学フィルタ部材は、略400nm以上450nm以下の波長の光すなわち青色光の最大透過率が10%以下である特性を有する。このため、このランプカバー4により、誘虫ランプ2の出射光の主要成分である紫外線及び青色光のうち、紫外線を殆んど減衰させずに透過し、青色光を減衰させてその光量を低減することができる。この光学フィルタ部材は、330nm、340nm又は360nmの波長の紫外線に対する透過率が最大である紫外線透過ガラス(以下、それぞれの紫外線透過ガラスをガラスU330、U340、U360という)や、ガラスU330、U340又はU360を粉末状にし、それらをバインダに混ぜることにより作製された塗料が塗布された樹脂性部材により構成される。上記のバインダの材料は、例えばシリコン等の紫外線透過樹脂であり、樹脂製部材の材料は、例えばアクリルである。
上記構成において、誘虫ランプ2からその側方及び下方に放射された光のうち、青色光は、ランプカバー4によりその光量が低減される。このため、誘虫ランプ特有の青色光が目視されないようにできる。従って、捕虫器1の設置を人に認知され難くすることができる。一方、波長が略360〜370nmの紫外線は、ランプカバー4を透過し、捕虫器1の前方及び下方に配光される。上記図5に示されるように、虫は、該波長の紫外線に反応して誘引される。従って、捕虫器1の下方にいる虫は方向性の在る運動をし、捕虫器1に向けて飛翔する。さらに、その虫は、ランプカバー4の上部開口4aからランプカバー4内に侵入する。侵入した虫のうち、捕虫シート3と接触した虫は、その粘着面により捕獲される。このように、捕虫器1の設置を人に認知され難くしつつ、捕虫器1下方の虫を捕獲することができる。
また、従来技術のように2種類のランプを1灯ずつ備える場合、コストが増加すると共に、それぞれのランプの寿命が異なるため交換頻度が増えるので、捕虫器の管理に係る手間が増えるが、捕虫器1はランプの数が1種類で且つ1灯であるので、コストの低減を図ると共に、交換頻度を減らすことができる。このため、捕虫器1の管理に係る手間を減らすことができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る捕虫器1の構成を示す。図面において、同一の部材には同一の符号を付す。本実施形態の捕虫器1は、第1の実施形態と比べ、ランプカバー4の一部に蛍光体6が塗布されている点で異なる。蛍光体6は、ランプカバー4の前面部41から底部42にかけて、誘虫ランプ2側に塗布されている。
蛍光体6は、誘虫ランプ2の出射光のうち、略400nm以上450nm以下の波長の光すなわち青色光により励起され、略450nmより長波長の可視光又は赤外光を発光する。すなわち、蛍光体6が可視光を発光する場合、その光色は青色以外の色である。蛍光体6は、例えば、特許第3763719号公報に記載の蛍光体で構成される。蛍光体6により発せられた可視光又は赤外光は、ランプカバー4を透過し、捕虫器1の前方及び下方に出射される。
蛍光体6が可視光を発光する場合、蛍光体6は青色光とは別の色の可視光を出射するので、捕虫器1の照射光の色は、蛍光体6の発光色と、ランプカバー4によりカットされなかった誘虫ランプ特有の青色光の光色との混色となる。従って、ランプカバー4に蛍光体6を塗布することにより、青色光をより目視し難くすることができる。また、蛍光体6の材料を調整してその発光色を色調整することにより、捕虫器1の照射光の光色を白色にできる。従って、捕虫器1を一般の照明器具に擬装できる。また、1灯のランプにより、1台の捕虫器1から、可視光と誘虫効果の高いUV−A波(長波長紫外線)等の紫外線とを照射できるので、従来技術のように2灯以上のランプを組み合わせる場合と比べ、照射面の色むらをなくすことができる。さらに、ランプ数が減るので、ランプを制御する安定器5の回路構成を簡単にでき、さらに回路素子数を減らすことができる。このため、安定器5のコストを抑制できる。従って、捕虫器1のコストを低減できる。一方、蛍光体6が赤外光を発光する場合、赤外光は目に見えないので好ましい。また、捕虫器1を額や時計等の全く異なる什器に自然な形で偽装できる。なお、本実施形態においても、第1の実施形態と同じ効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図3(a)(b)は、本発明の第3の実施形態に係る捕虫器1の構成を示す。この捕虫器1は、上記第2の実施形態に係る捕虫器1のランプカバー4に、誘虫ランプ2を確認するための確認用開口7が形成されたものである。確認用開口7は、ランプカバー4及び蛍光体6を貫通しており、誘虫ランプ2を外部から視認可能とするものである。確認用開口7の形状は、例えば円状である。この確認用開口7は、ランプカバー4の底部42付近に形成されている。
従って、本実施形態においては、第2の実施形態による効果を奏することができると共に、確認用開口7から照射される誘虫ランプ2の光(破線矢印で示す)により、誘虫ランプ2の点灯/消灯状態が目視で確認できる。このため、誘虫ランプ2が不点灯状態にあって捕虫器1の捕虫性能が落ちていることを早く認知することができる。従って、捕虫器1の性能低下を認知したときに誘虫ランプ2を交換することにより、捕虫性能の維持を図ることができる。
(第4の実施形態)
図4(a)(b)は、本発明の第4の実施形態に係る捕虫器1の構成を示す。この捕虫器1は、上記第3の実施形態に係る捕虫器1と比べ、確認用開口7の形状及び位置が異なり、さらに、その確認用開口7に透光性部材8が設けられたものである。確認用開口7は、正面視で縦長の矩形状であり、前面部41の上端から中央付近にかけて形成されている。
透光性部材8は、板状であり、例えば透明ガラスや透明樹脂等の透明部材により構成される。この透光性部材8の誘虫ランプ2側には、略300nm以上450nm以下の波長の光により励起され、青色以外の色の可視光を発光する蛍光体9が塗布されている。従って、蛍光体9は、例えば誘虫ランプ特有の光で、波長が略400〜450nmである青色光(破線矢印で示す)により励起され、可視光を発光する。蛍光体9発光の可視光(実線矢印で示す)は、透光性部材8を通して、捕虫器1外部に出射される。蛍光体9の発光量は、誘虫ランプ2の発光量に応じて増減する。
従って、本実施形態においては、第2の実施形態による効果を奏することができると共に、透光性部材8から照射される可視光により、誘虫ランプ2の点灯/消灯状態が目視で確認できる。このため、第3の実施形態と同様に、捕虫性能の維持を図ることができる。また、蛍光体9の材料を調整することにより、蛍光体9の発光色を調整することができ、その色を例えば青色以外の色にできる。このため、確認用開口7すなわち透光性部材8から外部に照射される光を、誘虫ランプ特有の青色光ではなく他の光色の可視光にすることができる。その結果、捕虫器1が設置を人に認知され難くしつつ、捕虫性能の維持を図ることができる。
本発明は、上記第1乃至第4の実施形態の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、捕虫シート3の位置は上記に限定されず、捕虫シート3は、ランプカバー4の前面部41又は底部42の内側に配置されていてもよい。また、蛍光体6、9は、ランプカバー4又は透光性部材8の誘虫ランプ2側ではなく、その反対側に塗布されていても構わない。また、蛍光体6、9は、同一色の光を発光してもよい。また、蛍光体6、9は、同一材料から成るものであっても構わない。また、確認用開口7の形状は、円状に限定されず、楕円状、矩形状又は多角形状等であってもよい。また、確認用開口7の形成位置は、ランプカバー4の前面部41又は底部42のどちらであっても構わない。
(a)は本発明の第1の実施形態に係る捕虫器の斜視図、(b)はその断面図。 本発明の第2の実施形態に係る捕虫器の断面図。 (a)は本発明の第3の実施形態に係る捕虫器の斜視図、(b)はその断面図。 (a)は本発明の第4の実施形態に係る捕虫器の断面図、(b)はその断面図。 虫のすう光特性図。 誘虫ランプの出射光の周波数成分を示す図。
符号の説明
1 捕虫器
2 誘虫ランプ(光源)
3 捕虫シート(捕虫手段)
4 ランプカバー(筐体)
6、9 蛍光体
7 確認用開口
8 透光性部材

Claims (4)

  1. 虫を誘引する紫外線を含有した光を照射する光源と、前記光源により誘引された虫を捕獲する捕虫手段と、前記光源の少なくとも下方を覆う筐体と、を備えた捕虫器において、
    前記筐体は、前記光源から照射された光が通る光学フィルタ部材により形成され、
    前記光学フィルタ部材は、略360nm以上370nm以下の波長の光の最大透過率が略60%以上で、且つ、略400nm以上450nm以下の波長の光の最大透過率が10%以下の特性を有することを特徴とする捕虫器。
  2. 前記筐体には、略400nm以上450nm以下の波長の光により励起されて略450nmより長波長の可視光又は赤外光を発光する蛍光体が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の捕虫器。
  3. 前記筐体には、前記光源を外部から視認可能とする確認用開口が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の捕虫器。
  4. 前記確認用開口には、略300nm以上450nm以下の波長の光により励起されて可視光を発光する蛍光体が塗布された透光性部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の捕虫器。
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