JP2008154033A - システム間接続方式およびその無線制御チャネル同期信号共有方法 - Google Patents

システム間接続方式およびその無線制御チャネル同期信号共有方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 システム間を専用ケーブルで接続すること無く、システム同士で無線制御チャネル同期信号を共有することにより、基地局間での制御チャネルの衝突(干渉)を防止(回避)すること。
【解決手段】 第1のシステムと第2のシステムとはファントム給電可能なLANケーブルを介して互いに接続されている。第1の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップと第1の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップとに接続された同期信号発生器は、無線制御チャネル同期信号を発生する。第2の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップと第2の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップとに接続されて同期信号受信器は、無線制御チャネル同期信号を受信する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、二台の電話システム(PHSシステム)をLANケーブルで接続してなるシステム間接続方式に関し、特に、二台の電話システム間で無線制御チャネル同期信号を共有する方法に関する。
LAN(local area network)に接続した機器にイーサネット(登録商標)・ケーブルを使って電力を供給する方式を定めた標準規格として、IEEE(米国電気電子技術者協会)802.3afにおいて標準化が進められたPower over Ethernet(PoE)が知られている。すなわち、PoEは、イーサネット(登録商標)・ケーブルを使ってデータと同時に電力を伝送する標準規格である。
PoEの電力伝送方式は、いわゆるファントム給電である。すなわち、PoEの電力伝送方式は、データ信号を伝送する平衡伝送線を使って電力を同時に伝送する。電力の伝送には2組の平衡伝送線を使う。まず、電力の供給側である給電機器(PSE)が、内蔵したトランスのセンター・タップに電流を注入する。この電流は送受信用に用意した2組の平衡伝送線のうち、送信側だけを使って伝送する。各平衡伝送線はより対線から成る。注入された電流は2つに分かれて、より対線のTX+とTX−を進む。平衡伝送線の遠端には、給電機器から伝送される電力を受け取る受電機器(PD)を接続しておく。2つに分かれた電流は受電機器が内蔵したトランスに流れ込んで再結合し、受電機器の電源となる。受電機器が受け取った電流の帰還経路(リターン・バス)には、受信側の平衡伝送線を使う。
このように、ファントム給電では、信号伝送路上に電力を上乗せ(重畳)して送っている。電力が上乗せ(重畳)される2線間では電位差が発生することなく、出力側において電力を取り出すことができる。
このようなファントム給電に関する先行技術文献は種々知られている。例えば、特許文献1は、ISDN基本インタフェースのバスに電力を供給し、バスに接続される複数のISDN端末を同一インタフェース条件で動作させることができるようにした「ISDN基本インタフェース電力補償装置」を開示している。この特許文献1に開示されたISDN基本インタフェース電力補償装置は、ISDN基本インタフェースのバスを直流的に絶縁し、回線終端装置からの信号を中継する下り用トランスおよび回線終端装置への信号を中継する上り用トランスとを有するトランス回路と、商用電源を所定の定電圧直流電源に変換し、前記トランス回路を介して前記バスの終点側にファントム給電する給電手段と、所定の電力を蓄積し、前記商用電源の停止時に前記給電手段に前記商用電源に代わる電力を供給する電力蓄積手段とを備えている。
また、特許文献2は、端末装置が停止状態の場合に、ファントム給電のみを利用して起動指示を受けることを可能にした「遠隔電源投入方式」を開示している。特許文献2に開示された技術は、ファントム給電可能な通信回線に接続されている装置に対する遠隔電源投入方式に関する。遠隔電源投入方式は、通信回線からの同期信号を検出回路を含み、かつ、ファントム給電のみにより動作可能な回路装置のみをファントム給電により常に動作可能な状態としている。前記同期信号を検出する回路が通信回線からの同期信号を検出したことにより電源投入指示と判断し、ファントム給電されていない他の処理を行う回路に対する電源の投入を行う。特許文献2では、網終端装置がフレーム同期信号を端末装置に送信することを開示している。
特許文献3は、4線の信号線を電源線としても使用するファントム給電(重畳給電)について記載している。
この技術分野で周知のように、ボタン電話装置は、少なくとも1つの局線に接続された主装置と、この主装置に通信線とデータ線を介して接続された複数のボタン電話機とを有する(例えば、特許文献4参照)。
又、従来から各種の電話システムが提案されている。例えば、特許文献5は、屋内のボタン電話装置に収容されたボタン電話機の機能を、屋外にいても使用可能にした「電話システム」を開示している。この特許文献5に開示された電話システムは、ボタン電話機を有するボタン電話装置と、表示器を有する携帯端末とを備えている。ボタン電話装置と携帯端末とをIP通信網で接続している。ボタン電話機のHTML形式の操作画面(キー配列)を携帯端末の表示器に表示する。表示された操作画面の操作によりボタン電話機の機能を携帯端末にて使用可能にしている。携帯端末は、PDA(personal digital assistant)、PHS(personal handyphone system)、或いは携帯電話であって良い。
特許文献6は、各親機の無線送出タイミングを自動調整できて信頼性高く適確に制御チャネル信号の衝突防止を計り得るようにした「自営用PHSシステム」を開示している。この特許文献6に開示された自営用PHSシステムは、子機との間で無線通信可能な複数の親機を主装置に接続して構成されている。主装置は各親機の全部に対して同じ同期信号に従って固有な無線パラメータ値(データ)を送出する。各親機は、パラメータ値に基づいて同期信号に対して遅延されたフレーム同期信号を発生する制御回路と、フレーム同期信号に応じて制御チャネル信号の無線送出タイミングを示すパルス信号を発生する無線信号送出回路とを備える。制御回路では主装置からの検出要求に従ってパルス信号の無線送出タイミングを測定した結果を示す無線送出タイミング検出信号を主装置へ送出する。主装置では検出信号に基づいて無線送出タイミングを測定した結果を各親機の全部について比較し、無線送出タイミングが全部異なるようにパラメータ値を変更する。
特許文献6において、主装置はシステムとして動作し、親機は基地局として動作し、子機はPHS端末であって良い。とにかく、特許文献6は、1つのシステムと、複数の基地局と、PHS端末とを有する、一台の電話システム(PHSシステム)を開示している。
特許文献7は、PHS親機が待機状態で無線スロットが、同一エリア内の他のPHS親機が無線発信するスロットと同一タイミングで衝突することにより、子機が親機を認識できなくなることを防止する「通信機」を開示している。この特許文献7に開示された通信機は、子機に対して一定時間ごとに制御スロットを無線発信しながら待機状態を形成する時分割多重方式の通信機である。この通信機は、起動時に上記制御スロットの発信予定周波数チャネルにてキャリア空きタイミングを検索する受信モニター手段と、このモニター手段にて検索されたキャリア空きタイミングにて上記制御スロットの発信を開始させるタイミング設定手段とを備える。
特許文献7において、PHS親機は基地局として動作し、子機はPHS端末であって良い。したがって、特許文献7は、複数の基地局とPHS端末とを有する1台の電話システム(PHSシステム)を開示している。換言すれば、特許文献7は、空間同期として、他の基地局とチャネルを受信し、当該基地局のクロックをずらすことで基地局間での制御スロットの衝突を防止するようにした技術的思想を開示している。
特許文献8は、各基地局をLAN経由で制御装置としてのサーバに接続した事業所用PHSシステムを開示している。この特許文献8では、各基地局の制御チャネル送出周期を互いに異なった値とすることで、長時間にわたって制御チャネルが干渉しないようにしている。
特許文献8において、制御装置(サーバ)はシステムとして動作する。従って、この特許文献7は、1つのシステムと、複数の基地局と、移動局とを有する、一台の電話システム(PHSシステム)を開示している。
上述したように、特許文献6〜8はいずれも、一台の電話システム(PHSシステム)における基地局間での制御チャネル(制御スロット)の衝突防止技術を開示している。
近年、ボタン電話装置のVoIP(Voice over Internet Protocol)化が進んでいる。ここで、VoIPとは、本来データ通信のプロトコルであるIP(internet protocol)上で音声データを転送する技術で、インターネット電話の実現を目指すものをいう。
電話システム(PHSシステム)において、上記VoIP技術を使用したシステム間接続を行いたい場合がある。すなわち、二台の電話システム(PHSシステム)間をLANケーブルを介して互いに接続して、システム間接続方式を構成したい場合がある。PHSシステムの基地局を異なったシステム間で運用する場合、PHSシステムの無線制御チャネルの同期を二台の電話システム(PHSシステム)間で取らないと、基地局間での制御チャネルの衝突が生じる。
詳述すると、例えば、2つのシステム(主装置)があるとして、一方を第1のシステム(主装置)と呼び、他方を第2のシステム(主装置)と呼ぶことにする。そして、第1のシステム(主装置)と第2のシステム(主装置)がそれぞれ独立して無線制御チャネル同期信号のタイミングを生成しているとする。尚、第1のシステム(主装置)と第2のシステム(主装置)とは、それらの間でデータ送受信を行うために、上記ファントム給電可能なLNAケーブルで接続されているとする。第1のシステム(主装置)には第1の基地局が接続され、第2のシステム(主装置)には第2の基地局が接続されているとする。そして、ある特定のPHS端末と第1及び第2の基地局との間の距離が近いとする。この場合、第1及び第2の基地局の制御チャネルの衝突により、無線チャネルを使用することができなくなり、その結果として通信性能に問題が生じてしまう。
このような問題を解決するために、従来のシステム間接続方式においては、第2のシステム(主装置)と第2のシステム(主装置)との間を、上記データ送受信用のLNAケーブルとは別の(異なる)専用ケーブルで接続する。第1のシステム(主装置)で生成した無線制御チャネル同期信号を専用ケーブルを介して第2のシステム(主装置)へ送信する。これにより、同じタイミングの無線制御チャネル同期信号を第1及び第2の基地局で使用することになり、第1及び第2の基地局間での制御チャネルの衝突の問題を解決している。しかしながら、この従来のシステム間接続方式では、無線制御チャネル同期信号を共有するために、第1のシステム(主装置)と第2のシステム(主装置)との間に専用ケーブルを新しく配線する必要がある。
尚、電話システム(システム間接続方式)ではないが、電力線を利用した多元接続装置及び方法も知られている(例えば、特許文献9参照)。特許文献9は、交流電力線(グランド付きも含む)を利用し符号多重分割アクセス型(CDMA)の電力線通信で1対多、多対1、多対多の同時接続を実現する通信装置および通信方法を提供している。特許文献9に開示された電力線通信装置は、外部より電力線を介し供給される電力信号を、トランスの一次側を介し、前記トランスの二次側のグランド付電力線に供給される電力信号に、電圧信号と電流信号を独立して、情報信号として重畳する通信を行う。電力線通信装置は、外部電力線モデル、分電盤、室内電力線モデルから構成されている。外部電力線モデルは、低周波数の電力信号の正弦波を遮断するコンデンサを通して、電力線に接続されている。トランスの二次側のグランド付電力線間に、基地局と少なくとも1つ以上の端末局とが接続されている。端末局と基地局がコンセントを介し電力線通信を行う。端末局は、室内電力線モデルに設置した電化製品等の制御および管理を行う。電力線に接続された端末局と基地局は、回線を介しインターネットと接続されている。基地局は、外部データバスと接続するメディア変換器とデータリンク制御器を有し、情報信号及び同期信号の送信、受信を制御する電力線通信制御器を有する。端末局は、情報信号及び同期信号の送信、受信を制御する電力線通信制御器を有する。
特許文献9において、各コンセントの端末局から基地局へのアップリンクは電流信号で行う。電圧信号によって同期信号が重畳し、各端末局はこの同期信号によって符号多重信号を作れるように制御する。
特開平5−37678号公報 特開平5−252221号公報 特開平5−252221号公報 特開平3−74996号公報 特開2003−259405号公報 特許第3284363号公報 特開平10−235737号公報 特開2000−333250号公報 特開2005−318494号公報
上述したように、従来のシステム間接続方式では、システム間を専用ケーブルで接続する必要がある。換言すれば、専用ケーブルを新しくシステム間に配線する必要がある。
尚、特許文献2は、網終端装置がフレーム同期信号を端末装置に送信することを開示しているのみで、どのようにしてフレーム同期信号を送信するかについては何も開示していない。また、特許文献2に記載されたフレーム同期信号は、電源投入指示のための信号であって、基地局間での制御チャネルの衝突を防止するためのものではない。
また、特許文献6〜8はいずれも、一台の電話システム(PHSシステム)における基地局(親機)間での制御チャネル(制御スロット)の衝突(干渉)を防止(回避)する技術的思想を開示するのみであって、二台の電話システムをLANケーブルで接続したシステム間接続方式における基地局間での制御チャネルの衝突防止(干渉回避)技術については何ら開示せず、示唆していない。
特許文献9は、トランスの二次側のグランド付電力線間に、基地局と少なくとも1つ以上の端末局とが接続された電力線通信装置を開示するのみで、二台の電話システム(PHSシステム)をLANケーブルを介して接続したシステム間接続方式とは異なる。また、特許文献9に用いられる同期信号は、符号多重信号を形成するためのものであって、基地局間での制御チャネルの衝突を防止するためのものではない。
したがって、本発明の課題は、システム間を専用ケーブルで接続すること無く、システム同士で無線制御チャネル同期信号を共有することにより、基地局間での制御チャネルの衝突(干渉)を防止(回避)することができる、システム間接続方式を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、第1の基地局が接続された第1のシステムと、第2の基地局が接続された第2のシステムとが、ファントム給電可能なLANケーブルを介して互いに接続されたシステム間接続方式において、前記第1のシステムは、前記第1の基地局の同期をとるための無線制御チャネル同期信号を前記LANケーブル上に重畳して送信する送信手段を有し、前記第2のシステムは、前記LNAケーブル上に重畳された前記無線制御チャネル同期信号を受信する受信手段を有し、前記第2のシステムは、前記受信した無線制御チャネル同期信号によって前記第2の基地局の同期をとり、これによって前記第1の基地局と前記第2の基地局とを同期させることを特徴とするシステム間接続方式
が得られる。
本発明の第1の態様によるシステム間接続方式において、前記第1のシステムは、前記第2のシステムへ第1のデータ信号を送信するための第1の送信用トランスと、前記第2のシステムからの第2のデータ信号を受信するための第1の受信用トランスとを有する第1のトランス回路を備え、前記第2のシステムは、前記第1のシステムからの前記第1のデータ信号を受信するための第2の受信用トランスと、前記第1のシステムへ前記第2のデータ信号を送信するための第2の送信用トランスとを有する第2のトランス回路を備えてよい。この場合、前記LANケーブルは、前記第1の送信用トランスの二次巻線と前記第2の受信用トランスの一次巻線との間に接続された第1の平衡伝送線と、前記第1の受信用トランスの一次巻線と前記第2の送信用トランスの二次巻線との間に接続された第2の平衡伝送線とから構成される。前記送信手段は、前記第1の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップと前記第1の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップとに接続されて、前記無線制御チャネル同期信号を発生する同期信号発生器から構成され、前記受信手段は、前記第2の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップと前記第2の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップとに接続されて、前記無線制御チャネル同期信号を受信する同期信号受信器から構成されて良い。上記システム間接続方式は、前記第1のシステムに接続された第1の端末と、前記第2のシステムに接続された第2の端末と、を更に有して良い。
本発明の第2の態様によれば、第1の基地局に接続された第1のシステムと、第2の基地局に接続された第2のシステムとが、ファントム給電可能なLANケーブルを介して互いに接続されたシステム間接続方式における無線制御チャネル同期信号の共有方法であって、前記第1のシステムから、前記第1の基地局の同期をとるための前記無線制御チャネル同期信号を前記LANケーブル上に重畳して送信するステップと、前記第2のシステムで、前記LNAケーブル上に重畳された前記無線制御チャネル同期信号を受信するステップと、を含み、これによって前記第1のシステムと前記第2のシステムとの間で前記無線制御チャネル同期信号を共有することを特徴とするシステム間接続方式の無線制御チャネル同期信号共有方法が得られる。
本発明の第2の態様によるシステム間接続方式の無線制御チャネル同期信号共有方法において、前記第2のシステムにおいて、前記受信した無線制御チャネル同期信号によって前記第2の基地局の同期をとるステップを更に含む。前記第1のシステムは、前記第2のシステムへ第1のデータ信号を送信するための第1の送信用トランスと、前記第2のシステムからの第2のデータ信号を受信するための第1の受信用トランスとを有する第1のトランス回路を備え、前記第2のシステムは、前記第1のシステムからの前記第1のデータ信号を受信するための第2の受信用トランスと、前記第1のシステムへ前記第2のデータ信号を送信するための第2の送信用トランスとを有する第2のトランス回路を備え、前記LANケーブルは、前記第1の送信用トランスの二次巻線と前記第2の受信用トランスの一次巻線との間に接続された第1の平衡伝送線と、前記第1の受信用トランスの一次巻線と前記第2の送信用トランスの二次巻線との間に接続された第2の平衡伝送線とから構成されて良い。この場合、前記送信するステップは、前記第1の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップと前記第1の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップとに接続された同期信号発生器から前記無線制御チャネル同期信号を発生するステップから成り、前記受信するステップは、前記第2の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップと前記第2の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップとに接続された同期信号受信器で前記無線制御チャネル同期信号を受信するステップから成る。
本発明では、元々システム間を接続していたファントム給電可能なLANケーブル上に無線制御チャネル同期信号を重畳して送信するので、LANケーブルで接続されたシステム同士で無線制御チャネル同期信号を共有することができる。これにより、第1のシステムに接続された第1の基地局と第2のシステムに接続された第2の基地局との間の制御チャネルの衝突を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係るシステム間接続方式について説明する。図示のシステム間接続方式は、第1の電話システム(PHSシステム)100と、第2の電話システム(PHSシステム)200とを有し、これら第1の電話システム100と第2の電話システム200との間はファントム給電可能なLANケーブル300を介して接続されている。
第1の電話システム100は、VoIP(Voice over Internet Protocol)技術を採用したボタン電話装置である。第1の電話システム100は、第1のシステム110と、この第1のシステム110に接続された第1の端末120と、第1のシステム110に接続された第1の基地局130と、この第1の基地局130との間で無線通信可能な第1のPHS端末140とを有する。
図1において、第1のシステム110は「システムA」として図示され、第1の端末120は「端末A」として図示され、第1の基地局130は「基地局A」として図示され、第1のPHS端末140は「PHS端末A」として図示されている。
第1のシステム110は第1の主装置とも呼ばれる。第1のシステム110は、第1の端末120と第1の基地局130とを制御する機能を持つ。第1の端末120はボタン電話機であって良い。図1では、1つの第1の端末120のみしか図示していないが、第1の端末120は複数あっても良い。第1の基地局130は、PHS親機であって良い。図1では、1つの第1の基地局130のみしか図示していないが、第1の基地局130は複数あっても良い。第1の基地局130は、第1のPHS端末140との間で無線通信可能である。換言すれば、第1のPHS端末140は、第1の基地局130を中継点として通話する機能を有する。図1では、1つの第1のPHS端末140のみしか図示していないが、第1のPHS端末140は複数あっても良い。
同様に、第2の電話システム200もVoIP(Voice over Internet Protocol)技術を採用したボタン電話装置である。第2の電話システム200は、第2のシステム210と、この第2のシステム210に接続された第2の端末220と、第2のシステム210に接続された第2の基地局230と、この第2の基地局230との間で無線通信可能な第2のPHS端末240とを有する。
図1において、第2のシステム210は「システムB」として図示され、第2の端末220は「端末B」として図示され、第2の基地局230は「基地局B」として図示され、第2のPHS端末240は「PHS端末B」として図示されている。
第2のシステム210は第2の主装置とも呼ばれる。第2のシステム210は、第2の端末220と第2の基地局230とを制御する機能を持つ。第2の端末220はボタン電話機であって良い。図1では、1つの第2の端末220のみしか図示していないが、第2の端末220は複数あっても良い。第2の基地局230は、PHS親機であって良い。図1では、1つの第2の基地局230のみしか図示していないが、第2の基地局230は複数あっても良い。第2の基地局230は、第2のPHS端末240との間で無線通信可能である。換言すれば、第2のPHS端末240は、第2の基地局230を中継点として通話する機能を有する。図1では、1つの第2のPHS端末240のみしか図示していないが、第2のPHS端末240は複数あっても良い。
第1のシステム(第1の主装置)110と第2のシステム(第2の主装置)210との間をLNAケーブル300で接続することで、第1のシステム(第1の主装置)110と第2のシステム(第2の主装置)210との間でデータ通信することが可能である。また、第1及び第2の端末120、220間と第1及び第2のPHS端末140、240間は、VoIP技術を使用することにより互いに通話が可能である。
図2を参照して、第1および第2のシステム110、210について更に詳細に説明する。
第1のシステム110は、第1のトランス回路150を有する。第1のトランス回路150は、第2のシステム210へ第1のデータ信号を送信するための第1の送信用トランス151と、第2のシステム210からの第2のデータ信号を受信するための第1の受信用トランス152とを有する。
第1の送信用トランス151の一次巻線151−1の両端T+、T−には、第1のデータを送信するための第1の送信回路(図示せず)が接続されている。第1の受信用トランス152の二次巻線152−2の両端R+、R−には、第2のデータ信号を受信するための第1の受信回路(図示せず)が接続されている。
同様に、第2のシステム210は、第2のトランス回路250を有する。第2のトランス回路250は、第1のシステム110からの第1のデータ信号を受信するための第2の受信用トランス251と、第1のシステム110へ第2のデータ信号を送信するための第2の送信用トランス252とを有する。
第2の受信用トランス251の二次巻線251−1の両端R+、R−には、第1のデータ信号を受信するための第2の受信回路(図示せず)が接続されている。第1の送信用トランス252の一次巻線252−1の両端T+、T−には、第2のデータ信号を送信するための第2の送信回路(図示せず)が接続されている。
LANケーブル300は、第1の平衡伝送線310と第2の平衡伝送線320とから構成されている。第1の平衡伝送線310は、第1の送信用トランス151の二次巻線151−2と第2の受信用トランス251の一次巻線251−1との間に接続されている。第2の平衡伝送線320は、第1の受信用トランス152の一次巻線152−1と第2の送信用トランス252の二次巻線252−2との間に接続されている。
このような構成によれば、第1のシステム110(システムA)の第1の送信回路から送出された第1のデータ信号は、第1の送信用トランス151、第1の平衡伝送線310、第2の受信用トランス251を介して、第2のシステム210(システムB)の第2の受信回路で受信される。また、第2のシステム210(システムB)の第2の送信回路から送出された第2のデータ信号は、第2の送信用トランス252、第2の平衡伝送線320、第1の受信用トランス152を介して、第1のシステム110(システムA)の第1の受信回路で受信される。
図示はしないが、第1のシステム110は給電機器を備え、第2のシステム210は受電機器を備えている。給電機器は、第1の送信用トランス151の二次巻線151−2のセンター・タップと、第1の受信用トランス152の一次巻線152−1のセンター・タップとに接続されている。受電機器は、第2の受信用トランス251の一次巻線251−1のセンター・タップと、第2の送信用トランス252の二次巻線252−2のセンター・タップとに接続されている。
このような構成によれば、給電機器から第1の送信用トランス151の二次巻線151−2のセンター・タップに注入された電流は、2つに分かれ、第1の平衡伝送線310を介して伝送され、第2の受信用トランス251の一次巻線251−1に流れ込んで再結合し、受電機器で受電される。この受電機器が受け取った電流の帰還経路には、第2の平衡伝送線320が使われる。
このようにして、LANケーブル300上に電力を上乗せ(重畳)して送ることができる。すなわち、ファントム給電を行うことができる。このようなファントム給電においては、電力が上乗せ(重畳)される第1の平衡伝送路310の2線間では、電位差が発生することなく、出力側である第2のシステム210において電力を取り出すことができる。
本実施の形態では、第1のシステム110(システムA)は同期信号発生器160を備え、第2のシステム210(システムB)は同期信号受信器260を備える。同期信号発生器160は、第1の送信用トランス151の二次巻線151−2のセンター・タップと第1の受信用トランス152の一次巻線152−1のセンター・タップとに接続されている。同期信号発生器160は、第1の基地局130の同期をとるための無線制御チャネル同期信号をLANケーブル300上に上乗せ(重畳)して送信する送信手段として動作する。同期信号受信器260は、第2の受信用トランス251の一次巻線251−1と第2の送信用トランス252の二次巻線252−2のセンター・タップとに接続されている。同期信号受信器260は、LANケーブル300上に上乗せ(重畳)された無線制御チャネル同期信号を受信する受信手段として働く。
このように、同期信号発生器160を使用して無線制御チャネル同期信号を第1のトランス回路150の中点(センター・タップ)に印加している。第1のトランス回路150の中点(センター・タップ)に無線同期チャネル同期信号を印加したので、LNAケーブル300の2線間では無線制御チャネル同期信号の電位差は0となる。このため、LANケーブル300上のデータ信号は影響を受けることはない。また、出力側である第2のシステム210では、第2のトランス回路250の中点(センター・タップ)を同期信号受信器260に接続することにより、無線制御チャネル同期信号を取り出すことが可能である。第2のシステム210は、取り出した無線制御チャネル同期信号を利用して、自システム内の第2の基地局230の同期をとる。
図3及び図4を参照して、第1及び第2のシステム110、210とそれらに接続された第1及び第2の基地局130、230とについて更に説明する。
図3においては、図2における第1のトランス回路150と同期信号発生器160との組み合わせをマスター同期信号送出回路170として図示し、図2における第2のトランス回路250と同期信号受信器260との組み合わせをスレーブ同期信号抽出回路270として図示してある。
図4に、マスター同期信号送出回路170とスレーブ同期信号抽出回路270を図示している。
図3に示されるように、第1の基地局130(基地局A)は、第1の同期制御部132と第1の送信部134とを有する。第2の基地局230(基地局B)は、第2の同期制御部232と第2の送信部234とを有する。第1の同期制御部132はマスター同期信号送出回路170に接続され、第2の同期制御部232はスレーブ同期信号抽出回路270に接続されている。
マスター同期信号送出回路170は、受け取ったマスター側の基地局同期信号(無線制御チャネル同期信号)を第1の基地局130の第1の同期制御部132に送出すると共に、LANケーブル300上の無線制御チャネル同期信号を上乗せ(重畳)して送信する。スレーブ同期信号抽出回路270は、LANケーブル300上に上乗せ(重畳)されている無線制御チャネル同期信号を抽出して、抽出した無線制御チャネル同期信号をスレーブ側の基地局同期信号として第2の基地局230の第2の同期制御部232に送出する。このようにして、スレーブ側の基地局同期信号をマスター側の基地局同期信号に同期させることができる。換言すれば、LANケーブル300で接続されたシステム110、210同士で無線制御チャネル同期信号を共有することができる。同じタイミングの無線制御チャネル同期信号を第1および第2の基地局130、230で使用するので、制御チャネルの衝突を防止(回避)することができる。
なお、複数の基地局間での制御チャネルの衝突を防止(回避)する技術については、前述した特許文献6〜8において既に開示されているので、それらを参照されたい。
以上、本発明について好ましい実施の形態について説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の趣旨(主題)を逸脱しない範囲内で種々の変形・変更が可能なのは勿論である。
本発明の一実施の形態に係るシステム間接続方式を示すブロック図である。 図1に示したシステム間接続方式のシステムとLANケーブルを示したブロック図である。 図1に示したシステム間接続方式のシステムと基地局を示したブロック図である。 図3に示したマスター同期信号送出回路とスレーブ同期信号抽出回路を示すブロック図である。
符号の説明
100 第1の電話システム(第1のPHSシステム)
110 第1のシステム(システムA)
120 第1の端末(端末A)
130 第1の基地局(基地局A)
132 第1の同期制御部
134 第1の送信部
140 第1のPHS端末(PHS端末A)
150 第1のトランス回路
151 第1の送信側トランス
151−1 一次巻線
152−2 二次巻線
152 第1の受信側トランス
152−1 一次巻線
152−2 二次巻線
160 同期信号発生器
170 マスター同期信号送出回路
200 第2の電話システム(第2のPHSシステム)
210 第2のシステム(システムB)
220 第2の端末(端末B)
230 第2の基地局(基地局B)
232 第2の同期制御部
234 第2の送信部
240 第2のPHS端末(PHS端末B)
250 第2のトランス回路
251 第2の送信側トランス
251−1 一次巻線
252−2 二次巻線
252 第2の受信側トランス
252−1 一次巻線
252−2 二次巻線
260 同期信号受信器
270 スレーブ同期信号抽出回路
300 LANケーブル
310 第1の平衡伝送線
320 第2の平衡伝送線

Claims (7)

  1. 第1の基地局が接続された第1のシステムと、第2の基地局が接続された第2のシステムとが、ファントム給電可能なLANケーブルを介して互いに接続されたシステム間接続方式において、
    前記第1のシステムは、前記第1の基地局の同期をとるための無線制御チャネル同期信号を前記LANケーブル上に重畳して送信する送信手段を有し、
    前記第2のシステムは、前記LNAケーブル上に重畳された前記無線制御チャネル同期信号を受信する受信手段を有し、
    前記第2のシステムは、前記受信した無線制御チャネル同期信号によって前記第2の基地局の同期をとり、これによって前記第1の基地局と前記第2の基地局とを同期させることを特徴とするシステム間接続方式。
  2. 前記第1のシステムは、前記第2のシステムへ第1のデータ信号を送信するための第1の送信用トランスと、前記第2のシステムからの第2のデータ信号を受信するための第1の受信用トランスとを有する第1のトランス回路を備え、
    前記第2のシステムは、前記第1のシステムからの前記第1のデータ信号を受信するための第2の受信用トランスと、前記第1のシステムへ前記第2のデータ信号を送信するための第2の送信用トランスとを有する第2のトランス回路を備え、
    前記LANケーブルは、前記第1の送信用トランスの二次巻線と前記第2の受信用トランスの一次巻線との間に接続された第1の平衡伝送線と、前記第1の受信用トランスの一次巻線と前記第2の送信用トランスの二次巻線との間に接続された第2の平衡伝送線とから構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシステム間接続方式。
  3. 前記送信手段は、前記第1の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップと前記第1の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップとに接続されて、前記無線制御チャネル同期信号を発生する同期信号発生器から成り、
    前記受信手段は、前記第2の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップと前記第2の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップとに接続されて、前記無線制御チャネル同期信号を受信する同期信号受信器から成る、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシステム間接続方式。
  4. 前記第1のシステムに接続された第1の端末と、
    前記第2のシステムに接続された第2の端末と、
    を更に有する請求項1乃至3のいずれか1つに記載のシステム間接続方式。
  5. 第1の基地局に接続された第1のシステムと、第2の基地局に接続された第2のシステムとが、ファントム給電可能なLANケーブルを介して互いに接続されたシステム間接続方式における無線制御チャネル同期信号の共有方法であって、
    前記第1のシステムから、前記第1の基地局の同期をとるための前記無線制御チャネル同期信号を前記LANケーブル上に重畳して送信するステップと、
    前記第2のシステムで、前記LNAケーブル上に重畳された前記無線制御チャネル同期信号を受信するステップと、
    を含み、これによって前記第1のシステムと前記第2のシステムとの間で前記無線制御チャネル同期信号を共有することを特徴とするシステム間接続方式の無線制御チャネル同期信号共有方法。
  6. 前記第2のシステムにおいて、前記受信した無線制御チャネル同期信号によって前記第2の基地局の同期をとるステップを更に含む、請求項5に記載のシステム間接続方式の無線制御チャネル同期信号共有方法。
  7. 前記第1のシステムは、前記第2のシステムへ第1のデータ信号を送信するための第1の送信用トランスと、前記第2のシステムからの第2のデータ信号を受信するための第1の受信用トランスとを有する第1のトランス回路を備え、
    前記第2のシステムは、前記第1のシステムからの前記第1のデータ信号を受信するための第2の受信用トランスと、前記第1のシステムへ前記第2のデータ信号を送信するための第2の送信用トランスとを有する第2のトランス回路を備え、
    前記LANケーブルは、前記第1の送信用トランスの二次巻線と前記第2の受信用トランスの一次巻線との間に接続された第1の平衡伝送線と、前記第1の受信用トランスの一次巻線と前記第2の送信用トランスの二次巻線との間に接続された第2の平衡伝送線とから構成され、
    前記送信するステップは、前記第1の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップと前記第1の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップとに接続された同期信号発生器から前記無線制御チャネル同期信号を発生するステップから成り、
    前記受信するステップは、前記第2の受信用トランスの一次巻線のセンター・タップと前記第2の送信用トランスの二次巻線のセンター・タップとに接続された同期信号受信器で前記無線制御チャネル同期信号を受信するステップから成る、
    請求項5に記載のシステム間接続方式の無線制御チャネル同期信号共有方法。
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