JP2008153762A - 無線通信システムおよび送信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】周波数オフセット送信ダイバーシチ方式において、インタリーバを用いずにダイバーシチ効果を得る。
【解決手段】符号化手段11は、入力された情報系列を誤り訂正符号化する。シンボル生成手段12および差動化手段13は、符号化された情報系列とτシンボル過去のシンボルに対応する該情報系列との間で差動変調し、シンボル系列に変換する。周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mは、差動化手段13により差動化されたM個のシンボル系列に対して、付与する全ての周波数オフセット同士の差が、fの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように、該M個のシンボル系列に周波数オフセットを付与する。無線部15−1〜15−Mは、周波数オフセットが付与されたシンボル系列を送信アンテナ16−1〜16−Mを通じて送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル無線通信システムにおいて、複数の送信アンテナを用いて送信ダイバーシチ効果を得る無線通信システムおよび送信装置に関する。
無線通信においては、多重波伝搬により受信レベルが変動するフェージングが発生し、受信レベルの落ち込みにより伝送品質が大きく劣化する。受信レベルの落ち込みによる伝送品質の劣化を軽減するための技術として、受信レベル変動の相関が低い2つ以上のパスを利用するダイバーシチ技術が知られている。
ダイバーシチ技術には、大きく分けて、時間ダイバーシチと空間ダイバーシチとがある。時間ダイバーシチとは、同じ信号を異なるタイミングで送信し、レベルの高い信号を選択する手法のような、時間的に離れた2つ以上のパスを利用するダイバーシチ技術の総称である。一方、空間ダイバーシチとは、2本以上のアンテナを用意し、最もレベルの高いアンテナを選択する手法のような、空間的に離れた2つ以上のパスを利用するダイバーシチ技術の総称である。このうち、時間ダイバーシチは、レベル変動の周期が長い、すなわち、端末の移動速度が遅いと、時間的に離れたパスの相関が高くなるため、ダイバーシチ効果が低下する。このため、様々な状況下の無線端末との間で高品質の伝送を行うためには、空間ダイバーシチの適用が必須である。
空間ダイバーシチのうち、複数の送信アンテナを用いて実現される送信ダイバーシチでは、送信側でチャネル応答(送信アンテナから受信アンテナまでの振幅位相応答)を推定する事が困難であるため、送信側でチャネル情報を必要としない手法が求められる。このような送信側でチャネル情報を必要としないダイバーシチ法の1つに、特許文献1に示されるような周波数オフセット送信ダイバーシチ方式がある。
図7は、特許文献1に示される2つの送信アンテナ76−1、76−2を有する送信装置70と、受信装置80から構成される無線通信システム90を示した図である。一般的に、周波数オフセット送信ダイバーシチ方式では、周波数オフセット付与手段74−1、74−2により送信アンテナ76−1、76−2に異なる周波数オフセットを与えて送信する。異なる周波数オフセットが与えられた複数の信号を送信すると、互いの周波数差により受信側で受信レベルが変動し、定常的な受信レベルの落ち込みを回避できる。
特許文献1に示される無線通信システム90では、さらに、強制的に受信レベル変動を発生させており、受信レベル変動によって復調後の情報系列の受信品質がばらつくため、送信側でインタリーバ72及び受信側でデインタリーバ85を用いて受信レベル変動による復調後の情報系列の受信品質のばらつきをランダム化し、受信品質のばらつきによるランダム誤りを誤り訂正符号で救済する事でダイバーシチ効果を得ている。
ところで、一般的に誤り訂正符号はその復号化手段に入力される情報系列の短区間、すなわち誤り訂正符号の拘束長もしくはブロック長における平均的な受信品質が高く、さらに、短区間の受信品質のばらつきが少ないほど高い誤り訂正能力が得られる。一方、特許文献1に記載の無線通信システム90では、いかなる周波数オフセットを付与して送信しても、情報系列全体の平均的な受信品質は変わらない。
従って、特許文献1に記載の無線通信システム90で高いダイバーシチ効果を得るためには、周波数オフセット付与手段74−1、74−2およびインタリーバ72及びデインタリーバ85には、短区間の平均的な受信品質を一定にし、なおかつ短区間の受信品質のばらつきを小さくする事が求められる。
また、特許文献1に記載の無線通信システム90では、アンテナ数を増やしてもレベル変動のパターンが変わるだけであるため、アンテナ数の変更に対する柔軟性が高いが、受信レベル変動のパターンが変わった場合にインタリーバ72、及びデインタリーバ85の構造が、パターン変化後における最適な構造と大きく異なっていると、誤り訂正能力が低下し、ダイバーシチ効果が低下する。そのため、アンテナ数を変更した場合にも高いダイバーシチ効果を維持するような周波数オフセット付与手段74−1、74−2による周波数オフセット付与方法およびインタリーバ72、及びデインタリーバ85の構造が求められることになる。
しかしながら、特許文献1では、2つの送信アンテナ76−1、76−2の場合のインタリーバ72の構造を経験的に求めているだけであり、任意のアンテナ数において高いダイバーシチ効果を実現し、なおかつアンテナ数を変更した場合にも高いダイバーシチ効果を維持するような周波数オフセット付与手段74−1、74−2による周波数オフセット付与方法およびインタリーバ72及びデインタリーバ85の構造は明らかにされていないという問題がある。そこで、周波数オフセットの付与と適切なインタリーバ及びデインタリーバの構造として、以下に示すような方式が考えられる。
図8は、M個の送信アンテナを用いて実現されるM本の送信アンテナ117−1〜117−Mを有する送信装置101と、受信装置102から構成される無線通信システム110を示した図である。本方式は他の送信ダイバーシチ方式と比べて受信処理が簡易である特徴がある。この特徴を最大限に生かすため、本方式では、一般に変復調方式に受信側でチャネル応答の必要の無い差動変調/遅延検波復調方式が用いられる。
図8に示す無線通信システム110では、周波数オフセット付与手段115−1〜115−Mに付与する全ての周波数オフセット同士の差が、予め定められる周波数Δfの0を除く整数倍となるように周波数オフセットを付与する。このように周波数オフセットを付与すると、互いの周波数差により、受信側では1/Δf周期で受信レベルが変動し、定常的な受信レベルの落ち込みを回避できる。隣接シンボル間の位相変動による通信品質の劣化を軽減するため、1/Δfを、通常、数十〜数百シンボル程度に設定する。
該無線通信システム110では、前述したような数十〜数百シンボル程度の緩慢な受信レベル変動によって、同様に緩慢に変動する受信品質を平均化するため、まず、デインタリーバ125を用いて、復調後の情報系列の受信品質の変動周期をMシンボル程度に高速化する。そして、Mシンボル程度の短区間の受信品質変動を誤り訂正で救済することでダイバーシチ効果を得ている。
特開平3−135238号公報
ところで、上述した無線通信システム110における受信装置102は、変復調機能のみで実現される最も単純な無線通信システムにおける受信装置と比較すると、デインタリーバと誤り訂正符号の復号化手段の追加を必要とする。このうち、復号化手段は、図8に示すように、任意の誤り訂正符号の復号化手段126を用いる事ができ、かつ、多くの無線通信システムは、誤り訂正符号の復号手段を備えているため、一般に、送信ダイバーシチ適用のための機能追加は必要ない。一方、デインタリーバは、受信レベル変動を高速化し、ダイバーシチ効果を得るための特殊なデインタリーバであるため、図8に示すように、仮に、デインタリーバを備える無線通信システムであったとしても、送信ダイバーシチを適用するために、機能追加が必要となる。
上述したように、図8に示す無線通信システム110における受信装置102には、インタリーバの追加が必要であるため、送信ダイバーシチを用いない無線通信システムと比べると、受信装置の回路規模、処理負荷、及び処理遅延が増大するという問題があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、周波数オフセット送信ダイバーシチ方式において変復調方式の工夫と適切な周波数オフセットの付与により、インタリーバを用いずにダイバーシチ効果を得ることができる、すなわち受信側においてデインタリーバの存在を必要としない無線通信システムおよび送信装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、M(2以上の整数)個のシンボル系列を、複数の送信アンテナから独立の信号として送信する送信装置と、前記送信装置からの無線信号を単数または複数の受信アンテナを通じて受信する受信装置とを備えた無線通信システムであって、M以上の任意の自然数をT、Tの任意の自然数倍をτ、fをシンボル速度とした場合、前記送信装置は、入力される情報系列を誤り訂正符号化する符号化手段と、前記符号化手段により符号化された情報系列とτシンボル過去のシンボルに対応する該情報系列との間で差動変調し、シンボル系列に変換する差動変調手段と、前記差動変調手段により生成されたシンボル系列が分岐されることで得られるM個のシンボル系列のそれぞれに対して、付与する全ての周波数オフセット同士の差が、fの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように、前記M個のシンボル系列に対して周波数オフセットを付与する複数の周波数オフセット付与手段と、前記周波数オフセット付与手段により周波数オフセットが付与されたM個のシンボル系列を前記複数の送信アンテナを通じて送信する送信手段とを備え、前記受信装置は、前記受信アンテナを通じて前記送信装置からの無線信号を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した信号とτシンボル過去の該受信信号との間で遅延検波し、情報系列に変換する遅延検波復調手段と、前記遅延検波復調手段により変換された情報系列を誤り訂正復号する復号化手段とを備えることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記τおよびTは、前記Mと同じ値に設定されることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記τは、前記Mの値が状況によって変化する場合、最大のM以上の値に設定されることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記Tは、前記Mの変化に応じて、Tの約数のうちの、M以上の最小値に設定されることを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数の周波数オフセット付与手段は、付与する全ての周波数オフセットがf/T間隔で等間隔に並ぶように周波数オフセットを付与することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数の周波数オフセット付与手段は、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、全ての2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、異なる値となるように、周波数オフセットを付与することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記複数の周波数オフセット付与手段は、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように、周波数オフセットを付与することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、M(2以上の整数)個のシンボル系列を、複数の送信アンテナから独立の信号として送信する送信装置であって、M以上の任意の自然数をT、Tの任意の自然数倍をτ、fをシンボル速度とした場合、入力される情報系列を誤り訂正符号化する符号化手段と、前記符号化手段により符号化された情報系列とτシンボル過去のシンボルに対応する該情報系列との間で差動変調し、シンボル系列に変換する差動変調手段と、前記差動変調手段により生成されたシンボル系列が分岐されることで得られるM個のシンボル系列のそれぞれに対して、付与する全ての周波数オフセット同士の差が、fの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように、前記M個のシンボル系列に対して周波数オフセットを付与する複数の周波数オフセット付与手段と、前記周波数オフセット付与手段により周波数オフセットが付与されたM個のシンボル系列を前記複数の送信アンテナを通じて送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、送信装置では、入力される情報系列を誤り訂正符号化し、該符号化された情報系列とτシンボル過去のシンボルに対応する該情報系列との間で差動変調してシンボル系列に変換し、該シンボル系列が分岐されることで得られるM個のシンボル系列のそれぞれに対して、付与する全ての周波数オフセット同士の差が、fの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように、M個のシンボル系列に対して周波数オフセットを付与し、周波数オフセットが付与されたM個のシンボル系列を複数の送信アンテナを通じて送信し、受信装置では、受信アンテナを通じて送信装置からの無線信号を受信し、該受信した信号とτシンボル過去の該受信信号との間で遅延検波して情報系列に変換し、変換された情報系列を誤り訂正復号する。したがって、受信品質の変動周期を高速化する事が可能となるため、受信品質の変動周期を高速化するためのインタリーバを追加することなく、ダイバーシチ効果を得る事ができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、τおよびTを、Mと同じ値に設定する。したがって、アンテナ数(M)が多い場合における高いダイバーシチ効果と受信装置の回路構成の簡易化とを両立することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、τを、Mの値が状況によって変化する場合、最大のM以上の値に設定する。したがって、状況に応じて送信アンテナ数(M)が変化する場合でも、送信アンテナ数に応じたダイバーシチ効果を得る事ができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、Tを、Mの変化に応じて、Tの約数のうちの、M以上の最小値に設定する。したがって、状況に応じてアンテナ数(M)が変化する場合、TをM以上の最小のτの約数に設定する事で、アンテナ数(M)が多い場合に対応する柔軟性とアンテナ数が少ない場合での高いダイバーシチ効果とを両立させることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、付与する全ての周波数オフセットがf/T間隔で等間隔に並ぶように周波数オフセットを付与する。したがって、アンテナ数(M)が多い場合における高いダイバーシチ効果と受信装置の回路構成の簡易化とを両立することができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、複数の周波数オフセット付与手段により、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、全ての2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、異なる値となるように、周波数オフセットを付与する。したがって、オーバーオールのチャネル応答の分散に無線伝搬路のチャネル応答の位相依存性がないため、無線伝搬路のチャネル応答の位相関係に依らずに、安定したダイバーシチ効果を得ることができるという利点が得られる。
また、本発明によれば、複数の周波数オフセット付与手段により、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように、周波数オフセットを付与する。したがって、オーバーオールのチャネル応答に含まれる、2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数の正弦波の振幅が小さくなるため、Tが誤り訂正符号の拘束長やブロック長より大きい場合でも、誤り訂正符号による平均化の効果を極力維持し、ダイバーシチ効果の低下を軽減する事ができるという利点が得られる。
また、この発明によれば、送信装置では、入力される情報系列を誤り訂正符号化し、該符号化された情報系列とτシンボル過去のシンボルに対応する該情報系列との間で差動変調してシンボル系列に変換し、該シンボル系列が分岐されることで得られるM個のシンボル系列のそれぞれに対して、付与する全ての周波数オフセット同士の差が、fの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように、M個のシンボル系列に対して周波数オフセットを付与し、周波数オフセットが付与されたM個のシンボル系列を複数の送信アンテナを通じて送信する。したがって、受信品質の変動周期を高速化する事が可能となるため、受信品質の変動周期を高速化するためのインタリーバを追加することなく、ダイバーシチ効果を得る事ができるという利点が得られる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態)
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム100を示したブロック図である。無線通信システム100は、送信装置1および受信装置2を備えており、周波数オフセット送信ダイバーシチ方式による無線通信を行う。
無線通信システム100において、送信装置1は、符号化手段11、シンボル生成手段12、差動化手段13、及びM個の周波数オフセット付与手段14−1〜14−M、無線部15−1〜15−M、送信アンテナ16−1〜16−Mを備えている。符号化手段11は、入力された情報系列S10を誤り訂正符号化する。シンボル生成手段12は、符号化手段11により符号化された情報系列S11をシンボル系列へ変換する。差動化手段13は、シンボル生成手段12により変換されたシンボル系列S12を差動化する。
周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mは、差動化手段13により差動化されたシンボル系列S13に対して、それぞれ独立の周波数オフセットを付与する。無線部15−1〜15−Mは、周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mにより周波数オフセットが付与されたシンボル系列S14−1〜S14−Mに対してアナログ変換及び周波数変換を行った送信信号S15−1〜S15−Mを送信アンテナ16−1〜16−Mを通じて送信する。
受信装置2は、受信アンテナ21、無線部22、遅延検波手段23、シンボル識別手段24、復号化手段25を備えている。受信アンテナ21は、送信装置1から送信される無線信号を受信する。無線部22は、受信アンテナ21を通じて受信した受信信号に対して周波数変換およびデジタル信号への変換を行う。遅延検波手段23は、無線部22により変換されたデジタル信号S22を遅延検波し、シンボル系列へ変換する。シンボル識別手段24は、遅延検波手段23により遅延検波されたシンボル系列S23を情報系列へ変換する。復号化手段25は、シンボル識別手段24により変換された情報系列S24に含まれる誤りを訂正して情報系列S25を出力する。
本実施形態に係る無線通信システム100では、図8に示す従来技術による無線通信システム110と比較すると、インタリーバ、デインタリーバが無く、差動化手段13、周波数オフセット付与手段14−1〜14−M、遅延検波手段23の動作が異なる。以下、前述した従来技術による無線通信システム110と異なる動作をする3つの機能ブロックの詳細な動作について説明する。なお、文中のfはシンボル速度、TはM以上の任意の自然数、τはTの任意の自然数倍である。Tおよびτをこのように設定する理由は、3つの機能ブロックの詳細な動作を説明した後、その動作原理と併せて説明する。
まず、差動化手段13の詳細な動作について説明する。差動化手段13では、τシンボル離れたシンボル系列との間で差動化を行う。差動化とは、τシンボル離れたシンボル系列との差分情報を出力する動作である。例えば、nをシンボル番号、シンボル系列S12をs(n)、シンボル系列S13をx(n)とすると、x(n)は、次式(1)で表されるような動作を行う。
Figure 2008153762
他にも、x(n)が次式(2)で表される動作等を用いる事ができる。
Figure 2008153762
ただし、数式(2)の場合、差動符号化手段13の動作に合わせて遅延検波手段23の動作を変更する必要がある。
次に、周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mの動作を説明する。周波数オフセット付与手段14−1〜〜14−Mでは、周波数オフセット同士の周波数差がfの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように周波数オフセットを付与する。例えば、図2に示すように、周波数オフセットがf/Tの間隔で等間隔に並ぶように周波数オフセットを付与する。なお、付与する周波数オフセット同士の周波数差がfの整数倍である組み合わせを避けるのは、このような組み合わせでは、2つの周波数オフセットのシンボル間隔ごとの位相変動が完全に同一となり、シンボル間隔で見たときに、受信レベル変動が発生しないためである。
図2に示すように、f/Tの間隔で等間隔に周波数オフセットを付与した場合、周波数オフセット付与手段14−m(m=1〜M)から出力されるシンボル系列S14−mをy(n)とすると、y(n)は、次式(3)で表されることになる。
Figure 2008153762
ここで、m番目の送信アンテナ16−mと受信アンテナ21との間のチャネル応答をh、無線部22から出力されるデジタル信号S22をz(n)とすると、z(n)は、次式(4)で表されることになる。
Figure 2008153762
次に、遅延検波手段23の詳細な動作を説明する。遅延検波手段23は、無線部22から出力されるデジタル信号S22、すなわちz(n)と該デジタル信号S22のτシンボル離れた信号との間で遅延検波を行う。例えば、差動化手段13で数式(1)のような動作を行った場合、遅延検波シンボル系列S23をr(n)とすると、遅延検波手段23では、次式(5)で表されるような動作を行う。なお、hは、τシンボル程度では時変動しないとした。
Figure 2008153762
数式(5)に示すように、r(n)は、s(n)にα(n)を乗じたものである事から、α(n)は、シンボル系列S12からシンボル系列S23までのオーバーオールのチャネル応答に相当する。一般に、遅延検波後は、何の信号処理も行わずにシンボル識別を行うため、このチャネル応答α(n)を解析する事で通信品質を評価する事ができる。
以下では、オーバーオールのチャネル応答α(n)の解析を通じて、差動化手段13、周波数オフセット付与手段14−1〜14−M、遅延検波手段23の3つの機能ブロックの一連の動作原理を説明する。また、前述したように無線通信システム100では、TはM以上の任意の自然数、τはTの任意の自然数倍に設定するが、その理由についても併せて説明する。
前述したように、一般に、遅延検波後は、何の信号処理も行わずにシンボル識別を行うので、シンボル識別誤りを軽減するためには、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、正の実数成分のみを持つのが望ましい。そのためには、オフセット周期T、遅延シンボル数τは、全てのmに対して、次式(6)の関係を満足する必要がある。
Figure 2008153762
数式(6)を満足した時、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、次式(7)で表される。数式(7)で明らかなように、数式(6)を満足した時、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、正の実数成分のみを持つ。
Figure 2008153762
さらに、数式(7)を展開すると、以下の数式(8)が導かれる。
Figure 2008153762
数式(8)で明らかなように、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、1/T[1/symbol]=f/T[Hz]の1倍からM−1倍までのM−1個の正弦波と定数との成分で構成される。このように、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、1/T[1/symbol]の整数倍の正弦波によって構成されているため、その変動周期は、Tシンボルである。また、数式(8)に示すように、α(n)の平均、すなわち、定数成分は、全ての送信アンテナからのチャネル応答の絶対値の二乗を加算した値であり、受信側で最大比合成ダイバーシチ受信を行った場合と同じである。従って、オーバーオールのチャネル応答α(n)に含まれるTシンボル周期の変動を平均する事ができれば、ダイバーシチ効果を得る事ができる。
ところで、全てのmに対して数式(6)に示す関係を満足するには、以下に示す数式(9)、(10)のいずれかの関係を満たす必要がある。
Figure 2008153762
Figure 2008153762
ここで、数式(10)においてT≧Mを満足する必要があるのは、T<Mの場合、周波数オフセット同士の周波数差がfの整数倍を除く、f/Tの整数倍となるように周波数オフセットを付与する事が不可能になるためである。
このうち、数式(9)の関係式を満たすように、τを1、TをMの数十〜数百倍に設定するのが、図8に示す無線通信システム110である。前述したように、レベル変動の周期はTシンボルであるため、図8に示す無線通信システム110では、レベル変動に伴う数十〜数百シンボル程度の緩慢な受信品質の変動が発生する。
しかし、数十〜数百シンボルは、簡易な受信処理を目指す無線通信システムで用いられる誤り訂正符号の拘束長やブロック長と比べて大きい。そのため、遅延検波後の出力をそのまま誤り訂正しても、受信品質の変動を十分に平均化する事ができず、十分なダイバーシチ効果が得られない。そこで、図8に示す無線通信システム110では、高いダイバーシチ効果を実現するため、受信品質の変動周期を高速化するインタリーバ112を追加している。
一方、本実施形態による無線通信システム100では、数式(10)の関係式を満足するように、TをM以上の任意の自然数、τをTの自然数倍に設定する。このように、Tおよびτを設定すると、数式(6)の関係式を満たしながら受信品質の変動周期を最高でMシンボルまで高速化する事ができる。Mは送信アンテナ数であり、一般には1桁であるため、受信品質の変動周期を、簡易な誤り訂正符号の拘束長やブロック長と同等かそれ以下にする事ができる。このように、数式(10)を満足するように、パラメータを設定すると、受信品質の変動周期を高速化する事が可能となるため、受信品質の変動周期を高速化するためのインタリーバを追加することなく、ダイバーシチ効果を得る事ができる。
前述したように、Tは受信品質の変動周期であり、Tが誤り訂正符号の拘束長やブロック長と同等か、それ以上であると受信品質が劣化する。また、τは遅延シンボル数であり、τが大きいほど遅延検波回路の遅延量を増やす必要があるため、受信装置2の回路構成が複雑になる。従って、τおよびTをできるだけ小さな値、例えば、T=τ=Mに設定することで、大きなアンテナ数Mにおける高いダイバーシチ効果と受信装置2の回路構成の簡易化とを両立することが可能となる。
また、前述したように、周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mは、周波数オフセット同士の周波数差がfの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように周波数オフセットを付与する必要がある。そのために、T=Mに設定した場合、付与する周波数オフセットは、図2に示すように、f/Tの間隔で等間隔に付与する必要がある。
ところで、数式(8)に示すように、オーバーオールのチャネル応答α(n)の平均は、数式(10)の関係さえ満たしていれば、Tやτの値に依らずに受信側で最大比合成を行ったのと同様であり、アンテナ数Mに応じたダイバーシチ効果が期待できる。従って、想定される最大の送信アンテナ数において、数式(10)を満たすようにτを設定すれば、状況に応じて送信アンテナ数Mが変化する場合でも、送信アンテナ数Mに応じたダイバーシチ効果を得る事が可能となる。なお、Mの値が変化する場合、τをMの変化に合わせて変更する方法もあるが、τを変更すると、受信装置2の回路構成や処理の変更が必要となるため、このような動作は好ましくない。
また、前述したように、Tは受信品質の変動周期であるため、数式(10)の関係式を満足する範囲内で、できるだけ小さい値に設定するほうが、高いダイバーシチ効果が得られる。τをある値に固定して変化させない場合、数式(10)の関係式を満足する最小のTは、M以上の最小のτの約数である。従って、状況に応じてMが変化する場合、TをM以上の最小のτの約数に設定する事で、大きなアンテナ数Mへ対応する柔軟性と小さいアンテナ数Mでの高いダイバーシチ効果とを両立させることが可能となる。なお、Mの値に応じてTを変化させても、τさえ変更しなければ、受信装置2の回路構成や処理を変更する必要はないため、受信装置2の回路構成や処理の簡易化にも悪影響を与える事は無い。
また、一般に、無線通信システムでは、送受信に波形整形(帯域制限)フィルタを有し、その通過帯域は、送受信でほぼ同一である。そのため、波形整形後に周波数オフセットを付与して送信すると、受信装置の持つ波形整形(帯域制限)フィルタによって帯域外にシフトした一部の電力が失われ、通信品質が劣化する。特に、本実施形態に係る無線通信システム100では、図8に示す無線通信システム110と比べて、大きな周波数オフセットを付与するため、受信装置2の持つ波形整形(帯域制限)フィルタの帯域外電力損失による通信品質の劣化が問題となる。そのため、送信装置1の波形整形(帯域制限)フィルタは、周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mの後段に配置するのが望ましい。
本実施形態では、シンボル生成手段12は、差動化手段13の前に配置されるとして説明したが、その順番を逆にし、情報系列(ビット系列)に対して差動化を行った後に、シンボル生成を行っても同様の効果が得られる。また、遅延検波手段23とシンボル識別手段24とを備えている場合について説明したが、それらを準同期検波手段と差動復号手段とで代替しても同様の効果が得られる。また、シンボル生成手段12、差動化手段13、周波数オフセット付与手段14−1〜14−M、遅延検波手段23、シンボル識別手段24は、デジタル信号を処理するとして説明したが、アナログ信号を処理するようにしても同様の効果が得られる。
図4は、図3に示した条件下での本実施形態に係る無線通信システム100におけるシミュレーション結果を示す図である。図4において、SNR(Signal to Noise Ratio)対BLER(Block Error Rate)特性である。なお、比較のため、図4には、図3に示した条件下での図8に示す無線通信システム110のSNR対BLER特性のシミュレーション結果を示している。
図4から明らかなように、本実施形態に係る無線通信システム100は、インタリーバを用いないにも関わらず、インタリーバを用いる、図8に示す無線通信システム110と同等のSNR対BLER特性が得られている事が分かる。また、アンテナ数を増加させた場合にも、アンテナ数に応じた高いダイバーシチ効果が得られている事も確認できる。
(変形例1)
次に、前述した実施形態に係る無線通信システム100の構成の一部を変更した変形例1について説明する。変形例1では、前述した実施形態における周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mは、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、全ての2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、異なる値となるように周波数オフセットを付与するように構成する。すなわち、次式(11)で表されるΔfmnが、全ての組み合わせにおいて異なるように周波数オフセットを付与するように構成する。
Figure 2008153762
ここで、minは最小化演算、iは任意の整数、f、fはそれぞれ周波数オフセット付与手段14−m、14−nに付与する周波数オフセットの周波数である。
誤り訂正符号は、入力される情報系列の短区間の平均的品質が一定の場合、その品質のばらつきが小さいほど高い訂正能力が得られる。従って、高い誤り訂正効果を得て、結果的に高いダイバーシチ効果を得るためには、短区間の平均的品質を一定にするだけでなく、その受信品質のばらつきを小さくする事が求められる。
また、復号化手段25へ入力される情報系列S24は、遅延検波後のシンボル系列S23をシンボル識別したものであるため、その受信品質は、シンボル系列S12からシンボル系列S23までのオーバーオールのチャネル応答α(n)により決定される。そこで、ダイバーシチ効果を見積もるための指標として、オーバーオールのチャネル応答α(n)の分散を用い、周波数オフセットの付与方法の違いによる、ダイバーシチ効果の違いを説明する。以下では、送信アンテナ数が3の場合についてのみ説明するが、送信アンテナ数によらず同様の効果が得られることになる。また、Tは十分に大きいとした。
始めに、周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mにおいて、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、いずれかの2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、同一の値となるように周波数オフセットを付与した場合について考える。ここでは、一例として、図2に示すように、f/T間隔で等間隔に周波数オフセットを付与した場合を考える。このとき、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、以下の数式(12)で表される。
Figure 2008153762
また、このときのオーバーオールのチャネル応答α(n)の分散は、次式(13)で表される。
Figure 2008153762
数式(13)から明らかなように、規則的に周波数オフセットを付与した場合、オーバーオールのチャネル応答α(t)の分散には、無線伝搬路のチャネル応答hの位相依存性があり、hの位相関係によっては、α(t)の分散が非常に大きくなる。
次に、周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mにおいて、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、全ての2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、異なる値となるように周波数オフセットを付与した場合について考える。ここでは、一例として、図5に示すように、周波数オフセット付与手段14−1には0、周波数オフセット付与手段14−2にはf/T、周波数オフセット付与手段14−3には3×f/Tの周波数オフセットを付与する場合について考える。このとき、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、次式(14)により表される。
Figure 2008153762
また、このときのオーバーオールのチャネル応答α(n)の分散は、次式(15)により表される。
Figure 2008153762
数式(15)から明らかなように、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、全ての2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、異なる値となるように周波数オフセットを付与した場合、オーバーオールのチャネル応答α(n)の分散に無線伝搬路のチャネル応答hの位相依存性がないため、hmの位相関係によらず、α(n)の分散は常に一定となる。
上述したように、本変形例1によれば、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、全ての2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、異なる値となるように周波数オフセットを付与した場合には、オーバーオールのチャネル応答α(n)の分散に無線伝搬路のチャネル応答hの位相依存性がないため、無線伝搬路のチャネル応答hの位相関係に依らずに、安定したダイバーシチ効果を得ることができる。
(変形例2)
次に、前述した実施形態に係る無線通信システム100の構成の一部を変更した変形例2について説明する。変形例2では、前述した実施形態における周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mは、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、f/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように、周波数オフセットを付与するように構成する。すなわち、次式(16)で表されるΔfmnがf/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように周波数オフセットを付与するように構成する。
Figure 2008153762
ここで、minは最小化演算、iは任意の整数、f、fはそれぞれ周波数オフセット付与手段14−m、14−nに付与する周波数オフセットの周波数である。
前述した数式(8)に示すように、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、定数とf/Tの整数倍の正弦波の成分とから構成されている。全ての正弦波の成分は、Tシンボル平均化すれば、その成分がゼロになるため、Tが誤り訂正符号の拘束長やブロック長より小さい場合には、誤り訂正符号による平均化が十分に機能し、ダイバーシチ効果は低下しない。しかし、Tが誤り訂正符号の拘束長やブロック長より大きい場合には、α(n)を構成する正弦波のうち、変動の遅い正弦波の振幅が大きいと、誤り訂正符号による平均化が十分になされず、ダイバーシチ効果が低下する。
チャネル応答α(n)を構成する正弦波のうち、変動が最も遅いのは、周波数をfで割った余りの絶対値がf/Tとなる正弦波である。そこで、ダイバーシチ効果を見積もるため、チャネル応答α(n)に含まれる、2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数の正弦波の振幅を指標として、周波数オフセットの付与方法の違いによるダイバーシチ効果の違いを説明する。以下では、送信アンテナ数が5の場合についてのみ説明するが、送信アンテナ数に依らず同様の効果が得られることになる。また、Tは十分に大きい値とした。
まず、2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、f/Tとなる周波数オフセットの組み合わせの数を考慮せずに周波数オフセットを付与した場合について考える。ここでは、一例として、図2に示すように、規則的に周波数オフセットを付与する場合について考える。このとき、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、次式(17)により表される。
Figure 2008153762
数式(17)から明らかなように、チャネル応答α(n)に含まれる、2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数の正弦波の振幅は、その他の周波数成分と比較して大きい。
次に、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように、周波数オフセットを付与する場合について考える。ここでは、一例として、図6に示すように、周波数オフセット付与手段14−1には0、周波数オフセット付与手段14−2にはf/T、周波数オフセット付与手段14−3には2×f/T、周波数オフセット付与手段14−4には4×f/T、周波数オフセット付与手段14−5には6×f/Tの周波数オフセットを付与する場合について考える。このとき、オーバーオールのチャネル応答α(n)は、以下の数式(18)で表される。
Figure 2008153762
数式(17)と数式(18)とを比較すると分かるように、規則的に周波数オフセットを付与するより、2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように、周波数オフセットを付与する方が、オーバーオールのチャネル応答α(n)に含まれる、2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数の正弦波の振幅を小さくできる。
上述したように、本変形例2によれば、付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように、周波数オフセットを付与した場合には、オーバーオールのチャネル応答α(n)に含まれる、2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数の正弦波の振幅が小さくなるため、Tが誤り訂正符号の拘束長やブロック長より大きい場合でも、誤り訂正符号による平均化の効果を極力維持し、ダイバーシチ効果の低下を軽減する事ができる。
本発明の実施形態に係る無線通信システムを概略的に示したブロック図である。 本実施形態に係る周波数オフセット付与手段の動作の一例を示した図である。 本実施形態に係る無線通信システムに対するSNR対BLER特性のシミュレーション条件を示した図である。 本実施形態に係る無線通信システムと、従来技術による無線通信システムとのSNR対BLER特性のシミュレーション結果を示した図である。 本実施形態の変形例1に係る周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mの動作の一例を示す図である。 本実施形態の変形例2に係る周波数オフセット付与手段14−1〜14−Mの動作の一例を示す図である。 特許文献1に示される無線通信システムを概略的に示したブロック図である。 他の従来技術による無線通信システムを概略的に示したブロック図である。
符号の説明
100 無線通信システム
1 送信装置
11 符号化手段
12 シンボル生成手段(差動変調手段)
13 差動化手段(差動変調手段)
14−1〜14−M 周波数オフセット付与手段
15−1〜15−M 無線部(送信手段)
16−1〜16−M 送信アンテナ
2 受信装置
21 受信アンテナ
22 無線部(受信手段)
23 遅延検波手段(遅延検波復調手段)
24 シンボル識別手段(遅延検波復調手段)
25 復号化手段

Claims (8)

  1. M(2以上の整数)個のシンボル系列を、複数の送信アンテナから独立の信号として送信する送信装置と、前記送信装置からの無線信号を単数または複数の受信アンテナを通じて受信する受信装置とを備えた無線通信システムであって、
    M以上の任意の自然数をT、Tの任意の自然数倍をτ、fをシンボル速度とした場合、
    前記送信装置は、
    入力される情報系列を誤り訂正符号化する符号化手段と、
    前記符号化手段により符号化された情報系列とτシンボル過去のシンボルに対応する該情報系列との間で差動変調し、シンボル系列に変換する差動変調手段と、
    前記差動変調手段により生成されたシンボル系列が分岐されることで得られるM個のシンボル系列のそれぞれに対して、付与する全ての周波数オフセット同士の差が、fの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように、前記M個のシンボル系列に対して周波数オフセットを付与する複数の周波数オフセット付与手段と、
    前記周波数オフセット付与手段により周波数オフセットが付与されたM個のシンボル系列を前記複数の送信アンテナを通じて送信する送信手段とを備え、
    前記受信装置は、
    前記受信アンテナを通じて前記送信装置からの無線信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段が受信した信号とτシンボル過去の該受信信号との間で遅延検波し、情報系列に変換する遅延検波復調手段と、
    前記遅延検波復調手段により変換された情報系列を誤り訂正復号する復号化手段とを備えることを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記τおよびTは、前記Mと同じ値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記τは、前記Mの値が状況によって変化する場合、最大のM以上の値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  4. 前記Tは、前記Mの変化に応じて、Tの約数のうちの、M以上の最小値に設定されることを特徴とする請求項3に記載の無線通信システム。
  5. 前記複数の周波数オフセット付与手段は、
    付与する全ての周波数オフセットがf/T間隔で等間隔に並ぶように周波数オフセットを付与することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  6. 前記複数の周波数オフセット付与手段は、
    付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値が、全ての2つの周波数オフセットの組み合わせにおいて、異なる値となるように、周波数オフセットを付与することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  7. 前記複数の周波数オフセット付与手段は、
    付与する全ての周波数オフセットから選択される2つの周波数オフセットの差とfの任意の整数倍との差の絶対値の最小値がf/Tとなる周波数オフセットの組み合わせが可能な限り少なくなるように、周波数オフセットを付与することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  8. M(2以上の整数)個のシンボル系列を、複数の送信アンテナから独立の信号として送信する送信装置であって、
    M以上の任意の自然数をT、Tの任意の自然数倍をτ、fをシンボル速度とした場合、
    入力される情報系列を誤り訂正符号化する符号化手段と、
    前記符号化手段により符号化された情報系列とτシンボル過去のシンボルに対応する該情報系列との間で差動変調し、シンボル系列に変換する差動変調手段と、
    前記差動変調手段により生成されたシンボル系列が分岐されることで得られるM個のシンボル系列のそれぞれに対して、付与する全ての周波数オフセット同士の差が、fの整数倍を除くf/Tの整数倍となるように、前記M個のシンボル系列に対して周波数オフセットを付与する複数の周波数オフセット付与手段と、
    前記周波数オフセット付与手段により周波数オフセットが付与されたM個のシンボル系列を前記複数の送信アンテナを通じて送信する送信手段と
    を備えることを特徴とする送信装置。
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