JP2008153092A - 電線束の止水部形成装置及び止水部形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業が容易に行えかつ簡素化・省スペース化を図ることが可能な止水部形成装置を提供する。
【解決手段】止水部形成装置10は、基台6と、基台6上に互いに間隔をあけて配された一対の電線支持具7と、この電線支持具7によりその長手方向が水平方向になるように位置決めされたワイヤハーネス1に対して互いに接離自在に設けられるとともにこのワイヤハーネス1をその幅方向の中央に位置する電線1aを最も高くかつその幅方向の端に位置する電線1aに向かうにしたがって徐々に低くなるようにばらけさせた状態で固定する下型8及び上型18と、止水材11を載置した状態でワイヤハーネス1の下面に当接する止水材載置部9と、ワイヤハーネス1の上面との間に止水材11を位置付けるとともに止水材載置部9との間にワイヤハーネス1を挟み付けて各電線1aの外周面間に止水材11を回り込ませる電線束押圧部19と、を有している。
【選択図】図6
【解決手段】止水部形成装置10は、基台6と、基台6上に互いに間隔をあけて配された一対の電線支持具7と、この電線支持具7によりその長手方向が水平方向になるように位置決めされたワイヤハーネス1に対して互いに接離自在に設けられるとともにこのワイヤハーネス1をその幅方向の中央に位置する電線1aを最も高くかつその幅方向の端に位置する電線1aに向かうにしたがって徐々に低くなるようにばらけさせた状態で固定する下型8及び上型18と、止水材11を載置した状態でワイヤハーネス1の下面に当接する止水材載置部9と、ワイヤハーネス1の上面との間に止水材11を位置付けるとともに止水材載置部9との間にワイヤハーネス1を挟み付けて各電線1aの外周面間に止水材11を回り込ませる電線束押圧部19と、を有している。
【選択図】図6
Description
本発明は、複数の被覆電線が束ねられた電線束の所定位置に止水部を形成する止水部形成装置及び止水部形成方法に関する(なお、本発明の説明における『止水』は、水の浸入を阻止することに限らず、水、油、アルコール、等を含む液体全般に有効に作用することを意味するが、ここでは一般的に名称として広く用いられている『止水』を用いて説明する。)。
従来より、自動車の室内から室外へワイヤハーネスを配線するためにグロメットが使用されている。このグロメットは、前記室内と前記室外とを仕切るパネルにワイヤハーネスを通すためのもので、パネルの取付孔に嵌め込んで取付孔を密閉状態に保ちながらワイヤハーネスを貫通させるものである。また、このワイヤハーネスは端末に端子が取り付けられた電線が複数束ねられて構成されたものである。
上記ワイヤハーネスは、毛細管現象等により電線間を伝った液体が前記室内に侵入するおそれがあることから、ワイヤハーネスのグロメットを貫通した箇所に止水部を形成することが一般的に行われている。図9及び図10は、従来のワイヤハーネスの止水部形成方法を説明するための斜視図である。
図9に示す止水部形成方法(特許文献1を参照。)は、基台100上に互いに間をあけて配置された一対の電線支持具101のU字状の電線通し部101bにワイヤハーネス103を通してこのワイヤハーネス103をその長手方向が水平になるように位置決めするとともに、一対の電線支持具101間に棒状部材102を位置付けることにより、このワイヤハーネス103の幅方向の中央に空隙を形成して、この空隙の内側及び外側からワイヤハーネス103の各電線103aの表面に液状(低粘度)の止水材104を塗布する。そして、止水材104が塗布されたワイヤハーネス103の外周を図示しないシートで巻き締めることによりワイヤハーネス103を断面円形に整形し、各電線103a間に止水材104が充填された止水部を形成する。
しかしながら、図9に示した上記止水部形成方法では、液状の止水材104を使用することから、この止水材104を塗布する際に液垂れした止水材104がワイヤハーネス103の他部位に付着してしまったり、設備を汚してしまうという問題があった。また、この液状の止水材104を塗布するためには専用の止水材塗布装置が必要になり、設備が複雑化・大型化してしまうという問題があった。また、液垂れすることのないパテ状(高粘度)の止水材を用いることも考えられるが、図9に示すようにワイヤハーネス103の各電線103aを重力方向に沿って整列させると、パテ状(高粘度)の止水材は下に落ちてしまい、これら電線103aに付着させることができない。
また、図10に示す止水部形成方法(特許文献2を参照。)は、基台200上に互いに間をあけて配置された一対の電線固定具201間にワイヤハーネス203を位置付けるとともにワイヤハーネス203の各電線203aを水平方向に整列させて固定し、これらの電線203aの上方から高粘度の止水材204を塗布した後、ワイヤハーネス203の外周をシート205で巻き締めることによりワイヤハーネス203を断面円形に整形し、各電線203a間に止水材204が充填された止水部を形成する。
しかしながら、図10に示した上記止水部形成方法では、ワイヤハーネス203の各電線203aをワイヤハーネス203の幅方向に沿って水平方向に広げるようにしているので、基台200上に大きなスペースが必要となり、設備が大型化してしまうという問題があった。また、このワイヤハーネス203を重力方向に沿って2段重ねにした場合は、重なり合った電線203a間に止水材204が回り込み難いという問題があった。
特開2005−71791号公報
特開2000−48649号公報
したがって、本発明は、作業が容易に行えかつ設備の簡素化・省スペース化を図ることが可能な止水部形成装置及び止水部形成方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、複数の電線が束ねられた電線束の所定位置における前記各電線の外周面間にパテ状の合成樹脂で構成された止水材を充填して止水部を形成する止水部形成装置であって、前記電線束をその長手方向が水平になるように位置決めする位置決め手段と、位置決めされた電線束の前記止水部が形成される箇所の近傍を、該電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も高く、かつ、該電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に低くなるように固定する固定手段と、前記電線束の下面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記電線束と相対する面に前記止水材を載置した状態で前記電線束の下面と当接する止水材載置部と、前記電線束の上面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記上面に前記止水材が載置された状態の前記電線束を前記止水材載置部との間に挟んで押さえ付けることにより、前記止水材を前記各電線の外周面間に回り込ませる電線束押圧部と、を有したことを特徴とする止水部形成装置である。
請求項2に記載された発明は、複数の電線が束ねられた電線束の所定位置における前記各電線の外周面間にパテ状の合成樹脂で構成された止水材を充填して止水部を形成する止水部形成装置であって、前記電線束をその長手方向が水平になるように位置決めする位置決め手段と、位置決めされた電線束の前記止水部が形成される箇所の近傍を、該電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も低く、かつ、該電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に高くなるように固定する固定手段と、前記電線束の下面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記電線束と相対する面に前記止水材を載置した状態で前記電線束の下面と当接する止水材載置部と、前記電線束の上面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記上面に前記止水材が載置された状態の前記電線束を前記止水材載置部との間に挟んで押さえ付けることにより、前記止水材を前記各電線の外周面間に回り込ませる電線束押圧部と、を有したことを特徴とする止水部形成装置である。
請求項3に記載された発明は、請求項1または請求項2に記載された発明において、前記固定手段、及び前記止水材載置部、及び前記電線束押圧部の前記電線束の幅方向の中央と当接する箇所が曲面に形成されていることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、複数の電線が束ねられた電線束の所定位置における前記各電線の外周面間に止水材を充填して止水部を形成する止水部形成方法であって、前記電線束をその長手方向が水平になるように位置決めした後、該電線束の前記止水部が形成される箇所の近傍を、該電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も高く、かつ、該電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に低くなるように固定する電線束固定工程と、前記電線束の下面の外形に沿った形状に形成されかつ前記電線束と相対する面にパテ状の合成樹脂で構成された前記止水材が載置された止水材載置部を前記電線束の下面と当接させるとともに、前記電線束の上面に前記止水材を載置する止水材載置工程と、前記電線束を、前記電線束の上面の外形に沿った形状に形成された電線束押圧部と前記止水材載置部との間に挟んで押さえ付けることにより、前記止水材を前記各電線の外周面間に回り込ませる電線束押圧工程と、前記止水材が充填された前記電線束を断面円形に整形する電線束整形工程と、を順次有することを特徴とする止水部形成方法である。
請求項1に記載された発明によれば、固定手段により、電線束の止水部が形成される箇所の近傍を、電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も高く、かつ、電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に低くなるように固定することから、この電線束の上面にパテ状の止水材を載置することができるとともに止水材載置部上に載置した止水材を電線束の下面に沿わせることができる。また、このように電線束を3次元的に広げることにより、電線束の表面積を広くすることができかつ作業台の面積を小さくすることができる。そして、パテ状の止水材を使用するので、この止水材が垂れて電線束の他の部位に付着したり設備を汚すことがないとともに、止水材の硬化時間を短縮でき生産性を向上させることができる。また、止水材がパテ状であるので、作業員が手で持って止水材載置部や電線束の上面に載置することができ、複雑な構成の止水材塗布装置を用いる必要がない。また、止水材載置部と電線束押圧部との間に電線束を挟んでこの電線束を押さえ付けることにより、止水材を各電線の外周面間に隙間なく回り込ませることができる。これらのことによって、作業が容易に行えかつ設備を簡素化・省スペース化することができる止水部形成装置を提供することができる。
請求項2に記載された発明によれば、固定手段により、電線束の止水部が形成される箇所の近傍を、電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も低く、かつ、電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に高くなるように固定することから、この電線束の上面にパテ状の止水材を載置することができるとともに止水材載置部上に載置した止水材を電線束の下面に沿わせることができる。また、このように電線束を3次元的に広げることにより、電線束の表面積を広くすることができかつ作業台の面積を小さくすることができる。そして、パテ状の止水材を使用するので、この止水材が垂れて電線束の他の部位に付着したり設備を汚すことがないとともに、止水材の硬化時間を短縮でき生産性を向上させることができる。また、止水材がパテ状であるので、作業員が手で持って止水材載置部や電線束の上面に載置することができ、複雑な構成の止水材塗布装置を用いる必要がない。また、止水材載置部と電線束押圧部との間に電線束を挟んでこの電線束を押さえ付けることにより、止水材を各電線の外周面間に隙間なく回り込ませることができる。これらのことによって、作業が容易に行えかつ設備を簡素化・省スペース化することができる止水部形成装置を提供することができる。
請求項3に記載された発明によれば、固定手段、及び止水材載置部、及び電線束押圧部の電線束の幅方向の中央と当接する箇所が曲面に形成されていることから、この電線束が傷付くことを防止できる。
請求項4に記載された発明によれば、電線束の止水部が形成される箇所の近傍を、該電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も高く、かつ、該電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に低くなるように固定することにより、この電線束の上面にパテ状の止水材を載置することができる。また、このように電線束を3次元的に広げることにより、電線束の表面積を広くすることができかつ作業台の面積を小さくすることができる。そして、パテ状の止水材を使用するので、この止水材が垂れて電線束の他の部位に付着したり設備を汚すことがないとともに、止水材の硬化時間を短縮でき生産性を向上させることができる。また、止水材がパテ状であるので、作業員が手で持って止水材載置部や電線束の上面に載置することができ、複雑な構成の止水材塗布装置を用いる必要がない。また、止水材載置部と電線束押圧部との間に電線束を挟んでこの電線束を押さえ付けることにより、止水材を各電線の外周面間に隙間なく回り込ませることができる。これらのことによって、作業が容易に行えるとともに、設備を簡素化・省スペース化することができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る電線束の止水部形成装置及び止水部形成方法を図1ないし図8に基づいて詳細に説明する。また、本実施形態では、芯線の外周に絶縁被覆が施された被覆電線1a(以下、単に電線と呼ぶ。)が複数束ねられた電線束としてのワイヤハーネス1を例に挙げて説明する。
上記ワイヤハーネス1は、図1に示すように、自動車の室内と室外とを仕切るパネル4の取付孔に装着されたグロメット3の内側を通されている。なお、このグロメット3は、ゴムなどの弾性素材で構成されているとともに、パネル4の取付孔に密着する大径部3aと、大径部3aよりも外周が小さく形成された小径部3bと、を有し、筒状に形成されている。そして、この小径部3bの内周面に上記ワイヤハーネス1の外周面が密着している。
さらに、このワイヤハーネス1の小径部3bの内側に位置付けられる箇所には、止水部2が形成されている。この「止水部2」とは、後述の止水部形成装置10により形成されるとともに、各電線1aの外周面間に後述の止水材11が充填された部分を意味する。そして、このように、パネル4の取付孔とグロメット3とが密着し、グロメット3とワイヤハーネス1の止水部2が形成された外周面とが密着し、ワイヤハーネス1の各電線1a間が止水部2により止水されていることにより、自動車の室外から室内に水などの液体が侵入することが防止される。
また、本発明の説明における『止水』は、水の浸入を阻止することに限らず、水、油、アルコール、等を含む液体全般に有効に作用することを意味するが、ここでは一般的に名称として広く用いられている『止水』を用いて説明する。
続いて、上記止水部2を形成する止水部形成装置10について説明する。止水部形成装置10は、図2ないし図8に示すように、中央に貫通孔6aが形成された板状の基台6と、位置決め手段としての一対の電線支持具7と、固定手段としての下型8及び上型18と、止水材載置部9と、電線束押圧部19と、を有している。
上記一対の電線支持具7は、直線状に延びた直線部7aと、直線部7aの一端に連なりかつU字状に形成された電線支持部7bと、を有している。この直線部7aの電線支持部7bから離れた他端は基台6に固定されている。これら一対の電線支持具7は、互いの間に貫通孔6aを位置付ける位置に配されており、図1に示すように、それぞれの電線支持部7bにワイヤハーネス1を通すことにより、このワイヤハーネス1をその長手方向が水平になるように位置決めする。
上記下型8は、板状に形成されかつ、貫通孔6aの内側に位置付けられているとともに、この貫通孔6aを通って基台6の下方から上方に亘って鉛直方向に沿って昇降自在に設けられている。また、この下型8は、その幅方向が上記一対の電線支持具7により位置決めされたワイヤハーネス1の幅方向と平行になり、その長手方向がワイヤハーネス1の長手方向と直交する向きで配されている。また、この下型8は、基台6寄りに位置する長手方向の一端の形状が、幅方向の中央が高く、幅方向の端に向かうにしたがって徐々に低くなる先細状に形成されている。さらに、この下型8の一端の中央8aは、丸みを持った曲面に形成されている。
また、本明細書において「高い」とは重力方向の上側を意味し、「低い」とは重力方向の下側を意味している。また、図2ないし図8においては、紙面上の上側が重力方向の上側にあたり、紙面上の下側が重力方向の下側にあたる。
上記上型18は、上記下型8の上方に配されているとともに、上述した下型8の長手方向の一端の外形に応じた形状、即ち幅方向の中央が高く、幅方向の端に向かうにしたがって徐々に低くなる平面視逆V字状、に形成されている。この上型18の下型8と相対する面の幅方向中央18aは、丸みを持った曲面に形成されている。このような上型18は、ロボットアーム28の先端に連結されており、あらゆる方向に移動自在に設けられている。
上述した下型8及び上型18は、一対の電線支持具7により位置決めされたワイヤハーネス1から離れた位置と、該ワイヤハーネス1に当接する位置と、に亘って移動する。そして、ワイヤハーネス1に当接することにより、図4などに示すように、束ねられた複数の電線1aをこれら下型8及び上型18の表面形状に沿ってばらけさせるとともに、下型8と上型18との間にこれら複数の電線1aを挟むことによりこれらを固定する。また、ワイヤハーネス1と当接する下型8の中央8a及び上型18の中央18aは、上述したように曲面に形成されているので電線1aを傷付けることがない。
上記止水材載置部9は、平面形状が上記下型8とほぼ同一形状に形成されている。即ち、下型8及び上型18により固定されたワイヤハーネス1の下面の外形に沿った形状に形成されている。また、止水材載置部9は、貫通孔6aの内側に位置付けられているとともに、一対の電線支持具7により位置決めされたワイヤハーネス1の長手方向に沿って下型8と並べられて下型8の近傍に設けられている。また、止水材載置部9は、下型8と同様に貫通孔6aを通って基台6の下方から上方に亘って鉛直方向に沿って昇降自在に設けられている。さらに、この止水材載置部9の長手方向の一端の中央9aは、丸みを持った曲面に形成されている。
上記電線束押圧部19は、上記止水材載置部9の上方に配されているとともに、平面形状が上記上型18とほぼ同一形状に形成されている。即ち、下型8及び上型18により固定されたワイヤハーネス1の上面の外形に沿った形状に形成されている。この電線束押圧部19の止水材載置部9と相対する面の幅方向中央19aは、丸みを持った曲面に形成されている。このような電線束押圧部19は、ロボットアーム29の先端に連結されており、あらゆる方向に移動自在に設けられている。
上述した止水材載置部9及び電線束押圧部19は、下型8及び上型18により固定されたワイヤハーネス1から離れた位置と、該ワイヤハーネス1に当接する位置と、に亘って移動する。そして、止水材載置部9及び電線束押圧部19は、互いの間にワイヤハーネス1を挟んでこのワイヤハーネス1を押さえ付けることにより、止水材載置部9及び電線束押圧部19とワイヤハーネス1との間にそれぞれ位置付けられた止水材11(図6を参照。)を各電線1aの外周面間に回り込ませる。また、ワイヤハーネス1と当接する止水材載置部9の中央9a及び電線束押圧部19の中央19aは、上述したように曲面に形成されているので電線1aを傷付けることがない。
また、本発明の止水材11は、ポリウレタン樹脂などの合成樹脂、または高粘度のシリコーン樹脂で構成されており、上述したように固定されたワイヤハーネス1の電線1a間に充填する時点では、パテ状である。また、この止水材11は、図示しないディスペンサーから押出された状態ではヒモ状の外形をなしており、作業員が手で持つことが可能である。また、この止水材11は、時間の経過により硬化する性質を有している。
続いて、上述した構成の止水部形成装置10を用いてワイヤハーネス1に止水部2を形成する方法を説明する。
まず、図2に示すように、下型8及び止水材載置部9を基台6の下方に位置付けるとともに、上型18及び電線束押圧部19を基台6から離れた位置に位置付ける。この状態で一対の電線支持具7の電線支持部7bそれぞれにワイヤハーネス1を通すことにより、このワイヤハーネス1をその長手方向が水平になるように位置決めする。
そして、図3に示すように、下型8をワイヤハーネス1に向かって上昇させるとともに、複数の電線1aが束ねられたワイヤハーネス1を下型8の表面形状に沿って、ワイヤハーネス1の幅方向の中央に位置する電線1aを最も高く、かつ、ワイヤハーネス1の幅方向の端に位置する電線1aに向かうにしたがって徐々に低くなるようにばらけさせる。
そして、図4に示すように、上型18をワイヤハーネス1及び下型8に向かって下降させるとともに、下型8との間にワイヤハーネス1を挟んでこのワイヤハーネス1を固定する(特許請求の範囲に記載した電線束固定工程に相当する。)。
そして、図5に示すように、外形がヒモ状に形成されたパテ状の止水材11を、止水材載置部9の長手方向の一端、即ちワイヤハーネス1の下面と相対する面、に載置する。そして、この止水材載置部9を図6に示すように、ワイヤハーネス1に向かって上昇させることにより載置された止水材11をワイヤハーネス1の下面に沿わせるとともに、ワイヤハーネス1の上面に新たな止水材11を載置する(特許請求の範囲に記載した止水材載置工程に相当する。)。また、この止水材11の載置作業は作業員の手作業により行う。
そして、図7に示すように、電線束押圧部19をワイヤハーネス1及び止水材載置部9に向かって下降させるとともに、止水材載置部9との間にワイヤハーネス1及び止水材11を挟んでこのワイヤハーネス1を押さえ付けることにより、止水材11を各電線1aの外周面間に回り込ませる(特許請求の範囲に記載した電線束押圧工程に相当する。)。
そして、図8に示すように、下型8及び止水材載置部9を基台6の下方に下降させるとともに、上型18及び電線束押圧部19を基台6から離れた位置に上昇させた後、ワイヤハーネス1の止水材11が充填された箇所の外周を合成樹脂製のシート12で巻き締めることによりワイヤハーネス1を断面円形に整形する(特許請求の範囲に記載した電線束整形工程に相当する。)。
その後、所定の時間を置くことにより、各電線1a間に回り込んだ止水材11が硬化し、図1に示された止水部2となる。
本実施形態によれば、下型8及び上型18により、ワイヤハーネス1の止水部2が形成される箇所の近傍を、ワイヤハーネス1の幅方向の中央に位置する電線1aを最も高く、かつ、ワイヤハーネス1の幅方向の端に位置する電線1aに向かうにしたがって徐々に低くなるように固定することから、このワイヤハーネス1の上面にパテ状の止水材11を載置することができるとともに止水材載置部9上に載置した止水材11をワイヤハーネス1の下面に沿わせることができる。また、このようにワイヤハーネス1を3次元的に広げることにより、ワイヤハーネス1の表面積を広くすることができかつ基台6の面積を小さくすることができる。そして、パテ状の止水材11を使用するので、この止水材11が垂れてワイヤハーネス1の他の部位に付着したり基台6などを汚すことがないとともに、止水材11の硬化時間を短縮でき生産性を向上させることができる。また、止水材11がパテ状であるので、作業員が手で持って止水材載置部9やワイヤハーネス1の上面に載置することができ、複雑な構成の止水材塗布装置を用いる必要がない。また、止水材載置部9と電線束押圧部19との間にワイヤハーネス1を挟んでこのワイヤハーネス1を押さえ付けることにより、止水材11を各電線1aの外周面間に隙間なく回り込ませることができる。これらのことによって、止水部形成作業が容易に行えるとともに、止水部形成装置10を簡素化・省スペース化することができる。
また、上述した実施形態で説明した止水部形成装置10は、幅方向の中央が高く、幅方向の端に向かうにしたがって徐々に低くなる先細状に形成された下型8及び止水材載置部9と、これらの形状に対応した上型18及び電線束押圧部19と、を有した構成であったが、本発明の止水部形成装置は、幅方向の中央が低く、幅方向の端に向かうにしたがって徐々に高くなる谷状に形成された下型及び止水材載置部と、これらの形状に対応した上型及び電線束押圧部と、を有した構成であっても良い。
また、上述した実施形態で説明した止水部形成装置10は、固定手段としての下型8及び上型18を一対のみ有していたが、本発明の止水部形成装置は、例えば止水部2が形成される箇所を間に挟んで固定手段としての下型8及び上型18を二対有していても良く、これらを二対以上有した構成であっても良い。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
1 ワイヤハーネス(電線束)
1a 電線
2 止水部
7 電線支持具(位置決め手段)
8 下型(固定手段)
9 止水材載置部
10 止水部形成装置
11 止水材
18 上型(固定手段)
19 電線束押圧部
1a 電線
2 止水部
7 電線支持具(位置決め手段)
8 下型(固定手段)
9 止水材載置部
10 止水部形成装置
11 止水材
18 上型(固定手段)
19 電線束押圧部
Claims (4)
- 複数の電線が束ねられた電線束の所定位置における前記各電線の外周面間にパテ状の合成樹脂で構成された止水材を充填して止水部を形成する止水部形成装置であって、
前記電線束をその長手方向が水平になるように位置決めする位置決め手段と、
位置決めされた電線束の前記止水部が形成される箇所の近傍を、該電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も高く、かつ、該電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に低くなるように固定する固定手段と、
前記電線束の下面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記電線束と相対する面に前記止水材を載置した状態で前記電線束の下面と当接する止水材載置部と、
前記電線束の上面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記上面に前記止水材が載置された状態の前記電線束を前記止水材載置部との間に挟んで押さえ付けることにより、前記止水材を前記各電線の外周面間に回り込ませる電線束押圧部と、
を有したことを特徴とする止水部形成装置。 - 複数の電線が束ねられた電線束の所定位置における前記各電線の外周面間にパテ状の合成樹脂で構成された止水材を充填して止水部を形成する止水部形成装置であって、
前記電線束をその長手方向が水平になるように位置決めする位置決め手段と、
位置決めされた電線束の前記止水部が形成される箇所の近傍を、該電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も低く、かつ、該電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に高くなるように固定する固定手段と、
前記電線束の下面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記電線束と相対する面に前記止水材を載置した状態で前記電線束の下面と当接する止水材載置部と、
前記電線束の上面の外形に沿った形状に形成されかつ、前記上面に前記止水材が載置された状態の前記電線束を前記止水材載置部との間に挟んで押さえ付けることにより、前記止水材を前記各電線の外周面間に回り込ませる電線束押圧部と、
を有したことを特徴とする止水部形成装置。 - 前記固定手段、及び前記止水材載置部、及び前記電線束押圧部の前記電線束の幅方向の中央と当接する箇所が曲面に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の止水部形成装置。
- 複数の電線が束ねられた電線束の所定位置における前記各電線の外周面間に止水材を充填して止水部を形成する止水部形成方法であって、
前記電線束をその長手方向が水平になるように位置決めした後、該電線束の前記止水部が形成される箇所の近傍を、該電線束の幅方向の中央に位置する電線を最も高く、かつ、該電線束の幅方向の端に位置する電線に向かうにしたがって徐々に低くなるように固定する電線束固定工程と、
前記電線束の下面の外形に沿った形状に形成されかつ前記電線束と相対する面にパテ状の合成樹脂で構成された前記止水材が載置された止水材載置部を前記電線束の下面と当接させるとともに、前記電線束の上面に前記止水材を載置する止水材載置工程と、
前記電線束を、前記電線束の上面の外形に沿った形状に形成された電線束押圧部と前記止水材載置部との間に挟んで押さえ付けることにより、前記止水材を前記各電線の外周面間に回り込ませる電線束押圧工程と、
前記止水材が充填された前記電線束を断面円形に整形する電線束整形工程と、
を順次有することを特徴とする止水部形成方法。
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