JP2008152885A - ディスクプレイヤの扉開閉装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】復元力の大きなバネや高トルクのモータを必要とせず、かつ、緩やかに開閉動作を行うことができるディスクプレイヤの扉開閉装置を提供する。
【解決手段】一方端が扉に固着し、他方端がディスクプレイヤ本体に回動自在に支持された左扉開閉部材2と、左扉開閉部材の回動軸2aに固着され左扉開閉部材と連動して回動する、第1ボス3aと第2ボス3bとを設けられたレバー3と、左扉開閉部材の回動軸2aに回動自在に設けられ、第1リブ4aと第2リブ4bとを設けられたギア4と、ギア4に噛合され、ギア4の回動を抑制するダンパー5と、扉を閉じるように左扉開閉部材2を回動させる方向に働く左トーションバネ6とを備え、第1ボス3aが第1リブ4aに当接している間、及び、第2ボス3bが第2リブ4bに当接している間のみ、扉の開閉動作がダンパー5により抑制される。
【選択図】図2
【解決手段】一方端が扉に固着し、他方端がディスクプレイヤ本体に回動自在に支持された左扉開閉部材2と、左扉開閉部材の回動軸2aに固着され左扉開閉部材と連動して回動する、第1ボス3aと第2ボス3bとを設けられたレバー3と、左扉開閉部材の回動軸2aに回動自在に設けられ、第1リブ4aと第2リブ4bとを設けられたギア4と、ギア4に噛合され、ギア4の回動を抑制するダンパー5と、扉を閉じるように左扉開閉部材2を回動させる方向に働く左トーションバネ6とを備え、第1ボス3aが第1リブ4aに当接している間、及び、第2ボス3bが第2リブ4bに当接している間のみ、扉の開閉動作がダンパー5により抑制される。
【選択図】図2
Description
本願発明は、ディスクプレイヤのディスク装着トレイを出し入れさせる開口窓に設けられた扉の開閉を行う扉開閉装置に関する。
従来、ディスクプレイヤのディスク装着トレイ(以下、「トレイ」と略する。)を出し入れさせる開口窓に設けられた扉を、開けるときはトレイの扉を押す力を利用し、閉じるときはバネの復元力を利用する扉開閉装置があった。例えば、実開平5−90680公報には、通常はスプリングの復元力により扉を閉じているが、モータ駆動で動くトレイが扉の裏側に設けられたローラを直接押すことで扉を開ける扉開閉装置が記載されている。
また、引っ張りコイルバネの代わりにトーションバネを用いる扉開閉装置も知られている。図13は、従来のトーションバネを用いたディスクプレイヤの扉開閉装置の全体斜視図である。図13は、トーションバネの復元力により扉が閉じている状態の扉開閉装置を、ディスクプレイヤの内部から見た図である。
この扉開閉装置は、左扉開閉部材102、右扉開閉部材107、左トーションバネ106、右トーションバネ108、扉109、トレイ蓋110、トレイ111により構成されている。なお、ディスクプレイヤの正面(図13において、紙面裏側)から扉109を見たとき、左側に位置する扉開閉部材、トーションバネを左扉開閉部材102、左トーションバネ106としている。
左扉開閉部材102は、「く」の字型の板状部材の一方端の先端部分に扉109の左端部裏側に固着するための扉固着部102dが設けられた形状を成している。左扉開閉部材102の他方端の一方の面(組み立て時に外側となる面)には、ディスクプレイヤ本体101の一部に設けられた挿入孔101aに挿入されて回動自在に支持されるための回動軸102aが設けられている。また、前記回動軸102aの反対側には、左トーションバネ106のコイル部分を挿入するための円柱状の突起であるバネ取付用突起102bが設けられている。また、左扉開閉部材102のバネ取付用突起102bが設けられた面の外側屈曲部付近には、左トーションバネ106の一方端を固定するためのバネ受け102cが設けられている。
左トーションバネ106は、そのコイル部分が左扉開閉部材のバネ取付用突起102bに回動自在に挿入されている。左トーションバネ106の一方端は、左扉開閉部材のバネ受け102cで左扉開閉部材102に固定され、他方端は、ディスクプレイヤ本体101の一部に設けられたバネ受け101bに固定されている。左トーションバネ106の復元力は、左扉開閉部材102の、回動軸102aを中心とした図13における反時計回り方向の回動のために働く。
右扉開閉部材107は、「く」の字型の板状部材の一方端の先端部分に扉109の右端部裏側に固着するための扉固着部107dが設けられた形状を成している。右扉開閉部材107の他方端には、ディスクプレイヤ本体101の一部に設けられた回動軸101dに挿入されて回動自在に支持されるための穴である挿入穴107aが穿設されている。また、右扉開閉部材107の一方の面(組み立て時に内側となる面)の外側屈曲部付近には、右トーションバネ108の一方端を固定するためのバネ受け107cが設けられている。
右トーションバネ108は、そのコイル部分が、ディスクプレイヤ本体101の一部に設けられた回動軸101dに回動自在に挿入されている。右トーションバネ108の一方端は、右扉開閉部材のバネ受け107cに固定され、他方端は、ディスクプレイヤ本体101の一部に設けられたバネ受け101cに固定されている。右トーションバネ108の復元力は、右扉開閉部材107の、挿入穴107aを中心とした図13における反時計回り方向の回動のために働く。
扉109は、左端部裏側を左扉開閉部材102に固着され、右端部裏側を右扉開閉部材107に固着されている。よって、扉109は、左扉開閉部材102と右扉開閉部材107の回動に伴って移動し、自在に開閉動作を行なうことができる。図13においては、各トーションバネ106,108の復元力(以下、「バネの復元力」という。)により、各扉開閉部材102,107を通して扉109に力F’が働く。扉109は、図示しないディスクプレイヤ本体101の開口窓により、所定位置からの更なる移動を阻止され、扉109は閉位置にある状態を維持している。
次に、従来のトーションバネを用いたディスクプレイヤの扉開閉装置の開閉動作について、図14〜図15を用いて説明する。なお、これらの図は、図13におけるA’の方向から見た図なので、扉109を正面から見たときの右側部分は図示されていない。
図14は、扉開閉装置とその周辺部分を横(図13におけるA’の方向)から見た図であり、扉109が閉位置にある状態である。このとき、バネの復元力が働くが、開口窓112により回動を阻止されているので、扉109は閉位置にある状態を維持している。
この扉開閉装置は、トレイ111の図の右方向への移動により、扉109を開く構造となっている。すなわち、トレイ111が図示しないモータにより図の右方向に移動されたとき、トレイ蓋110が左扉開閉部材の扉固着部102dと右扉開閉部材の扉固着部107dとを押すことで、扉109が両扉開閉部材102,107と共に回動し、扉109が開く。
図15は、扉109が、両扉開閉部材102,107の回動方向に重力が働かない位置に達したところである。すなわち、扉109及び両扉開閉部材102,107を合わせた重心が回動中心である左扉開閉部材の回動軸102aとディスクプレイヤ本体の回動軸101dの鉛直上方に位置していて、回動方向の重力が働いていない状態である。この状態以降は、扉109及び両扉開閉部材102,107に、トレイ蓋110の押す力に加えて、重力の図における時計回り方向の成分が働き、扉109の回動速度は増加する。
また、この扉開閉装置は、トレイ111の図の左方向への移動により、扉109を閉じる構造となっている。すなわち、トレイ111が図示しないモータにより図の左方向に移動されたとき、トレイ蓋110による左扉開閉部材の扉固着部102dと右扉開閉部材の扉固着部107dの支えがなくなり、バネの復元力によって、扉109が両扉開閉部材102,107と共に回動し、扉109が閉じる。
しかしながら、トレイ蓋110の押す力とバネの復元力及び扉にかかる重力の回動方向成分により扉109の開閉を行なうので、扉109の開閉動作が急となり高級感に欠ける。特に、扉109の開く動作における開位置付近や閉じる動作における閉位置付近は、重力の回動方向成分が大きく、急な開閉動作による使用部品の損傷や劣化も問題となる。そこで、扉109の開閉動作を緩やかにするため、ダンパーを設けたものが知られている。ダンパーとは、オイル等の粘性抵抗を利用して急激な回動運動を抑制するための部品である。このダンパーにより、両扉開閉部材102,107の急激な回動運動は抑制され、扉109を緩やかに開閉させることができるようになっている。
しかし、ダンパーによる抑制力が働くことで、それに対抗できるようバネの復元力を強いものにしなければならず、また、トレイ蓋110の押す力を増すために、トレイ111を移動させるモータのトルクも高いものにしなければならない。
従来の扉開閉装置にダンパーを取り付けた場合、扉109が開位置から閉じるとき図15の状態までは、重力の回動方向成分が扉109を開く方向に働き、ダンパーの抑制力は回動方向とは反対の方向に働くので、扉109を閉じるためには、バネの復元力>(ダンパーの抑制力+重力の回動方向成分)となるトーションバネが必要になる。すなわち、ダンパーのないときより強力なトーションバネが必要となる。
また、扉109が閉位置から開くとき、図14の状態から図15の状態までは、重力の回動方向成分が扉109を閉じる方向に働き、ダンパーの抑制力は回動方向とは反対の方向に働くので、扉109を開くためには、トレイ蓋110が押す力(=モータのトルク)>(バネの復元力+ダンパーの抑制力+重力の回動方向成分)となるモータが必要になる。上記のように、扉109を閉じるためにトーションバネが強力にされている上に、ダンパーの抑止力にも対抗しないといけないので、高トルクのモータが必要となる。高トルクのモータは高額で、電力の消費量も多く、また、高トルクのモータによる回転力がかかるためにトーションバネが劣化しやすいという問題もある。
本願発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、復元力の大きなバネや高トルクのモータを必要とせず、かつ、開閉動作を緩やかにできるディスクプレイヤの扉開閉装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
本願発明によって提供されるディスクプレイヤの扉開閉装置は、ディスクをディスクプレイヤ本体に装着脱するためのディスク装着トレイを出し入れさせる開口窓を開閉するための扉と、一方端が前記扉に固着され、他方端が前記ディスクプレイヤ本体に回動自在に支持された扉開閉部材と、前記扉開閉部材に前記扉を閉じる方向の回動力を付与するトーションバネとを備え、前記ディスク装着トレイが前記開口窓から引き出されるときは当該ディスク装着トレイの押圧力により前記扉開閉部材を回動させて前記扉を所定の開位置に移動させ、前記ディスク装着トレイが前記開口窓に引き込まれるときは前記トーションバネにより前記扉開閉部材を回動させて前記扉を所定の閉位置に移動させる扉開閉装置であって、前記扉開閉部材の回動力を抑制する抑制部材と、前記扉の開閉動作における前記抑制部材が前記扉開閉部材の回動力を抑制する区間を制限する制限部材とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
上記構成によれば、ディスクプレイヤの扉開閉装置に、扉開閉部材の回動力を抑制する抑制部材と、その抑制する区間を制限する制限部材を設けたので、扉開閉部材の回動力を抑制する区間と抑制しない区間を設定することができ、緩やかな開閉動作を必要とする区間は扉開閉部材の回動力を抑制し、それ以外の区間は扉開閉部材の回動力を抑制しないので、開閉動作にかける力を減らすことができる。
なお、請求項1に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置において、前記抑制部材は、回転時に前記扉開閉部材の回動力を吸収する回転部材からなり、前記制限部材は、前記扉開閉部材の回動軸と前記回転部材の回転軸とを連結する連結部材と、前記扉開閉部材の全回動範囲の一部の区間で当該扉開閉部材の回動力を前記連結部材を介して前記回転部材に伝達させる伝達制御部材とからなるとよい。(請求項2)。
上記構成によれば、抑制部材は回転時に扉開閉部材の回動力を吸収する回転部材とし、制限部材は、扉開閉部材の回動軸と回転部材の回転軸とを連結する連結部材と、扉開閉部材の全回動範囲の一部の区間で当該扉開閉部材の回動力を連結部材を介して回転部材に伝達させる伝達制御部材としたので、扉開閉部材の全回動範囲の一部の区間(緩やかな開閉動作を必要とする区間)でのみ扉開閉部材の回動力を回転部材に伝えて吸収することができる。
また、前記連結部材は、前記扉開閉部材の回動軸に回動自在に設けられた板状の第1のギアと、前記回転部材の回転軸に固着され、前記第1のギアに噛合された第2のギアとからなり、前記伝達制御部材は、前記第1のギアの一方面に回動中心を挟む角度が所定の第1の角度となるように突設された2個の第1の突出部材と、前記扉開閉部材に、開き角が前記第1の角度よりも大きい所定の第2の角度をなすとともに、前記第1の突出部材を挟み込むように設けられた2個の第2の突出部材とからなり、前記扉を前記閉位置から開くときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の一方が前記第1の突出部材の一方に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させ、前記扉を前記開位置から閉じるときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の他方が前記第1の突出部材の他方に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させるとよい。(請求項3)。
上記構成によれば、扉を開く動作時、扉開閉部材に設けられた第2の突出部材の一方が第1のギアに設けられた第1の突出部材の一方に当接している間だけ第1のギアが扉開閉部材と共に回動し、第1のギアが第2のギアを介して回転部材により回動を抑制されることにより、第1のギアと共に回動する扉開閉部材の回動が抑制され、扉開閉部材が固着している扉を開く動作も抑制される。よって、扉の急な開く動作を抑制して、緩やかな開く動作を行なうことができる。また、扉開閉部材が回動開始から所定の角度を回動するまでの、第2の突出部材の一方が第1の突出部材の一方に当接するまでの間は、回転部材が作用せず、回転部材による抑制力に対抗する必要がないので、扉を開くのに必要な力を小さくすることができる。
一方、扉を閉じる動作時、扉開閉部材に設けられた第2の突出部材の他方が第1のギアに設けられた第1の突出部材の他方に当接している間だけ第1のギアが扉開閉部材と共に回動し、第1のギアが第2のギアを介して回転部材により回動を抑制されることにより、第1のギアと共に回動する扉開閉部材の回動が抑制され、扉開閉部材が固着している扉を閉じる動作も抑制される。よって、扉の急な閉じる動作を抑制して、緩やかな閉じる動作を行なうことができる。また、扉開閉部材が回動開始から所定の角度を回動するまでの、第2の突出部材の他方が第1の突出部材の他方に当接するまでの間は、回転部材が作用せず、回転部材による抑制力に対抗する必要がないので、復元力の小さいトーションバネでも扉を閉じることができる。
更に、請求項3に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置において、前記第2の突出部材は、前記扉開閉部材の回動軸に固着されているとよい(請求項4)。
上記構成によれば、扉開閉部材をディスクプレイヤ本体に設置した後に第2の突出部材を扉開閉部材の回動軸に固着できるので、各部材の配置や組み立ての工程に自由度がある。
また、請求項3または4に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置において、前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度は、前記扉を前記閉位置から開くときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の一方が前記第1の突出部材の一方に当接せず、前記扉を前記開位置から閉じるときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の他方が前記第1の突出部材の他方に当接する角度であるとよい(請求項5)。
上記構成によれば、扉を開く動作時、扉に対して閉じる方向に重力が働く間は回転部材が作用しないので、扉を開くのに必要な力を小さくすることができ、扉が所定以上開いてからは回転部材が作用して扉の急な開く動作を抑制することができる。一方、扉を閉じる動作時、扉が所定以上閉じるまでは回転部材が作用しないので、復元力の小さいトーションバネでも扉を閉じることができ、扉に対して閉じる方向に重力が働く間は回転部材が作用して扉の急な閉じる動作を抑制することができる。
また、請求項3または4に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置において、前記第1のギアには、前記2個の第1の突出部材に代えて、両端と当該第1のギアの回動中心とを結ぶ角度が所定の第1の角度となるような1個の第3の突出部材が設けられ、前記扉を前記閉位置から開くときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の一方が前記第3の突出部材の一方端面に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させ、前記扉を前記開位置から閉じるときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の他方が前記第3の突出部材の他方端面に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させるとよい(請求項6)。
上記構成によれば、第1のギアに設けられる突出部材は1つで済み、組み立て時の位置決めにおいて、その第3の突出部材を2個の第2の突出部材の間に位置させればいいだけなので、2個の第1の突出部材を2個の第2の突出部材の間に位置させるより簡単である。
更に、請求項6に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置において、前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度は、前記扉を前記閉位置から開くときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の一方が前記第3の突出部材の一方端面に当接せず、前記扉を前記開位置から閉じるときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の他方が前記第3の突出部材の他方端面に当接する角度であるとよい(請求項7)。
上記構成によれば、扉を開く動作時、扉に対して閉じる方向に重力が働く間は回転部材が作用しないので、扉を開くのに必要な力を小さくすることができ、扉が所定以上開いてからは回転部材が作用して扉の急な開く動作を抑制することができる。一方、扉を閉じる動作時、扉が所定以上閉じるまでは回転部材が作用しないので、復元力の小さいトーションバネでも扉を閉じることができ、扉に対して閉じる方向に重力が働く間は回転部材が作用して扉の急な閉じる動作を抑制することができる。
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係るディスクプレイヤの扉開閉装置の全体斜視図である。図1は、トーションバネの復元力により扉が閉位置にある状態の扉開閉装置を、ディスクプレイヤの内部から見た図である。図2は、第1実施形態に係るディスクプレイヤの扉開閉装置の主要部分の分解斜視図である。
この扉開閉装置は、左扉開閉部材2、レバー3、ギア4、ダンパー5、左トーションバネ6、右扉開閉部材7、右トーションバネ8、扉9、トレイ蓋10、トレイ11により構成されている。ディスクプレイヤの正面(図1において、紙面裏側)から扉9を見たとき、左側に位置する扉開閉部材、トーションバネを左扉開閉部材2、左トーションバネ6としている。図1において、レバー3及び左トーションバネ6は、他の部分に隠されているため図示されていない。
左扉開閉部材2は、「く」の字型の板状部材の一方端の先端部分に扉9の左端部裏側に固着するための扉固着部2dが設けられた形状を成している。左扉開閉部材2の他方端の一方の面(組み立て時に外側となる面)には、図2に示すように、ディスクプレイヤ本体1の一部に設けられた挿入孔1aに挿入されて回動自在に支持されるための回動軸2aが設けられている。また、前記回動軸2aの反対側には、左トーションバネ6のコイル部分を挿入するための円柱状の突起であるバネ取付用突起2bが設けられている。また、左扉開閉部材2のバネ取付用突起2bが設けられた面の外側屈曲部付近には、左トーションバネ6の一方端を固定するためのバネ受け2cが設けられている。
左トーションバネ6は、そのコイル部分が左扉開閉部材のバネ取付用突起2bに回動自在に挿入されている。左トーションバネ6の一方端は、左扉開閉部材のバネ受け2cで左扉開閉部材2に固定され、他方端は、ディスクプレイヤ本体1の一部に設けられたバネ受け1bに固定されている。左トーションバネ6の復元力は、左扉開閉部材の回動軸2aを中心とした図1における反時計回り方向の回動のために働く。
右扉開閉部材7は、「く」の字型の板状部材の一方端の先端部分に扉9の右端部裏側に固着するための扉固着部7dが設けられた形状を成している。右扉開閉部材7の他方端には、ディスクプレイヤ本体1の一部に設けられた回動軸1dに挿入されて回動自在に支持されるための穴である挿入穴7aが穿設されている。また、右扉開閉部材7の一方の面(組み立て時に内側となる面)の外側屈曲部付近には、右トーションバネ8の一方端を固定するためのバネ受け7cが設けられている。
右トーションバネ8は、そのコイル部分が、ディスクプレイヤ本体1の一部に設けられた回動軸1dに回動自在に挿入されている。右トーションバネ8の一方端は、右扉開閉部材のバネ受け7cに固定され、他方端は、ディスクプレイヤ本体1の一部に設けられたバネ受け1cに固定されている。右トーションバネ8の復元力は、右扉開閉部材7の、挿入穴7aを中心とした図1における反時計回り方向の回動のために働く。
扉9は、左端部裏側を左扉開閉部材2に固着され、右端部裏側を右扉開閉部材7に固着されている。よって、扉9は、左扉開閉部材2と右扉開閉部材7の回動に伴って移動し、自在に開閉動作を行なうことができる。図1においては、各トーションバネ6,8の復元力により、各扉開閉部材2,7を通して扉9に力Fが働く。扉9は、図示しないディスクプレイヤ本体1の開口窓により、所定位置からの更なる回動を阻止され、扉9は閉位置にある状態を維持している。
レバー3、ギア4、ダンパー5は、従来の扉開閉装置に追加された構成であり、第1実施形態の主要部分となる。これらの構成により、扉9の開く動作における閉位置付近や閉じる動作における開位置付近ではダンパー5を作用させず、開く動作における開位置付近や閉じる動作における閉位置付近ではダンパー5を作用させることができる。この第1実施形態の主要部分について、図2に分解斜視図を示している。
レバー3は、中心に穴の開いた円柱状の部材の側面の、組立て時に外側となる面(以下、「外側面」という)付近から2本の腕が伸びた構造をしている。2本の腕は、中心軸に対して垂直で、互いに約100度の角度で延びている。各腕の先端には、それぞれ外側面方向にボスが設けられている。なお、ここでボスとは、レバー3の各腕の先端に設けられた円柱状の突出部分であり、特許請求の範囲に記載の2個の第2の突出部材に相当する。外側面を右側、2本の腕のなす角度が狭い方を手前としたとき(すなわち、図2のレバー3の配置)、下方に位置する腕に設けられたボスを第1ボス3a、上方に位置する腕に設けられたボスを第2ボス3bとする。
なお、レバー3の構造は、これに限定されるものではなく、自由に設計される。特に2本の腕がなす角度は、扉9の開閉動作におけるダンパー5を作用させる区間により異なる。また、レバー3は、その中心の穴に、ディスクプレイヤ本体1の一部に設けられた挿入孔1aを隔てて、左扉開閉部材の回動軸2aを通して固着され、左扉開閉部材2と連動して回動する。なお、レバー3は、第2ボス3bが左扉開閉部材2の内側屈曲部付近に位置するように固定されているが、この限りではない。
ギア4は、約90度の扇形の板状部材で、弧の部分に歯が設けられ、頂点付近に左扉開閉部材の回動軸2aを通すための穴が穿設されている。回動軸2aの先端にはビス止め用の穴が形成されており、この穴にビスが取り付けられることによって、ギア4の回動軸2aからの脱落が防止される。また、組立て時に内側となる面(以下、「内側面」という。)に、弦方向に長い直方体である2つのリブが、回動中心を挟む角度が約70度となるように設けられている。なお、ここでリブとは、ギア4に設けられた直方体状の突出部分であり、特許請求の範囲に記載の2個の第1の突出部材に相当する。内側面を左側、弧の部分を手前としたとき(すなわち、図2のギア4の配置)、下方に位置するリブを第1リブ4a、上方に位置するリブを第2リブ4bとする。
なお、ギア4の構造は、これに限定されるものではなく、自由に設計される。特に2つのリブが回動中心となす角度は、扉9の開閉動作におけるダンパー5を作用させる区間により異なる。また、ギア4は、その中心の穴に挿入される左扉開閉部材の回動軸2aにより、回動自在に支持される。なお、ギア4は、レバーの第1ボス3aと第2ボス3bの間に、第1リブ4aと第2リブ4bが位置するように、配置される。よって、レバーの第1ボス3aがギアの第1リブ4aに当接している間、または、レバーの第2ボス3bがギアの第2リブ4bに当接している間のみ、ギア4はレバー3と共に回動するが、それ以外のときは、ギア4は回動しない。
ダンパー5は、オイル等の粘性抵抗を利用して急激な回動運動を抑制するための部品であり、ダンパーギア5aが回転する時、その回転を抑制するように作用する。ダンパーギア5aは、ギア4と噛合している。よって、ギア4は回動するとき、ダンパー5により、その回動を抑制される。
以上の構成より、レバーの第1ボス3aがギアの第1リブ4aに当接している区間と、レバーの第2ボス3bがギアの第2リブ4bに当接している区間だけ、ギア4は回動してダンパー5により回動を抑制されるので、レバー3の回動は抑制される。よって、レバー3と連動する左扉開閉部材2も、この区間のみ回動が抑制され、左扉開閉部材の扉固着部2dが固着している扉9も、この区間のみ開閉動作を抑制される。
なお、レバーの第1ボス3aがギアの第1リブ4aに当接している区間と、レバーの第2ボス3bがギアの第2リブ4bに当接している区間は、レバー3の最大回動角度(扉9が閉位置にある状態から最大開放した状態までのレバー3の回動角度)と、レバーの第1ボス3aと第2ボス3bとが回動中心となす角度からギアの第1リブ4aと第2リブ4bとが回動中心となす角度を差し引いた角度(以下、「ダンパー不作用角度」という)とにより決定されるので、必然的に決まるレバー3の最大回動角度に対して、レバーの各ボス3a,3bとギアの各リブ4a,4bの位置を調整することで、ダンパー5の作用する区間を調整することができる。
図3は、レバー3とギア4の回動の状態を説明するための図である。図3においては、レバー3とギア4は図示せず、回動軸方向から見たレバーの第1ボス3aと第2ボス3b、及び、ギアの第1リブ4aと第2リブ4bのみ図示している。なお、回動中心と第1ボス3a,第2ボス3bとを実線で、回動中心と第1リブ4a,第2リブ4bとを点線で結んでいる。また、ギア3の扉9の閉位置からの回動角度(以下、「ギア3の回動角度」という。)を説明するために、回動中心から扉9が閉位置にある状態の第1ボス3aの方向に一点鎖線を図示している。この一点鎖線と回動中心から第1ボス3aへ伸ばした実線のなす角度θがギア3の回動角度になる。
図3(a)は扉9が閉位置にある状態であり、レバーの第2ボス3bとギアの第2リブ4bとが当接している状態である。本実施形態では、レバーの両ボス3a,3bが回動中心となす角度を約100度とし、ギアの両リブ4a,4bが回動中心となす角度を約70度としている。図3(b)は扉9が開いていって、レバーの第1ボス3aとギアの第1リブ4aが当接した状態である。このときのギア3の回動角度θは、レバーの両ボス3a,3bが回動中心となす角度(約100度)から、ギアの両リブ4a,4bが回動中心となす角度(約70度)を引いた角度(約30度)となる。図3(a)の状態から図3(b)の状態までの区間において、リブ4は回動せず、ダンパー5は作用しない。この区間は、ダンパー不作用角度により決定される。
図3(c)は扉9が最大開放した状態である。本実施形態では、レバー3の最大回動角度は約80度としているので、このときのギア3の回動角度θは、約80度である。図3(b)の状態から図3(c)の状態までの区間において、リブ4はレバー3と共に回動し、ダンパー5が作用する。この区間は、ダンパー不作用角度とレバー3の最大回動角度とにより決定される。
図3(d)は扉9が最大開放状態から閉じていって、レバーの第2ボス3bとギアの第2リブ4bとが当接した状態である。このときのギア3の扉9の回動角度θは、レバー3の最大回動角度(約80度)からダンパー不作用角度(約30度)を引いた角度(約50度)となる。図3(c)の状態から図3(d)の状態までの区間において、リブ4は回動せず、ダンパー5は作用しない。この区間は、ダンパー不作用角度とレバー3の最大回動角度とにより決定される。
図3(e)は扉9が閉位置に戻った状態である。図3(d)の状態から図3(e)の状態までの区間において、リブ4はレバー3と共に回動し、ダンパー5が作用する。この区間は、ダンパー不作用角度とレバー3の最大回動角度とにより決定される。
なお、上記図3の説明においては、リブやボスの厚みを無視しているが、これは考え方を説明するために簡略化したものであり、本来は、リブやボスの厚みも考慮しなければならない。また、これらの設定角度は、この実施形態に限られず、設計により変更されることは言うまでもない。例えば、ダンパー不作用角度を大きくした場合、扉9の開閉動作時のダンパー5が作用し始める角度が大きくなり、ダンパー5が作用しない区間(図3においては、(a)の状態から(b)の状態まで、及び、(c)の状態から(d)の状態まで)が大きくなり、ダンパー5が作用する区間(図3においては、(b)の状態から(c)の状態まで、及び、(d)の状態から(e)の状態まで)が小さくなる。
次に、第1実施形態に係るディスクプレイヤの扉開閉装置の開閉動作について、図4〜図9を用いて説明する。なお、これらの図は、図1におけるAの方向から見た図なので、扉を正面から見たときの右側部分は図示されていない。また、図10は、扉9が閉位置から開位置を経て閉位置に戻るまでのレバー3とギア4の回動角度(扉9の閉位置を基準とする)を示すグラフであり、これも参照する。
図4は、扉開閉装置とその周辺部分を横(図1におけるAの方向)から見た図である(扉が閉位置にある状態)。このときは、前回の閉じる動作が終わった後なので、レバーの第2ボス3bがギアの第2リブ4bに当接している。この状態は、後述する閉じる動作で説明する。この状態から、図示しないモータによって、トレイ11は図の右方向に移動される。これにより、トレイ11と一体に移動するトレイ蓋10が、両扉開閉部材の扉固着部2d,7dの扉9に固着しているのとは反対側の面(以下、「扉開閉部材押圧面」という。)を押すことになる。このトレイ蓋10が押す力により、左扉開閉部材の回動軸2aとディスクプレイヤ本体の回動軸1dを回動中心として、両扉開閉部材2,7が回動され、扉9が開く方向に移動する。
このときは、レバーの第1ボス3aがギアの第1リブ4aに当接していないため、ギア4は回動せず、ダンパー5も作用しない。このとき、重力は扉9の閉じる方向(図の反時計回りの方向)に働くので、扉9を開くためには、トレイ蓋10が押す力(=モータのトルク)>(両トーションバネ6,8の復元力(以下、「バネの復元力」という。)+扉9及び両扉開閉部材2,7を合わせた重心(以下、「扉9等の重心」という。)に働く重力の回動方向成分(以下、「重力成分」という。))となるモータであれば十分であり、ダンパー5の抑制力が働かない分、トルクの低いモータでも扉9を開くことができる。図10においては、Iの区間に該当し、レバー3の回動角度のみ増加している。
図5は、扉開閉装置の扉9を開く動作の途中を示す図であり、扉9等の重心が回動中心である左扉開閉部材の回動軸2aとディスクプレイヤ本体の回動軸1dの鉛直上方(以下、「鉛直位置」という。)に位置していて、回動方向に重力が働いていない状態である。この状態から更に扉9が開いたとき、扉9が開く方向(図の時計回りの方向)にはトレイ蓋10が押す力に重力成分が加わることになり、扉9が開く方向に働く力=(トレイ蓋10が押す力+重力成分−バネの復元力)となり、(トレイ蓋10が押す力+重力成分)≫バネの復元力のため、扉の開く動作が急激になってしまう。
よって、本実施形態では、重力が回動方向に働かない状態(図5参照)から更に扉9が開いたときに、第1ボス3aが第1リブ4aに当接して、ギア4を回動させ、ダンパー5を作用させるように設定してある。つまり、扉9等の重心が鉛直位置に位置するのは、レバー3が扉9の閉位置から約30度回動したときなので、ダンパー不作用角度を約30度となるように、両ボス3a,3bが回動中心となす角度を約100度、両リブ4a,4bが回動中心となす角度を約70度としている(図3(a),(b)参照)。図10においては、IIの区間に該当し、レバー3と連動してギア4も回動し、ともに回動角度が増加している。また、ダンパー5の作用により、回動角度の角速度はIの区間より小さく(グラフの傾斜が緩やかに)なっている。
図6は、扉開閉装置の扉9を開く動作の途中を示す図であり、両扉開閉部材2,7が最大回動したところである。このとき、扉開閉部材押圧面をトレイ蓋10の下端が越えるので、これ以降はトレイ蓋10が押す力は0になり、扉9が開く方向に働く力=(重力成分−バネの復元力)となり、バネの復元力>重力成分となるようなトーションバネ6,8を使用しているので、扉9には閉じる方向に力が働き、扉9は閉じる方向に移動する。このとき、第2ボス3bが第2リブ4bに当接しないので、ギア4は回転せず、ダンパー5は作用しない。図10においては、IIIの区間に該当し、レバー3の回動角度は減少するが、ギア4の回動角度は変化しない。
図7は、扉開閉装置の扉9の開閉動作を示す図であり、トレイ11が最大突出したところである。このとき、扉9が閉じる方向に働く力=(バネの復元力−重力成分)がかかるが、扉開閉部材押圧面がトレイ11の下面により抑えられ、扉9は回動しない状態である。次に、扉9が閉じる動作について説明する。
図7の状態から、図示しないモータによって、トレイ11は図の左方向に移動される。これにより、トレイ11と一体に移動するトレイ蓋10の下端部が、扉開閉部材押圧面を押すことになる。このとき、扉9が閉じる方向に働く力=(バネの復元力−重力成分)がかかっているが、トレイ蓋10の下端部が扉開閉部材押圧面を押しているので、扉9は開く方向へ移動させられる。このとき、第1ボス3aが第1リブ4aに当接しないので、ギア4は回転せず、ダンパー5は作用しない。図10においては、IVの区間に該当し、レバー3の回動角度は増加するが、ギア4の回動角度は変化しない。
図8は、扉開閉装置の扉9を閉じる動作の途中を示す図であり、両扉開閉部材2,7が最大回動したところであり、上記図6と同じ状態になったところである。図8の状態を過ぎて更にトレイ11が図の左方向に移動すると、第2ボス3bが第2リブ4bに当接するまでは、扉9が閉じる方向に働く力=バネの復元力―重力成分となり、ダンパー5による抑制力は働かないので、バネの復元力は重力成分に対抗できるだけの大きさで済み、強力なバネを必要としない。また、扉9が閉じる方向に働く力が大きくても、扉開閉部材押圧面がトレイ蓋10により押さえられているので、扉9が閉じる方向に働く力は妨げられる。図10においては、Vの区間に該当し、レバー3の回動角度は減少するが、ギア4の回動角度は変化しない。
図9は、更にトレイ11が図の左方向に移動して扉9が閉じる方向に移動し、両扉開閉部材2,7が最大回動した状態からレバー3がダンパー不作用角度の約30度回動したところであり、第2ボス3bが第2リブ4bに当接したところである。これより、ダンパー5の抑制力が働くので、扉9が閉じる方向に働く力=(バネの復元力−重力成分−ダンパー5の抑制力)となるが、重力成分は扉9等の重心が鉛直位置に近づくほど小さくなり、図9の状態では十分小さいものになっているので、扉9は閉じる方向に移動する。更にトレイ11が図の左方向に移動して扉9が閉じる方向に移動し、扉9等の重心が鉛直位置を越えると、扉9が閉じる方向に働く力=(バネの復元力+重力成分−ダンパー5の抑制力)となり、バネの復元力に重力成分が加わって扉9が急激に閉じる方向に移動することをダンパー5の作用により抑制することができる。
この後、扉9は、閉位置(図4の状態)まで、第2ボス3bが第2リブ4bに当接してダンパー5を作用させたまま移動する。図10においては、VIの区間に該当し、レバー3と連動してギア4も回動し、ともに回動角度が減少している。また、ダンパー5の作用により、回動角度の角速度の絶対値はVの区間より小さく(グラフの傾斜が緩やかに)なっている。
なお、本実施形態では、ダンパー不作用角度を扉9等の重心が鉛直位置に来る約30度に設定している。ダンパー不作用角度をこの角度より小さくすると、扉9を開く動作において、扉9等の重心が鉛直位置に来る前にダンパー5が作用してしまうし、扉9を閉じる動作において、重力成分が大きいうちにダンパー5が作用してしまうので望ましくない。逆に、ダンパー不作用角度をこの角度より大きくする場合、大きくするに従って、ダンパー5が作用する区間が短くなり、ダンパー5を取り付けた意味がなくなってくる。
従って、ダンパー不作用角度は扉9等の重心が鉛直位置にくる約30度に設定するのが望ましい。しかし、不作用角度は扉9等の重心が鉛直位置に来る角度に限定されるわけではなく、設計上無理がある場合には、この角度とは異なった角度を設定することも不可能ではない。
上記のように、本実施形態によれば、扉9を開く動作時、レバー3に設けられた第1ボス3aがギア4に設けられた第1リブ4aに当接している間だけギア4がレバー3と共に回動し、ギア4がダンパー5により回動を抑制されることにより、ギア4と共に回動するレバー3、レバー3と連動している左扉開閉部材2の回動が抑制され、左扉開閉部材2が固着している扉9を開く動作も抑制される。よって、扉9の急な開く動作を抑制して、緩やかな開く動作を行なうことができる。また、第1ボス3aが第1リブ4aに当接していない間は、ダンパー5が作用せず、ダンパー5による抑制力に対抗する必要がないので、扉を開くのに必要な力を小さくすることができる。
一方、扉9を閉じる動作時、レバー3に設けられた第2ボス3bがギア4に設けられた第2リブ4bに当接している間だけギア4がレバー3と共に回動し、ギア4がダンパー5により回動を抑制されることにより、ギア4と共に回動するレバー3、レバー3と連動している左扉開閉部材2の回動が抑制され、左扉開閉部材2が固着している扉9を閉じる動作も抑制される。よって、扉9の急な閉じる動作を抑制して、緩やかな閉じる動作を行なうことができる。また、第2ボス3bが第2リブ4bに当接していない間は、ダンパー5が作用せず、ダンパー5による抑制力に対抗する必要がないので、復元力の小さい両トーションバネ6,8でも扉を閉じることができる。
なお、上記第1実施形態では、左扉開閉部材2とレバー3が別部材で、これらが連動して回動するように構成されているが、左扉開閉部材2とレバー3を1つの部材にして、左扉開閉部材2にボスを設ける構成にしてもよい。図11は、左扉開閉部材2に第1ボス2e,第2ボス2fを設けた、第2の実施形態に係るディスクプレイヤの扉開閉装置の主要部分の分解斜視図である。ギア4及びダンパー5は、ギア4のリブ4a,4bが左扉開閉部材2に設けられたボス2e,2fに当接できるように、ディスクプレイヤ本体1の一部に設けられた挿入孔1aより内側に設けられている。それ以外の構成は、図1、2に示す第1実施形態に係るディスクプレイヤの扉開閉装置と同様である。この第2実施形態の構成では、部材を1つ減少することができ、原材料費と組み立て費用の削減により、生産コストを削減することができる。開閉動作については、上記第1実施形態と同様なので省略する。
また、上記第1実施形態では、ギア4に2つの第1リブ4a,第2リブ4bを設けた場合を説明したが、リブが1つだけでも構わない。図12は、1つの第3リブ4cのみがギア4に設けられた、第3の実施形態に係るディスクプレイヤの扉開閉装置の主要部分の分解斜視図である。ダンパー5を作用させる区間を調整するためのダンパー不作用角度は、レバー3の第1ボス3aと第2ボス3bとが回動中心となす角度からギア4の第3リブ4cの両端が回動中心となす角度を差し引いた角度となるので、第1ボス3aと第2ボス3bとが回動中心となす角度が図2に示す第1実施形態の場合と比べて小さくなっている。例えば、第3リブ4cの両端が回動中心となす角度が5度の場合、ダンパー不作用角度を約30度にするには、第1ボス3aと第2ボス3bとが回動中心となす角度を約35度にすればよい。なお、他の構成は、図1、2に示す第1実施形態に係るディスクプレイヤの扉開閉装置と同様である。この第3実施形態の構成では、組み立て時の位置決めにおいて、第3リブ4cを第1ボス3aと第2ボス3bとの間に位置させればいいだけなので、第1実施形態のように第1リブ4aと第2リブ4bとを第1ボス3aと第2ボス3bとの間に位置させるより簡単である。開閉動作については、上記第1実施形態と同様なので省略する。
1 ディスクプレイヤ本体
1a 挿入穴
1b 左バネ受け
1c 右バネ受け
1d 回動軸
2 左扉開閉部材
2a 回動軸
2b バネ取付用突起
2c バネ受け
2d 扉固着部
2e 第1ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
2f 第2ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
3 レバー
3a 第1ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
3b 第2ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
4 ギア(制限部材、連結部材、第1のギア)
4a 第1リブ(制限部材、伝達制御部材、第1の突出部材)
4b 第2リブ(制限部材、伝達制御部材、第1の突出部材)
4c 第3リブ(制限部材、伝達制御部材、第1の突出部材)
5 ダンパー(抑制部材)
5a ダンパーギア(制限部材、連結部材、第2のギア)
6 左トーションバネ
7 右扉開閉部材
7a 挿入孔
7c バネ受け
7d 扉固着部
8 右トーションバネ
9 扉
10 トレイ蓋
11 トレイ
1a 挿入穴
1b 左バネ受け
1c 右バネ受け
1d 回動軸
2 左扉開閉部材
2a 回動軸
2b バネ取付用突起
2c バネ受け
2d 扉固着部
2e 第1ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
2f 第2ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
3 レバー
3a 第1ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
3b 第2ボス(制限部材、伝達制御部材、第2の突出部材)
4 ギア(制限部材、連結部材、第1のギア)
4a 第1リブ(制限部材、伝達制御部材、第1の突出部材)
4b 第2リブ(制限部材、伝達制御部材、第1の突出部材)
4c 第3リブ(制限部材、伝達制御部材、第1の突出部材)
5 ダンパー(抑制部材)
5a ダンパーギア(制限部材、連結部材、第2のギア)
6 左トーションバネ
7 右扉開閉部材
7a 挿入孔
7c バネ受け
7d 扉固着部
8 右トーションバネ
9 扉
10 トレイ蓋
11 トレイ
Claims (7)
- ディスクをディスクプレイヤ本体に装着脱するためのディスク装着トレイを出し入れさせる開口窓を開閉するための扉と、
一方端が前記扉に固着され、他方端が前記ディスクプレイヤ本体に回動自在に支持された扉開閉部材と、
前記扉開閉部材に前記扉を閉じる方向の回動力を付与するトーションバネと、
を備え、
前記ディスク装着トレイが前記開口窓から引き出されるときは当該ディスク装着トレイの押圧力により前記扉開閉部材を回動させて前記扉を所定の開位置に移動させ、前記ディスク装着トレイが前記開口窓に引き込まれるときは前記トーションバネにより前記扉開閉部材を回動させて前記扉を所定の閉位置に移動させる扉開閉装置であって、
前記扉開閉部材の回動力を抑制する抑制部材と、
前記扉の開閉動作における前記抑制部材が前記扉開閉部材の回動力を抑制する区間を制限する制限部材と、
を備えたことを特徴とするディスクプレイヤの扉開閉装置。 - 前記抑制部材は、回転時に前記扉開閉部材の回動力を吸収する回転部材からなり、
前記制限部材は、前記扉開閉部材の回動軸と前記回転部材の回転軸とを連結する連結部材と、前記扉開閉部材の全回動範囲の一部の区間で当該扉開閉部材の回動力を前記連結部材を介して前記回転部材に伝達させる伝達制御部材とからなる、
ことを特徴とする請求項1に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置。 - 前記連結部材は、前記扉開閉部材の回動軸に回動自在に設けられた板状の第1のギアと、前記回転部材の回転軸に固着され、前記第1のギアに噛合された第2のギアとからなり、
前記伝達制御部材は、前記第1のギアの一方面に回動中心を挟む角度が所定の第1の角度となるように突設された2個の第1の突出部材と、前記扉開閉部材に、開き角が前記第1の角度よりも大きい所定の第2の角度をなすとともに、前記第1の突出部材を挟み込むように設けられた2個の第2の突出部材とからなり、
前記扉を前記閉位置から開くときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の一方が前記第1の突出部材の一方に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させ、前記扉を前記開位置から閉じるときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の他方が前記第1の突出部材の他方に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させることを特徴とする請求項2に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置。 - 前記第2の突出部材は、前記扉開閉部材の回動軸に固着されていることを特徴とする請求項3に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置。
- 前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度は、前記扉を前記閉位置から開くときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の一方が前記第1の突出部材の一方に当接せず、前記扉を前記開位置から閉じるときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の他方が前記第1の突出部材の他方に当接する角度であることを特徴とする、請求項3または4に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置。
- 前記第1のギアには、前記2個の第1の突出部材に代えて、両端と当該第1のギアの回動中心とを結ぶ角度が所定の第1の角度となるような1個の第3の突出部材が設けられ、
前記扉を前記閉位置から開くときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の一方が前記第3の突出部材の一方端面に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させ、前記扉を前記開位置から閉じるときは、前記扉開閉部材が回動開始から前記差の角度だけ回動したときに前記第2の突出部材の他方が前記第3の突出部材の他方端面に当接して前記第1のギアを前記扉開閉部材の回動に連動して回動させることを特徴とする請求項3又は4に記載のディスクプレイヤの扉開閉装置。 - 前記第1の角度と前記第2の角度の差の角度は、前記扉を前記閉位置から開くときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の一方が前記第3の突出部材の一方端面に当接せず、前記扉を前記開位置から閉じるときは、少なくとも前記扉に対して閉じる方向に重力が働く間、前記第2の突出部材の他方が前記第3の突出部材の他方端面に当接する角度であることを特徴とする、請求項6のいずれかに記載のディスクプレイヤの扉開閉装置。
Priority Applications (1)
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JP2006342157A JP2008152885A (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | ディスクプレイヤの扉開閉装置 |
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JP2006342157A JP2008152885A (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | ディスクプレイヤの扉開閉装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010198701A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Sony Corp | 扉開閉機構、記録及び/又は再生装置 |
-
2006
- 2006-12-20 JP JP2006342157A patent/JP2008152885A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010198701A (ja) * | 2009-02-26 | 2010-09-09 | Sony Corp | 扉開閉機構、記録及び/又は再生装置 |
US8230453B2 (en) | 2009-02-26 | 2012-07-24 | Sony Corporation | Door opening and closing mechanism provided at the front of an apparatus body |
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