JP2008151730A - ベルトの張力検出センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 ベルトの振動波形を確実に捉えるために高精度で高分解能のスライド位置が検出可能な小型のリニアセンサを提供し、周辺環境に妨害されず、広い振動数範囲の高精度な振動測定を可能とするベルトの張力検出センサを提供することである。
【解決手段】 スライド自在なセンサロッド3と、該センサロッドのスライド位置を検出するセンサヘッド5と、前記センサロッドをガイドするガイド部材4を備えるリニアセンサを用いたベルトの張力検出センサ1とし、前記センサロッド3を、非磁性化された軸部材の中空軸心部に、それぞれ所定幅の磁性コア部材31と非磁性部材32とを交互に装着した構成のリニアセンサとした。
【選択図】 図1
【解決手段】 スライド自在なセンサロッド3と、該センサロッドのスライド位置を検出するセンサヘッド5と、前記センサロッドをガイドするガイド部材4を備えるリニアセンサを用いたベルトの張力検出センサ1とし、前記センサロッド3を、非磁性化された軸部材の中空軸心部に、それぞれ所定幅の磁性コア部材31と非磁性部材32とを交互に装着した構成のリニアセンサとした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プーリに張られたベルトの張力を検出するベルトの張力検出センサに関するものである。
従来、プーリに張られたベルトの中央部付近を押し付けて撓ませ、その押付荷重と撓み量からプーリに張られたベルトの張力を検出する方法が採用されている。
また、プーリに張られたベルトに衝撃を与えて加振すると、その時に生じるベルトの振動数がベルトの張力に応じて変化することに鑑み、ハンマ等によりベルトに衝撃力を負荷して、その時の振動数を圧力センサを用いて検出する方法や、振動による振動音をマイクロフォンで集音してその振動周波数を解析する方法も知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、被測定物の寸法や微小な変位を計測する測定装置として、直線型の移動機構部と、その移動位置を検出する直線位置検出型センサとを組み合わせたリニアセンサが知られている。
さらに、前記直線型の移動機構部を、その表面に所定のピッチで反磁性マークを設けたスライド軸を備えるスライド移動部とし、前記直線位置検出型センサを、前記反磁性マーク部分とスライド軸素材の磁性部分とで構成されるスライド軸とコイルを備えるスライド位置検出部として、前記コイルにより、前記反磁性マーク及びスライド軸磁性部分との磁気結合の変化を検出することで、スライド軸のスライド位置を求める装置が知られている。この装置では、検出用のコイルはスライド軸を挿通する筒体に設けて、1次コイルと2次コイルの2種類のコイルを設け、1次コイルと2次コイルとの間の磁気結合が磁性マークの位置で変化することを利用している。また、検出用のコイルを、1次/2次兼用のコイルとすることも知られている。
測定精度を上げて誤差を小さくするには、前記スライド軸の動作を滑らかにすることが肝要であって、リニアガイドなどでガイドすることが行われている。そのために、リニアガイドでガイドするガイド溝を複数設けると共に、前記磁性マークをガイド溝の部分を除いて設けるとしたスライド位置検出装置が既に本出願人から出願されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−48660号公報(第1−6頁、第1図)
特開2003−139563号公報(第1−4頁、第1図)
ベルトの張力を、その押付荷重と撓み量から張力を検出する方法では、その撓み量が目視できるまで大きく撓ませて測定を行う必要があるので、微小な変位からベルトの張力を検出するものではなく、測定精度を高くすることができない。
また、ベルトの振動数をマイクロフォンで集音して解析する方法では、測定対象音以外の周辺環境音の影響を受けやすく正確な測定を行うことは困難である。さらに、音による方法では、通常10Hz以下の振動に対応できず、長スパンのベルトの張力を検出することは困難である。
また、工作機械等で製作された部品等の仕上がり寸法を検出するために、微小な変位を計測可能なリニアセンサを用いてベルトの振動を検出する際には、ベルトの振動に確実に追従して正確な振動波形を再現することが必要である。
それ故、スライド軸やセンサヘッドを小型化して装置の小型化を図り、スライド軸の動作を円滑とし、繰り返しスライドしても高精度な磁気測定を可能とするリニアセンサを用いることで、ベルトの微小な振動を捉えることが可能となる。
本発明の目的は、上記問題を解決するために、ベルトの振動波形を確実に捉えるために高精度で高分解能のスライド位置が検出可能な小型のリニアセンサを提供し、周辺環境に妨害されず、広い振動数範囲の高精度な振動測定を可能とするベルトの張力検出センサを提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、プーリ間に架け渡されたベルトを加振したときの減衰振動を測定し、その振動数からベルトの張力を検出する張力検出センサであって、前記減衰振動を測定する振動測定系が、スライド自在であると共にその先端にベルトに当接する接触子を装着したセンサロッドと、該センサロッドのスライド位置を検出するセンサヘッドと、前記センサロッドをガイドするガイド部材を有するリニアセンサを備えていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、微小な変位を計測可能なリニアセンサを用いてベルトの振動を検出することが可能となる。
請求項2に係る発明は、前記振動測定系に、さらに、前記センサロッドを押圧するコイルバネを設けて、ベルトの固有振動周波数以上の固有振動数を有する振動測定系とし、前記コイルバネを介して、前記接触子をベルトに押し付ける構成としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項2に係る発明によれば、ベルトの固有振動周波数以上の固有振動数を有する振動測定系を用いることで、ベルトの振動に振動測定系が容易に追従することが可能となり、振動測定系の振動がベルトの振動を阻害する虞がなく、ベルトの振動を正確に測定することができる。
請求項3に係る発明は、前記センサロッドが非磁性化されていると共にその軸心部が中空とされており、この中空軸心部にそれぞれ所定幅の磁性コア部材と非磁性部材とを交互に装着する構成とし、前記センサヘッドを、コイルを備える磁気センサとしたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項3に係る発明によれば、スライド軸自体がセンサロッドであるので、スライド移動部とスライド位置検出部とが直列構成されていても、装置の長尺化を防ぎ小型化が可能であると共に、芯出しが容易であり測定誤差(アッベ誤差)を抑制することができる。さらには、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材が磨耗したり損傷したりせず、高寿命化が可能となる。
請求項4に係る発明は、前記センサロッドが複数のガイド溝を有するボールスプライン軸であり、前記ガイド部材がボールスプライン型のガイド手段を有することを特徴としている。
上記の構成を有する請求項4に係る発明によれば、ガイド溝を用いてスライド移動を円滑に行うことができる。
本発明によれば、高精度で高分解能のスライド変位が検出可能な小型のリニアセンサを用いることで、周辺環境に妨害されず、広い振動数範囲の高精度な振動測定を可能とするベルトの張力検出センサを得ることができる。
以下、本発明に係るベルトの張力検出センサの実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係るベルトの張力検出センサとその使用状況を示す概略説明図である。図2はリニアセンサの構成を示す断面図である。図3はベルトの減衰振動の振動波形を示している。
図1に示すように本発明に係るベルトの張力検出センサ1は、プーリ11、11に巻回されたベルト10の張力を検出するセンサとして用いられる。
ベルトの張力検出センサ1は、接触子2とセンサロッド3とガイド部材4とセンサヘッド5を備えるリニアセンサであって、直線方向の微小変位を高精度にまた高分解能に測定可能なセンサである。そのために、ベルト10の振動が微小であっても、その振幅と振動数を確実に検出可能な振動測定系を構成することができる。
次に図2より、本発明に係るベルトの張力検出センサ1のセンサ構成について詳細に説明する。スライド軸となるセンサロッド3は、本体部が非磁性化されており、その軸心部を中空としている。さらに、その中空軸心部30に、それぞれ所定幅の磁性コア部材31(31a、31b、31c、31d)と非磁性部材32(32a、32b、32c)とを交互に装着した構成としている。
また、センサヘッド5がその内周部にコイル部51を備える磁気センサであって、該センサヘッド5内部を摺動するセンサロッド3の移動により変化する磁気誘導結合を検知することで、前記センサロッド3の絶対位置が計測可能となるリニアセンサを構成している。7はセンサケーブルである。
そのために、前記コイル部51は、1次コイルと2次コイルとを組み合わせたコイル部とされているが、1次/2次兼用のコイル部であってもよい。
ガイド部材4は、センサロッド3の摺動を許可すると共に保持するためのガイド手段41をその内周部に備える部材であり、ボールブッシュ型のガイド手段41が好適に適用可能である。
ボールブッシュ型のガイド手段41を用いることで、センサロッド3の滑らかな摺動性を保障し、ベルト10の微小な振動に追従可能となるよう支持することができる。また、センサロッド3の回転を阻止して直動させる場合には、ボールスプライン型のガイド手段を用いることができる。この場合には、センサロッド3を、センサロッドの外周部の軸方向に複数のガイド溝を有するスプライン軸としておけばよく、例えば4本のガイド溝を設ける構成とすることができる。
前記ガイド溝は、センサロッド3ががたつくことなく滑らかに摺動するためには3条以上であることが好ましい。また、センサロッド3が円滑に摺動移動する構成であればセンサロッド3の径を小径とすることも可能となる。そのために、4本のガイド溝を設けることで、ガイド溝のがたつきを効果的に防止し、小径で長いセンサロッドでも正確にスライドさせることが可能となる。
また、センサロッド3ががたつくことなく滑らかに摺動する構成であればその他の構成のガイド手段でもよく、例えばボールねじ型のガイド手段も適用可能であり、ボールねじ型のセンサロッドとガイド部材を用いることも可能である。
いずれにしても、センサロッド3の中空軸心部30に、磁性コア部材31(31a、31b、31c、31d)と非磁性部材32(32a、32b、32c)とを交互に装着した構成としているので、スライド移動部とスライド位置検出部とが同軸上に配設されることとなり、装置の小型化が可能であると共に、測定誤差(アッベ誤差)が生じない構成となる。さらには、軸の内部に磁性コア部材31と非磁性部材32を内蔵した構成であるので、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材が磨耗したり損傷したりせず、高寿命化が可能となる。
アッベ誤差とは、移動部と検出部とが同軸上にない構成の場合に、移動部と検出部との間で生じる平行度の誤差であるので、移動部と検出部が同軸上に配設されているセンサロッド3を用いるベルトの張力検出センサ1であれば、アッベ誤差(平行度の誤差)が生じる虞はない。
また、軸内に内蔵する磁性コア部材31を強磁性体で構成すれば、それだけ小さな部材でよいので、装置の小型化が可能である。そのために、成形加工が容易であり保磁力に優れ耐蝕性に優れたフェライトを用いることで、より強い強磁性体となり、さらに小型化を図ることも可能である。
ボールブッシュ型のガイド部材4を用いる場合には、センサロッド3は単に円筒状であればよいが、リニアボールブッシュ型のガイド部材4内面のボール面に接する外周に硬質メッキを施して耐磨耗性を付与すると、耐久性が増加して好適である。また、耐磨耗性があり耐久性も備える非磁性ステンレス棒をそのまま使用することも可能である。
上記のような構成のベルトの張力検出センサ1を備える振動測定系を用いることで、プーリに張られたベルトの張力を高精度に検出することが可能となる。
図1に示すように、接触子2をベルト10に接触させた状態でベルト10を加振する。この加振を与える方法は、ハンマ等で衝撃を与えても、手や指で衝撃を与えてもよく、特に限定するものではない。
この時に、前記センサロッド3を押圧するコイルバネ6を設けて、ベルト10の固有振動周波数以上の固有振動数を有する振動測定系とし、前記コイルバネ6を介して、前記接触子2をベルトに押し付ける構成としている。この構成であれば、センサロッド3やコイルバネ6を含む振動測定系がベルト10の振動に容易に追従可能となり、振動測定系の振動がベルトの振動を阻害する虞がない。
先に説明したように、ベルトの張力検出センサ1はベルト10の微小な変位を検出可能であるので、ベルト10を少し加振するだけで、ベルト10の振動数を検出可能な振動測定系を構成することができる。
また、高精度で高分解能のリニアセンサを用いているので、微小な変位だけでなく低い周波数の振動(例えば、10Hz程度)も検出可能となる。そのために、ベルトの固有振動数が低くなるプーリ間間隔の長い長スパンの駆動系のベルトであっても、そのベルト張力の測定が可能となる。
ベルト10の振動データはセンサケーブル7を介して、変換器12、記録計13に伝送されて解析され記録される。変換器12は、検出センサに基準となる一次交流信号を与え検出センサより2組の位相信号を受け取り、これらの信号を演算処理して変位、角度の位置信号を得て、その位置信号を出力する装置である。記録計13は、前記変換器12からの位置信号を記録し表示する装置であり、オシロスコープ型の表示装置や、ペンレコーダ型の記録計や、所定の処理機能を有するパソコン等が採用可能である。
ベルト10を強制的に振動させた時に得られる振動波形の一例を図3に示す。これは、プーリ間距離300mmのタイミングベルトの振動波形Wであって、最大振幅Bで徐々に減衰していく時間間隔Tの振動波形が得られる。この測定では、最大振幅B=120μmで時間間隔T=50msec(8波の間隔)の波形が得られた。この振動波形の振動数は8波で50msecであることから、160Hzであることが算出される。
ベルト10を加振すると、ベルト10の材質や寸法やベルト張力に応じた固有振動数で減衰していくことが知られており、図3に示す振動波形Wが、この時のベルトの張力に対応した固有振動数を表示していることは明らかである。そのために、所定のベルト駆動系のベルトの固有振動数とベルト張力との関係線図を予め作成しておくことで、所定のベルト駆動系におけるベルトの張力を求めることができる。
本発明に係るベルトの張力検出センサ1により得られる図3に示す振動波形Wは、そのミクロン単位の振幅と振動数が明確であり、ベルト10を僅かに加振するだけで、ベルトの固有振動数が容易に得られることを示している。
プーリ間に張られたベルトを加振すると、ベルトの中央部での振幅が最大となり、両端のプーリ部に近づくにつれて小さくなっていくことは明らかである。そのために、一般には、プーリ間の中央部付近のベルトの振動波形を検出することが多い。しかし、本発明に係るベルトの張力検出センサ1を用いれば、微小な変位を検出可能となるので、プーリ間のベルト中央部に限らず、任意の位置で振動波形を測定することができる。
そのために、本発明に係るベルトの張力検出センサ1によれば、既設のベルトの張力を測定する位置が限定されないことになり、張力検出手段の設置位置が限定される既設のベルトの張力を検出する方法として好適となる。
上記したように本発明によれば、スライドするセンサロッドと、該センサロッドのスライド位置を検出するセンサヘッドと、前記センサロッドをガイドするガイド部材を備えるリニアセンサを用いたベルトの張力検出センサとし、前記センサロッドを、非磁性化された軸部材の中空軸心部に、それぞれ所定幅の磁性コア部材と非磁性部材とを交互に装着した構成のリニアセンサとしたので、スライド軸自体がセンサロッドとなり、アッベ誤差を生じず、高精度で高分解能の張力検出センサを構成することができる。
さらには、磁性コア部材がシャフト内に内蔵される構成であるので、繰り返しスライド移動しても、磁性コア部材が磨耗したり損傷したりせず、高寿命化が可能なベルトの張力検出センサを得ることができる。
1 ベルトの張力検出センサ
2 接触子
3 センサロッド
4 ガイド部材
5 センサヘッド
6 コイルスプリング
30 中空軸心部
31 磁性コア部材
32 非磁性部材
41 ガイド手段
51 コイル部
2 接触子
3 センサロッド
4 ガイド部材
5 センサヘッド
6 コイルスプリング
30 中空軸心部
31 磁性コア部材
32 非磁性部材
41 ガイド手段
51 コイル部
Claims (4)
- プーリ間に架け渡されたベルトを加振したときの減衰振動を測定し、その振動数からベルトの張力を検出する張力検出センサであって、
前記減衰振動を測定する振動測定系が、スライド自在であると共にその先端にベルトに当接する接触子を装着したセンサロッドと、該センサロッドのスライド位置を検出するセンサヘッドと、前記センサロッドをガイドするガイド部材を有するリニアセンサを備えていることを特徴とするベルトの張力検出センサ。 - 前記振動測定系に、さらに、前記センサロッドを押圧するコイルバネを設けて、ベルトの固有振動周波数以上の固有振動数を有する振動測定系とし、前記コイルバネを介して、前記接触子をベルトに押し付ける構成としたことを特徴とする請求項1に記載のベルトの張力検出センサ。
- 前記センサロッドが非磁性化されていると共にその軸心部が中空とされており、この中空軸心部にそれぞれ所定幅の磁性コア部材と非磁性部材とを交互に装着する構成とし、前記センサヘッドを、コイルを備える磁気センサとしたことを特徴とする請求項1または2に記載のベルトの張力検出センサ。
- 前記センサロッドが複数のガイド溝を有するボールスプライン軸であり、前記ガイド部材がボールスプライン型のガイド手段を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のベルトの張力検出センサ。
Priority Applications (1)
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JP2006342292A JP2008151730A (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | ベルトの張力検出センサ |
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JP2006342292A JP2008151730A (ja) | 2006-12-20 | 2006-12-20 | ベルトの張力検出センサ |
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ID=39654034
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-12-20 JP JP2006342292A patent/JP2008151730A/ja active Pending
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