JP2008151390A - 水蒸気交換膜リフレッシュシステム、加湿器、及び燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】高温環境下(例えば70℃以上)の使用でも、加湿器の加湿性能の低下を抑制することができる加湿器を提供する。
【解決手段】湿潤ガスから水分を吸水し乾燥ガスへ前記水分を供給する水蒸気交換膜を有する加湿器であって、前記加湿器は、前記水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】湿潤ガスから水分を吸水し乾燥ガスへ前記水分を供給する水蒸気交換膜を有する加湿器であって、前記加湿器は、前記水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、水蒸気交換膜リフレッシュシステム、加湿器、及び燃料電池システムの技術に関する。
加湿器は、湿潤ガスに含有している水分を樹脂膜等の水蒸気交換膜により吸水し乾燥ガスに水分を供給するものであり、例えば燃料電池内の湿度を確保するための加湿器として実用化されている。
一般的に燃料電池は、電解質膜と、触媒層及び拡散層を含む一対の電極と、電極を挟持する一対の燃料電池用セパレータとを有する。燃料電池の発電時には、アノード極に供給するアノードガスを水素ガス、カソード極に供給するカソードガスを酸素ガスとした場合、アノード極側では、水素イオンと電子とにする反応が行われ、水素イオンは電解質膜中を通りカソード極側に、電子は外部回路を通じてカソード極に到達する。一方、カソード極側では、水素イオン、電子及び酸素ガスが反応して水分を生成する反応が行われ、エネルギを放出する。
燃料電池は、水素イオン伝導性を維持するために、電解質膜を適度に加湿しておく必要がある。電解質膜は、加湿器によって加湿された燃料電池供給ガス(アノードガス、カソードガスの少なくともどちらか一方を意味する。)が、電解質膜に供給されることにより、加湿される。燃料電池システムの加湿器において、例えば、燃料電池の発電反応によって生成した水分を含有する燃料電池オフガス(上記燃料電池の発電反応によって排出されるアノードオフガス、カソードオフガスの少なくともどちらか一方を意味する。)が、加湿器内の水蒸気交換膜の一方の面に接触し、燃料電池オフガス中の水分が水蒸気交換膜内に吸水され、蓄えられる。また、燃料電池供給ガスが、水蒸気交換膜のもう一方の面に接触することによって、水蒸気交換膜内に蓄えられている水分が燃料電池供給ガスに供給される。
加湿器は、様々な環境下で使用されても、充分な加湿性能を発揮することができるように、種々改良が行われている。
例えば、特許文献1には、多価アルコールに浸漬処理した水蒸気交換膜を加湿器に使用することによって、低温環境下でも加湿性能の優れた加湿器が提案されている。
しかし、特許文献1の加湿器では、高温環境下、例えば、燃料電池の発電環境下(90℃程度以上)において継続して使用すると、加湿器に使用される水蒸気交換膜の表面張力が増加し、水蒸気交換膜の含水率、濡れ性等が徐々に低下する。水蒸気交換膜がこのような状態になると、加湿器の加湿性能が低下してしまう。加湿器の加湿性能が低下することによって、例えば、燃料電池オフガスから水分を吸水し、燃料電池供給ガスへ水分を供給することが困難となる。そうすると、電解質膜が乾燥し、電解質膜の水素イオン伝導性が低下することによって、燃料電池の発電性能が低下する場合がある。
本発明は、高温環境下(例えば、70℃以上)の使用でも、加湿器の加湿性能の低下を抑制することができる水蒸気交換膜リフレッシュシステム、当該水蒸気交換膜リフレッシュシステムを備える加湿器、及び当該加湿器を備える燃料電池システムである。
本発明の水蒸気交換膜リフレッシュシステムは、加湿器に使用される水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備える。
また、本発明は、湿潤ガスから水分を吸水し乾燥ガスへ前記水分を供給する水蒸気交換膜を有する加湿器であって、前記加湿器は、前記水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備える。
また、前記加湿器において、前記加湿器は、前記加湿器の使用状態を監視するモニタを有し、前記モニタから得られる前記加湿器の使用状態に応じて、前記表面張力回復剤供給手段により、前記水蒸気交換膜に表面張力回復剤を供給することが好ましい。
また、前記加湿器において、前記表面張力回復剤は、アルコールであることが好ましい。
また、本発明は、燃料電池供給ガスを供給することにより発電し、燃料電池オフガスを排出する燃料電池と、前記燃料電池オフガスから水分を吸水し前記燃料電池供給ガスへ前記水分を供給する水蒸気交換膜を有する加湿器とを備える燃料電池システムであって、前記加湿器は、前記水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備える。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記加湿器は、前記燃料電池システムの使用状態を監視するモニタを有し、前記モニタから得られる前記燃料電池システムの使用状態に応じて、前記表面張力回復剤供給手段により、前記水蒸気交換膜に表面張力回復剤を供給することが好ましい。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記表面張力回復剤は、アルコールであることが好ましい。
本発明によれば、水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、表面張力回復剤を水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段を備えることによって、高温環境下(例えば70℃以上)の使用でも、加湿器の加湿性能の低下を抑制することができる水蒸気交換膜リフレッシュシステム、当該水蒸気交換膜リフレッシュシステムを備える加湿器、及び当該加湿器を備える燃料電池システムを提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る加湿器の構成の一例を示す模式断面図である。加湿器1aは、水蒸気交換膜10と、水蒸気交換膜10の一方の面と湿潤ガスとが接触するための湿潤ガス通路12と、水蒸気交換膜10のもう一方の面と乾燥ガスとが接触するための乾燥ガス通路14と、外枠材16と、水蒸気交換膜リフレッシュシステム3aとを備えている。加湿器1aの乾燥ガス通路14側には、乾燥ガス通路14に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給路18及び乾燥ガス供給口20と、乾燥ガス通路14から乾燥ガス(加湿されたガス)を排出する加湿ガス排出路22及び加湿ガス排出口24とを有する。また、湿潤ガス通路12側には、湿潤ガス通路12に湿潤ガスを供給する湿潤ガス供給路26及び湿潤ガス供給口28と、湿潤ガス通路12から湿潤ガスを排出する湿潤ガス排出路30及び湿潤ガス排出口32とを有する。
水蒸気交換膜リフレッシュシステム3aは、水蒸気交換膜10の表面張力を回復させる表面張力回復剤34を貯蔵するタンク36と、表面張力回復剤34を水蒸気交換膜10に供給する表面張力回復剤供給手段としてのポンプ38と、配管類とを備えている。
水蒸気交換膜リフレッシュシステム3aの配管類は、タンク36の出口(不図示)とポンプ38の吸引側(不図示)と接続する回復剤供給路40aと、ポンプ38の吐出側(不図示)と加湿器1aの回復剤供給口42とを接続する回復剤供給路40bとを有する。回復剤供給口42は、水蒸気交換膜10の水分移動方向の点から湿潤ガス通路12側に設置されることが好ましい
図1により、本発明の実施形態に係る加湿器1aの動作について説明する。湿潤ガス供給路26から湿潤ガス供給口28を介して湿潤ガス通路12に入った湿潤ガスが、水蒸気交換膜10の一方の面(湿潤ガス通路12側)に接触し、湿潤ガス中の水分が水蒸気交換膜10内に吸水され、蓄えられる。そして、湿潤ガスは、湿潤ガス排出口32を介して湿潤ガス排出路30から加湿器1aの系外へ排出される。一方、乾燥ガス供給路18から乾燥ガス供給口20を介して乾燥ガス通路14に入った乾燥ガスが、水蒸気交換膜10のもう一方の面(乾燥ガス通路14側)に接触することによって、水蒸気交換膜10内に蓄えられている水分が乾燥ガスに供給される。水分が供給されたガス(乾燥ガス)は、加湿ガス排出口24を介して加湿ガス排出路22から加湿器1aの系外へ排出される。
このような湿潤ガスと乾燥ガスとの間で水蒸気交換が行われる際に、水蒸気交換膜リフレッシュシステム3aにおいて、ポンプ38の吐出側と回復剤供給口42との間に設けられた回復剤供給路40b中のバルブ44が開かれ、ポンプ38が稼動される。ポンプ38の稼動によって、タンク36内の表面張力回復剤34は、回復剤供給路40a,40bを経由して、回復剤供給口42から湿潤ガス通路12に供給される。湿潤ガス通路12に供給された表面張力回復剤34は、水蒸気交換膜10に吸水される。
表面張力回復剤34とは、水蒸気交換膜10の表面張力を回復させることができるものである。高温環境下で、上記のように、湿潤ガスと乾燥ガスとの間で水蒸気交換を行うと、水蒸気交換膜の表面張力は高くなる。表面張力が高くなると、水蒸気交換膜の含水率、濡れ性等が低下してしまう。したがって、本実施形態のように表面張力回復剤34を水蒸気交換膜に供給することによって、表面張力が高くなった水蒸気交換膜10の表面張力を回復させることができる。また、表面張力の回復によって、水蒸気交換膜の含水率、濡れ性等も回復させることができる。表面張力回復剤としては、例えば、メタノール、エタノール、グリセリン等のアルコール、界面活性剤等が挙げられる。水蒸気交換膜の表面張力を効率的に回復させる点で、アルコールであることが好ましく、水蒸気交換膜にダメージを与えない点、燃料電池システムの発電に影響を与えない点で、エタノールであることがより好ましい。
水蒸気交換膜リフレッシュシステム3aは、加湿器1aの回復剤供給口42と回復剤供給路40bとを脱着可能なアタッチメントにして(又は専用ポートを設けて)、加湿器1aから取り外し、取り付け可能にしてもよい。このような構成にすることによって、加湿器の加湿性能が低下したときに、水蒸気交換膜リフレッシュシステム3aを取り付けて、加湿器の加湿性能を回復させることも可能である。
水蒸気交換膜10は、湿潤ガスから(選択的に)水分を吸水し、乾燥ガスに水分を供給することができるものであり、公知の樹脂膜を使用することができる。例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエンカビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等の樹脂膜が挙げられる。
外枠材16は、湿潤ガス及び乾燥ガスに対して不透過性を有するものであれば特に制限されるものでなく、例えば、金属板、ラミネートフィルム、樹脂等が挙げられる。
加湿器1aは、水蒸気交換膜10と外枠材16を接着等によって一体形成されているものである。
図2は、本発明の他の実施形態に係る加湿器の構成の一例を示す模式断面図である。図2に示すように、加湿器1bは、加湿器1bの使用状態を監視するモニタ(制御部)46を有する。なお、図2に示す加湿器1bは、図1に示す加湿器1aと共通する部材については同一の符号が付してある。
モニタ46とは、加湿器1bの使用状態を監視するものである。例えば、加湿器1bの使用経過時間、水蒸気交換膜10の膜抵抗等を測定するものである。また、モニタ46は、ケーブル48等によって加湿器1b、バルブ44、及びポンプ38と電気的に接続されている。
加湿器1bの使用時間を測定する場合には、モニタ46は、時計機能を有し、予め設定された使用経過時間になると、バルブ44を開き、ポンプ38を稼動するように指示するものであればよい。
上記説明したように水蒸気交換膜10の表面張力が増加すると、水蒸気交換膜10の含水率が低下するため、水蒸気交換膜10の膜抵抗も変動(増加)する。したがって、水蒸気交換膜10の膜抵抗を測定する場合には、モニタ46は、インピーダンス計測器を有し、予め設定した水蒸気交換膜10の膜抵抗になると、上記同様にバルブ44を開き、ポンプ38を稼動するように指示するものであればよい。
モニタ46を備えることによって、水蒸気交換膜10の表面張力が増加した際(具体的には、加湿器の加湿性能が低下した際)に、表面張力回復剤34を水蒸気交換膜10に供給することができる。したがって、水蒸気交換膜10に過剰の表面張力回復剤34を供給することを抑制することができる。
図3は、本発明の他の実施形態に係る加湿器の構成の一例を示す模式断面図である。図3に示すように、加湿器1cは、水蒸気交換膜リフレッシュシステム3bを備える。なお、図3に示す加湿器1cは、図1に示す加湿器1aと共通する部材については、同様の符号が付してある。
水蒸気交換膜リフレッシュシステム3bは、水蒸気交換膜10の表面張力を回復させる表面張力回復剤34を貯蔵するタンク36と、表面張力回復剤34を水蒸気交換膜10に供給する表面張力回復剤供給手段としてのポンプ38と、配管類とを備えている。
水蒸気交換膜リフレッシュシステム3bの配管類は、タンク36の出口(不図示)とポンプの吸引側(不図示)と接続する回復剤供給路40aと、ポンプ38の吐出側(不図示)と加湿器1cの回復剤供給口42とを接続する回復剤供給路40bと、加湿器の回復剤排出口52とタンク入口(不図示)とを接続する回復剤循環路54とを有する。
次に、水蒸気交換膜リフレッシュシステム3bの動作について説明する。上記で説明したように、加湿器1c内で水蒸気交換が行われる際に、ポンプ38の吐出側と回復剤供給口42との間に設けられた回復剤供給路40b中のバルブ44、回復剤排出口52とタンク36の入口との間に設けられた回復剤循環路54中のバルブ45aを開き、ポンプ38を稼動させる。ポンプ38の稼動によって、タンク36内の表面張力回復剤34は、回復剤供給路40a、40bを経由して、回復剤供給口42から湿潤ガス通路12に供給される。この際、湿潤ガス通路12を流れる湿潤ガスが、回復剤排出口52から回復剤循環路54に流入しないように、湿潤ガス供給路26のバルブ45bを閉じる。湿潤ガス通路12に流れる表面張力回復剤34は、水蒸気交換膜10に吸水される。また、水蒸気交換膜10に吸水されない余分な表面張力回復剤34は、回復剤排出口52から回復剤循環路54を通り、タンク36内に流入する。
このような構成にすることによって、表面張力回復剤34を無駄なく使用することができるため、長期間継続して加湿器1cを使用することができる。
水蒸気交換膜リフレッシュシステム3bは、加湿器1cの回復剤供給口42及び回復剤供給路40b、回復剤排出口52及び回復剤循環路54を脱着可能なアタッチメントにして(又は専用ポートを設けて)、加湿器1cから取り外し、取り付け可能にしてもよい。このような構成にすることによって、加湿器の加湿性能が低下したときに、水蒸気交換膜リフレッシュシステム3bを取り付けて、加湿器の加湿性能を回復させることも可能である。
図4は、本発明の他の実施形態に係る加湿器の構成の一例を示す模式断面図である。図4に示すように、加湿器1dの水蒸気交換膜リフレッシュシステム3cは、水蒸気交換膜10の表面張力を回復させる表面張力回復剤34を貯蔵するタンク36と、配管類とを備えている。なお、図4に示す加湿器1dは、図1に示す加湿器1aと共通する部材については同一の符号が付してある。
水蒸気交換膜リフレッシュシステム3cの配管類は、タンク36の出口(不図示)と回復剤供給口42と接続する回復剤供給路40と、加湿されたガス(乾燥ガス)を排出する加湿ガス排出路22とタンク36の入口(不図示)とを接続する圧力路56とを有する。
次に、水蒸気交換膜リフレッシュシステム3cの動作について説明する。上記で説明した加湿器1d内で水蒸気交換が行われる際に、加湿ガス排出路22を通る加湿されたガス(乾燥ガス)の一部が、圧力路56を通り、タンク36内に流入する。加湿されたガスがタンク36内に流入することにより、タンク36内の圧力が上がる。その際に、回復剤供給路40に設けられたバルブ44を開くことよって、タンク36内の表面張力回復剤34は、回復剤供給路40を通り、回復剤供給口42から湿潤ガス通路12に供給される。湿潤ガス通路12に供給された表面張力回復剤34は、水蒸気交換膜10に吸水される。
上記のように、加湿ガス排出路22を通る加湿されたガス(乾燥ガス)は、タンク36内の圧力を上げることができるため、表面張力回復剤34を水蒸気交換膜10に供給する表面張力回復剤供給手段として利用することができる。そのため、ポンプ38自体を必要とせず、加湿器1dの軽量化を測る点で好ましい。
以上のように、本実施形態に係る加湿器は、加湿器に使用される水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、表面張力回復剤を水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備えることにより、燃料電池システム等の高温環境下で加湿器を使用し、表面張力が高くなった水蒸気交換膜の表面張力を回復(低く)させることができる。また、水蒸気交換膜の表面張力の回復によって、水蒸気交換膜の含水率、濡れ性等も回復させることができるため、加湿器の加湿性能の低下を抑制することができる。さらに、表面張力回復剤をタンクに補充等するだけで、加湿器を交換することなく、長期間安定した加湿性能を有する加湿器を使用することができる。そのため、本実施形態に係る加湿器は、コスト、メンテナンス費用等の点で好ましい。
また、上記これらの実施形態に係る加湿器は、例えば、燃料電池用、空調機用の加湿器として用いることができる。以下、加湿器を燃料電池用に用いた場合の例を説明する。
図5は、本実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例示す模式断面図である。
本実施形態に係る燃料電池システム5aは、燃料電池6と、高圧ガスタンク7と、エアコンプレッサ8と、加湿器1aと、配管類とを有する。
燃料電池6は、単セル又は単セルを複数積層したものである。燃料電池6の単セルは、固体高分子電解質膜と、それを挟持するカソード極とアノード極と、アノード極及びカソード極の外側に配置されたセパレータとを有する固体高分子型燃料電池である。
加湿器1aは、図1に示す加湿器1aである。加湿器1aは、燃料電池オフガス(上記燃料電池の発電反応によって排出されるアノードオフガス、カソードオフガスの少なくともどちらか一方を意味する。)と燃料電池供給ガス(アノードガス、カソードガスのうち少なくともどちらか一方を意味する。)との間で水蒸気交換を行わせるものであり、燃料電池のアノード極側及びカソード極側のうち少なくともどちらか一方に設けられるものであればよい。本実施形態ではカソード極側に設けたものを例として説明する。
図5に示すように、燃料電池6のアノード極側では、高圧ガスタンク7の出口(不図示)と燃料電池6のアノードガス入口(不図示)とを接続するアノードガス供給路9aと、燃料電池6のアノードガス出口(不図示)と接続するアノードガス排出路9bとを有する。
一方、燃料電池6のカソード極側では、エアコンプレッサ8の吐出側(不図示)と加湿器1aの乾燥ガス供給口20とを接続する乾燥ガス供給路18と、加湿器1aの加湿ガス排出口24と燃料電池6のカソードガス入口(不図示)とを接続する加湿ガス排出路22と、燃料電池6のカソードガス出口(不図示)と加湿器1aの湿潤ガス供給口28とを接続する湿潤ガス供給路26と、加湿器1aの湿潤ガス排出口32から燃料電池システム5a外に排出される湿潤ガス排出路30とを有する。
次に、本実施形態に係る燃料電池システム5aの動作について説明する。アノードガスは、高圧ガスタンク7から供給されるアノードガスがアノードガス供給路9aを通り、アノードガス入口から燃料電池6に供給され、燃料電池6の発電に利用される。発電に利用されなかったアノードガスは、アノードオフガスとしてアノードガス出口から排出され、アノードガス排出路9bを通り、燃料電池システム5a外に排出される。一方、カソードガスは、エアコンプレッサ8から供給されるカソードガスが乾燥ガス供給路18を通り、乾燥ガス供給口20から乾燥ガス通路14に導入される。上記説明したようにカソードガスは、乾燥ガス通路14内で加湿される。加湿されたカソードガスは、加湿ガス排出口24から排出され、加湿ガス排出路22を通り、カソードガス入口から燃料電池6に供給され燃料電池6の発電に利用される。発電に利用されなかったカソードガスの残留分は、発電の際に生成した水分とともにカソードオフガスとして、カソードガス出口から排出され、湿潤ガス供給路26を通り、湿潤ガス供給口28から湿潤ガス通路12に導入される。上記説明したように、カソードオフガス中の水分は、水蒸気交換膜10により吸水される。そして、カソードオフガスは、湿潤ガス排出口32から湿潤ガス排出路30を通り燃料電池システム5a外に排出される。
本実施形態に用いられる加湿器1aの水蒸気交換膜リフレッシュシステム3aの動作については、上記説明した通りである。
図6、7は、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す模式断面図である。本実施形態に係る燃料電池システムは、図5に示す加湿器1aに限定されるものではなく、図6,7に示すように、例えば、図3,4に示す加湿器1c,1d等も使用することができる。図6(及び図3)に示す加湿器1cは、上記でも説明したように、水蒸気交換膜10に吸水されない余分な表面張力回復剤34をタンク36内に戻すことができる。そのため、表面張力回復剤34をタンク36内に補充しなくても、燃料電池システム5bを長期間継続して使用することができる。また、図7(及び図4)に示す加湿器1dは、上記でも説明したように、加湿ガス排出路22を通る加湿された乾燥ガス(カソードガス)の一部を使用して、タンク36内の圧力を上げ、表面張力回復剤34を水蒸気交換膜10に供給することができる。そのため、ポンプ38等を必要とせず、燃料電池システム5cの軽量化を図る点で好適である。
図8は、本発明の他の実施形態に係る燃料電池システムの構成の一例を示す模式断面図である。本実施形態に係る燃料電池システム5dは、モニタ46を有する加湿器1bを備えるものである。
モニタ46とは、燃料電池システム5dの使用状態を監視するものである。例えば、加湿器1bの使用状態、燃料電池6の使用経過時間、燃料電池6の電圧、燃料電池6のインピーダンス等を測定するものである。モニタ46は、ケーブル48等によって、加湿器1b、燃料電池6(加湿器1b及び燃料電池6はどちらか一方でもよい)、バルブ44、及びポンプ38と電気的に接続されている。加湿器1bの使用状態については、上記説明した通りである。
燃料電池6の使用時間を測定する場合には、モニタ46は、時計機能を有し、予め設定された使用経過時間になると、バルブ44を開き、ポンプ38を稼動するように指示するモニタであればよい。
燃料電池6の電圧を測定する場合には、モニタ46は、燃料電池6の出力電圧を測定する電圧計を有する。上記でも説明したように、水蒸気交換膜10の表面張力が増加すると、加湿性能が低下するため、燃料電池6内の電解質膜が乾燥する。そうすると、燃料電池6の発電性能が低下するため、燃料電池6の出力電圧も低下する。したがって、モニタ46は、燃料電池6の発電性能が低下した際の燃料電池6の出力電圧を予め設定し、燃料電池6が設定した出力電圧になると、上記同様にバルブ44を開き、ポンプ38を稼動するように指示するものであればよい。
燃料電池6のインピーダンスを測定する場合には、モニタ46は、燃料電池6のインピーダンスを測定するインピーダンス計測器を有する。上記同様に発電性能が低下すると、燃料電池6のインピーダンスは増大する。モニタ46は、燃料電池6の発電性能が低下した際の燃料電池6のインピーダンスを予め設定し、燃料電池6が設定したインピーダンスになると、上記同様にバルブ44を開き、ポンプ38を稼動するように指示するものであればよい。
本実施形態に係る燃料電池システム(例えば、図5〜8に示す燃料電池システム5a〜5d)が、電気自動車等の車輌用の電源として使用される場合には、水蒸気交換膜リフレッシュシステム(例えば、図1〜4に示す水蒸気交換膜リフレッシュシステム3a〜3c)は、車輌のウィンドウォッシャ用のシステムと兼用することができる。通常、ウィンドウォッシャ用のシステムのウィンドウォッシャ液は、ガラスを洗浄するために、アルコールが使用されている。そのため、水蒸気交換膜リフレッシュシステムに用いられる表面張力回復剤として、アルコールを使用すれば、ウィンドウォッシャ用のシステムと兼用することが可能となり、車輌システムの簡素化が可能である。
また、上記でも説明したように、水蒸気交換膜リフレッシュシステムは、加湿器から取り外し、取り付け可能(上記説明したポート、アタッチメント等を使用する)とすることができるため、水蒸気交換膜リフレッシュシステムをディーラ等専用サービスステーションや移動式の水蒸気交換膜リフレッシュシステムとして外部に設定することができる。したがって、車輌に搭載した加湿器の加湿性能が低下した際には、ディーラ等専用サービスステーション等で、加湿器に上記水蒸気交換膜リフレッシュシステムを取り付け、定期的に加湿器の性能を回復させることができる。
以上のように、本実施形態に係る燃料電池システムは、水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、表面張力回復剤を水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備えることによって、高温環境下で燃料電池システムに備えられた加湿器を使用しても、加湿器の加湿性能の低下を抑制することができるため、燃料電池システムの発電性能の低下を抑制することができる。
上記本実施形態に係る燃料電池システムは、例えば、携帯電話、携帯用パソコン等のモバイル機器用小型電源、自動車用電源、定置用電源等として使用することができる。
1a,1b,1c,1d 加湿器、3a,3b,3c 水蒸気交換膜リフレッシュシステム、5a,5b,5c,5d 燃料電池システム、6 燃料電池、7 高圧ガスタンク、8 エアコンプレッサ、9a アノードガス供給路、9b アノードガス排出路、10 水蒸気交換膜、12 湿潤ガス通路、14 乾燥ガス通路、16 外枠材、18 乾燥ガス供給路、20 乾燥ガス供給口、22 加湿ガス排出路、24 加湿ガス排出口、26 湿潤ガス供給路、28 湿潤ガス供給口、30 湿潤ガス排出路、32 湿潤ガス排出口、34 表面張力回復剤、36 タンク、38 ポンプ、40a,40b 回復剤供給路、42 回復剤供給口、44,45a,45b バルブ、46 モニタ、52 回復剤排出口、54 回復剤循環路、56 圧力路。
Claims (7)
- 加湿器に使用される水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備えることを特徴とする水蒸気交換膜リフレッシュシステム。
- 湿潤ガスから水分を吸水し乾燥ガスへ前記水分を供給する水蒸気交換膜を有する加湿器であって、
前記加湿器は、前記水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備えることを特徴とする加湿器。 - 請求項2記載の加湿器であって、前記加湿器は、前記加湿器の使用状態を監視するモニタを有し、前記モニタから得られる前記加湿器の使用状態に応じて、前記表面張力回復剤供給手段により、前記水蒸気交換膜に表面張力回復剤を供給することを特徴とする加湿器。
- 請求項2又は3記載の加湿器であって、前記表面張力回復剤は、アルコールであることを特徴とする加湿器。
- 燃料電池供給ガスを供給することにより発電し、燃料電池オフガスを排出する燃料電池と、前記燃料電池オフガスから水分を吸水し前記燃料電池供給ガスへ前記水分を供給する水蒸気交換膜を有する加湿器とを備える燃料電池システムであって、
前記加湿器は、前記水蒸気交換膜の表面張力を回復させる表面張力回復剤を貯蔵するタンクと、前記表面張力回復剤を前記水蒸気交換膜に供給する表面張力回復剤供給手段とを備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項5記載の燃料電池システムであって、前記加湿器は、前記燃料電池システムの使用状態を監視するモニタを有し、前記モニタから得られる前記燃料電池システムの使用状態に応じて、前記表面張力回復剤供給手段により、前記水蒸気交換膜に表面張力回復剤を供給することを特徴とする燃料電池システム。
- 請求項5又は6記載の燃料電池システムであって、前記表面張力回復剤は、アルコールであることを特徴とする燃料電池システム。
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2006
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