JP2008151219A - 吸着式ガス貯蔵容器及びそれを備えた車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被貯蔵ガスを吸脱着可能な吸着材12を内部に充填した容器部材11を備え、ガス流入口から前記容器部材11の内部に取り込んだ被貯蔵ガスを吸着材12に吸着させて貯蔵し、吸着材12から脱着させた被貯蔵ガスをガス流出口から前記容器部材11の外部に払い出すように構成された吸着式ガス貯蔵容器100であって、ガス流入口とガス流出口とが、共通のガス流入出口23で構成され、ガス流入出口23に、吸着材の流出を抑制するフィルタ部材2を備える。
【選択図】図1
Description
さらに、容器部材の漏れ検査を、容器部材の内部の吸着材が充填された状態で行う必要があるため、漏れ検査用のガスが吸着材に吸着されて、あたかも漏れが発生したような圧力低下が起き、正確な漏れ検査ができなかった。
また、吸着材の粉塵が、被貯蔵ガスの払い出しに伴ってガス流入出口に向かって流れる際には、ガス流入出口に備えられたフィルタ部材に付着するが、フィルタ部材に付着した粉塵は、被貯蔵ガスがガス流入出口から容器部材の内部に流入する際には、被貯蔵ガスと共に内部に吹き飛ばされてフィルタ部材から除去されるため、フィルタ部材の目詰まりを抑制することができる。この結果、目詰まりによる圧力損失の増大がないため、容器部材の外部への被貯蔵ガスの払い出し量を減少させることなく、適切な量に維持することができる。
又、フィルタ部材が、ガス流入出口に設けられているので、そのフィルタ部材の交換を容易に行うことができる。そして、フィルタ部材を取り外した状態で、吸着材をガス流入出口から出し入れでき、漏れ検査を正確に行うことができる。
以上から、ガス貯蔵性能が高く、メンテナンスが容易で、検査を正確に行うことができ、且つフィルタ部材の目詰まりを適切に防止して容器部材の外部へのガス供給量を適切な量に維持することができる吸着式ガス貯蔵容器を実現することができる。
また、フィルタ部材を備えるガス流入出口を容器部材の上部側に配置すれば、簡単な構成でフィルタ部材の内面を水平方向よりも下向きとすることができ、さらには、フィルタ部材の内面に対して吸着材が接触する頻度を低減し、フィルタ部材の破損などを抑制することもできる。
また、フィルタ部材の変形を抑制するために、フィルタ部材を一対の板状のサポート部材で挟み込むことができる。
また、フィルタ部材を筒状部材を覆う形態で備えているため、フィルタ部材をガス流入出口の流通通路に備える場合に比して、ガス流通面積を拡大することができ、圧力損失の増大を一層抑制することができる。
また、当該車両は、車両が移動することにより容器部材に伝達する振動によって発生する吸着材の粉塵がフィルタ部材に付着・堆積して目詰まりすることを抑制し、ガス吸着性能を維持することができる。また、フィルタ部材を下向きに備えた場合には、フィルタ部材の内面に付着する吸着材の粉塵が容器部材の内部に振るい落されるため、フィルタ部材の目詰まりによる圧力損失の増大を一層抑制できる。
本発明の吸着式ガス貯蔵容器100の第1実施形態について、図1、図2、図3、及び図4に基づいて説明する。
本発明の吸着式ガス貯蔵容器100は、図1及び図2に示すように、被貯蔵ガスを吸脱着可能な吸着材12を内部に充填した容器部材11を備え、ガス流入口から容器部材11の内部に取り込んだ被貯蔵ガスを吸着材12に吸着させて貯蔵し、吸着材12から脱着させた被貯蔵ガスをガス流出口から容器部材11の外部に払い出すように構成されている。
本発明に係る吸着式ガス貯蔵容器100は、被貯蔵ガスを容器部材11の内部に取り込むガス流入口と、被貯蔵ガスを容器部材11の外部へ払い出すガス流出口とを、一体に構成したガス流入出口23を備えており、当該ガス流入出口23には吸着材12の容器部材11の外部への流出を抑制するフィルタ部材2を備えて構成される。
フィルタ部材2は、ガス流入出口23の外面側に溶接などの方法により容器部材11へ固設された環状のボディ部材3と、ボディ部材3に対して容器部材11の外側から着脱可能な状態で取付けられる環状のカバー部材1との間に挟持される。よって、フィルタ部材2は、ボディ部材3とカバー部材1との内側を連通するガス流入出通路13を横断する状態で配置されて、当該ガス流入出通路13を流通する被貯蔵ガスから、吸着材12の粉塵などをろ過する形態で備えられている。
また、ガス流入出口23の口径は、上述した吸着材12を比較的容易に取り出せる口径に適宜設定できる。また、ガス流入出口23の端部の形状は、吸着材12が取り出しやすいように、容器部材11と滑らかに接合するようなテーパー形状とすることができる。
本発明の吸着式ガス貯蔵容器100の第2実施形態について、図5、図6、図7、及び図8に基づいて説明する。
尚、本第2実施形態の吸着式ガス貯蔵容器100は、第1実施形態に対して主にフィルタ部材2の取付構造が異なる。そこで、第1実施形態と同様である構成については、同じ符号を用いることとし、説明を割愛する場合がある。
フィルタ部材20は、容器部材11の内部へ突出配置された多孔状の筒状部材30を覆う状態で配置されている。具体的には、筒状部材30は、多数の穿設孔17を有して多孔状に形成された有底筒状の部材であり、内側に被貯蔵ガスを流通するガス流入出通路29を有する取付部材28の下端部に同軸状に固設されている。そして、フィルタ部材20は、容器部材11内部から穿設孔17を通じて当該ガス流入出通路29へ流通する被貯蔵ガスから、吸着材12の粉塵などをろ過する。
上記第2実施形態において、筒状部材30の口径は、ガス流入出通路29の口径よりも幅広に構成されており、ガス流通面積をより一層広く確保できる構造としている。また、筒状部材30の形状は、半球状や、筒状部材30の下部に向って口径が小さくなる形状(例えば、円錐形状)などのさまざまな形状とすることができる。
燃料ガスとしては、メタン及び、エタン、ブタン、プロパン、天然ガスなどの有機ガス、及び所望の駆動力を提供する他の任意のガスを用いることができる。
実施例2では、容器部材の容量を14Lとした第1実施形態の吸着式ガス貯蔵容器を用いた。
実施例3では、容器部材の容量を28Lとした第1実施形態の吸着式ガス貯蔵容器を用いた。
実施例4では、容器部材の容量を39Lとした第1実施形態の吸着式ガス貯蔵容器を用いた。
比較例1では、容器部材の容量14Lとした容器部材内に充填された吸着材の上端面全体にフィルタ部材を設けた従来の吸着式ガス貯蔵容器を用いた。
比較例2では、容器部材の容量を39Lとし容器部材内に充填された吸着材の上端面全体にフィルタ部材を設けた従来の吸着式ガス貯蔵容器を用いた。
容器部材から払い出すメタンガスの流速を10L/minに維持可能な最低容器部材内圧力を測定した試験結果を、下記の表1に示す。
2、20:フィルタ部材
3、26:ボディ部材
11:容器部材
12:吸着材
30:筒状部材
17:穿設孔(多孔状構造の一例)
21:ガス流入通路
22:ガス流出通路
23:ガス流入出口
100:吸着式ガス貯蔵容器
Claims (5)
- 被貯蔵ガスを吸脱着可能な吸着材を内部に充填した容器部材を備え、前記容器部材に設けられたガス流入口から前記容器部材の内部に取り込んだ前記被貯蔵ガスを前記吸着材に吸着させて貯蔵し、前記吸着材から脱着させた前記被貯蔵ガスを前記容器部材に設けられたガス流出口から前記容器部材の外部に払い出すように構成された吸着式ガス貯蔵容器であって、
前記ガス流入口と前記ガス流出口とが、共通のガス流入出口で構成され、
前記ガス流入出口に、前記吸着材の流出を抑制するフィルタ部材を備えた吸着式ガス貯蔵容器。 - 前記フィルタ部材が、内面の少なくとも一部を水平方向よりも下向きとして配置されている請求項1に記載の吸着式ガス貯蔵容器。
- 前記ガス流入出口の外面側縁部に固設された環状のボディ部材と、
前記ボディ部材に対して外側から着脱可能な状態で取付けられる環状のカバー部材とを備え、
前記フィルタ部材が、前記ボディ部材と前記カバー部材との間に挟持された状態で配置されている請求項1又は2に記載の吸着式ガス貯蔵容器。 - 前記ガス流入出口に対して着脱可能に取付けられ、当該ガス流入出口から前記容器部材の内部に突出配置された多孔状の筒状部材を備え、
前記フィルタ部材が、前記筒状部材を覆う状態で配置されている請求項1又は2に記載の吸着式ガス貯蔵容器。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の吸着式ガス貯蔵容器を、前記被貯蔵ガスとして燃料ガスを貯蔵する形態で備え、
前記吸着式ガス貯蔵容器から払い出された燃料ガスにより駆動する車両。
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