JP2008151042A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】外径が異なる摺動部を有するニードルを容易にノズルボディに摺動可能に収容できる燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】ニードル7は、第1摺動部81を有する第1ニードル8、および該第1ニードル8とほぼ同軸上に配置され第1摺動部81の外径よりも小さい第2摺動部95と噴射孔46を開閉する弁体部71とを有する第2ニードル9を有し、第1ニードル8の第1端部85と、第2ニードル9の第2端部96との間に設けられ、ニードル7が噴射孔46を開閉する両方向に動くように、連結する連結手段82、91と、第1、第2摺動部81、95の間に、第1端部85または第2端部96に流体圧を作用させる圧力制御室32と、を備え、連結手段82、91は、第1端部85に形成される凹部83と、第2端部96に形成され、凹部83に挿入させて嵌め合わされる凸部92、93とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料噴射弁に関する。
従来から、ニードルに形成された弁体部をハウジングに形成された噴射孔から外側方向に移動させることにより燃料の噴射と停止とを制御する、いわゆる外開弁形式の燃料噴射弁が知られている(特許文献1参照)。
この燃料噴射弁は、ニードルの反噴射孔側端部に、ニードルを開弁方向に移動する力(以下、開弁方向の力という)を発生する油圧制御室と、ニードルを閉弁方向に移動する力(以下、閉弁方向の力という)を付与するスプリングを有している。この加圧室内の圧力を増加させることにより、ニードルに開弁方向の力を増大させ、この力が上述のスプリングによる閉弁方向の力よりも勝ったとき、ニードルは開弁方向に移動し、噴射孔から燃料が噴射される。
特開平11−351098号公報
一般に、内燃機関の燃焼効率を向上させたり、燃料消費を抑制したりするため、燃料噴射弁の噴射孔を燃焼室に臨ませたり、噴射孔から噴射される燃料を微粒化したりする方法を採用することがあり、それらに適した燃料噴射弁に供給する燃料の圧力は、比較的高いものとなっている。また、この傾向は、ますます強くなり、燃料噴射弁に供給する燃料圧は高くなっている。
しかしながら、上述の外開弁形式のニードルを有する燃料噴射弁は、ニードルの反噴射孔側の端面が単に油圧制御室に臨む構造であるため、油圧制御室に燃料が供給されると、その燃料の圧力が上記端面に作用し、ニードルには、ニードルを噴射孔側の方向、すなわち開弁方向の力のみが発生する。燃料噴射弁に供給する燃料圧を高くすると、ますますニードルを開弁方向の力が増大するので、閉弁を維持するには、閉弁方向の力を増大させる必要がある。
従来技術の燃料噴射弁においては、閉弁を維持するには、閉弁方向に付勢するスプリングの付勢力を大きく設定せざるを得ず、燃料噴射弁の体格が大型化するという問題が生じる。
上述した問題に対し、本出願人は、同日付けで提出した特許出願において、ニードルの両端部間に、流体圧を作用させると、閉弁方向に移動する力を発生する受圧面が形成されているニードルと、この受圧面に燃料圧を作用させる流体を蓄圧する圧力制御室とを有する燃料噴射弁を提案している。
この燃料噴射弁では、ニードルの両端部間に受圧面を有し、この受圧面に流体圧を作用させる流体を蓄圧する圧力制御室が形成されているので、ニードルには、圧力制御室の噴射孔側および反噴射孔側に圧力制御室の液密を保つための摺動部が形成される。しかも、ニードルに形成される2つの摺動部は、それぞれ外径が異なっている。外径が異なる摺動部を同軸上にノズルボディの縦孔に摺動可能に収容するのは非常に困難である。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、外径が異なる摺動部を有するニードルを容易にノズルボディに形成された縦孔に摺動可能に収容することができる燃料噴射弁を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明によれば、先端部に噴射孔、および噴射孔と連通する縦孔を有するノズルボディと、縦孔に摺動自在に収容され、噴射孔を開閉するニードルと、を備え、燃料源からの燃料を噴射または停止する燃料噴射弁において、ニードルは、第1摺動部を有する第1ニードル、および、該第1ニードルとほぼ同軸上に配置され、第1摺動部の外径よりも小さい第2摺動部と噴射孔を開閉する弁体部とを有する第2ニードルを有し、第1ニードルの第2ニードル側の端部である第1端部と、第2ニードルの第1ニードル側の端部である第2端部との間に設けられ、第1、第2ニードルが噴射孔を開閉すべく軸方向に共に動くように、第1、第2ニードルを互いに連結する連結手段と、第1、第2摺動部の間に、ノズルボディの縦孔とニードルによって区画され、第1端部または第2端部に調整された流体圧を作用させ、ニードルに開閉方向の力を発生させる圧力制御室と、を備え、連結手段は、第1端部に形成される凹部と、第2端部に形成され、第1、第2ニードルが互いの径方向の動きを拘束しあわないように凹部に挿入させて嵌め合わされる凸部とを有することを特徴としている。
この構成によれば、ニードルは第1、第2ニードルに分割されている。そして、第1ニードルには、第1摺動部が形成され、第2ニードルには、第1摺動部よりも外径が小さい第2摺動部が形成されている。このため、第1、第2ニードルを別々にノズルボディの縦孔に摺動可能に収容することができる。
そして、第1、第2ニードルは、連結手段によって互いの径方向の動きが拘束されないように連結されている。このため、第1、第2ニードルと縦孔との摺動を確保したまま第1、第2ニードルを連結することができる。したがって、外径の異なる第1、第2ニードルと縦孔との摺動を確保しつつ、同軸上に第1、第2ニードルをノズルボディに収容することができる。
請求項2に記載の発明によれば、凸部は、その最大外径が第2摺動部の外径以下であることを特徴としている。この構成によれば、第2ニードルに形成されている凸部は、第2ニードルをノズルボディの縦孔に収容する際、この縦孔のうち第2摺動部が摺動する部分を通過できる。これにより、第2ニードルをノズルボディの縦孔に引っ掛けることなく容易に収容することができる。
請求項3に記載の発明によれば、凸部は、ヘッド部と、ヘッド部の外径より小さいロッド部とを有し、ヘッド部とロッド部との間には、凸部側係止面が形成され、凹部は、凸部側係止面と対面し、第1ニードルと第2ニードルとが互いに離れるとき、凸部側係止面と当接する凹部側係止面を有することを特徴としている。
この構成によれば、凹部に係止するヘッド部と第2端部との間には、ヘッド部よりも外径が小さいロッド部が形成されているので、ヘッド部とロッド部との間には、軸方向に対して交差する凸部側係止面が形成される。この凸部側係止面が、凹部に形成された凹部側係止面と係止されることにより、第1、第2ニードルが互いに軸方向に離れるとき、第1、第2ニードルを共に動かすことができる。
請求項4に記載の発明によれば、凸部側係止面と凹部側係止面とは、面接触していることを特徴としている。この構成によれば、凸部側係止面と凹部側係止面とは、面接触で当接しているので、荷重を分散することができる。
請求項5に記載の発明によれば、凹部は、第1ニードルの径方向側面にも開口していることを特徴としている。この構成によれば、凹部は、第1ニードルの径方向側面にも開口しているので、第2ニードルの凸部を第1ニードルの径方向側面から挿入することができる。これにより、第1、第2ニードルを容易に連結することができる。
請求項6に記載の発明によれば、凸部と凹部は、径方向に隙間が形成されるように凹部に凸部が挿入され、第1ニードルと第2ニードルとが連結されることを特徴としている。この構成によれば、第1、第2ニードルを連結したとき、凸部と凹部との間には、隙間が形成されるので、ノズルボディに形成される縦孔の第1摺動部が摺動する部分と第2摺動部が摺動する部分の軸線が互いにずれていても、この軸ずれ分を吸収することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ヘッド部とロッド部との接続部、および第2端部とロッド部との接続部の形状が、曲面、若しくは面取り形状となっていることを特徴としている。この構成によれば、第1、第2ニードルに互いに軸線方向に離れるような力が発生したとき、比較的応力集中しやすいヘッド部とロッド部との接続部、および第2端部とロッド部との接続部の形状が曲面、若しくは面取り形状となっているので応力集中を緩和することができる。
請求項8に記載の発明によれば、凹部の凹部側係止面は、少なくとも2つ有しており、これらの凹部係止面は、それぞれ周方向でほぼ等間隔となっていることを特徴としている。この構成によれば、凹部の凹部側係止面に凸部側係止面を当接させたとき、各凹部側係止面には、ほぼ均等に第2ニードルの荷重がかかるので、第1、第2ニードルを安定して連結することができる。
請求項9に記載の発明によれば、第1ニードルの凹部側係止面が形成されている部分の外径は、第1ニードルの第1摺動部の外径よりも大きいことを特徴としている。この構成によれば、凹部側係止面の面積を確保しやすくなり、凸部側係止面と係止させたときにかかる第2ニードルの荷重を分散させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、圧力制御室は、第1、第2摺動部の間に、第1端部および第2端部とが臨むように区画されていることを特徴としている。この構成によれば、調整された流体圧が圧力制御室に供給されると、その流体圧が第1、第2端部に作用する。これにより、第1、第2端部の軸方向投影面積を任意に設定すれば、流体圧が作用することによりニードルに発生する力の大きさと方向を任意に設定することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による燃料噴射弁を図1から図8に基づいて説明する。図1は、燃料噴射弁1の断面図であり、例えば直噴ガソリンエンジン(以下、省略してエンジンという)に使用される燃料噴射弁1である。燃料噴射弁1は、エンジンの各気筒に対応して設けられ、デリバリパイプ11(請求項に記載の燃料源に相当)から燃料配管14を介して燃料の供給を受けるようになっている。
デリバリパイプ11には、エンジンに設ける燃料噴射弁1の個数と同数の燃料配管14が設けられており、それぞれの燃料配管14には、一つずつ燃料噴射弁1が接続されている。なお、デリバリパイプ11には、燃料タンク13の燃料が、サプライポンプ12により圧送されて所定の燃料圧で蓄えられる。図示しない制御装置にて、燃料噴射弁1を制御することにより、各気筒への燃料の噴射制御を行う。また、燃料噴射弁1から噴射されなかった燃料、いわゆる余剰燃料は、戻り配管15を介して燃料タンク13に戻される。
図1に示すように、燃料噴射弁1は、棒状体で、図中下側部分がエンジンの図示しない燃焼室壁を貫通して燃焼室内に突出するように取り付けられている。燃料噴射弁1のハウジング16は、複数の略円柱状の部品(ノズルボディ2、バルブボディ5、およびノズルホルダ6)を軸方向に重ねて構成される。そして、これらのボディ2、5、6は、リテーニングナット17にて互いに固定される。
ハウジング16を構成する上述の部品は、その内部に、燃料が流通する流路や空間が形成され、更に、その流路や空間内には、流路を流通する燃料の流れを制御する部品が設けられている。ハウジング16内の燃料の流れを制御することにより、燃料噴射弁1から噴射される燃料の量やタイミングを制御することができる。
ノズルボディ2は、燃料噴射弁1をエンジンに搭載したとき、最も燃焼室側に配置される部品であり、ニードル7を軸方向に摺動可能に支持する部品である。ノズルボディ2は、大径側ノズルボディ3と小径側ノズルボディ4とから構成され、更に、小径側ノズルボディ4は、上部ノズルボディ41と下部ノズルボディ43とから構成される。
大径側ノズルボディ3には、その略中央部にニードル7の一部を軸方向に摺動可能に支持する縦孔31がこのノズルボディ3の両端面を貫通するように形成されている。縦孔31の外周側には、燃料が通過する高圧流路33の一部、および制御圧流路35の一部が、大径側ノズルボディ3の両端面を貫通するように形成されている。
また、高圧流路33の流路途中には、オリフィス34が形成され、制御圧流路35の流路途中には、オリフィス36が形成されている。オリフィス34の流路径は、オリフィス36の流路径よりも小さい。このため、オリフィス34を通過する燃料量は、オリフィス36を通過する燃料量よりも少なくなる。また、高圧流路33の外周側には、デリバリパイプ11からの燃料が通過する供給流路37の一部が、大径側ノズルボディ3の両端面を貫通するように形成されている。
大径側ノズルボディ3の下方には、小径側ノズルボディ4の上部ノズルボディ41が設けられている。このノズルボディ41にも、上述の縦孔31の中心軸とほぼ一致する中心軸を有する縦孔42が形成されている。この縦孔42は、ニードル7の一部を軸方向に摺動可能に支持する部分と、ニードル7を上方へ付勢する部品を収容する部分を有している。
ニードル7を上方へ付勢する部品を収容する部分の径は、ニードル7を支持する部分の径よりも大きくなっている。そして、ニードル7を支持する部分の径は、上述の縦孔31の径よりも小さくなっている。そして、上部ノズルボディ41には、上述の付属品を収容する部分に連通する供給流路37の一部が形成されている。
大径側ノズルボディ3と上部ノズルボディ41との間には、ニードル7がノズルボディ2に収容されることにより、縦孔31の側面、ニードル7の側面、上部ノズルボディ41の端面で囲まれる圧力制御室32が形成される。また、ニードル7の反噴射孔側には、大径側端面86、縦孔31、バルブボディ5の下側端面で囲まれる低圧室38が形成される。この圧力制御室32には、上述の高圧流路33と制御圧流路35が接続されている。この圧力制御室32内の圧力を制御することにより、ニードル7に作用する圧力を制御でき、ニードル7に発生する閉弁方向の力を制御することができる。
上部ノズルボディ41の下方には、下部ノズルボディ43が設けられている。このノズルボディ43にも、上述の縦孔31、縦孔42の中心軸とほぼ一致する中心軸を有する縦孔44が形成されている。この縦孔44は、このノズルボディ43の先端部45を貫通するように形成されており、縦孔44の開口部が噴射孔46となる。噴射孔46の周囲には、ニードル7が着座するシート部47が形成されている。
この縦孔44は、噴射孔46に近づくほど径が小さくなっている。上部ノズルボディ41側の径は、上述の部品を収容することができる程度の径となっており、その下方の径は、上述の部品の一部を係止する程度の径となっている。
上部ノズルボディ41と下部ノズルボディ43とを軸方向に重ねると、上述の部品を収容することができる空間が形成される。この空間が、燃料溜り室48となる。この燃料溜り室48には、上述の供給通路37を通過してきた燃料が溜まるようになっており、燃料溜り室48は、噴射孔46に連通している。そして、この燃料溜り室48には、上述のニードル7を上方へ付勢する部品である、上部ばね受け部481、下部ばね受け部482、およびコイルスプリング483が収容される。
コイルスプリング483は、圧縮された状態で、上部ばね受け部481と下部ばね受け部482との間に配置される。上部ばね受け部481は、ニードル7の段部に係止され、下部ばね受け部482は、下部ノズルボディ43に形成された段部に係止される。このため、ニードル7には、コイルスプリング483による付勢力が上方に働く。各ばね受け部481、482の間には、ニードル7がシート部47に着座した状態で、距離Lの隙間が形成されている。なお、ニードル7の構造については、後ほど詳細に説明する。
大径側ノズルボディ3の上方には、圧力制御室32内の燃料圧を制御する制御弁521を収容するバルブボディ5が設けられている。バルブボディ5には、略中央部に制御弁521を収容する制御弁室52および制御弁室52と常時連通する副室53が形成されている。副室53の下方には、縦孔51が形成されており、その縦孔51の下方には、スプリング室57が形成されている。スプリング室57の下方には、スプリング室57とニードル7の端部に形成される低圧室38とを連通する連結流路59が形成されている。
これらの室52、53、57、38および孔51並びに流路59は、反噴射孔側から、制御弁室52、副室53、縦孔51、スプリング室57、連結流路59、低圧室38の順で軸方向に並んで配置されている。また、スプリング室57には、燃料タンク13に通じる戻り流路58が接続されており、噴射孔46が閉弁されているときは、スプリング室57と低圧室38の圧力は、制御弁室52、副室53、圧力制御室32、燃料溜り室48と比べると低くなっている。
これらの室52、53、57、38および孔51並びに流路59の外周側には、高圧流路33の一部と制御圧流路35の一部が形成されている。高圧流路33の外周側には、供給流路37の一部が形成されている。更に、バルブボディ5の上方の端面には、デリバリパイプ11からの燃料を高圧流路33と供給流路37に分岐する分岐部55が形成されている。更に、分岐部55には、副室53に連結する連結流路56が形成されている。
このように分岐部55を制御弁室52付近に設けることにより、燃料噴射弁1に、デリバリパイプ11からの燃料を供給する高圧流路33および連結流路56のためのポートを個別に形成する必要がなくなるとともに、連結流路56の流路長さを可能な限り短くすることができ、燃料噴射弁1に形成される流路を簡素化することができる。なお、制御弁521については、後ほど詳細に説明する。
バルブボディ5の上方には、制御弁521を駆動するアクチュエータであるピエゾアクチュエータ611とこのアクチュエータ611の変位を制御弁521に伝達する伝達ピストン612を収容するノズルホルダ6が設けられている。このノズルホルダ6は、略円柱状の2部品からなり、下方が制御弁室52に連通し、上方が排出ポート63に連通する収容孔61を有する。この収容孔61には、ピエゾアクチュエータ611と伝達ピストン612が収容される。そして、収容孔61の外周側には、上方に燃料配管14が接続される供給ポート62を有する供給流路37の一部が形成されている。この供給流路37は、分岐部55を通るように形成されている。
次に、制御弁521について説明する。制御弁521は、いわゆる2位置3方弁として機能する弁であり、供給流路37の燃料を圧力制御室32へ供給する流路と、圧力制御室32の燃料を戻り配管15へ排出する流路とを切り替えるものである。
具体的には、制御弁521を一方の位置に制御すると、供給流路37、分岐部55、連結流路56、副室53、制御弁室52、制御圧流路35という順で燃料が流通する第1の経路を形成し、他方の位置に制御すると、圧力制御室32、制御圧流路35、制御弁室52、収容孔61、排出ポート63という順で燃料が流通する第2の経路が形成される。
ノズルホルダ6の下方の端面には、制御弁521が着座する上方シート部541が形成されている。制御弁521が上方に移動し、上方シート部541に着座すると、制御弁室52−排出ポート63間の流路が断たれ、上述した第1の経路が形成される。
また、制御弁室52と副室53との間には、制御弁521が着座する下方シート部542が形成されている。制御弁521が下方に移動し、下方シート部542に着座すると、副室53−制御弁室52間の流路が断たれ、上述した第2の経路が形成される。
制御弁521は、下方に副室ピストン部522を有している。そして、副室ピストン部522の下方には、制御弁521および副室ピストン部522を上方に付勢するコイルスプリング524が設けられている。なお、副室ピストン部522は、縦孔51に軸方向に摺動可能に支持される。副室ピストン部522の上方端面523は、副室53内に臨み、下方端面は、スプリング室57に望むように配置されている。
ピエゾアクチュエータ611の電荷を放出したり、電荷を注入したりすることにより、制御弁521を上方シート部541に着座させるか、下方シート部542に着座させるかを制御することができる。
ピエゾアクチュエータ611の電荷を放出すると、アクチュエータ611は収縮するので、伝達ピストン612は上方に移動する。制御弁521は、副室ピストン部522がコイルスプリング524によって上方に付勢されているので、上方に移動し、上方シート部541に着座する。
ピエゾアクチュエータ611に電荷を注入すると、アクチュエータ611は伸長するので、伝達ピストン612は下方に移動する。制御弁521は、伝達ピストン612によって下方に押され、下方シート部542に着座する。
制御弁521には、副室ピストン部522が形成されているため、連結流路56を介してデリバリパイプ11からの燃料が供給されると、副室ピストン部522の上方端面523に燃料圧が作用するため、制御弁521を下方に移動させる際、ピエゾアクチュエータ611の負担を軽減させることができる。
次に、ニードル7について詳細に説明する。図1に示すように、ニードル7は、一方の先端部に、噴射孔46を開閉する弁体部71を有している。この弁体部71は、いわゆる外開弁であり、ニードル7が下方に移動すると、噴射孔46のシート部47から弁体部71が離れ、上方に移動すると、シート部47に弁体部71が着座する。
ニードル7は、反噴射孔側の端部に、外径の異なる大径ピストン部8(請求項に記載の第1ニードルに相当)と小径ピストン部9(請求項に記載の第2ニードルに相当)を有している。大径ピストン部8は、小径ピストン部9よりも反噴射孔側に設けられている。これらのピストン部8、9は、それぞれ、縦孔31、42に軸方向に摺動可能に支持されている。
大径ピストン部8と小径ピストン部9とは、別々の部品で構成されており、大径ピストン部8には、大径側係止部82が形成され、小径ピストン部9には、小径側係止部91が形成されている。大径側係止部82と小径側係止部91とを係止させることにより、大径ピストン部8と小径ピストン部9は互いに連結する。なお、大径側係止部82と小径側係止部91が請求項に記載の連結手段に相当する。大径ピストン部8と小径ピストン部9とが各係止部82、91によって連結されることによって、ニードル7は一体物となり軸方向に共に移動可能となる。
次に、大径ピストン部8と小径ピストン部9について詳細に説明する。大径ピストン部8は、略円柱状の大径側摺動部81(請求項に記載の第1摺動部に相当)と、この大径摺動部81よりも外径が大きい略円柱状の大径側係止部82との2つの部分を有している。少なくとも大径側摺動部81は、大径側ノズルボディ3に形成された縦孔31に軸方向に摺動可能に支持されている。これにより、縦孔31は、圧力制御室32と低圧室38とに区分けされる。
大径側係止部82は、図3に示すように、下方が開口する溝部83(請求項に記載の凹部に相当)を有している。この溝部83は、大径側係止部82の径方向側面にも開口するように形成されている。溝部83の内壁には、小径側係止部91と当接する大径側係止面84(請求項に記載の凹部側係止面に相当)が形成されている。大径側係止面84は、ニードル7の軸方向に交差するように、かつ、その面84が上方を向くように溝部83の内壁に形成されている。溝部83を側面から見ると、溝部83の開口部分の内壁間の距離よりも、開口部分の上方の内壁間の距離の方が大きくなっている。なお、本実施形態では、溝部83は2つの大径側係止面84を備えている。
図6は、大径ピストン部8の大径側係止部82の平面図である。これら2つの大径側係止面84は、図6に示すように、大径側係止面84同士の間隔L1がほぼ同じとなるように形成されている。
小径ピストン部9は、略円柱状の小径側摺動部95(請求項に記載の第2摺動部に相当)と、小径側摺動部95の外径以下の外径を有する略円柱状の小径側係止部91との2つの部分を有している。小径側摺動部95は、小径側ノズルボディ4に形成された縦孔42に軸方向に摺動可能に支持されている。
ここで、大径側摺動部81と縦孔31との隙間、および小径側摺動部95と縦孔42との隙間は、圧力制御室32の液密性を確保できる程度に設定されている。例えば、1〜5μmのように非常に小さく設定されている。
小径側係止部91は、ヘッド部92とヘッド部92と小径側摺動部95とを連結するロッド部93とを有している。図3に示すように、ヘッド部92はロッド部93よりも外径が大きく、ヘッド部92の下方の面には、上述の大径側係止面84と対面する小径側係止面94(請求項に記載の凸部側係止面に相当)が形成されている。なお、ヘッド部92とロッド部93が請求項に記載の凸部に相当する。
大径ピストン部8と小径ピストン部9とを連結するときは、図4に示すように、溝部83の側方から、ヘッド部92の小径側端面99が溝部83の底部87とが対面するようにヘッド部92とロッド部93とを挿入し、大径側係止面84に小径側係止面94を当接させる。大径ピストン部8に小径ピストン部9を連結させたとき、小径側係止部94は、溝部83に覆われるので、ニードル7の軸方向長さ、すなわち、燃料噴射弁1の全長が長くなるのを抑制することができる。
このように、両ピストン部8、9は連結されているので、両ピストン部8、9に互いに離れる方向の力が発生したときは、大径側係止面84と小径側係止面94とが当接し、両ピストン部8、9を上方または下方のいずれかの方向に共に移動させることができる。大径側係止面84と小径側係止面94との接触は、面接触となっている。これにより、大径側係止面84、および小径側係止面94にかかる荷重を分散させることができる。
図1および図3に示すように、大径ピストン部8と小径ピストン部9とが連結された状態のニードル7は、大径ピストン部8の下方の端部と小径ピストン部9の端部とが圧力制御室32に臨むようにハウジング16に配置される。したがって、圧力制御室32に高圧流路33を経由してデリバリパイプ11の燃料が供給されると、大径側係止部82の下方の端面である大径側受圧面85(請求項に記載の第1端部に相当)と、小径側摺動部95とロッド部93との間に形成される面である小径側受圧面96(請求項に記載の第2端部に相当)に燃料圧が作用する。大径側受圧面85は、噴射孔46に向かうようにして圧力制御室32内に配置されている。
圧力制御室32に所定の燃料圧を有する燃料が供給されると、大径側受圧面85および小径側受圧面96には同じ圧力が作用する。大径側受圧面85に燃料圧が作用すると、大径ピストン部8には、ニードル7を上方に移動させる力が発生する。また、小径側受圧面96に燃料圧が作用すると、小径ピストン部9には、ニードル7を下方に移動させる力が発生する。大径側受圧面85は、小径側受圧面96に比べ、軸方向の投影面積が大きいため、ニードル7には、上方に移動する力が発生する。
上述したように、低圧室38の圧力は、低圧側である燃料タンク13に接続されているため、圧力制御室32の圧力値は、低圧室38の圧力値以上となり、ニードル7を上方に移動させる力を大きくすることができる。
詳細に説明すると、大径側受圧面85に作用した圧力は、大径ピストン部8には、このピストン部8を上方に移動させる力が発生する。小径側受圧面96に作用した圧力は、小径ピストン部9には、小径ピストン部9を下方に移動させる力が発生する。大径ピストン部8に発生する上方の力は、小径ピストン部9に発生する下方の力よりも勝るので、大径ピストン部8は、小径ピストン部9を上方に引っ張るようにして上方に移動する。
なお、圧力制御室32内の圧力は、制御弁521によって調整可能であるため、ニードル7に発生する上方の力を調整することができる。圧力制御室32に供給された燃料の一部は、大径側係止部82および大径側摺動部81の側面と縦孔31の内壁との間を通って連結流路59、スプリング室57、および戻り流路58を介して燃料タンク13に戻る。
次に、ニードル7に作用する燃料圧とニードル7に発生する力との関係について説明する。ニードル7は、ニードル7を下方に移動させる力と上方に移動させる力のバランスによってその軸方向の位置が決定される。
ニードル7を下方に移動させる力は、供給流路37を介して燃料溜り室48に供給される燃料圧が弁体部71の受圧面72に作用することによって発生する力と、低圧室38内の燃料圧が大径側端面86に作用することによって発生する力である。
ニードル7を上方に移動させる力は、燃料溜り室48内に収容されているコイルスプリング483の付勢力と、圧力制御室32に供給される燃料圧が上述の大径側受圧面85から小径側受圧面96を差し引いた面積に作用することにより発生する力との合計の力である。
なお、図1に示すように、圧力制御室32内の圧力がデリバリパイプ11と同じ圧力となっているときは、ニードル7を下方に移動させる力よりも上方に移動させる力のほうが勝っているので、ニードル7は上方に移動しようとする。
上述の力のバランスは、圧力制御室32内の圧力を調整することにより変えることができる。圧力制御室32内の圧力を低下させると、上方に移動させる力が弱まるので、上方に移動させる力よりも下方に移動させる力が勝り、ニードル7は、下方に移動する。その状態から、再び、圧力制御室32内の圧力を上昇させる(デリバリパイプ11と同じ圧力にする)と、下方に移動させる力よりも上方に移動させる力が勝り、ニードル7は、上方に移動する。
本実施形態では、ニードル7の大径ピストン部8の大径側受圧面85が、圧力制御室32に臨み、圧力制御室32内の圧力が作用すると、ニードル7を上方に移動させる力が発生するように形成されているので、従来技術の外開弁形式のものに比べ、弁体部71がシート部47に着座するときのシート力を、コイルスプリング483の体格を大きくせずに向上させられる。
また、圧力制御室32内の圧力を調整するだけで、ニードル7を上方に移動させる力を調整でき、ニードル7の移動を制御することもできる。すなわち、ニードル7を移動させるための駆動装置を別に用意することなく、ニードル7の移動を制御することができる。
つまり、大径側受圧面85を圧力制御室32に臨ませ、圧力制御室32を調整可能とすることで、噴射孔46の閉弁時のニードル7のシート力を向上させるという機能と、ニードル7の移動を制御するという機能とを併せ持たせることができる。
また、大径側係止部82の外径は、大径側摺動部81の外径よりも大きいため、小径側係止面94と当接する大径側係止面84の面積を大きくすることができる。これによれば、ニードル7が上方に移動する際の各係止面84、94にかかる荷重を分散することができる。
そして、図5に示すように、ロッド部93の断面は、円柱状の側面2箇所を軸方向に切り落としたような形状となっている。このようにロッド部93を形成することにより、ヘッド部92に形成される小径側係止面94の面積を確保しつつ、ロッド部93の断面積をできるだけ大きくすることができるので、ロッド部93の強度低下を抑制することができる。
また、図3に示すように、ヘッド部92とロッド部93との接続部97、およびロッド部93と小径側摺動部95との接続部98の形状が、曲面、若しくは、面取り形状となっているので、小径ピストン部9が大径ピストン部8に引っ張られるようにして上方に移動する際に生じる、各接続部97、98の応力集中を緩和させることができる。
また、大径ピストン部8の大径側係止面84は、図6に示すように、各大径側係止面84同士の間隔L1がほぼ同じように形成されているので、大径側係止面84に小径側係止面94を当接させ、ニードル7が上方または下方に移動するとき、大径側摺動部81および小径側摺動部95の側面が縦孔31、42にかた当たりすることを抑制でき、安定して両ピストン部8、9を連結することができる。
溝部83に形成される大径側係止面84は、2つに限定されるものではない、図7に示すように、大径側係止面84は3つであってもよい。大径側係止面84が3つ以上であっても、図6に示す大径側係止面84と同様、各大径側係止面84同士の間隔L2は同じであったほうが好ましい。
次に、本実施形態の作動を図1から図3に基づいて説明する。図1は、燃料噴射を停止している状態を示し、図2は、燃料噴射を行っている状態を示している。
図1の状態では、ピエゾアクチュエータ611は、電荷が放出された状態である。この状態では、アクチュエータ611は収縮し、伝達ピストン612は上方に移動している。伝達ピストン612は、上方に移動しているため、制御弁521は、コイルスプリング524の付勢力により上方に移動し、制御弁521が上方シート部541に着座する。
この状態で、デリバリパイプ11から所定の燃料圧を有した燃料が供給ポート62から供給流路37に供給されると、その燃料は、供給流路37を介して燃料溜り室48に供給される。そして、圧力制御室32には、高圧流路33と、連結流路56、副室53、制御弁室52、制御圧流路35という2つの経路から供給流路37内の燃料が供給される。
このとき、ニードル7には、上述したように受圧面72に燃料溜り室48の燃料圧が作用したときに発生する下方の力、大径側受圧面85と小径側受圧面94に圧力制御室32の燃料圧が作用したときに発生する上方の力とコイルスプリング483の付勢力による上方の力が発生する。この状態では、下方の力よりも上方の力の方が勝っているため、ニードル7は上方に移動しようとする。このため、弁体部71がシート部47に着座する状態が維持される。
続いて、ピエゾアクチュエータ611に電荷が注入されると、アクチュエータ611は、伸長し、伝達ピストン612は下方に移動する。伝達ピストン612が下方に移動すると、制御弁521も下方に移動し、制御弁521が下方シート部542に着座する。
制御弁521が下方シート部542に着座すると、制御弁室52と副室53との連通が断たれるため、燃料の流通経路が変化する。すなわち、圧力制御室32、制御圧流路35、制御弁室52、収容孔61、排出ポート63という経路が形成され、圧力制御室32の燃料が燃料噴射弁1から排出される。圧力制御室32へは、噴射停止時と同様に高圧流路33を介して燃料が供給されるが、オリフィス34の径がオリフィス36の径よりも小さいので、圧力制御室32内の圧力は低下する。
すると、ニードル7に作用する上述の力のバランスが変化する。すなわち、ニードル7に発生する下方の力が上方の力よりも勝り、ニードル7は下方に移動する。このため、弁体部71は、シート部47から離座し、燃料溜り室48内の燃料が噴射孔46から噴射される。
所定時間燃料が噴射されたところで、再び、ピエゾアクチュエータ611の電荷を放出すると、燃料噴射弁1は図1の状態に戻り、燃料の噴射が停止する。本実施形態では、圧力制御室32への燃料の供給経路が、2つ(高圧流路33を介して供給される経路と制御圧流路35を介して供給される経路)あるので、圧力制御室32内の圧力の回復が比較的速い。このため、ニードル7を上方に移動させる速度を速くすることができ、燃料噴射弁1の閉弁特性を向上させることができる。
次に、燃料噴射弁1の製造手順を図8に基づいて説明する。本実施形態の燃料噴射弁1に使用されるニードル7は、いわゆる外開弁形式のものであるため、最初に、大径ピストン部8を切り離した状態のニードル7を下部ノズルボディ43の噴射孔46から小径ピストン部9を挿入する。
その後、上方から下部ばね受け部482、コイルスプリング483、上部ばね受け部481の順で、ニードル7に挿入する。その後、上方から上部ノズルボディ41を下部ノズルボディ43の上部に被せる。このとき、図8に示すように、上部ノズルボディ41の上端面からは、小径側係止部91が突き出ている。
その後、小径側係止部91と大径側係止部82とを図4に示すように連結する。そして、大径側ノズルボディ3を上方から被せ、縦孔31に大径側摺動部81を挿入する。
その後、図示しないが、制御弁521等を組み付けたバルブボディ5およびピエゾアクチュエータ611等を組み付けたノズルホルダ6を順番に大径側ノズルボディ3の上方から被せていく。そして、最後に、リテーニングナット17によって、小径側ノズルボディ4と、大径側ノズルボディ3と、バルブボディ5と、ノズルホルダ6とを一体化する。
本実施形態では、両端部間に圧力制御室32内の圧力が作用することにより、ニードル7に開閉方向の力を発生させる大径側受圧面85または小径側受圧面96を有するニードル7を、大径側摺動部81を有する大径ピストン部8と、大径側摺動部81の外径よりも小さい小径側摺動部95を有する小径ピストン部9との2つの部品より構成させている。
このため、ノズルボディ2の縦孔31、42に大径ピストン部8と小径ピストン部9とを別々に摺動可能に収容することができる。そして、大径ピストン部8と小径ピストン部9とは、互いの径方向の動きが拘束されないように、大径側係止部82と小径側係止部91とによって連結されている。よって、外径が異なる摺動部(大径側摺動部81、小径側摺動部95)を有するニードル7であっても、各摺動部81、95の摺動を確保しつつ、ニードル7をノズルボディ2に収容することができる。また、摺動部81、95の摺動が確保できるので、摺動部81、95間に形成される圧力制御室32の液密性を確保させやすくなる。
また、小径ピストン部9に形成されているヘッド部92は、その外径が小径側摺動部95の外径以下となっているので、小径ピストン部9をノズルボディ2に収容させる際、ヘッド部92は縦孔42を通過できる。これにより、小径ピストン部9を縦孔42に引っ掛けることなく容易に収容することができる。
本実施形態では、ノズルボディ2は大径側ノズルボディ3と小径側ノズルボディ4から構成され、各ノズルボディ3、4には、ニードル7を軸方向に摺動可能に支持する縦孔31、42がそれぞれ形成されている。したがって、加工の精度によっては、各縦孔31、42の軸線がずれることがある。
本実施形態では、小径側係止部91のヘッド部92およびロッド部93、並びに大径側係止部82の溝部83の内壁は、大径ピストン部8に小径ピストン部9を連結したときに、ヘッド部92およびロッド部93の側面と、溝部83の内壁との間に隙間が形成されるような隙間嵌めの寸法公差となっている。このため、各縦孔31、42の軸線のずれを吸収できる。
第1実施形態では、圧力制御室32には、燃料溜り室48に供給される流体と同じ流体、すなわち、デリバリパイプ11内の燃料が供給されているが、図9に示すように、圧力制御室32に供給される流体と燃料溜り室48に供給される流体は別々のものであっても良い。例えば、図9に示すように、圧力制御室32には、燃料ではない他の高圧流体(作動油)を供給し、燃料溜り室48には、デリバリパイプ11内の燃料を供給する。
具体的には、デリバリパイプ11とは、別に請求項に記載の供給源としての作動油パイプ11aを備え、そのパイプ11aから作動油配管14aを介して圧力制御室32および副室53に作動油を供給する。作動油パイプ11aには、作動油タンク13aの作動油が、作動油用サプライポンプ12aにより圧送されて所定の圧力で蓄えられる。
この場合、第1実施形態とは異なり、燃料溜り室48に燃料を供給する供給流路37aと、圧力制御室32および副室53作動油流路37bは、それぞれ独立した流路とする必要がある。なお、圧力制御室32および副室53から排出される作動油は、作動油戻り配管15aを介して作動油タンク13aに戻される。
この他の実施形態における燃料噴射弁1aの上述した以外の部品は同じ構成であるため、各部品の説明および燃料噴射弁1aの動作説明については省略する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態による燃料噴射弁1bを図10に基づいて説明する。図10は、第1実施形態の図1に対応する図であり、燃料噴射停止時を示している。ここでは、上述の第1実施形態との相違点のみを説明する。
第1実施形態との相違点は、第1実施形態では、図1に示すように高圧流路33が形成されているのに対し、第2実施形態では、図10に示すように上述の高圧流路33が形成されていない点である。図10では、高圧流路33が形成されていないため、圧力制御室32への燃料の供給・排出は、以下に示すような動作となる。
ピエゾアクチュエータ611の電荷が放出された状態では、アクチュエータ611は収縮しているので、伝達ピストン612は上方に移動している。このとき、制御弁521はコイルスプリング524の付勢力により、上方に移動し、制御弁521が上方シート部541に着座する。
この状態で、デリバリパイプ11から所定の燃料圧を有した燃料が供給ポート62から供給流路37に供給されると、その燃料は、供給流路37を介して燃料溜り室48に供給される。そして、圧力制御室32には、連結流路56、副室53、制御弁室52、制御圧流路35というただ1つの経路から供給流路37内の燃料が供給される。
このとき、ニードル7は、第1実施形態でも説明したように、上方に移動しようとするので、弁体部71がシート部47に着座する状態が維持され、燃料の噴射が停止される。
続いて、ピエゾアクチュエータ611に電荷が注入されると、アクチュエータ611は、伸長するので、伝達ピストン612は下方に移動する。伝達ピストン612が下方に移動すると、制御弁521も下方に移動し、制御弁521が下方シート部542に着座する。
制御弁521が下方シート部542に着座すると、制御弁室52と副室53との連通が断たれるため、燃料の流通経路が変化する。圧力制御室32、制御圧流路35、制御弁室52、収容孔61、排出ポート63という経路が形成され、圧力制御室32の燃料が燃料噴射弁1から排出され、圧力制御室32内の圧力は低下する。
すると、ニードル7は、第1実施形態でも説明したように、下方に移動しようとするので、弁体部71がシート部47から離座し、燃料溜り室48内の燃料が噴射孔46から噴射される。所定時間燃料が噴射されたところで、再び、ピエゾアクチュエータ611の電荷を放出すると、ニードル7は上方に移動し、弁体部71がシート部47に着座し、燃料の噴射が停止する。
本実施形態では、第1実施形態と異なり、高圧流路33を備えていない。したがって、圧力制御室32内の燃料を排出する際、圧力制御室32には、新たな高圧燃料が供給されないため、デリバリパイプ11内の燃料圧の損失を抑制することができる。
本発明の第1実施形態における燃料噴射弁の噴射停止時の断面図である。 本発明の第1実施形態における燃料噴射弁の噴射時の断面図である。 図1のニードルの要部断面図である。 図1のニードルの分解斜視図である。 図1のニードルのロッド部の断面図である。 図1の大径ピストン部の大径側係止部の平面図である。 図6の大径側係止部の変形例における大径側係止部の平面図である。 図1のノズルボディ部分の分解断面図である。 本発明の第1実施形態の他の実施形態における燃料噴射弁の断面図である。 本発明の第2実施形態における燃料噴射弁の断面図である。
符号の説明
1 燃料噴射弁、11 デリバリパイプ(燃料源)、12 サプライポンプ、13 燃料タンク、14 燃料配管、15 戻り配管、17 リテーニングナット、2 ノズルボディ、31 縦孔、32 圧力制御室、33 高圧流路、35 制御圧流路、37 供給流路、38 低圧室、42 縦孔、44 縦孔、46 噴射孔、48 燃料溜り室、、7 ニードル、8 大径ピストン部(第1ニードル)、81 大径側摺動部(第1摺動部)、82 大径側係止部(連結手段)、83 溝部(凹部)、84 大径側係止面(凹部側係止面)、85 大径側受圧面(第1端部)、86 大径側端面、9 小径ピストン部(第2ニードル)、91 小径側係止部(連結手段)、92 ヘッド部(凸部)、93 ロッド部(凸部)、94 小径側係止面(凸部側係止面)、95 小径側摺動部(第2摺動部)、96 小径側受圧面(第2端部)

Claims (10)

  1. 先端部に噴射孔、および前記噴射孔と連通する縦孔を有するノズルボディと、前記縦孔に摺動自在に収容され、前記噴射孔を開閉するニードルと、を備え、燃料源からの燃料を噴射または停止する燃料噴射弁において、
    前記ニードルは、第1摺動部を有する第1ニードル、および、該第1ニードルとほぼ同軸上に配置され、前記第1摺動部の外径よりも小さい第2摺動部と前記噴射孔を開閉する弁体部とを有する第2ニードルを有し、
    前記第1ニードルの前記第2ニードル側の端部である第1端部と、前記第2ニードルの前記第1ニードル側の端部である第2端部との間に設けられ、前記第1、第2ニードルが前記噴射孔を開閉すべく軸方向に共に動くように、前記第1、第2ニードルを互いに連結する連結手段と、
    前記第1、第2摺動部の間に、前記ノズルボディの前記縦孔と前記ニードルによって区画され、前記第1端部または前記第2端部に調整された流体圧を作用させ、前記ニードルに開閉方向の力を発生させる圧力制御室と、を備え、
    前記連結手段は、前記第1端部に形成される凹部と、前記第2端部に形成され、前記第1、第2ニードルが互いの径方向の動きを拘束しあわないように前記凹部に挿入させて嵌め合わされる凸部とを有することを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記凸部は、その最大外径が前記第2摺動部の外径以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記凸部は、ヘッド部と、前記ヘッド部の外径より小さいロッド部とを有し、前記ヘッド部と前記ロッド部との間には、前記凸部側係止面が形成され、
    前記凹部は、前記凸部側係止面と対面し、前記第1ニードルと前記第2ニードルとが互いに離れるとき、前記凸部側係止面と当接する前記凹部側係止面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記凸部側係止面と前記凹部側係止面とは、面接触していることを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射弁。
  5. 前記凹部は、前記第1ニードルの径方向側面にも開口していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  6. 前記凸部と前記凹部は、径方向に隙間が形成されるように前記凹部に前記凸部が挿入され、前記第1ニードルと前記第2ニードルとが連結されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  7. 前記ヘッド部と前記ロッド部との接続部、および前記第2端部と前記ロッド部との接続部の形状が、曲面、若しくは面取り形状となっていることを特徴とする請求項3または4に記載の燃料噴射弁。
  8. 前記凹部の前記凹部側係止面は、少なくとも2つ有しており、これらの前記凹部係止面は、それぞれ周方向でほぼ等間隔となっていることを特徴とする請求項3、4、または7のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  9. 前記第1ニードルの前記凹部側係止面が形成されている部分の外径は、前記第1ニードルの前記第1摺動部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項3、4、7、または8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
  10. 前記圧力制御室は、前記第1、第2摺動部の間に、前記第1端部および前記第2端部とが臨むように区画されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の燃料噴射弁。
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