JP2008149573A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクジェット記録ヘッドの誤動作および発煙・発火を防止して記録ヘッドの安全性を向上させるために、電気接合部へのインクの浸入を即座に感知できるような記録ヘッドとする。
【解決手段】記録素子基板と、フレキシブルフィルム配線基板と、電極A、電極B及び電極AとBを電気接続する部分を封止するように設けられた封止材とを備えたインクジェット記録ヘッドであって、記録素子基板の封止材によって封止された部分には、インクを検知可能な電極Cが設けられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細な吐出口からインクを液滴として吐出させて記録媒体に記録を行うインクジェット記録ヘッド、及びこのインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置は、いわゆるノンインパクト記録方式の記録装置であり、高速で様々な記録メディアに対する記録が可能であって、記録時における騒音がほとんど生じないといった特徴を有している。このようなことから、インクジェット記録装置は、プリンタ、ワードプロセッサ、ファクシミリ、複写機などの記録機構を担う装置として広く採用されている。
この種のインクジェット記録装置に用いられるインクジェット記録方式の代表的な例としては、特許文献1及び2に記載されているように、吐出エネルギ発生素子として電気熱変換素子を用いた方式がある。この方式は、微少な吐出口からインクの液滴を吐出させて記録媒体に記録を行うものである。この方式は、一般的に液滴を形成する為の吐出ノズルを備えたインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記録ヘッドに対してインクを供給するインク供給系とから構成されている。そして、電気熱変換素子を加圧室内に有し、これに記録信号となる電気パルスを印加する事によってインクに熱エネルギを与え、その時のインクの相変化により生じるインクの発泡時(沸騰時)の気泡圧力をインク滴の吐出に利用するものである。
この電気熱変換方式を用いたインクジェット記録ヘッドには、電気熱変換素子が配列された基板に対して平行にインクを吐出させる方式(エッジシュータ)と、電気熱変換素子が配列された基板に対して垂直にインクを吐出させる方式(サイドシュータ)がある。
図9は、一般的な、吐出口が配列されてインクを吐出する機能を有する基板(以下、「記録素子基板」という。)を示す図であり、同図(a)はその平面図、(b)は底面図、(c)は側面図である。また、図10は、図9に示した記録素子基板がフレキシブルフィルム配線基板に接続された状態を示す図である。
図9に示すように、記録素子基板101にはその裏面からインクを供給するための貫通穴(記録液供給口)103が形成されている。また、基板102の表面にはインクに吐出エネルギを付与するための電気熱変換素子(図示していない)が貫通穴103出口の両側にそれぞれ複数配列され、基板102上には吐出口プレート105が設けられている。この吐出口プレート105には、複数の電気熱変換素子にそれぞれ対向(対応)するように複数の吐出口106が形成されている。そして、図6に示すように、基板102の表面の両端部には複数の電気熱変換素子にそれぞれ電気的に接続された複数の電極パッド107が配置されている。
また、図10に示すように、記録素子基板101に設けられた複数の電極パッド107とフレキシブルフィルム配線基板111に設けられた複数の電極リード113とが電気的に接続されて記録素子ユニット120が構成される。この電気接続部は、インクによる腐食や外部から作用する力による断線から保護するために、接続部全体が封止樹脂119によって被覆保護されている。図11に示すように、図10の記録素子ユニットは支持部材に接着固定されてインクジェット記録ヘッドが形成される。
特開昭54−51837号公報 特開昭54−59936号公報
しかしながら、インクジェット記録ヘッドが駆動する時、記録ヘッド自身が昇温するため、この熱の影響により、インクジェット記録ヘッドを構成する各要素はそれぞれが僅かに膨張・収縮を繰り返す。この際、記録素子基板101と封止樹脂119との線膨張係数が異なるため、まれに記録素子基板101と封止樹脂119との界面に剥がれが生じる場合があった。また、例えば高温高湿環境において長期使用する場合、封止樹脂119が徐々に劣化して記録素子基板101と封止樹脂119との界面で剥がれが生じる場合があった。
この結果、記録素子基板101に設けられた複数の電極パッド107とフレキシブルフィルム配線基板111に設けられた複数の電極リード113の電気接合部にインクが浸入する場合があった。このように電気接合部にインクが浸入すると、アルミニウム等で形成されている電極パッド107が腐食することによって電極パッド107が断線し、記録装置からの電気信号が正確に伝わらずに記録ヘッドが誤動作を起こしてしまう可能性があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、電気接合部へのインクの浸入を検知するセンサを記録素子基板に設けることで、予め電気接合部へのインクの浸入を検知して記録ヘッドの誤動作を防止し記録ヘッドの信頼性を向上させることを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明は、次のような構成としたことを特徴とする。
1.複数の吐出口と、インクを吐出するためのエネルギを発生し且つ各吐出口に対応して設けられた複数のエネルギ発生素子と、前記エネルギ発生素子に電気接続された複数の電極Aとを有する記録素子基板と、
前記複数の電極Aに電気接続されて電極Aに電圧を印加するための複数の電極Bを有するフレキシブルフィルム配線基板と、
前記電極A、電極B、及び電極AとBを電気接続する部分を封止するように設けられた封止材とを備えたインクジェット記録ヘッドであって、
前記記録素子基板の前記封止材によって封止された部分には、インクを検知可能な電極Cが設けられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
2.前記複数の電極Aは、電極Aの配列を構成し、
前記電極Cは、前記電極Aの配列方向において電極Aの配列の両端に配置された2つの端部電極と、前記端部電極のうち少なくとも一方の端部電極に電気接続された帯状電極とから構成されていることを特徴とする上記1に記載のインクジェット記録ヘッド。
3.前記電極Cは、腐食性金属を含むことを特徴とする上記1又は2に記載のインクジェット記録ヘッド。
4.前記電極Cは、耐腐食性金属を含むことを特徴とする上記1又は2に記載のインクジェット記録ヘッド。
5.上記1から4の何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッドと、
インク認識手段と、
前記インクジェット記録ヘッドを記録媒体に対向して保持するヘッド保持部材と、
を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
なお、「端部電極」とは、電極Cの一部を構成し、電極Aが所定方向に配列された電極Aの配列について、その配列方向の両端に設けられた2つの電極を表す。典型的には、端部電極と電極Aの形状は同じであり、この端部電極と電極Aとから電極パッドが構成されている。
「帯状電極」とは、電極Cの一部を構成し、少なくとも1つの端部電極に電気接続されると共に、所定方向に延在する細長い電極のことを表す。すなわち、帯状電極は端部電極と同じ材料から構成されており、少なくとも1つの端部電極から所定方向に延在するように設けられている。帯状電極は1つの端部電極に電気接続されていても、2つの端部電極を電気接続するものであっても良い(帯状電極は、1つの端部電極から延在するように設けられていても、2つの端部電極間を連結するように設けられていても良い)。
「インク認識手段」とは、本発明のインクジェット記録ヘッドの封止領域内にインクが侵入した際に生じるインク検知センサの抵抗値の変化やショート等の電気信号の変化を検知して、封止領域内にインクが侵入したことを認識する手段である。
本発明は、インクジェット記録ヘッドの記録素子基板にインクの浸入を検知するセンサを設けることによって、電気接合部へのインクの浸入を即座に感知することができる。この結果、記録ヘッドの誤動作を防止し、記録ヘッドの信頼性を向上させることができる。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、記録素子基板とフレキシブルフィルム配線基板とを有する。また、記録素子基板には、複数の吐出口、各吐出口に対応して設けられた複数のエネルギ発生素子、及びエネルギ発生素子に電気接続された複数の電極Aを備えている。この複数の吐出口には、記録液供給口からインクが流れ込むようにインク流路が設けられている。
そして、この記録素子基板の電極Aとフレキシブルフィルム配線基板の電極Bとは電気接続され、電極A、電極B及び電極AとBを電気接続する部分(バンプ等)を封止するように封止材が設けられている。このため、記録素子基板上には、電極A及び電極AとBを電気接続する部分を封止することができるよう、これらの部分とその周囲を覆うように封止材が設けられている。本発明のインクジェット記録ヘッドでは、この記録素子基板上の封止材によって封止された部分に電極Cが設けられている点に特徴がある。そして、インクがこの封止材によって封止された部分(封止領域)に侵入した際には、電極Cによってこれを検知できるようになっている。なお、本発明では、この電極Cは電極A、B及び電極AとBを電気接続する部分とは接触しないように設けられているため、電極Cがこれらの部分の作動に悪影響を及ぼすことはない。
また、本発明のインクジェット記録ヘッドにおいて、このインク検知センサ(電極C)を設けた以外の構成としては、例えば、図9〜11の構成とすることができる。
本発明の実施形態の一例について図面を参照して以下に説明する。
(記録素子基板)
図1は、本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板の第1の実施例を示す図である。また、図2は記録素子基板の電極Aとフレキシブルフィルム配線基板の電極Bとを電気接続し、封止樹脂(封止材)により電極A、B及び電極AとBを電気接続する部分(以下、「電気接合部」と記載する。)を封止した状態を示す図である。図2(a)は、これらの部分の平面図、(b)は断面図を示す。
図1に示すように、本実施例のインクジェット記録ヘッドにおける記録素子基板101は、単結晶シリコンの基板と、吐出口プレート105とで構成されている。この単結晶シリコンの基板は、エネルギ発生素子として複数の電気熱変換素子(図示していない)が所定のピッチで並列配置されている。また、この吐出口プレート105は、この基板に接合されて各電気熱変換素子の位置に対応するように複数の吐出口106が形成されている。
記録素子基板101の端部には、フレキシブルフィルム配線基板の電極リード(電極B)と電気的に接続するための複数の電極A(白抜きの四角形の部分)131とインク検知センサ(電極C)109が形成されている。なお、このインク検知センサ109は、複数の電極A131の配列において、その配列方向134の両端に設けられた2つの端部電極(太字四角形で囲まれた部分)132と、この2つの端部電極132を電気接続する帯状電極133とから構成されている。
すなわち、電極A 131、インク検知センサ(電極C)109、及び電極A 131と電極リード(電極B)113の電気接合部上には、インクや外部作用から保護するための封止樹脂(封止材)119が塗布されている。そして、記録素子基板101上の、この封止材119によって封止された領域は、封止領域118を構成している。そして、図1、図2に示すように、記録素子基板101の封止領域118上には、インクを検知可能な電極(インク検知センサ;電極C)109が形成されている。また、インク検知センサ109は、端部電極132を介してフレキシブルフィルム配線基板に電気接続されている。
インク検知センサ109は腐食性金属で構成され、封止領域118内にインクが侵入すると、このインクによってインク検知センサ109が腐食してインク検知センサ109の抵抗値が変化する。本発明では、このインク検知センサ109の抵抗値変化によって封止領域118にインクが浸入したことをプリンタ本体が認識できるようになっている。インク検知センサ109の構成材料としては例えば、アルミニウム、タングステン、バナジウム、モリブデン等の材料が用いられる。
この封止領域118にインクが浸入したことをインク検知センサが認識した場合には、例えば、以下のような構成とすることによりインクジェット記録ヘッドの誤動作を防止することができる。
・自動停止手段により、インクジェット記録ヘッドへの電力供給を直ちに自動停止させる(自動電源OFF機能)。
・アラーム表示手段により、使用者が分かるようにアラーム表示をする。
また、インク検知センサ(電極C)109の帯状電極133は、数μm〜数十μmの幅を有することが好ましい。端部電極の幅がこれらの微小な範囲内にあることによって、従来の記録素子基板に対して大きな設計変更を伴うことなく、記録素子基板上にインク検知センサを設置することができる。また、高精度でインクの検知することができる。
図3は、本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板の第2の実施例を示す図である。この実施例において第1の実施例と異なる点は、インク検知センサの帯状電極133が1つの端部電極132にのみ電気接続され、且つこれが2本(1対)、形成されている点である。また、インクを検知するための電極C 109は、腐食性金属および耐腐食性金属のいずれかの金属で構成されている。電極C 109が腐食性金属の場合、例えばアルミニウム、タングステン、バナジウム、モリブデン等の材料が用いられる。また、電極C 109が耐腐食性金属の場合、例えばタンタル、白金、ニオブ等の材料が用いられる。
図3に示す電極Cの構成では、封止領域118に侵入したインクにより互いに平行な2本の帯状電極間のショートによって、インクが浸入したことを検知するようになっている。本実施例では、電極C 109の帯状電極133は2本(1対)の構成としたが、3本以上の複数の帯状電極133でインク検知センサ(電極C)109を構成しても良い。
また、図4、図5は、本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板の第3、第4の実施例を示す図である。図4、図5に示すように、インク検知センサ(電極C)109を、電極A 131が配置されている領域(電極Aの配列)全体を囲うように形成しても良い。この場合、例えば、図4の実施例では電極Cの腐食による電気抵抗の変化によって封止領域118内にインクが浸入したことを検知することができる。また、図5の実施例では、封止領域118内に浸入したインクによって2本の帯状電極133間でショートが起こることによって封止領域118内にインクが浸入したことを検知することができる。
(電気熱変換素子)
次に、電気熱変換素子について説明する。図7は、電気熱変換素子の平面図であり、各電気熱変換素子は各吐出口106に対応する位置に形成されている。また、図8は、図7の電気熱変換素子のA−A線断面図である。
図7および図8に示すように、基板10の表面には熱酸化により得られるSiO膜からなる蓄熱層15が、2〜4μmの膜厚で形成される。蓄熱層15上には、各吐出口106(図1参照)の位置に対応する複数の発熱抵抗層16が形成される。発熱抵抗層16は、例えばHfB膜、TaN膜又はTaSiN膜からなり、その膜厚は100〜3000オングストローム、好ましくは500〜1500オングストロームである。
そして、例えば、Al膜またはAl−Cu膜を、2000〜10000オングストロームの膜厚で形成し、フォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングする。このパターニングにより発熱抵抗層16に電力を供給するための対の電極17a、17bを駆動回路の配線(図示していない)と共に形成する。対の電極17a、17bを介して発熱抵抗層16に電圧を印加することで発熱抵抗層16が発熱する。すなわち、発熱抵抗層16と対の電極17a、17bとで電気熱変換素子13が構成され、特に、対の電極17a、17bで挟まれた部位が、インクに熱エネルギを与える熱作用部14となる。この熱作用部14によって、インクが加熱されて発泡(沸騰)し、その時の気泡圧力により吐出口からインク滴が吐出される。
また、多層配線の場合は、上記の電極17a、17b上に、層間絶縁層として、例えばSiO膜又はSi膜を0.5〜2μmの膜厚で形成する。この後、第2の電極(図示していない)として例えば、Al膜又はAl−Cu膜を2000〜10000オングストロームの膜厚で形成し、所望の形状にパターン形成する。
上記各層は、第1の保護層18により保護され、さらに第1の保護層18の表面には第2の保護層19(「耐キャビテーション層」ともいう)が設けられている。第1の保護層18は、例えば、SiO膜又はSi膜からなり、CVD法またはスパッタリング法により3000〜10000オングストロームの膜厚で形成される。第2の保護層19は、熱作用部14より伝わった熱により発生したインクの気泡が消滅するときに生じる衝撃から、熱作用部14を保護する目的で設けられている。第2の保護層19は、例えばTa膜をスパッタリング法によって500〜5000オングストロームの膜厚で形成した後、フォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングすることによって得られる。
(インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置の作成)
次に、例えば、上記電気熱変換素子を設けた基板上に、腐食性金属であるAlを500〜3000オングストロームの膜厚で形成し、フォトリソグラフィ工程により所望の形状にパターニングする。これによって、インク検知センサとなる電極Cを形成する(図示していない)。また、インク検知センサとして耐腐食性金属を用いる場合には、第2の保護層19と同一の材料(例えばTa膜)を用いても良い。この場合、第2の保護層19の形成時にインク検知センサも同時に形成することができ、製造工程を追加することなくインク検知センサ19を形成することができる。
記録素子基板を形成する際には、上述のように複数の電気熱変換素子13等を形成した基板10上に更に樹脂材料を塗布し、フォトリソグラフィ技術によって電気熱変換素子13に対応した位置にインク流路および吐出口を形成する。このようにして、記録素子基板が形成される。
次に、この記録素子基板上の電気配線に電力を供給するための複数の電極A 131、及びこの電極A 131上にAu等のバンプ114を形成する。バンプ114としては、一般的にはスタッドバンプを用いるが、バンプの構造はこれに限られずソルダーバンプ又はめっきバンプであっても良い。
次に、図2に示すように、フレキシブルフィルム配線基板の開口部の縁に設けた電極リード(電極B)113とバンプ114を電気的に接続する。この電気接続は、バンプ材料を加熱した状態で任意の荷重と超音波振動を所定時間、加えることによって行う。すなわち、電極A上の金バンプ114とフレキシブルフィルム配線基板に設けられ金めっきされた電極リード113との接触面間に金属間結合を形成することにより行われる。
本実施形態では、電極A 131と電極リード113の接続方法として上記のようなシングルポイントボンディングを用いたが、接続方法はこれに限定されない。例えば、熱圧着ユニットを用いて全接続部を一括接続するギャングボンディング、はんだバンプを溶融するリフロー法、対応する両電極間をワイヤーで接続するワイヤーボンディング、公知のACF接続法等の方法がある。接続方法としては、これらのいかなる方法を用いることも可能であり、所有する生産ラインを考慮してこれらの方法から最適な方法を選択すれば良い。
次に、電極A 131、電極リード113、及び記録素子基板101とフレキシブルフィルム配線基板111との電気接合部(バンプ114)の上部を、熱硬化型封止樹脂119により被覆保護する。熱硬化型封止樹脂119としては、例えば、松下電工株式会社製の熱硬化型エポキシ樹脂(CV5420D)のような硬化後に非常に固い硬度を有し、機械的強度を有する熱硬化型封止材が好ましい。
このようにして、記録素子ユニットが形成され、図11に例示されるように、記録素子ユニットH1002とインク供給ユニットH1003とタンクホルダーH2000とから、インクジェット記録ヘッドH1001が構成される。図12はインクジェット記録ヘッドカートリッジの一実施形態を示す斜視図であり、記録ヘッドとインクタンクとが組み合わされた状態を示す。
本実施形態のインクジェット記録ヘッドH1001は、図12から分かるように、インクジェット記録ヘッドカートリッジH1000を構成する一構成要素である。記録ヘッドカートリッジH1000は、記録ヘッドH1001と記録ヘッドH1001に着脱自在に設けられたインクタンクH1900(H1901,H1902,H1903,H1904)とで構成されている。
この記録ヘッドカートリッジH1000は、インクジェット記録装置本体に載置されているキャリッジ(図示していない)のヘッド保持手段及び電気的接点によって固定支持されるとともに、このキャリッジに対して着脱可能となっている。インクタンクH1901はブラックのインク用、インクタンクH1902はシアンのインク用、インクタンクH1903はマゼンタのインク用、インクタンクH1904はイエローのインク用である。このようにインクタンクH1901,H1902,H1903,H1904のそれぞれが記録ヘッドH1001に対して着脱自在となり、それぞれのインクタンクが交換可能となっている。これにより、残量が少なくなったインクタンクのみを個別に取り替えることができることから、インクジェット記録装置による画像記録のランニングコストが低減される。
(インクジェット記録装置)
本発明のインクジェット記録装置では、図12に示したインクジェット記録ヘッドH1001が、キャリッジ(ヘッド保持部材)により記録媒体に対向するように位置決めして交換可能に搭載されている。また、キャリッジには、インクジェット記録ヘッドH1001上の電気接続部を介して各吐出口列に駆動信号等を伝達するための電気接続部(図示していない)が設けられている。
更に、インクジェット記録装置にはインク認識手段が設けられている。このインク認識手段は、キャリッジの電気接続部を介して、インクジェット記録ヘッドの封止領域内に侵入したインクによるインク検知センサの電気信号の変化を検知し、封止領域内にインクが侵入したことを認識するように構成されている。
本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板の第1の実施例を示す図である。 本発明の記録素子基板とフレキシブルフィルム配線基板の電気接合部を示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板の第2の実施例を示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板の第3の実施例を示す図である。 本発明のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板の第4の実施例を示す図である。 従来のインクジェット記録ヘッドの記録素子基板を示す図である。 電気熱変換素子の拡大平面図である。 図7の電気熱変換素子のA−A線断面図である。 従来の電気熱変換素子が配列された記録素子基板を示す図である。 図9の記録素子基板が配線基板に接続された状態を示す図である。 インクジェット記録ヘッドカートリッジの底面を示す斜視図である。 インクジェット記録ヘッドとインクタンクとが組み合わされた状態を示す斜視図である。
符号の説明
10 基板
13 電気熱変換素子
14 熱作用部
15 蓄熱層
16 発熱抵抗層
17 電極
18 第1の保護層
19 第2の保護層
101 記録素子基板
102 基板
103 記録液供給口
105 吐出口プレート
106 吐出口
107 電極パッド
109 インク検知センサ
111 フレキシブルフィルム配線基板
113 電極リード
114 スタッドバンプ(バンプ)
118 封止領域
119 封止樹脂
120 記録素子ユニット
H1000 記録ヘッドカートリッジ
H1001 記録ヘッド
H1002 記録素子ユニット
H1003 インク供給ユニット
H1900 インクタンク
H1901 ブラックインクタンク
H1902 シアンインクタンク
H1903 マゼンタインクタンク
H1904 イエローインクタンク
H2000 タンクホルダー
H2400 ビス

Claims (5)

  1. 複数の吐出口と、インクを吐出するためのエネルギを発生し且つ各吐出口に対応して設けられた複数のエネルギ発生素子と、前記エネルギ発生素子に電気接続された複数の電極Aとを有する記録素子基板と、
    前記複数の電極Aに電気接続されて電極Aに電圧を印加するための複数の電極Bを有するフレキシブルフィルム配線基板と、
    前記電極A、電極B、及び電極AとBを電気接続する部分を封止するように設けられた封止材とを備えたインクジェット記録ヘッドであって、
    前記記録素子基板の前記封止材によって封止された部分には、インクを検知可能な電極Cが設けられていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記複数の電極Aは、電極Aの配列を構成し、
    前記電極Cは、前記電極Aの配列方向において電極Aの配列の両端に配置された2つの端部電極と、前記端部電極のうち少なくとも一方の端部電極に電気接続された帯状電極とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記電極Cは、腐食性金属を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 前記電極Cは、耐腐食性金属を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のインクジェット記録ヘッドと、
    インク認識手段と、
    前記インクジェット記録ヘッドを記録媒体に対向して保持するヘッド保持部材と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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